白色反射層を有するカバーレイフィルム
【課題】液晶表示装置などに用いられる光源装置において、LEDなどから発せられた光の損失が少ない光源装置、この光源装置に好ましく用いられるカバーレイフィルムを提供する。
【解決手段】導電回路9を有するフレキシブル回路基板上に、反射率50%以上の白色反射層14を有するカバーレイフィルムを熱圧着により貼り合わせ、導電回路にLED7などの発光素子をハンダ付けにより実装した光源装置を用いる。発光素子からの光は、カバーレイフィルムの表面反射層により反射され、カバーレイフィルム、フレキシブル回路基板などでの光吸収の恐れなく、効率よく導光板に入光される。
【解決手段】導電回路9を有するフレキシブル回路基板上に、反射率50%以上の白色反射層14を有するカバーレイフィルムを熱圧着により貼り合わせ、導電回路にLED7などの発光素子をハンダ付けにより実装した光源装置を用いる。発光素子からの光は、カバーレイフィルムの表面反射層により反射され、カバーレイフィルム、フレキシブル回路基板などでの光吸収の恐れなく、効率よく導光板に入光される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電回路が設けられたフレキシブル基板などの基板を被覆するために用いられる、白色反射層を有するカバーレイフィルム、このカバーレイフィルムに用いられる白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム、および前記白色反射層を有するカバーレイフィルムを用いて製造されたLED実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶画像を視認するために、液晶素子の裏面に発光体(バックライトユニット)を設置する必要がある。例えば、携帯電話等、小画面の液晶表示装置では、このバックライトとして導光板と冷陰極管やLEDなどの光源との組み合わせにより(導光板方式)、また大画面の液晶表示装置では、導光板を使用せず光源のみにより(直下型方式)、液晶素子の背面から均一な照明がなされている。このような従来の液晶表示装置の一例を、図1〜4を参照して簡単に説明する。
【0003】
図1は、バックライトとして導光板を用いる従来の液晶表示装置の各素子を分解して示したもので、図2はこれを組み立てたものである。図1および図2に示されるように、液晶表示素子3の背面には透明樹脂からなる導光板4が配置され、さらに導光板の背面には反射板5が配置されている。また液晶表示素子の上面には拡散光学シート2や集光レンズである光学シート1などが配置されている。導光板4の側面には、導電回路を有する基板6上に光源、例えばLED7などの発光素子が配置され、全体が筐体B内に収納されている。そして、光源であるLED7により導光板4の側端面から導光板内に入射された光は、導光板背面の反射面により反射され液晶素子側に取り出され、液晶表示素子3を照明し、液晶表示素子3を透過した光は拡散光学シート2や集光レンズである光学シート1で輝度を損なうことなく視認可能となる。なお、導光板4には、LED7の光により液晶表示素子を均一に照明することができるよう、導光板背面にエンボシングやドット印刷等がなされており、このパターン部からの反射光により導光板の垂直方向に均一に光が集光される。
【0004】
また、図3に大画面の液晶表示装置の例を示す。大画面の液晶表示装置においては、バックライトユニットには導光板を使用せず、光源であるLED7を密に面状になるように並べて液晶表示素子3を均一に照明するようにされている。
【0005】
図4は、LED7が実装された基板6を拡大して示したもので、基板フィルム8上には導電回路9が設けられており、LED7の端子はハンダ16により銅回路などの導電回路9に接合されている。基板フィルムとしては、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー等の耐熱性フィルムが用いられている。導電回路は、基板フィルム上に接着剤により貼り合わされた銅箔あるいは蒸着により設けられた銅蒸着層の回路以外の部分をエッチング法により取り除くことにより形成されている。また、基板上の導電回路のLED接合部を除いた部分には、回路の絶縁および保護のためカバーレイフィルム100が貼り合わされている。
【0006】
カバーレイフィルム100を更に詳細に説明する。カバーレイフィルム100は、通常図5に示すように、7.5μm〜50μm厚の耐熱性基材フィルム15と10〜25μm厚の感熱接着剤層13からなっており、基材フィルムの接着剤層面10は、通常、コロナ放電処理やプラズマ処理などが施され、易接着面とされている。カバーレイ用接着剤13は、室温では半硬化状態(Bステージ)であり、高温で軟化し、その後、熱硬化するもので、多くは、熱硬化性のエポキシ系樹脂とゴム系樹脂等の混合物、あるいは、変成アクリル系接着剤等が用いられている。接着は、通常、0.5〜6MPaの圧力、140〜180℃の温度で、20〜100分間加圧熱プレス方法で行われている。
【0007】
これら基板6にLED7、カバーレイフィルム100を実装するには、導電回路9の所定箇所の電極(導電回路)が露出するように予めカバーレイフィルム100の所定の位置に孔を開けておき、所定の電極位置とカバーレイフィルムの孔が合うように重ね合わせ、熱プレスにより貼り合わせばよい。その後、図4に示されるように、露出した回路電極部にLED7の端子がハンダ16により接合され、LEDの実装が行われる。このLED実装カバーレイフィルム付き基板フィルムの構成物を、分離した形で示したのが図6である。カバーレイフィルム100には、電極接合部のみ孔12が開けられている。また図7に、一般的なフレキシブルプリント回路基板(FPC)の製造プロセスとカバーレイフィルムのラミネート工程を示す。
【0008】
このような従来の液晶表示装置において、拡散光学シートや光学レンズシートを通して面発光を得る際、実装されたLEDなどの光源発光素子からの光を出来るだけ失うことなく有効に導光板端面に入射させることが、明るい面発光体を得るために必要とされる。しかし、基板6やカバーレイフィルム100として例えばポリイミドフィルムが使用されていると、ポリイミドは茶褐色であるため基板やカバーレイフィルムがLEDの光を吸収し、このためLEDの発した光は著しく光量が低下してしまう。また基板6やカバーレイフィルム100がポリイミドフィルム以外の透明乃至は半透明の耐熱フィルムである場合でも、基板6またはカバーレイフィルム100が着色していると光吸収があり、同じく光量が低下する。さらに、LEDの発した光の損失なく照明がなされると、発光素子の数を少なくできる、あるいは低光量の光源を用いることができる。これにより、安価にまた光源から発せられる熱量も減少させることができるという利点がある。
【0009】
このような基板あるいはカバーレイフィルムの光吸収を防止するためには、基板あるいはカバーレイフィルムを光吸収性のない白色とすることが必要とされる。しかし、カバーレイフィルムとして例えばポリイミドが用いられる場合、光反射率の高い白色フィルムを製造することはできないし、その他にもポリイミドに白色顔料を混入させることによってフィルムの可撓性並びに強度が低下するという問題、フィルム膜厚の増加などの問題が発生する。
【0010】
このような問題を解決あるいは軽減し、LEDなどの発光素子からの光をできるだけ多く導光板に入光させるために、図8に示されるように、LED7と導光板4の間のカバーレイフィルム上に、白色反射層をスクリーン印刷で設ける方法が考えられるが、この方法では個々の導電回路の形状に応じたスクリーン印刷版を作製することが必要になるし、また印刷工程が増えることになり、加工コストが高くなる。また、基板フィルム6が25μm厚以下と薄い場合には、印刷はシリンダープレス方式のスクリーン印刷で行うこととなるが、この方式は小ロット製造でのロス率が高く、小ロット供給が多い製品の製造には適した方法とはいえない。一方、枚葉でのスクリーン印刷方式は、一般的には小ロットでの製造に適しているものの、この方式では基板が薄いとハンドリングが難しく、コストの上昇につながる。さらに、スクリーン印刷を通常の速度で行えるように、基板6の裏面(導電回路の反対側)に50〜100μm厚の軽剥離粘着剤を設けた粘着シートをバッキング材として貼る方法もあるが、やはりコストが掛かり望ましくない。これに加えて、スクリーン印刷においては高沸点溶剤(ブチルセルソルブ、イソホロン、アセテート類など)が用いられており、インキ用樹脂としてこれら高沸点溶剤に溶解する樹脂を用いることが必要となり、選択しうる樹脂が限られることから、耐熱性で基板密着性が高く、可撓性に優れた白色反射膜を得ることが難しいという問題もある。
【0011】
他の方法として、カバーレイフィルムを用いない方法も提案されている。この方法では、図9に示されるように、導電回路9が形成された基板6上のLED接合部を除いた部分に耐熱性の絶縁白色層11を印刷により設け、これをカバーレイフィルムの替わりにするものである(特許文献1参照)。この方法では、印刷方法として、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられているが、いずれの印刷方法が採用されるにしても、印刷で形成される白色層は充分な絶縁性を有することが必要とされる。絶縁性は白色層の厚さと相関性があり、一般的にはコート層の膜厚が厚くなるほど高絶縁性が得られる。白色コート層が充分な絶縁性、即ち、厚さを持つためには、膜厚の厚い印刷を施す必要があるが、スクリーン印刷法以外の印刷方法は厚膜印刷には適していない。グラビア印刷では、インキの固形分にもよるが、インキ厚は、通常2〜8μm程度であるし、オフセット印刷、フレキソ印刷では1〜6μm程度であり、充分な厚さの白色コート膜を得ることができない。
【0012】
一方、スクリーン印刷では、紗の開口率、乳剤厚さを按配することにより、2〜20μm厚の膜厚のインキ層が得られる。しかし、銅箔のエッチングによる導電回路が形成された基板は、通常、回路部において銅箔の厚さの凸状部が形成される。スクリーン印刷では、ドクターでスキージすることにより平板な紗からインキを押し出して印刷するために、被印刷物の表面は平らな面であることが必要とされる。被印刷物の表面に段差があると、スクリーン印刷の版が被印刷物の凹部に密着せず、また凹部と凸部の境に間隙が生じ、インキ漏れを生じる。そして、漏れたインキは印刷を重ねるうちに、被印刷物の印刷されない部分の銅箔の表面を汚し、ハンダ工程で接合不良を起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−324608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、耐熱性、可撓性であり、高い反射率を有する白色カバーレイ基材フィルムを提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的は、従来のカバーレイフィルム装着装置を用い、従来と同じ条件でフレキシブル回路基板への接着が可能で、且つ、スクリーン印刷等の後加工を行わなくてもLEDなどから発せられた光の損失が少なく、耐熱性、可撓性であり、基板への密着性も優れ、高い反射率を有する白色カバーレイフィルムを提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的は、上記カバーレイフィルムにより被覆されたLED実装基板に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、以下に記載の白色カバーレイ基材フィルム、白色カバーレイフィルムおよびLED実装基板に関する。
【0018】
(1)表面に反射率50%以上の白色度を有し、耐熱性、可撓性、密着性に優れた白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム。
【0019】
(2)前記白色反射層が、少なくとも硬化性の結着樹脂と白色顔料とを含む被膜形成性組成物の塗布により形成されることを特徴とする上記(1)に記載のカバーレイ基材フィルム。
【0020】
(3)前記結着樹脂がウレタン樹脂または第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のカバーレイ基材フィルム。
【0021】
(4)前記被膜形成性組成物において、白色顔料が結着樹脂100重量部に対し50〜500重量部であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0022】
(5)前記基材フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0023】
(6)前記白色反射層の膜厚が15〜30μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0024】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルムの白色反射膜と反対面に接着剤層が設けられてなることを特徴とする白色カバーレイフィルム。
【0025】
(8)上記(7)に記載の白色カバーレイフィルムが導電回路基板に貼り合わされてなることを特徴とするLED実装基板。
【発明の効果】
【0026】
(1)本発明の白色カバーレイフィルムは、反射率50%以上の白色度を有することから、LEDなどの発光素子から発せられた光は大半がカバーレイ基材フィルムや導電回路基板に吸収されることなく反射され、液晶表示装置の導光板端面に有効に入射され、白色反射層を有しない従来のカバーレイフィルムを用いた場合に比べ、高輝度の面発光体を形成することができる。このことは、導光板を用いないで複数の発光素子を用いて直接液晶表素子を照明する場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0027】
(2)また、本発明の白色カバーレイフィルムを用いる場合、従来と同程度の明るさの液晶画面を得たい場合には、発光素子の数が同じであればパワーの小さい発光素子を用いることができるし、同じパワーの発光素子を用いるのであれば発光素子の数を減らすことができるため、安価に、あるいは発熱量の少ない照明装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】LEDと導光板を用いた従来の液晶表示装置の分解断面模式図である。
【図2】従来の導光板方式の液晶表示装置の断面模式図である。
【図3】従来の直下型方式の液晶表示装置の断面模式図である。
【図4】従来の導光板方式の液晶表示装置における基板に装着されたLEDとカバーレイフィルムの拡大断面模式図である。
【図5】従来のカバーレイフィルムの断面模式図である。
【図6】フレキシブル回路基板(FPC)とカバーレイフィルムとLEDの関係を示す、カバーレイフィルム被覆LED実装FPCの展開図である。
【図7】FPCの製造工程およびカバーレイフィルムのラミネート工程の工程図である。
【図8】カバーレイフィルム上に白色印刷層が形成された従来のLED実装FPCの断面模式図である。
【図9】フレキシブル回路基板に白色絶縁層が印刷された従来技術のLED実装基板の断面模式図である。
【図10】白色反射層を有する本発明の白色カバーレイフィルムの断面模式図である。
【図11】本発明の白色カバーレイフィルムが貼り合わされた基板を用いたLED実装基板の断面模式図である。
【図12】本発明の白色カバーレイフィルムがフレキシブル回路基板に熱圧着により貼り合わされた状態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の白色カバーレイ基材フィルム、白色カバーレイフィルム、白色カバーレイフィルムにより被覆されたLED実装基板および該基板を用いた照明装置について更に詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の白色カバーレイ基材フィルム並びに白色カバーレイフィルムを、図を参照しつつ説明する。図10は、本発明の白色カバーレイフィルムの断面模式図である。図においては、各層の膜厚は、説明の都合で適宜拡大あるいは縮小などされて表示されている。このため、図10は、本発明の白色カバーレイフィルムの各層の厚みを正確に表示したものではない。図10において、白色カバーレイフィルムは、基材フィルム15およびこの基材フィルム15上に設けられた白色反射膜14を有する白色カバーレイ基材フィルムと、基材フィルム15の白色反射膜14と反対の面に設けられた感熱接着剤層13からなっている。
【0031】
本発明のカバーレイフィルム200には、反射率50%以上の白色度を有する白色反射層14が設けられていることから、光反射性に優れている。本発明において反射率50%以上という場合、ハンター白度(JIS P 8123)で測定された値をいう。この光反射性に優れた白色反射層が設けられた白色カバーレイフィルムは、従来と同様の方法でLEDなどの発光素子が取り付けられる基板に接着されることが好ましい。前記したように、従来カバーレイフィルムは、0.5〜6MPaの圧力で、140〜180℃の温度において、20〜100分間加圧熱プレスすることにより導電回路基板の回路面に接着される。したがって、本発明の白色カバーレイフィルムも、このような条件での接着に耐えられるものでなくてはならない。また、カバーレイフィルムと接着された基板は、LEDなどの発光素子や他の部品が実装される工程でリフロー等、230〜280℃の高温が10〜60秒間掛けられることから、これらの加熱条件にも耐えうるものでなければならない。
【0032】
このような条件に耐えられる本発明の白色カバーレイフィルムの基材フィルム15としては、従来カバーレイフィルムの基材フィルムとして用いられていたもののいずれのものも使用することができる。従来公知あるいは周知の前記条件を満たす基材フィルムとしては、ポリイミドフィルムが代表的なものであるが、これ以外にも、例えば、融点を持たず、ガラス転移点が170℃以上の非結晶性耐熱フィルムである、ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、非晶ポリアリレート(PAR)などの耐熱性高分子や、熱膨張率の低い液晶ポリマーなどもカバーレイ基材フィルムとして用いられている。液晶ポリマーには、溶液中で液晶性を示すリオトロピック液晶ポリマーと、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーがあるが、フィルム成形性の良い液晶ポリ(1,4−フェニレン−)2,6−ベンゾビスチアゾール(PBT)とポリベンゾイミダゾールから作られた分子複合材料などが用いられている。したがって、このようなフィルムは、いずれも本発明の白色カバーレイ基材フィルムの基材フィルムとして用いることができる。また、これらのカバーレイ基材フィルムの片面(接着剤側)は、コロナ放電処理やプラズマ処理などにより易接着処理がなされてもよい。本発明において用いられるカバーレイフィルムの基材フィルムの膜厚は、基板がフレキシブルなものである場合には、5〜100μm程度であることが好ましく、5〜50μm程度であることがより好ましく、さらに好ましくは5〜25μmである。
【0033】
本発明の白色カバーレイフィルムの基材フィルム15として用いられる樹脂の代表的なものとして挙げられた上記ポリイミドは、分子主鎖骨格中に環状イミド基を含む高分子であり、一般に芳香族四塩基酸と芳香族ジアミンとの縮重合により合成される。芳香族四塩基酸としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールA(トリメリット酸モノエステル酸無水物)およびそれらの類似物が挙げられる。
【0034】
また、芳香族ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエチルスルフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼンおよびそれらの類似物などが挙げられる。
【0035】
一方、基材フィルム15上に設けられる白色反射層14も、従来のカバーレイフィルムを回路基板に加熱圧接着する際の加熱、加圧条件に耐えられるものでなくてはならない。白色反射層が、140〜180℃で軟化するものであると、白色カバーレイフィルムを回路基板に加熱圧接着する際に加圧板に白色反射層が接着し、白色反射層の脱落が起きる。したがって、白色反射層には、熱圧着温度である140〜180℃以上の軟化温度を有することが求められる。さらに、白色反射層14は、白色顔料を含む塗料、インキなどの被膜形成用組成物を基材フィルム15上に塗布することにより形成される。このため、基材フィルムとの良好な密着性も要求される。勿論得られた白色反射層の反射率が高いこと、好ましくは反射率50%以上の白色度を有することも要求される。また、最近では光源用基板として可撓性のものが多用されることから、白色反射層にも可撓性が要求される。例えば、白色反射層が可撓性を持たなければ、回路基板の製造工程あるいは取り付け工程において、基板が屈曲された際に白色反射層がひび割れたり、剥離・脱落することがある。加撓性に関与する因子としては、樹脂の種類や、白色反射層の顔料と樹脂の混合比率、白色反射層の厚さなどが挙げられる。
【0036】
また、密閉されたバックライトユニット内は、LEDなどの発光素子の発する熱により、最大150℃程度の高温になるため、白色反射層は高温での着色や膜強度の劣化が極めて少ない、耐熱性のあるものでなければならない。このように、耐熱性、可撓性、基材フィルムとの密着性に優れた白色反射層を形成するための樹脂としては、塗工時の乾燥工程で硬化する硬化性樹脂が好ましく用いられ、このとき樹脂を硬化する硬化剤も必要に応じ併用される。このような硬化剤で硬化可能で、ポリイミドなどとの密着性も良好であり、可撓性被膜を形成することのできる樹脂としては、樹脂の末端あるいは側鎖基として水酸基、カルボシキル基、グリシジル基、あるいは、アミノ基などの反応性の極性基を有する従来公知の熱硬化性あるいは常温硬化性の樹脂が挙げられ、これらの樹脂の中から前記条件をクリヤーするものが適宜選択されればよい。
【0037】
例えば、上記のような特性を有する樹脂としては、シリコン樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂(グリシジルメタアクリレート)、シリコン変性ポリイミド樹脂(シロキサン変性ポリイミド樹脂)ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミノビスマレイド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、アミノ・アルキッド共縮合樹脂、等が挙げられる。これら樹脂は必要に応じ硬化剤や硬化促進剤などとともに用いられる。耐熱性の優れるNBR、アクリル変性NBRなどのゴム系樹脂は、退光性に劣るため好ましくないし、またグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型あるいはF型樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂は、耐熱性は良好であるが硬化後の樹脂硬度が高く好ましくない。基材フィルムと密着性が良く、可撓性のある皮膜を得るには、ポリウレタン樹脂が望ましい。また、第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂なども好ましいものである。
【0038】
ポリウレタン樹脂には、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物を混合して塗工し、経時によりポリウレタン樹脂とする方法(2液型)と、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物から得られたウレタン樹脂を有機溶剤に溶解し、これを塗工する方法(1液型)がある。前者は、多官能イソシアネーとトヒドロキシル基含有化合物の反応が遅いため、溶剤乾燥後、巻き取り形状で自背面に未硬化塗工液が付着する、所謂ブロッキングの現象が起こり易い。このブロッキングを避けるためには、高温でヒドロキシル基と短時間で熱架橋反応する硬化剤を併用することが望ましい。
【0039】
硬化剤としては、前記樹脂の末端基である水酸基、カルボシキル基、グリシジル基、あるいは、アミノ基などの反応性の極性基と架橋するものが用いられる。硬化剤の例としては、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、金属キレート類、イソシアネート樹脂、あるいは、それらの化合物、更にはシリコンカップリング剤が挙げられる。それらの中でも、白色塗料中に添加された後のポットライフが長いメラミン樹脂類が望ましい。また、LED光での黄変を避けるためには、イソシアネートは脂肪族イソシアネートを選択することが必要とされる。その他、シリコンエポキシ化合物なども好ましいものとして挙げられる。
【0040】
熱硬化性樹脂以外では、ウレタンアクリレート系、シリコンアクリレート系などの、アクリロイル基を持つ紫外線硬化樹脂に、光開始剤であるベンジルメチルケタール等のケタール類、2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、エタノールアミン類などを添加してなる紫外線硬化型樹脂組成物が挙げられる。このような紫外線硬化型樹脂組成物を用いる場合には、白色顔料を含む樹脂組成物を基材フィルム15上に塗工し、乾燥後に紫外線を照射して硬化すればよく、この方法は上記熱硬化方法と同様有用な方法である。
【0041】
白色反射層を形成するために被膜形成性組成物に添加される白色顔料としては、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物などの無機顔料が挙げられる。使用する顔料の大きさは、0.1〜10μmの平均粒径を有するものが好ましい。天然産出鉱物であるカオリナイト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ等は、アスペクト比が高く、板状の形状を示すもの同様、乾燥後の皮膜収縮を妨げる、即ち、耐カール性付与の点から有用である。これら顔料は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0042】
金属酸化物や金属炭酸塩に代表される白色顔料と樹脂の混合比率は、樹脂の固形分100重量部に対し、50〜500重量部が好ましい。顔料が500重量部を超えると基材フィルム15との密着性が劣り、顔料の脱落を生じ易くなる。また、50重量部以下であると充分な白色度が得難い。
【0043】
白色反射膜を形成するために用いられる塗料などの被膜形成用樹脂組成物は、加熱硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型樹脂、必要に応じ硬化剤や光開始剤、および白色顔料、その他分散剤などの混合物に、必要に応じ有機溶剤を加えて混練・分散することにより製造される。例えば、白色顔料と分散剤、樹脂とを混ぜ合わせ、プロペラ式回転分散機にて分散させる。この時、適宜有機溶剤を加え、塗布に相応しい粘度とされる。その後、ダイノーミルやアトマイザー分散機にて均一な分散を行い、500メッシュ以上のスクリーン式濾過機により未分散の顔料(ピグメント)凝集物を除去する。
【0044】
白色反射層は、この白色顔料含有被膜形成用樹脂組成物をカバーレイ基材フィルムに直接塗布し、通常、加熱・硬化することにより形成される。塗布方法としては、均一の膜厚の塗膜を形成することのできる方法であればいずれの方法であってもよい。例えば、コーターのヘッドはトップフィード型、ロールリバース型、ボトムフィード3本ロールリバース型、マイクロリバース型、メイヤーバー型などが適している。塗膜の乾燥は、コーターヘッドに加熱乾燥炉を直続し、白色顔料含有被膜形成用樹脂組成物が塗工された基材フィルムをロール送紙方式かフローティング方式により搬送し、乾燥ゾーンを通過させることにより行われることが好ましい。乾燥条件は通常、約140℃〜160℃、1〜2分間行われる。上記コーターは、塗工速度が20〜80m/分であり、スクリーン印刷の枚葉印刷機の印刷速度より格段に速く、このため生産性が高いという利点がある。白色反射層の厚さは、乾燥後、3〜60μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、10〜25μmであることがさらに好ましい。白色反射層の膜厚が3μ未満であると、充分な隠蔽性が得難く、また60μmを超えると屈曲によるコート層の脱落が生じ易い。なお、被膜形成組成物を塗布する前に、基材フィルム15の表面をコロナ放電処理やプラズマ処理などにより易接着処理してもよい。
【0045】
白色反射層の白色度は、液晶表示素子の輝度の低下を抑える上で重要である。導光板方式の場合には、LEDなどの発光素子からの光あるいは装置内で反射された光を、白色反射層により反射することにより、発光素子の発した光が導電回路基板あるいはカバーレイフィルムに吸収されることなく有効に導光板内に入光され、結果として、明るい液晶表示画面を形成することができる。これは直下型方式の場合にも同様であり、白色反射層の白色度が高いと、発光素子から出射された光あるいは装置内で反射された光がFPC基板で吸収されることなく反射され、有効に液晶表示素子に入射されることから、輝度の高い液晶表示装置を得ることができる。なお、直下型方式であれば、照明する対象は液晶に限られるわけではなく、看板、装飾などで用いられる半透明板などであってもよい。従来の白色コートをしていないカバーレイフィルムを使用したLED基板の反射率と、本発明による白コートがなされたカバーレイフィルムを使用したLED基板の反射率との比較では、白コートなしの従来品では、反射率は1%以下であるのに対し、本発明の白色コートがなされた基板の好ましい態様では反射率は80〜82%である。この値は、基板やカバーレイ基材フィルムが光吸収性であるかどうか、基板やカバーレイ基材フィルムの厚さがどのような厚さであるかによることなく達成することができる。
【0046】
一方、本発明の白色カバーレイフィルムにおいては、従来と同様、基材フィルム15には接着剤層13が設けられる。この接着剤層の接着剤としては、従来カバーレイフィルムの接着剤として用いられている、室温では半硬化(Bステージ)であり、高温で軟化し、その後、熱硬化するものを用いることができる。この熱硬化性の接着剤としては、熱硬化性のエポキシ系樹脂とゴム系樹脂等の混合物、あるいは、変成アクリル系接着剤等が用いられる。また、接着剤層の膜厚も、従来と同様の厚さでよく、例えば5〜30μm程度の膜厚とされればよい。基材フィルム15の接着剤層面10は、従来同様、コロナ放電処理やプラズマ処理などの易接着処理がなされてもよい。
【0047】
本発明の白色カバーレイフィルムは、従来と同様、0.5〜6MPaの圧力下、140〜180℃の温度において、20〜100分間加圧熱プレスすることにより回路基板に貼り合わされる。回路基板は、従来知られたどのようなものでもよい。すなわち、フレキシブルな回路基板でもよいし、リジッドな回路基板でもよい。例えば、フレキシブル回路基板(FPC)材料としては、ポリイミドが広く用いられているが、これ以外にも、融点を持たず、ガラス転移点が170℃以上の非結晶性耐熱フィルムである、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、非晶ポリアリレート(PAR)や、結晶性耐熱フィルムであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが用いられてもよい。
【0048】
このようにしてFPCなどの回路基板に貼り合わされ反射率50%以上の高い白色度を持つ白色カバーレイフィルムは、LEDなどの発光素子から発せられた光を反射することにより、導光板に入光する光の量を増大させる効果を生み、面発光体としての導光板の明るさ(輝度)を著しく高めることができる。このことは、LEDを実装した導光板の輝度を測定することで明らかである。実際に、従来の白色コートをしていないカバーレイフィルムを使用してLEDを実装したバックライトユニットと、本発明の白色反射層を有するカバーレイフィルムを使用してLEDを実装したバックライトユニットの面発光部の輝度を、輝度計:TOPCON BM−8型を用いて測定したところ、導光板方式の場合、白色反射層を設けないカバーレイフィルムを用いたものに対し165〜197%明るい輝度が得られた。また、直下型の場合についても測定を行ったところ、本発明の白色カバーレイフィルムを用いた場合には、従来の白色コートを施していないカバーレイフィルムを使用したものと比べると、112%明るいものであった。
【0049】
なお、本発明の白色カバーレイフィルムは、液晶表示装置の光源回路基板のみならず、LED照明用回路基板やその他の回路基板などにおいて白色反射層が必要とされるもののいずれにおいて用いられてもよいし、更には回路基板以外の基板に貼り合わされてもよい。
【実施例】
【0050】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例によって何ら限定されるものではない。
【0051】
実施例1
塗料の調製:
酸化チタン(A−100;石原産業製)100重量部、炭酸カルシウム(Vigot−15:白石カルシウム製)30重量部、分散剤(KS−873N;楠本化成製)2重量部、ウレタン樹脂(A−505(固形分50%);三井ポリウレタン(株)製)95重量部、および酢酸エチル180〜250重量部を、佐竹式のプロペラ撹拌機にて60rpm、1時間撹拌し、塗料No.2を作製した。
【0052】
塗料の塗布:
次に、得られた塗料No.2の塗料を流通式ダイノーミルにて1.4kg/分の流量で分散させた。この操作を3回行い、分散し終わった塗料を、1TS−2B濾過機(アドバンテック東洋(株)製)(TMC−25スクリーンメッシュ)にて濾過し、25μm以上の粒径の固形物を取り除いた。濾過後の塗料は、酢酸エチルにて、150〜200mPa・sの粘度に調整した。塗工寸前に硬化剤(A−20;三井ポリウレタン(株)製)を10.5重量部添加し、良く撹拌した。次に、塗料を、炉長30mのボトムフィード、3本ロールのリバースコーターにて、25μmの膜厚を有するカプトン100H(カプトンは登録商標;東レ・デュポン(株)製)に、直接、20m/分の塗工速度で、乾燥膜厚5μm、15μm、30μmとなるように塗工し、150℃にて乾燥し、巻き取った。
【0053】
カバーレイ接着剤の塗布:
アクリルニトリル−ブタジエンゴム・メタアクリル酸共重合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシアンジアミドイミダゾール化合物、および有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を含む、固形分18%、粘度(24℃)1600MPa・sの溶液を、コンマコーターにて白色反射層が塗工された前記カプトン100Hの裏面に塗工し、90℃、2分間の乾燥を行った。被膜の厚さは乾燥後、15μmであった。
【0054】
FPCへのカバーレイフィルムの貼り合せ:
ポリイミドフィルム(カプトン100H;東レ・デュポン(株)製)に18μm厚の電解銅を接着したフレキシブル銅貼積層板にドライフィルムを積層し、露光、現像後エッチングすることにより銅回路を有するFPCを作製した。このFPCの銅回路面に上記で得られた、白色反射層の膜厚の異なる3種の白色カバーレイフィルム(白色反射層の膜厚5μm、15μm、30μmの白色カバーレイフィルム)を、160℃、4Mpa、80分間の加熱・加圧条件下で、それぞれ熱盤にてラミネートした。
【0055】
特性試験:
こうして得られた白色カバーレイフィルムのラミネートされたFPCについて、耐折性を、180°屈曲での塗料の脱落から評価した。また、得られた白色カバーレイフィルムが貼り合わされたFPC基板の白色度を目視により評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。表には、組成および膜厚をも併せて記載する。
【0056】
なお、使用可否の判定は、以下の基準によった。
○: 耐折性および白色度に問題はなく、優れた白色カバーレイフィルムである。
△: 耐折性あるいは白色度に幾分問題はあるが、白色カバーレイフィルムとしての使用は可能である。
×: 耐折性あるいは白色度が劣り、白色カバーレイフィルムとして使用することはできない。
【0057】
比較例1
実施例1において、ウレタン樹脂を50重量部、硬化剤を5.5重量部、酢酸エチルの量を100〜250重量部とすることを除き実施例1と同様にして、塗料No.1を得、これを用いて実施例1と同様にして、膜厚5μm、15μm、30μmの白色反射層を有する白色カバーレイフィルムを作製した。この白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。
【0058】
比較例2
実施例1において、ウレタン樹脂を340重量部、硬化剤を38重量部、酢酸エチルの量を100〜250重量部とすることを除き実施例1と同様にして、塗料No.3を得、これを用いて実施例1と同様にして、膜厚5μm、15μm、30μmの白色反射層を有する白色カバーレイフィルムを作製した。この白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から、塗料中の顔料の量が樹脂100重量部に対し500重量部を超える場合(塗料No.1)には、白色反射膜が屈曲などにより脱落あるいはひび割れなどを起こし、カバーレイフィルムとして利用できず、また50重量部未満である場合(塗料No.3)には、白色度が不足し、所定の効果が得られないことが分かる。
【0061】
実施例2
実施例1の塗料No.2を用い、12.5μmおよび25μmのポリイミドからなるカバーレイ基材フィルム(カプトン50Hおよびカプトン100H)に乾燥膜厚15μmで塗布した白色カバーレイフィルムを用い、これを回路基板の厚さが25μmおよび50μmのポリイミドからなる基材フィルム(カプトン100Hおよびカプトン200H)と貼り合わせ、カバーレイの白色度を測定した。測定は、ハンター白度(JIS P 8123)によった。結果を表2に示す。
【0062】
比較例3
白色塗料の塗工を行わないカバーレイフィルムを用い、実施例4と同様にして、カバーレイフィルムが貼り合わされた基板を作製した。この基板のカバーレイの白色度を実施例4と同様の方法で測定した。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表2から、本発明により、基板およびカバーレイフィルムの基材フィルムの膜厚に関係なく、白色度の極めて優れた白色カバーレイフィルム貼り合わせFPCを形成できることが分かる。
【0065】
実施例3
酸化チタン(J−1;(株)テイカ製)100重量部、マイカ粒子(M−XF;(株)レプコ製)30重量部、分散剤(KS−873N;楠本化成製)2重量部、第3級アミノ基を含有するアクリル樹脂(A−9521(固形分50%);DIC(株)製)100重量部、およびトルエン280〜250重量部を、佐竹式のプロペラ撹拌機にて60rpm、1時間撹拌し、塗料No.4を作製した。この塗料を流通式ダイノーミルにて1.4kg/分の流量で分散させた。この操作を3回行い、分散し終わった塗料を、1TS−2B濾過機(アドバンテック東洋(株)製)(TMC−25スクリーンメッシュ)にて濾過し、25μm以上の粒径の固形分を取り除いた。濾過後の塗料は、トルエンにて、150〜200mPa・sの粘度に調整した。塗工寸前にエポキシ基を有するシリコン系硬化剤(GZ−354(固形分60%);DIC(株)製)を25重量部添加し、良く撹拌した。次に、塗料を、炉長30mのボトムフィード、3本ロールのリバースコーターにて、12.5μmの膜厚を有するカプトン50H(カプトンは登録商標;東レ・デュポン(株)製)に、直接、20m/分の塗工速度で、乾燥膜厚5μm、15μm、30μmとなるように塗工し、150℃にて乾燥し、巻き取った。これらの白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。結果および評価結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3に示すように、結着樹脂としてウレタン樹脂以外の樹脂を用いた場合にもウレタン樹脂と同様の結果が得られた。
【0068】
試験例1(ループステフネス試験)
ループステフネス試験は、幅25mmの試験フィルムを用いて、ループ長50mmの輪を形成し、これを押しつぶし距離10mmで押したときの反発力を測定することで行われた。
【0069】
試験フィルムとして、市販のポリイミドフィルムであるカプトン50H(膜厚12.5μm)、カプトン100H(膜厚25μm)、これらポリイミドフィルムの片面に実施例1の塗料No.2の白色反射層を15μm厚で設けたもの、およびポリイミドフィルムの両面に各15μ厚で塗料No.2の白色反射層を設けたものを用いた。結果は次に示す通りであった。下記結果から明らかなように、本発明の白色コート層は、フレキシブル回路基板に必要とされる、やわらかさを十分に保持している。
【0070】
カプトン50H
ブランク 2.8mN
白コート 6.6mN(コート面外に白色反射層)
白コート 6.7mN(コート面内外に白色反射層)
【0071】
カプトン100H
ブランク 24.1mN
白コート 26.8mN(コート面外に白色反射層)
白コート 27.1mN(コート面内外に白色反射層)
【0072】
試験例2(耐折度試験)
耐折度試験(MIT)は次の条件で行われ、ヒビ割れが生じる迄の度数をカウントした。
(試験方法)
引張荷重9.8N、曲率半径0.38、試験速度175rpmの条件で、JIS P 8115に準じて測定を行った。
【0073】
なお、MITは、紙および板紙、プラスチックフィルム、フレキシブルプリント配線板等の耐折強さを評価する方法であり、試験片に規定の荷重を掛けて、左右135°に規定の速さで折り曲げ、破断するまでの往復折曲げ回数から耐折強さが算出される。
【0074】
試験フィルムとして、市販のポリイミドフィルムであるカプトン50H(膜厚12.5μm)、カプトン100H(膜厚25μm)に実施例1の塗料No.2を実施例1に記載の方法で塗布して15μ厚の白色反射層を設けたものを用いたところ、下記の結果が得られた。下記の結果から、本発明の白色コートポリイミドフィルムについては、いずれも耐折強さに問題はなかった。なお、MDはフィルムの巻き方向(Machine direction)、TDはフィルムの幅方向(Transverse direction)であり、試料片としてこれらの方向のものを用いたことを示している。
【0075】
カプトン50H
白コートMD 1115回
白コートTD 1048回
【0076】
カプトン100H
白コートMD 1170回
白コートTD 1400回
【0077】
実施例4
実施例1と同様にして作製した塗料を用い、膜厚12.5μmおよび25μmのポリイミドフィルム(カプトン50Hおよびカプトン100H)上に実施例1と同様の方法で乾燥膜厚15μmの白色反射層を形成し、また裏面に接着剤層を形成して白色カバーレイフィルム200を作製した。このフィルムの所定箇所に孔を開け、この孔の開けられた白色カバーレイフィルムを、厚さ50μmおよび25μm(カプトン200Hおよびカプトン100H)のFPC6上に貼り合せた。次いで、図11に示すように、白色カバーレイフィルム200の孔あき部において、LED7を基板8上の銅回路9にハンダ付16し、この光源装置を用いて、導光板方式における導光板面の輝度を測定した。導光板としては、厚さが5mm、サイズが125mm×25mm角のポリメチルメタクリレート(PMMA)板を用いた。この導光板には裏面ドット印刷グラディエーションが施されている。LEDは日亜化学工業(株)製、品番:NJSW036AE.3.5mm角を用い、20mm間隔で5個導光板側面に配置した。また、輝度の測定は、LEDへの印加電圧を3.0V(D.C.)とし、LED入光端部から12.5mm位置における輝度を輝度計:TOPCON BM−8型を用いて測定した。結果を表4に示す。
【0078】
比較例4
白色反射膜が被覆されていないカバーレイフィルムを用いることを除き実施例4と同様にして、LEDを実装し、これを用いて実施例4と同様の方法で面発光体の輝度の測定を行った。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
実施例5
実施例1で得た塗料No.2を用いて、実施例1と同様の方法で25μm厚のポリイミド基材フィルム(カプトン100H)上に15μm厚の白色反射層を形成した。基材フィルム裏面に実施例1と同様にして接着剤層を設け、得られた白色カバーレイフィルムを50μm厚の基板フィルム厚を有するFPC基板に貼り合わせた。このFPC基板に、縦横に等間隔でLEDを実装し、図3に示すような直下型の面発光体を作製した。LEDは日亜化学工業(株)製の品番:Jupiter.7mm角を用い、20mm間隔で、縦横それぞれ5列(5×5)、総計25個を置いた。LED表面から23mmの位置に、厚さ2.0mm、サイズ120mm角のPMMA板を置き、このPMMA板上に拡散板を2枚置いた。LEDの印加電圧を3,0V(D.C.)とし、拡散板の中央部で、かつ拡散板から30cm離れた位置において輝度を測定した。結果を表5に示す。
【0081】
比較例5
白色反射層が設けられていないカバーレイフィルムを用いることを除き実施例5と同様にして、LEDを実装し、これを用いて実施例5と同様の方法で輝度の測定を行った。結果を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】
表5から、本発明の白色反射層の設けられた白色カバーレイフィルムを用いることにより、直下型方式においても、輝度の改善が行えることが分かる。
【符号の説明】
【0084】
1:光学レンズシート
2:拡散光学シート
3:液晶表示素
4:導光板
5:反射板
6:基板
7:LED
8:基板フィルム
9:導電回路
10:カバーレイ基材フィルムの接着剤側の面
11:反射用白色印刷
12:カバーレイフィルムにあけられた孔
13:カバーレイ用接着剤
14:白色反射層
15:カバーレイ基材フィルム
16:ハンダ
100:カバーレイフィルム
200:白色カバーレイフィルム
B:筐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電回路が設けられたフレキシブル基板などの基板を被覆するために用いられる、白色反射層を有するカバーレイフィルム、このカバーレイフィルムに用いられる白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム、および前記白色反射層を有するカバーレイフィルムを用いて製造されたLED実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶画像を視認するために、液晶素子の裏面に発光体(バックライトユニット)を設置する必要がある。例えば、携帯電話等、小画面の液晶表示装置では、このバックライトとして導光板と冷陰極管やLEDなどの光源との組み合わせにより(導光板方式)、また大画面の液晶表示装置では、導光板を使用せず光源のみにより(直下型方式)、液晶素子の背面から均一な照明がなされている。このような従来の液晶表示装置の一例を、図1〜4を参照して簡単に説明する。
【0003】
図1は、バックライトとして導光板を用いる従来の液晶表示装置の各素子を分解して示したもので、図2はこれを組み立てたものである。図1および図2に示されるように、液晶表示素子3の背面には透明樹脂からなる導光板4が配置され、さらに導光板の背面には反射板5が配置されている。また液晶表示素子の上面には拡散光学シート2や集光レンズである光学シート1などが配置されている。導光板4の側面には、導電回路を有する基板6上に光源、例えばLED7などの発光素子が配置され、全体が筐体B内に収納されている。そして、光源であるLED7により導光板4の側端面から導光板内に入射された光は、導光板背面の反射面により反射され液晶素子側に取り出され、液晶表示素子3を照明し、液晶表示素子3を透過した光は拡散光学シート2や集光レンズである光学シート1で輝度を損なうことなく視認可能となる。なお、導光板4には、LED7の光により液晶表示素子を均一に照明することができるよう、導光板背面にエンボシングやドット印刷等がなされており、このパターン部からの反射光により導光板の垂直方向に均一に光が集光される。
【0004】
また、図3に大画面の液晶表示装置の例を示す。大画面の液晶表示装置においては、バックライトユニットには導光板を使用せず、光源であるLED7を密に面状になるように並べて液晶表示素子3を均一に照明するようにされている。
【0005】
図4は、LED7が実装された基板6を拡大して示したもので、基板フィルム8上には導電回路9が設けられており、LED7の端子はハンダ16により銅回路などの導電回路9に接合されている。基板フィルムとしては、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー等の耐熱性フィルムが用いられている。導電回路は、基板フィルム上に接着剤により貼り合わされた銅箔あるいは蒸着により設けられた銅蒸着層の回路以外の部分をエッチング法により取り除くことにより形成されている。また、基板上の導電回路のLED接合部を除いた部分には、回路の絶縁および保護のためカバーレイフィルム100が貼り合わされている。
【0006】
カバーレイフィルム100を更に詳細に説明する。カバーレイフィルム100は、通常図5に示すように、7.5μm〜50μm厚の耐熱性基材フィルム15と10〜25μm厚の感熱接着剤層13からなっており、基材フィルムの接着剤層面10は、通常、コロナ放電処理やプラズマ処理などが施され、易接着面とされている。カバーレイ用接着剤13は、室温では半硬化状態(Bステージ)であり、高温で軟化し、その後、熱硬化するもので、多くは、熱硬化性のエポキシ系樹脂とゴム系樹脂等の混合物、あるいは、変成アクリル系接着剤等が用いられている。接着は、通常、0.5〜6MPaの圧力、140〜180℃の温度で、20〜100分間加圧熱プレス方法で行われている。
【0007】
これら基板6にLED7、カバーレイフィルム100を実装するには、導電回路9の所定箇所の電極(導電回路)が露出するように予めカバーレイフィルム100の所定の位置に孔を開けておき、所定の電極位置とカバーレイフィルムの孔が合うように重ね合わせ、熱プレスにより貼り合わせばよい。その後、図4に示されるように、露出した回路電極部にLED7の端子がハンダ16により接合され、LEDの実装が行われる。このLED実装カバーレイフィルム付き基板フィルムの構成物を、分離した形で示したのが図6である。カバーレイフィルム100には、電極接合部のみ孔12が開けられている。また図7に、一般的なフレキシブルプリント回路基板(FPC)の製造プロセスとカバーレイフィルムのラミネート工程を示す。
【0008】
このような従来の液晶表示装置において、拡散光学シートや光学レンズシートを通して面発光を得る際、実装されたLEDなどの光源発光素子からの光を出来るだけ失うことなく有効に導光板端面に入射させることが、明るい面発光体を得るために必要とされる。しかし、基板6やカバーレイフィルム100として例えばポリイミドフィルムが使用されていると、ポリイミドは茶褐色であるため基板やカバーレイフィルムがLEDの光を吸収し、このためLEDの発した光は著しく光量が低下してしまう。また基板6やカバーレイフィルム100がポリイミドフィルム以外の透明乃至は半透明の耐熱フィルムである場合でも、基板6またはカバーレイフィルム100が着色していると光吸収があり、同じく光量が低下する。さらに、LEDの発した光の損失なく照明がなされると、発光素子の数を少なくできる、あるいは低光量の光源を用いることができる。これにより、安価にまた光源から発せられる熱量も減少させることができるという利点がある。
【0009】
このような基板あるいはカバーレイフィルムの光吸収を防止するためには、基板あるいはカバーレイフィルムを光吸収性のない白色とすることが必要とされる。しかし、カバーレイフィルムとして例えばポリイミドが用いられる場合、光反射率の高い白色フィルムを製造することはできないし、その他にもポリイミドに白色顔料を混入させることによってフィルムの可撓性並びに強度が低下するという問題、フィルム膜厚の増加などの問題が発生する。
【0010】
このような問題を解決あるいは軽減し、LEDなどの発光素子からの光をできるだけ多く導光板に入光させるために、図8に示されるように、LED7と導光板4の間のカバーレイフィルム上に、白色反射層をスクリーン印刷で設ける方法が考えられるが、この方法では個々の導電回路の形状に応じたスクリーン印刷版を作製することが必要になるし、また印刷工程が増えることになり、加工コストが高くなる。また、基板フィルム6が25μm厚以下と薄い場合には、印刷はシリンダープレス方式のスクリーン印刷で行うこととなるが、この方式は小ロット製造でのロス率が高く、小ロット供給が多い製品の製造には適した方法とはいえない。一方、枚葉でのスクリーン印刷方式は、一般的には小ロットでの製造に適しているものの、この方式では基板が薄いとハンドリングが難しく、コストの上昇につながる。さらに、スクリーン印刷を通常の速度で行えるように、基板6の裏面(導電回路の反対側)に50〜100μm厚の軽剥離粘着剤を設けた粘着シートをバッキング材として貼る方法もあるが、やはりコストが掛かり望ましくない。これに加えて、スクリーン印刷においては高沸点溶剤(ブチルセルソルブ、イソホロン、アセテート類など)が用いられており、インキ用樹脂としてこれら高沸点溶剤に溶解する樹脂を用いることが必要となり、選択しうる樹脂が限られることから、耐熱性で基板密着性が高く、可撓性に優れた白色反射膜を得ることが難しいという問題もある。
【0011】
他の方法として、カバーレイフィルムを用いない方法も提案されている。この方法では、図9に示されるように、導電回路9が形成された基板6上のLED接合部を除いた部分に耐熱性の絶縁白色層11を印刷により設け、これをカバーレイフィルムの替わりにするものである(特許文献1参照)。この方法では、印刷方法として、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられているが、いずれの印刷方法が採用されるにしても、印刷で形成される白色層は充分な絶縁性を有することが必要とされる。絶縁性は白色層の厚さと相関性があり、一般的にはコート層の膜厚が厚くなるほど高絶縁性が得られる。白色コート層が充分な絶縁性、即ち、厚さを持つためには、膜厚の厚い印刷を施す必要があるが、スクリーン印刷法以外の印刷方法は厚膜印刷には適していない。グラビア印刷では、インキの固形分にもよるが、インキ厚は、通常2〜8μm程度であるし、オフセット印刷、フレキソ印刷では1〜6μm程度であり、充分な厚さの白色コート膜を得ることができない。
【0012】
一方、スクリーン印刷では、紗の開口率、乳剤厚さを按配することにより、2〜20μm厚の膜厚のインキ層が得られる。しかし、銅箔のエッチングによる導電回路が形成された基板は、通常、回路部において銅箔の厚さの凸状部が形成される。スクリーン印刷では、ドクターでスキージすることにより平板な紗からインキを押し出して印刷するために、被印刷物の表面は平らな面であることが必要とされる。被印刷物の表面に段差があると、スクリーン印刷の版が被印刷物の凹部に密着せず、また凹部と凸部の境に間隙が生じ、インキ漏れを生じる。そして、漏れたインキは印刷を重ねるうちに、被印刷物の印刷されない部分の銅箔の表面を汚し、ハンダ工程で接合不良を起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−324608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、耐熱性、可撓性であり、高い反射率を有する白色カバーレイ基材フィルムを提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的は、従来のカバーレイフィルム装着装置を用い、従来と同じ条件でフレキシブル回路基板への接着が可能で、且つ、スクリーン印刷等の後加工を行わなくてもLEDなどから発せられた光の損失が少なく、耐熱性、可撓性であり、基板への密着性も優れ、高い反射率を有する白色カバーレイフィルムを提供することである。
【0016】
また、本発明の他の目的は、上記カバーレイフィルムにより被覆されたLED実装基板に関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、以下に記載の白色カバーレイ基材フィルム、白色カバーレイフィルムおよびLED実装基板に関する。
【0018】
(1)表面に反射率50%以上の白色度を有し、耐熱性、可撓性、密着性に優れた白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム。
【0019】
(2)前記白色反射層が、少なくとも硬化性の結着樹脂と白色顔料とを含む被膜形成性組成物の塗布により形成されることを特徴とする上記(1)に記載のカバーレイ基材フィルム。
【0020】
(3)前記結着樹脂がウレタン樹脂または第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のカバーレイ基材フィルム。
【0021】
(4)前記被膜形成性組成物において、白色顔料が結着樹脂100重量部に対し50〜500重量部であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0022】
(5)前記基材フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0023】
(6)前記白色反射層の膜厚が15〜30μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【0024】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルムの白色反射膜と反対面に接着剤層が設けられてなることを特徴とする白色カバーレイフィルム。
【0025】
(8)上記(7)に記載の白色カバーレイフィルムが導電回路基板に貼り合わされてなることを特徴とするLED実装基板。
【発明の効果】
【0026】
(1)本発明の白色カバーレイフィルムは、反射率50%以上の白色度を有することから、LEDなどの発光素子から発せられた光は大半がカバーレイ基材フィルムや導電回路基板に吸収されることなく反射され、液晶表示装置の導光板端面に有効に入射され、白色反射層を有しない従来のカバーレイフィルムを用いた場合に比べ、高輝度の面発光体を形成することができる。このことは、導光板を用いないで複数の発光素子を用いて直接液晶表素子を照明する場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0027】
(2)また、本発明の白色カバーレイフィルムを用いる場合、従来と同程度の明るさの液晶画面を得たい場合には、発光素子の数が同じであればパワーの小さい発光素子を用いることができるし、同じパワーの発光素子を用いるのであれば発光素子の数を減らすことができるため、安価に、あるいは発熱量の少ない照明装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】LEDと導光板を用いた従来の液晶表示装置の分解断面模式図である。
【図2】従来の導光板方式の液晶表示装置の断面模式図である。
【図3】従来の直下型方式の液晶表示装置の断面模式図である。
【図4】従来の導光板方式の液晶表示装置における基板に装着されたLEDとカバーレイフィルムの拡大断面模式図である。
【図5】従来のカバーレイフィルムの断面模式図である。
【図6】フレキシブル回路基板(FPC)とカバーレイフィルムとLEDの関係を示す、カバーレイフィルム被覆LED実装FPCの展開図である。
【図7】FPCの製造工程およびカバーレイフィルムのラミネート工程の工程図である。
【図8】カバーレイフィルム上に白色印刷層が形成された従来のLED実装FPCの断面模式図である。
【図9】フレキシブル回路基板に白色絶縁層が印刷された従来技術のLED実装基板の断面模式図である。
【図10】白色反射層を有する本発明の白色カバーレイフィルムの断面模式図である。
【図11】本発明の白色カバーレイフィルムが貼り合わされた基板を用いたLED実装基板の断面模式図である。
【図12】本発明の白色カバーレイフィルムがフレキシブル回路基板に熱圧着により貼り合わされた状態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の白色カバーレイ基材フィルム、白色カバーレイフィルム、白色カバーレイフィルムにより被覆されたLED実装基板および該基板を用いた照明装置について更に詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の白色カバーレイ基材フィルム並びに白色カバーレイフィルムを、図を参照しつつ説明する。図10は、本発明の白色カバーレイフィルムの断面模式図である。図においては、各層の膜厚は、説明の都合で適宜拡大あるいは縮小などされて表示されている。このため、図10は、本発明の白色カバーレイフィルムの各層の厚みを正確に表示したものではない。図10において、白色カバーレイフィルムは、基材フィルム15およびこの基材フィルム15上に設けられた白色反射膜14を有する白色カバーレイ基材フィルムと、基材フィルム15の白色反射膜14と反対の面に設けられた感熱接着剤層13からなっている。
【0031】
本発明のカバーレイフィルム200には、反射率50%以上の白色度を有する白色反射層14が設けられていることから、光反射性に優れている。本発明において反射率50%以上という場合、ハンター白度(JIS P 8123)で測定された値をいう。この光反射性に優れた白色反射層が設けられた白色カバーレイフィルムは、従来と同様の方法でLEDなどの発光素子が取り付けられる基板に接着されることが好ましい。前記したように、従来カバーレイフィルムは、0.5〜6MPaの圧力で、140〜180℃の温度において、20〜100分間加圧熱プレスすることにより導電回路基板の回路面に接着される。したがって、本発明の白色カバーレイフィルムも、このような条件での接着に耐えられるものでなくてはならない。また、カバーレイフィルムと接着された基板は、LEDなどの発光素子や他の部品が実装される工程でリフロー等、230〜280℃の高温が10〜60秒間掛けられることから、これらの加熱条件にも耐えうるものでなければならない。
【0032】
このような条件に耐えられる本発明の白色カバーレイフィルムの基材フィルム15としては、従来カバーレイフィルムの基材フィルムとして用いられていたもののいずれのものも使用することができる。従来公知あるいは周知の前記条件を満たす基材フィルムとしては、ポリイミドフィルムが代表的なものであるが、これ以外にも、例えば、融点を持たず、ガラス転移点が170℃以上の非結晶性耐熱フィルムである、ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、非晶ポリアリレート(PAR)などの耐熱性高分子や、熱膨張率の低い液晶ポリマーなどもカバーレイ基材フィルムとして用いられている。液晶ポリマーには、溶液中で液晶性を示すリオトロピック液晶ポリマーと、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーがあるが、フィルム成形性の良い液晶ポリ(1,4−フェニレン−)2,6−ベンゾビスチアゾール(PBT)とポリベンゾイミダゾールから作られた分子複合材料などが用いられている。したがって、このようなフィルムは、いずれも本発明の白色カバーレイ基材フィルムの基材フィルムとして用いることができる。また、これらのカバーレイ基材フィルムの片面(接着剤側)は、コロナ放電処理やプラズマ処理などにより易接着処理がなされてもよい。本発明において用いられるカバーレイフィルムの基材フィルムの膜厚は、基板がフレキシブルなものである場合には、5〜100μm程度であることが好ましく、5〜50μm程度であることがより好ましく、さらに好ましくは5〜25μmである。
【0033】
本発明の白色カバーレイフィルムの基材フィルム15として用いられる樹脂の代表的なものとして挙げられた上記ポリイミドは、分子主鎖骨格中に環状イミド基を含む高分子であり、一般に芳香族四塩基酸と芳香族ジアミンとの縮重合により合成される。芳香族四塩基酸としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールA(トリメリット酸モノエステル酸無水物)およびそれらの類似物が挙げられる。
【0034】
また、芳香族ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエチルスルフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼンおよびそれらの類似物などが挙げられる。
【0035】
一方、基材フィルム15上に設けられる白色反射層14も、従来のカバーレイフィルムを回路基板に加熱圧接着する際の加熱、加圧条件に耐えられるものでなくてはならない。白色反射層が、140〜180℃で軟化するものであると、白色カバーレイフィルムを回路基板に加熱圧接着する際に加圧板に白色反射層が接着し、白色反射層の脱落が起きる。したがって、白色反射層には、熱圧着温度である140〜180℃以上の軟化温度を有することが求められる。さらに、白色反射層14は、白色顔料を含む塗料、インキなどの被膜形成用組成物を基材フィルム15上に塗布することにより形成される。このため、基材フィルムとの良好な密着性も要求される。勿論得られた白色反射層の反射率が高いこと、好ましくは反射率50%以上の白色度を有することも要求される。また、最近では光源用基板として可撓性のものが多用されることから、白色反射層にも可撓性が要求される。例えば、白色反射層が可撓性を持たなければ、回路基板の製造工程あるいは取り付け工程において、基板が屈曲された際に白色反射層がひび割れたり、剥離・脱落することがある。加撓性に関与する因子としては、樹脂の種類や、白色反射層の顔料と樹脂の混合比率、白色反射層の厚さなどが挙げられる。
【0036】
また、密閉されたバックライトユニット内は、LEDなどの発光素子の発する熱により、最大150℃程度の高温になるため、白色反射層は高温での着色や膜強度の劣化が極めて少ない、耐熱性のあるものでなければならない。このように、耐熱性、可撓性、基材フィルムとの密着性に優れた白色反射層を形成するための樹脂としては、塗工時の乾燥工程で硬化する硬化性樹脂が好ましく用いられ、このとき樹脂を硬化する硬化剤も必要に応じ併用される。このような硬化剤で硬化可能で、ポリイミドなどとの密着性も良好であり、可撓性被膜を形成することのできる樹脂としては、樹脂の末端あるいは側鎖基として水酸基、カルボシキル基、グリシジル基、あるいは、アミノ基などの反応性の極性基を有する従来公知の熱硬化性あるいは常温硬化性の樹脂が挙げられ、これらの樹脂の中から前記条件をクリヤーするものが適宜選択されればよい。
【0037】
例えば、上記のような特性を有する樹脂としては、シリコン樹脂、シリコン変性エポキシ樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂(グリシジルメタアクリレート)、シリコン変性ポリイミド樹脂(シロキサン変性ポリイミド樹脂)ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミノビスマレイド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、アミノ・アルキッド共縮合樹脂、等が挙げられる。これら樹脂は必要に応じ硬化剤や硬化促進剤などとともに用いられる。耐熱性の優れるNBR、アクリル変性NBRなどのゴム系樹脂は、退光性に劣るため好ましくないし、またグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型あるいはF型樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂は、耐熱性は良好であるが硬化後の樹脂硬度が高く好ましくない。基材フィルムと密着性が良く、可撓性のある皮膜を得るには、ポリウレタン樹脂が望ましい。また、第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂なども好ましいものである。
【0038】
ポリウレタン樹脂には、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物を混合して塗工し、経時によりポリウレタン樹脂とする方法(2液型)と、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物から得られたウレタン樹脂を有機溶剤に溶解し、これを塗工する方法(1液型)がある。前者は、多官能イソシアネーとトヒドロキシル基含有化合物の反応が遅いため、溶剤乾燥後、巻き取り形状で自背面に未硬化塗工液が付着する、所謂ブロッキングの現象が起こり易い。このブロッキングを避けるためには、高温でヒドロキシル基と短時間で熱架橋反応する硬化剤を併用することが望ましい。
【0039】
硬化剤としては、前記樹脂の末端基である水酸基、カルボシキル基、グリシジル基、あるいは、アミノ基などの反応性の極性基と架橋するものが用いられる。硬化剤の例としては、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、金属キレート類、イソシアネート樹脂、あるいは、それらの化合物、更にはシリコンカップリング剤が挙げられる。それらの中でも、白色塗料中に添加された後のポットライフが長いメラミン樹脂類が望ましい。また、LED光での黄変を避けるためには、イソシアネートは脂肪族イソシアネートを選択することが必要とされる。その他、シリコンエポキシ化合物なども好ましいものとして挙げられる。
【0040】
熱硬化性樹脂以外では、ウレタンアクリレート系、シリコンアクリレート系などの、アクリロイル基を持つ紫外線硬化樹脂に、光開始剤であるベンジルメチルケタール等のケタール類、2,2−ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、エタノールアミン類などを添加してなる紫外線硬化型樹脂組成物が挙げられる。このような紫外線硬化型樹脂組成物を用いる場合には、白色顔料を含む樹脂組成物を基材フィルム15上に塗工し、乾燥後に紫外線を照射して硬化すればよく、この方法は上記熱硬化方法と同様有用な方法である。
【0041】
白色反射層を形成するために被膜形成性組成物に添加される白色顔料としては、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物などの無機顔料が挙げられる。使用する顔料の大きさは、0.1〜10μmの平均粒径を有するものが好ましい。天然産出鉱物であるカオリナイト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ等は、アスペクト比が高く、板状の形状を示すもの同様、乾燥後の皮膜収縮を妨げる、即ち、耐カール性付与の点から有用である。これら顔料は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0042】
金属酸化物や金属炭酸塩に代表される白色顔料と樹脂の混合比率は、樹脂の固形分100重量部に対し、50〜500重量部が好ましい。顔料が500重量部を超えると基材フィルム15との密着性が劣り、顔料の脱落を生じ易くなる。また、50重量部以下であると充分な白色度が得難い。
【0043】
白色反射膜を形成するために用いられる塗料などの被膜形成用樹脂組成物は、加熱硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型樹脂、必要に応じ硬化剤や光開始剤、および白色顔料、その他分散剤などの混合物に、必要に応じ有機溶剤を加えて混練・分散することにより製造される。例えば、白色顔料と分散剤、樹脂とを混ぜ合わせ、プロペラ式回転分散機にて分散させる。この時、適宜有機溶剤を加え、塗布に相応しい粘度とされる。その後、ダイノーミルやアトマイザー分散機にて均一な分散を行い、500メッシュ以上のスクリーン式濾過機により未分散の顔料(ピグメント)凝集物を除去する。
【0044】
白色反射層は、この白色顔料含有被膜形成用樹脂組成物をカバーレイ基材フィルムに直接塗布し、通常、加熱・硬化することにより形成される。塗布方法としては、均一の膜厚の塗膜を形成することのできる方法であればいずれの方法であってもよい。例えば、コーターのヘッドはトップフィード型、ロールリバース型、ボトムフィード3本ロールリバース型、マイクロリバース型、メイヤーバー型などが適している。塗膜の乾燥は、コーターヘッドに加熱乾燥炉を直続し、白色顔料含有被膜形成用樹脂組成物が塗工された基材フィルムをロール送紙方式かフローティング方式により搬送し、乾燥ゾーンを通過させることにより行われることが好ましい。乾燥条件は通常、約140℃〜160℃、1〜2分間行われる。上記コーターは、塗工速度が20〜80m/分であり、スクリーン印刷の枚葉印刷機の印刷速度より格段に速く、このため生産性が高いという利点がある。白色反射層の厚さは、乾燥後、3〜60μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、10〜25μmであることがさらに好ましい。白色反射層の膜厚が3μ未満であると、充分な隠蔽性が得難く、また60μmを超えると屈曲によるコート層の脱落が生じ易い。なお、被膜形成組成物を塗布する前に、基材フィルム15の表面をコロナ放電処理やプラズマ処理などにより易接着処理してもよい。
【0045】
白色反射層の白色度は、液晶表示素子の輝度の低下を抑える上で重要である。導光板方式の場合には、LEDなどの発光素子からの光あるいは装置内で反射された光を、白色反射層により反射することにより、発光素子の発した光が導電回路基板あるいはカバーレイフィルムに吸収されることなく有効に導光板内に入光され、結果として、明るい液晶表示画面を形成することができる。これは直下型方式の場合にも同様であり、白色反射層の白色度が高いと、発光素子から出射された光あるいは装置内で反射された光がFPC基板で吸収されることなく反射され、有効に液晶表示素子に入射されることから、輝度の高い液晶表示装置を得ることができる。なお、直下型方式であれば、照明する対象は液晶に限られるわけではなく、看板、装飾などで用いられる半透明板などであってもよい。従来の白色コートをしていないカバーレイフィルムを使用したLED基板の反射率と、本発明による白コートがなされたカバーレイフィルムを使用したLED基板の反射率との比較では、白コートなしの従来品では、反射率は1%以下であるのに対し、本発明の白色コートがなされた基板の好ましい態様では反射率は80〜82%である。この値は、基板やカバーレイ基材フィルムが光吸収性であるかどうか、基板やカバーレイ基材フィルムの厚さがどのような厚さであるかによることなく達成することができる。
【0046】
一方、本発明の白色カバーレイフィルムにおいては、従来と同様、基材フィルム15には接着剤層13が設けられる。この接着剤層の接着剤としては、従来カバーレイフィルムの接着剤として用いられている、室温では半硬化(Bステージ)であり、高温で軟化し、その後、熱硬化するものを用いることができる。この熱硬化性の接着剤としては、熱硬化性のエポキシ系樹脂とゴム系樹脂等の混合物、あるいは、変成アクリル系接着剤等が用いられる。また、接着剤層の膜厚も、従来と同様の厚さでよく、例えば5〜30μm程度の膜厚とされればよい。基材フィルム15の接着剤層面10は、従来同様、コロナ放電処理やプラズマ処理などの易接着処理がなされてもよい。
【0047】
本発明の白色カバーレイフィルムは、従来と同様、0.5〜6MPaの圧力下、140〜180℃の温度において、20〜100分間加圧熱プレスすることにより回路基板に貼り合わされる。回路基板は、従来知られたどのようなものでもよい。すなわち、フレキシブルな回路基板でもよいし、リジッドな回路基板でもよい。例えば、フレキシブル回路基板(FPC)材料としては、ポリイミドが広く用いられているが、これ以外にも、融点を持たず、ガラス転移点が170℃以上の非結晶性耐熱フィルムである、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、非晶ポリアリレート(PAR)や、結晶性耐熱フィルムであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが用いられてもよい。
【0048】
このようにしてFPCなどの回路基板に貼り合わされ反射率50%以上の高い白色度を持つ白色カバーレイフィルムは、LEDなどの発光素子から発せられた光を反射することにより、導光板に入光する光の量を増大させる効果を生み、面発光体としての導光板の明るさ(輝度)を著しく高めることができる。このことは、LEDを実装した導光板の輝度を測定することで明らかである。実際に、従来の白色コートをしていないカバーレイフィルムを使用してLEDを実装したバックライトユニットと、本発明の白色反射層を有するカバーレイフィルムを使用してLEDを実装したバックライトユニットの面発光部の輝度を、輝度計:TOPCON BM−8型を用いて測定したところ、導光板方式の場合、白色反射層を設けないカバーレイフィルムを用いたものに対し165〜197%明るい輝度が得られた。また、直下型の場合についても測定を行ったところ、本発明の白色カバーレイフィルムを用いた場合には、従来の白色コートを施していないカバーレイフィルムを使用したものと比べると、112%明るいものであった。
【0049】
なお、本発明の白色カバーレイフィルムは、液晶表示装置の光源回路基板のみならず、LED照明用回路基板やその他の回路基板などにおいて白色反射層が必要とされるもののいずれにおいて用いられてもよいし、更には回路基板以外の基板に貼り合わされてもよい。
【実施例】
【0050】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例によって何ら限定されるものではない。
【0051】
実施例1
塗料の調製:
酸化チタン(A−100;石原産業製)100重量部、炭酸カルシウム(Vigot−15:白石カルシウム製)30重量部、分散剤(KS−873N;楠本化成製)2重量部、ウレタン樹脂(A−505(固形分50%);三井ポリウレタン(株)製)95重量部、および酢酸エチル180〜250重量部を、佐竹式のプロペラ撹拌機にて60rpm、1時間撹拌し、塗料No.2を作製した。
【0052】
塗料の塗布:
次に、得られた塗料No.2の塗料を流通式ダイノーミルにて1.4kg/分の流量で分散させた。この操作を3回行い、分散し終わった塗料を、1TS−2B濾過機(アドバンテック東洋(株)製)(TMC−25スクリーンメッシュ)にて濾過し、25μm以上の粒径の固形物を取り除いた。濾過後の塗料は、酢酸エチルにて、150〜200mPa・sの粘度に調整した。塗工寸前に硬化剤(A−20;三井ポリウレタン(株)製)を10.5重量部添加し、良く撹拌した。次に、塗料を、炉長30mのボトムフィード、3本ロールのリバースコーターにて、25μmの膜厚を有するカプトン100H(カプトンは登録商標;東レ・デュポン(株)製)に、直接、20m/分の塗工速度で、乾燥膜厚5μm、15μm、30μmとなるように塗工し、150℃にて乾燥し、巻き取った。
【0053】
カバーレイ接着剤の塗布:
アクリルニトリル−ブタジエンゴム・メタアクリル酸共重合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシアンジアミドイミダゾール化合物、および有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を含む、固形分18%、粘度(24℃)1600MPa・sの溶液を、コンマコーターにて白色反射層が塗工された前記カプトン100Hの裏面に塗工し、90℃、2分間の乾燥を行った。被膜の厚さは乾燥後、15μmであった。
【0054】
FPCへのカバーレイフィルムの貼り合せ:
ポリイミドフィルム(カプトン100H;東レ・デュポン(株)製)に18μm厚の電解銅を接着したフレキシブル銅貼積層板にドライフィルムを積層し、露光、現像後エッチングすることにより銅回路を有するFPCを作製した。このFPCの銅回路面に上記で得られた、白色反射層の膜厚の異なる3種の白色カバーレイフィルム(白色反射層の膜厚5μm、15μm、30μmの白色カバーレイフィルム)を、160℃、4Mpa、80分間の加熱・加圧条件下で、それぞれ熱盤にてラミネートした。
【0055】
特性試験:
こうして得られた白色カバーレイフィルムのラミネートされたFPCについて、耐折性を、180°屈曲での塗料の脱落から評価した。また、得られた白色カバーレイフィルムが貼り合わされたFPC基板の白色度を目視により評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。表には、組成および膜厚をも併せて記載する。
【0056】
なお、使用可否の判定は、以下の基準によった。
○: 耐折性および白色度に問題はなく、優れた白色カバーレイフィルムである。
△: 耐折性あるいは白色度に幾分問題はあるが、白色カバーレイフィルムとしての使用は可能である。
×: 耐折性あるいは白色度が劣り、白色カバーレイフィルムとして使用することはできない。
【0057】
比較例1
実施例1において、ウレタン樹脂を50重量部、硬化剤を5.5重量部、酢酸エチルの量を100〜250重量部とすることを除き実施例1と同様にして、塗料No.1を得、これを用いて実施例1と同様にして、膜厚5μm、15μm、30μmの白色反射層を有する白色カバーレイフィルムを作製した。この白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。
【0058】
比較例2
実施例1において、ウレタン樹脂を340重量部、硬化剤を38重量部、酢酸エチルの量を100〜250重量部とすることを除き実施例1と同様にして、塗料No.3を得、これを用いて実施例1と同様にして、膜厚5μm、15μm、30μmの白色反射層を有する白色カバーレイフィルムを作製した。この白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。耐折性および白色度の結果および使用可否の判定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から、塗料中の顔料の量が樹脂100重量部に対し500重量部を超える場合(塗料No.1)には、白色反射膜が屈曲などにより脱落あるいはひび割れなどを起こし、カバーレイフィルムとして利用できず、また50重量部未満である場合(塗料No.3)には、白色度が不足し、所定の効果が得られないことが分かる。
【0061】
実施例2
実施例1の塗料No.2を用い、12.5μmおよび25μmのポリイミドからなるカバーレイ基材フィルム(カプトン50Hおよびカプトン100H)に乾燥膜厚15μmで塗布した白色カバーレイフィルムを用い、これを回路基板の厚さが25μmおよび50μmのポリイミドからなる基材フィルム(カプトン100Hおよびカプトン200H)と貼り合わせ、カバーレイの白色度を測定した。測定は、ハンター白度(JIS P 8123)によった。結果を表2に示す。
【0062】
比較例3
白色塗料の塗工を行わないカバーレイフィルムを用い、実施例4と同様にして、カバーレイフィルムが貼り合わされた基板を作製した。この基板のカバーレイの白色度を実施例4と同様の方法で測定した。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表2から、本発明により、基板およびカバーレイフィルムの基材フィルムの膜厚に関係なく、白色度の極めて優れた白色カバーレイフィルム貼り合わせFPCを形成できることが分かる。
【0065】
実施例3
酸化チタン(J−1;(株)テイカ製)100重量部、マイカ粒子(M−XF;(株)レプコ製)30重量部、分散剤(KS−873N;楠本化成製)2重量部、第3級アミノ基を含有するアクリル樹脂(A−9521(固形分50%);DIC(株)製)100重量部、およびトルエン280〜250重量部を、佐竹式のプロペラ撹拌機にて60rpm、1時間撹拌し、塗料No.4を作製した。この塗料を流通式ダイノーミルにて1.4kg/分の流量で分散させた。この操作を3回行い、分散し終わった塗料を、1TS−2B濾過機(アドバンテック東洋(株)製)(TMC−25スクリーンメッシュ)にて濾過し、25μm以上の粒径の固形分を取り除いた。濾過後の塗料は、トルエンにて、150〜200mPa・sの粘度に調整した。塗工寸前にエポキシ基を有するシリコン系硬化剤(GZ−354(固形分60%);DIC(株)製)を25重量部添加し、良く撹拌した。次に、塗料を、炉長30mのボトムフィード、3本ロールのリバースコーターにて、12.5μmの膜厚を有するカプトン50H(カプトンは登録商標;東レ・デュポン(株)製)に、直接、20m/分の塗工速度で、乾燥膜厚5μm、15μm、30μmとなるように塗工し、150℃にて乾燥し、巻き取った。これらの白色カバーレイフィルムを実施例1と同様にしてカプトン100H上の銅回路面に貼り合せ、実施例1と同様にして、耐折性および白色度を評価した。結果および評価結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3に示すように、結着樹脂としてウレタン樹脂以外の樹脂を用いた場合にもウレタン樹脂と同様の結果が得られた。
【0068】
試験例1(ループステフネス試験)
ループステフネス試験は、幅25mmの試験フィルムを用いて、ループ長50mmの輪を形成し、これを押しつぶし距離10mmで押したときの反発力を測定することで行われた。
【0069】
試験フィルムとして、市販のポリイミドフィルムであるカプトン50H(膜厚12.5μm)、カプトン100H(膜厚25μm)、これらポリイミドフィルムの片面に実施例1の塗料No.2の白色反射層を15μm厚で設けたもの、およびポリイミドフィルムの両面に各15μ厚で塗料No.2の白色反射層を設けたものを用いた。結果は次に示す通りであった。下記結果から明らかなように、本発明の白色コート層は、フレキシブル回路基板に必要とされる、やわらかさを十分に保持している。
【0070】
カプトン50H
ブランク 2.8mN
白コート 6.6mN(コート面外に白色反射層)
白コート 6.7mN(コート面内外に白色反射層)
【0071】
カプトン100H
ブランク 24.1mN
白コート 26.8mN(コート面外に白色反射層)
白コート 27.1mN(コート面内外に白色反射層)
【0072】
試験例2(耐折度試験)
耐折度試験(MIT)は次の条件で行われ、ヒビ割れが生じる迄の度数をカウントした。
(試験方法)
引張荷重9.8N、曲率半径0.38、試験速度175rpmの条件で、JIS P 8115に準じて測定を行った。
【0073】
なお、MITは、紙および板紙、プラスチックフィルム、フレキシブルプリント配線板等の耐折強さを評価する方法であり、試験片に規定の荷重を掛けて、左右135°に規定の速さで折り曲げ、破断するまでの往復折曲げ回数から耐折強さが算出される。
【0074】
試験フィルムとして、市販のポリイミドフィルムであるカプトン50H(膜厚12.5μm)、カプトン100H(膜厚25μm)に実施例1の塗料No.2を実施例1に記載の方法で塗布して15μ厚の白色反射層を設けたものを用いたところ、下記の結果が得られた。下記の結果から、本発明の白色コートポリイミドフィルムについては、いずれも耐折強さに問題はなかった。なお、MDはフィルムの巻き方向(Machine direction)、TDはフィルムの幅方向(Transverse direction)であり、試料片としてこれらの方向のものを用いたことを示している。
【0075】
カプトン50H
白コートMD 1115回
白コートTD 1048回
【0076】
カプトン100H
白コートMD 1170回
白コートTD 1400回
【0077】
実施例4
実施例1と同様にして作製した塗料を用い、膜厚12.5μmおよび25μmのポリイミドフィルム(カプトン50Hおよびカプトン100H)上に実施例1と同様の方法で乾燥膜厚15μmの白色反射層を形成し、また裏面に接着剤層を形成して白色カバーレイフィルム200を作製した。このフィルムの所定箇所に孔を開け、この孔の開けられた白色カバーレイフィルムを、厚さ50μmおよび25μm(カプトン200Hおよびカプトン100H)のFPC6上に貼り合せた。次いで、図11に示すように、白色カバーレイフィルム200の孔あき部において、LED7を基板8上の銅回路9にハンダ付16し、この光源装置を用いて、導光板方式における導光板面の輝度を測定した。導光板としては、厚さが5mm、サイズが125mm×25mm角のポリメチルメタクリレート(PMMA)板を用いた。この導光板には裏面ドット印刷グラディエーションが施されている。LEDは日亜化学工業(株)製、品番:NJSW036AE.3.5mm角を用い、20mm間隔で5個導光板側面に配置した。また、輝度の測定は、LEDへの印加電圧を3.0V(D.C.)とし、LED入光端部から12.5mm位置における輝度を輝度計:TOPCON BM−8型を用いて測定した。結果を表4に示す。
【0078】
比較例4
白色反射膜が被覆されていないカバーレイフィルムを用いることを除き実施例4と同様にして、LEDを実装し、これを用いて実施例4と同様の方法で面発光体の輝度の測定を行った。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
実施例5
実施例1で得た塗料No.2を用いて、実施例1と同様の方法で25μm厚のポリイミド基材フィルム(カプトン100H)上に15μm厚の白色反射層を形成した。基材フィルム裏面に実施例1と同様にして接着剤層を設け、得られた白色カバーレイフィルムを50μm厚の基板フィルム厚を有するFPC基板に貼り合わせた。このFPC基板に、縦横に等間隔でLEDを実装し、図3に示すような直下型の面発光体を作製した。LEDは日亜化学工業(株)製の品番:Jupiter.7mm角を用い、20mm間隔で、縦横それぞれ5列(5×5)、総計25個を置いた。LED表面から23mmの位置に、厚さ2.0mm、サイズ120mm角のPMMA板を置き、このPMMA板上に拡散板を2枚置いた。LEDの印加電圧を3,0V(D.C.)とし、拡散板の中央部で、かつ拡散板から30cm離れた位置において輝度を測定した。結果を表5に示す。
【0081】
比較例5
白色反射層が設けられていないカバーレイフィルムを用いることを除き実施例5と同様にして、LEDを実装し、これを用いて実施例5と同様の方法で輝度の測定を行った。結果を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】
表5から、本発明の白色反射層の設けられた白色カバーレイフィルムを用いることにより、直下型方式においても、輝度の改善が行えることが分かる。
【符号の説明】
【0084】
1:光学レンズシート
2:拡散光学シート
3:液晶表示素
4:導光板
5:反射板
6:基板
7:LED
8:基板フィルム
9:導電回路
10:カバーレイ基材フィルムの接着剤側の面
11:反射用白色印刷
12:カバーレイフィルムにあけられた孔
13:カバーレイ用接着剤
14:白色反射層
15:カバーレイ基材フィルム
16:ハンダ
100:カバーレイフィルム
200:白色カバーレイフィルム
B:筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に反射率50%以上の白色度を有し、耐熱性、可撓性、密着性に優れた白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム。
【請求項2】
前記白色反射層が、少なくとも硬化性の結着樹脂と白色顔料とを含む被膜形成性組成物の塗布により形成されることを特徴とする請求項1に記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項3】
前記結着樹脂がウレタン樹脂または第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項4】
前記被膜形成性組成物において、白色顔料が結着樹脂100重量部に対し50〜500重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項5】
前記基材フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項6】
前記白色反射層の膜厚が15〜30μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルムの白色反射膜と反対面に接着剤層が設けられてなることを特徴とする白色カバーレイフィルム。
【請求項8】
請求項7に記載の白色カバーレイフィルムが導電回路基板に貼り合わされてなることを特徴とするLED実装基板。
【請求項1】
表面に反射率50%以上の白色度を有し、耐熱性、可撓性、密着性に優れた白色反射層を有するカバーレイ基材フィルム。
【請求項2】
前記白色反射層が、少なくとも硬化性の結着樹脂と白色顔料とを含む被膜形成性組成物の塗布により形成されることを特徴とする請求項1に記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項3】
前記結着樹脂がウレタン樹脂または第3級アミノ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項4】
前記被膜形成性組成物において、白色顔料が結着樹脂100重量部に対し50〜500重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項5】
前記基材フィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項6】
前記白色反射層の膜厚が15〜30μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のカバーレイ基材フィルムの白色反射膜と反対面に接着剤層が設けられてなることを特徴とする白色カバーレイフィルム。
【請求項8】
請求項7に記載の白色カバーレイフィルムが導電回路基板に貼り合わされてなることを特徴とするLED実装基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−232252(P2010−232252A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75720(P2009−75720)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(591054761)株式会社ウノン技研 (5)
【出願人】(000219266)東レ・デュポン株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(591054761)株式会社ウノン技研 (5)
【出願人】(000219266)東レ・デュポン株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
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