説明

白血球認識装置

【課題】顕微鏡画像より、時間経過を伴った白血球の量をモニターするために、白血球の崩壊程度(新旧の程度)による、時間経過毎の白血球の量を認識する白血球認識手段と、を備える白血球認識装置を提供する。
【解決手段】白血球認識手段と時間因子認識手段を使用することにより白血球を認識する手段、白血球における時系列の量を認識する各手段からの信号を認識し単発感染、単発複感染、持続感染などの炎症の質や程度などを判定支援する手段である時間因子認識手段と、それをもとに歯周病の確定を行う白血球認識装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科の2大疾患のうちのひとつである歯周病における計測、観察、診断などに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来には、このような技術は、なかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の歯科における2大疾患のひとつである歯周病確定診断は、感染性の慢性の炎症など
をはじめとする炎症が起きているのか否かなどの計測、観察または診断が全くできなかっ
た。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1〔請求項1の手段〕
請求項1における 白血球認識装置は、
生体から採取された白血球を撮像する顕微鏡手段と、
前記顕微鏡画像より、
時間経過を伴った白血球の量をモニターするために、
白血球の崩壊程度(新旧の程度)による、時間経過毎の白血球の量を認識する白血球認識手段と、
を備えることを特徴とする。

2〔請求項2の手段〕
請求項2における 白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析により求めるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
を備えることを特徴とする。

3〔請求項3の手段〕
請求項3における 白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析によりもとめるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
前記相関手段により算出された相関係数の高さにより白血球の数を検出する新旧白血球検出用フィルター手段と
を備えることを特徴とする。

4〔請求項4の手段〕
請求項4における 白血球認識装置は、
前記白血球における時系列の量を認識する各手段からの信号を認識し単発感染、単発複感染、持続感染などの炎症の質や程度などを判定支援する手段である時間因子認識手段と、
を備える。


旧請求項の手段
1〔請求項1の手段〕
請求項1の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
を備える事を特徴とする。

2〔請求項2の手段〕
請求項2の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
d)前記認識された粒子画像において、細胞内運動因子の運動度により好中球の新旧度合いを算出する細胞内運動因子認識手段と、
を備える事を特徴とする。

3〔請求項3の手段〕
請求項3の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
e)3μm(3〜10μm)角の黒エリアにおいて、前記画像を走査し、その個数を出力する黒エリア認識手段と、
を備える事を特徴とする。

4〔請求項4の手段〕
請求項4の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
f)核部分である前記黒部分を差し引いた細胞質部分に中性顆粒と認識される画像が無い画像を認識するマクロファージ認識手段と
を備える事を特徴とする。

5〔請求項5の手段〕
請求項5の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b2)平均粒径7μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c2)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が70%以上95%未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
を備える事を特徴とする。

6〔請求項6の手段〕
請求項6の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b2)平均粒径7μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c2)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が70%以上95%未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
g)前記黒部分面積判断手段が、前記70%以上95%未満と判断した白血球をリンパ球と判断した場合に、前記顕微鏡画像のリンパ球数を数える(リンパ球数)記憶手段と、
を備える事を特徴とする。

7〔請求項7の手段〕
請求項7の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
h)前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
i)前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)好中球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
j)前記記憶された好中球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
を備えることを特徴とする。

8〔請求項8の手段〕
請求項8の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
h)前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
i)前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)好中球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
j)前記記憶された好中球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
k)前記相関手段により算出された相関係数の高さにより好中球の数を検出する新旧好中球検出用フィルター手段と
を備えることを特徴とする。

9〔請求項9の手段〕
請求項9の白血球認識装置は、
前記白血球を認識する各手段からの信号を表示または演算する手段である時間因子認識手段と、
前記時間因子認識手段により演算された歯周病の質や程度などを判定し歯周病を確定する歯周病確定手段と
を備える事を特徴とする。
【0005】
1〔請求項1の作用および効果〕
白血球認識装置は、
生体から採取された白血球を撮像する顕微鏡手段と、
前記顕微鏡画像より、
時間経過を伴った白血球の量をモニターするために、
白血球の崩壊程度(新旧の程度)による、時間経過毎の白血球の量を認識する白血球認識手段と、
を備えることを特徴とするので、
時間経過を伴った白血球の認識ができる。ゆえに、炎症の程度が一回の計測でも認識ができる。
通常白血球は、健全組織には存在しない。感染などの刺激が組織に発生すると、血管内より組織へ浸潤が始まる。浸潤し時間経過すると白血球は、劣化、残骸化する。この時系列を認識すれば、炎症の認識となる。

1血管内白血球による炎症診断との差異
1−1
血管内白血球による炎症診断が存在するが、血管内には、劣化した白血球が存在しないので、2回以上の計測が必要となる。(時間経過を追って計測はできるが、時間経過を伴った白血球の量の計測はできない。)
1−2 複数の炎症組織が存在する場合、その分離ができない。

2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2における白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析により求めるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
を備えることを特徴とするので、
相関係数が高ければ、好中球(新しい)が多い事がわかるなど、新しい活性の高い好中球の定性、定量ができる。

3〔請求項3の作用および効果〕
請求項3における 白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析によりもとめるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
前記相関手段により算出された相関係数の高さにより白血球の数を検出する新旧白血球検出用フィルター手段と
を備えることを特徴とするので、
ので、請求項3よりS/N比の良い検出ができる。

4〔請求項4の作用および効果〕
請求項4における 白血球認識装置は、
前記白血球における時系列の量を認識する各手段からの信号を認識し単発感染、単発複感染、持続感染などの炎症の質や程度などを判定支援する手段である時間因子認識手段と、
を備えるので、
様々な炎症の診断支援ができる。


旧請求項の手段および効果
請求項1の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
を備える事を特徴とするので、
顕微鏡画像から白血球(リンパ球を除く)を選別できる。

2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
d)前記認識された粒子画像において、細胞内運動因子の運動度により好中球の新旧度合いを算出する細胞内運動因子認識手段と、
を備える事を特徴とするので、
好中球が検出できる。さらに好中球の新旧度合いや好中球の数がわかる。

3〔請求項3の作用および効果〕
請求項3の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
e)3μm(3〜10μm)角の黒エリアにおいて、前記画像を走査し、その個数を出力する黒エリア認識手段と、
を備える事を特徴とするので、
古い好中球数が検出できる。

4〔請求項4の作用および効果〕
請求項4の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b1)平均粒径11μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c1)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が1/5以上1/2未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
f)核部分である前記黒部分を差し引いた細胞質部分に中性顆粒と認識される画像が無い画像を認識するマクロファージ認識手段と
を備える事を特徴とするので、
マクロファージが検出できる。

5〔請求項5の作用および効果〕
請求項5の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b2)平均粒径7μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c2)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が70%以上95%未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
を備える事を特徴とするので
リンパ球が検出できる。

6〔請求項6の作用および効果〕
請求項6の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
b2)平均粒径7μm±αの粒子を画像認識する粒子認識手段と、
c2)前記認識された粒子画像を、白部分と黒部分とに2値化分離し、その画像において、黒部分が70%以上95%未満であるか否かを判断する黒部分面積判断手段と、
g)前記黒部分面積判断手段が、前記70%以上95%未満と判断した白血球をリンパ球と判断した場合に、前記顕微鏡画像のリンパ球数を数える(リンパ球数)記憶手段と、
を備える事を特徴とするので、
リンパ球の数を算定できる。

7〔請求項7の作用および効果〕
請求項7の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
h)前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
i)前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)好中球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
j)前記記憶された好中球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
を備えることを特徴とするので、
相関係数が高ければ、好中球(新しい)が多い事がわかるなど、新しい活性の高い好中球の定性、定量ができる。

8〔請求項8の作用および効果〕
請求項8の白血球認識装置は、
a)顕微鏡により撮像された顕微鏡画像において、
少なくとも白血球を認識する白血球認識手段を備え、
前記白血球認識手段は、少なくとも、
h)前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
i)前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)好中球を、あらかじめ分析し記憶た記憶手段と、
j)前記記憶された好中球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
k)前記相関手段により算出された相関係数の高さにより好中球の数を検出する新旧好中球検出用フィルター手段と
を備えることを特徴とする
ので、請求項7よりS/N比の良い検出ができる。

9〔請求項9の作用および効果〕
請求項9の白血球認識装置は、
前記白血球を認識する各手段からの信号を表示または演算する手段である時間因子認識手段と、
前記時間因子認識手段により演算された歯周病の質や程度などを判定し歯周病を確定する歯周病確定手段と
を備える事を特徴とするので、
歯周病の診断ができる。
歯周病リスクがわかる。

旧 発明の作用および効果
1〔請求項1の作用および効果〕
請求項1の歯科疾患確定装置は、歯周病確定手段を備える事を特徴とするので、歯周病の確定ができる。
2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2の歯科疾患確定装置は、所定の白血球認識手段を備える事を特徴とするので、所定の白血球の観察、計測、診断が自動的にできる。 これにより単発感染か慢性感染か急性感染かなどの病態を容易に確定できる。 さらにまた白血病などの血液疾患、内分泌疾患、薬剤、放射線の影響などの白血球由来の診断を容易とする。
3〔請求項3の作用および効果〕
請求項3の歯科疾患確定装置は、所定の時間因子認識手段を備える事を特徴とするので、単発感染か持続感染かを観察、検出、診査、または確定できる。
また炎症の種類を選択表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の歯科疾患確定装置を、図1に示す実施例または変形例に基づき説明する。
ここでは、歯科疾患確定装置を歯周病確定に目的を設定し提示する。
歯科疾患確定装置は、少なくとも歯周病確定手段を採用することをここでの実施の形態とする。

歯周病の確定には、炎症性細胞浸潤とくに白血球の計測、検査が重要である。とくに白血球の時間的、空間的な質、量の計測、検査は重要である。

さらに歯周病の中でも最も多く発症している慢性辺縁性歯周組織炎(chronic periodontitis)は、慢性の感染症であり、その確定および前駆症状の確定には、炎症性細胞浸潤とくに白血球の計測、検査が重要である。ここで、慢性辺縁性歯周組織炎は、chronic periodontitis を指し示す。

( また、aggressive periodontitis同様に計測、検査、観察可能である。)
【0007】

ここで従来の検査などを列記する。
一 オルソ 歯槽骨の吸収 (事後の現象)
二 P検査 ポケット深さ、動揺、 (事後の現象)
出血、排膿は、肉眼レベルでの歯周炎の良い指標となるが、
中期、末期などでしか確認できないので意味が弱い(薄い)。
三 口臭 歯周炎への診断としては、大雑把で曖昧な情報でしかない。
四 細菌同定 防御レベルを超えているかどうかにて発症しているか否かの判断(歯周炎 が起きているか否か)としては不向き。しかし予防、治療には不可欠な情報。
五 細菌産生物 バナペリオ ペリオチェックなど、前記細菌と同様にて歯周炎の診断には 不向き。
六 顕微鏡 炎症性細胞浸潤、特に白血球の質と量が観察、計測、検査できる。
七 分光分析 性状にて白血球などの炎症性細胞浸潤が計測、検査できる。
( NMR分析も光(電磁波)分析ということで分光(電磁波)分析の特殊な例とする
。 )
ここで上記検査、計測手段の中で本発明に使用できるのは、現状では顕微鏡と分光分析である。
【0008】

〔実施例の構成〕
図1において
歯周病確定手段は、
白血球認識手段と
時間因子認識手段
を少なくとも備える。
【0009】
白血球認識手段は、少なくとも好中球認識手段、マクロファージ認識手段、リンパ球認識手段、形質細胞認識手段のいづれかまたはその組み合わせからなる認識手段を少ないくとも備える。

またTリンパ球認識手段、NK細胞認識手段、Bリンパ球認識手段などのいづれかまたはその組み合わせを備えても良い。
【0010】
好中球認識手段は、 分光手段、顕微鏡画像、NMR手段などからの信号を分析し、その質(活動度)、その量を認識する。
【0011】
マクロファージ認識手段は、 分光手段、顕微鏡画像、NMR手段などからの信号を分析し、その質(活動度)、その量を認識する。
【0012】
リンパ球認識手段は、 分光手段、顕微鏡画像、NMR手段などからの信号を分析し、その質(活動度)、その量を認識する。
【0013】
形質細胞認識手段は、 分光手段、顕微鏡画像、NMR手段などからの信号を分析し、その質(活動度)、その量を認識する。
【0014】
時間因子認識手段は、
前記認識手段からの信号により白血球の質、量を表示または/と、前記認識手段からの信号により炎症の種類を選択表示する。
具体的には、時間因子認識手段は、
7 形質細胞数Pnが、0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
6 リンパ球数Lnが、0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
5 マクロファージ数Mnがある一定量大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。量はDrが設定する。
4 新しいマクロファージ数と古いマクロファージ数が両者とも0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
3 新しい好中球数と古い好中球数ともに0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
2 新しい好中球数が0より大きく、古い好中球数が無ければ、単発的感染または/と初期感染の疑いと表示する。

1 新しい好中球数が無く、古い好中球数が0より多ければ、単発的感染と表示する。
8 上記番号の1から7に行くに従い重度と表示する。一例として個々の前記番号を重みとして加算して表示し、その値をもって重症度とするなどである。具体的な一例としては 1×s+2×s+3×s+4×s+5×s+6×s+7×s = 重症度 などである。(sは、条件を満たした場合 値 1 、満たさない場合 値 0 をとる。)

などの時間因子認識手段は、上記1から8におけるいづれかまたはその組み合わせによる手段を少なくとも採用する。

これらの手段は、汎用コンピュータで作成してもよいし、また専用のハードウエアにて達成しても良い。
【0015】
ここで、前述の数に合わせて、確定指数を設けて表示する確定指数手段を採用しても良い。具体的には、0〜100個(閾値)未満までは、やや確定、100(閾値)以上は、確
定と判断する既知の回路やソフトなどで作成された確定指数手段を採用しても良い。ここで、採取した歯垢などの量に対して前述の数(100)などは変化させても良い。すなわち歯垢0.1μgでは、閾値を10個、1μgでは100個とするような重みを付加しても良い。
【0016】
さらにまた以下の研究にもとづいた手段を採用しても良い。
【0017】
歯周病の発症 治癒 の判別など歯周病確定

今までの歯周病診断は、
1 ポケットの深さ
2 歯槽骨の吸収 歯槽骨レベル
3 出血
4 排膿
5 歯間乳頭の発赤・膨張
6 ステップリングの消失
7 歯肉炎指数
8 動揺度
9 口臭
10 歯肉の退縮
11 滲出液の有無、量
12 アタッチメントレベル
13 嫌気性菌の培養(特に歯周病菌の培養)
14 黒色色素生産性数(BPB)
15 ポッケット内の微生物数、細菌叢(スピロヘータ、運動性桿菌の割合など)
16 総細菌数
17 スピロヘーター数
などがあり、その中でも炎症性細胞浸潤に的を絞って病理学的に歯周炎を診断しようとす
る以下の試みなどがあった。
1 白血球の数(の多さ)
2 好中球の数(の多さ)
3 多形核白血球の遊走能、貪食能、殺菌能、H2O2産生能、補体レセプター、Fcレセ
プターの機能計測
4 マクロファージの数(の多さ)
5 リンパ球の有・無・数(の多さ)
6 好中球・単球の遊走能

しかしながら以下の理由などから実際の診断としては使用されていないのが現状であった。

【0018】
すなわち
上記のごとくさまざまな研究がなされているが、歯周病の始まりと治癒の判断、すなわち歯周病の確定診断にたいする基準は、現在のところ明確な基準はないのが現状である。それを裏付ける最も大きな資料は、歯周病の国際分類である。このように歯周病の国際分類の存在自体が、すなわち歯周病の発症、治癒の基準が無いということの裏付けである。
【0019】
[目的]
そこで本報告では
歯周病の始まりと治癒の判断、すなわち歯周病の確定診断にたいする基準に関して簡単にかつ明確な基準を示すものである。 その後に前記、Classにつなげて治療を進めても良い。
【0020】
[意義]
とりもなおさず、歯周病の確定診断は、歯周病の治療、予防に飛躍的進化をもたらすのはいうまでも無い。
言い換えるなら全世界の歯科医に対して歯周病の確定診断の導入を呼びかけるのが意義のひとつである。そしてこの基準に基づいた的確な治療、予防を呼びかけることにより、確実な歯周病への対応が可能となり、歯周病による歯周組織や歯牙の損失を最小限にとどめる効果を実感していただければと考える。(各種歯周の研究、後述生理的Migrationの研究などにも必須の検査でもある。)
そこでこの診断にもとづく治療、フローラコントロール、予防なども発表したいと思っている。(表1参照)
【0021】
そしてこの診断は、当医院での診断のひとつに過ぎなく、さらにう蝕菌、歯周病菌の相互作用も含めう蝕、歯周病の治療、フローラコントロール、予防を統括的に捉えるために最低限必要な検査体系、それに基づく治療、予防プログラムも発表していきたいとおもう。(表1参照) このことにより、従来の診断、治療、予防を細菌、組織、病理学的に基づく、新しい体系に導きたい。当医院において実証、進化中のこの体系の紹介により、全世界において、飛躍的に歯牙の保存が可能になると考える。
【0022】
[歯周炎の定義] の確認
歯周炎の発症は、とりもなおさず歯周組織に炎症がおこっているか否かである。
いいかえれば、炎症性細胞浸潤が持続的に生じているか、否かである。さらに具体的には単発的な炎症性細胞浸潤があり、持続的な炎症性細胞浸潤になるか、いきなり持続的炎症性細胞浸潤が生じるかであろう。
まずここで、単発感染、単発複感染、および持続感染の単純なモデルをつくり検証をしてこう。
炎症性細胞浸潤としてまず好中球を指標にして検証を行い、その他の炎症性細胞に関して、そのモデルを補強してゆくというスタイルをとる。
【0023】
また生理的なMigration、すなわちバイアスの問題についてのべる。
さらに免疫応答を抑制する菌などの影響を考える。

【0024】
1感染性炎症のStep
図2に示されるがごとく、感染症は進行してゆくと考えられる。

【0025】
2単発感染モデル
ここで図3に示すように単発感染による炎症性細胞浸潤のモデルである。
ここでは特に好中球を中心として述べてゆく。
【0026】
単発感染が生じると図3のごとくポケット内における好中球の浸潤(濃度)が増してゆく。(曲線A)
そして免疫、防御、新陳代謝などの機能により感染が終焉を迎えて好中球濃度は減少してゆく。(曲線A) そして曲線Aのごとくに新しい好中球が歯肉溝に浸潤し増加してゆくと
、唾液、菌などの影響により好中球は、劣化してゆき曲線Bのように古い好中球が増加し
、そして新しい好中球が曲線Aのごとく減少してゆくので古い好中球もまた遅延して減少
してゆく。(曲線B)
【0027】
ここで、感染の質、程度などの時系列を好中球の時系列にて予測するわけだが、この好中球の時系列は、好中球の崩壊程度にて予測を行う。ここでは、図3の写真丸付き文字の1、丸付き文字の2、丸付き文字の3、丸付き文字の4またはローマ数字の大文字の1、ローマ数字の大文字の2、ローマ数字の大文字の3、ローマ数字の大文字の4、ローマ数字の大文字の5などに好中球の崩壊度(新旧の程度)を列記する。
丸付き文字の1、ローマ数字の大文字の1の時点では、新しい好中球、すなわち細胞質内の顆粒や、細菌が活発に動いて見える好中球の段階。
丸付き文字の2 ローマ数字の大文字の2は、細胞質または核がややバースト気味を呈していく段階。
丸付き文字の3 ローマ数字の大文字の3は、細胞質または核がバーストしはじめる段階。
丸付き文字の4 ローマ数字の大文字の4は、核、細胞質が完全にバーストした段階。ただし核の場合は、完全バーストといってもその輪郭は、消失していないようである。さらにこの時、細胞質もバーストしてしまっている場合がほとんどである。一方細胞質バーストは、核のみが観察される。
ローマ数字の大文字の5は、さらに崩壊がすすみ残骸のみの段階である。
さらにここで、
おおよそ丸付き文字の2から丸付き文字の3の期間は、おそらく新旧好中球が観察される場合もあるが、新しい好中球(劣化の少ない好中球)は、かなり少ないのがわかる。さらに臨床においては、1週間後または1週間毎などに再検査を行い、少なくとも新しい好中球が観察されなければ、歯周病は始まっていないとしても良いのである。さらに厳密に言えば、新しい好中球も古い好中球も観察されなくなるまで検査しても良い。ただ非侵襲検査といえ臨床においてそこまで検査するのは、疑問ものこるが。
【0028】
そしてその後かなり後になっていつかまた単発感染が生じるかもしれない。生じればそれと同様に好中球の濃度が上昇し、そして減少してゆくかもしれない状態である。 この状態ではまだ歯周炎が生じない可能性もあり、明確に歯周炎の開始ではない。(Step3)
【0029】
ここで歯肉溝の白血球は、血液中と違い特異的な姿を呈している。血液中では、アメーバ様であり、また細胞内が不鮮明となっている(図10の写真)が、歯肉溝中の白血球は、おおむね球形で、さらに細胞内が明瞭に観察できる。この形態が感染の状態、すなわち時間因子を提供してくれる。
【0030】
今回時間因子は、図3の写真1,2,3、4(丸付き文字)など好中球の細胞質および核の変性(劣化)により求めている。 これらの変性は、歯肉溝のさまざまな環境状態により変化するが、臨床レベルにおいては、この各モデルから示されるように、良い診断が可能と考える。
【0031】
ここで上記の白血球の崩壊程度を数理モデルとして崩壊時定数τとし、さらにτを数理モデルとして正確に求めるための因子を提示していく事は、肯定的な作業であろう。また時間と機会があれば、さらに発表をしてゆくのも学術的には興味がある。しかし臨床家としては、他の作業、すなわち表1の各診断、治療、予防、フローラコントロールといった作業に注力する方が患者のためとなり、研究者と臨床家との葛藤がこういったところにあるのである。

【0032】
3単発複感染モデル (図4)
単発感染モデルのごとく単発感染が生じると図4のごとくポケット内における好中球の浸潤(濃度)が増してゆく。(曲線A)そして免疫、防御、新陳代謝などの機能により感染が終焉を迎えて好中球濃度は減少してゆく。(曲線A) そして曲線Aのごとくに新しい好
中球が歯肉溝に浸潤し増加してゆくと、唾液、菌などの影響により好中球は、劣化してゆき曲線Bのように古い好中球が増加し、そして新しい好中球が曲線Aのごとく減少してゆく
ので古い好中球もまた遅延して減少してゆく。(曲線B)。ここまでは、図3の単発感染と同様である。そして、比較的短期間に単発感染が生じると、図4 A´のごとく単発感染が生じて新しい好中球濃度が上昇する。そしてB´のごとく古い好中球濃度も遅延して
増加減少する。すると丸付き文字の1の時期付近では、新しい好中球と極端に古い好中球が観察されるはずである。また丸付き文字の2の期間では新しい好中球と比較的劣化初期の古い好中球と残骸様のかなり古い好中球が観察される。(中間が少ない)そして丸付き文字の3の時期には、さまざまな好中球が観察されると予測される。そして単発感染のデュレーションによって、この様相は変化してゆく事が容易に予想できる。
これらのモデルにより単発感染か単発複感染かを区別できる可能性があるが、臨床上では、単発感染、単発複感染ともに歯周病前夜と判断すればよく。ここまでの精度は必要としないが、移行モデルとして提示する。図2のグレイゾーン(イエローゾーン)でグラデーションのごとく移行度が増加してゆく。
【0033】
結果として要求されるのは、要は後述の持続感染、すなわち歯周病の開始が判明すればよい。
【0034】
ここでもまた、
おおよそ丸付き文字の2から丸付き文字の3付近の期間は、さまざまな新旧好中球が観察される場合もあるが、新しい好中球(劣化の少ない好中球)に比べて古い好中球(劣化した好中球)は、かなり少ないのがわかる。さらに臨床においては、1週間後毎などに再検査を行い、少なくとも新しい好中球が観察されなければ、歯周病は始まっていないとしても良いのは、単発感染同様である。さらに厳密に言えば、新しい好中球も古い好中球も観察されなくなるまで検査しても良い。
【0035】
この状態ではまだ歯周炎の前夜(グレイゾーン)であって、歯周炎の開始ではない。(Step4)
しかし非常に不安定な状態であり、持続感染に移行する場合が多いと考えられるので、リスク判定の基本原則にならい、疑わしければ、ひどい部類に判定しても良い。ただし治療
に移行するのではなく、予防ベースの経過観察がのぞましい。すなわち新旧の好中球が観
察されれば、とりあえず歯周病疑いとし、再検査を行ってゆくことが必要な状態ともいえる。(単発複感染モデル)
さらに厳しい基準では、単発感染も同様に扱うことも考えられる。 これらは、個々の医師にゆだねられても良いかもしれない。
【0036】
またここで見方を変えれば、これらの移行時期(移行モデル)が存在するのは、臨床では非常なメリットである。すなわち持続感染の前段階の要注意次期までにおける予防限界の目安が顕微鏡などのリアルタイム検査にて判明するからである。



【0037】
4 持続感染モデル
そして単発感染の量、数が増加して、ついには持続感染が生じる。これが歯周炎の開始である。(図5 )
すなわち単発感染モデルのごとく単発感染が生じると図3の曲線Aの上昇部のごとくポケ
ット内における好中球の浸潤(濃度)が増してゆく。(曲線Aの上昇部と同様)しかし、持続感染、またはポジティプフィードバックが始まり、好中球の浸潤(ポケット内への増加)は止まらなくなる。(曲線C) そして曲線Cのごとくに新しい好中球が歯肉溝に浸潤
し増加してゆくと、唾液、菌などの影響により好中球は、劣化してゆき曲線Dのように古
い好中球が増加し、新しい好中球のレベルと同様な傾向にてさまざまな劣化具合の種々な古い好中球も多数存在するようになる。
【0038】
ここで、単発感染、単発複感染と持続感染による好中球の動態が図示されたわけだが、この図から歯周病の発症、感染などが明確にしめされる。 また治癒もこの基準にて理解できるのは言うまでもない。
【0039】
ここで重要な点として、これらの個々の曲線の数学的意味はあまりなく、概念的なモデルであっても、歯周病の開始を予測することには、大した影響をおよぼさない。このことが臨床において容易に導入、使用できる利点となっている。
【0040】
歯周病の開始が持続感染の開始とするならば、好中球の新旧などの質、そしてそれらの量により確定診断ができる事をこの図(モデル)は示している。
すなわち、浸潤した新しい好中球の曲線 と劣化した好中球の曲線 に注目すると、新旧
好中球(これは質の一部を表す。)の有無、質そして量などにより持続感染か単発感染かがわかることに気がつく。
【0041】
おおざっぱに言えば、前記のごとく新旧好中球が存在し、再検査でも存在すれば、歯周病と診断しても良いのである。また再検査しなくとも、新しい白血球と古い白血球が多ければ歯周病と診断して良いわけである。さらに中間の劣化した好中球が存在も判断の材料となる。
【0042】
すなわち新しい好中球から古い好中球の観察は、歯周病の発症、治癒の分岐点を確定するのにほかならない。
【0043】
ここで
いままでは、白血球の残骸に注目した診断は皆無であった。それは、機能を失ったものを指標にするのは、考古学や司法解剖ぐらいであり、臨床現場や生体の科学ではまず行わない事という常識と、機能を失ったものは、その(機能)診断ができないといった常識から見落としがあったのではないだろうか???
さらに炭素14(14C)のように時系列をさらに正確に予測できる因子を白血球が有し
ていると面白い。
【0044】
いづれにしても、歯周病の確定診断(開始の有無)は、先のモデルより主に新旧好中球の量により明確になると考えられる。
【0045】
ここで、Aggressive periodontitis にもこのモデルは応用できると考える。すなわち新しい好中球の数と古い好中球の数が圧倒的に新しい好中球が多い場合がAggressive periodontitisと診断できると考える。
この数については、また別の機会に発表したい。
さらに上皮細胞の数をモデルに入れるとNecrotizing periodontal diseasesの診断に応用ができると考える。上皮の剥離が多い症例は、まれにあるがそれがNecrotizing periodontal diseasesであるまでを断言できる症例に遭遇した事がないので確証でなく、予測であるが。
すなわち上皮細胞の数がある数を上回り観察できるとNecrotizing periodontal diseasesであると予測できる可能性がある。
【0046】
今回、これらを計測したのは規格化された顕微鏡にて行った。(表1参照)
そこで全世界の歯科医師に規格化された位相差顕微鏡を日常臨床にて使用していただきたい。
【0047】
――――――――― さらに精度を上昇(影響)させる因子 ――――――――――――
―――
1 上記に示した通り、(新旧の好中球ということのみではなく)、写真丸付き文字の1,丸付き文字の2,丸付き文字の3,丸付き文字の4、などに示された好中球の劣化具合を段階的に分類し観察することによりさらに歯周炎の開始の精度をあげることができることがまず1点目である。
(劣化速度が唾液、菌、などの種々な環境因子により変化することこ、さらに新旧好中球などの量は、清掃にも影響するかもしれない。清掃は、ポケットの深いところは、影響なしとしてもよいかもしれない。またProfessional Care は、サンプリングを考慮して行われるので影響にいれない。などを加味してさらに精度を上げても良い。)
【0048】
2 さらに図6のごとく好中球の核の左方移動も精度をあげることができる。言うまでもないが、左方移動が多ければ多いほど、感染はひどい傾向にある。
【0049】
3 また図7のごとく、マクロファージ、リンパ球、形質細胞、などの質、量、存在などにても歯周病の確定診断(開始しているか)の判定に加えても良い。 (補足的に肥満細胞の存在も考慮にいれても良い)。これらの出現は、歯周病の発症後の場合がほとんどと考えられる。もっともこの事は、歯周病の発症点は、予測が困難という事を示唆しているが。
【0050】
4 図8 上皮細胞が多い。これは歯周病菌などの組織破壊性菌と白血球の存在を示すものである。これもまた歯周病の発症後の場合と考えられる。 またこの所見は、特にNecrotizing periodontal diseasesには、良い指標となるであろう。
【0051】
5 図9 免疫抑制菌、白血球阻害因子
とくにトレポネーマの存在が、上記白血球浸潤に対して影響を与えている可能性が高いので、白血球の量に重みをつけて精度を上げても良い。 さらに白血球毒素の遊離も考慮(重み)にいれるとさらに良い。(PGなど)
【0052】
6 白血球抑制剤などや抗生剤について
マクロライド系の抗生剤投与などにおける白血球抑制剤は、著しく影響を与えるので注意が必要である。すなわち抗生剤の投与から3ヶ月とかなどある程度期間をおいての検査が必要となる。
ここで、いわゆるサンプリング方法と生理的浸潤について述べる。
【0053】
探針にて縁下プラークとともに浸出液を採取する。
この時炎症性細胞浸潤が多ければ、粘性の高い浸出液として、おおくの細胞が採取できる。
逆に炎症性細胞浸潤が少なければ、粘性の低い浸出液として、採取細胞が少ない。
【0054】
生理的migrationの存在の有無や、生理的migrationの範囲かなどとの検討は行うべきかもしれないが、以下の理由などから、とにかく持続的炎症性細胞浸潤がchronic Periodontitisの発症として良いと考える。
【0055】
このサンプリング方法において経験的に言えばPの病状が停止している患者には、新(旧)白血球の観察はほとんどなく、言い換えれば、生理的migrationが見られないといっても良い。(このサンプリング条件においては)
【0056】
そしてフローラコントロールのなされていない歯肉溝には、抗原性の高い歯周病菌が常駐にちかくいすわり、さらに食品の中にも抗原性の高い物質があるわけであるから、それらが走化性因子として働いているとの見方が自然であろう。すなわちこれは、病的な感染からの白血球浸潤であるので上記モデルの感染に従う事を示唆している。
【0057】
さらに歯肉溝、歯根面に存在するPG、PIなどの抗原性物質の存在は、走化性因子として働
いてもおかしくは無い事(これも病的浸潤である)、そして実際このサンプリング条件では、生理的な持続的浸潤と見られる像は得られない。
その他にもデスモゾームの間隙の緩み、何らかのケミカルメディエータの遊離などが言われているが、前記同様に、生理的な持続的浸潤とは考えにくい。
【0058】
さらにもし生理的Migration(バイアス)が存在していても、そのバイアス分を差し引けばよいだけであるが、上記臨床上の作業からは、問題はなさそうである。
【0059】
結果的に生理的Migrationといったものは、実はフローラコントロール不完全な被験者からの結果かもしれない。(抗原性を有する危険な食事は懸念されるが)その理由は、表1の検査が研究に先立ち行われているとは思えないからである。すなわち、表1における検査が研究に先立ち最低限なされていなければ、すなわち歯周病菌の抑制やう蝕菌(とくにfinal phaseのう蝕菌)の抑制などの背景環境の改善などがされているか否かを計測、検査したかを背景にしていない報告では意味をなさないことは明白であるからである。これも別の機会に発表していきたいと考える。これは、口腔の病理、生理を研究する研究者が研究に先立ち被験者のう蝕、歯周病の最低限の検査をする必要があるということを示唆している。これらの検査をせずに行った研究は、大変不正確だということを本研究は示している。ここでさらに重要な事は、歯周病の病態には、う蝕菌などの影響がある事である。歯周関係の研究をなすときは、歯周に相互作用を与えるう蝕の検査も同時に実施しなければならい。これは、専門外の作業となりさらに見落としがちである。(表1参照)このことからも表1の検査を全世界の歯科で行うべきと考える。
【0060】
以上の結果より、
おおまかなスコアー表を作成すると
7 形質細胞数Pnが、0より大きければ、Chronic Periodontitisと表示する。
6 リンパ球数Lnが、0より大きければ、Chronic Periodontitisと表示する。
5 マクロファージ数Mnがある一定量大きければ、Chronic Periodontitisと表示する。
量はDrが設定する。
4 新しいマクロファージ数と古いマクロファージ数が両者とも0より大きければ、Chro
nic Periodontitisと表示する。
3 新しい好中球数と古い好中球数ともに0より大きければ、Chronic Periodontitisと
表示する。
2 新しい好中球数が0より大きく、古い好中球数が無ければ、単発感染、単発複感染ま
たは/と初期感染の疑いと表示する。
1 新しい好中球数が無く、古い好中球数が0より多ければ、単発感染と表示する。8 上記番号の1から7に行くに従い重度と表示する。一例として個々の前記番号を重みとして加算して表示し、その値をもって重症度とするなどである。具体的な一例としては 1×s+2×s+3×s+4×s+5×s+6×s+7×s = 重症度 などである。(sは、条件を満たした場合 値 1 、満たさない場合 値 0 をとる。)
などの時間因子認識は、上記1から8におけるいづれかまたはその組み合わせを使用してもよい。
となる。
【0061】
さらにこれより精度を上げたければ、図3、図4、図5の数理モデルを使用すればよい。
【0062】
またここで、新しい好中球数が著しく多く、古い劣化した好中球が著しく少ない場合、Aggressive Periodontitisとしても良い。Chronic PeriodontitisとAggressive Periodontitisは、この診断モデルでは、単に新旧好中球の比率、量の違いで分類する。2つは、ともにPeriodontitisであり、Chronic かAggressive かの違いだけと考える。さらに上皮剥離が多ければ、Necrotizing Periodontal Diseasesと予測する。それゆえこの考え方では、Necrotizing Periodontitisと呼ぶ方がよいのかもしれない。

【0063】
以上
Chronic Periodontitis、 Aggressive Periodontitis、 ( Necrotizing Periodontal D
iseases)などPeriodontitisの診断においては、上記モデルにもとずく診断により確定診
断ができる。
これにより、歯周病の発症、治癒が明確になり、治療、予防の診断、処置が大幅に改善される。
また歯周関連の研究の大前提、基礎として必要な工程と考える。


【0064】

表1

1 歯周病確定診断に関して
本文
2 歯周病確定診断の他の手段
3 歯周病菌の除菌、減菌に関して
歯周病菌は、口腔内より駆逐できるか???
4 歯周病菌、う蝕菌 の phase、そして感染症Stepとの対応
5 菌種別フローラコントロールの方法、手段
6 歯種培地で変わるう蝕治療と歯周病治療
7 新しいう蝕診断とMI 新しい簡易断層撮影
8 規格化位相差顕微鏡の利点
9 歯科医師に最低限必要な検査
a MS(顕微鏡検査)
b P培(歯周病菌培養検査)
特にPorphyromonas gingivalis選択培地で変わる歯科医療など
c Stm(ミュータンス菌)<初期の虫歯菌>の計測
IR計測によるリアルタイムリスク検査システム
d LB(ラクトバチラス菌)培地<中期の虫歯菌>
e CA(カンジダ菌)培地<末期の虫歯菌>
f 歯垢のpH<2次緩衝作用、1次緩衝作用、酸産生能>
Secondary Buffer の発見
ステファンカーブに並ぶ新しいBuffering の発見
g サリバ ( 安静時 ・ 刺激時 )<唾液>
h 歯種培地
i 歯牙の死は、何を示すか???何を教えるか???
う蝕菌の除菌、減菌、コントロール

【0065】
[効果]
歯周病の確定ができる。
【0066】
[変形例]
上記各手段は、術者や製造者が取捨選択し使用、製造する。
【実施例1】
【0067】
第1実施例の歯科疾患確定装置は、少なくともリンパ球認識手段を白血球認識手段として使用する例であり、少なくとも白血球認識手段と時間因子認識手段とを備える。
【0068】
[第1実施例の形態]
第1実施例は、顕微鏡像からの信号をもとにした例である。
【0069】
[構成]
顕微鏡手段(CCDカメラにて画像信号を出力する型)、映像記憶手段、白血球認識手段、時間因子認識手段とを備える。
【0070】

ここでは、白血球認識手段としてリンパ球認識手段を使用する。
【0071】
顕微鏡手段(CCDカメラにて画像信号を出力する型)は、採取された歯垢などを映像化して出力する既知の顕微鏡である。もちろんリンパ球情報を伝達すれば、どのような情報であっても良い。
【0072】

(映像)記憶手段は、顕微鏡よりの映像を記憶する既知の手段である。もちろんリアルタイムに認識が行われるなどの場合、記憶手段は不要の場合もある。
【0073】
白血球認識手段は、少なくとも既知の画像認識手段をそなえる。 ここでは、白血球認識手段としてリンパ球認識手段を使用する。

具体的には顕微鏡映像から粒径Xμmの球状物体を認識する既知の粒子認識手段(画像認識手段)を採用し、画像より球状の粒径Xμmの物体を抽出する。この場合、リンパ球の粒径を7μm±1μmとする。

さらに具体的に粒子認識手段は、Xμmの円を相関関数(全体マッチング)により抽出する既知の画像抽出手段を使用するなどである。また粒子認識手段は、2次曲線による部分相関(部分マッチング)による画像抽出手段でも良い。
【0074】

そして次に抽出された球状物体中の黒(ほぼ核に相当する)部分を既知の黒部分面積判断手段が、Y%以上、Z%以内である球状物体を抽出する。ここで黒部分のY=70(%)、Z=95(%)以下とする。具体的には、前記抽出画像の白ドットと黒ドットを数えて、その個数を算出する既知の走査型の黒部分面積判断手段などを使用するなどである。

ここで前述または後述の画像処理は、2値価して行っても良いしまた、多値化にて行っても良いが、黒部分面積判断手段においては2値化が演算が楽でよい。またN値価(N>2の整数)でも良い。
【0075】
そして抽出画像の個数、各抽出画像、が出力される。(記憶手段に記憶しても良い。)
【0076】
そして時間因子認識手段は、白血球認識手段からの信号を表示または演算表示する手段を少なくとも備える。具体的にはその信号をもとに時間因子認識手段は、リンパ球の個数nが0より大きかったなら、慢性辺縁性歯周炎と表示する手段であり、ハードウェアにより実現してもよいし、またコンピュータとそのソフトウエアにて実現してもよい。
【0077】

[動作]
電源をONにすると、
顕微鏡手段(CCDカメラにて画像信号を出力する型)は、歯周ポケットなどから採取された歯垢などの試料を映像化して顕微鏡像を出力する。そしてその映像信号をA/D変換して記憶手段が記憶する。この映像情報を元に白血球認識手段は、その映像記憶手段の映像から白血球を認識する。
【0078】

具体的には、白血球認識手段、ここではリンパ球認識手段の場合、
平均粒径7μm±α(一例としてα=1μm)の粒子を前述の粒子認識手段が認識する。
【0079】
そして黒(ほぼ核に相当する)部分面積判断手段が、その画像中が一例として2値化手段にて2値化され、白部分と黒部分に分離されて、一例として黒(核を示す)が70%以上95%未満であるか否かを判断してフラグを出力する。
【0080】
この時フラグが真(1)なら、リンパ球であるとする。そしてフラグが真(1)なら、この像を(リンパ球画像)記憶手段に記憶して良い。そして(リンパ球数)記憶手段に、数が加算されてゆく。そして顕微鏡画像を1走査した後に(リンパ球数)記憶手段には、リンパ球の総数が記憶されている。
【0081】
そして前記リンパ球の総数を時間因子認識手段が認識し、前述の条件である 「6 リンパ球数Lnが、0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。」 を満たしていれば、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
【0082】
[効果]
慢性辺縁性歯周組織炎が確認、確定できる。
【0083】
[変形例]
上記実施例では、白血球認識手段は、リンパ球認識手段を使用したが、好中球認識手段を使用しても良い。
【0084】

[構成動作]
電源をONにすると、
顕微鏡手段(CCDカメラにて画像信号を出力する型)は、採取された歯垢などを映像化して顕微鏡像を出力する。そしてその映像信号をA/D変換して記憶手段が記憶する。この映像情報を元に白血球認識手段は、その映像記憶手段の映像から白血球を認識する。
【0085】
具体的には、白血球認識手段、ここでは好中球認識手段の場合、
平均粒径11μm±αの粒子を既知の画像認識手段である粒子認識手段が認識する。
【0086】
さらに以下の2つのいづれかまたは両方の手段を使用して精度を上げてもよい。
【0087】
黒(ほぼ核に相当する)部分面積判断手段が、その画像中が2値化され、白部分と黒部分に分離されて、一例として黒(ほぼ核を示すが、正確には顆粒のうちの黒部分を含む)が1/5以上1/2未満であるか否かを判断してフラグを出力する。
【0088】
偏り認識手段が、黒部分が全体の形状に対してどの程度偏りをしているかの偏り指数を出力する。
【0089】
さらに細胞内運動因子認識手段が運動度により白血球(ここでは好中球)の新旧度合いを算出する。
【0090】

一例として3μm(3〜10μm)角の黒エリア認識手段が、前記画像を走査する。そしてその個数を出力する。
【0091】
時間因子認識手段は、前記好中球数と好中球認識場所から黒エリアの認識場所(古い好中球の場所)を差し引いた場所の数を新しい好中球数として数える。そして好中球認識場所の数と新しい好中球数と古い好中球数のいづれかまたはその組み合わせを表示する。
【0092】
この時、新旧白血球数(好中球数)が認知されたなら慢性辺縁性歯周組織炎と表示しても良い。

詳しくは前述の動作
3 新しい好中球数と古い好中球数ともに0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。

2 新しい好中球数が0より大きく、古い好中球数が無ければ、単発的感染または/と初期感染の疑いと表示する。

1 新しい好中球数が無く、古い好中球数が0より多ければ、単発的感染と表示する。いづれかまたはその組み合わせを行う。
【0093】
さらに必要なら新旧の比率を算出する。
【0094】
認識エリアは、術者が変更しても良い。
【0095】
[効果]
慢性辺縁性歯周組織炎が確定できる。またその前駆状態である単発的感染が検知できる。
【0096】
【実施例2】
【0097】
第2実施例の歯科疾患確定装置は、周波数空間にて診断支援する例である。
【0098】
[第2実施例の形態]
第2実施例は、顕微鏡像からの信号を周波数分析した例である。
【0099】
[構成]
市販のペリオスコープなどの撮像型顕微鏡と
前記撮像手段からの映像信号を周波数分析する周波数分析手段を備えた 歯科疾患確定装置。
【0100】

周波数分析手段は、汎用PC上の仮想空間上の手段で実現してもよいし、またハードウェアで実現しても良い。 ここでは、少なくとも既知の2次元FFT手段を汎用PC上の仮想空間上の手段として採用した。
【0101】

[動作]

前記撮像素子からの映像を既知の2次元FFT手段にてフーリエ変換し、記憶手段などに記憶させておいた既知の数の好中球の2次元フーリエ像を相関手段にて相関係数を求めそれを表示する。
【0102】

[効果]
これにより相関係数が高ければ、好中球(新しい)の存在、そしてさらには新しい好中球の数が判明する。
【0103】

[変形例]

既知の数の好中球の2次元フーリエ像のもっとも振幅が変動するエリアをフィルターとして抽出した新旧好中球検出用フィルター手段を採用しても良い。 前記2次元FFT手段
の信号を、この新旧好中球検出用フィルター手段に入力しても良い。これによっても新しい好中球の有無、数などが検出できる。
【0104】

さらにその信号を逆FFTして画面などに表示しても良い。このばあい顆粒、細菌などの特
徴を確認できる。

【実施例3】
【0105】

第3実施例の歯科疾患確定装置は、

顕微鏡に分光分析手段を備える例である。ここでは、さらにリスク判定支援手段(診断支援手段または診断ナビゲーション手段)を備える。
【0106】

[第2実施例の形態]
第2実施例は、顕微からの信号をもとにし、歯周病などのリスク判定を支援(リスク判定支援、診断支援、または診断ナビゲーション)する例である。 一例としてプレボテラインターメディアを指標菌としてあげる。またプロピオビニバクテリュウム アクネスなどにも応用可能な例である。
【0107】

[構成]
撮像手段を備え、
光源に紫外線光源手段を備えた顕微鏡と
その光路に可視光のみを透過するフィルター手段を備え、
前記撮像手段からの映像信号を処理する処理手段を備えた
歯科疾患確定装置。
【0108】
ここで、映像処理手段以外は、市販のペリオスコープなどの撮像型顕微鏡を使用する。
【0109】
処理手段は、汎用PC上の仮想空間上の手段で実現してもよいし、またハードウェアで実現しても良い。
【0110】
処理手段は、プレボテラインターメディアの菌体形状あるいは、その分泌物形状のアトラス画像のいづれかひとつまたはその組み合わせを有しており、その画像を既知の相関手段または手動手段にて比較し一致しているか否かまたはどの程度一致しているかを比較できる比較手段を有する。
さらに、画像の赤色蛍光を処理手段は、認識できる赤色抽出手段を備える。
【0111】

処理手段は、
前記赤色光を認識する赤色認識手段と前記形状を比較する比較手段にて一致(相関度)する画像を表示する。
【0112】
さらに診断支援手段(診断ナビ)がこの一致係数を基に、使用者の設定一致度合いを越えたら、プレボテラインターメディアの可能性一致度以上と表示するような診断支援手段(診断ナビ)を採用しても良い。
【0113】
処理手段は、PC上の仮想空間にての手段でもハードウェアにての手段でも良い。
そして、処理手段あるいは、処理手段の各手段は、既知の手段を使用しても良い。そしてこれらの手段のいづれかまたはその組み合わせを、このような構成にすると従来計測不能であったプレボテラインターメディアが一例として計測できる。
【0114】

[動作]
前記顕微鏡に試料をのせてスイッチをONにすると、PC上のモニタにさまざまな色の蛍光の部分が、映し出される。この時、この画像を前記処理手段が処理を行う。
【0115】
するとプレボテラインターメディアが認識される。
【0116】

[効果]

従来顕微鏡のみでは、計測、観察、検出できなかったプレボテラインターメディアが計測、観察、検出できる。
【0117】

[変形例]

ここで、前記形状をプロピオビニバクテリュウム アクネスに変更すれば、同様な操作によりプロピオビニバクテリュウム アクネスが計測、観察、検出できる。






【0118】

[総合変形例]

マクロファージ認識手段を採用して、時間因子認識手段は
5 マクロファージ数Mnがある一定量大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。量はDrが設定する。

4 新しいマクロファージ数と古いマクロファージ数が両者とも0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
のいづれかまたはその組み合わせで採用しても良い。

この場合、好中球認識手段から核部分を差し引いた細胞質部分に中性顆粒と認識される画像が無いかまたは所定以下の画像を認識するマクロファージ認識手段を採用してもよい。
【0119】

形質細胞数認識手段を採用して、時間因子認識手段は
7 形質細胞数Pnが、0より大きければ、慢性辺縁性歯周組織炎と表示する。
この場合、核の認識手段から核部分に高濃度線ベクトル要素が存在あるいは所定量以上のものを認識する形質細胞数認識手段を採用しても良い。
【0120】

前述の手段などは、完全なハードウエアにより実現してもよいし、また汎用PCとソフトウエアにより実現しても良い。
【0121】

上記実施例または変形例は単独で実施しても良いし、また組み合わせて実施しても良い。
。一例として歯周病菌検査システムと連携し、歯周病の全身的影響を診断するなどである。
さらなる一例として、トレポネーマなどの免疫抑制をなす病原菌の検知がなされたなら、
前述の重傷度に重みを乗算するなどである。具体的には、顕微鏡像にてトレポネーマが検
出、計測されたなら重傷度に、その密度レベルまたは大きさレベルを乗算する。さらに具
体的には密度レベルを1、2、3、4の4段階として乗算する。前記重傷度が7なら7(
白血球のみの重傷度)×3(トレポネーマの密度レベル)=21(重傷度)とするなどで
ある。また加算する重みを採用しても良い。具体的には7+3=10と重傷度に重みをつ
けても良い。

さらにまたマクロライド系薬剤などの白血球抑制因子を使用(投与)していたなら前記ト
レポネーマ同様に重みをつけるなどである。

また他の用途に使用しても良い。一例として白血球、とくにリンパ球培養などの出来不
出来を診査するなどである。


【産業上の利用可能性】
【0122】
白血球の認識ができる。それをもとに歯周病の確定ができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】

【図1】歯科疾患確定装置の一例。 必要に応じて表示手段などを採用する。
【図2】感染性炎症のStep
【図3】単発感染モデル
【図4】単発複感染モデル
【図5】持続感染モデル
【図6】好中球の核の左方移動の一例。
【図7】マクロファージ、リンパ球、形質細胞様 の一例
【図8】上皮細胞が多い症例の一例。
【図9】免疫抑制菌の一例。
【図10】血液中の白血球の一例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血球認識装置は、
生体から採取された白血球を撮像する顕微鏡手段と、
前記顕微鏡画像より、
時間経過を伴った白血球の量をモニターするために、
白血球の崩壊程度(新旧の程度)による、時間経過毎の白血球の量を認識する白血球認識手段と、
を備えることを特徴とする白血球認識装置。
【請求項2】
請求項1における 白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析により求めるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
を備えることを特徴とする白血球認識装置。
【請求項3】
請求項1における 白血球認識装置は、
前記崩壊程度による時系列を周波数分析によりもとめるための
前記顕微鏡画像の周波数を分析する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段にて、(既知の個数の)白血球を、あらかじめ分析し記憶した記憶手段と、
前記記憶された白血球の周波数分析画像との相関を算出する相関手段と、
前記相関手段により算出された相関係数の高さにより白血球の数を検出する新旧白血球検出用フィルター手段と
を備えることを特徴とする白血球認識装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいづれかにおける 白血球認識装置は、
前記白血球における時系列の量を認識する各手段からの信号を認識し単発感染、単発複感染、持続感染などの炎症の質や程度などを判定支援する手段である時間因子認識手段と、
を備えることを特徴とする白血球認識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−108146(P2012−108146A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−6593(P2012−6593)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【分割の表示】特願2006−174670(P2006−174670)の分割
【原出願日】平成18年6月25日(2006.6.25)
【出願人】(302008858)有限会社 ミクロデント (28)
【Fターム(参考)】