皮内送出装置
【課題】リミッター、肩部、または柱(16、58、78)を備え、ニードル(14、56、72)がいかに深く組織(15、54、75)に挿入されるかをコントロールする注入薬物送出装置のためシステム及び方法を提供する。
【解決手段】リミッター(16、58、78)は、ニードルの完全な挿入を過度に限定せずに組織(15、54、75)にニードル(14、56、72)の最大挿入深さをコントロールするのに応じた寸法である。このシステム及び方法は、いかに深く注入剤が送出されるかについてニードル(14、56、72)長さが、主要な決定ファクターとなるように、注入の付近の組織(15、54、75)の変形を防止する平準化または安定化リング(12、50、76)をさらに含む。
【解決手段】リミッター(16、58、78)は、ニードルの完全な挿入を過度に限定せずに組織(15、54、75)にニードル(14、56、72)の最大挿入深さをコントロールするのに応じた寸法である。このシステム及び方法は、いかに深く注入剤が送出されるかについてニードル(14、56、72)長さが、主要な決定ファクターとなるように、注入の付近の組織(15、54、75)の変形を防止する平準化または安定化リング(12、50、76)をさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、薬物注入装置に関する。特定的には、本発明は、注射装置、および、マイクロニードル及び注入のための最適なインタフェースを提供する皮膚伸張システムを組み込む方法に関する。本出願は、2003年3月25日にフィリスパーマーに対して特許された”薬物の皮内サンプリングまたは投与のための部材の貫入を強化するための方法と装置”と題する、米国特許番号6,537,242の主題、ロナルドペティコートらにより2002年9月11日に出願され、”薬物移送のためのマイクロニードルに基くペン器具及びそれを用いる方法”と題する米国特許出願番号10/238,958の主題と関連する主題を含み、参照によりそれぞれの全体の内容がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現在、薬物を経皮的にモニターし、サンプリングし、注入するための種々の器具が提案されている。調合薬剤及び薬物を移送するためのニードルを使用する従来の皮下注入方法は、多くの用途に有効であるけれども、ニードルにより通常的に引き起こされる痛みは、痛みの少ない注入方法の開発を促した。経皮的な注入は、ニードルを用いる皮下のサンプリング及び注入により起こされる痛みを避ける1つの方法である。
【0003】
近年、サンプリングおよび薬物および他の薬剤の経皮的な注入のためのマイクロニードルへの増大する需要が存在する。マイクロニードルは、(一般に、3mm以下の)短いニードルであり、薬剤が表皮に注入され得る深さに皮膚を貫入し、薬剤が速やかに身体に吸収されることを可能にする。マイクロニードルの使用の利点は、標準のニードルに比べて、患者への不快感がより少ない状態で皮膚の最も外側のレイヤーを貫く能力である。
【0004】
当業者に知られているように、皮膚はいくつかのレイヤーにより構成され、上部複合レイヤーは上皮レイヤーである。皮膚の最も外側のレイヤーは、角質層であり、これは、分子やほとんどの調合薬剤を含む種々の薬物が体内に侵入するのを防ぎ、さらに、被検体が体内に残存するのを防ぐ、周知のバリア性を有する。角質層は、約10−30ミクロンの厚さを有する、圧縮され角質化した細胞残渣の複合組織である。
【0005】
皮膚を通して薬物を注入する種々の方法は、一般に、角質層を通じて微小孔又はマイクロポアまたは傷口を形成する。角質層を貫入し、薬物を角質層の中また下の皮膚に注入することによって、多くの薬物は効果的に投与される。角質層を貫入するための器具は、一般的には、表皮を完全には通過しないで角質層を貫入する長さを有する複数のマイクロニードルまたはブレードを含む。これらの器具の例は、特許文献1ないし3に開示され、その全体内容は参照によりここに組み込まれる。
【0006】
従って、マイクロニードルを用いることにより、種々の薬物に関して経皮的または皮内的に注入される際に有効である成功例がいくつかある。しかし、現在入手可能な従来のマイクロニードル器具の多くは、マイクロニードルの表面を横切って皮膚を均一に貫入することができず、それにより、薬物の注入のために利用可能な表面積が減少する。すなわち、皮膚は一般に伸縮自在で、マイクロニードルが貫入する前に、皮膚はしばしば変形する。いくつかの例において、マイクロニードルは皮膚を変形させるけれども、薬物を注入するのに十分な深さまでは皮膚を貫入しない。
【0007】
例えば、いくつかの現在のマイクロニードル器具は、ニードルからいくらか離れた器具の一の領域上の接着剤またはテープによって、皮膚内にマイクロニードルを保持するリジットホルダである。これらの器具は皮膚の局所的形状を十分には補正せず、ニードルを適切な距離に正確には挿入できない。
【0008】
皮膚の透過性を強化し、薬物が身体により利用できるように皮膚を通して種々の薬物の拡散を増大させるために、多数の他の方法及び器具が提案されている。一般に、皮膚を通じた薬物の注入は、皮膚の透過性を増大させること、または、皮膚を通して薬物を導くために用いられた力またはエネルギーを増大させることによって強化される。
【0009】
さらに、上記問題に対する他の提案された解決策は、特許文献4に開示され、その全体内容は参照によりここに組み込まれる。特許文献4は、皮膚の少なくとも一のレイヤーを通じて薬物を注入する、または、抜き取るための装置を開示している。例えば、特許文献4は、薬物を1または2つの異なる深さ、特定的には、浅い皮下および皮内などの2つの違う生理学的組織区域へ送るための器具を開示する。被験者の皮膚は、皮膚アクセス部材による貫入に抗する弾性特性を有するので、皮膚は、器具の皮膚アクセス部材が皮膚を貫入する前に皮膚が張るまで、器具の隆起した第1の表面エリアにより伸ばされる。貫入圧力は、第1の表面エリアが皮膚に接触するまで、器具に印加される。これは、それぞれの皮膚アクセス部材による皮膚の均一な貫入を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,879,326号明細書
【特許文献2】米国特許第5,250,023号明細書
【特許文献3】国際公開第97/48440号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,808,506号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、薬の経皮的な投与のためのこれらの従来の方法と装置は、特に漏れ率に関して、成果が限定されていた。その結果、最低限の漏れ率で薬剤を注入するための改良された器具に対する継続的ニーズがこの業界には存在する。
【0012】
本発明の目的は、注入のための最適なインタフェースを形成する、マイクロニードル及び皮膚伸張システムを組み込んだ注入装置を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、最小限の漏れ薬物を皮膚の目標領域に送出する注入器具を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、皮膚伸張システムを使うことにより、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注入器具に提供することであり、この皮膚伸張システムは、いかに深くニードルが組織に挿入されるかをコントロールするリミッターと、いかに深く注入物が注入されるかに関してニードル長さが主要な決定ファクターとなるように、注入付近の組織の歪みを防止する安定化リングとを備えている。
【0015】
本発明の他の目的は、皮膚レイヤーに十分に適合する可撓性ニードルホルダーを使用することにより、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注入器具を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、初期の挿入の間にニードルを押すためのスプリング付の圧子を備える可撓性ニードルホルダーを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、ニードルホルダーの周りにエアスペース又は真空スペースを提供することによるニードル注入の領域における部分圧力を減らすためのニードルホルダーの使用により、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注射器具を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、浮動ニードルホルダー又は傾斜ニードルホルダーを提供することによるニードル注入領域における部分プレッシャーを減らすためのニードルホルダーを使用することで、薬物を最小限の漏れで皮膚の目標領域に注入する注射器具を提供することである。
【0019】
これらおよび他の目的は、実質的に、薬剤送出装置のためのシステム及び方法を提供することにより達成され、この薬剤送出装置は、注入の間に皮膚表面の変形を最小化するための多くの観点を含み、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する。このシステム及び方法は、リミッター、肩、または柱を備え、それはニードルの組織への挿入物の深さをコントロールする。リミッターは、ニードルの完全な挿入を過度に制限することなく、組織に対するニードルの最大挿入深さをコントロールするのに応じた寸法となっている。このシステム及び方法は、ニードル長さがどれほど深く薬物が送出されるかについて主要な決定ファクターとなるように、挿入部位の付近の組織の歪みを防止する平準化または安定化リングをさらに含む。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の実施形態においては、安定化リングのサイズと注入される薬物の量との間、および、リミッターの高さと安定化リングの高さとの間で、相互関係が存在する。
【0021】
これらおよび他の目的は薬剤送出装置のためのシステム及び方法を提供することにより実質的に達成され、この装置は、注射器具が皮膚に適合するようにする可撓性ニードルホルダーを有し、又は、挿入部位におけるニードルの周りのエアスペースをさらに提供し、最小限の漏れで薬物を皮膚の目標領域に送出する。この方法において、ニードル挿入部位のまわりの領域にはサポート器具が接触しない。
【0022】
典型的な実施形態の構造に加えて、さらなる目的及び利点、及び、新規な特徴が以下の説明、図面、および実施例を考慮することにより明らかになる。
【0023】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び、新規な特徴は、添付図面と関連させて読むと、以下の詳細な説明からただちに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシステムとともに使用するための、薬物排出部および生物学的インタフェースの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。
【図3】図2の典型的なリミッターの拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。
【図5】皮膚の変形を説明するためのリミッターの拡大断面図である。
【図6】リジットホルダーの拡大断面図である。
【図7】ニードルの乏しい挿入を図解する図6のリジットホルダーの拡大断面図である。
【図8】最小のプリロードを図解する図6のリジットホルダーの拡大断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る、可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図10】第1の適合位置にある図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図11】第2の適合位置にある図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る、スプリング付の圧子をさらに含む可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る、空気スペース包囲ニードルの拡大断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る、真空スペース包囲ニードルの拡大断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る、浮動ニードルの拡大断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る、角度付けされたニードルの拡大断面図である。
【図17】漏れの比較を図解するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面において、同様の符号は、同様の要素、機能、および構造を参照していると理解される。送出装置に対して、種々のマイクロニードルシステムを、薬物排出口及び患者またはエンドユーザとの生物学的インタフェースとして機能するように組み込むことができる。以下に記述される本発明の典型的な実施形態においては、マイクロニードル器具は、単一の又はマルチニードル配列のニードルヘッドまたはハブアセンブリを含み、これは注入器具との一体化、簡単なアタッチメントとしての使用、及び、現在製造されている各種の器具への適合が可能である。
【0026】
本発明の典型的な実施形態は、リミッターおよびリングの構成を組み込み、アセンブリの個々のニードルは、窪みまたはギャップにより取り囲まれた、柱などのような制限部材から突出し、そして、リミッターに関連する高さと直径のリングなどのような付加的皮膚伸張部材により取り囲まれている。この配置は、皮膚の伸張をアシストし、ニードルの貫入を制限し、注入漏れが最小化されるように注入の間に皮内のブレブまたは小さな腫れの形成のための領域を許容する。
【0027】
本発明の実施形態に係る、典型的なヘッドまたはハブアセンブリ10の図は、図1に示される。図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシステムと共に使用するための、薬物排出口および生物学的インタフェースの斜視図である。特定的には、典型的な薬物排出口および生物学的インタフェース、すなわち、ハブアセンブリ10は、リミッターおよびリングの構成を備え、アセンブリの個々のニードルは、窪みまたはギャップにより取り囲まれた柱16のような制限部材から突出し、そして、リミッターに関連する高さと直径のリング12などのような付加的皮膚伸張部材により取り囲まれている。溝付スナップフィット機構などのアタッチメント機構18は、ハブアセンブリ10を送出装置に固定するためにさらに備わる。上述したようにたように、送出装置と共に使われる時には、この配置は、皮膚の伸張をアシストし、ニードルの貫入を制限し、および、注入漏れが最小化されるように注入の間に皮内のブレブ又は小さな腫れの形成のための領域を許容する。典型的な実施形態の詳細な説明は、図2、図3、および図4を参照して提供される。
【0028】
以下の議論のために、図2、図3、および図4は参照され、そして、必要に応じて特定の図面に注意が向けられる。図2は、本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングとを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る、リミッターと安定化リングとを有する皮膚伸張システムの他の拡大断面図であり、図5は、皮膚変形を説明するためのリミッターの拡大断面図である。
【0029】
図2、図3、および図4は、本発明の一実施形態に係る典型的なヘッドまたはハブアセンブリ10を図解している。ハブアセンブリ10は、安定化リング12、皮膚表面15を貫入しているところが示されている少なくとも一のマイクロニードル14、および、リミッター16を含む。ハブアセンブリ10は、器具(図示されない)の近位端に配置され、リミッター16から軸線方向に延在するマイクロニードル14を提供する。また、ハブアセンブリ10は、軸線方向に延在し、マイクロニードル14とリミッター16のまわりで同心状に配置された安定化リング12を提供する。図4に示ように、リミッター16は、距離”A”だけタビライザーリング12を越えて軸線方向に延在する。また、マイクロニードル14は、図3に示すように、距離”B”だけリミッター16を越えて軸線方向に延在する。
【0030】
ハブアセンブリ10、安定化リング12、およびリミッター16は、提供される内容物と互換性のある適当な材料によって構成できる。これには、安価で成形及び製造しやすい、射出成形ポリマー、ポリカーボネート、COCポリマー、および同様な材料を含まれる。マイクロニードル14も適当な材料で構成できるが、好適には、スチールで構成される。
【0031】
図2において、ヘッドまたはハブアセンブリ10が皮膚のような患者の表面15と接触をする時には、皮膚伸張平準化又は安定化リング12は、マイクロニードル14が貫入に先がけて表面を変形させはじめた直後に、表面に接触する。安定化リング12は、表面15の変形を最小化し、マイクロニードル14の貫入において、より高い精度を可能にする。皮膚表面15は、挿入深さを制限するリミッター16の肩または柱に接触する。図5に示すように、伸張部材を欠いているマイクロニードルの挿入は、皮膚表面15のより大きな変形および薄化をもたらし、好ましくないマイクロニードルの挿入および不正確な組織深さ目標を生み出す。
【0032】
図2および図4の実施形態は、注入の間の、皮膚表面15の変形を最小化し、ニードル14を通じて皮内及び浅い皮下組織の中への注入を改善して漏れを最小化する。これらの実施形態は少なくとも2つの部品を備えている。
【0033】
第1の部品は、ニードル14の組織への挿入物の深さをコントロールする肩または柱を有するリミッター16を備える。リミッター16は、ニードルの完全な挿入を過度に規制せずに組織にニードル14の最大の挿入深さをコントロールする寸法となっている。
【0034】
第2の部品が、ニードル長さが、いかに深く注入物が送出されるかに関する主要な決定ファクターとなるように、注入の付近の組織の歪みを防止する平準化または安定化リング12を備える。図2と図4に示された例において、安定化リング12は、連続するリングという形態で提供されるが、どのような形態でも使用可能である。
【0035】
ニードル14の貫入の深さを制限するために、リミッター16は、好適には、皮内(ID)のニードル器具に組み込まれる。このようなリミッター16は、ニードル14の肩として構成され、ニードル14の直径より少し大きい直径を有する。
【0036】
リミッター16は、ニードル14が特定のポイントを越えて挿入されるのを防止する。従来から、リミッター16は、ニードルよりかなり大きい直径がある、ニードルハブまたは他の器具の部分であった。短い(すなわち、3mm以下)マイクロニードルについては、マイクロニードルが完全に挿入されることを可能にするために十分に小さい直径のリミッター16を作ることが重要となる。
【0037】
ニードル14が皮膚表面15に貫入しはじめる時には、皮膚表面15は、力が正常にニードル14の貫入力を越えるまでゆがむ。ニードルの貫入力は、べベル形状、ニードル直径、および潤滑に依存する。大きなリミッター16の直径は、皮膚がニードル14が完全には貫入しないポイントまでゆがむのを防止することができる。すなわち、肩またはリミッター16は、減少した貫入量に影響する。従って、より小さいリミッター16の直径は、リミッター16がニードル14が過貫入するのをもはや防止しないポイントまでニードル14がより完全に貫入するのを保証する。90度ステップを持ち、ニードル14の2倍の直径を有するリミッター16は、通常、ニードル14の過貫入を防止するのに十分である。
【0038】
図3に例示する典型的な実施形態において、ニードル14がリミッター16により取り囲まれていることが示されている。リミッター16は、貫入深さ”B”を最適にコントロールするために、名目上、ニードル14の直径の2倍であってもよい。小さすぎる(すなわち、ニードル14の直径の、0.1倍未満)リミッター16は、さらなる貫入を許容する可能性がある。大きすぎる(ニードル14の直径の例えば、20倍)リミッター16は、表面の凹凸が貫入深さを減少させる可能性がある。しかしながら、製造方法上、リミッター16直径が好適なものより大きい場合もあるが、リミッター直径は好適には、実用上最小に保持されるべきである。例えば、31〜34ゲージニードル14については、0.020インチから0.040インチまでの直径リミッター16が、貫入深さを制限するのに十分である。従って、本発明の典型的な実施形態では、0.040インチの直径のリミッター16が貫入深さを制限するのに好適である。さらに、皮膚の接触面と注射器具との間のリミッター16の本体は、器具(例えば、好適な離型剤を提供する)の製造を簡素化するために、実質的に円筒形状またはわずかに円錐形の形状で提供され得るが、しかし、四角形や星形等のリミッターのような適当な本体形状を使用可能である。しかしながら、四角のリミッターよりは円形のリミッター16のほうがより好適である。
【0039】
リミッター16は、好適には、器具10の本体から十分に延在すべきであり、その結果、器具10の本体が事実上のリミッターにはならない。ニードル14の皮膚表面15への挿入の間に、組織は、ニードル貫入力に達するのに十分な角度までゆがむ。もしこの角度が組織が器具10の本体を押すことを生じさせる場合には、器具は、リミッター16というよりもむしろ深さリミッターになる。理想的なリミッター16の延長長さはニードル形状に実質的に依存する。より鋭いニードルであると組織の歪みはより少なく、ニードル14を確実にすえつけるためのリミッター16の延長部は短くてよい。
【0040】
図4に示すように、リミッター16は、軸線方向に距離”A”だけ安定化リング12を越えて延在し、顕微針14は距離”B”だけリミッター16を越えて軸線方向に延在する。針14の長さと同じ、あるいは、幾分短いリミッタ16の延長長さは、通常、ニードルを確実にすえつけるのに十分である。上記したように、リミッター16の高さと安定化リング12の高さの間には相互関係が存在する。従って、本発明の実施形態のキーファクターは、リミッター16と安定化リング12との間の延長部の高さ関係である。従って、本発明の好適な実施形態において、リミッター16は、+0.040インチの距離だけ安定化リング12を越えて軸線方向に延在する。
【0041】
ニードル14を確実にすえつけることによって、皮内器具10は、漏れによる不具合が少なくて確実に作動し、目標深さへの注入剤の送出に関して良好にコントロールする。例えば、ハンドヘルドな皮内(ID)注射器具を使う時には、器具は、注入の間に皮膚からのニードルの後退を防ぐために十分な力で皮膚に対して保持される。IDニードルにおいては固有の小さな寸法が原因で、この力は、図5に示すように、貫入深さ“C”だけ減少した歪みにより注入に影響するのに十分な肩部幅で組織を広げ得る。図5は、過剰な肩部幅のため、減少した貫入の例である。安定化リング12が存在しない場合には、ユーザーは、リミッター16を押して皮膚を薄化することでさえ難しい。
【0042】
組織の伸張は、皮膚を局所的に薄くするか、または、皮膚を圧縮し、従って、ニードル14が皮下(SC)に貫入することを可能にする。ニードル先端もまた、組織で閉塞され得る。ニードル14の閉塞は、注入剤を注入するために必要な力を相当に増大できる。ニードル挿入ポイントで組織の伸張/圧縮を最小化するために、安定化リング12を採用できる。注入の間の皮膚からのニードル14の後退を防止するのに十分な力で、ユーザーが器具を皮膚に対して保持したとき、平準化または安定化リング12は組織圧縮をニードル14の部位から逃がすことができ、図2に示すように適切な貫入深さを可能にし、注入部位での不適切なニードルの貫入、および/または、組織の歪みによる漏れを最小化する。
【0043】
安定化リング12は、ニードル14を取り囲んでいる組織の過度な屈曲を防止するための機能を提供する。ニードル14が組織に挿入される時には、皮膚表面15へ貫入しニードルをすえつけるための最小の力が必要とされる。この力は、ニードル14の先鋭度(すなわち、べベル形状、仕上げ等)とニードル14の直径に依存する。
【0044】
最小の貫入力が達成されると、それを越える力であればニードル14とリミッター16のまわりの組織を変形させ得る。皮内のニードルは短く、小さな力が適用された場合には容易に抜き取られるので、抜き取りを防ぐには、より大きな力が好ましい。しかし、大きな力は、組織も過度に変形させ、注入の際に、(高い注入力による)送出を困難にし、(組織圧縮による)深すぎる貫入を生み、あるいは、(切り込みの伸張による)漏れを生じさせる可能性がある。ニードル14のリミッター16の周囲に安定化リング12を追加することによって、組織の特別な変形がニードル14から離れた領域に逃がされる。
【0045】
安定化リング12は、ニードル14の適切なすえつけを妨げるほどニードル14に接近させるべきでなく、また、その部位から組織変形を逃げすその注入部位での漏れが最小化されないほど注入ポイントから離すべきではない。また、上記したように、注入部位における漏れを防ぐための、安定化リングのサイズと注入される薬剤の量との相関関係が存在する。従って、本発明の実施形態の他のキーファクターは、安定化リング12、リミッター16と注入される薬物の量との間の距離関係である。安定化リング12の形状は、注入の間に皮からニードル14の後退を防止するために、ユーザーが十分な力によって皮膚に対して器具を保持するときに、挿入ポイントのまわりで組織変形を均一に逃がすのに十分なものでなければならない。そのような形状の1つは、図1に示す注入システムの典型的な実施形態において図解される連続するリング形状である。しかしながら、本発明の他の実施形態では、安定化リング12は、挿入ポイントのまわりで組織変形を均一に逃がすことが可能なリミッター16を取り囲む適当な連続する、または、非連続な形状として構成され得る。
【0046】
上述したように、安定化リング12は、皮膚の凹凸との干渉を避けるため、および、ニードル14の深さ貫入をコントロールするために、リミッター16から十分なクリアランスを有するべきである。図4の典型的な実施形態に示すように、リミッター16の肩は、好適には、安定化リング12をわずかに越える距離”A”だけ延在し(すなわち、ニードル先端の方向に)、約0.020から約0.100インチの距離だけ延在し、約0.020および約0.060インチの間の延長部が最も好適である。図4に示すように、安定化リング12は、好適には、約0.100から約1.00インチまでの内径“D”をもつべきであり、約0.250および約0.500インチの間の内径が最も好ましい。本発明の実施形態では、上述したように、安定化リングの内径と注入される薬物の量の間では相互関係が存在し得る。例えば、多量の注入(例えば、0.25ccから0.50cc)のためには、安定化リング12の内側の直径“D”は1.00インチの最大値の付近にあるべきである。少量の注入(例えば、50マイクロリットルから100マイクロリットル)のためには、安定化リング12の内側の直径“D”は0.10インチの最小値の付近にあるべきである。従って、本発明の典型的な実施形態では、安定化リング12は約0.250インチの内径“D”がより好適である。そのような構成では、安定化リング12の内径とリミッター16との間で提供された距離が、リミッター16の直径より大きい。例えば、図1に示した典型的な実施形態では、安定化リング12は、ハブアセンブリ10の外周のまわり(すなわち、最大内径D)で延在しているが、これに限定されない。図2において示された典型的な実施形態において、安定化リング12は、ハブアセンブリ10の外周より小さい距離(すなわち、最大より小さい内径D)において延在している。安定化リング12はどのような適当な材料からでも構成され得るが、好適には、安定化リング12が皮膚表面との接触によって変形しないようなリジットな材料から構成される。
【0047】
安定化リング12の機能は、腫れの拡大を許容し、注入部位の付近の組織の圧縮または変形を防止することである。これを達成するために、マイクロニードル14が皮膚表面15を変形しはじめたすぐ後に、安定化リング12は皮膚表面に接触する。特に、ニードル14は、最初に皮膚表面15に接触する。これは組織変形を結果として生じさせ、角度は皮膚の変形の程度を規定するように形成される。このポイントで、ニードル14は皮膚表面15に貫入し、先に形成された皮膚変形の程度を概ね維持する。皮膚変形の程度を規定する角度は、皮膚表面15がリミッター16に接触するまで維持される。このポイントで、安定化リング12は、より大きい体積の組織を移動させ、皮下に進行、あるいは、ニードル14を変位させることなく、ユーザーが固くても皮膚表面に対して器具を押し付けることを可能にする。すなわち、皮膚表面15との接触を通じて、安定化リング12は、適切な貫入深さを許容し、注入部位での漏れを最小化するために、組織変形を防止しているニードル14の部位から離れるように組織圧縮を移す。従って、安定化リング12の内径“D”は、腫れの拡大を許容するのに十分な大きさであるべきであるが、組織の圧縮を防ぐ際に効果がなくなるほど大きすぎるべきでない。
【0048】
適切な注入についての他のファクターは、ニードル構成である。短いべベルを利用するニードルは、組織の局所的な膨脹または歪みが原因で皮膚に完全に貫入しない可能性がある。ニードルが非常に鋭くない限り(すなわち、必要な貫入力がゼロ)、組織の歪みは図5に示すように起こる。以下で詳述するように、ニードルの先鋭度(すなわちべベル)は、歪みを減らすために最適化されるべきである。
【0049】
最小直径のリミッター16を使うことにより、組織歪みが原因の減少貫入深さも最小化される。同時に、リミッター16の直径がリミッター16がニードル14に続いて皮膚表面15に入ることを防止するのに十分大きくすべきであり、また、ニードルべベルは、皮膚表面に漏らずに、または、皮下(SC)の組織に過剰となることなく注入剤を皮膚に送出するために、十分に短くすべきである。
【0050】
従って、上記の機能のそれぞれが組み込まれた本発明の典型的な実施形態において、短いニードル14は、円形の安定化リング12と共に円筒形または円錐形のマウントまたはリミッター16にセットされる。リミッター16は、好適には、先端で約0.040インチの直径である。それは満足いくリミッターとして作動する。安定化リング12は、好適には、0.25インチ内径(ID)を有する。リミッター16は、好適には、図4に示すように、約0.040インチ安定化リング12の平面を越えて延在する。ニードル14が鋭いほど、延長の必要性が少ない。しかし、鋭いニードルは、一般的には、より長いべベル長さを有する。それは、漏れを防止するために、組織へのより深い挿入を必要とする。べベルが非常に長いと、または漏れ無く皮内に注入することが困難になる、あるいは、不可能になる。
【0051】
本発明の実施形態のための用途は、これらに限定されないが、シリンジ、自動自己注射器、あるいは、ペンニードルである。シリンジに使われる時には、本発明の実施形態は、使用されるシリンジのガラスシリンジの先端の部分として一体化されるか、または、プラスチックのシリンジの端部に成形される。本発明の実施形態は、ガラスまたはプラスチックのシリンジの端部に装着あるいはねじ込まれるルアーアダプターなどのように、図1に示す別個の部品としても提供される。他の方法は、スナップオン装着、接着、超音波溶接などのシリンジに対して別体のアダプタ、あるいは、その他の標準の製造法を本発明の実施形態を装着するのに用いることができる。
【0052】
別個のアダプターは、ニードル14、リミッター16および/または安定化リング12を組み込んだ一または複数の部品であり、薬物送出装置とインタフェースできる。本発明の実施形態は、自己シリンジなどの自己注射器の一部であってもよい。ペンタイプインジェクタ(例えば、インシュリンペン)において使われる分離可能なニードルは、また、本発明の実施形態の恩恵を受ける。さらに、浅い(すなわち、4mm以下)注入を送出するように設計された器具も本発明の実施形態の恩恵を受ける。
【0053】
リミッター16と安定化リング12は現在の皮内の注入システムを越える重要な利点を提供できる。リミッター16は、延長部のないより大きいリミッターに比べると、どれだけ深くニードル14が挿入されるかについて遥かに良好なコントロールを提供できる。少ない漏れで目標組織深さへより正確な注入がもたらされる。安定化リング12は、ユーザーにより適用される様々な適用力を補償することに加えて、実質的に同じ理由で、安定化リングのない現在のデザインに比べて性能を改善できる。
【0054】
テストにおいて、+0.040インチのリミッター16の突出部(すなわち、安定化リング12を越えるリミッター16の突出部“A”)を持つ安定化リング12、+0.020インチのリミッター突出部をもつ安定化リング、-0.020インチのリミッター突出部(すなわち、0.020インチ凹んでいる)を持つ安定化リング、及び、リミッターを持っているけれども安定化リングのない器具であって、各々が28度べベルを持つ1.5mm、31ゲージのニードルを有し、これらが多くの注入に関して比較された。コントロール器具も提供され、これは、5.5mmのリミッターキャップによりコントロールされる3つの角度べベルを備え、1.5mm、30ゲージのニードルをもつ。
【0055】
テストでは、安定化リング12を越える最も長いリミッタ16の突出部をもつ器具が最も良い性能を示した。これには、0.040インチおよびより大きいリミッター突出部を有する器具を包含することができる。特に、いくつかの第1のテストにおいて、漏れなくID注入を一貫して与えた時に、テストは、0.040インチのリミッター突出部を有する安定化リングを有する器具が好ましい結果を示した。
【0056】
第1のテストはさらに、0.020インチリミッター16突出部を持つ安定化リング12を備える器具が、040インチリミッター突出部をもつ安定化リングを備える器具に対して、漏れのある多数の注入をもつことが示された。−0.020インチの(すなわち、0.020インチ凹んだ)リミッター16の突出部を持つ安定化リング12を備える器具は、ほとんどの注入において漏れがあった。安定化リング12を持たない器具は、ほとんどの注入において漏れがなかったが、その注入は、注入が皮下(SC)となるように見えることを示すブランチングされた腫れを欠いていた。一方で、0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具の注入は、各々が適切なID注入を示している明確なブランチングされた腫れを持っていた。このコントロール器具は、相対的に漏れが無いが、注入深さはコントロールが困難で、しばしばSCになった。種々の器具の結果比較は、図17のグラフにおいて図解されている。
【0057】
図17は、5つの器具についての漏れ値の比較を図解するグラフである。グラフが図解する10回の注入からなるテストに関して、漏れが測定された時には、0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具が好適であった。
【0058】
0.040インチのリミッター16の突出部を持つ安定化リング12を備える器具の適切なID注入は、1つには、ニードルに28度のべベルを使用していることに起因している。しかしながら、このベベルは、3つの角度のべベルよりも貫入能力が低いかもしれない。より長いニードルがよりSCを注入しそうであるので、他のファクターは、実際のニードル長さのバリエーションである。さらに他のファクターは皮膚圧縮の程度である。例えば、安定化リング12を備えない器具において、注入リークは、皮膚がかなり薄くなったポイントに対する組織の圧縮に起因する可能性があり、より広い設置面積をもつ器具におけるよりもより遠くにニードルが延在することを許容する。
【0059】
上述したように、安定化リング12を越える最も長いリミッター16の突出部をもつ器具は、最高の性能を示す。これは、0.060インチ、0.080インチ、および0.10インチのリミッター16の突出部を有する器具を含めることができるかもしれない。従って、そのような追加の実施形態のテストにおいて、以下の結果は得られた。
【0060】
いくつかの2番目のテストでは、0.030インチのリミッター16の突出部(器具1)を備える安定化リング12、0.040インチのリミッター突出部(器具2)を備える安定化リング、および、0.060インチのリミッター突出部(器具3)を備える安定化リングは、それぞれ、3つの角度、0.48mmのべベル長さを持ち、1.5mm、31ゲージのニードルを備えるものが、いくつかの注入について比較された。
【0061】
第2のテストでは、これらの器具がリークしにくく、より深く注入することが示された。0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具は、使用されたニードルのタイプに起因して、非常に少ないブランチングを有する。3つの角度のべベルは、より鋭く、貫入において優れている。そして、よりしばしばSCになる。安定化リング12を越えて延在するリミッター16の長さは、ブランチングにおける効果も示した。安定化リング12を越えて延在するリミッター16の長さは長いほど、ブランチングされた腫れが発生しにくい。このことは、優れたニードルの貫入にも起因する。
【0062】
平準化または安定化リング12が存在しない所では、深いID注入が達成された。注入のために必要な努力もより高かく、安定化リング12が無いので、ニードルの近辺で組織のより多くの圧縮が存在した。
【0063】
下の表1に示すように、ブランチング(すなわち、浅いID注入)は、短いリミッター16(0.030インチおよびすなわち、0.040インチ)を使用する器具1及び2で起こりやすい。従って、好適な実施形態は、針14の貫入の深さをコントロールするために小さい直径のリミッター16、および、組織の過剰な圧縮を防止する安定化リング12を提供する。安定化リング12を通過するリミッター16の好適な高さは、針の先鋭度に実質的に依存する。
【0064】
【表1】
【0065】
例えば、人間以外のテストにおいて、好適な実施形態は、単一の角度の28度、EDMべベル、31のゲージのニードル14、および、少なくとも0.25インチのIDを有する安定化リング12を越えて延びる0.040インチのリミッター16延長部を含む。この構成は、第1のファクター、すなわち、安定化リング12を越えて延びるリミッター16の延長部の高さを満たし、そして、第2のファクター、すなわち、注入部位での漏れを最小化する、安定化リング12とリミッター16との間の距離を満たしている。
【0066】
3角度べベル、31ゲージ(すなわち、0.48mmべベル)IDニードル14は、0.040インチ以下のリミッター16の延長部とより良好に働く。
によっての作品をよりよくで縫います。安定化リング12の内径“D”は、腫れの拡大を許容するほどに大きいが、組織の圧縮防止が無効になるほど大きすぎない。
【0067】
従って、ID(皮内)ニードル14は、注入剤が少量の漏れまたはゼロの漏れで目標深さに送出されるように、使用されるべきである。上記したように、皮膚は、約2mmの厚さの組織の層であり、従って、2mm未満で貫入するニードル14が好ましい。0.5から1.5mmまで貫入するニードル長さが、最も好ましい。0.5mm未満で貫入するニードル長さは、ゲージに依存して漏れが生じる可能性があり、1.5mmを越えて貫入するニードル長さは、しばしば皮下(SC)に送出(注入)する可能性がある。
【0068】
短いべベルを備える31から34までゲージのスチール製ニードルゲージが好ましい。より大きい直径ニードル(すなわち、30を超えるゲージ)は、過剰なべベル長さを必要とし、ニードルに漏れおよび/またはSC注入を生じさせやすくする。べベル長さ0.75mm以下は、漏れまたはSC貫入なしで対象となる皮膚を許容する。しかし、0.75mm以下のべベルを30ゲージニードルまたはそれより大きい直径のニードルに配置すると、信頼できる貫入を得るには不十分な鋭さのニードルをもたらす。しかしながら、スチール製の31ゲージニードルは相対的により短いべベルを使用でき、さらに皮膚を貫入可能である。スチール製の34ゲージのニードルは、相対的により短いべベルを有し、さらに良好な貫入をも生み出すことが可能である。
【0069】
べベル形状およびリミッター16のサイズは、器具の実施形態の信頼性に影響する可能性がある。スチール製34ゲージニードル上のEDM単一角度28度べベルは、約0.33mmのべベル長さを生み出す。他のニードル材料は、一般的には、要求された特徴を有する十分に鋭いニードルを生み出すことができないので、スチールニードルはより好ましい。34ゲージニードルは、皮膚に貫入するのに十分に鋭く、そして、ID(皮内)スペースを対象とするために十分に短い。31ゲージニードルの同じEDM単一角度28度のべベルは、約0.5mmの長さである。貫入力はより高く、対象とされたスペースはより広く、それゆえ、皮膚のうちの約1/3を含む。しかしながら、研磨された3つの角度のべベルは、貫入力を減らし、スチール製の31ゲージのニードル上で約0.5mmのべベル長さを維持する。31ゲージのニードルにおけるより長いべベルは、0.74mmのべベル長さをもつニードルのように、より鋭いニードルを生み出す。この0.74mmべベル長さは、典型的なIVべベルよりさらに短い。0.5mmから0.75mmまでのべベル長さは、31ゲージニードルを使う時に、ID(皮内)注入のための好適な範囲である。従って、本発明の典型的な実施形態では、スチール製34ゲージニードルにおけるEDM単一角度28度べベルが好ましい。本発明のさらに他の実施形態では、スチール31ゲージのニードルの研磨された3角度べベルが使用可能である。
【0070】
上述したように、現在の器具が皮膚の形状を十分には補正せず、図6、図7および図8に示すように、ニードルを適切な距離に正確には挿入できない可能性がある。図6は、リジットホルダの拡大断面図であり、図7は、不十分なニードル挿入を図解している図6のリジットホルダの拡大断面図であり、図8は、最小プリロードを図解している図6のリジットホルダの拡大断面図である。この例において、図6の器具のニードル32のまわりに配置されたリジットホルダ30は、皮膚表面34に適合せず、その結果、低い注入性能をもたらす。
【0071】
これは、図9、図10、図11および図12に示すように、1以上のスプリング部材でニードルをわずかにプリロードすることによって改善され得る。ニードル56は、皮膚表面に対して過度な力を及ぼさずに皮膚表面54とともに浮上し移動することを許容されている。図9、図10、図11および図12に示すような可撓性ホルダー用いることにより、ホルダーおよびニードルは、皮膚に適合する。
【0072】
図9は、本発明の実施形態に係る可撓性ホルダー50の拡大断面図であり、図10及び図11は、第1および第2の適合位置におけるの図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。可撓性ホルダー50は、ニードル56及びリミッター58をサポートするために、スプリング部材52を含み、上記したように実質的に器具の近位端に配置される。図9の使用前位置に示ように、スプリング部材52はニードル56を基端部方向にわずかにプリロードできる。従って、図10及び図11に示す使用の間は、可撓性ホルダー50は、適切な注入を保証するために皮膚表面54とより容易に適合可能である。
【0073】
図12は、本発明の一実施形態に係る一体化したスプリング付きの圧子60をさらに含む可撓性ホルダー50の拡大断面図である。圧子60は、ニードル56が初期の適用において十分に挿入され得ることを保証するため付加されている。圧子60は瞬時接触式あり、通常はニードルホルダーを押圧しない。
【0074】
他の皮膚伸張方法が、上記した安定化リング及び柱リミッターシステムに対する代替物として組み込み可能である。そのような皮膚伸張の方法は、短い初期の真空引きを注入部位に一時的に適用し、手動または機械的に皮膚を引っ張るまたは伸張し、あるいは、機械的にコントロールされた急速な挿入を用いること、を含むことができる。例えば、バリスティックインサーターは皮膚の短い初期の硬化をもたらし、それによって、効果的な弾力性を減らす。従って、これらの機構は、単独、組み合わせ、あるいは、当業者に知られている他の技術と共に用いられ得る。
【0075】
本発明の実施形態の適用は、輸液用器具にさらに適用可能である。しかしながら、ID(皮内)注入の間に、プレッシャーをニードル挿入部位のエリアに適用すると、注入の背圧、すなわち、皮内への注入物の注入に必要な圧力を増加させることができる。それゆえ、注入の部位への圧力を減少又は除去することにより、注入に必要な背圧も減少する。従って、本発明のさらに他の実施形態は、注入適用に関して注入部位へのプレッシャーを取り除くために適用できる。
【0076】
これを達成する方法及び装置は、図13、図14および図15において示される。図13は、本発明の一実施形態に係る、空気スペース包囲ニードルの拡大断面図である。図14は、本発明の一実施形態に係る真空包囲ニードルの拡大断面図であり、図15は、本発明の他の一実施形態に係る、移動自在のニードルの拡大断面図である。
【0077】
図13において、器具70は、ニードル72、皮膚表面75上の空隙74及び粘着性レイヤー76を含み、上記したように、実質的に器具の近位端部に配置され、あるいは、より好適には、粘着性取付注入器具として適用される。小さいゲージニードル72は、リミッター78に固定され、器具70の近位端部において凹状の開口から延在しているように示されている。ニードル72は空隙74を通って皮膚表面75の中へ延びる。 粘着性レイヤー76は、凹状の開口と皮膚表面75との間の接触がシール可能な空隙74をその間に形成し、さらに、器具70が皮膚表面75に固定されることを保証するように、器具70の皮膚接触面に配置される。本発明のこの実施形態では、ニードル72の挿入部位のまわりのエリアにはサポート器具70による接触がない。図14に示された本発明のさらに他の実施形態では、器具は、注入部位で真空をさらに形成するためにアクセス可能である。図14の器具95は、実質的に、図13について説明したとおり、器具95への真空ポート96の付加によって空間74内に真空の形成を可能にする。本発明のこの実施形態では、また、ニードル72の挿入部位のまわりのエリアは、サポート器具95による接触がなく、形成された真空は、注射または注入のために必要なプレッシャーを減らすのに役立つ。
【0078】
注入器具に使用するための本発明のさらに他の実施形態では、移動自在なニードルが、挿入部位での器具の影響を最小化するために提供され得る。図15には、器具80は、ニードル82および少なくとも1つのサスペンダー84、およびリミッター85を備える。粘着性レイヤー86は、皮膚表面88に器具80を固定するために提供される。器具80において、移動自在なニードル82が設けられ、サスペンダー84を介して近位端部で器具80により吊るされている。上記のように、この実施形態において、ニードル82は挿入部位でリミッター85とサスペンダー84により支持されているので、ニードル82の挿入部位のエリアはサポート器具80には影響されない。その際に、移動自在なニードル82及びリミッター85の軽く柔軟な移動が提供される。リミッター85は、実質的に上記したように提供され、あるいは、図15に示すように、ニードル82のまわりの接触エリアをさらに最小化するために、円錐形状で提供され得る。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態では、サポート器具80は、ニードル82を完全に取り囲む必要はない。例えば、サポート器具80およびサスペンダー84は、ニードル82の一方側にのみ設けてもよい。図15の実施形態は、好適には、携帯器具の一部ではないが、粘着性により定位置に保持されるので、サポート器具80は、要求された結果を達成するためにニードル82を完全に取り囲む必要はない。さらに、接着剤は器具を安定化し、そして一定に保持し、一方で、サスペンダー84により与えられる軽く柔軟な動きにより不要な力及び注入プレッシャーを防ぐが、さらに、漏れを防止するためのいくらかの力を組織に与える。
【0080】
本発明のさらに他の実施形態では、ニードル位置決めは、挿入部位で器具の影響を最小化するように構成できる。図16において、角度付けられたニードルの挿入が示されている。図16の器具90は、ニードル92及びリミッター94を含む。ニードル92は角度”E”で器具90のリミッター94から延在する(例えば、30度)。この実施形態では、角度”E”は、注入による挿入部位への影響を減らすのに十分である。本発明のさらに他の実施形態は、同様な結果を達成させるために、ばね付のニードルに挿入されたニードルのような修正されたニードルを含むことができる。
【0081】
皮内のまたは浅い皮下(下皮)のスペースに、効果的な薬物注入のためのマイクロニードル基づいたシステムに関して上述された本発明の実施形態は、過剰なプレッシャーまたは閉塞を必要とせずに、液体の速やかな移送又は器具からマイクロニードルまでのサスペンションを可能にする、十分に開いている流体の通路等の構造をさらに含めることも可能である。また、角質層を貫通可能な1つ以上の中空のカニューレからなる生物学的インタフェースを含めてもよく、これは、皮膚における所望の組織深さに正確にアクセスでき、そして、所望の流体容積をインタフェースの本体を通して、特定のまたは目標とする組織空間に正確に、表面又は目標としない組織への組織からの流体のロスが最小又は無い状態で、効率的に、器具のユーザ及び受容者に従う方法で移送することが可能である。注入システムは、また、点滴による痛みを軽減するのに役立ち、また、所望の組織スペースへのよりよいアクセスを提供する。
【0082】
本発明のいくつかの典型的な実施形態を上で詳細に説明したが、当業者は、この発明の新規な教示と利点から実質的に逸脱することなく、典型的な実施形態において多くの変形が可能であることを容易に理解するであろう。従って、すべての変形は、特許請求の範囲に規定されるこの発明およびその均等の範囲内に含まれることを意図する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、薬物注入装置に関する。特定的には、本発明は、注射装置、および、マイクロニードル及び注入のための最適なインタフェースを提供する皮膚伸張システムを組み込む方法に関する。本出願は、2003年3月25日にフィリスパーマーに対して特許された”薬物の皮内サンプリングまたは投与のための部材の貫入を強化するための方法と装置”と題する、米国特許番号6,537,242の主題、ロナルドペティコートらにより2002年9月11日に出願され、”薬物移送のためのマイクロニードルに基くペン器具及びそれを用いる方法”と題する米国特許出願番号10/238,958の主題と関連する主題を含み、参照によりそれぞれの全体の内容がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現在、薬物を経皮的にモニターし、サンプリングし、注入するための種々の器具が提案されている。調合薬剤及び薬物を移送するためのニードルを使用する従来の皮下注入方法は、多くの用途に有効であるけれども、ニードルにより通常的に引き起こされる痛みは、痛みの少ない注入方法の開発を促した。経皮的な注入は、ニードルを用いる皮下のサンプリング及び注入により起こされる痛みを避ける1つの方法である。
【0003】
近年、サンプリングおよび薬物および他の薬剤の経皮的な注入のためのマイクロニードルへの増大する需要が存在する。マイクロニードルは、(一般に、3mm以下の)短いニードルであり、薬剤が表皮に注入され得る深さに皮膚を貫入し、薬剤が速やかに身体に吸収されることを可能にする。マイクロニードルの使用の利点は、標準のニードルに比べて、患者への不快感がより少ない状態で皮膚の最も外側のレイヤーを貫く能力である。
【0004】
当業者に知られているように、皮膚はいくつかのレイヤーにより構成され、上部複合レイヤーは上皮レイヤーである。皮膚の最も外側のレイヤーは、角質層であり、これは、分子やほとんどの調合薬剤を含む種々の薬物が体内に侵入するのを防ぎ、さらに、被検体が体内に残存するのを防ぐ、周知のバリア性を有する。角質層は、約10−30ミクロンの厚さを有する、圧縮され角質化した細胞残渣の複合組織である。
【0005】
皮膚を通して薬物を注入する種々の方法は、一般に、角質層を通じて微小孔又はマイクロポアまたは傷口を形成する。角質層を貫入し、薬物を角質層の中また下の皮膚に注入することによって、多くの薬物は効果的に投与される。角質層を貫入するための器具は、一般的には、表皮を完全には通過しないで角質層を貫入する長さを有する複数のマイクロニードルまたはブレードを含む。これらの器具の例は、特許文献1ないし3に開示され、その全体内容は参照によりここに組み込まれる。
【0006】
従って、マイクロニードルを用いることにより、種々の薬物に関して経皮的または皮内的に注入される際に有効である成功例がいくつかある。しかし、現在入手可能な従来のマイクロニードル器具の多くは、マイクロニードルの表面を横切って皮膚を均一に貫入することができず、それにより、薬物の注入のために利用可能な表面積が減少する。すなわち、皮膚は一般に伸縮自在で、マイクロニードルが貫入する前に、皮膚はしばしば変形する。いくつかの例において、マイクロニードルは皮膚を変形させるけれども、薬物を注入するのに十分な深さまでは皮膚を貫入しない。
【0007】
例えば、いくつかの現在のマイクロニードル器具は、ニードルからいくらか離れた器具の一の領域上の接着剤またはテープによって、皮膚内にマイクロニードルを保持するリジットホルダである。これらの器具は皮膚の局所的形状を十分には補正せず、ニードルを適切な距離に正確には挿入できない。
【0008】
皮膚の透過性を強化し、薬物が身体により利用できるように皮膚を通して種々の薬物の拡散を増大させるために、多数の他の方法及び器具が提案されている。一般に、皮膚を通じた薬物の注入は、皮膚の透過性を増大させること、または、皮膚を通して薬物を導くために用いられた力またはエネルギーを増大させることによって強化される。
【0009】
さらに、上記問題に対する他の提案された解決策は、特許文献4に開示され、その全体内容は参照によりここに組み込まれる。特許文献4は、皮膚の少なくとも一のレイヤーを通じて薬物を注入する、または、抜き取るための装置を開示している。例えば、特許文献4は、薬物を1または2つの異なる深さ、特定的には、浅い皮下および皮内などの2つの違う生理学的組織区域へ送るための器具を開示する。被験者の皮膚は、皮膚アクセス部材による貫入に抗する弾性特性を有するので、皮膚は、器具の皮膚アクセス部材が皮膚を貫入する前に皮膚が張るまで、器具の隆起した第1の表面エリアにより伸ばされる。貫入圧力は、第1の表面エリアが皮膚に接触するまで、器具に印加される。これは、それぞれの皮膚アクセス部材による皮膚の均一な貫入を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,879,326号明細書
【特許文献2】米国特許第5,250,023号明細書
【特許文献3】国際公開第97/48440号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,808,506号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、薬の経皮的な投与のためのこれらの従来の方法と装置は、特に漏れ率に関して、成果が限定されていた。その結果、最低限の漏れ率で薬剤を注入するための改良された器具に対する継続的ニーズがこの業界には存在する。
【0012】
本発明の目的は、注入のための最適なインタフェースを形成する、マイクロニードル及び皮膚伸張システムを組み込んだ注入装置を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、最小限の漏れ薬物を皮膚の目標領域に送出する注入器具を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、皮膚伸張システムを使うことにより、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注入器具に提供することであり、この皮膚伸張システムは、いかに深くニードルが組織に挿入されるかをコントロールするリミッターと、いかに深く注入物が注入されるかに関してニードル長さが主要な決定ファクターとなるように、注入付近の組織の歪みを防止する安定化リングとを備えている。
【0015】
本発明の他の目的は、皮膚レイヤーに十分に適合する可撓性ニードルホルダーを使用することにより、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注入器具を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、初期の挿入の間にニードルを押すためのスプリング付の圧子を備える可撓性ニードルホルダーを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、ニードルホルダーの周りにエアスペース又は真空スペースを提供することによるニードル注入の領域における部分圧力を減らすためのニードルホルダーの使用により、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する注射器具を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、浮動ニードルホルダー又は傾斜ニードルホルダーを提供することによるニードル注入領域における部分プレッシャーを減らすためのニードルホルダーを使用することで、薬物を最小限の漏れで皮膚の目標領域に注入する注射器具を提供することである。
【0019】
これらおよび他の目的は、実質的に、薬剤送出装置のためのシステム及び方法を提供することにより達成され、この薬剤送出装置は、注入の間に皮膚表面の変形を最小化するための多くの観点を含み、最小限の漏れで薬剤を皮膚の目標領域に注入する。このシステム及び方法は、リミッター、肩、または柱を備え、それはニードルの組織への挿入物の深さをコントロールする。リミッターは、ニードルの完全な挿入を過度に制限することなく、組織に対するニードルの最大挿入深さをコントロールするのに応じた寸法となっている。このシステム及び方法は、ニードル長さがどれほど深く薬物が送出されるかについて主要な決定ファクターとなるように、挿入部位の付近の組織の歪みを防止する平準化または安定化リングをさらに含む。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の実施形態においては、安定化リングのサイズと注入される薬物の量との間、および、リミッターの高さと安定化リングの高さとの間で、相互関係が存在する。
【0021】
これらおよび他の目的は薬剤送出装置のためのシステム及び方法を提供することにより実質的に達成され、この装置は、注射器具が皮膚に適合するようにする可撓性ニードルホルダーを有し、又は、挿入部位におけるニードルの周りのエアスペースをさらに提供し、最小限の漏れで薬物を皮膚の目標領域に送出する。この方法において、ニードル挿入部位のまわりの領域にはサポート器具が接触しない。
【0022】
典型的な実施形態の構造に加えて、さらなる目的及び利点、及び、新規な特徴が以下の説明、図面、および実施例を考慮することにより明らかになる。
【0023】
本発明のこれら及び他の目的、利点、及び、新規な特徴は、添付図面と関連させて読むと、以下の詳細な説明からただちに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシステムとともに使用するための、薬物排出部および生物学的インタフェースの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。
【図3】図2の典型的なリミッターの拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。
【図5】皮膚の変形を説明するためのリミッターの拡大断面図である。
【図6】リジットホルダーの拡大断面図である。
【図7】ニードルの乏しい挿入を図解する図6のリジットホルダーの拡大断面図である。
【図8】最小のプリロードを図解する図6のリジットホルダーの拡大断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る、可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図10】第1の適合位置にある図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図11】第2の適合位置にある図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る、スプリング付の圧子をさらに含む可撓性ホルダーの拡大断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る、空気スペース包囲ニードルの拡大断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る、真空スペース包囲ニードルの拡大断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る、浮動ニードルの拡大断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る、角度付けされたニードルの拡大断面図である。
【図17】漏れの比較を図解するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面において、同様の符号は、同様の要素、機能、および構造を参照していると理解される。送出装置に対して、種々のマイクロニードルシステムを、薬物排出口及び患者またはエンドユーザとの生物学的インタフェースとして機能するように組み込むことができる。以下に記述される本発明の典型的な実施形態においては、マイクロニードル器具は、単一の又はマルチニードル配列のニードルヘッドまたはハブアセンブリを含み、これは注入器具との一体化、簡単なアタッチメントとしての使用、及び、現在製造されている各種の器具への適合が可能である。
【0026】
本発明の典型的な実施形態は、リミッターおよびリングの構成を組み込み、アセンブリの個々のニードルは、窪みまたはギャップにより取り囲まれた、柱などのような制限部材から突出し、そして、リミッターに関連する高さと直径のリングなどのような付加的皮膚伸張部材により取り囲まれている。この配置は、皮膚の伸張をアシストし、ニードルの貫入を制限し、注入漏れが最小化されるように注入の間に皮内のブレブまたは小さな腫れの形成のための領域を許容する。
【0027】
本発明の実施形態に係る、典型的なヘッドまたはハブアセンブリ10の図は、図1に示される。図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシステムと共に使用するための、薬物排出口および生物学的インタフェースの斜視図である。特定的には、典型的な薬物排出口および生物学的インタフェース、すなわち、ハブアセンブリ10は、リミッターおよびリングの構成を備え、アセンブリの個々のニードルは、窪みまたはギャップにより取り囲まれた柱16のような制限部材から突出し、そして、リミッターに関連する高さと直径のリング12などのような付加的皮膚伸張部材により取り囲まれている。溝付スナップフィット機構などのアタッチメント機構18は、ハブアセンブリ10を送出装置に固定するためにさらに備わる。上述したようにたように、送出装置と共に使われる時には、この配置は、皮膚の伸張をアシストし、ニードルの貫入を制限し、および、注入漏れが最小化されるように注入の間に皮内のブレブ又は小さな腫れの形成のための領域を許容する。典型的な実施形態の詳細な説明は、図2、図3、および図4を参照して提供される。
【0028】
以下の議論のために、図2、図3、および図4は参照され、そして、必要に応じて特定の図面に注意が向けられる。図2は、本発明の一実施形態に係る、リミッターと安定化リングとを有する皮膚伸張システムの拡大断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る、リミッターと安定化リングとを有する皮膚伸張システムの他の拡大断面図であり、図5は、皮膚変形を説明するためのリミッターの拡大断面図である。
【0029】
図2、図3、および図4は、本発明の一実施形態に係る典型的なヘッドまたはハブアセンブリ10を図解している。ハブアセンブリ10は、安定化リング12、皮膚表面15を貫入しているところが示されている少なくとも一のマイクロニードル14、および、リミッター16を含む。ハブアセンブリ10は、器具(図示されない)の近位端に配置され、リミッター16から軸線方向に延在するマイクロニードル14を提供する。また、ハブアセンブリ10は、軸線方向に延在し、マイクロニードル14とリミッター16のまわりで同心状に配置された安定化リング12を提供する。図4に示ように、リミッター16は、距離”A”だけタビライザーリング12を越えて軸線方向に延在する。また、マイクロニードル14は、図3に示すように、距離”B”だけリミッター16を越えて軸線方向に延在する。
【0030】
ハブアセンブリ10、安定化リング12、およびリミッター16は、提供される内容物と互換性のある適当な材料によって構成できる。これには、安価で成形及び製造しやすい、射出成形ポリマー、ポリカーボネート、COCポリマー、および同様な材料を含まれる。マイクロニードル14も適当な材料で構成できるが、好適には、スチールで構成される。
【0031】
図2において、ヘッドまたはハブアセンブリ10が皮膚のような患者の表面15と接触をする時には、皮膚伸張平準化又は安定化リング12は、マイクロニードル14が貫入に先がけて表面を変形させはじめた直後に、表面に接触する。安定化リング12は、表面15の変形を最小化し、マイクロニードル14の貫入において、より高い精度を可能にする。皮膚表面15は、挿入深さを制限するリミッター16の肩または柱に接触する。図5に示すように、伸張部材を欠いているマイクロニードルの挿入は、皮膚表面15のより大きな変形および薄化をもたらし、好ましくないマイクロニードルの挿入および不正確な組織深さ目標を生み出す。
【0032】
図2および図4の実施形態は、注入の間の、皮膚表面15の変形を最小化し、ニードル14を通じて皮内及び浅い皮下組織の中への注入を改善して漏れを最小化する。これらの実施形態は少なくとも2つの部品を備えている。
【0033】
第1の部品は、ニードル14の組織への挿入物の深さをコントロールする肩または柱を有するリミッター16を備える。リミッター16は、ニードルの完全な挿入を過度に規制せずに組織にニードル14の最大の挿入深さをコントロールする寸法となっている。
【0034】
第2の部品が、ニードル長さが、いかに深く注入物が送出されるかに関する主要な決定ファクターとなるように、注入の付近の組織の歪みを防止する平準化または安定化リング12を備える。図2と図4に示された例において、安定化リング12は、連続するリングという形態で提供されるが、どのような形態でも使用可能である。
【0035】
ニードル14の貫入の深さを制限するために、リミッター16は、好適には、皮内(ID)のニードル器具に組み込まれる。このようなリミッター16は、ニードル14の肩として構成され、ニードル14の直径より少し大きい直径を有する。
【0036】
リミッター16は、ニードル14が特定のポイントを越えて挿入されるのを防止する。従来から、リミッター16は、ニードルよりかなり大きい直径がある、ニードルハブまたは他の器具の部分であった。短い(すなわち、3mm以下)マイクロニードルについては、マイクロニードルが完全に挿入されることを可能にするために十分に小さい直径のリミッター16を作ることが重要となる。
【0037】
ニードル14が皮膚表面15に貫入しはじめる時には、皮膚表面15は、力が正常にニードル14の貫入力を越えるまでゆがむ。ニードルの貫入力は、べベル形状、ニードル直径、および潤滑に依存する。大きなリミッター16の直径は、皮膚がニードル14が完全には貫入しないポイントまでゆがむのを防止することができる。すなわち、肩またはリミッター16は、減少した貫入量に影響する。従って、より小さいリミッター16の直径は、リミッター16がニードル14が過貫入するのをもはや防止しないポイントまでニードル14がより完全に貫入するのを保証する。90度ステップを持ち、ニードル14の2倍の直径を有するリミッター16は、通常、ニードル14の過貫入を防止するのに十分である。
【0038】
図3に例示する典型的な実施形態において、ニードル14がリミッター16により取り囲まれていることが示されている。リミッター16は、貫入深さ”B”を最適にコントロールするために、名目上、ニードル14の直径の2倍であってもよい。小さすぎる(すなわち、ニードル14の直径の、0.1倍未満)リミッター16は、さらなる貫入を許容する可能性がある。大きすぎる(ニードル14の直径の例えば、20倍)リミッター16は、表面の凹凸が貫入深さを減少させる可能性がある。しかしながら、製造方法上、リミッター16直径が好適なものより大きい場合もあるが、リミッター直径は好適には、実用上最小に保持されるべきである。例えば、31〜34ゲージニードル14については、0.020インチから0.040インチまでの直径リミッター16が、貫入深さを制限するのに十分である。従って、本発明の典型的な実施形態では、0.040インチの直径のリミッター16が貫入深さを制限するのに好適である。さらに、皮膚の接触面と注射器具との間のリミッター16の本体は、器具(例えば、好適な離型剤を提供する)の製造を簡素化するために、実質的に円筒形状またはわずかに円錐形の形状で提供され得るが、しかし、四角形や星形等のリミッターのような適当な本体形状を使用可能である。しかしながら、四角のリミッターよりは円形のリミッター16のほうがより好適である。
【0039】
リミッター16は、好適には、器具10の本体から十分に延在すべきであり、その結果、器具10の本体が事実上のリミッターにはならない。ニードル14の皮膚表面15への挿入の間に、組織は、ニードル貫入力に達するのに十分な角度までゆがむ。もしこの角度が組織が器具10の本体を押すことを生じさせる場合には、器具は、リミッター16というよりもむしろ深さリミッターになる。理想的なリミッター16の延長長さはニードル形状に実質的に依存する。より鋭いニードルであると組織の歪みはより少なく、ニードル14を確実にすえつけるためのリミッター16の延長部は短くてよい。
【0040】
図4に示すように、リミッター16は、軸線方向に距離”A”だけ安定化リング12を越えて延在し、顕微針14は距離”B”だけリミッター16を越えて軸線方向に延在する。針14の長さと同じ、あるいは、幾分短いリミッタ16の延長長さは、通常、ニードルを確実にすえつけるのに十分である。上記したように、リミッター16の高さと安定化リング12の高さの間には相互関係が存在する。従って、本発明の実施形態のキーファクターは、リミッター16と安定化リング12との間の延長部の高さ関係である。従って、本発明の好適な実施形態において、リミッター16は、+0.040インチの距離だけ安定化リング12を越えて軸線方向に延在する。
【0041】
ニードル14を確実にすえつけることによって、皮内器具10は、漏れによる不具合が少なくて確実に作動し、目標深さへの注入剤の送出に関して良好にコントロールする。例えば、ハンドヘルドな皮内(ID)注射器具を使う時には、器具は、注入の間に皮膚からのニードルの後退を防ぐために十分な力で皮膚に対して保持される。IDニードルにおいては固有の小さな寸法が原因で、この力は、図5に示すように、貫入深さ“C”だけ減少した歪みにより注入に影響するのに十分な肩部幅で組織を広げ得る。図5は、過剰な肩部幅のため、減少した貫入の例である。安定化リング12が存在しない場合には、ユーザーは、リミッター16を押して皮膚を薄化することでさえ難しい。
【0042】
組織の伸張は、皮膚を局所的に薄くするか、または、皮膚を圧縮し、従って、ニードル14が皮下(SC)に貫入することを可能にする。ニードル先端もまた、組織で閉塞され得る。ニードル14の閉塞は、注入剤を注入するために必要な力を相当に増大できる。ニードル挿入ポイントで組織の伸張/圧縮を最小化するために、安定化リング12を採用できる。注入の間の皮膚からのニードル14の後退を防止するのに十分な力で、ユーザーが器具を皮膚に対して保持したとき、平準化または安定化リング12は組織圧縮をニードル14の部位から逃がすことができ、図2に示すように適切な貫入深さを可能にし、注入部位での不適切なニードルの貫入、および/または、組織の歪みによる漏れを最小化する。
【0043】
安定化リング12は、ニードル14を取り囲んでいる組織の過度な屈曲を防止するための機能を提供する。ニードル14が組織に挿入される時には、皮膚表面15へ貫入しニードルをすえつけるための最小の力が必要とされる。この力は、ニードル14の先鋭度(すなわち、べベル形状、仕上げ等)とニードル14の直径に依存する。
【0044】
最小の貫入力が達成されると、それを越える力であればニードル14とリミッター16のまわりの組織を変形させ得る。皮内のニードルは短く、小さな力が適用された場合には容易に抜き取られるので、抜き取りを防ぐには、より大きな力が好ましい。しかし、大きな力は、組織も過度に変形させ、注入の際に、(高い注入力による)送出を困難にし、(組織圧縮による)深すぎる貫入を生み、あるいは、(切り込みの伸張による)漏れを生じさせる可能性がある。ニードル14のリミッター16の周囲に安定化リング12を追加することによって、組織の特別な変形がニードル14から離れた領域に逃がされる。
【0045】
安定化リング12は、ニードル14の適切なすえつけを妨げるほどニードル14に接近させるべきでなく、また、その部位から組織変形を逃げすその注入部位での漏れが最小化されないほど注入ポイントから離すべきではない。また、上記したように、注入部位における漏れを防ぐための、安定化リングのサイズと注入される薬剤の量との相関関係が存在する。従って、本発明の実施形態の他のキーファクターは、安定化リング12、リミッター16と注入される薬物の量との間の距離関係である。安定化リング12の形状は、注入の間に皮からニードル14の後退を防止するために、ユーザーが十分な力によって皮膚に対して器具を保持するときに、挿入ポイントのまわりで組織変形を均一に逃がすのに十分なものでなければならない。そのような形状の1つは、図1に示す注入システムの典型的な実施形態において図解される連続するリング形状である。しかしながら、本発明の他の実施形態では、安定化リング12は、挿入ポイントのまわりで組織変形を均一に逃がすことが可能なリミッター16を取り囲む適当な連続する、または、非連続な形状として構成され得る。
【0046】
上述したように、安定化リング12は、皮膚の凹凸との干渉を避けるため、および、ニードル14の深さ貫入をコントロールするために、リミッター16から十分なクリアランスを有するべきである。図4の典型的な実施形態に示すように、リミッター16の肩は、好適には、安定化リング12をわずかに越える距離”A”だけ延在し(すなわち、ニードル先端の方向に)、約0.020から約0.100インチの距離だけ延在し、約0.020および約0.060インチの間の延長部が最も好適である。図4に示すように、安定化リング12は、好適には、約0.100から約1.00インチまでの内径“D”をもつべきであり、約0.250および約0.500インチの間の内径が最も好ましい。本発明の実施形態では、上述したように、安定化リングの内径と注入される薬物の量の間では相互関係が存在し得る。例えば、多量の注入(例えば、0.25ccから0.50cc)のためには、安定化リング12の内側の直径“D”は1.00インチの最大値の付近にあるべきである。少量の注入(例えば、50マイクロリットルから100マイクロリットル)のためには、安定化リング12の内側の直径“D”は0.10インチの最小値の付近にあるべきである。従って、本発明の典型的な実施形態では、安定化リング12は約0.250インチの内径“D”がより好適である。そのような構成では、安定化リング12の内径とリミッター16との間で提供された距離が、リミッター16の直径より大きい。例えば、図1に示した典型的な実施形態では、安定化リング12は、ハブアセンブリ10の外周のまわり(すなわち、最大内径D)で延在しているが、これに限定されない。図2において示された典型的な実施形態において、安定化リング12は、ハブアセンブリ10の外周より小さい距離(すなわち、最大より小さい内径D)において延在している。安定化リング12はどのような適当な材料からでも構成され得るが、好適には、安定化リング12が皮膚表面との接触によって変形しないようなリジットな材料から構成される。
【0047】
安定化リング12の機能は、腫れの拡大を許容し、注入部位の付近の組織の圧縮または変形を防止することである。これを達成するために、マイクロニードル14が皮膚表面15を変形しはじめたすぐ後に、安定化リング12は皮膚表面に接触する。特に、ニードル14は、最初に皮膚表面15に接触する。これは組織変形を結果として生じさせ、角度は皮膚の変形の程度を規定するように形成される。このポイントで、ニードル14は皮膚表面15に貫入し、先に形成された皮膚変形の程度を概ね維持する。皮膚変形の程度を規定する角度は、皮膚表面15がリミッター16に接触するまで維持される。このポイントで、安定化リング12は、より大きい体積の組織を移動させ、皮下に進行、あるいは、ニードル14を変位させることなく、ユーザーが固くても皮膚表面に対して器具を押し付けることを可能にする。すなわち、皮膚表面15との接触を通じて、安定化リング12は、適切な貫入深さを許容し、注入部位での漏れを最小化するために、組織変形を防止しているニードル14の部位から離れるように組織圧縮を移す。従って、安定化リング12の内径“D”は、腫れの拡大を許容するのに十分な大きさであるべきであるが、組織の圧縮を防ぐ際に効果がなくなるほど大きすぎるべきでない。
【0048】
適切な注入についての他のファクターは、ニードル構成である。短いべベルを利用するニードルは、組織の局所的な膨脹または歪みが原因で皮膚に完全に貫入しない可能性がある。ニードルが非常に鋭くない限り(すなわち、必要な貫入力がゼロ)、組織の歪みは図5に示すように起こる。以下で詳述するように、ニードルの先鋭度(すなわちべベル)は、歪みを減らすために最適化されるべきである。
【0049】
最小直径のリミッター16を使うことにより、組織歪みが原因の減少貫入深さも最小化される。同時に、リミッター16の直径がリミッター16がニードル14に続いて皮膚表面15に入ることを防止するのに十分大きくすべきであり、また、ニードルべベルは、皮膚表面に漏らずに、または、皮下(SC)の組織に過剰となることなく注入剤を皮膚に送出するために、十分に短くすべきである。
【0050】
従って、上記の機能のそれぞれが組み込まれた本発明の典型的な実施形態において、短いニードル14は、円形の安定化リング12と共に円筒形または円錐形のマウントまたはリミッター16にセットされる。リミッター16は、好適には、先端で約0.040インチの直径である。それは満足いくリミッターとして作動する。安定化リング12は、好適には、0.25インチ内径(ID)を有する。リミッター16は、好適には、図4に示すように、約0.040インチ安定化リング12の平面を越えて延在する。ニードル14が鋭いほど、延長の必要性が少ない。しかし、鋭いニードルは、一般的には、より長いべベル長さを有する。それは、漏れを防止するために、組織へのより深い挿入を必要とする。べベルが非常に長いと、または漏れ無く皮内に注入することが困難になる、あるいは、不可能になる。
【0051】
本発明の実施形態のための用途は、これらに限定されないが、シリンジ、自動自己注射器、あるいは、ペンニードルである。シリンジに使われる時には、本発明の実施形態は、使用されるシリンジのガラスシリンジの先端の部分として一体化されるか、または、プラスチックのシリンジの端部に成形される。本発明の実施形態は、ガラスまたはプラスチックのシリンジの端部に装着あるいはねじ込まれるルアーアダプターなどのように、図1に示す別個の部品としても提供される。他の方法は、スナップオン装着、接着、超音波溶接などのシリンジに対して別体のアダプタ、あるいは、その他の標準の製造法を本発明の実施形態を装着するのに用いることができる。
【0052】
別個のアダプターは、ニードル14、リミッター16および/または安定化リング12を組み込んだ一または複数の部品であり、薬物送出装置とインタフェースできる。本発明の実施形態は、自己シリンジなどの自己注射器の一部であってもよい。ペンタイプインジェクタ(例えば、インシュリンペン)において使われる分離可能なニードルは、また、本発明の実施形態の恩恵を受ける。さらに、浅い(すなわち、4mm以下)注入を送出するように設計された器具も本発明の実施形態の恩恵を受ける。
【0053】
リミッター16と安定化リング12は現在の皮内の注入システムを越える重要な利点を提供できる。リミッター16は、延長部のないより大きいリミッターに比べると、どれだけ深くニードル14が挿入されるかについて遥かに良好なコントロールを提供できる。少ない漏れで目標組織深さへより正確な注入がもたらされる。安定化リング12は、ユーザーにより適用される様々な適用力を補償することに加えて、実質的に同じ理由で、安定化リングのない現在のデザインに比べて性能を改善できる。
【0054】
テストにおいて、+0.040インチのリミッター16の突出部(すなわち、安定化リング12を越えるリミッター16の突出部“A”)を持つ安定化リング12、+0.020インチのリミッター突出部をもつ安定化リング、-0.020インチのリミッター突出部(すなわち、0.020インチ凹んでいる)を持つ安定化リング、及び、リミッターを持っているけれども安定化リングのない器具であって、各々が28度べベルを持つ1.5mm、31ゲージのニードルを有し、これらが多くの注入に関して比較された。コントロール器具も提供され、これは、5.5mmのリミッターキャップによりコントロールされる3つの角度べベルを備え、1.5mm、30ゲージのニードルをもつ。
【0055】
テストでは、安定化リング12を越える最も長いリミッタ16の突出部をもつ器具が最も良い性能を示した。これには、0.040インチおよびより大きいリミッター突出部を有する器具を包含することができる。特に、いくつかの第1のテストにおいて、漏れなくID注入を一貫して与えた時に、テストは、0.040インチのリミッター突出部を有する安定化リングを有する器具が好ましい結果を示した。
【0056】
第1のテストはさらに、0.020インチリミッター16突出部を持つ安定化リング12を備える器具が、040インチリミッター突出部をもつ安定化リングを備える器具に対して、漏れのある多数の注入をもつことが示された。−0.020インチの(すなわち、0.020インチ凹んだ)リミッター16の突出部を持つ安定化リング12を備える器具は、ほとんどの注入において漏れがあった。安定化リング12を持たない器具は、ほとんどの注入において漏れがなかったが、その注入は、注入が皮下(SC)となるように見えることを示すブランチングされた腫れを欠いていた。一方で、0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具の注入は、各々が適切なID注入を示している明確なブランチングされた腫れを持っていた。このコントロール器具は、相対的に漏れが無いが、注入深さはコントロールが困難で、しばしばSCになった。種々の器具の結果比較は、図17のグラフにおいて図解されている。
【0057】
図17は、5つの器具についての漏れ値の比較を図解するグラフである。グラフが図解する10回の注入からなるテストに関して、漏れが測定された時には、0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具が好適であった。
【0058】
0.040インチのリミッター16の突出部を持つ安定化リング12を備える器具の適切なID注入は、1つには、ニードルに28度のべベルを使用していることに起因している。しかしながら、このベベルは、3つの角度のべベルよりも貫入能力が低いかもしれない。より長いニードルがよりSCを注入しそうであるので、他のファクターは、実際のニードル長さのバリエーションである。さらに他のファクターは皮膚圧縮の程度である。例えば、安定化リング12を備えない器具において、注入リークは、皮膚がかなり薄くなったポイントに対する組織の圧縮に起因する可能性があり、より広い設置面積をもつ器具におけるよりもより遠くにニードルが延在することを許容する。
【0059】
上述したように、安定化リング12を越える最も長いリミッター16の突出部をもつ器具は、最高の性能を示す。これは、0.060インチ、0.080インチ、および0.10インチのリミッター16の突出部を有する器具を含めることができるかもしれない。従って、そのような追加の実施形態のテストにおいて、以下の結果は得られた。
【0060】
いくつかの2番目のテストでは、0.030インチのリミッター16の突出部(器具1)を備える安定化リング12、0.040インチのリミッター突出部(器具2)を備える安定化リング、および、0.060インチのリミッター突出部(器具3)を備える安定化リングは、それぞれ、3つの角度、0.48mmのべベル長さを持ち、1.5mm、31ゲージのニードルを備えるものが、いくつかの注入について比較された。
【0061】
第2のテストでは、これらの器具がリークしにくく、より深く注入することが示された。0.040インチのリミッター16の突出部をもつ安定化リング12を備える器具は、使用されたニードルのタイプに起因して、非常に少ないブランチングを有する。3つの角度のべベルは、より鋭く、貫入において優れている。そして、よりしばしばSCになる。安定化リング12を越えて延在するリミッター16の長さは、ブランチングにおける効果も示した。安定化リング12を越えて延在するリミッター16の長さは長いほど、ブランチングされた腫れが発生しにくい。このことは、優れたニードルの貫入にも起因する。
【0062】
平準化または安定化リング12が存在しない所では、深いID注入が達成された。注入のために必要な努力もより高かく、安定化リング12が無いので、ニードルの近辺で組織のより多くの圧縮が存在した。
【0063】
下の表1に示すように、ブランチング(すなわち、浅いID注入)は、短いリミッター16(0.030インチおよびすなわち、0.040インチ)を使用する器具1及び2で起こりやすい。従って、好適な実施形態は、針14の貫入の深さをコントロールするために小さい直径のリミッター16、および、組織の過剰な圧縮を防止する安定化リング12を提供する。安定化リング12を通過するリミッター16の好適な高さは、針の先鋭度に実質的に依存する。
【0064】
【表1】
【0065】
例えば、人間以外のテストにおいて、好適な実施形態は、単一の角度の28度、EDMべベル、31のゲージのニードル14、および、少なくとも0.25インチのIDを有する安定化リング12を越えて延びる0.040インチのリミッター16延長部を含む。この構成は、第1のファクター、すなわち、安定化リング12を越えて延びるリミッター16の延長部の高さを満たし、そして、第2のファクター、すなわち、注入部位での漏れを最小化する、安定化リング12とリミッター16との間の距離を満たしている。
【0066】
3角度べベル、31ゲージ(すなわち、0.48mmべベル)IDニードル14は、0.040インチ以下のリミッター16の延長部とより良好に働く。
によっての作品をよりよくで縫います。安定化リング12の内径“D”は、腫れの拡大を許容するほどに大きいが、組織の圧縮防止が無効になるほど大きすぎない。
【0067】
従って、ID(皮内)ニードル14は、注入剤が少量の漏れまたはゼロの漏れで目標深さに送出されるように、使用されるべきである。上記したように、皮膚は、約2mmの厚さの組織の層であり、従って、2mm未満で貫入するニードル14が好ましい。0.5から1.5mmまで貫入するニードル長さが、最も好ましい。0.5mm未満で貫入するニードル長さは、ゲージに依存して漏れが生じる可能性があり、1.5mmを越えて貫入するニードル長さは、しばしば皮下(SC)に送出(注入)する可能性がある。
【0068】
短いべベルを備える31から34までゲージのスチール製ニードルゲージが好ましい。より大きい直径ニードル(すなわち、30を超えるゲージ)は、過剰なべベル長さを必要とし、ニードルに漏れおよび/またはSC注入を生じさせやすくする。べベル長さ0.75mm以下は、漏れまたはSC貫入なしで対象となる皮膚を許容する。しかし、0.75mm以下のべベルを30ゲージニードルまたはそれより大きい直径のニードルに配置すると、信頼できる貫入を得るには不十分な鋭さのニードルをもたらす。しかしながら、スチール製の31ゲージニードルは相対的により短いべベルを使用でき、さらに皮膚を貫入可能である。スチール製の34ゲージのニードルは、相対的により短いべベルを有し、さらに良好な貫入をも生み出すことが可能である。
【0069】
べベル形状およびリミッター16のサイズは、器具の実施形態の信頼性に影響する可能性がある。スチール製34ゲージニードル上のEDM単一角度28度べベルは、約0.33mmのべベル長さを生み出す。他のニードル材料は、一般的には、要求された特徴を有する十分に鋭いニードルを生み出すことができないので、スチールニードルはより好ましい。34ゲージニードルは、皮膚に貫入するのに十分に鋭く、そして、ID(皮内)スペースを対象とするために十分に短い。31ゲージニードルの同じEDM単一角度28度のべベルは、約0.5mmの長さである。貫入力はより高く、対象とされたスペースはより広く、それゆえ、皮膚のうちの約1/3を含む。しかしながら、研磨された3つの角度のべベルは、貫入力を減らし、スチール製の31ゲージのニードル上で約0.5mmのべベル長さを維持する。31ゲージのニードルにおけるより長いべベルは、0.74mmのべベル長さをもつニードルのように、より鋭いニードルを生み出す。この0.74mmべベル長さは、典型的なIVべベルよりさらに短い。0.5mmから0.75mmまでのべベル長さは、31ゲージニードルを使う時に、ID(皮内)注入のための好適な範囲である。従って、本発明の典型的な実施形態では、スチール製34ゲージニードルにおけるEDM単一角度28度べベルが好ましい。本発明のさらに他の実施形態では、スチール31ゲージのニードルの研磨された3角度べベルが使用可能である。
【0070】
上述したように、現在の器具が皮膚の形状を十分には補正せず、図6、図7および図8に示すように、ニードルを適切な距離に正確には挿入できない可能性がある。図6は、リジットホルダの拡大断面図であり、図7は、不十分なニードル挿入を図解している図6のリジットホルダの拡大断面図であり、図8は、最小プリロードを図解している図6のリジットホルダの拡大断面図である。この例において、図6の器具のニードル32のまわりに配置されたリジットホルダ30は、皮膚表面34に適合せず、その結果、低い注入性能をもたらす。
【0071】
これは、図9、図10、図11および図12に示すように、1以上のスプリング部材でニードルをわずかにプリロードすることによって改善され得る。ニードル56は、皮膚表面に対して過度な力を及ぼさずに皮膚表面54とともに浮上し移動することを許容されている。図9、図10、図11および図12に示すような可撓性ホルダー用いることにより、ホルダーおよびニードルは、皮膚に適合する。
【0072】
図9は、本発明の実施形態に係る可撓性ホルダー50の拡大断面図であり、図10及び図11は、第1および第2の適合位置におけるの図9の可撓性ホルダーの拡大断面図である。可撓性ホルダー50は、ニードル56及びリミッター58をサポートするために、スプリング部材52を含み、上記したように実質的に器具の近位端に配置される。図9の使用前位置に示ように、スプリング部材52はニードル56を基端部方向にわずかにプリロードできる。従って、図10及び図11に示す使用の間は、可撓性ホルダー50は、適切な注入を保証するために皮膚表面54とより容易に適合可能である。
【0073】
図12は、本発明の一実施形態に係る一体化したスプリング付きの圧子60をさらに含む可撓性ホルダー50の拡大断面図である。圧子60は、ニードル56が初期の適用において十分に挿入され得ることを保証するため付加されている。圧子60は瞬時接触式あり、通常はニードルホルダーを押圧しない。
【0074】
他の皮膚伸張方法が、上記した安定化リング及び柱リミッターシステムに対する代替物として組み込み可能である。そのような皮膚伸張の方法は、短い初期の真空引きを注入部位に一時的に適用し、手動または機械的に皮膚を引っ張るまたは伸張し、あるいは、機械的にコントロールされた急速な挿入を用いること、を含むことができる。例えば、バリスティックインサーターは皮膚の短い初期の硬化をもたらし、それによって、効果的な弾力性を減らす。従って、これらの機構は、単独、組み合わせ、あるいは、当業者に知られている他の技術と共に用いられ得る。
【0075】
本発明の実施形態の適用は、輸液用器具にさらに適用可能である。しかしながら、ID(皮内)注入の間に、プレッシャーをニードル挿入部位のエリアに適用すると、注入の背圧、すなわち、皮内への注入物の注入に必要な圧力を増加させることができる。それゆえ、注入の部位への圧力を減少又は除去することにより、注入に必要な背圧も減少する。従って、本発明のさらに他の実施形態は、注入適用に関して注入部位へのプレッシャーを取り除くために適用できる。
【0076】
これを達成する方法及び装置は、図13、図14および図15において示される。図13は、本発明の一実施形態に係る、空気スペース包囲ニードルの拡大断面図である。図14は、本発明の一実施形態に係る真空包囲ニードルの拡大断面図であり、図15は、本発明の他の一実施形態に係る、移動自在のニードルの拡大断面図である。
【0077】
図13において、器具70は、ニードル72、皮膚表面75上の空隙74及び粘着性レイヤー76を含み、上記したように、実質的に器具の近位端部に配置され、あるいは、より好適には、粘着性取付注入器具として適用される。小さいゲージニードル72は、リミッター78に固定され、器具70の近位端部において凹状の開口から延在しているように示されている。ニードル72は空隙74を通って皮膚表面75の中へ延びる。 粘着性レイヤー76は、凹状の開口と皮膚表面75との間の接触がシール可能な空隙74をその間に形成し、さらに、器具70が皮膚表面75に固定されることを保証するように、器具70の皮膚接触面に配置される。本発明のこの実施形態では、ニードル72の挿入部位のまわりのエリアにはサポート器具70による接触がない。図14に示された本発明のさらに他の実施形態では、器具は、注入部位で真空をさらに形成するためにアクセス可能である。図14の器具95は、実質的に、図13について説明したとおり、器具95への真空ポート96の付加によって空間74内に真空の形成を可能にする。本発明のこの実施形態では、また、ニードル72の挿入部位のまわりのエリアは、サポート器具95による接触がなく、形成された真空は、注射または注入のために必要なプレッシャーを減らすのに役立つ。
【0078】
注入器具に使用するための本発明のさらに他の実施形態では、移動自在なニードルが、挿入部位での器具の影響を最小化するために提供され得る。図15には、器具80は、ニードル82および少なくとも1つのサスペンダー84、およびリミッター85を備える。粘着性レイヤー86は、皮膚表面88に器具80を固定するために提供される。器具80において、移動自在なニードル82が設けられ、サスペンダー84を介して近位端部で器具80により吊るされている。上記のように、この実施形態において、ニードル82は挿入部位でリミッター85とサスペンダー84により支持されているので、ニードル82の挿入部位のエリアはサポート器具80には影響されない。その際に、移動自在なニードル82及びリミッター85の軽く柔軟な移動が提供される。リミッター85は、実質的に上記したように提供され、あるいは、図15に示すように、ニードル82のまわりの接触エリアをさらに最小化するために、円錐形状で提供され得る。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態では、サポート器具80は、ニードル82を完全に取り囲む必要はない。例えば、サポート器具80およびサスペンダー84は、ニードル82の一方側にのみ設けてもよい。図15の実施形態は、好適には、携帯器具の一部ではないが、粘着性により定位置に保持されるので、サポート器具80は、要求された結果を達成するためにニードル82を完全に取り囲む必要はない。さらに、接着剤は器具を安定化し、そして一定に保持し、一方で、サスペンダー84により与えられる軽く柔軟な動きにより不要な力及び注入プレッシャーを防ぐが、さらに、漏れを防止するためのいくらかの力を組織に与える。
【0080】
本発明のさらに他の実施形態では、ニードル位置決めは、挿入部位で器具の影響を最小化するように構成できる。図16において、角度付けられたニードルの挿入が示されている。図16の器具90は、ニードル92及びリミッター94を含む。ニードル92は角度”E”で器具90のリミッター94から延在する(例えば、30度)。この実施形態では、角度”E”は、注入による挿入部位への影響を減らすのに十分である。本発明のさらに他の実施形態は、同様な結果を達成させるために、ばね付のニードルに挿入されたニードルのような修正されたニードルを含むことができる。
【0081】
皮内のまたは浅い皮下(下皮)のスペースに、効果的な薬物注入のためのマイクロニードル基づいたシステムに関して上述された本発明の実施形態は、過剰なプレッシャーまたは閉塞を必要とせずに、液体の速やかな移送又は器具からマイクロニードルまでのサスペンションを可能にする、十分に開いている流体の通路等の構造をさらに含めることも可能である。また、角質層を貫通可能な1つ以上の中空のカニューレからなる生物学的インタフェースを含めてもよく、これは、皮膚における所望の組織深さに正確にアクセスでき、そして、所望の流体容積をインタフェースの本体を通して、特定のまたは目標とする組織空間に正確に、表面又は目標としない組織への組織からの流体のロスが最小又は無い状態で、効率的に、器具のユーザ及び受容者に従う方法で移送することが可能である。注入システムは、また、点滴による痛みを軽減するのに役立ち、また、所望の組織スペースへのよりよいアクセスを提供する。
【0082】
本発明のいくつかの典型的な実施形態を上で詳細に説明したが、当業者は、この発明の新規な教示と利点から実質的に逸脱することなく、典型的な実施形態において多くの変形が可能であることを容易に理解するであろう。従って、すべての変形は、特許請求の範囲に規定されるこの発明およびその均等の範囲内に含まれることを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の皮膚表面に、薬物を注入するための皮内深さに貫入するのに十分な長さを有する少なくとも一のニードルと、
患者の皮膚表面と接触する接触面を有し、前記少なくとも一のニードルのニードル挿入深さをコントロールするためのリミッターと、
患者の皮膚表面と接触する接触面を有し、前記少なくとも一のニードルを囲むリジットスタビライザーと、を備え、
前記リジットスタビライザーは、皮内に注入される物質により生じる患者の皮膚の隆起を受け入れるための空間を画定する、ことを特徴とする注入薬物送出装置。
【請求項1】
患者の皮膚表面に、薬物を注入するための皮内深さに貫入するのに十分な長さを有する少なくとも一のニードルと、
患者の皮膚表面と接触する接触面を有し、前記少なくとも一のニードルのニードル挿入深さをコントロールするためのリミッターと、
患者の皮膚表面と接触する接触面を有し、前記少なくとも一のニードルを囲むリジットスタビライザーと、を備え、
前記リジットスタビライザーは、皮内に注入される物質により生じる患者の皮膚の隆起を受け入れるための空間を画定する、ことを特徴とする注入薬物送出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−205900(P2012−205900A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−122343(P2012−122343)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2008−542396(P2008−542396)の分割
【原出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−122343(P2012−122343)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【分割の表示】特願2008−542396(P2008−542396)の分割
【原出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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