説明

皮膚に優しい使い捨て製品

本発明は、キャリア材料と粒子状の高吸収性ポリマー材料とを有する、皮膚に優しい吸収性の使い捨て製品用の、体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分において、前記高吸収性ポリマー材料は、外部表面を備えたコアを有し、かつ前記コアの外部表面の少なくとも一部は被覆剤を有しており、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料のコアの吸収率を低下させるのに適しており、かつ前記高吸収性ポリマー材料の被覆剤はスキンケア剤を有する、皮膚に優しい吸収性の使い捨て製品用の体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に水性の体液を吸収するため及び貯蔵するための、皮膚に優しい吸収性の使い捨て製品に関し、前記使い捨て製品は、スキンケア剤を有する粒子状の高吸収性ポリマー材料を有する、体液の持続的な貯蔵のために適した吸収体成分を有する。
【背景技術】
【0002】
市販のおむつ、失禁用おむつ、生理用ナプキン、パンティライナー、包帯用品及び他の体液の吸収のために利用する使い捨て製品の大部分は、公知の高吸収性ポリマー材料(SAP)を有している。このしばしばヒドロゲル、吸収性ゲル、ヒドロコロイドといわれるか、又は簡単には吸収性ポリマーといわれる材料は、体液、例えば尿、血液、生理液、傷滲出液又は液状の便を、膨潤しながら持続的に吸収するために、しかもその自重の数倍の量を吸収するために適している。
【0003】
確かにSAPを含有する使い捨て製品は多量の体液を吸収し、かつ持続的に貯蔵するため、この製品は極めて長時間にわたり身体に接触することが多くなる。持続的な湿った雰囲気、皮膚常在菌相及び前記した部分的に極めて複雑な体液中に存在する多数の成分、例えば特に酵素及び他のタンパク質、脂質及び微生物によって、公知の一連の化学的及び生化学的反応及び微生物学的分解現象及び破壊現象が生じ、これが着用者の皮膚に害を及ぼすことになる。頻繁に、皮膚炎、発疹、皮膚の赤み及び健康な皮膚の状態からの類似の変化が生じる。不愉快な付随現象は、さらに不快な臭いの発生であり、この不快な臭いは本来の排泄された体液の固有臭よりもひどくなる。
【0004】
この現象を抑制するいくつかの試みが既に示されている。
国際公開(WO−A2)第2002/051456号パンフレットは、おむつトップシートのインサートを記載しており、前記おむつトップシートはスキンケア特性があると考えられている植物性抽出物を有する。
【0005】
国際公開(WO−A1)第96/16682号パンフレットの対象は、トップシートが脂肪性の物質をベースとするローションを備えているケアおむつである。このローションはトップシート上にまず最初に十分に固定されるが、次いで、特に体温の影響により、皮膚に移行することができるとされている。
【0006】
おむつの使用時に初めて微生物、例えば乳酸産生微生物になり、これが望ましくない微生物を排除するかもしくは前記望ましくない微生物に対して拮抗特性を生じる生物学的前駆体、例えば胞子又は菌細胞を有する吸収性の衛生用品が、国際公開(WO−A1)第01/52913号パンフレットに開示されている。
【0007】
国際公開(WO−A1)第01/03749号パンフレットには、Sophorae flavescensを含有する植物性作用物質を有する子供用の衛生製品が記載されている。他の構成成分は、Phellodendri Cortex、Artemisia folis、Dictamnus alpus及びDictamnus alumであることができる。
【0008】
国際公開(WO−A1)第00/72891号パンフレットは、乾燥手段を有する吸収性衛生製品を記載している。この乾燥手段は、好ましくは乾燥剤又は湿潤剤であり、衛生製品に添加されている。それにより、皮膚上での<85%の相対湿度が達成されるとしている。
【0009】
毒素性ショック症候群の危険を低下させる目的で、多価脂肪族アルコールと脂肪酸とのモノエステル及びジエステルからなる、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する細菌阻害剤の使用が、欧州特許(EP−B1)第0395099号明細書に開示されている。
【0010】
国際公開(WO−A1)第02/42379号パンフレットは、特定の式により定義された臭い結合能力を備えたSAPを開示している。好ましくは、このSAPは植物性成分を含有し、この植物性成分は臭いの結合に有利に作用するとのことである。
【0011】
ドイツ国特許公開(DE−A1)第10257002号明細書は、スキンケア剤を含有するフォーム状のヒドロゲルを記載している。
【0012】
欧州特許(EP−B1)第1051203号明細書は、抗微生物性の物質として1−ヒドロキシ−2−ピロリドン誘導体を有するSAPを記載している。この物質は、吸収性ポリマーの被覆として記載されている。
【0013】
この使用において、湿った直後にこの抗微生物性の物質は溶解し、液体の吸収、つまり吸収性ポリマーの膨潤が始まることから開始される。この即座に始まる膨潤が、最終的に抗微生物性の物質の移動性を妨害しかつ抑制してしまう。それにより、前記の抗微生物性の物質は、着用者の皮膚に十分な量で到達しない結果となる。抗微生物性の物質を有するSAPのこの実施態様のさらなる欠点は、長時間にわたるこの限定的な抗微生物性作用である。
【特許文献1】国際公開(WO−A2)第2002/051456号パンフレット
【特許文献2】国際公開(WO−A1)第96/16682号パンフレット
【特許文献3】国際公開(WO−A1)第01/52913号パンフレット
【特許文献4】国際公開(WO−A1)第01/03749号パンフレット
【特許文献5】国際公開(WO−A1)第00/72891号パンフレット
【特許文献6】欧州特許(EP−B1)第0395099号明細書
【特許文献7】国際公開(WO−A1)第02/42379号パンフレット
【特許文献8】ドイツ国特許公開(DE−A1)第10257002号明細書
【特許文献9】欧州特許(EP−B1)第1051203号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の課題は、着用者の皮膚のためのスキンケア剤の到達性を改善しかつ前記スキンケア剤は長期間にわたり高い作用を有する、高吸収性ポリマー(SAP)並びにスキンケア剤を有する吸収体成分を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題は、キャリア材料並びに高吸収性ポリマー材料を有し、ここで、前記高吸収性ポリマー材料が外側表面を備えたコアを有し、ここで、前記コアの外側表面の少なくとも一部が被覆剤を有し、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料のコアの吸収率を低下させることに適しており、ここで、少なくとも前記被覆剤はスキンケア剤を有する、吸収体成分により解決される。
【0016】
この作用メカニズムは未だに完全には解明されていないのであるが、本発明による吸収体成分の利点、つまりこの使い捨て製品の着用者の皮膚の健康状態に関する有利な作用はほぼ間違いなく、次の動力学に基づいている:
【0017】
本発明による吸収体成分が濡れた後に、体液はまず最初に、高吸収性ポリマー材料のスキンケア剤を含有する被覆に作用する。この場合、スキンケア剤が放出されるか、又はその他の方法、例えば被覆剤が溶解することにより活性化され、及び/又は膨潤し、高吸収性ポリマーのコアが初めて時間的に遅れて露出する、つまり、時間的に遅れて体液の作用にさらされる。従って、それにより高吸収性ポリマー材料のコアの吸収率の低減が行われる。高吸収性ポリマー材料のコアの吸収率の低減を議論する場合に、これは前記コアの吸収挙動の変化であると解釈され、つまり、時間の関数として考慮される液体吸収が、液体と出会った後に時間的にだけ遅延されること、及び/又は液体吸収の速度(時間当たりの液体g)が低下すること、及び/又は液体吸収能力(コアのSAP1g当たりの液体g)が全体として低下することであると解釈される。
【0018】
体液とスキンケア剤を有する被覆された高吸収性ポリマーとの反応に関して、従って2つの場合により重複する相を観察することができる。被覆中に含まれるスキンケア剤は、第1の相で、なお完全に吸収されていない体液によって皮膚に達することができる。ここで述べられた輸送メカニズムは、例えば拡散及び/又は毛管力が含まれる。第2の相が開始して初めて、体液の吸収によって遊離した体液の量の範囲が減少し及びそれによりスキンケア剤の流動性が低下し、かつそれにより被覆材料から次第に露出する高吸収性ポリマーのコアによって体液は固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
好ましい実施態様においては、さらに高吸収性ポリマーのコアもスキンケア剤を含有する。このような場合に、体液の吸収と共に、つまり高吸収性ポリマーのコアでの体液の結合と共に、そこで同時に化学物質及び/又は微生物を固定することができ、及び/又はコアのスキンケア剤との反応を行うことができ、もしそうでなければ前記した分解反応及び破壊反応を介して皮膚の損傷の危険に寄与してしまう。これには、殺菌作用及び/又は殺微生物作用も関連している。この場合、被覆材料のスキンケア剤と同じスキンケア剤であることができる。しかしながら、1種又は数種の他のスキンケア剤を使用することも考えられる。このような場合に、被覆のスキンケア剤は、皮膚との直接接触によってスキンケア作用を引き起こすのに適したスキンケア剤が選択され、一方で、コアのスキンケア剤は前記したように有害物質及び/又は微生物を抑制又は破壊するのに適しているものが選択されるのが有利である。
【0020】
スキンケア剤として、直接的に又は間接的に、皮膚の健康状態に有利な影響を及ぼすのに適した全ての薬剤(Mittel)が挙げられる。特にドイツ国特許公開(DE−A2)第10257002号明細書に開示されたスキンケア剤が有利である。従って、この関連で、前記ドイツ国特許公開(DE−A2)第10257002号明細書は、本発明の開示内容にその全文が引用される。特に水溶性のスキンケア剤が挙げられるが、同様に脂溶性又は両性のスキンケア剤も考えられかつ有利である。次に記載する表1は、特に挙げることができる物質の概略を含んでいる。個々に記載されたそれぞれの物質は、本発明による吸収体成分のスキンケア剤として適しておりかつ有利である。さらに、記載された物質の全ての組み合わせの可能性、特に物理的混合及び/又は化学反応、例えばヒドロキシ化合物と脂肪酸とのエステル化により生じる組み合わせの可能性が含まれる。
【0021】
表1において特に挙げられた植物性抽出物、例えば茶、特に緑茶抽出物の他に、特に有利には、乾燥葉(Herbar)自体、つまり植物の葉材、特に緑茶の、相応して粉砕した、例えば粉末化した形が挙げられる。
【0022】






【0023】
本発明による吸収体成分に適したスキンケア剤を有する高吸収性ポリマー材料を製造するために、当業者に公知の全ての通常の製造方法が適している。
【0024】
コアとして挙げられる高吸収性ポリマー材料の製造及び選択のために、ここでは当業者に公知の文献、例えばドイツ国特許(DE)第4020780号明細書、欧州特許(EP−B1)第1169372号明細書、米国再発行特許第32,649号明細書、欧州特許(EP−B1)第0752892号明細書、欧州特許(EP−B1)第0744967号明細書及び欧州特許(EP−B1)第0304319号明細書が参照される。好ましくは、部分的に中和されたポリアクリル酸ポリマーが挙げられ、この表面は、ゲル安定性を高めるために後架橋されている。
【0025】
好ましい実施態様において、高吸収性ポリマー材料のコアもスキンケア剤を有する場合に、このスキンケア剤は、前記高吸収性材料のコアの製造の多様な方法工程において、前記高吸収性材料のコアと結合させることができる。これには、例えば、乾燥したスキンケア剤を、a)既に完成した後架橋された、高吸収性材料のコアと混合する方法、b)なお後架橋されていない、高吸収性材料のコアと混合する方法、c)重合されているがなお乾燥されていないゲルと混合する方法又はd)高吸収性材料のコアの重合の前又は重合の間に混合する方法が含まれる。スキンケア剤と高吸収性材料のコアとの結合を改善するために、混合の前又は後で液状の、特に水性の成分を添加するのが有利である。
【0026】
更に、スキンケア剤は、乾燥した状態ではなく、濡れた状態又は湿った状態で、高吸収性材料のコアと結合させるか又は被覆剤と混合させることができる。このために、前記スキンケア剤は予め適当な液状又は半固体の媒体中に、例えば水性又は有機溶剤中に溶解、混合又は分散させることができる。
【0027】
混合のために、当業者に公知の装置を使用することができる。
【0028】
高吸収性材料のコアの外側表面の少なくとも一部と結合しかつ他の成分としてスキンケア剤を有する被覆剤として、高吸収性ポリマー材料の吸収率を低下させるのに適した全ての物質、特に水性の液体中で可溶性か又は膨潤可能な物質、例えば天然又は合成製品のセルロース又はリグノセルロース、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロースを挙げることができる。更に、複数の、つまり少なくとも2種の異なる被覆材料を使用することもできる。
【0029】
高吸収性ポリマー材料のコアを被覆する方法は当業者に公知である。国際公開(WO)第00/62825号パンフレット及び国際公開(WO)第02/36663号パンフレットは、本発明の実施のために適した被覆方法を開示している。従って、前記した特許明細書は、広範囲に完全に本発明の開示内容と見なされる。この被覆材料は、特に粉末の形で、同様に粉末の形で存在する高吸収性ポリマー材料のコアと、まず最初に乾燥した状態で混合し、引き続き水で湿らせ、次にもう一度混合することができる。
【0030】
本発明の場合に、まずスキンケア剤を有する被覆材料を設けるために、前記スキンケア剤を、高吸収性材料のコアの被覆を製造するか又は被覆材料自体を製造する多様な方法工程において被覆材料と結合させることができる。これには、例えば乾燥したスキンケア剤を、a)既に完成した、被覆材料で被覆された高吸収性材料と混合する方法、b)既に完成された被覆材料と、高吸収性材料のコアを被覆する前に混合し、かつ既にスキンケア剤を有する被覆材料を用いて被覆を実施する方法、c)スキンケア剤を被覆材料と、前記の被覆材料の製造の前又は製造の間に混合を行い、引き続き既にスキンケア剤を有する被覆材料を用いて被覆を実施する方法が含まれる。更に、スキンケア剤と被覆材料との結合を改善するために、混合の前又は後で液状の、特に水性の成分を添加するのが有利である。
【0031】
更に、乾燥したスキンケア剤を使用する代わりに、このスキンケア剤を予め適当な液状又は半固体の媒体中に、例えば水性又は有機溶剤中に溶解、混合又は分散させることもできる。
【0032】
更に、被覆材料とスキンケア剤及び/又は高吸収性ポリマー材料のコアとの間の接着作用を生じさせる結合剤成分を使用することを考慮することができる。
【0033】
スキンケア剤の量に関しては、高吸収性ポリマー材料の総重量に対して、好ましくは0.001〜100%、なかでも0.1〜10%、特に0.5〜5%が好ましいと見なされる。
【0034】
高吸収性ポリマー材料のコアとして考慮される高吸収性材料の粒度は、この分野において通常の範囲内、好ましくは10〜1000μmの範囲内にある。
【0035】
スキンケア剤を、乾燥した形で、被覆材料と及び好ましくは更に高吸収性ポリマー材料の吸収性コアと結合させる場合には、前記スキンケア剤を好ましくはそれぞれ粉末の形で、特に好ましくは5〜900μmの粒度で使用する。
【0036】
被覆された、スキンケア剤を有する高吸収性ポリマー材料の粒度は、同様にこの分野において通常の範囲内、好ましくは10〜1000μmの範囲内にある。
【0037】
被覆された、スキンケア剤を有する高吸収性ポリマー材料の粒度は被覆の後に好ましい範囲に調節することを考慮することができる。
【0038】
本発明の有利な実施態様の場合には、本発明による吸収体成分のキャリア材料は、天然の又は合成製品の繊維、例えばセルロース繊維、熱可塑性繊維、例えばポリオレフィンのグループからなる熱可塑性繊維及び/又は発泡体及び/又は熱可塑性の有利に押出成形されたプラスチックマトリックスを有する。
【0039】
このキャリア材料はマトリックスを形成することができ、高吸収性ポリマー材料は特に前記キャリア材料中に均質に組み込まれている。
【0040】
更に、層を形成する配置が挙げられ、この配置の場合に高吸収性ポリマー材料はキャリア材料の大きな表面の一方に配置されている。このような場合に、前記キャリア材料は、特に薄紙、不織布及び/又はシートを有する。
【0041】
特に有利な態様では、本発明による吸収体成分は高吸収性衛生製品の内部に使用される。このような場合に、前記衛生製品は、好ましくは、少なくとも部分的に液体不透過性の、特に通気性の、身体とは反対側のバックシート及び/又は少なくとも部分的に液体透過性の身体側のトップシートを有する。トップシート及びバックシートは、このような場合に本発明による吸収体成分を包囲する。
【0042】
本発明による吸収体成分の上側又は下側に、有利に更に吸収体層を配置することができ、前記層は特に身体排泄物、例えば尿、血液又は便の改善された分配及び/又は貯蔵のために利用される。
【0043】
スキンケア剤を含有する高吸収性ポリマー材料の他に、本発明による吸収体成分は付加的にスキンケア剤を含有しない、特に被覆剤も含有しない高吸収性ポリマー材料も含有することができ、前記ポリマー材料は例えば極めて多量の液体を極めて短時間で前記吸収体成分によって吸収させることを特徴とする特別な適用の場合に、生じる液体の一部を急速に結合することができる。
【0044】
本発明は、更に、ヒトの皮膚にスキンケア剤を適用するための、キャリア材料並びに高吸収性ポリマー材料を有する吸収体成分の使用に関し、その際、前記高吸収性ポリマー材料は、外部表面を有するコアを有し、かつ前記コアの外部表面の少なくとも一部は被覆剤を有しており、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料の吸収率を低下させるのに適しており、その際、前記高吸収性ポリマー材料の結合剤はスキンケア剤を含有する。
【0045】
更に、本発明は、ヒトの皮膚の健康状態の改善のための製品を製造するための、キャリア材料並びに高吸収性ポリマー材料を有する吸収体成分の使用に関し、ここで、前記高吸収性ポリマー材料は、外部表面を有するコアを有し、かつ前記コアの外部表面の少なくとも一部は被覆剤を有しており、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料の吸収率を低下させるのに適しており、ここで、前記高吸収性ポリマー材料の被覆剤はスキンケア剤を含有する。
【0046】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、本発明の好ましい実施態様の図面及び次の記載から明らかである。
【0047】
図1は、本発明による吸収体成分を有する1回使用のための衛生製品の上から見た図を表す。
図2は、図1中の切断面II−IIを有する図1による衛生製品の断面図を表す。
図3は、本発明による吸収体成分だけの拡大された断面図を表す。
図4は、本発明による吸収体成分の高吸収性ポリマー材料の粒子の断面図を表す。
【0048】
図1及び2は、本発明による吸収体成分10を有する、使い捨ておむつ1を表す。この吸収体成分10は身体付近では液体透過性のトップシート2によりカバーされ、このトップシート2は身体から遠位の液体不透過性であるが通気性のバックシート3と共に吸収体成分10をサンドイッチ状に包囲する。この使い捨ておむつはさらに、この場合に図示されていない構成部材、例えば閉鎖エレメント、弾性の脚部遮断部及び/又はウエスト遮断部並びに長手方向及び/又は横方向に延在する液漏れバリアを有することができる。
【0049】
図3は、本発明による吸収体成分10の拡大図を表す。この吸収体成分10は、マトリックスを形成する繊維材料101を有し、前記繊維材料101は、この場合に毛羽立たせたセルロース繊維材料からなる。
【0050】
前記高吸収性ポリマー粒子102は、前記セルロース繊維材料101とほぼ均一に混合されている。本発明による吸収性成分10の全重量に対する高吸収性ポリマー粒子102の割合は、15〜85%、好ましくは30〜70%である。
【0051】
図4は、好ましい高吸収性ポリマー粒子102の拡大された断面図を表す。10〜1000μm、好ましくは100〜800μmの粒度のポリマー粒子102は、高吸収性ポリマー材料からなるコアAから形成されている。コアAの高吸収性ポリマー材料は、スキンケア剤として緑茶の乾燥抽出物を2%(重量%)まで有している。
【0052】
高吸収性ポリマー粒子102のコアAの外部表面は、Na−カルボキシメチルセルロースでほぼ完全に被覆されていて、前記被覆は、スキンケア剤として緑茶の乾燥抽出物を2%(重量%)まで有している。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による吸収体成分を有する1回使用のための衛生製品の上から見た図を表す。
【図2】図1中の切断面II−IIを有する図1による衛生製品の断面図を表す。
【図3】本発明による吸収体成分だけの拡大された断面図を表す。
【図4】本発明による吸収体成分の高吸収性ポリマー材料の粒子の断面図を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア材料と粒子状の高吸収性ポリマー材料とを有する、皮膚に優しい吸収性の使い捨て製品用の、体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分において、前記高吸収性ポリマー材料は、外部表面を備えたコアを有し、かつ前記コアの外部表面の少なくとも一部は被覆剤を有しており、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料のコアの吸収率を低下させるのに適しており、かつ前記高吸収性ポリマー材料の被覆剤はスキンケア剤を有することを特徴とする、皮膚に優しい吸収性の使い捨て製品用の体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分。
【請求項2】
高吸収性ポリマー材料のコアがスキンケア剤を有することを特徴とする、請求項1記載の吸収体成分。
【請求項3】
高吸収性ポリマー材料のコアがスキンケア剤を少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%有することを特徴とする、請求項2記載の吸収体成分。
【請求項4】
スキンケア剤が水溶性であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項5】
スキンケア剤がビタミンを有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項6】
スキンケア剤が植物性成分、特に植物性抽出物、植物性オイル又は植物性蒸留物を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項7】
スキンケア剤が有機酸を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項8】
スキンケア剤がアミノ酸を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項9】
キャリア材料がセルロース繊維及び/又は合成繊維及び/又は発泡材料及び/又は多孔性の、特に熱可塑性のプラスチックマトリックスを有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項10】
キャリア材料がマトリックス形成性であり、かつ粒子状の高吸収性ポリマー材料が前記キャリア材料中へ特に少なくとも部分的に均一に組み込まれていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項11】
高吸収性ポリマー材料が層を形成してキャリア材料の大きな表面の一方の上に配置されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の吸収体成分。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の吸収体成分を有する吸収性の使い捨て製品において、前記使い捨て製品は身体側のトップシートと、身体と反対側のバックシートとを有し、これらのシートが体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分をサンドイッチ状に包囲することを特徴とする、吸収性の使い捨て製品。
【請求項13】
身体と反対側で、体液を持続的に貯蔵するために適した吸収体成分の上方に少なくとも1つの他の液体透過性の層が配置されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の吸収体成分を有する吸収性の使い捨て製品。
【請求項14】
ヒトの皮膚にスキンケア剤を適用するための、請求項1から11までのいずれか1項記載の吸収体成分の使用。
【請求項15】
キャリア材料と高吸収性ポリマー材料とを有し、その際、前記高吸収性ポリマー材料は、外部表面を備えたコアを有し、かつ前記コアの外部表面の少なくとも一部は被覆剤を有しており、前記被覆剤は高吸収性ポリマー材料の吸収率を低下させるのに適しており、その際、前記高吸収性ポリマー材料の被覆剤はスキンケア剤を含有する、ヒトの皮膚の健康状態の改善のための製品を製造するための吸収体成分の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−526928(P2007−526928A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518146(P2006−518146)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007508
【国際公開番号】WO2005/004938
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】