説明

皮膚のマイクロレリーフにおける変化に対する活性剤としてのプロバイオチックな微生物

本発明は、皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置するための活性剤として、少なくとも1のプロバイオチックな微生物を使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚、特に顔の皮膚、を滑らかにするために、プロバイオチックな微生物を使用する方法に関する。
【0002】
より特に、本発明はプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属(genre Lactobacillus sp.)のもの、をマイクロレリーフの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として使用する方法に関する。本発明は、皮膚のマイクロレリーフを滑らかにするための方法に関する。
【0003】
ヒトの皮膚の表面は滑らかではない。それは、リンクルとは異なり、子供の場合には、拡大鏡で、大人の場合には裸眼で見られ得る小じわにより反映される凹凸を有する。これらの小じわ即ち溝は交差して、皮膚のマイクロレリーフとして知られる、多角形の形状を有する構造を形成する。
【0004】
皮膚のマイクロレリーフを構成する溝の数及び深さは、多くの外的又は内的因子により影響され得る。外的な因子の中では、日光への暴露、温度及び湿気の変化への暴露、又は汚染物質への暴露が挙げられ得る。皮膚のマイクロレリーフに影響を及ぼす内的な因子の中では、ストレス、疲労、ホルモンの変化、表皮の脱水又は皮膚のバリアー機能の損傷又は老化さえが挙げられ得る。これらの外的及び内的因子は、マイクロレリーフの溝の数及び深さを増加させる傾向を有する。
【0005】
これらの溝は、裸眼にとって、より目立ち、明白になる。
【0006】
即ち、マイクロレリーフの損傷を防止する又は減少さえさせることができることが重要であることが分かる。
【0007】
さらに、皮膚のマイクロレリーフを損傷させやすい外的又は内的因子は、その色つやにもまた影響を与え得る。従って、マイクロレリーフ及び色つやの輝きの損傷は、しばしば一緒に発現し得る。
【0008】
国際公開第2007/112996号パンフレットは、発酵酪農製品、例えばネスレ(商標)のLCIヨーグルト、に配合された、製品植物から抽出された種々の活性剤、例えばゲニステイン、レスベラトロール、又はβ―カロテンを含む、皮膚のマイクロレリーフを滑らかにするための組成物を記載している。
【0009】
国際公開第2006/104730号パンフレットは、皮膚の外見を改善し、皮膚上の兆候、特に老化に関連する兆候、例えばリンクル又は粗い外見の出現、を防止ためのプロバイオチックな微生物を含む補助食品を記載している。
【0010】
米国特許出願第2008/206211号は、皮膚の脱水又は老化を処置するための、バクテリアで調整された培地の使用を記載している。
【0011】
しかし、先行技術において提案された解決策はいずれも皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置するために満足できないものであることが分かった。
【0012】
すなわち、皮膚、特に顔の皮膚、のマイクロレリーフの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である新規な活性剤に対する需要がまだある。
【0013】
皮膚のマイクロレリーフの溝の数及び深さを減らすのに有用である新規な活性剤に対する需要もまた、まだある。
【0014】
マイクロレリーフの小じわの方向の均一性を改善し、1cm当たりのコーナーの密度、これは若い皮膚の特徴である、を増加させるために有用である新規な活性剤に対する需要がまだある。
【0015】
皮膚に明るい色つやを与えることのできる新規な活性物質に対する需要もまたある。
【0016】
皮膚の不完全性を防止する及び/又は処置するための新規な活性剤に対する需要もまたある。
【0017】
本発明の目的は、これらの需要を満たすことである。
【0018】
第一の課題に従うと、本発明は、少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属の微生物、を、皮膚のマイクロレリーフの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として化粧的に使用する方法に関する。
【0019】
本発明者らは、驚いたことに、有効量のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属、特にラクトバチルス パラカセイ、より特にラクトバチルス パラカセイST11の投与、特に経口的な投与は、マイクロレリーフの溝の数及び深さを有意に減少させ、かつ1cm当たりのコーナーの密度を増加させることを観察した。
【0020】
一つの実施態様に従うと、本発明における考慮下の皮膚のマイクロレリーフの損傷は、年齢に関連せず、特に皮膚の老化の兆候ではない。
【0021】
本発明に従うプロバイオチックな微生物の使用は、皮膚のバリアー機能性を強化することを有利に可能とし、すなわち、皮膚の完全性を促進し、そのマイクロレリーフを維持する。
【0022】
別の利点に従うと、本発明に従う使用は、腸粘膜において食物により供給された栄養の同化を最適化し、細胞代謝に必須である栄養素の供給を促進することを可能にする。即ち、皮膚の種々の機能的及び構造的成分の合成が促進されて、皮膚のホメオスタシスの維持を許し、皮膚のマイクロレリーフの損傷を減少させるか又は皮膚を滑らかにさえする。
【0023】
さらに別の実施態様に従うと、本発明に従う使用は、皮膚及び下部組織の湿潤化及びバリアー機能を回復し、そして維持することを可能にし、皮膚のマイクロレリーフの溝の深さの減少を促進しかつその可視性を減少させる。
【0024】
一つの実施態様に従うと、本発明において考慮下のプロバイオチックな微生物は、重量ベースで、
− 875.42gの1.7%全乳、
− 10gの1.0%スキムミルク、
− 30gのネスレ(商標)LCIヨーグルト、
− 70gの砂糖、
− 3gの安定化剤、
− 0.08gのタンジェリンの香料
− 0.93gのテアビゴー
− 0.17gのゲニステインTG
− 0.14gのレスベラトロール
− 0.24gの7%βカロテンCWS、
− 10gのROPUFA(商標)“30”n−3食用オイル
を含む組成物に配合されたラクトバチルス ジョンソニイとは異なる。
【0025】
一つの好ましい実施態様に従うと、皮膚のマイクロレリーフの損傷を処置する及び/又は防止するための本発明の使用に適するプロバイオチックな微生物は、有利には、ラクトバチルス パラカセイ、好ましくはラクトバチルス パラカセイST11である。
【0026】
別の一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、全乳、スキムミルク、テアビゴー、ゲニステイン、レスベラトロール、βカロテン及びROPUFA(商標)“30”n−3食用油及びそれらの混合物から選択された少なくとも1の活性剤と併用されない。
【0027】
別の実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、全乳、スキムミルク、テアビゴー、ゲニステイン、レスベラトロール、βカロテン及びROPUFA(商標)“30”n−3食用油を含む混合物と併用されない。
【0028】
さらに別の実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、ラクトバチルス ジョンソニイ(又はアシドフィルス)とは異なる。
【0029】
一つの実施態様に従うと、本発明の課題は、少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属、特に以下に定義されるものの投与を含む、皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置する化粧的方法でもある。
【0030】
本発明に従うと、用語「皮膚」は、個体、特にヒト、の表皮のすべて、より特にネックライン、首及び顔の皮膚、特に顔の皮膚を意味することが意図される。
【0031】
別の実施態様に従うと、本発明の目的は、皮膚のマイクロレリーフの溝の数を減らすこと及び/又は皮膚のマイクロレリーフの溝の深さを減少させることである。
【0032】
別の実施態様に従うと、本発明の目的は、皮膚の1cm当たりのコーナーの密度を増加させることである。
【0033】
皮膚のマイクロレリーフの溝、即ち小じわ、は55μmの最大深さを有する。55μm超の深さを有する皮膚の溝即ちリンクルは、しわ(55〜110μm)又はリンクル(110μm超)と呼ばれる。
【0034】
即ち、本発明において考慮下の皮膚のマイクロレリーフの構造は、55μmを超えない深さを有する。
【0035】
溝又は小じわは交差して、皮膚のマイクロレリーフの特徴である多角形の形状の構造を形成し、皮膚のリンクル又はしわとは異なる。これらの構造は、コーナーを画定し、その多数の存在は、健康であり、滑らかであり、特に若い皮膚の特徴である。
【0036】
本発明において考慮下の、皮膚のマイクロレリーフの溝又は小じわの存在及び可視性は、種々の外的又は内的因子、例えば温度又は湿気の変化への暴露、日光又はUVへの暴露、寒さへの暴露、汚染物質への暴露、ストレス又は疲労への暴露又はホルモン変化への暴露、により強調され得る。
【0037】
皮膚のマイクロレリーフの溝の存在又は可視性は、皮膚又は下部組織の湿潤化の程度によってもまた影響され得る。
【0038】
印の少ないマイクロレリーフ(sparingly marked microrelief)は、皮膚の良好な健康、特に、良好な湿潤化及びバリアー機能性のよく制御されたホメオスタシスの兆候である。
【0039】
本発明に従うプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属の微生物、の使用は、皮膚のマイクロレリーフへの外的又は内的因子の有害な効果を防止する、処置する、又は逆行させることを可能にする。
【0040】
一つの実施態様に従うと、本発明において考慮下のマイクロレリーフは、有利には顔の皮膚のマイクロレリーフである。
【0041】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、経口的に、局所的に又は非経口的に、特に経口的に投与され得る。
【0042】
本発明に従う微生物の使用は、必ず、有効量、即ち、防止される及び/又は処置されるべき皮膚のマイクロレリーフの損傷に関してプロバイオチックな微生物がその活性を示すことを許す量において行われる。
【0043】
本発明の目的のために、用語「防止する」は、ある現象、即ち本発明においては皮膚のマイクロレリーフの損傷、の発現のリスクを少なくとも部分的に減少させることを意味する。部分的な減少は、リスクは残っているが、本発明を実施する前より、より低位な程度においてであることを意味する。
【0044】
微生物
本発明の目的のために、用語「プロバイオチックな微生物」とは、十分な量において消費されたとき、その宿主の健康にプラスの効果を有する、生きている微生物(生きている乳酸菌を含む粉ミルクを包含する食品におけるプロバイオチックの健康及び栄養学的性質の評価に関する合同FAO/WHO専門家会議、2001年10月6日)、及び特に腸の微生物のバランスを改善し得る微生物を意味する。
【0045】
一つの実施態様に従うと、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、単離された形又は精製された形で、即ち、元々のその媒体において該プロバイオチックな生物と会合されやすい1以上の化合物と混合されないで使用され得る。
【0046】
別の実施態様に従うと、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、生きた形、半活性の形、不活性な形又は死んだ形において使用され得る。
【0047】
本発明の有利な実施態様に従うと、プロバイオチックな微生物は不活性化された形又は死んだ形において有利に使用され得る。
【0048】
局所的に投与されたプロバイオチックな微生物は有利に、不活性化された形又は死んだ形において使用され得る。
【0049】
経口的に投与されるプロバイオチックな微生物は、生きた形で有利に使用され得る。
【0050】
本発明の目的のために、「不活性化された」微生物は、一時的若しくは決定的に、もはや、培養においてコロニーを形成することのできない微生物である。本発明の目的のために、「死んだ」微生物は、決定的に、もはや、培養においてコロニーを形成することのできない微生物である。死んだ又は不活性化された微生物は、完全なままの又は破壊された細胞膜を有し得る。即ち、用語「不活性化された」は、本明細書の以下において詳述されるように、微生物の抽出物及び溶解産物をもまた意味する。死んだ又は不活性化された微生物は、当業者に任意の公知の方法により製造され得る。
【0051】
一つの有利な実施態様に従うと、本発明に従って使用されるプロバイオチックな微生物は、少なくとも部分的に不活性化されているか又は死んでいる。
【0052】
表現「少なくとも部分的に不活性化されている又は死んでいるプロバイオチックな微生物」は、微生物を不活性化する又は殺すプロセスに付される前の初期の調製物において含まれる、不活性化されていない、生きているプロバイオチックな微生物の合計量に対して少なくとも80%、特に少なくとも85%、より特に少なくとも90%、又は少なくとも95%さえ、又は少なくとも99%の不活性化された又は死んでいるプロバイオチックな微生物を含む、本発明に従うプロバイオチックな微生物の調製物を意味する。
【0053】
得られた不活性又は死の度合は、使用された方法の適用条件に依存し、該条件は得られるべき不活性化又は死の度合いに当業者により調節される。
【0054】
一つの実施態様に従うと、本発明は、100%の不活性化された又は死んだプロバイオチックな微生物を含む調製物の使用を包含する。
【0055】
本発明における使用に適する、不活性化されたプロバイオチックな微生物は、微生物調製物の照射、熱不活性化又は凍結乾燥により調製され得る。これらの方法は、当業者に公知である。
【0056】
より特に、照射によるプロバイオチックな微生物の不活性化は、ガンマ線、X線、UV又は熱への暴露又は減圧の使用を包含し得る。処置のタイプ、強度、線量、及び暴露時間は、不活性化されるプロバイオチックな微生物の量及び性質に従って、当業者により調節される。
【0057】
一つの好ましい変形に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、照射、特にガンマ線照射、により得られる不活性化された形において使用される。
【0058】
凍結乾燥による不活性化は、当該分野において公知の任意の方法により行われ得る。有利には、凍結乾燥により不活性化されたプロバイオチックな微生物が再培養され得る。
【0059】
熱不活性化は、本発明のプロバイオチックな微生物を、長時間、例えば少なくとも2時間、170℃においてインキュベーションすることにより行われ得る。また、熱不活性化は、本発明のプロバイオチックな微生物を121℃の温度に少なくとも20分間、2バールの大気圧に付すことにより加圧減菌器で処置することにより行われ得る。
【0060】
あるいは、熱不活性化はプロバイオチックな微生物を凍結温度に、長時間付すことにより行われ得る。
【0061】
本発明に従うプロバイオチックな微生物は、全体の形で、即ち基本的にはその自然な形で、又はこの微生物の画分及び/又は代謝物を含む、分解された懸濁物の抽出物又は溶解産物の形で、使用され得る。
【0062】
本発明の目的のために、用語「代謝物」は、微生物の代謝から誘導される任意の物質、特に、本発明に従って考慮下の微生物により分泌される任意の物質、また皮膚のマイクロレリーフの損傷の処置及び/又は防止のために効率を付与されている任意の物質、を意味する。
【0063】
本発明の目的のために、用語「画分」は、該微生物全体と同様に、皮膚のμレリーフの損傷の処置及び/又は防止のための効率を付与された該微生物の画分をより特に意味する。
【0064】
本発明における使用に適する抽出物又は溶解産物は、成長相の終わりにおいてプロバイオチックな微生物から調製され得る。
【0065】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は溶解産物の形において使用され得る。
【0066】
本発明の目的のために、「溶解産物」は、細胞溶解として公知である現象、即ち考慮下の微生物の細胞に天然に含まれる細胞間生物学的成分の放出をもたらす現象、により生物学的細胞の破壊又は溶解の後に得られる物質を一般的に意味する。
【0067】
本発明の目的のために、用語「溶解産物」は、優先なしに、考慮下の微生物又はその画分のみの溶解(lysis)により得られる溶解産物全体を意味するのに使用される。
【0068】
即ち、使用される溶解産物は、細胞間生物学的成分並びに細胞壁及び膜の成分から、全体的又は部分的に形成される。
【0069】
有利には、本発明のために使用される溶解産物は、考慮下の微生物の溶解により得られる全体溶解産物であり得る。
【0070】
この細胞溶解は、種々の技術、例えば浸透圧衝撃、熱衝撃、超音波により、又は遠心分離タイプの機械的応力下で行われ得る。
【0071】
より特に、この細胞溶解産物は、米国特許第4464362号に記載された技術に従って、特に以下のプロトコルに従って、得られ得る。
【0072】
特に、本発明の溶解産物は、懸濁状態のプロバイオチック微生物を含む媒体の超音波分解によって得られ得、そこから、細胞質画分、細胞壁破片及び代謝から誘導される生成物を放出させる。次に、天然の分布における全ての成分は、弱酸性水溶液において安定化される。
【0073】
微生物、抽出物又は溶解産物は、種々の形、例えば溶液、培養物上澄み、任意的に凍結乾燥されていてもよい粉末、又は濃縮物、で使用され得る。
【0074】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、ラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、球菌、酵母及び胞子形成バクテリア、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0075】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適する微生物は好ましくは以下から選択される。
− 子嚢菌:特にサッカロマイセス、特にS.セレヴィシエ又はS.ボウファルディ、ヤロウィア、特にY.リポリティカ、クリベロマイセス、トルラスポラ、スキゾサッカロマイセスポンベ、デバロマイセス、カンジダ、ピチア、アスペルギルス、特にK.ラクチス及びペニシリウム、
− 胞子形成バクテリア:特にバチルス種、特にB.セレウス バール トヨ又はB.スブチリス、B.コアギュランス、B.リケニフォルミス、大腸菌種、特にE.コリ株ニッスル、プロピオニバクバクテリウム種、特にP.フロイデンライヒ、バクテロイデス種、フゾバクテリウム種、及びウィッセラ種、
− 球菌、特にメリッソコッカス種、ブドウ球菌種、特にS.カルノサス若しくはS.キシロサス、ペプトストレポコッカス種、ペジオコッカス種、特にP.アシヂラクチシ、ミクロコッカス種、リューコノストック種、特にL.メセンテロイデス亜種デキストラニカム、アエロコッカス種、オエノコッカス種、エンテロコッカス種、特にE.フェカリス若しくはE.フェシウム、ラクトコッカス種、特にL.ラクチス亜種ラクチス若しくはL.クレモリス、スポロラクトバチルス種、特にS.イヌリヌス、及びストレプトコッカス種、特にS.サリバリウス亜種サーモフィラス若しくはS.サーモフィラス、
− ラクトバチルス種:特にL.パラカセイ、L.アシドフィラス、L.アミロボラス、L.カセイ、L.ラムノサス、L.ブレビス、L.クルシパータス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ブルガリクス、L.ファーメンタム、L.ヘルヴェティクス、L.ガリナラム、L.ガッセリ、L.ジョンソニイ、L.プランタラム、L.ロイテリ、L.サリバリウス、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.カセイ亜種カセイ、L.サケ、及び
− ビフィドバクテリア若しくはビフィドバクテリウム種:B.アドレスセンティス、B.アニマリス、B.ビフィダム、B.ブレーブ、B.ラクチス、B.ロンガム、B.インファンチス、B.シュードカテヌラタム
− 及びそれらの混合物。
【0076】
より特に、それは、ラクトバチルス種、スポロラクトバチルス種、エンテロコッカス種、ラクトコッカス種、バチルス種、ストレプトコッカス種、ペジオコッカス種、ロイコノストック種又はビフィドバクテリウム種から選択された、特にラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、及びそれらの混合物から選択された、プロバイオチックな微生物であり得る。
【0077】
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物の例として、ビフィドバクテリウムアドレスセンティス、B.アニマリス、B.ビフィダム、B.ブレーブ、B.ラクチス、B.ロンガム、B.インファンチス、B.シュードカテヌラタム、ラクトバチルス アシドフィラスNCFB 1748、L.パラカセイ、L.アミロボラス、L.カセイ(シロタ)、L.ラムノサス株GG、L.ブレビス、L.クリスパタス、L.ブルガリカス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ファーメンタム、L.ヘルヴェティクス、L.ガリナラム、L.ガッセリ、L.ジョンソニイCNCM I−1225、L.プランタラム、L.ロイテリ、L.サリバリウス、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.カセイ亜種カセイ、L.サケ、エンテロコッカス フェカリス、E.フェシウム、ラクトコッカス ラクチス、L.ラクチス亜種ラクチス、L.ラクチス亜種クレモリス、リューコノストック メセンテロイデス亜種デキストラニカム、ペジオコッカス アシジラクチシ、スポロラクトバチルス イヌリヌス、ストレプトコッカス サリバリウス亜種サーモフィラス、S.サーモフィラス、スタフィロコッカス カルノサス、S.キシロサス、サッカロマイセス セレヴィシエ、S.ボウファルディ、バチルス セレウス バール トヨ、B.セレウスバールスブチリス、B.コアギュランス、B.リケニフォルミス、大腸菌コリ株ニッスル、プロピオニバクバクテリウム フロイデンライヒ及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0078】
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物のより特定の例として、ビフィドバクテリウム ビフィダム、B.インファンチス、B.ロンガム、ラクトバチルス アシドフィラス、L.アリメンタリウス、L.カセイ亜種カセイ、L.カセイ シロタ、L.パラカセイ、L.カルバタス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ガッセリ、L.ジョンソニイ、L.ロイテリ、L、ラムノサス(ラクトバチルスGG)、L.サケ、ラクトコッカス ラクチス、ストレプトコッカス サーモフィラス、スタフィロコッカス カルノサス、S.キシロスス、及びそれらの混合物が特に挙げられ得る。
【0079】
より特に、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物として、ラクトバチルス ジョンソニイ若しくはアシドフィラス、L.ロイテリ、L.ラムノサス、L.パラカセイ、L.カセイ、L.アリメンタリウス、L.カルバタス、L.デルブリュッキイ亜種ラクチス、L.ガッセリ、L.サケ、ビフィドバクテリウム ビフィダム、B.ブレーブ、B.ロンガム、B.アニマリス、B.ラクチス、B.インファンチス、B.アドレセンチス、B.シュードカテヌラタム、及びそれらの混合物が挙げられ得る。
【0080】
本発明における使用に最も適する種は、92年6月30日、99年1月12日、99年4月15日、及び99年4月15日に、以下の表示、CNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168及びCNCM I−2170で、それぞれブタペスト条約に従って、パスツール研究所(F−75024パリ郵便番号15、ドクタール−通り28(28 rue du Docteur Roux、 F−75024 Paris cedex 15)に寄託されたラクトバチルス ジョンソニイ、L.パラカセイ、ビフィドバクテリウム アドレスセンティス、B.ロンガム、及び属ビフィドバクテリウム ラクチス(Bb12)(ATCC27536)又はビフィドバクテリウム ロンガム(BB536)である。ビフィドバクテリウム ラクチス(ATCC27536)の株は、ハンセン(Chr.ハンセンA/S、10−12ベーゲ通り私書箱407号、DK−2970ヒョースホルム、デンマーク(Chr.Hansen A/S、10−12Boege Alle,P.O.Box407,DK−2970 Hoersholm,Denmark)から得られ得る。
【0081】
有利には、本発明における使用に適切である微生物は、糖の発酵により乳酸を生産する乳酸プロバイオチック微生物であり得る。
【0082】
一つの好ましい実施態様に従うと、例えば局所的又は経口的に、特に経口的に、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、特にラクトバチルス属の微生物であり得る。
【0083】
好ましくは、本発明における使用に適切であるラクトバチルス属の微生物は、ラクトバチルス ジョンソニイ、L.アシドフィラス、L.ロイテリ、L.パラカセイ、及びL.カセイ、並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0084】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、ラクトバチルス パラカセイ、L.ジョンソニイ、及びL.アシドフィラス並びにそれらの混合物から選択され得る。
【0085】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、ラクトバチルス パラカセイであり得る。
【0086】
別の好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切である微生物は、CNCM I−2116の表示の下で、92年6月30日にパスツール研究所(F−75024パリ郵便番号15、ドクタール−通り28(28 rue du Docteur Roux,F−75024 Paris cedex 15)に、ブタペスト条約に従って寄託された株ラクトバチルス パラカセイ ST11で特にあり得る。
【0087】
一つの実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、経口的、非経口的、又は局所的に使用される。
【0088】
用語「非経口的」な経路は、経口及び局所経路以外の経路を意味する。本発明における使用に適切である非経口的経路は、例えば鼻経路であり得る。
【0089】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、局所的に使用される。
【0090】
局所的経路は、有利には、所望される効果に関して局所的な作用を得ることを可能にする。
【0091】
別の好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適切であるプロバイオチックな微生物は、経口的又は非経口的に、特に経口的に使用される。
【0092】
経口経路又は非経口的経路は、有利には、所望される効果に関して包括的作用を得ることを可能にする。
【0093】
本発明の微生物は、それを含む組成物の総重量に対して、乾燥重量として表現されて少なくとも0.0001重量%の割合で、特に0.0001重量%〜30重量%の割合で、特に0.001重量%〜20重量%の割合で、より特に0.01重量%〜15重量%の割合で、特に0.1重量%〜10重量%の割合で、特に1重量%〜5重量%の割合で組成物に配合され得る。
【0094】
一般的に、経口的に投与されることを意図された本発明に従う組成物は、生きた微生物の場合、組成物のグラム当たり、10〜1015cfu/g、特に10〜1015cfu/g、より特に10〜1012cfu/gの生きた微生物を、不活性化された又は死んでいる微生物の場合、又は微生物画分、又は製造された代謝物の場合、計算された等しい投与量を含み得る。
【0095】
特に、経口的に投与される組成物においては、対応する微生物及び/又は画分及び/又は代謝物の濃度は、等量の微生物として表現されて、5x10〜1013cfu/日、特に10〜1011cfu/日の範囲の投与量に相当するように調節され得る。
【0096】
本発明に従う局所施与のための組成物は、組成物のグラム当たり0.0001重量%〜30重量%の微生物を、特に0.001重量%〜20重量%、より特に0.01重量%〜15重量%の割合、特に0.1重量%〜10重量%、特に1重量%〜5重量%の割合において、それを含む組成物の総重量に対して一般的に含み得る。
【0097】
局所的な投与の特定の場合において、不活性化された又は死んだ形さえの、特に抽出物又は溶解産物の形の微生物を使用することが有利であり得る。
【0098】
微生物は、細胞成分の画分又は代謝物の形において、特に溶解産物の形において組成物中に含まれていてもよい。微生物、代謝物、又は画分は、凍結乾燥された粉末、培養上澄み、及び/又は適切であれば濃縮された形においてもまた導入され得る。
【0099】
組成物が代謝物を含むときに、組成物中の代謝物の含有量は、組成物の1グラム当たり10〜1015cfu、特に10〜1015cfu、より特に10〜1012cfuの生きた微生物により製造され得る含有量に実質的相当する。
【0100】
微生物の代謝物又は画分、又は死んだ微生物の量の「cfu」における表現は、この微生物の代謝物又は画分の調製のために使用された、この微生物の量を意味することが意図される。
【0101】
組成物
本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、投与の選択されたモードに通常、利用可能な任意の剤形であり得る組成物に有利に配合される。
【0102】
本発明に従う組成物は、生理学的又は薬学的に許容可能な媒体を含む。
【0103】
本発明に従う組成物は、経口的、非経口的、特に皮下的又は皮内的又は局所的に投与され得る。
【0104】
好ましくは、本発明の組成物は、局所的に投与可能であり得る。
【0105】
一つの実施態様に従うと、本発明に従う局所組成物は、皮膚及び粘膜をケアするために適し、かつ軟膏、クリーム、ミルク、ポマード、粉末、含浸されたパッド、溶液、ゲル、スプレー、ローション、又は懸濁物の形であり得る任意の剤形で有利に配合され得る。それらは、微小球又はナノ球又は脂質又はポリマーベシクル又はポリマーパッチ及び制御された放出を許すハイドロゲルの形であり得る。これらの局所組成物は、皮膚化粧料の指示に従う無水の形又は水性の形のいずれかであり得る。
【0106】
局所投与を意図された組成物は、水性、水−アルコール又は油状溶液、ローション又は美容液タイプの溶液又は分散物、脂肪相を水性相に(O/W)又は逆に(W/O)分散させることにより得られた、ミルクタイプの液体又は半液体粘度のエマルジョン、クリームタイプ又は水性又は無水のゲルタイプのソフト、半−固体又は固体の粘度の懸濁物又はエマルジョン、マルチのエマルジョン(W/O/W又はO/W/O)、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロカプセルの製造物、マイクロ粒子の製造物、イオン性及び/又は非イオン性タイプのベシクルの分散物又はワックス/水−相分散物であり得る。
【0107】
一つの好ましい実施態様に従うと、局所組成物は、溶液、クリーム、ゲル、エマルジョン、ムース、又は噴射剤を含むエアロゾル組成物の形であり得る。
【0108】
一つの好ましい実施態様に従うと、局所組成物は、経皮的に例えばパッチ又はゲルパッチ(ハイドロゲル)タイプの活性剤の能動的又は受動的放出のための経皮性のシステムの形であり得る。
【0109】
これらの組成物は、通常の方法に従って製造される。
【0110】
本発明に従う組成物は、皮膚又は頭皮を処置する又はケアするための組成物又は日焼け止め又は人工日焼け組成物、又は皮膚クレンジング又はメイクアップ除去製品、デオドラント製品又は芳香化合物を構成し得る。
【0111】
そうすると、そのような組成物は、着色されていないか又は弱く着色され得、かつ追加の化粧的に又は皮膚科学的に活性な剤、特に以下に記載されるもの、を任意的に含み得る。そうすると、それは、口唇を寒さ及び/又は日光及び/又は風に対して例えばリップバームの形で保護する、皮膚又は口唇のためのケアベースとして、又は顔及び/又は体の皮膚のためのデイ又はナイトクリームとして使用され得る。
【0112】
また、それは薬を添加された又は非添加の、着色又は非着色のシャンプー又はヘアコンディショナーの形でもあり得る。
【0113】
本発明に従う組成物は、着色された化粧料組成物、特に皮膚及び/又は粘膜のためのメイクアップ組成物をもまた構成し得る。特に、そのような組成物はファンデーション、ほほ紅、フェースパウダー、アイシャドー、スティックの形状のコンシーラー化合物、任意的にケア又は処置性を有していてもよい口紅又はリップグロスであり得る。好ましくは、それは、皮膚の色つやを是正するための、着色された(ベージュ又は緑)メイクアップ組成物であり得る。
【0114】
局所的に投与される組成物は、特にクレンジング、保護剤、処置又はケアクリーム、スキンケアローション、ゲル若しくはムース、クレンジング若しくは殺菌ローション、バス組成物、又はデオドラント組成物を構成し得る。
【0115】
本発明に従う組成物は、クレンジング石鹸又はバーを構成する固形調製物からなっていてもよい。
【0116】
本発明の組成物がエマルジョンであるときには、脂肪相の割合は、組成物の総重量に対して5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲であり得る。エマルジョンの形の該組成物において使用されるオイル、乳化剤及び共乳化剤は、化粧料及び/又は皮膚科学において慣用的に使用されるものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、本組成物に、該組成物の総重量に対して0.3重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲の割合で存在し得る。
【0117】
本発明の組成物が、オイル状のゲル又は溶液であるときには、脂肪相は組成物の総重量の90%超であってもよい。
【0118】
公知の方法において、局所投与のために意図された剤形は、化粧料、薬学及び/又は皮膚科学の分野において一般的である助剤、例えば親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、香料、フィラー、遮蔽剤、臭い吸収剤及び染料、をもまた含み得る。これらの種々の助剤の量は、考慮下の分において慣用的に使用される量であり、例えば組成物の総重量の0.01重量%〜20重量%である。その性質に依存して、これらの助剤は、脂肪相及び/又は水性相に導入され得る。
【0119】
本発明において使用され得る脂肪物質として、鉱油例えば水素化されたポリイソブテン及び液状石油ゼリー、植物オイル例えばシアバターの液状画分、サンフラワーオイル、及びアプリコット核オイル、動物オイル例えばパーヒドロスクワレン、合成オイル、特にプルセリンオイル、ミリスチン酸イソプロピル及びパルミチン酸エチルヘキシル、不飽和脂肪酸及びフルオロオイル例えばパーフルオロエーテルが挙げられ得る。脂肪族アルコール、脂肪酸例えばステアリン酸、及び例えばワックス、特にパラフィンワックス、カルナウバワックス及び蜜ロウもまた使用され得る。シリコーン化合物、例えばシリコーンオイル、例えばシクロメチコーン及びジメチコーン、及びシリコーンワックス樹脂及びガムもまた使用され得る。
【0120】
本発明において使用され得る乳化剤として、挙げられ得る例は、ステアリン酸グリセリル、ポリソルベート60、ヘンケル社によりSinnowaxAO(商標)の名前で販売されている、セチルステアリルアルコール/33モルのエチレンオキサイドでオキシエチレン化されたセチルステアリルアルコールの混合物、Gattefosse社によりTefose(商標)63の名前で販売されているPEG−6/PEG−32/ステアリン酸グリコールの混合物、PPG−3ミリスチルエーテル、シリコーン乳化剤例えばセチルジメチコーンコポリオール及びモノステアリン酸ソルビタン又はトリステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸PEG−40及びモノステアリン酸オキシエチレン化(20OE)ソルビタンを含む。
【0121】
本発明において使用され得る溶媒として、低級アルコール特にエタノール及びイソプロパノール、並びにプロピレングリコールが挙げられ得る。
【0122】
本発明の組成物は、有利に、ビッテル水、Vichy盆地からの水及びロシュポゼの水から選択された、湧水及び/又はミネラルウォーターを含む。
【0123】
挙げられ得る親水性ゲル化剤は、カルボキシルポリマー例えばカーボマー、アクリルコポリマー例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド及び特にセピック社によりSepigel305(商標)の名前で販売されているポリアクリルアミドC13〜14、イソパラフィン及びラウレス−7の混合物、多糖類例えばセルロースに基づく誘導体例えばヒドロキシアルキルセルロース及び特にヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、天然のガム例えばグアーガム、ローカストビーンガム及びキサンタンガム、及び粘土を含む。
【0124】
挙げられ得る親水性ゲル化剤は、変性された粘土例えばベントーン、脂肪酸の金属塩例えばステアリン酸アルミニウム及び疎水性シリカ、又はエチルセルロース及びポリエチレンを含む。
【0125】
経口投与のための本発明に従う組成物の場合、摂取可能な支持体の使用が好ましい。
【0126】
摂取可能な支持体は、考慮下の組成物のタイプに従って種々の性質を有し得る。
【0127】
即ち、錠剤、ゲルカプセル又は薬用ドロップ、懸濁物、乾燥形態の経口サプリメント及び液状形態の経口サプリメントは、食品支持体としての使用に特に適する。
【0128】
ミルク、ヨーグルト、チーズ、発酵されたミルク、ミルクをベースとする発酵された製品、アイスクリーム、シリアルをベースとする製品又は発酵されたシリアルをベースとする製品、ミルクをベースとする粉末、嬰児及び幼児用粉ミルク、菓子タイプの食料品、チョコレート、シリアル又は動物用、特にペット用、の餌、もまた食品支持体としての使用に適する。
【0129】
用語「経口組成物」は、本発明に従う少なくとも1のプロバイオチックな微生物を含む例えば栄養の、栄養補強食品の、化粧薬品の又は薬学的な組成物を意味する。
【0130】
本発明に従う経口組成物の配合は、飲める溶液、糖でコーティングされた錠剤、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、飲み込める又は噛める錠剤、ウェファーカプセル、特にソフト又はハードウェファーカプセル、溶解される顆粒、シロップ、固体又は液体の食品、及び制御された放出を許すハイドロゲルを製造するための、当業者に公知の任意の一般的なプロセスにより行われ得る。
【0131】
特に、本発明に従うプロバイオチックな微生物は、任意の形の補助食品又は強化食品、例えばフードバー、又は圧縮された又は緩い粉末に取り込まれ得る。該粉末は水で、ソーダで、乳製品又は大豆誘導物で希釈され得るか又はフードバーに導入され得る。
【0132】
一つの実施態様に従うと、経口的に投与される本発明に従う組成物は、糖衣錠、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、錠剤、ウェファーカプセル、ハイドロゲル、フードバー、圧縮された又は緩い粉末、液状懸濁物若しくは溶液、菓子、発酵されたミルク、発酵されたチーズ、チューインガム、歯磨きペースト又はスプレー溶液の形に配合され得る。
【0133】
経口組成物は、皮膚化粧の必要性に従って、無水の形又は水性の形のいずれかであり得る。
【0134】
本発明のプロバイオチックな微生物は、添加剤及びそのような経口組成物又は補助食品のために一般的である成分、即ち特に脂肪性及び/又は水性成分、湿潤剤、増粘剤、保存剤、組織化剤、風味補強剤及び/又はコーティング剤、抗酸化剤及び保存剤と共にさらに配合され得る。
【0135】
経口組成物のための、特に補助食品のための、配合剤及び添加剤は、この分野において公知であり、本明細書における詳細な説明の課題ではない。
【0136】
本発明のプロバイオチックな微生物の使用の好ましい必要性に従うと、本発明の組成物は化粧料、皮膚科学的又は薬学的組成物である。
【0137】
特に、本発明に従う組成物は、ヒトの消費のための食品組成物であり得る。特に、栄養のあるまるごとの食品、飲料、ミネラルウォーター、スープ、補助食品、及び代替食品、栄養バー、菓子、発酵された又は発酵されていないミルクをベースとする製品、ヨーグルト製品、ミルクをベースとする粉末、溶腸性の栄養製品、嬰児及び/又は幼児用組成物、発酵された又は発酵されていないシリアルをベースとする製品、アイスクリーム、チョコレート、コーヒー又は「調理用製品」例えばマヨネーズ、トマトピューレ又はサラダドレッシングの場合であり得る。
【0138】
本発明に従う組成物は、動物、特にペット、例えば猫及び犬、のために意図されており、動物のために餌又は補助食品の形で配合され得る。
【0139】
一つの好ましい実施態様に従うと、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、非経口的に、特に皮下的又は皮内的に使用され得る。
【0140】
そのような使用において、本発明における使用に適するプロバイオチックな微生物は、水性又は非水性の等張溶液の形、適切であれば投与の直前に、無菌の粉末、例えば凍結乾燥された粉末を使用して調製された分散物、懸濁物、又はエマルジョンの形で調整され得、次に使用のときに注射可能な無菌の溶液若しくは分散物の形で再構成される。
【0141】
用語「無菌」は、表皮内及び/又は真皮内及び/又は皮下投与のために要求される無害性を保証することのできる配合物に資格がある。
【0142】
本発明における使用に適する組成物は、注射可能な無菌の溶液の分野において通常使用される任意の添加剤を含み得る。
【0143】
本発明の組成物の非経口的投与は、表皮間及び/又は真皮間及び/又は皮下注射に適する任意の注射技術により行われ得る。即ち、そのような投与は、メソセラピーに適する、表皮間及び/又は真皮間及び/又は皮下注射を行うために通常使用される針により行われ得る。
【0144】
追加の活性剤
本発明に従うプロバイオチックな微生物は、追加の活性剤、特に化粧的な又は薬学的な活性剤と組み合わせて有利に使用され得る。
【0145】
有利に、そのような追加の化粧的な又は薬学的な活性剤は、皮膚、毛、まつ毛、体毛及び/又は頭皮、好ましくは皮膚、に化粧的、ケア的又は衛生的な効果を発揮することを意図され得る。
【0146】
追加の活性剤は、該剤が本発明のプロバイオチックな微生物の効果を害さないように当業者により選択される。
【0147】
特に、本発明における使用に適する追加の活性剤は、皮膚のバリアーを強化するための活性剤から選択され得る。
【0148】
別の実施態様に従うと、皮膚の病気を防止する及び/又は処置するための活性剤が、本発明に従う微生物と併用され得る。
【0149】
使用され得る追加の活性剤として、以下が挙げられ得る。
− ビタミン類、例えばビタミンA、B5、B6、B8、C、D、E又はPP(ビタミンB3即ちナイアシン)、
− 抗酸化剤、例えばクルクミノイド;カロテノイド、特にβ−カロテン、リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、及びルテインから選択されるカロテノイド;ポリフェノール化合物、フラボノイド例えばカテキン;プロアントシアニン類、アントシアニン、及びPCO類(プロシアニドールオリゴマー);ユビキノン;ポリフェノール類及び/又はジテルペン類を含むコーヒー抽出物;チコリ抽出物;イチョウ抽出物;プロアントシニジン豊富なブドウ抽出物;ピメント抽出物;大豆抽出物、
− ミネラル、例えば亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨウ素、マンガン、セレン又はクロム(III)、
− 糖、
− アミノ酸、特に硫黄含有アミノ酸、例えばグルタチオン前駆体、タウリン及びセレン含有アミノ酸、
− 3〜6のポリ不飽和脂肪酸、
− グルコース、ガラクトース、キシロース、マルトース、ショ糖、乳糖、澱粉、キシラン、ヘミセルロース、イヌリン、例えばアカシアタイプのガム、又はそれらの混合物から選択されるオリゴ多糖類から選択されるプレバイオチック。より特に、オリゴ糖は、少なくとも1のフルクト−オリゴ多糖類を含む。より特に、好ましくはこのプレバイオチックは、フルクト−オリゴ多糖類とイヌリンとの混合物を含む、
− フィトステロール、例えばレスベラトロール
− ヘスぺリジン及び
− これらの混合物。
【0150】
一つの実施態様に従うと、タンパク質若しくはタンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、特にC〜C10ポリオール、例えばグリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコール、尿素、アラントイン、糖類及び糖誘導体、水溶性ビタミン、澱粉及びバクテリア又は植物抽出物例えばアロエベラの抽出物が、追加の親水性活性剤としてより特に局所的剤形の形において使用され得る。
【0151】
別の実施態様に従うと、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、セラミド、精油、及び不懸化物(トコトリエノール、セサミン、ガンマ−オリザノール、フィトステロール、スクワレン、ワックス及びテルペン)が、追加の親油性活性剤としてより特に局所的剤形の形において使用され得る。
【0152】
経口剤形の追加の活性剤として、任意の一般的に使用される及び/又は許される成分もまた考慮され得る。
【0153】
例えば、ビタミン、ミネラル、精製された脂肪、微量元素、ポリフェノール、フラボノイド、フィトエストロゲン、抗酸化剤例えばリポ酸及びコエンザイムQ10、カロテノイド、プレバイオチック、たんぱく質及びアミノ酸、単糖類及び多糖類、アミノ糖、フィトステロール及び植物起源のトリテルペンアルコールが挙げられ得る。
【0154】
これは、特にビタミンA、C、D、E及びPP及びBの群のビタミン、特にB5、B6及びB8に関する。
【0155】
カロテノイドの中で、β−カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン及びアスタキサンチンが好ましく選択される。
【0156】
特に使用されるミネラル及び微量元素は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨー素、マンガン、セレン、及びクロム(III)である。
【0157】
ポリフェノールの中で、ブドウ、茶、オリーブ、ココア、コーヒー、リンゴ、ブルーベリー、エルダーベリー、苺、クランベリー、及び玉ねぎからのポリフェノールが特に選択され得る。
【0158】
好ましくは、フィトエストロゲンの中では、遊離又はグリコシレート化された形のイソフラボン、例えばゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン又はリグナン、特にアマ及びチョウセンゴミシからのものが選択される。
【0159】
好ましくは、本発明における使用に適するアミノ酸の中では、タウリン、トレオニン、システイン、トリプトファン又はメチオニン又はペプチド及びそれらを含むタンパク質が選択され得る。
【0160】
好ましくは、本発明における使用に適する脂質の中で、単不飽和及び多飽和脂肪酸を含むオイルの群に属する脂質、例えばオレイン酸、リノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、ステアリドン酸、長鎖魚ω−3脂肪酸、例えばEPA及びDHA、植物又は動物から得られる共役脂肪酸例えばCLA(共役リノール酸)が選択され得る。
【0161】
即ち、経口投与を意図された組成物は、リコピン、ビタミンC、ビタミンE、及びポリフェノール化合物から選択された少なくとも1の栄養活性剤をもまた含み得る。
【0162】
本発明の経口組成物は、以下から選択される他の栄養活性剤をもまた含み得る。
− 抗老化栄養活性剤例えば食品抗酸化剤、ラジカル捕捉性を有する栄養素及び抗酸化内因性酵素の共因子、ビタミンA、C及びE、カロテノイド、キサントフィル、イソフラボン、ある種のミネラル例えば、亜鉛、銅、マグネシウム又はセレン、リポ酸、コエンザイムQ10、スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)又はタウリン。抗老化活性剤の中で、植物起源の脂肪から抽出される不ケン化性画分、アロエベラ、天然型又は加水分解された海洋コラーゲン、及びオメガ−3及びオメガ−6脂肪酸(γ−リノール酸を含む)に富んだ植物又は海洋油が、特に挙げられ得る。
− 光保護の栄養活性剤、例えば抗酸化剤及びフリーラジカル捕捉剤;ビタミンA、C及びE、カロテノイド、キサントフィル、ある種のミネラル、例えば亜鉛、銅、マグネシウム又はセレン、コエンザイムQ10及びスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)、
− 保湿化又は免疫調節性を有する栄養成分、例えばポリポジウム ロイコトモスの抽出物、オメガ−3及びオメガ−6脂肪酸(γ−リノール酸を含む)に富んだ植物又は海洋油。
【0163】
一つの実施態様に従うと、本発明は皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置することを必要とする個人の場合に、皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置するための化粧方法において、該個人に少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属のものを投与する少なくとも1の工程を含む該方法に関する。
【0164】
本発明に従うと、本発明における使用に適する方法は、皮膚のマイクロレリーフの損傷の低下を若しくは皮膚のマイクロレリーフの改善さえを観察することからなる工程を含み得る。
【0165】
本発明に従う方法は、上で定義された局所的化粧料及び/又は皮膚科学組成物の投与により局所的に特に行われ得る。
【0166】
有利に、局所的施与を含む本発明の方法は、例えば皮膚の上のマスクの形においての、本発明に従う少なくとも1のプロバイオチックな微生物を含む組成物の施与を含み得る。
【0167】
そのような投与は、これらの組成物を使用して通常の技術に従って実行され得る。例えばそれは、クリーム、ゲル、セラ又はローションの皮膚又は粘膜への施与から成っていてもよい。
【0168】
本発明に従う局所的化粧方法は、例えば毎日、例えば1日あたり1回の投与の割合で、又は1日2回、例えば午前中に1回及び夜に1回、の投与の割合で行われ得る。
【0169】
本発明に従う局所的化粧方法は、1週間から数週間、又は数カ月の範囲の期間に亘って行われ得、この期間は、処置のない期間の後、数カ月又は数年の間、おそらくさらに繰り返される。
【0170】
例えば、本発明に従うプロバイオチックな微生物の局所的投与は、例えば1日に2〜3回又はより多く、一般的には少なくとも4週間、又は4〜15週間さえの延長された期間に亘って、適切であれば1以上の中止の期間をもちながら繰り返され得る。
【0171】
本発明に従う化粧方法は、上で定義された食品組成物の投与により特に、経口的に行われ得る。
【0172】
有効量の微生物は、1日当たり1回の投与で、又は1日に亘って分別の投与で、例えば1日に2〜3回、投与され得る。
【0173】
経口的化粧方法は、1週間から数週間、又は数カ月の範囲の期間に亘って行われ得、この期間は、処置のない期間の後、数カ月又は数年の間、おそらくさらに繰り返される。
【0174】
例えば、本発明に従うプロバイオチックな微生物の経口投与は、例えば1日に例えば3回又はより多くの割合で、一般的には少なくとも4週間、又は4〜15週間さえの期間に亘って行われ、任意的に1以上の中止の期間を含むか又は中止の期間の後に繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】ST11群(明るい灰色の線及び記号)の個人の場合及びプラセーボの群の個人の場合(濃い灰色の線及び記号)の、経時的な、即ち第1日、第29日及び第57日における目のコーナーにおけるマイクロレリーフの溝の数の変化を示す。カラスの足跡の領域におけるマイクロレリーフの溝の数は、ST11の群の場合、著しく減少する。結果は平均±信頼区間として表現される。
【図2】ST11群(明るい灰色の線及び記号)の個人の場合及びプラセーボの群(濃い灰色の線及び記号)の個人の場合の、経時的、即ち第1日、第29日及び第57日におけるカラスの足跡の領域におけるマイクロレリーフの溝の深さにおける変化を示す。カラスの足跡の領域におけるマイクロレリーフの溝の深さは、ST11群の個人の場合において著しく減少する。結果は平均±信頼区間として表現される。
【図3】ST11群(明るい灰色の線及び記号)の個人の場合及びプラセーボの群(濃い灰色の線及び記号)の個人の場合の、経時的、即ち第1日、第29日及び第57日におけるコーナーの数の変化を示す。コーナーの数は、ST11群の個人の場合に著しく増加する傾向がある。結果は平均±信頼区間として表現される。
【0176】
以下の説明及び実施例において、他に明記されなければ、百分率は重量百分率であり、「〜及び〜の間」の形で述べられた値の範囲は述べられた下限及び上限を含む
【0177】
成分は、当業者により容易に決められ得る順番及び条件下、形成される前に一緒に混合される。
【0178】
本発明の組成物において使用される成分の含有量及び性質は、本発明の組成物に要求される性質に本質的に影響を及ぼさないように当業者により調節される。
【0179】
以下の実施例は、本発明の非制限的な例として示される。
【実施例】
【0180】
実施例1
皮膚のマイクロレリーフへのラクトバチルスパラカセイST11を含む補助食品の効果
【0181】
物質及び方法
【0182】
ラクトバチルスパラカセイST11を含む補助食品の皮膚のマイクロレリーフに及ぼす効果は、33人の2つの並行群において、二重盲のランダム化された制御された比較単中心試験:補助食品(ST11の群)対プラセーボ(プラセーボ群)を実施することにより測定された。
【0183】
皮膚のマイクロレリーフの測定は、Skin Chip(商標)マシーンを使用して超音波検査により行われた。
【0184】
試験のために選択された個人は、試験の始め(第0日)においてDensiscore(商標)で4又は5の得点を有する、60歳超の健康な男性であり、原則として発酵された製品の低い消費者である(125g/日)。
【0185】
試験の間、ボランティアは、生きた菌を含むいかなる発酵製品(ヨーグルト、カッテージチーズ、発酵されたミルク、低温殺菌されていないチーズ等)を消費しないことに同意した。
【0186】
補助食品は、10cfuの総投与量における生きたラクトバチルス パラカセイNCC 2461(STl1)及びマルトデキストリンを含む粉末の形で配合された。粉末は、飲める液体、好ましくは水、に分散又は溶解されることができる。
【0187】
プラセーボは、マルトデキストリンのみを含む粉末の形で配合された。該粉末は、飲める液体、好ましくは水に、分散又は溶解されることができる。
【0188】
処置は、1日1回、61日間投与された。測定は第42日(プレ細胞含有物(preinclusion))、第0日、第1日、第2日、第3日、第4日、第5日、第29日、第30日、第31日、第32日、第33日、第57日、第58日、第59日、第60日、及び第61日に行われた。
【0189】
皮膚のマイクロレリーフの分析は、検査の始め及び各測定時間における、目のコーナーのシリコーンポリマー(Silflo(商標))の押印の製造及び以下のプロトコルに従ってのSkin Image Analyser(商標)(SIA(商標))を使用しての測定により行われた。
【0190】
表面の複製が、35°の斜光により照明されて、投影された影を作り出し、それは、次にコンピューターシステムに接続されたCCDカメラを使用して観察された。観察された視野は1cmであった。得られたデジタル画像はグレースケールで分析され、皮膚の表面の凹凸を特徴づける種々のパラメーターを得た。
【0191】
Quantirides(商標)ソフトウェア(モナダーム)を使用して調べられたパラメーターは、リンクルのある総面積及び皮膚のマイクロレリーフの溝の数及び平均深さであった。
【0192】
マイクロレリーフの溝の最大深さは55μmに設定された。それが考慮に入れられるべき溝の最小面積は任意的に0.03mmに設定された。
【0193】
左の前腕の皮膚のマイクロレリーフの評価もSkin Chip(商標)マシーンを使用して行われた。
【0194】
Skin Chip(商標)マシーンは、電気誘電率を測定するSTマイクロエレクトロニクスセンサーマトリックス(500dpiにおいて256x360)により構成される。この性質は、皮膚/センサーの距離及び皮膚の伝導性、即ち特にその湿潤化、に依存する。該マトリックスの各センサーは、8ビット(0〜255)にコードされた情報を与え、それは、グレースケールに変換されたとき、皮膚の組織及びマイクロレリーフの可視化を許す画像を構成する(ブラックピクセル:皮膚と接触するプローブの表面;ホワイトピクセル:皮膚から遠いプローブ(マイクロレリーフの溝の底))。
【0195】
結果
顔の皮膚のマイクロレリーフの溝の数(図1)
目のコーナーのシリコーンポリマー(Silflo(商標))の押印が検査の始まり及び各測定時間において作成され、次に、Skin Image Analyser(商標)(SIA(商標))を使用して検査された。マイクロレリーフの溝の最大深さは55μmに設定された。
【0196】
ST11及びプラセーボ群について得られた測定は、第1日は、同程度であるようである(p=0.2585)。
【0197】
ST11の群のボランティアのみが、時間が経つと(第29日から)目のコーナーにおけるマイクロレリーフの溝の数の有意な減少を観察した。補充後、カラスの足跡のマイクロレリーフの溝の数における19.6%の減少がST11の群について観察され、プラセーボの群については11.8%の減少が観察された。
【0198】
第1日と第57日との間の変化は、ST11の群に有利な明らかな傾向が観察され得るが、2つの処置の間で、相違があるようには見えない(p=0.5181)。
【0199】
表1
全ての時間における第1日に対する、目のコーナーのマイクロレリーフの溝の数の変化の群内及び群間での比較の試験(p−値)
【0200】

【0201】
顔のマイクロレリーフの溝の深さ(図2)
測定は、上記のように、目のコーナーの押印について行われた。
【0202】
ST11の群とプラセーボの群との間で得られた測定は、第1日には同程度であるように見える(p=0.5533)。
【0203】
ST11の群のボランティアだけが、第1日と第57日の間で目のコーナーにおけるマイクロレリーフの溝の深さの有意な減少を観察した。補充後、マイクロレリーフの溝の深さにおける2.6%の減少がST11の群の個人について観察され、プラセーボの群の個人では0.3%の減少が、観察された。
【0204】
2つの群の間での第1日と第57日との変化は傾向として異なる(p=0.0556)。
【0205】
表2
全ての時間における第1日に対する、目のコーナーのマイクロレリーフの溝の深さの変化の群内及び群間での比較の試験(p−値)
【0206】

【0207】
Skin−Chip(商標)マシーンを使用しての、前腕におけるマイクロレリーフの分析(図3)
全体のマイクロレリーフが、コーナーの密度パラメーター又は1cm当たりのコーナーの数を測定することにより評価される。このパラメーターは、1cm当たりの第一次小じわの相互の交点の数を表し、マイクロレリーフの小じわの方向の指標である。このパラメーターの高い値は、若く、滑らかで、健康な皮膚の特徴である。
【0208】
ST11の群とプラセーボの群との間で得られた測定は第1日においては同程度であるようである(p=0.7316)。
【0209】
1cm当たりのコーナーの数、その増加は若返らせる効果を反映し、ST11の群の個人についてのみ、経時的にかなり増加するのに対してプラセーボの群の個人の場合には、有意な変化は観察されない。
【0210】
2つの群の間での第1日と第57日との変化は、有意に異なり、ST11の群に有利である(p=0.0117)。これは、プラセーボの群に対して統計的に有意である、ST11の群の個人の場合に若返り効果を反映する。
【0211】
本発明に従う補助食品の補充後は、ST11の群の個人の場合、コーナーの数の3.8%の増加及びプラセーボの群の場合の1.8%のみの増加であった。
【0212】
表3
全ての時間における第1日に対する、1cm当たりのコーナーの数の変化の群内及び群間での比較の試験(p−値):
【0213】

【0214】
結論
上で詳細に説明された臨床試験において得られた結果は、2月間、1日当たり10cfuの投与量でラクトバチルス パラカセイ(ST11)を含む補助食品を経口投与することは、
SIA(商標)による皮膚のマイクロレリーフの測定については
− ST11の群の個人の場合にのみ、経時的に、顔のマイクロレリーフの溝の数及びその深さの減少を得ることを可能にし(マイクロレリーフの溝の深さの変化が第1日と第57の間で分析されたとき、2つの処置の間での相違は傾向において有意であり、ST11の群に有利である(p=0.0556))、
Skin−Chip(商標)による皮膚のマイクロレリーフの測定については
− ST11の群の個人の場合にのみ、マイクロレリーフのネットワークの改善を得ることを可能にすることを示す(2つの処置の間の変化が第1日と第57との間で分析されたとき、相違は統計的に有意であり、ST11の群に有利である(p=0.0117))。
【0215】
実施例2
本発明に従う局所的組成物
【0216】

【0217】

【0218】

【0219】

【0220】

【0221】
実施例3
経口組成物
【0222】

【0223】
1のスティックが1日当たり摂取され得る。
【0224】

【0225】
これらのウェファーカプセルの1〜3が1日当たり摂取され得る。
【0226】

【0227】
このタイプの糖衣錠は1日当たり1〜3回摂取され得る。
【0228】

【0229】
このタイプの糖衣錠は1日当たり1〜3回摂取され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属の微生物、を、皮膚のマイクロレリーフの損傷を処置する及び/又は防止するために有用である活性剤として化粧的に使用する方法、ただし、上記プロバイオチックな微生物は、重量ベースで
− 875.42gの1.7%全乳、
− 10gの1.0%スキムミルク、
− 30gのネスレ(商標)LCIヨーグルト、
− 70gの砂糖、
− 3gの安定化剤、
− 0.08gのタンジェリンの香料
− 0.93gのテアビゴー
− 0.17gのゲニステインTG
− 0.14gのレスベラトロール
− 0.24gの7%βカロテンCWS、
− 10gのROPUFA(商標)“30”n−3の食用オイル
を含む組成物に配合されたラクトバチルス ジョンソニイとは異なる。
【請求項2】
該皮膚のマイクロレリーフの溝の数を減少させるための、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該皮膚のマイクロレリーフの溝の深さを減少させるための、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該マイクロレリーフが顔の皮膚のマイクロレリーフである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該プロバイオチックな微生物が、経口的に、局所的に又は非経口的に、特に経口的に投与される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
該プロバイオチックな微生物が、生きた形、半活性の形、不活性な形又は死んだ形において使用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該プロバイオチックな微生物が、溶解産物の形で使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該プロバイオチックな微生物が、ラクトバチルス種、ビフィドバクテリウム種、球菌、酵母及び胞子形成バクテリア、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該プロバイオチックな微生物が、ラクトバチルス パラカセイ、特に、CNCM I−2116(ST11)である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該プロバイオチックな微生物が、それを含む組成物の総重量に対して、0.0001重量%〜30重量%の割合で、特に0.001重量%〜20重量%の割合で、より特に0.01重量%〜15重量%の割合で、特に0.1重量%〜10重量%の割合で、特に1重量%〜5重量%の割合で、組成物において使用される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該プロバイオチックな微生物が、それを含む組成物のグラム当たり、10〜1015cfu/g、特に10〜1015cfu/g、より特に10〜1012cfu/gの生きた微生物を、経口により生きたまま使用される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該プロバイオチックな微生物が、追加の活性剤と組み合わせて使用される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
皮膚のマイクロレリーフの損傷を防止する及び/又は処置するための化粧的方法において、請求項5〜11のいずれか1項に記載の、少なくとも1のプロバイオチックな微生物、特にラクトバチルス属の微生物、の投与を含む方法、ただし、該プロバイオチックな微生物は重量ベースで、
− 875.42gの1.7%全乳、
− 10gの1.0%スキムミルク、
− 30gのネスレ(商標)LCIヨーグルト、
− 70gの砂糖、
− 3gの安定化剤、
− 0.08gのタンジェリンの香料
− 0.93gのテアビゴー
− 0.17gのゲニステインTG
− 0.14gのレスベラトロール
− 0.24gの7%βカロテンCWS、
− 10gのROPUFA(商標)“30”n−3食用オイル
を含む組成物に配合されているラクトバチルス ジョンソニイとは異なる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−512947(P2013−512947A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542668(P2012−542668)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055630
【国際公開番号】WO2011/070509
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【出願人】(512110787)ネステック エスエー (2)
【Fターム(参考)】