説明

皮膚の光防護に適するペットフード組成物

【課題】ペットにおいて、日射から皮膚を保護するとともに、関連皮膚疾患を弱める又は予防するための経口摂取可能なペットフ−ド組成物を提供する。
【解決手段】経口摂取可能なキャリヤーの中に含有された光防護有効量のi)少なくとも一つのプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液と、ii)少なくとも一つの酵母と、iii)カロテノイドまたは誘導体とを含んでいるペットフード組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線に曝される前、曝されている間、および/または曝された後いずれであろうとも、皮膚の光防護(photoprotection)に適するペットフード組成物に関し、また、かかるUV照射によって生じる損傷を防止および/または軽減するためのそれの使用に関する。本発明はまた、皮膚の光防護を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大気のオゾン層の引き続く減少およびそれと同時に地球表面に到達する紫外線の増加はヒトの健康に対するその潜在的な重大性において非常な関心を引きつけている。
【0003】
実際、320nm〜400nm(UV−A)の波長の光線はヒトの表皮(epidermis)の日焼け(tanning)を促進することが知られている;しかしながら、かかる放射線は皮膚に損傷を生じさせるようであり、特に、過敏性の皮膚や、継続的に日射に曝される皮膚の場合にはそうである。UV−A線は特に皮膚の弾性喪失および皺の出現を引き起こし、皮膚の早期老化を促進する。また、280nm〜320nm(UV−B)の波長を有する光線は紅斑(erythema)や、日焼け色(tan)の自然発現を損なうことがある皮膚熱傷化(skin burning)を生じさせることが知られている。
【0004】
紫外線への露出はビタミンDを生産するのに必要であるけれども、増大する証拠は日光特に紫外線への過度の露出が或る種の皮膚がんの誘発および促進された皮膚老化の誘発を含めて皮膚に様々な問題を生じさせることを示唆している。
【0005】
これら確立された健康への関心に加えて、研究はまた、紫外線への露出が、紫外線で刺激された皮膚内で局所でも、および、全身的にも、即ち、刺激された皮膚から離れた部位においても、どちらにおいても、生存における様々な免疫応答にマイナスの影響を与えるかもしれない、ということを示唆する証拠を提供している。
【0006】
従って、紫外線への露出後に適切な皮膚の質を維持するためには、露出前に皮膚をととのえておく又は処置しておくこと、露出中に皮膚を保護すること、皮膚に対する紫外線の有害な作用を軽減し、皮膚の紅斑、浮腫(edema)および/または薄片化(flaking)または鱗化(scaling)(角化症(hyperkeratosis))の発現を予防さえすることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ペットの皮膚の光防護機能を改善および/または強化することができる経口投与可能な(ingestable)組成物に対する必要性がこの分野には存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
従って、第一の局面においては、本発明は、i)少なくとも一つのプロバイオティック(probiotic)乳酸菌またはその培養上澄み液と、ii)経口的に許容できるキャリヤーの中に含有された少なくとも一つの酵母および/または経口摂取可能なキャリヤーの中に含有された一つのカロテノイド(carotenoid)または誘導体との、光防護有効量を含んでいる、皮膚の光防護のための経口摂取可能な組成物を提供することを目指している。
【0009】
さらに、本発明は、ペットの皮膚を、紫外線のような放射線から、および、例えば、紅斑、炎症、日焼け炎症(sun burn)、バリヤー機能、光老化、免疫システムの変質のような全ての関連皮膚疾患から、保護するための経口摂取可能なキャリヤーを調製するための、i)少なくとも一つのプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液とii)少なくとも一つの酵母および/または一つのカロテノイドまたは誘導体との光防護有効量の使用に関する。
【0010】
最後の局面においては、本発明は、経口摂取可能なキャリヤーの中に光防護有効量のi)少なくとも一つのプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液とii)少なくとも一つの酵母とを含んでいる組成物を、ペットに経口投与する工程を含む、ペットの皮膚の光防護機能を改善する方法に関する。
【0011】
本発明はまた、上記通りのペットフード組成物をペットに与える工程を含む、ペットの老化の影響を低下させる方法を提供する。
【0012】
本発明に従う組合せは皮膚保護および皮膚変色に対して特に有益な効果を有し、それは皮膚に対する紫外線関連ストレスの影響を低下させるのを助ける。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細)
以下の記述の中で、「NCC」はネッスル・カルチャー・コレクション(Nestle Culture Collection)を表わしている(ネッスル・リサーチ・センター(Nestle Research Center)、スイス国ローザンヌのベル・チェズ・レ・ブランク(Vers−chez−les−Blanc))。用語「光防護」は、皮膚に対する日射曝露の臨床的、組織的および免疫的な悪影響を遮断または低減する試みを記述するのに使用されている。
【0014】
本発明によれば、対象の組成物は、そのための有効薬剤として、少なくとも一つのプロバイオティック乳酸菌類もしくはビフィドバクテリウム属細菌類(bifidobacteria)またはその培養菌上澄み液と少なくとも一つの酵母および/または一つのカロテノイドとの集成的混和(combinatory immixture)を含んでいる。
【0015】
実際、このたび、驚くべきことにそして予想外にも、これら非常に特殊な成分の混和物が皮膚の光防護に関して強化された効果または応答を引き出すことが確認された。
【0016】
プロバイオティックス(probiotics)は胃及び小腸を通しての通過に生き残る非病因性(non−pathogenic)かつ非毒素生産性(non−toxigenic)の生物類(organisms)である。それらは、宿主によって継続摂取されると、明らかに、実質的な度合にまで腸でコロニーを作ることができ(colonize)、従って、栄養源および/または腸壁上の付着部位について、他の潜在的に病因性細菌と競合しそして感染を低減または予防する。これまで、多数の様々なプロバイオティック微生物が発見されたが、それらはいずれも、毒素、代謝副産物、短鎖脂肪酸などの生産を経て腸内でそれらの効果を及ぼすと報告されている。
【0017】
今や、プロバイオティックスはそれらがコロニーを作ることができる領域から遠い局所において個々の体内で効果を及ぼすことが示された。そして特に、驚くべきことには、経口摂取可能キャリヤーの中にプロバイオティック微生物と酵母を合わせることによって皮膚に対して相乗的な光防護効果を有する組成物が得られるということが明らかにされた。
【0018】
好ましい態様においては、キャリヤーの中へ包含されるべきプロバイオティックは、乳酸菌、特に、乳酸桿菌属細菌類(Lactobacilli)、ビフィドバクテリウム属細菌類(Bifidobacteria)または腸球菌類(Enterococci)、からなる群から選ばれ;そして、より好ましくは、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus caseiまたはBifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Enterococcus faecium、Enterococcus sp.またはそれらの混合物である。
【0019】
最も好ましい態様によれば、菌株類(strains)、Lactobacillus johnsonii NCC533、Lactobacillus paracasei NCC2461、Bifidobacterium adolescentis NCC251、およびBifidobacterium longum NCC490は例として、パスツール研究所(the Institut Pasteur)(28 rue du Docteur Roux, F−75024, Paris Cedex 15)とのブダペスト協定(the Budapest Treaty)のもとで、それぞれ、92年6月30日、99年1月12日、99年4月15日、および99年3月15日に、そしてそれぞれ、寄託番号(deposit number)CNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168、およびCNCM I−2170で寄託された。
【0020】
ハンセン(Hansen)(Chr. Hansen A/S, 10−12 Boege Alle, P.O. Box 407, DK−2970 Hoersholm, Danemark)によって提供されたBifidobacterium lactis(ATCC27536)の菌株も使用できる。
【0021】
本発明によるプロバイオティック微生物は生きている形態で、半活性の又は失活された形態で、たとえば、凍結乾燥粉末として、含有されていてもよい。また、微生物の培養上澄み液が製品の中に、場合によっては、濃縮形態で、含有されていてもよい。それはまた、カプセル化された形態で含有されていてもよい。プロバイオティックの培養液の上澄み液を使用する場合には、上澄み液はそのようなものとして使用されてもよいし、又は活性成分(単数または複数)/代謝物(単数または複数)を濃縮または単離するために製品への含有に先立って一つまたはそれ以上の精製工程を受けてもよい。化合物を精製しそして得られた画分の中のその活性度を検出するための方法および技術は当業者には周知である。
【0022】
プロバイオティック乳酸菌はキャリヤー中には、経口摂取可能なキャリヤー1g当り少なくとも10cfuの量で、好ましくは、経口摂取可能なキャリヤー1g当り約10〜1015cfuの量で、そしてより好ましくは、経口摂取可能なキャリヤー1g当り10〜1012cfuの量で、存在してもよい。
【0023】
それは、単独または混和物にかかわらず適切なビヒクル、たとえば、水、有機溶剤、および油を含めて脂肪物質、の中の分散形態で、組み込まれてもよい。
【0024】
本発明による組成物は酵母も含んでいる。好ましい態様においては、酵母は真性子嚢菌類(Ascomycotina)または不完全菌類(Deuteromycotina)からなる群から選ばれたいずれかの食品級酵母である。好ましい態様においては、酵母は、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、ヤローウィア属(Yarrowia)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、カンジダ属(Candida)及びロドトルラ属(Rhodutorula)からなる群から選ばれてもよく、そしてより好ましくは、Saccharomyces caerevisae(パン酵母)である。
【0025】
かかる酵母は乾燥された又は凍結乾燥された抽出物の形態で使用されてもよい。それはキャリヤー中に、経口摂取可能なキャリヤー1g当り少なくとも10cfuの量で、好ましくは、経口摂取可能なキャリヤー1g当り約10〜1015cfuの量で、そしてより好ましくは、経口摂取可能なキャリヤー1g当り10〜1012cfuの量で、存在してもよく、前記量は具体的酵母の性質および活性度に依存する。
【0026】
カロテノイドはプロビタミンA活性をもった又はもたないカロテノイドであってもよい。それはβ−カロテン、γ−カロテン、α−カロテン、リコペン、ゼアキサンチン(zeaxanthine)およびルテイン、またはそれらの混合物であってもよい。カロテノイドは合成または天然出所からのものであってもよいし、又は天然抽出物の中に含有されていてもよい。カロテノイドが天然由来である場合には、それは好ましくは植物素材から得られ、そこでは、植物は生体内で又は生体外で成長する。カロテノイドを抽出する方法は周知である。カロテノイドはキャリヤー中に10−12重量%〜20重量%で存在してもよく、そして好ましくは0.00001mg〜50mg/日、より好ましくは0.001mg〜30mg/日である。
【0027】
複数の乳酸菌、酵母および/またはカロテノイドの混合物が使用されてもよい。
【0028】
キャリヤーはいずれかのペットフードまたは医薬製品、または栄養サプリメントまたはトリート(treat)であってもよく、そこに、プロバイオティック微生物、酵母および/またはカロテノイドが含有されていてもよい。キャリヤーを製造する方法は周知である。
【0029】
前記組成物は、通常のペット用餌へのサプリメントとして、または栄養的に完全なペットフードの成分として、ペットに経口投与されてもよい。それはまた、医薬品組成物であってもよい。
【0030】
本発明に従う栄養的に完全なペットフード組成物は粉末化された、乾燥された形態であってもよいし、トリートであってもよいし、又は湿った、冷凍された若しくは保存安定性のペットフード製品であってもよい。植物または植物抽出物は別として、これらペットフードは澱粉源、蛋白源または脂質源のいずれか一つまたはそれ以上を含有していてもよい。
【0031】
適する澱粉源はたとえば、穀類および豆類、たとえば、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、オートムギ、大豆、およびこれらの混合物、である。適する蛋白源はいずれか適する動物性または植物性蛋白源、たとえば、ミートおよびミール、ポウルトリーミール(poultry meal)、フィッシュミール、大豆蛋白濃縮物、乳蛋白、グルテンなど、から選ばれてもよい。年とった動物用には、蛋白源が高品質蛋白を含有することが好ましい。適する脂質源は肉、動物性脂肪および植物性脂肪が挙げられる。
【0032】
澱粉、蛋白質および/または脂質の源の選択は動物の栄養必要性、おいしさ考慮、および適用される製品のタイプによって大幅に決まるであろう。老年ペット向けには、好ましくは、ペットフードは若年ペット向きペットフードよりも割合に低い脂肪を含有する。さらには、澱粉源はコメ、オオムギ、コムギおよびトウモロコシの一つまたはそれ以上を包含してもよい。
【0033】
ペットフードは場合によっては、プレバイオティック(prebiotic)または別の活性剤、たとえば、長鎖脂肪酸、を含有してもよい。ペットフードの中のプレバイオティックの量は好ましくは、10重量%未満である。たとえば、プレバイオティックはペットフードの約0.1重量%〜約5重量%を成してもよい。プレバイオティックの源としてチコリー(chicory)を使用するペットフードについては、チコリーは供給材料混合物の約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは、約1重量%〜約5重量%、を成すように含有されてもよい。
【0034】
適する長鎖脂肪酸はリノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸が挙げられる。魚油はエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸の適する源である。ボリジ油(borage oil)、ブラックグズベリー種子油(blackcurrant seed oil)および月見草油(evening primrose oil)はγ−リノレン酸の適する源である。サフラワー油、ひまわり油、とうもろこし油および大豆油はリノール酸の適する源である。
【0035】
必要ならば、ペットフードはミネラルやビタミンをそれらが栄養的に完全であるように補強される。さらに、様々なその他成分、たとえば、糖、塩、スパイス、シーズニング、着香剤など、も、所望ならば、ペットフードの中に組み込まれてもよい。
【0036】
乾燥ペットフードのためには、適するプロセスは食品押出加工(extrusion cooking)であるが、ベーキングやその他の適するプロセスが使用されてもよい。食品押出加工された場合、乾燥ペットフードは通常、キブル(kibble)の形態で提供される。プレバイオティックが使用される場合には、プレバイオティックは加工に先立って乾燥ペットフードのその他成分と混合されてもよい。適するプロセスは欧州特許出願第0850569号に記載されている。プロバイオティック微生物が使用される場合には、微生物は好ましくは乾燥ペットフードの上に被覆されるか又はその中に充填される。適するプロセスは欧州特許出願第0862863号に記載されている。
【0037】
湿潤フードのためには、模倣ミート製品を製造するのに、米国特許第4,781,939号および第5,132,137号に記載されているプロセスが使用されてもよい。チャンク(chunk)型製品を製造するためのその他プロセス、たとえば、スチームオーブンでの調理、が使用されてもよい。代わりに、ローフ(loaf)型製品は、適切なミート材料を乳化してミートエマルジョンを製造し、適切なゲル化剤を添加し、そしてミートエマルジョンを缶またはその他容器に詰める前に加熱することによって、製造されてもよい。
【0038】
別の局面においては、本発明は、光防護有効量のi)少なくとも一つプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液とii)少なくとも一つの酵母および/またはカロテノイドまたは誘導体とを経口摂取可能なキャリヤーの中に含んでいる組成物をペットに経口投与する工程を含む、ペットの皮膚の光防護機能を改善する方法に関する。
【0039】
個体によって消費されるべき組成物の量は望ましい効果に依存するであろう。しかしながら、毎日、約10〜1012個の微生物(それらは生きていてもよいし又は死んでいてもよい)と0.00001〜50mgのカロテノイドを与える組成物の量は通常十分であろう。
【0040】
組成物は紫外線曝露特に太陽光曝露の前の又は曝露中の個体に投与される。曝露期間が予測可能である場合には、曝露の10〜20日前に組成物の消費を開始し、そして曝露中にも消費を延長することが望ましい。
【0041】
本発明およびその利点をさらに例証するために、下記の具体的実施例が与えられており、それらは単に例示としてそして限定的ではないとして意図されているということが理解される。下記実施例においては、上記におけるように、全ての部数およびパーセントは、別に指摘されていない限り、重量によって与えられている。
【実施例】
【0042】
(実施例1 ドライドッグフード)
供給材料混合物は約58重量%のとうもろこし、約5.5重量%のとうもろこしグルテン、約22重量%の鶏肉、2.5%の乾燥チコリー、残りを構成する塩とビタミンとミネラル、からなる。
【0043】
供給混合物をプレコンディショナー(preconditioner)の中に供給し、そして加湿する。押出機から出るゼラチン化されたマトリックスはダイ(die)の中に通されそして押し出される。押出物をイヌに与えるのに適するピース状に切断し、約110℃で約20分間乾燥し、そして冷却してペレットを形成する。この時点で、生成物に、菌株CNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168、CNCM I−2170またはATCC 27536のうちの1種の菌株の凍結乾燥粉末と、S. cerevissaeの凍結乾燥粉末を(各々の対応量が約1.0E+05〜1.0E+12cfu/日であるように)添加し、そして混合することができる。さらに、同じ量の細菌を、ペレットが50〜60℃で数分間乾燥された後に冷却されたペレットに吹きつけることができる。
【0044】
このドライドッグフードは太陽光の有害なUV線によるペットの皮膚の自然損傷を防護するのを助ける。
【0045】
(実施例2 缶詰ペットフードとサプリメント)
73%の家禽カーカス(poultry carcass)、豚肺臓および牛肝臓(挽いてある)、16%の小麦粉、2%の色素、ビタミンおよび無機塩から混合物を製造する。この混合物を12℃で乳化し、そしてプディングの形態に押出し、それから、90℃の温度で調理する。それを30℃に冷却し、そしてチャンク状に切断する。これらチャンク45%を、98%の水と1%の色素と1%のグアーガム(guar gum)とから製造されたソース55%と混合する。ブリキ缶に詰めそして125℃で40分間滅菌する。給仕前のペットフードと混合されるべきプロバイオティックサプリメントとして、付随の包装(サッシェ(sachet))は、菌株CNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168、CNCM I−2170またはATCC 27536のうちの1種と、β−カロテンと、凍結乾燥されたS. cerevissaeを有している。ペット向けの対応量は、約10〜1012cfu/日の微生物と、0.1〜50mgのカロテノイドであり、それらはサプリメントとして、缶と一緒に(たとえば、缶の上に)供給されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口摂取可能なキャリヤーの中に含有された光防護有効量のi)少なくとも一つのプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液と、ii)少なくとも一つの酵母と、iii)カロテノイドまたは誘導体とを含んでいる、皮膚の光防護のための経口摂取可能なペットフード組成物。
【請求項2】
乳酸菌が、乳酸桿菌属細菌類(Lactobacilli)、ビフィドバクテリウム属細菌類(Bifidobacteria)または腸球菌類(Enterococci)、からなる群から選ばれる、請求項1の組成物。
【請求項3】
乳酸菌がLactobacillus johnsonii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus caseiまたはBifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Enterococcus faecium、Enterococcus sp.またはそれらの混合物である、請求項1または2の組成物。
【請求項4】
乳酸菌がCNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168またはCNCM I−2170である、請求項1〜3のいずれか一項の組成物。
【請求項5】
プロバイオティック乳酸菌がキャリヤー中に、生きている形態で、半活性のまたは失活された形態で含有されている、請求項1〜4のいずれか一項の組成物。
【請求項6】
カロテノイドが、β−カロテン、γ−カロテン、α−カロテン、リコペン、ゼアキサンチンおよびルテイン、またはそれらの混合物からなる群から選択される、プロビタミンA活性を有するまたは有しないカロテノイドである、請求項1〜5のいずれか一項の組成物。
【請求項7】
酵母が、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、ヤローウィア属(Yarrowia)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、カンジダ属(Candida)及びロドトルラ属(Rhodutorula)、またはそれらの混合物、からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか一項の組成物。
【請求項8】
酵母がS. cerevissaeである、請求項7の組成物。
【請求項9】
i)粉末化された、乾燥された又は湿った、冷凍された又は保存安定性の形態の、栄養的に完全なペットフード、または
ii)栄養付加物またはサプリメントまたはトリートの形態、
の形態にある、請求項1〜8のいずれか一項の組成物。
【請求項10】
ペットにおいて、日射から皮膚を保護するための経口摂取可能なキャリヤーを調製しそして全ての関連皮膚疾患を弱める又は予防するための、光防護有効量のi)少なくとも一つの乳酸菌またはその培養上澄み液、ii)少なくとも一つの酵母、およびiii)カロテノイドの使用。
【請求項11】
乳酸菌が、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、またはBifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium pseudocatenulatum、またはそれらの混合物、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Enterococcus faecium、Enterococcus sp.またはそれらの混合物、である、請求項10の使用。
【請求項12】
乳酸菌がCNCM I−1225、CNCM I−2116、CNCM I−2168、CNCM I−2170またはATCC 27536である、請求項10または11の使用。
【請求項13】
酵母が、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、ヤローウィア属(Yarrowia)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、カンジダ属(Candida)及びロドトルラ属(Rhodutorula)、またはそれらの混合物、からなる群から選ばれる、請求項10〜12のいずれか一項の使用。
【請求項14】
キャリヤーの中にプロバイオティック乳酸菌がキャリヤー1g当り約10〜1012cfu、酵母がキャリヤー1g当り約10〜1015cfu、の量で存在する、請求項10〜13のいずれか一項の使用。
【請求項15】
カロテノイドがキャリヤーの中に10−12重量%〜20重量%の量で存在する、請求項10〜13の使用。
【請求項16】
ペットにおける光老化の影響を低減することを意図した組成物を製造するための、請求項10〜15のいずれか一項の使用。
【請求項17】
経口摂取可能なキャリヤーの中にi)少なくとも一つプロバイオティック乳酸菌またはその培養上澄み液と、ii)少なくとも一つの酵母と、iii)カロテノイドまたは誘導体との組合せを含んでいるペットフード組成物をペットに経口投与する工程を含む、ペットの皮膚の光防護機能を改善する方法。
【請求項18】
ペットフード組成物が請求項1〜9のいずれか一項に記載のものである、請求項17の方法。

【公開番号】特開2010−263910(P2010−263910A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161655(P2010−161655)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【分割の表示】特願2003−568994(P2003−568994)の分割
【原出願日】平成15年2月18日(2003.2.18)
【出願人】(590002013)ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー (31)
【Fターム(参考)】