説明

皮膚の炎症状態の治療用の植物水組成物

オリーブの植物水から得られる組成物及びその組成物を用いた皮膚の炎症性の病気に罹患した患者の治療方法を記載する。含まれるのは、オリーブの植物水から得られるヒドロキシチロゾールを豊富に含む化合物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、オリーブの植物水から得られる組成物、及びこの組成物を用いた炎症性の皮膚病の治療方法に関する。
【0002】
(参照)
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【0003】
(背景)
地中海沿岸の食べ物の主な油脂成分であるオリーブ油は、冠状動脈性心臓病(Owen et al., 2000b; Parthasarathy et al., 1990; Mattson and Grundy, 1985)及びある種のガン(d'Amicis and Farchi, 1999; Braga et al., 1998; Martin-Moreno et al., 1994)の発生率をより低くすることに関係した。いくつかの研究室が、オリーブ油のフェノール性のオレウロペイン(oleuropin)及び他のファミリーのメンバーを加水分解することで、強い化学防御活性を有する小さなフェノール成分になることを報告している(Owen et al., 2000a; Manna et al., 2000)。特に、オリーブ油のフェノール性のヒドロキシチロゾール(hydroxytyrosol)が、低比重リポタンパク質(LDL)酸化(Visioli and GaIIi, 1998)、血小板凝集(Petroni et al., 1995)を防ぎ、及び5-及び12-リポキシゲナーゼを阻害する(de Ia Puerta et al., 1999; Kohyama et al., 1997)。ヒドロキシチロゾールは、ペルオキシ亜硝酸塩依存のDNA塩基の変性及びチロシンのニトロ化の阻害効果を発揮することが見出され(Deiana et al., 1999)、これは人間の種々の細胞系における、活性酸素種により誘導される細胞毒性に対抗する(Manna et al., 2000)。オリーブ油から得られるヒドロキシチロゾール及びオレウロペイン(pleuropein)単体(simple)及びポリフェノール類のそれぞれは、さらに皮膚の損傷の治療に対して使用された(Perricone, U.S. Patent No. 6,437,004)。最終的に、生物学的利用能を評価する研究は、ヒドロキシチロゾールが、摂取に続いて、人間に用量依存的に吸収されることを示した(Visioli et al. , 2000)。
【0004】
従来、オリーブ油の製造は、種を含んだオリーブを押しつぶして、高粘度のペーストを製造することを含む。この手順の間、マラキセーション(malaxation)として知られる方法で、押しつぶしたオリーブを継続的に水で洗浄する。次いでペーストを機械で圧縮して、油分を絞り出す。オリーブ油を得ることに加えて、この圧縮は、そのペーストの水分も絞り出す。このような洗浄及び圧縮段階は、“植物水(vegetation water)”と言われる大量の水を与える。
オリーブの種と果肉の両方とも、水溶性のフェノール化合物が豊富である。このような化合物は、これらの分配係数に従って、マラキセーションの間オリーブから抽出され、最後は植物水に入る。これは、なぜオリーブの果肉で生成する種々のフェノール化合物、例えばオレウロペイン及びその誘導体が、植物水中で豊富に見いだせるのかを説明する。同様に、オリーブの種で生成する多量のモノフェノール化合物、例えばチロゾール及びその誘導体も、植物水で豊富である。
【0005】
オリーブの植物水からのヒドロキシチロゾールの豊富な組成物を、酸を添加することにより調製して、発酵を防ぐ別の利点と共に、植物水を安定化させても良い。この方法において、植物水の少なくとも一部のオレウロペインが、ヒドロキシチロゾールに転換される(Crea, U.S. Patent No. 6,416,808 and related U.S. Publication No. 2003/0108651)。
【0006】
(概要)
一側面において、免疫抑制剤及びグルココルチコイドで難治性であることがわかった皮膚の炎症状態に罹患した人を治療する方法を提供する。一態様において、この方法は、オリーブの植物水から得られる組成物を経口投与することを含み、ここで投与量は状態の十分な改善を実現するために効果的である。一態様において、組成物を毎日投与する。他の態様において、組成物を、少なくとも1から2月以上の期間投与する。
一態様において、組成物は、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に対して酸を添加し、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)植物水に最初に存在するオレウロペインの少なくとも約50%がヒドロキシチロゾールに転換されるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造した、ヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。他の態様において、組成物は、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加し、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)ヒドロキシチロゾールとオレウロペインの質量比率が約1:1から約200:1になるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造された、ヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。さらなる態様において、前記質量比率は約5:1から約50:1である。
【0007】
態様において、経口投与は、錠剤、カプセル、ピル又は液体を経口投与することを含む。
皮膚の炎症状態は、特に乾癬、湿疹、アレルギー性皮膚炎、光過敏症の皮膚炎又はじんましん様苔癬の1以上であり得る。
一態様において、組成物は、1日合計約5.4から10.8mgのポリフェノール類を供給するために有効である投与量で投与される。他の態様において、組成物は、1日に約2.5から5mgのヒドロキシチロゾールを供給するために有効である投与量で投与される。
免疫抑制剤を、特に本技術で知られている、タクロリムス及び/又はヒドロキシウレアから成る群より選択して良い。
他の側面において、免疫抑制剤又はグルココルチコイドで難治性であることがわかった皮膚の炎症状態の治療用薬剤の製造に対する、オリーブの植物水から得られた組成物の使用を記載する。ある態様において、薬剤は、経口投与用に処方される。
【0008】
一態様において、組成物は、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加し、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)植物水に最初に存在するオレウロペインの少なくとも50%がヒドロキシチロゾールに転換されるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造されたヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。他の態様において、組成物は、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加しこれにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)ヒドロキシチロゾールとオレウロペインの質量比率が1:1から200:1になるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造された、ヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。他の態様において、質量比率は5:1から50:1である。
態様において、薬剤は、錠剤、カプセル、ピル、又は液体として処方される。
皮膚の炎症状態は、乾癬、湿疹、アレルギー性皮膚炎、光過敏症の皮膚炎又はじんましん様苔癬の少なくとも一つから選択して良い。
【0009】
(詳細な説明)
この出願における全ての出版物、特許、特許出願又はその他の参照文献は、各個別の出版物、特許、特許出願又は参照文献が、具体的かつ個別に示され参照により取り込まれるように、参照により完全に本明細書に取り込まれる。
【0010】
I.定義
本明細書で使用する“皮膚の状態”、“炎症により特徴付けられる皮膚の状態”又は“皮膚の炎症状態”は、赤み、局所的な発熱(localized heat)、腫れ、痛み及び/又はそう痒により特徴付けられる皮膚の状態を言う。
用語“治療”は、患者、特に人間の病気又は状態の進行の抑制又は停止、病気又は状態の退行の発生、又は病気又は状態に関連する症状の緩和を言う。
“経口”は、口での投与又は胃の投与を含んだ胃又は腸への直接投与を含む、いかなる経路も意味する。
“乾癬”は、通常はフレーク状の白色の積層で覆われた盛り上がった赤色の皮膚により特徴付けられる、慢性の、免疫の介在する炎症性皮膚病を言う。
“湿疹”は、通常はそう痒を起こす皮膚の炎症であり、鱗屑(scaling)又は水疱を伴い得る。
“オレウロペイン”は、セコイリドイドグルコシドオレウロペイン(図7の構造II)を言う。“ヒドロキシチロゾール”とは、3,4-ジヒドロキシフェネチルアルコール(図7の構造VIII)を意味する。
“チロゾール”とは、4-ヒドロキシフェネチルアルコール(図7の構造VII)を意味する。
【0011】
II. 植物水組成物
A. 植物水組成物
一側面において、本発明は、皮膚の炎症状態、例えば乾癬又は湿疹の治療用の組成物を与える。
組成物は、オリーブの植物水から得られる。以下に説明するように、この化合物は、とりわけ以前は難治性であった皮膚の炎症状態、例えば湿疹及び乾癬の症状を、効果的に逆行させ又は減少させることが見出された。
オリーブは、従来の及び市場で入手可能な供給源、例えば栽培者から得ても良い。好ましくは、植物水は、種を抜いたオリーブから得る。オリーブの種は、一般的に植物水に望ましくない成分でありかつ更に以下に記載されるヒドロキシチロゾールの豊富な組成物に関して記載された酸処理によりほとんど壊れないであろうチロゾールを含む。種は、下記のように、手動又は機械的な方法で果肉から取り除いて良い。好ましくは、このような方法は、種を破壊することなく分離することができなければならず、さもなければ植物水中のチロゾールの濃度がより高くなり得る。他の態様において、植物水は、種を除いていないオリーブから得る。
【0012】
植物水を製造するために、オリーブの果肉を最初に圧縮して、オリーブ油、植物水及び固形の副生成物を含む液相混合物を得る。次いで、植物水を液相混合物の残部から分離して回収する。植物水を得る典型的な方法は、共同出願された米国特許出願第6,165,475及び6,197,308に記載される。
量産目的のため、本発明の種々の側面を自動化することが望まれる。この関係で、一態様は、米国特許第4,452,744、4,522,119及び4,370,274の、各Finch et alが開示するような装置の使用を意図する。簡潔に、Finch et alは、オリーブからオリーブ油を取り出すための装置を教示する。最初に、オリーブからオリーブの種を除いて、種のないオリーブの果肉を得るための果肉採取機にオリーブを供給する。次いで、果肉に対して、油、水及び少ない割合のオリーブの果肉を含んだ液相を取り出すために十分な抽出圧力をかけるための、抽出スクリューに果肉をかける。液相をふた付き容器に回収し、次いで清澄遠心分離(clarifying centrifuge)に送り、液相から果肉を分離してオリーブ油と植物水を含む混合物を得る。清澄遠心分離を使用して、混合物からの植物水及び少ない割合の固形物を分離してよい。
【0013】
本発明の実施において使用して良いさらなる機器は、イタリア特許第1276576及び1278025に開示される。上記のように、これらの機器を使用して、オリーブの果肉を油、水及び固形物の残渣に押しつぶす手順の前に、種から果肉を分離できる。
上記のように、植物水は水溶性のフェノール化合物が豊富である。オリーブの果肉抽出物は、合計で約6-9%のフェノール化合物を含む。オリーブ油中で検出されるフェノール化合物及びこれらの前駆体の構造を、図7に示す:リグストロシド(I);オレウロペイングルコシド(II);リグストロシドのアグリコン(III);オレウロペイングルコシドのアグリコン(IV);カルボキシメチル基を欠いたリグストロシドアグリコンのジアルデヒド形態(V);カルボキシメチル基を欠いたオレウロペイングルコシドアグリコンのジアルデヒド形態(VI);チロゾール(VII);及びヒドロキシチロゾール(VIII)。ヒドロキシチロゾールは、オリーブ果肉の固形物抽出物中に、合計で約40-50%のフェノール組成物を含む。組成物は種々の割合で1の、いくつかの又は全てのフェノール化合物を含み得ることが認識されるであろう。植物水組成物を処方して、フェノール化合物のいかなる組み合わせの所望の量及び/又は割合を含んでも良いことも更に認識されるであろう。活性成分が、単独で又は1以上のフェノール化合物と組み合わせて機能する植物水の他の成分であって良いことも認識されるであろう。
【0014】
B. オレウロペインのヒドロキシチロゾールへの転換
一態様において、組成物はヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。この態様において、植物水に含まれる少なくとも一部のオレウロペインが、ヒドロキシチロゾールに転換される。一態様において、共有の米国特許第6,416,808及び米国特許出願第2003/0108651に記載されるように、植物水のpHは酸の添加により小さくさせて良く、植物水を、オレウロペインのヒドロキシチロゾールへの酸加水分解を促進する条件化でインキュベートして良い。次いで試料を、分画し又は抽出して、他の化合物からヒドロキシチロゾールを分離して良い。
酸を植物水に添加して、好ましくはpH1〜5に調整し、より好ましくはpH2〜4に調整する。好ましい態様において、クエン酸を使用して、植物水のpHを調整する。固形のクエン酸を、植物水の約1000リットルに対して好ましくは約10から20kgの酸の量で継続的に攪拌しながら添加できる。結果得られる溶液のpHを監視でき、及び調整されたpHは、例えばさらなる酸の添加により所望のpHを達成し及び維持できる。
【0015】
態様において、酸は、クエン酸以外の有機酸又は無機酸であっても良い。典型的な酸は、鉱酸---硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸として知られる無機物質、及びカルボン酸、スルホン酸及びフェノール類(ベンジル)に属する有機化合物を含む。理論に制限されることなく、植物水に対する酸の添加は、いくつかの目的を果たす:(i)酸は、植物水を、フェノール分子の空気(酸素)による重合から安定にする;(ii)酸は、内因性又は外因性の細菌及び酵母による植物水の発酵を弱める;及び(iii)酸は、オレウロペイン及び他のフェノール性の巨大分子を加水分解し、及びこれらをヒドロキシチロゾールへ転換する。一態様において、ヒドロキシチロゾールが、オレウロペイン及びヒドロキシチロゾールの組み合わせの合計の75-90%になるまで、混合物をインキュベートして良い。他の態様において、最初の混合物中の実質的に全てのオレウロペインが、ヒドロキシチロゾールに転換される。
【0016】
C. ヒドロキシチロゾールの精製
オレウロペインのヒドロキシチロゾールへの転換に続いて、本技術で公知の適切ないかなる方法により、インキュベートした植物水を精製し又は分画して良い。分画の典型的な方法としては、有機溶媒、例えば酢酸エチルを用いた分離、ゲルクロマトグラフィー及び高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)などのクロマトグラフィー方法、又は超臨界液体、例えば二酸化炭素を用いた液体抽出などが挙げられる。他の態様において、超臨界液体は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、エテン、プロペン、ヒドロフルオロカーボン、テトラフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、亜酸化窒素、6フッ化硫黄、アンモニア及び塩化メチルから選択される。1より多い超臨界液体を組み合わせて使用して良いことが理解されるであろう。
超臨界液体を用いて抽出する前に、植物水は、溶液に添加されたキャリアー、例えばマルトデキストラン及び/又はポリプロピレンビーズを含んで良い。さらなる精製方法を、上記のように本発明に従って使用しても良い。ヒドロキシチロゾールのHPLC単離が、Ficarra et al., 1991 ; Romani et al., 1999; 及びTsimidou, 1992に記載される。
【0017】
他の態様において、溶液は、所望のポリフェノールの抽出又は精製の前又は後に乾燥して良い。乾燥工程は、好ましくは、植物水の水を少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、さらにより好ましくは少なくとも約98%を除去する。
一態様において、植物水は上記のように得られ、酸性化して、低分子量の単一のフェノール類及びポリフェノール類、特にヒドロキシチロゾールが豊富な溶液を提供する。一態様において、植物水は、他の成分を伴うことなく、ヒドロキシチロゾールを選択的に濃縮する。従って、主なポリフェノール成分であるヒドロキシチロゾールをポリフェノールファミリーの他のもの、不純物、懸濁された固形物、タンニン、及び植物水に含まれる他の分子から単離し又は濃縮する。
さらなる他の態様において、組成物は、実質的に純粋な又は純粋なヒドロキシチロゾールからなる。
【0018】
III. 皮膚の炎症の治療方法
他の側面において、本発明は、単純で、安価でかつ安全な、皮膚の炎症状態、例えば乾癬、湿疹及び皮膚炎に罹患した患者の治療方法を提供する。他の側面において、これらの皮膚の状態、例えば乾癬、湿疹及び皮膚炎に関係する症状を、本明細書に記載する方法で治療し又は緩和する。本発明のこの側面に従って、オリーブの植物水から得られる合計で少なくとも5mgのポリフェノール類を含んだ組成物が、皮膚の状態、例えば乾癬、湿疹又は皮膚炎に罹患した患者に対して投与するために適切である製剤に処方される。他の態様において、組成物は少なくとも5mg/カプセル含む。
本発明のサポートの下に行う研究において、植物水組成物を含む組成物を調製し、実施例1-6で説明するように被験者に対して投与した。簡単に、種を除いたオリーブの果肉を、どろどろにして及び押しつぶして、液相混合物と固形副生成物を製造する。固形副生成物を、濾過及び遠心分離で、液相混合物から分離し及び除去した。液相混合物を、油及び水性画分を分離できるように静置した。この水性相を注ぎ、次いでクエン酸を用いて酸性化して、pH2から4に調整した。酸性化した水性画分を、真空下の蒸留により濃縮し、次いでスプレードライ又は真空下のオーブンドライで乾燥して粉末を得、これを使用して、実施例1-6で使用するような錠剤に調製した。実施例1-6で使用した試験組成物の錠剤の処方を、表1に示す。各錠剤は、90mgのオリーブ果肉固形物、合計5.4mgのポリフェノール類、及び約2.5mgのヒドロキシチロゾールを含んだ。
【0019】
一態様において、組成物は、乾癬の治療における使用に適切である。乾癬は、わずかに盛り上がった銀色の鱗屑を伴った明確な斑で一般的に特徴付けられる慢性の皮膚病であり、米国で約3.35〜6.5百万人(Roenigk 及び Maibach eds. 2nd ed. New York: Marcel Dekker; 1991 , pp. 213 -214)が患い、新たに年間で150,000〜260,000のケース(www.emedicine.com)が生じている。家族の関連性が、多因子性のパターンを調べると、3つのケースの内1つで認められる。7つもの感受性の遺伝子座が、最重要であることが明らかである染色体6p21.3中のPSORS1と同一であると見なされた(Asumalahti et al., 2003)。しかしながら、病気を起こす遺伝子キャリアー(gene carrier)のたった約10%であり、感受性の浸透度は低い(Swanbeck et al., 1997, Elder et al., 2003)。
症状は、フレーク状の白色の積層で覆われた盛り上がった赤色の皮膚の斑を含む。ある種の乾癬において、症状は、盛り上がった赤色の領域(膿疱性乾癬)又はやけどした(burned)(紅皮症の)外観を含む。他の症状は、強烈なそう痒及び発熱(burning)を含む。他の患者が患者の体の広範囲に広がっている一方で、何人かの患者は1又は2箇所に有するであろう。一般的には、症状は、ひざ、ひじ、頭皮、手、足又は背下部で頻繁に見出される。身体的に、体の2%より少ない範囲が含まれる場合、その場合は軽傷と考えられる。3から10パーセントは中程度と考えられ、及び10パーセントより多いと重傷である(www.psoriasis.org)。
【0020】
異なる乾癬の種類がいくつか存在し、最も普通(約80%)の形態は、尋常性乾癬(plaque psoriasis)である。尋常性乾癬は、赤色の明確な斑又は錯角化症からの銀白色の鱗屑で覆われた炎症を起こした盛り上がった病斑により特徴付けられる(www.psoriasis.org)。錯角化症は、皮膚細胞の増加した生成及び移動を言う。正常な皮膚において、ケラチノサイトと呼ばれる細胞で主になる外側層は、新たに形成されるケラチノサイトで、27から28日毎に置き換えられる。錯角化症と共に、この過程は約3又は4日まで加速する。これらの細胞は、これらが皮膚の層に導入されるよりも速く表面に移動し、従ってケラチノサイトが堆積し及び鱗屑又は病斑を形成する。他の症状は、拡張した小さな血管及び炎症性の細胞を含む(www.skincarephysicians.com)。尋常性乾癬はあらゆる皮膚の表面に現れ、ひざ、肘、頭皮、胴体及びツメは、一般に病気に冒される。
滴状乾癬は子供に最も頻繁に起こり、通常、胴体、腕及び足に現れる多数の小さな赤色の個々の病斑で特徴付けられる。滴状乾癬は、乾癬が自己免疫の疾患であり得ると言う理論を提案する上気道感染の後に多く現れる。膿疱性乾癬は、小さな膿疱(膿を含んだ皮膚の水疱)により特徴付けられ、全身に広がったり、又は集中、特に手及び足に対して集中する場合がある(掌蹠膿疱症乾癬)。膿疱性乾癬は、更に、紅斑、小膿疱及び鱗屑を介して循環する場合がある。逆乾癬は、屈曲表面、特に皮膚のひだ又はしわ(腋窩、足の付け根、足の付け根、胸の下)で発生し、赤色かつ炎症を起こしているが鱗屑を含まない、皮膚のなめらかな領域として現れる。乾癬性紅皮症は、全身の広がった湿疹、赤さ及び細かい鱗屑として現れる(www.psoriasis.org)。
【0021】
現在の治療方法は、局所療法、光線療法及び全身療法を含む。局所療法は、モイスチャークリーム及びローション、アントラリン、カルシポトリエン、カルシトリオール、コルチコステロイド、サリチル酸、タール及びタゾロテン(tazorotene)を含む。光線療法又は光療法は、数百年間乾癬を治療するために使用されてきた(Lebwohl et a/., 2004)。現在のアプローチは、UVB、UVAを、光感受性の医薬品(PUVA)の摂取又は局所適用と組み合わせた治療、気候療法及びレーザー療法を含む。全身療法は、損傷性の負担が過度及び/又は頻繁な再発である場合に必要とされる(Ho, 2004)。許容される全身療法は、メトトレキサート、アシトレチン(acitretin)及びシクロスポリンを含む。しかしながら、多くの患者は、全身療法では難治性であり又は鈍感である(Mason and Krueger, 2001 )。さらに、治療に付随する副作用及び/又は毒性は、これら治療を継続した使用に対して不適切とする。更に、特には、抗生物質、免疫抑制剤、例えばタクロリムス及びヒドロキシウレア等を含む、異例の治療が多く存在する(Lebwohl et al., 2004)。
【0022】
乾癬を有する患者の75%が、病気の臨床的な重症度が和らぎ(感染した体表面領域が20%より低い、又は乾癬重症度インデックス(PASI)の値が10より低い)、及び局所療法を伴う外来患者基準で満足行く運用ができたことが評価できる。更に局所療法で治療した患者について、病斑を100%除去することは、現実的に予想されなかった。報告された完全な除去率は、タザロテンゲルを用いた2%から、0.005%のカルシポトリオール軟膏と0.1%のベタメタゾン軟膏を組み合わせて用いた45%で変動する。更に、乾癬に対する局所療法は、治療プログラムを進行する場合、医者と患者の両方が考慮しなければならない顕著な副作用を有する(Bruner et al., 2003)。
現在乾癬に対する治療は全く存在せず、及び主な治療の目的は、病気の関係する症状を削減し又は改善すること、例えば、サイズ、厚さ、及び病斑、丘疹及び紅斑の範囲を削減することである。治療に対する応答(すなわち、症状の減少)の測定は、一般的に医師包括的評価(PGA)又は乾癬重症度インデックス(PASI)に基づく。前治療のベースラインスコア(baseline score)からの50%の削減が、一般的にポジティブな身体的反応として認められる;75%以上の削減が、一般的に優れた除去のアプローチの反応として認められる(Marchetti et al., 2005)。
【0023】
再発及び鎮静(remittance)は、通常、病気の自然な経過に渡り発生する。更に、多くの場合は、公知の治療に対して抵抗し又は難治性である。局所療法は、治療を継続して維持することで、65から81%の患者において寛解をもたらし、寛解は2.25から4月の間で生じる。光線療法は、治療を継続して維持することで、62.5から80%のケースにおいて寛解をもたらし、寛解は3から5.5月の間で生じる。
本発明の植物水組成物は、特に、従来の治療、例えばグルココルチコイド及び/又は免疫抑制剤による治療では難治性であることがわかっている乾癬の治療に対してかなり適切である。本発明を支持して行う研究において、植物水からなる組成物を調製し、及び実施例3及び6に説明するように乾癬に罹患した被験者に対して投与した。試験組成物を錠剤として処方し、該処方を表1に示す。最初に、各錠剤は、90mgのオリーブ果肉、合計5.4mgのポリフェノール及び2.5mgのヒドロキシチロゾールから成った。実施例3に記載するように、ひざ及びすねで化膿性の乾癬に罹患した患者を、1日2つの植物水組成物の錠剤で治療した。患者は、これまでは、抗生物質及び抗ヒスタミン剤を用いた治療で難治性であった。図3A-3Bは、植物水組成物で治療する前の患者のすね、ふくらはぎ及びひざの病斑を示す。図3C-3Dに示すように、治療の2月後、病斑の重症度及び範囲は顕著に減少した。前方のすねの大きな個々の病斑は、完全に除去された。すねの側面及びふくらはぎの全体の病斑の範囲は、少なくとも40-50%まで減少した。治療の3月後、すねの病斑はほとんど消散し、及びひざの病斑は顕著に改善した(図3E)。更に、ふくらはぎの病斑の範囲は少なくとも60-70%減少した(図3F);及び紅斑は残った病斑で減少した。
【0024】
実施例6に記載するように、すね、足及び足首で掌蹠膿疱症乾癬及び全般的な膿疱性乾癬に罹患した患者を、植物水組成物で治療した。患者は、以前は、2.5年間の治療後、グルココルチコイド及び免疫抑制剤での治療に対して難治性であることがわかった。図6B及び6Dに示すように、手掌足底の病斑は、両方の足の裏並びに指及びつま先のツメまで広がった両手の手のひらの90%の範囲に渡っていた。さらに、患者は、足、足首及びすねで大きな小膿疱を示した(図6A及び6C)。植物水組成物を用いた治療の2月後、患者は、乾癬に関係した湿疹及びかゆみにおける改善を報告した。病斑の程度及び範囲は、治療の3月後に顕著に改善し、これにより免疫抑制剤の投与量が半分に減少した。治療の8月後、乾癬は、すね、足首及び足の上部で消散した(図6E)。さらに、つま先のツメの変形及び変色がいくらか残ったことを除き、手掌足底の病斑を緩和した(6F-6H)。
【0025】
他の態様において、組成物は、湿疹の治療で使用するために適している。湿疹は皮膚の炎症を含み、及び体の免疫系の異常な応答を表す。湿疹のいくつかのタイプにおいて、刺激性の物質に対する炎症性の応答は、そう痒及びスクラッチング(scratching)を起こす過活動である。湿疹は接触伝染性ではなく、及び現在治療できない。現在、治療は、症状の改善及びトリガー(trigger)を避けることに焦点を合わせている。湿疹の例は、アトピー性湿疹、アレルギー接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、静脈瘤性湿疹、貨幣状湿疹及び円盤状湿疹(discoid eczema)を含む。湿疹の症状は、乾燥、フレーク状態、発熱、水疱及びそう痒を含む。中程度の形態では、皮膚は乾燥し、発熱し及びそう痒であり、一方でより重傷の形態では、皮膚は壊れ、皮がむけ及び血を流し始める。湿疹の発生は、多数であり及び変動し、及び遺伝、アレルギー、刺激、例えば化学物質及び洗剤、アレルゲン、例えばニッケル、及び酵母の増殖を含む特別なタイプの湿疹に起因する。アトピー性湿疹又はアトピー性皮膚炎は、アレルギーに関する遺伝的な傾向に起因すると考えられる、慢性の表面の炎症である。これは幼児期によく見られ、通常は生後2月から18月の間現れる。アトピー性湿疹は、しばしば子供世代で消失し、多くは思春期までにこの状態が無くなる。貨幣状湿疹は、皮膚上に円形で、そう痒の、鱗屑の斑を表す。この湿疹の原因は知られていない。状態は多くの場合治療に対して抵抗性であるが、治療はコルチコステロイド軟膏を含む(Encyclopedia of Medicine, dayman, Ed., Random House, NY, 1989)。体の免疫系が皮膚に接触した物質と反応する場合に、アレルギー性接触皮膚炎が発生する。典型的には、物質は、ニッケル、香料、ゴム及び薬品を含む。脂漏性湿疹は、一般的に1歳の子供及び20から40歳の大人に影響する。これは通常、穏やかなふけとしての鱗屑で見出されるが、顔、耳及び胸まで広がり得る。皮膚は、赤くなり、炎症を起こし及びフレーク状になり得る。大人の状態は、酵母の増殖により起こり、及び抗菌クリームを用いた治療が必要であろう。
【0026】
湿疹の治療は、皮膚軟化剤、局所及び経口ステロイド、局所免疫腑活剤、例えばタクロリムス及びピメクロリムス、UV光及び抗ヒスタミン剤、クリーム、軟膏、皮膚を湿らせるためのシャワー又はバスオイル、月見草油の栄養補助食品、光線療法、シクロスポリンを含む免疫系抑制剤、及び湿疹に罹患した感染者に対する抗生物質を含む(sss.medinfo.co.uk)。
他の態様において、本発明の植物水組成物は、湿疹、とりわけ従来の治療、例えばグルココルチコイド、抗ヒスタミン剤及び/又は抗生物質に対して抵抗性又は難治性であることが実証された湿疹の治療に対して適切である。本発明の支持において行う研究において、植物水からなる組成物を調製し、実施例2及び4に示すように、アレルギー性皮膚炎に罹患した被験者に対して投与した。更に、植物水組成物を調製して、実施例5に記載するように、脂漏性皮膚炎及びへんぺい苔癬に罹患した被験者に投与した。試験組成物を、錠剤に処方し、該処方は表1に示される。最初に、各錠剤は、90mgのオリーブ果肉固形物、合計5.4mgのポリフェノール及び2.5mgのヒドロキシチロゾールからなった。
【0027】
実施例2に記載するように、心房細動に対するジギトキシンを処方された患者は、ジギトキシンに対する反応において、医薬品感受性の皮膚炎の繰り返した症状に罹患した。患者は、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイドを、発生する間2から3日間処方された。図2A-2Bに示すように、治療前に、ジギトキシンに誘導される皮膚炎は、手首、前腕上部及び足首中央の、多数の紅斑性の病斑として発生した。図2C-2Dに示すように、植物水組成物を用いた治療のたった2月後に、手首、前腕部及び足首の病斑は、完全に消散した。
実施例4に記載するように、前腕、手首及び手で原因不明のアレルギー性皮膚炎であると診断された患者(図4A-4B)を、植物水組成物で治療した。患者は、最初に、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイド(glucorticoid)で2年にわたり治療されたが、難治性であることがわかった。次いで患者を、植物水組成物で治療した。最初に、表1のように処方した2つの錠剤を、患者に対して毎日経口投与した。植物水組成物を用いた治療の1月後、病斑は、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイドを中断するのに十分な程度改善した。植物水組成物を用いた治療の2月後、図4C-4Dに示すように、病斑の目で見える徴候は全く存在しなかった。治療の5月後、病斑は鎮静した状態を維持した(図4E-4F)。
【0028】
実施例5に記載するように、頭皮の脂漏性皮膚炎及び手のひら及び手首でへんぺい苔癬であると診断された患者を、植物水組成物で治療した。へんぺい苔乾癬の治療を以下に記載する。治療前に、脂漏性皮膚炎は、頭皮及び前頭部で広がった紅斑及び炎症として現れた(図5Fを参照されたい)。前頭部の約90%が、炎症を起こし赤くなった病斑で覆われていた。患者を、植物水組成物で治療した。最初に、表1のように処方した2つの錠剤を、毎日基準で患者に対して経口投与した。図5Gに示すように、治療のたった2月後、前頭部の病斑はほとんど消散した。図5H-5Iに示すように、治療のそれぞれ9及び11月後、頭皮の皮膚炎は、紅斑及び炎症の減少により示されたように改善した。
他の態様において、本発明の組成物は、結節性紅斑の治療に適している。結節性紅斑は、過敏な赤い瘤により特徴付けられる炎症性の状態であり、及び通常はすねで見出されるが、体の他の領域、例えば臀部、ふくらはぎ、足首、もも及び上肢でも発生し得る。かなりほとんどの場合、結節性紅斑は、個別の病気ではなく、むしろ、いくつかの他の病気の徴候又は医薬品に対する感受性の徴候である。局所療法は、抗生物質、根本の問題の治療、鎮痛剤、及びコルチコステロイドを含む(www.umm.edu)。実施例1に示すように、原因不明の結節性紅斑に罹患した患者を、植物水組成物でうまく治療した。患者は、以前は、プレドニンに対して難治性であった。図1A-1Bに示すように、患者は、いくつかの大きな(1インチ/2.54cmより大きい)赤い病斑を、もも、すねの前方及び後方で表した。患者を、植物水組成物で治療した。最初に、表1のように処方した2つの錠剤を、毎日患者に経口投与した。植物水組成物を用いた治療の2月後、患者は、病斑の顕著な改善を報告し、プレドニンを中断した。治療の4月後、結節性紅斑は、沈静化した。治療の7月後、結節性紅斑は、病斑の目に見える徴候を有しない沈静化した状態を維持した(図1C-1D)。
【0029】
更に他の態様において、植物水組成物は、へんぺい苔癬及びじんましん様苔癬を含む苔癬病の治療の使用に対して適切である。へんぺい苔癬は、たいていは自己免疫疾患である突発性疾患である。臨床的な症状は、多角形の(polygonal)、平面の(flat)、つやのある丘疹及びかゆみを含む。丘疹は、ピンク又は赤色で、加えて茶褐色の色素が沈着している。ツメは、栄養失調症を示すであろう。特に発生する箇所は、手首、すね、下肢の足首、仙骨部、口及び生殖器を含む。治療は、局所的なステロイド、例えば、プロピオン酸クロベタゾール及びプロピオン酸ベタメタゾン軟膏、全身のステロイド、例えばプレドニゾン、長期間の抗生物質、経口の抗菌薬、光線療法、アシトレチン(acitretin)、メトトレキサート及びヒドロキシクロロキン、タクロリムス軟膏及びピメクロリムスクリーム、及びカルシニューリンを阻害する免疫調整薬を含む(www.dermnetnz.gov)。じんましん様苔癬又は丘疹性じんましん、より一般的には“じんましん”として知られるものは、局所的に盛り上がったリッジ(ridge)(膨疹)及び皮膚の紅斑により特徴付けられる。この状態は、通常は、昆虫に刺されたことに対するアレルギー反応、医薬品に対する感受性又は他の環境原因により引き起こる(www.webmd.com)。
【0030】
実施例5に記載するように、へんぺい苔癬に罹患した患者を、植物水組成物を用いて効果的に治療した。患者は、手の上部の少し盛り上がった赤い病斑、加えて前腕部の中間の病斑(これは示さない)の広範な斑を表した。治療の2月後、病斑の紅斑が改善した(図5A-5B)。植物水組成物を用いた治療の5月後、病斑の範囲及び程度は、更に改善した(図5C-5D)。手の甲及び前腕部の前部の病斑の範囲は、少なくとも30-40%削減され、及び前腕部の後部の病斑は、目に見える徴候が全く存在しなかった。治療の9月後、手の甲の病斑は、目視による検査で病斑の徴候を全く有しない鎮静された状態にあった(図5Eを参照されたい)。
さらなる態様において、植物水組成物は、光過敏症の皮膚炎又は光線皮膚炎の治療に適切である。大量の生物学的な物質又は合成物質が、太陽光曝露に対して患者を感受性にし、これにより患者は、化合物が患者の系に存在する場合に、太陽光を曝露された皮膚の領域で皮膚炎を発生する。このような物質は、特に医薬品、例えば塩酸デメチルクロルテトラサイクリン(demethylechloretetracycline)、スルホンアミド、グリセオフルビン及びクロルプロマジン、色素、例えばいくつかの化粧品及び香水に存在するエオシン、タール製品、化合物、例えばソラレン等を含む。この種の皮膚炎は、通常は可逆性であり、ここで、感受性の化合物が患者の系に存在する場合にのみ、皮膚炎が起こる。光線皮膚炎は、太陽光に曝露された領域において、紅斑、鱗屑及びかゆみを伴う小水疱形成のように臨床的に現れる。病斑は、更に、かゆみを伴う又は伴わない高色素沈着としてのみ現れ得る(www.delhihomeo.com)。現在の治療は、太陽光及び/又は感受性化合物への曝露の制限、加えて上記湿疹に関して記載した治療と類似した治療を含む。
【0031】
上記の乾癬に関するように、多くの場合において、皮膚の炎症状態、例えば乾癬及び湿疹は、従来の治療では難治性であり、すなわち、治療を用いて症状のわずかな改善を示し、又は全く改善を示さない。実施例1-6に示すように、本発明の組成物は、特に難治性の皮膚の炎症状態、例えば乾癬、湿疹及び皮膚炎の全身治療に対して適切である。
更に、患者は、1以上の皮膚の炎症状態に罹患していても良いことが理解されるであろう。実施例4及び5に示すように、本発明の組成物は、更に、1以上の皮膚の炎症状態を同時に治療するために有用である。
【0032】
A.投与
供給経路は、制限されないが、経口及び非経口(静脈、皮下、腹腔内、及び筋肉内)の経路を含む種々の全身経路を含む。これらの経路を介した投与は、適切な投与形態に組成物を処方することで達成される。制限されない例は、ピル、錠剤、カプセル、懸濁液、シロップ、液体ドロップ等を含む。このような投与形態の調製は、当業者にとってありきたりである。好ましい態様において、組成物は経口投与される。
組成物は、実質的に純粋な形態である(オリーブ果肉固形物又は抽出物)か、又は医薬品として許容されるキャリアーと共に投与して良い。一態様において、組成物は、キャリアー中に活性成分として溶解され又は分散され、及び従来の慣習に従って処方される。キャリアーは、固形物形態、半固形物形態又は液体材料であって良く、これらはビヒクル、キャリアー又は活性成分に対する媒体として機能する。代わりに、キャリアーは、カプセルの形態、又は経口投与を促進するための他の容器の形態であることができる。従って、本発明に従う投与のための経口投与形態は、錠剤、ピル、粉末、カプセル、シロップ、液体、及び柔若しくは硬ゼラチンカプセルを含む。キャリアーは、種々の当業者により採用される、標準的な身体的に許容されるキャリアーのいかなるものであってよい。適切な身体的に許容されるキャリアーの選択が、投与の様式の選択に起因して変わり得ることが理解されるであろう。
【0033】
好ましい態様において、組成物は、皮膚の炎症状態に罹患した患者に対して経口投与される。
更に組成物を処方して、フェノール化合物の種々の質量比率を含むことができることが理解されるであろう。一態様において、組成物はヒドロキシチロゾールとオレウロペインの種々の質量比率を含むように処方される。好ましい態様において、ヒドロキシチロゾールとオレウロペインの質量比率は、4:1から200:1、好ましくは約10:1、及びより好ましくは約100:1である。組成物を、約2:1から約50:1、好ましくは約5:1から約30:1の質量比率でヒドロキシチロゾールとオレウロペインを含むように処方しても良い。
一態様において、組成物は、ヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である。他の態様において、組成物は、精製したヒドロキシチロゾールを含む。更に他の態様において、組成物は、医薬品として適切なキャリアーと組み合わせて、精製したヒドロキシチロゾールを含む。さらなる態様において、組成物は、他の治療組成物及び方法と組み合わせて投与される精製したヒドロキシチロゾールを含む。
【0034】
本発明における投与用の組成物は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、ガム、カルシウムシリケート、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、水、アルコール等を含んだ、他の通常の医薬品として許容される賦形剤と共に処方して良い。製剤は、付加的に、滑剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、防腐剤、例えばメチル−及びプロピルヒドロキシベンゾエート、甘味剤又は香料を含んでも良い。更に、本発明の組成物は、患者に対して投与した後に、活性成分の即放、持続した又は遅延した放出を提供するように処方して良い。持続した又は遅延した放出は、成形物品の形態、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態にある、半透性のポリマーマトリックスを含んだ、いかなる公知の方法を用いて達成して良い。
本発明に従う使用に関する非経口の製剤は、本技術の標準的な技術を用いて調製される。本明細書で使用する用語非経口は、皮下注射、静脈、筋肉内、胸骨内の(intrasternal)注射、又は注入技術を含む。このような製剤は、通常、非経口の許容されるキャリアー、例えば等張の食塩水溶液を用いた無菌注射溶液として、又は患者に投与する前に無菌の緩衝液又は等張性の食塩水で再構成するために調製する無菌充填された粉末として調製される。
【0035】
一態様において、組成物は、定期的なインターバル、例えば1日1回、1日2回、又は1日3回投与して良い。他の態様において、組成物は、ある期間、例えば1から12月以上に渡り投与される。組成物の投与が、無期限の期間にわたり継続して良いことが認識されるであろう。組成物の投与量は、組成物中に使用する化合物に従って変動し得ることが認識されるであろう。組成物の経口投与に関して好ましい投与量は、(i)意図される特定の態様である、90、180、270及び360mgの固形物のオリーブ果肉乾燥製剤を含む、1日約90-360mgの固形物のオリーブ果肉固形物及び/又は抽出物、(ii)意図される特定の態様である、5、5.4、10、10.8、16、16.2、21.6又は22mgを含む、1日合計約5-22mgの単体のフェノール類及びポリフェノール類、(iii)意図される2.5、5、7.5及び10mgの特別の態様を含む、1日約2.5-10mgのヒドロキシチロゾールを含む。他の態様において、最大で2g/kgが経口投与され、又は(iv)投与量当たり約10-20mgの組成物が投与される。
【0036】
投与量は、要因、例えば患者の年齢、健康、性別、サイズ及び体重、投与の経路、化合物の効果に従って変動し得る。より多い量又はより少ない量の化合物を、要求に従って投与しても良い。
他の成分又は活性成分を、治療化合物と組み合わせて投与して良いことが理解されるであろう。他の治療方法を、治療化合物の投与と組み合わせて使用して良いことがさらに理解されるであろう。
前述から、いかに本発明の種々の目的及び特徴が達成されるかが理解できる。当業者は、本発明の幅広い教示が種々の形態に実施できることを、前記の記載から認識できるであろう。本明細書に記載した態様及びサブグループを、方法及び組成物と組み合わせて良いことが理解されるであろう。従って、この発明は特定の態様及び例に関して記載されているが、本発明の真の範囲はそのように限定されない。種々の変更及び変形が、添付した請求の範囲により定義されるように、本発明の範囲を逸脱することなく達成できる。
以下の実施例は、本発明に従った、オリーブの植物水の組成物を用いた、皮膚の炎症状態の治療方法を説明する。実施例は説明目的であり、いかなる方法においても本発明の範囲を限定しない。
【0037】
III.実施例
治療組成物の調製
錠剤を、表1にあるように、オリーブの植物水から得られる組成物を用いて処方した。
【0038】
表1;錠剤
【表1】

【0039】
各錠剤は、90mgのオリーブ果肉抽出物(固形物)、合計5.4mgのポリフェノール、及び2.5mg以下のヒドロキシチロゾールを含んだ。
【0040】
実施例1
45歳の女性が、結節性紅斑であると診断され、及び左ももの前面及び両足のひざの内側に2.54cm(1インチ)より大きい病斑を、加えて、もも及びふくらはぎの上部及びすねに2.54cm(1インチ)より小さいいくつかのより小さな病斑を表した(図1A-1B)。患者を、5mgのプレドニンで2.3年近く治療して、わずかに改善した。
この患者を、植物水組成物を含んだ2つの錠剤で毎日治療した。植物水組成物を用いた治療の2月後、プレドニンを中断した。治療の4月後、患者は、すね、膝又は下肢で結節性紅斑の目に見える徴候を全く示さなかった。治療の11月後、患者は、紅斑の目に見える徴候を全く示さない状態を維持した(図1C-1D)。
【0041】
実施例2
71歳の男性は、心房細動に対して処方されるジギトキシンに応答した再発性アレルギー性皮膚炎であると診断された。この皮膚炎は、全体的な、紅斑の病斑を、手首の前面、前腕部及び足首の内側に表した(図2A-2B)。患者は、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイドを用いて、発生する間2-3日間、2.4年にわたり治療された。
毎日植物水組成物の2つの錠剤を用いて、患者を十分治療した。治療の2月後、患者は、病斑の目に見える徴候をほとんど全く有しない十分な改善を示した(図2C-2D)。
【0042】
実施例3
70歳の女性は、乾癬化膿(purulenta)(化膿した病斑を有する膿疱性乾癬)であると診断され、膝、すね、ふくらはぎ、足首及び足の前部で極度の化膿を表し(図3A-3B)及び2年間乾癬に罹患してきた。患者は、抗生物質、利尿薬及び抗ヒスタミン剤で治療されたが、難治性であることがわかった。
次いでこの患者を、植物水組成物の2つの錠剤で毎日治療した。治療の2月後、患者は、数及びサイズにおいて化膿の減少を、とりわけ前部のすね及び後部のふくらはぎで示した(図3C-3D)。治療の3月後、患者は、病斑のほとんど完全な消散の状態における十分な改善を示した(図3E-3F)。
【0043】
実施例4
76歳の男性はアレルギー性皮膚炎及びさらなる診断でじんましん様苔癬であると診断され、大きな2.54cm(1インチ)より大きい紅斑性の盛り上がった病斑を、前腕部、手首及び手に表した(図4A-4B)。患者は、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイドで約2年間治療されたが、病斑の小さな消散を示し又は消散を全く示さなかった。
患者は、抗ヒスタミン剤及びグルココルチコイドで難治性であり、従って、植物水組成物の治療を開始した。この患者を、植物水組成物の2つの錠剤と抗ヒスタミン剤を組み合わせて毎日治療した。組成物を用いた治療の1月後、抗ヒスタミン剤を中止した。組成物を用いた治療の2月後、患者は、病斑における顕著な減少を示した(少なくとも80%の病斑が消散した)(図4C-4D)。治療の3月後、患者は病斑の目に見える徴候を全く示さなかった。治療の7月後、患者は、鎮静した状態を維持し、皮膚炎の目に見える徴候を全く示さない状態を維持した(図4E-4F)。
【0044】
実施例5
66歳の男性は、苔癬皮膚炎、アレルギー性皮膚炎及び光過敏症の皮膚炎であると診断された。この患者は、前頭部及びヘアラインで脂漏性皮膚炎を、及び手のひら及び手首でへんぺい苔癬を表した。へんぺい苔癬は、局部的なかゆみのある丘疹を、手の外側表面及び手首に表した。患者は、鱗屑に対する紅斑性の(scaling over erythematous)盛り上がった病斑から成る、頭皮及び前頭部における脂漏性皮膚炎(湿疹)を表した。
患者は、高脂血症及び降圧剤に対する抗高脂血症剤で10年間治療された。患者は、狭心症に対する血管拡張薬で十分に治療された。
患者は、高脂血症に対する毎日の植物水組成物の2つのカプセル又は錠剤を用いて治療された。
【0045】
1.脂漏性皮膚炎
治療の2月後、状態における十分な改善が、前頭部で観察され、ほとんど完全に消散した(図5G)。治療の9月後、頭皮の病斑の紅斑性(erythmatousness)が減少した(図5H)。治療の11月後、頭皮の病斑がほとんど消散した(図5I)。
【0046】
2.へんぺい苔癬
組成物を用いた治療の2月後、患者は発疹の範囲の減少を観察した(図5A及び5C)。治療の5月後、患者は、発疹及び赤みの顕著な減少を示した(少なくとも50%の病斑が消散した)(図5B及び5D)。治療の9月後、手のへんぺい苔癬が完全に消散した(図5E)。
【0047】
実施例6
61歳の女性は、膠原病及び膿疱性乾癬であると診断された。患者は、広範囲の大きな2.54cm(1インチ)より大きい小膿疱を示す局所的な掌蹠膿疱症を手の(palm)外側及び屈側面及び足(足の裏)に表した。患者は、ファランクスネイル(phalanx nail)の変形、オンコリシス(oncholysis)及び変色を伴う指骨(指及びつま先)の肢端膿疱症も示した。更に、患者は、足、足首及び前方のすねで紅斑を有する、広範囲の膿疱性乾癬であると診断された(図6A-6D)。患者は、最初に、グルココルチコイド及び第一の免疫抑制剤で治療されたが改善しなかった。
患者は免疫抑制剤及びグルココルチコイドで難治性であり、従って、植物水組成物の治療を開始した。患者を、毎日の植物水組成物の2つのカプセル/錠剤、加えて第二の免疫抑制剤を用いて治療した。治療の2月後、患者は、範囲が広く重度の病斑における改善を報告した。免疫抑制剤の投与量を、植物水組成物の治療の3月後に削減した。組成物を用いた治療の8月後、患者は足の裏における病斑の顕著な減少(少なくとも80%の病斑が消散した)及び手のひらにおける乾癬の鎮静を示した(図6F-6H)。更に、指のツメの肢端膿疱症がほとんど消散し、つま先のツメは顕著に改善した。足、膝及び前部のすねにおける全体の膿疱性乾癬は、消散した(図6E)。
【0048】
本発明は特定の態様に関して記載したが、種々の変更及び変形が本発明の範囲を逸脱することなく当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1A-1Dは、治療前(図1A-1B)と治療後(図1C-1D)の、結節性紅斑に罹患した患者のもも及びすねのスキャンした画像である。
【図2】図2A-2Dは、治療前(図2A-2B)及び治療後(図2C-2D)の、アレルギー性皮膚炎に罹患した患者の、前腕及び下肢のスキャンした画像である。
【図3】図3A-3Fは、治療前(図3A-3B)、治療の2月後(図3C-3D)及び治療の3月後(図3E-3F)の、膿疱性乾癬に罹患した患者のすね、ひざ及びふくらはぎのスキャンした画像である。
【図4】図4A-4Fは、治療前(図4A-4B)、治療の2月後(図4C-4D)及び治療の5月後(図4E-4F)のアレルギー性皮膚炎に罹患した患者の、前腕のスキャンした画像である。
【図5】図5A-5Iは、へん平苔癬に罹患した患者の前腕(図5A-5E)及び脂漏性皮膚炎に罹患した同じ患者の顔面及び頭皮(図5F-I)のスキャンした画像である。
【図6】図6A-6Hは、治療前(図6A-6D)及び治療の8月後(図6E-6H)の、膿疱性乾癬及び掌蹠膿疱症乾癬に罹患した患者のすね及び足のスキャンした画像である。
【図7】図7は、オリーブ油中で検出されるフェノール化合物及びその前駆体の構造を示す:リグストロシド(ligstroside)(I);オレウロペイングルコシド(II);リグストロシドのアグリコン(III);オレウロペイングルコシドのアグリコン(IV);カルボキシメチル基を欠いたリグストロシドアグリコンのジアルデヒド形態(V);カルボキシメチル基を欠いたオレウロペイングルコシドアグリコンのジアルデヒド形態(VI);チロゾール(VII);ヒドロキシチロゾール(VIII)。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図4D】

【図4E】

【図4F】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図5D】

【図5E】

【図5F】

【図5G】

【図5H】

【図5I】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図6D】

【図6E】

【図6F】

【図6G】

【図6H】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫抑制剤又はグルココルチコイドで難治性であることがわかった皮膚の炎症状態に罹患した人間の治療方法であって、以下を含む方法:
オリーブの植物水より得られる組成物を経口投与すること、ここで、少なくとも1から2ヶ月の間毎日投与する場合、投与量は、前記状態を十分に改善するために有効な量である。
【請求項2】
前記組成物が、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加して、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)植物水に最初に存在するオレウロペインの少なくとも50%が、ヒドロキシチロゾールに転換されるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造されるヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加して、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)ヒドロキシチロゾールとオレウロペインの質量比率が1:1から200:1になるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造されるヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記質量比率が、5:1から50:1である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記経口投与が、錠剤、カプセル又はピルの経口投与を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記経口投与が、液体の経口投与を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
皮膚の炎症状態が乾癬である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
皮膚の炎症状態が湿疹である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
皮膚の炎症状態が、アレルギー性皮膚炎である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
皮膚の炎症状態が光過敏症の皮膚炎である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
皮膚の炎症状態が、じんましん様苔癬である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、毎日、合計5.4から10.8mgのポリフェノール類を供給するために効果的な投与量で投与される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
組成物が、毎日、2.5から5mgのヒドロキシチロゾールを供給するために効果的である投与量で投与される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記免疫抑制剤が、タクロリムス及びヒドロキシウレアから成る群より選択される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
免疫抑制剤又はグルココルチコイドで難治性であることがわかった皮膚の炎症状態の治療用の薬剤の製造のための、オリーブの植物水から得られる組成物の使用。
【請求項16】
薬剤が経口投与用に処方される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
組成物が、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加し、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)植物水に最初に存在するオレウロペインの少なくとも50%がヒドロキシチロゾールに転換されるまでの間、酸性化した植物水をインキュベートする工程により製造されたヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である、請求項15又は16に記載する使用。
【請求項18】
組成物が、(i)オリーブから植物水を製造する工程、(ii)植物水に酸を添加し、これにより酸性化した植物水を製造する工程、及び(iii)ヒドロキシチロゾールとオレウロペインの質量比率が1:1から200:1になるまでの間インキュベートする工程により製造された、ヒドロキシチロゾールの豊富な組成物である、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項19】
前記質量比率が5:1から50:1である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記薬剤が、錠剤、カプセル又はピルとして処方される、請求項15から19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
前記薬剤が、液体として処方される、請求項15から19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項22】
皮膚の炎症状態が、乾癬、湿疹、アレルギー性皮膚炎、光過敏症の皮膚炎及びじんましん様苔癬から成る群より選択される、請求項15から21のいずれか1項に記載の使用。

【図7】
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【公表番号】特表2009−502805(P2009−502805A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522975(P2008−522975)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/028265
【国際公開番号】WO2007/012057
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(503082066)クレアグリ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】