説明

皮膚の症状の局所治療

【課題】ざ瘡の生成を抑制または調節し、皮膚のべたつきを抑制または治療し、ざ瘡の発生を阻止または抑制し、そして存在している場合にはざ瘡を治療するよう皮膚に塗布可能な配合物を提供する。
【解決手段】本発明は、皮脂還元剤、角質溶解剤及び抗炎症薬を含む皮膚の症状を治療するための改良型配合物及び方法に関し、その結果、皮膚の症状、例えばざ瘡について予想外に優れた制御が得られる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本願は、2003年5月16日に出願された米国特許出願第10/439,735号(代理人事件番号J&J5037)の一部継続出願であり、この米国特許出願明細書の記載内容を参照によりここに組み入れる。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、皮膚の治療に関し、特に、過剰皮脂生成に起因する皮膚の症状およびその結果(尋常性ざ瘡を含む)の治療に関する。
【0003】
過剰皮脂生成は、特に十代に見受けられる一般的な問題であり、これが原因となって皮膚のべたつき/てかりを有する外観が生じる。
【0004】
これは、気まずい思いを引き起こし、また、ざ瘡の大きな原因のうちの1つでもある。ざ瘡は、多くの要因の結果であると考えられる。現在における本発明者の理解によれば、皮脂生成は、5−アルファ−還元酵素の存在により皮脂腺中で生じる。この酵素は、皮脂細胞に侵入するテストステロンのレベルに敏感である。テストステロンは、5−アルファ−還元酵素の影響下でジヒドロテストステロンに変換され、それが原因となって皮脂が多くなる。皮脂は、スクアランろうエステル、コレステロールエステル及びトリグリセリドの混合物から成る。皮脂の異常に高い割合は、ざ瘡プロピオンバクテリウムの成長及び増殖を支え、ざ瘡プロピオンバクテリウムは、皮脂トリグリセリドをジグリセリド、モノグリセリド及び遊離脂肪酸に分解する。遊離脂肪酸は、フリーラジカルの存在において過酸化物化し、それにより、べたついた外観、炎症、コメド(面ぽう)及び他のざ瘡発現が生じる。リパーゼの活動を抑制することにより、皮膚のべたつき及び皮膚のその結果は、たとえ皮脂生成が同時に制御されなくても抑制できる。
【0005】
最近、局所用剤または局所作動剤が研究され、かかる局所用剤が脂制御剤としての活動性を有することが発見された。これらのうちの1つは、エルビオール(ジクロロフェニル−イミダゾールチオキソラン(dichlorophenyl-imidazoltioxolan))である。エルビオールは、有効な脂制御剤である。この目的のためにその使用について法的な認可が模索されている。
【0006】
別の幾つかの皮脂調整剤が、米国特許出願第10/340,341号(2001年7月13日出願)に記載されており、この米国特許出願明細書の要旨を参照によりここに組み入れる。本発明は、皮脂調節効果を有する多種多様な生成物をもたらし、かかる生成物としては、酵素の加水分解により得られる植物タンパク質加水分解物が挙げられる。かかる植物タンパク質加水分解物としては、大豆タンパク質や小麦タンパク質が挙げられる。かかる配合物は、皮膚の外観を向上させるのを助けると共に、他の症状、例えばざ瘡の発生を抑制するのを助けるよう設計された他の活性剤、例えば角質溶解剤を更に含むのがよく、かかる角質溶解剤としては、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及び抗炎症剤、例えばアルファ−ビサボロール、二カリウムグリチルリジン酸、アラントイン、カミツレ(chamomilla recutita)抽出物、トコフェリルアセテート、緑茶(camellia sinesis)抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物が挙げられる。
【0007】
本発明者は、米国特許出願第10/340,341号明細書に記載された配合物のうちの幾つかと追加の活性剤の組合せが、予想外にも、ざ瘡状態からの著しく迅速且つより完全な免荷を示し、この場合従来知られている場合よりも炎症の発生が少なかったことを発見した。
【0008】
かくして、本発明は、ざ瘡の生成を抑制または調節し、皮膚のべたつきを抑制または治療し、ざ瘡の発生を阻止または抑制し、そして存在している場合にはざ瘡を治療するよう皮膚に塗布可能な配合物の提供に関する。本発明は更に、皮膚のべたつき/てかりを有する外観及びその結果として生じる障害、例えばざ瘡を阻止、制御または抑制する方法に関する。
【0009】
別段の指定がなければ、明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「〜を有する」または「〜含む」”という用語は、排他的な意味とは対照的に包括的な意味に、即ち、「〜を含むが、それには限定されない」の意味に解されるべきである。
【0010】
〔発明の概要〕
驚くべきこととして、皮脂調整剤、角質溶解剤及び抗炎症剤を含む配合物を局所的に塗布した結果、皮膚の症状、例えばざ瘡の予想外の優れた制御が得られることが発見された。詳しく言えば、本発明の配合物及び方法は、皮脂調整剤、角質溶解剤及び抗炎症剤及び細菌性リパーゼ抑制剤、より好ましくは皮脂調整剤、角質溶解剤、抗炎症剤、細菌性リパーゼ抑制剤及び細菌増殖抑制剤を含む調剤に関し、かかる調剤は、或る特定の皮膚の症状、例えばざ瘡により影響を受けた皮膚に局所的に塗布することができる。驚くべきこととして、本発明の配合物及び方法の結果として、極めて迅速に、尋常性ざ瘡と関連した病変が消散される。
【0011】
より好ましくは、本発明の配合物は、5−アルファ−還元酵素抑制剤である皮脂調整剤を含む生成物に関する。かかる5−アルファ−還元酵素抑制剤は、アミノ酸、より詳細に言えば、シナモン樹皮抽出物と組み合わされたグリシン誘導体を含むのがよい。さらに、本発明の配合物は好ましくは、サリチル酸を含む角質溶解剤を含む。かかる配合物は、抗炎症剤、例えばスベリヒユ抽出物を更に含む。
【0012】
より好ましくは、本発明の配合物は、リパーゼ抑制剤、例えばシダーウッド抽出物または植物タンパク質加水分解物を更に含む。本発明の配合物はまた好ましくは、サリチル酸に加えて細菌増殖抑制剤を含むのがよく、かかる細菌増殖抑制剤は、かかる活動性を有するのがよい。
【0013】
本発明の配合物は、皮膚のべたついた性状を制御または少なくとも抑制し、皮膚のべたついた性状の結果としての疾患、例えばざ瘡を抑制または制御するのに有用な場合があり、上述の成分を含む。本発明は、また、本発明の配合物を過剰のべたつきの発生に敏感な皮膚に塗布することによりざ瘡を治療または少なくとも抑制する方法及び皮膚のべたつきの発生を阻止する方法を更に含む。
【0014】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
本発明の配合物は、本発明の全ての特徴において使用可能な配合物を議論する際に以下に詳細に説明するように、皮膚塗布のための調剤中に通常存在する他の成分を含むことができる。
【0015】
詳しく言えば、皮脂制御剤と抗炎症剤と角質溶解剤の組合せは予想外にも、ざ瘡病変部が治癒する時間及びざ瘡病変部の量を従来知られている配合物よりも迅速に減少させるのに役立つことが判明した。本発明の配合物は好ましくは、細菌性リパーゼ抑制剤及びこれに加えて細菌増殖抑制剤を更に含むのがよい。
【0016】
皮脂制御剤は、本発明の配合物中に利用され、かかる皮脂制御剤は、5−アルファ−還元酵素抑制剤の経路を介して皮脂生成率を調節する。
【0017】
さらに好ましくは、かかる5−アルファ−還元酵素抑制皮脂調整剤もまた、例えばアミノ酸誘導体から合成により得ることもできる。特に、グリシン誘導体が、本発明の配合物に有用であることが判明した。より詳しく説明すると、カプリロイルグリシン(capryloylglycine)とメチルグリシン(methylglycine)の組合せが、皮脂生成を減少させるのに有用であることが判明した。5−アルファ−還元酵素を抑制する他の生成物もまた、本発明の配合物及び方法で有用な場合がある。
【0018】
皮脂調整剤はより好ましくは、天然由来の物質と合成由来の物質の両方を含むのがよい。グリシン誘導体とシナモン樹皮抽出物の組合せが最も好ましい。この配合物は、フランス国パリ所在のセピック社(Seppic)からSepicontrol A-5として市販されている。
【0019】
必須アミノ酸であるグリシンの存在により、皮膚バリヤが強化されると考えられる。リポアミノ構造に対する皮膚の耐性は良好であり、それによりこのリポアミノ構造は、皮膚をその通常のバランスに戻すのに役立つ。シナモン抽出物中のカテキンタンニン成分は、皮膚細胞の収斂薬及び刺激薬として作用する。本発明者は、アミノ酸とシナモン抽出物の組合せが細菌増殖抑制剤としても作用すると考えている。
【0020】
細菌性リパーゼ抑制剤もまた、本発明の配合物に有用である。リパーゼ抑制は、植物タンパク質加水分解物、例えば加水分解大豆タンパク質や加水分解小麦タンパク質及び植物抽出物、例えばシダーやポプラからの抽出物が、少なくとも部分的に脂の制御を達成する機序であると考えられる。作動剤を塗布してリパーゼの活動を抑制することは、皮膚のべたつきを制御する新規な手法であると考えられる。皮脂調整剤を、天然源、例えば植物、特に加水分解植物タンパク質、例えば加水分解穀物タンパク質、特に加水分解小麦タンパク質、或いは他の植物、例えば任意の手段、例えば酸、細菌性加水分解または酵素加水分解により生じる加水分解大豆タンパク質から誘導できる。或る特定の植物抽出物、例えば適当な木からの抽出物もまた本発明の範囲に含まれ、かかる木としては、例えば、シダー、ポプラ及びミモザが挙げられる。かかる抽出物は、枝葉または特定の木の花の種々の段階、特に蕾からのものであるのがよい。本発明の配合物及び方法で有用な抽出物は、木の樹皮からも得ることができる。
【0021】
アミノ酸/タンニン含有物質は、上述した加水分解植物タンパク質に加えて、細菌性リパーゼ抑制剤として有用である。
【0022】
本発明の配合物及び方法において、細菌性リパーゼ抑制剤及び(または)過剰皮脂調整剤として有用な加水分解穀物タンパク質は、加水分解法により得られる加水分解小麦タンパク質、例えば好ましくは分子量が100,000〜500,000ダルトンの高分子量タイプの可溶性小麦タンパクであるがのよいが、低分子量水解物もまた、有効であると考えられる。クローダ社(Croda)により市販されている高分子量生成物、例えば分子量が100,000ダルトンのTritisol及び分子量が500,000のTritisol XMが特に適している。本発明者は、細菌性リパーゼ抑制剤がトリグリセリドのレベルを増大させ、それにより皮脂腺へのフィードバック信号が生じると確信している。
【0023】
本発明の配合物は好ましくは、細菌増殖抑制剤を更に含む。これら物質は、皮膚の生態系をより通常のバランスに戻し、かくして細菌増殖を抑制する。低刺激の静菌性化合物、例えばサリチル酸等は、本発明の配合物及び方法において有用である。また、グリシン誘導体及びシナモン樹皮抽出物は、静菌性活動性を示すのでこれらもまた有用である。他の細菌増殖抑制剤としては、次のもの、即ち、ティーツリー油並びに当業者に知られている抗生物質が挙げられ、かかる抗生物質としては、例えば、エリスロマイシンやクリンダマイシン等が挙げられる。
【0024】
抗炎症剤もまた、本発明の配合物の好ましい成分であり、本発明の方法で有用である。本発明に従って任意適当な局所抗炎症剤を用いることができる。グリシン誘導体及びシナモン樹皮抽出物、アルファ−ビサボロール及びスベリヒユ抽出物並びにこれらの混合物は、これらの有効性、利用可能性及び法的認可状態の故に好ましい。好ましくは、スベリヒユが本発明の配合物中に存在する。より好ましくは、アルファ−ビサボロールとスベリヒユの両方が存在する。また、アラントインが有用な場合がある。これら作動剤は、有効量存在し、かかる量は、特定の物質の有効性で決まることになる。
【0025】
角質溶解剤もまた、好ましくは本発明の配合物に用いられる。角質溶解剤は、任意適当な作動剤であってよく、かかる作動剤としては、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及びより好ましくは有効性及びマイルドさに鑑みてサリチル酸が挙げられるが、これらには限定されない。
【0026】
好ましくは、本発明の配合物は、皮脂還元剤、細菌性リパーゼ抑制剤、細菌増殖抑制剤、抗炎症剤及び角質溶解剤を含む。より好ましくは、本発明の配合物は、合成的に誘導した皮脂調整剤、植物タンパク質加水分解物、天然由来の細菌性リパーゼ抑制剤、角質溶解剤及び抗炎症製剤を含む。
【0027】
さらに好ましくは、本発明の配合物は、天然由来の皮脂調整剤と組み合わされたアミノ酸誘導体である皮脂調整剤、シダーウッド抽出物、加水分解植物タンパク質または2種類以上の混合物から成る群から選択された少なくとも1つの細菌性リパーゼ抑制剤、細菌増殖抑制剤としてのサリチル酸、抗炎症剤としてのスベリヒユ及び角質溶解剤としてのサリチル酸を含む。
【0028】
本発明の別の特徴では、本発明の配合物の用途及び皮膚のべたつき/てかりを有する外観及び(または)その結果、例えばざ瘡を阻止、抑制または制御する沈着エンハンサが提供される。この特徴においては、少なくとも1つの皮脂調整剤及び沈着エンハンサを適当なキャリヤと一緒に含むかかる用途のための局所的配合物もまた提供される。また、皮膚のべたつき及び(または)その結果、例えばざ瘡を阻止または少なくとも抑制する方法であって、皮脂調整剤及び沈着エンハンサ、例えばフィタントリオール(phytantriol)、ポリクオタニウム(polyquaternium)−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−22及びポリクオタニウム−39の局所塗布段階を有する方法が提供される。好ましくは、沈着エンハンサは、フィタントリオールである。
【0029】
本発明の別の特徴では、皮膚のべたつき/てかりを有する外観を制御する方法であって、かかる外観を備えまたはかかる障害に敏感な皮膚にリパーゼ抑制物質を含む本発明の配合物を塗布する段階を有する方法が提供される。本発明のこの特徴はまた、かかる方法に用いられ、リパーゼ抑制剤及び適当なキャリヤを有する局所配合物を提供する。リパーゼ抑制は、植物タンパク質加水分解物、例えば加水分解大豆タンパク質や加水分解小麦タンパク質及び植物抽出物、例えばシダーやポプラからの抽出物、および合成的に誘導したアミノ酸含有配合物が、少なくとも部分的に脂の制御を達成する機序であると考えられる。作動剤を塗布してリパーゼの活動を抑制することは、皮膚のべたつきを制御する新規な手法であると考えられる。
【0030】
憶測で決めつけるわけではないが、本発明の脂制御剤の活動性はその特徴の全てにおいて、小胞リザーバ及びリパーゼの活動を抑制することにより皮脂の生成率を調整することまたは場合によっては皮脂合成段階のところで調整することが考えられる。
【0031】
本発明の配合物及び方法によれば、皮膚のべたつきを制御する活性成分は好ましくは、約2〜約4μl/cm2、好ましくは約3μl/cm2の量を塗布される。活性成分を間隔を置いて塗布すると、有効な結果を達成することができる。望ましくは、塗布は、1日に少なくとも1回または好ましくは1日に2回である。治療期間は、症状の重症度及び活性成分が皮膚のべたつきの発生の予防措置としてまたは皮膚のべたつきが発現した後またはより重傷のざ瘡症状発現が存在した後に塗布するかどうかで決まることになる。本発明の活性成分が皮膚のこれらの疾患を治療するうえでマイルドであって且つ非攻撃的な作動剤であることが判明しているので、塗布は、相当長期間にわたり必要であろう。この時間は、人によって様々な場合がある。試行の示すところによれば、皮膚のべたついた外観の顕著な軽減は、ほんの4週間後に生じることが可能であった。
【0032】
本発明の活性成分はその特徴の全てにおいて、局所的に塗布可能な配合物の状態で塗布される。配合物を任意他の製剤を用いないで皮膚に直接塗布することができる。活性成分は、もし皮膚が活性成分の塗布の開始前1日から最高約2週間の期間にわたり、活性成分の塗布のために完全に清拭されていれば、迅速に働くことになることが考えられる。適当な洗浄コンディショニング材料は、ジョンソン・アンド・ジョンソン社によりClean & Clear(登録商標)フェイシャルウォッシュという商標名で調達される材料である。活性成分の塗布中、顔面を洗浄し、次に、徹底的に乾燥させ、その後活性成分を局所製剤の状態で塗布する。局所製剤は、その性状に応じて、指で単に塗布することができ、または適当な基材、例えば適当なファブリックに完全に染み込ませて塗布できる。
【0033】
本発明の局所製剤は、任意適当な形態、例えばゲル、クリーム、ローション、液体またはアトマイザースプレーの状態であってよい。これら配合物は、過度のべたつき及びその結果としての疾患、例えばざ瘡の複雑系において脂の制御または他の有用な効果を有する他の作動剤を含むのがよい。これら作動剤は、本発明の活性成分の有効性を妨害してはならない。
【0034】
本発明の配合物をアルコールを主成分とするゲル並びに水性ゲルの状態で塗布できる。例えば、本発明の好ましい実施形態では、皮脂制御剤、角質溶解剤及び抗炎症剤をアルコールを主成分とする溶剤と組み合わせるのがよく、かかる溶剤としては、低級アルコール(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ハマメリスバージニアーナ(hamamelis virginiana)(ウィッチヘーゼルともいう)等)が挙げられる。好ましくは、本発明の配合物中におけるアルコールは、約30〜約50重量%、ハマメリスバージニアーナは約30〜約45重量%存在すべきである。より好ましくは、本発明の配合物は、細菌性リパーゼ抑制剤を更に含む。皮脂制御剤、角質溶解剤、抗炎症剤及び細菌性リパーゼ抑制剤は好ましくは、5−アルファ−還元酵素抑制剤、サリチル酸、スベリヒユ抽出物またはアルファビザボロール及びシダーウッド抽出物または加水分解植物タンパク質からそれぞれ選択されるのがよい。最も好ましくは、上述の皮脂制御剤は、カプリロイルグリシン(capryloyl glycine)、シナモン樹皮抽出物及びサルコシン(Sarcosine)であり、上述の角質分解剤は、サリチル酸であり、上述の抗炎症剤は、スベリヒユ抽出物であり、上述の細菌性リパーゼ抑制剤は、シダーウッド抽出物である。上述のアルコールを主成分とするゲルは、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースを含むヒドロキシアルキルセルロース増粘剤、追加溶剤としてのブチレングリコール及びプロピレングリコールを含むアルキレングリコール及び湿潤剤、例えばグリセリンを含むのがよい。当業者に知られている緩衝剤、例えば水酸化ナトリウム及びクエン酸ナトリウムもまた、pHを調節するために利用するのがよい。
【0035】
本発明の配合物及び方法において用いられる活性成分は、所望の結果を達成するのに有効な量、局所配合物中に存在する。濃度が高ければ高いほどそれだけ一層所望の効果が迅速に達成されることになる。しかしながら、特定の生成物に応じて或る特定のレベルを超えると、増大した活動性はぎりぎりになり、場合によっては、副作用の恐れを高め、追加の活性成分が無駄になる場合がある。一般的に観察可能な効果は、約0.1%〜約1%の活性成分で達成できる。より好ましくは、約5%未満のレベルの活性成分が存在すべきであり、最も好ましくは約3%未満の活性成分が存在すべきである。しかしながら、活性成分の範囲は一般に、用いられる特定の成分に応じて様々である。一般に、配合物を利用する目的にとって有効である十分な量の活性成分が本発明の配合物中に存在することが必要である。副作用、例えば過敏症、炎症または他の有害な活動状態を引き起こすレベルよりも低い活性成分が存在すべきである。好ましくは、皮脂調整剤は、抗炎症活動性をもたらすのに有効な量、本発明の配合物及び方法中に存在する。当然のことながら、これら作動剤は、特定の物質の有効性に依存する有効な量が存在することになる。本発明の方法及び配合物にSepicontrol A-5が用いられている場合、これは、配合物の重量を基準として約0.5重量%〜約5重量%、より好ましくは約1重量%〜約4重量%存在すべきである。
【0036】
細菌性リパーゼ抑制剤として有用な物質は好ましくは、抗炎症活動性をもたらすのに有効な量、本発明の配合物及び方法中に存在する。当然のことながら、これら作動剤は、特定の物質の有効性に依存する有効な量が存在することになる。シダーウッド抽出物が加水分解植物性タンパク質、例えば加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質と共に用いられる場合、これら3つの物質の全量は、配合物の重量を基準として約0.1重量%〜約4重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約3重量%存在すべきである。
【0037】
細菌性リパーゼ活動性及び角質分解活動性に影響を及ぼす物質の多くもまた、細菌増殖を抑制するよう働き、かかる物質としては、Sepicontrol A-5及びサリチル酸、ティーツリー油並びに抗生物質、例えばエリスロマイシン及びクリンダマイシン等が挙げられる。これら物質は、細菌増殖抑制活動性をもたらすのに有効な量、本発明の配合物及び方法中に存在すべきである。例えばサリチル酸が用いられる場合、これは、配合物の重量を基準として約0.5重量%〜約2重量%の量が存在すべきである。
【0038】
好ましくは、抗炎症剤は、抗炎症活動性をもたらすのに有効な量、本発明の配合物及び方法中に存在する。当然のことながら、これら作動剤は、特定の物質の有効性に依存する有効な量存在することになる。スベリヒユ(portulaca oleracea)抽出物が用いられる場合、これは、配合物の重量を基準として約0.2重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1重量%存在すべきである。アルファ−ビサボロールが用いられる場合、これは、配合物の重量を基準として約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約1重量%存在すべきである。
【0039】
角質溶解剤は、本発明の配合物及び方法に有効な量、存在すべきである。好ましくは、これら角質溶解剤は、配合物の重量を基準として、約0.1重量%〜約2重量%の量が存在すべきである。より好ましくは、かかる角質溶解剤は、少なくとも約0.2重量%、より好ましくは少なくとも約0.3重量%、最も好ましくは少なくとも約0.5重量%の量が存在すべきである。最大量は、一般に費用に関する要因で制限される。というのは、過剰分は、必要な結果を達成するのに必要でなく、かかる過剰分が原因となって、望ましくない副作用が生じる場合があるからである。最も好ましくは、角質溶解剤は、サリチル酸である。
【0040】
最も好ましくは、本発明の配合物は、Sepicontrol A-5と、シダーウッド、加水分解大豆タンパク質及び加水分解小麦タンパク質から成る群から選択された細菌性リパーゼ抑制剤と、サリチル酸と、スベリヒユ抽出物と、を含む。かかる配合物は、ざ瘡の量の減少を非常に短時間で達成するという予期せぬ結果をもたらすことが示された。
【0041】
本発明の配合物及び方法で有用な場合がある他の成分としては、沈着エンハンサ、例えばフィタントリオール、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−22及びポリクオタニウム−39が挙げられる。好ましくは、フィタントリオールは、本発明の配合物及び方法において、配合物の重量を基準として約0.1〜約0.5重量%、より好ましくは約0.1〜約0.3重量%の量が存在する。
【0042】
配合物の別の望ましい成分は、皮膚浸透剤、例えばプロピレングリコールまたはトランスクトールであり、かかる皮膚浸透剤は、本発明の配合物が皮膚の細孔まで浸透して所望の結果を達成するのを助ける。
【0043】
本発明の配合物は好ましくは、皮膚治療配合物中に通常存在する他の成分、例えば、増粘剤、乳化安定剤、乳化剤、皮膚軟化剤、閉塞剤、スキンコンディショナ、保湿剤(モイスチャライザ)、湿潤剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤、界面活性剤、キレート剤、粘着付与剤、芳香剤等を含む。望ましくは、配合物は、水性である。成分のうちの幾つかは、水混和性ではないので、配合物は、当該技術分野において周知な適当な乳化装置を用いて乳剤の状態に形成する必要または水混和性有機溶剤を添加して水不混和性成分を溶解させる必要があろう。
【0044】
本発明の配合物は、他の活性成分と関連して且つ他の治療法と関連して使用でき、かかる治療法としては、トレチノイン塗布が挙げられるが、これには限定されない。また、かかる活性成分を本発明の配合物中に添加してもよい。本発明の配合物は、手を用いて直接皮膚に塗布でき、または、アプリケータ器具、例えばワイパまたは綿棒等と関連して皮膚に塗布してもよい。本発明の配合物は、チューブ、密封パケット、ジャー、ポンプ、ボトル、カン、外科用綿撒糸、タオル、ワイパ等に包装してもよい。本発明の配合物は、種々の形態で利用でき、かかる形態としては、スキンクレンザ、化粧水、保湿剤またはリーブオントリートメント(leave-on treatment)等が挙げられる。
【0045】
増粘剤としては、一般に約0.15〜約1.5%、より好ましくは約0.45〜約1.3%、最も好ましくは約0.15〜約1%の量の適当なポリマー、例えばカルボマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、PVM/MAデカジエン架橋ポリマー及びアクリレート/C10-30アルキルアクリレート架橋ポリマーが挙げられる。かかる増粘剤のうち2つ以上を添加するのがよい。或る場合には、増粘剤は、他の効果、例えば乳化安定剤としての効果を有する。他の特定の乳化安定剤もまた添加してよい。好ましい組合せは、PVM/MAデカジエン架橋ポリマーとアクリレート/C10-30アルキルアクリレート架橋ポリマーである。PVM/MAデカジエンは通常、約0.15〜約0.5%、より好ましくは約0.15〜約0.3%の量が存在する。アクリレート/C10-30アルキルアクリレート架橋ポリマーは通常、約0.3〜約0.8%、より好ましくは約0.5〜約0.7%存在する。
【0046】
別の望ましい成分は、一般に約2〜約5%、より好ましくは約3〜約5%の量存在する皮膚軟化剤、例えばジイソプロピルアジパート(diisopropyl adipate)/イソヘキサデカンジメチコーン(isohexadecane dimethicone)及びC12-15アルキルベンゾエートである。
【0047】
スキンコンディショナ、例えば閉塞剤、例えばシクロメチコーン(cyclomethicone)、トリメチルシロキシシリケート(trimethylsiloxysilicate)、グリセレス(glycereth)−26またはポリクアテルニウム−7(これはまた、被膜形成剤として機能する)を、約1〜約4%、より好ましくは約1〜約3%の量含めるのがよい。
【0048】
乳化剤、例えばセチルアルコール、ステアリル、ステアリン酸、グリセリルステアレート、プロピレングリコールイソステアロイル、イソステアロイルナトリウム、ラクチレート、ポリオキシエチレン(100)ステアレートを添加するのがよい。
【0049】
保湿剤、例えばパンテノールを一般に約0.25〜約1%の量添加するのがよい。
【0050】
また、抗酸化剤、例えばトコフェリルアセテートまたはBHTを一般に約0.1〜約1%、より好ましくは約0.2〜約1%の量添加するのがよい。トコフェリルアセテートはまた、もし用いられた場合、抗炎症特性を有し、それ故その目的のために存在することができるが、望ましくは他の抗炎症剤もまた、存在する。
【0051】
湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはグリセリンもまた、一般に、約1〜約5%、より好ましくは約3〜約5%の量が存在するのがよい。
【0052】
防腐剤、例えばフェノキシエタノール及びパラベンは、一般に約0.5〜約1%、より好ましくは約0.8〜約1%の量が存在する。
【0053】
通常、塩基であるpH調整剤、例えばトリエタノールアミンまたは水酸化ナトリウムが、通常、約4〜約5.5である所望のpHをもたらす十分な量存在する。これは通常、残りの成分の酸性度に応じて約0.3〜約2%の範囲に収まるであろう。
【0054】
通常、適当な芳香剤が、所望の気持ちのよい香りを与えるのに十分な量添加される。
【0055】
配合物は、一般に約0.01〜約0.1%、より好ましくは約0.05%の量を、キレート剤、例えば二ナトリウムEDTAまたはクエン酸ナトリウムを更に含むのがよい。
【0056】
配合物は、一般に約1〜約2%、好ましくは約1.5%の量、脱粘着剤、例えばオクテニルコハク酸デンプンアルミニウム(aluminum starch octenyl succinate)を更に含むのがよい。
【0057】
配合物は、水性主剤及び水と混和性があり、脂肪親和性成分を可溶化する適当な有機溶剤を含む液体の形態をしているのがよい。その目的に適した溶剤は、ブチレングリコールである。望ましくは、溶解補助剤、例えばポリソルベート−20もまた含まれる。
【0058】
本発明の配合物は、追加の洗浄効果を更に有するのがよい。他の成分に加えてかかる洗浄配合物は、一般に約2〜約6%、より好ましくは約3〜約5%の界面活性剤、例えばラウリルリン酸及び約2〜約4%、より好ましくは約2.5〜約3.5%の起泡増進剤、例えばコカミドプロピルベタインを含むのがよく、抗菌剤、例えばトリクロサンが、一般に約0.1〜約0.5%、好ましくは約0.25%の量更に含まれるのがよく、そして、洗浄剤、例えばラウリン酸やミリスチン酸もまた望ましくは、一般に約5〜約15%、より好ましくは約8〜約12%、最も好ましくは約9〜約10%の量存在する。
【0059】
細菌発酵により作られる本発明の加水分解大豆タンパク質は、セダーマ社(Sederma)によりBiodermineという商標名で供給されている。これは、特有の匂いを持つ透明で淡い黄色がかった液体である。市販の製品は、加水分解大豆タンパク質及びプロピレングリコールを含む。
【0060】
加水分解小麦タンパク質は、上述のクローダ社から得ることができる。これは、特有の匂いを持つ粘稠なこはく色の溶液である。これは、酵素加水分解により得られる。この生成物は、水に溶かした加水分解小麦タンパク質の混合物である。
【0061】
シダーウッド抽出物及びポプラの芽の抽出物(ポプラエキス)の両方は、アルバン・ミュラー・インターナショナル(Alban Muller International)から入手できる。シダーウッド抽出物は、アトラスシダー(Cedrus atlantica)からの茶色がかった非常に暗緑色の液体抽出物である。これら抽出物は、水溶性であり、抽出溶剤としてプロピレングリコール及び水を用いて得られると理解されている。他の溶剤を用いても本発明に従って皮脂を制御するのに有効な作動剤を含む抽出物を得ることができると考えられる。
【0062】
ポプラの芽の抽出物は、芳香性の匂いを持つポプラス・ニグラ(ポプラ)から抽出された茶色の液体である。この場合もまた、このようにして得られた抽出物は、抽出溶剤としてプロピレングリコール及び水を用いるが、他の抽出溶剤も本発明に用いるのに適した作動剤を得るのに有用であると考えられる。
【0063】
一般に、本発明の配合物及び方法で好ましく利用される成分の好ましい濃度範囲は、以下の通りである(全ての範囲は、近似値として判断されるべきである)。
【0064】
【表1】

【0065】
以下の実施例は、本発明の方法及び配合物を説明するものであるが、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【0066】
実施例1:
本発明のゲル配合物を次のようにして作った。浄水を混合容器に添加することにより配合物#1を作った。アクリレートC10-30アルキルアクリレート架橋ポリマーを容器に添加して分散状態になるまでよく掻き混ぜた。混合工程を実施しながら約70〜約75℃までの加熱を開始した。約75〜約80℃において、PVM/MAデカジエン架橋ポリマーを容器中へ振り掛けて分散状態になるまで掻き混ぜた。次に、容器を約75℃〜約80℃に保持してサリチル酸をプロピレングリコールと共に漸次導入し、透明になるまであらかじめ混合し、そして漸次導入後に添加のため保持した。
【0067】
12-15アルキルベンゾエートを添加し、次にセチルアルコールを添加して約80℃に加熱することにより別個の容器内に油相を作った。漸次導入前に、シクロメチコーン及びトリメチルシロキサンシリケートを添加した。漸次導入工程中、水相を均質化容器に移送し加熱した。約70〜約75℃において、油相を水相に添加し、均質になるまで混合した。水酸化ナトリウム溶液の半分を容器に添加し、均質バッチが達成されるまで添加しながら混合した。ホモジナイザをオフにし、配合物を混合して55〜60℃まで冷却した。次に、サリチル酸及びプロピレングリコール予備混合物を添加して均質になるまで混合した。水酸化ナトリウム溶液の残部をpHが約4.5になるまで混合しながら添加した。
【0068】
アルコールを攪拌しながら40℃未満の温度で添加することにより配合物#2を作った。次に、カプリロイルグリシン、サルコシン及びシナモン(Cinnamomum Zeylanicum )抽出物を添加し、配合物を均質になるまで混合した。次に、スベリヒユ抽出物を添加し、次にシダーウッド抽出物を添加し、配合物を均質になるまで混合した。
【0069】
二カリウムグリチルリジン酸を浄水の添加直後に容器に更に添加して配合物#3を作った。防腐剤、芳香剤及びトコフェリルアセテートを40℃よりも低い温度で配合物#1に添加した。防腐剤、芳香剤、トコフェリルアセテート及びアルファビサボロールを約40℃よりも低い温度で配合物#2に添加した。メチルメタクリレート架橋ポリマー、フェノキシエタノール及びパラベン、芳香剤及びパンテノールを約40℃よりも低い温度で配合物#3に添加した。次に、配合物を均質になるまで混合した。
【0070】
当業者に知られている方法に従ってアルコールを主成分とするゲル製剤として配合物#1〜#3に類似した仕方で配合物#4を作った。
【0071】
最終の配合物の粘度は、約5,000〜約60,000cpsであるべきであり、25℃におけるpH測定値は、約4〜約5.5であるべきである。
【0072】
配合物#1〜#4は、以下の表IAに記載されている。
【0073】
【表2】

【0074】
実施例2:スポット治療として用いられた場合における尋常性ざ瘡の治療におけるゲル製品の効能及び安全性の評価
【0075】
本発明の配合物のスポット治療として用いられた場合のざ瘡の治療における保湿ゲルの効能の評価を10%過酸化ベンゾイル2%サリチル酸を含むゲルに対して試験した。
【0076】
【表3】

【0077】
5つの試験グループの各々について全体的な健康状態が良好であるが、軽度から中等度のざ瘡に罹患している16歳〜25歳の30人の女性を選択した。完了した被検者の人数が、上記表2に記載されている。一定の試験パラメータを確保するため、全てのパネリストを試験センターの皮膚科医により事前選別した。
【0078】
研究は、二重盲検、シングルセンタ、パラレル、無作為化の研究設計を含む。被検者は、研究開始に先立って、状態調節(コンディショニング)または洗浄期間として役立つ2週間の間、与えられたClean & Clear(登録商標)フェイシャルウォッシュをつけた。試験製品を12週間の間、1日に2回(昼と夜)ざ瘡スポット上にのみ塗布し、日誌に記録した。評価を基底線中、次に第1週の間全ての製品について毎日行い、次に最高12週間の使用まで2週間毎に行った。
【0079】
皮膚科学的評価では、1〜10の全体的ざ瘡評定尺度を用いる全体的ざ瘡の改善度が含まれ、ここで、1=軽度、10=重度であり、更に、べたつき及び炎症のレベルの減少についての評価が含まれた。べたつき及び炎症を5ポイント尺度で測定したが、ここで1=軽度であり、5=重度であった。
【0080】
また、被検者に質問して12週間後における製品を評価し、この場合、被検者は、この場合もまた5ポイント尺度(1=軽度、5=重度)を用いてざ瘡、紅斑、乾燥/皮膚剥脱及びべたつきが減少したかどうかについて格付けした。
【0081】
結果の示すところによれば、試験用製品及びコントロール(賦形剤及びベンチマーク)が、4週間後にのみざ瘡計数を著しく減少させた。しかしながら、配合物Cの効能は、迅速且つ良好である(ざ瘡計数の有意減少率は、4日目までに〜28%、2週目までに40%、12週目までに56%)。しかしながら、ベンチマークは、ざ瘡計数に対する影響は最小限であり、顕著な活動性を示したのは4週間後に過ぎなかった。配合物Dは、ざ瘡計数の有意減少率は、8週目までに21%しか示さず(12週目までに42%の減少率)、10%BPOより4週間遅い、(4週目までに14%の減少率、12週目までに28%の減少率)、2%サリチル酸より4週間遅い(4週目までに26%の減少率、12週目までに37%の減少率)減少率を示すに過ぎなかった。かくして、配合物Cの組合せは、予期せぬこととして、特に現場(on-the-spot)製品に関し、配合物の効能を向上させた(先の試験の示すところによれば、Sepicontrolの有無にかかわらず、配合物Dの効能が等しいが、これは、顔面全体の使用に起因する可能性があり、現場治療では、より効き目の強い配合物、例えば配合物Cが必要な場合がある)。
【0082】
Sebumeter SM 810を用いる器具による測定を温度及び湿度が制御された環境で実施した。温度を25℃〜28℃に維持し、湿度を40〜60%の範囲に維持した。これら条件を評価日数の間記録した。被検者に評価前1時間は暖かいカフェイン含有飲料を飲まないよう命じると共に測定前少なくとも10分間は室内条件に順応するよう命じた。カセットの艶消しプラスチックフィルムを30秒間4Nの力で顔面の指定された領域に押し付けることにより皮脂の読みを取った。測定した皮膚の面積は、約65mm2であった。次にカセットをSebumeterの孔内に挿入した。フィルムにより吸収された皮脂を光度測光法で分析すると、μg/cm2の単位で皮脂の読みを表示して記録した。2つの読みをこれら試験部位、即ち、左の額、左の頬、右の額及び右の頬の各々について取った。研究は1年のうちで寒い月の間行われたので、被検者の人数への割り当てに適合するために皮脂の読みの必要最小限の要件を180μg/cm2に設定した。
【0083】
次の時点の読みを基底線から差し引き、この差を基底線の読みで除算することにより皮脂減少率を計算した。次に、分散の分析を3週間、6週間、9週間及び12週間の間皮脂減少率に対して行い、有意性の判定基準としてp≦0.05を用いた。
【0084】
結果によれば、試験製品もまた、皮膚のべたつきを減少させた。2%サリチル酸(配合物B)は、この点において良好に働く(4週間で71%減少率)。10%BPO(配合物A)は、配合物C及び配合物Dよりも迅速に作用するが、最終的に、研究の終わりで一致する(配合物A:52%減少率、配合物C:62%減少率、配合物D:45%減少率であり、これらは全て12週までである)。配合物C,D並びに賦形剤及び2%サリチル酸は、炎症を減少させた(B:73%減少率、C:78%減少率、D:70%減少率、E:46%減少率、これらは全て12週までであった)。しかしながら、配合物Aは、皮膚の炎症を悪化させた。製品を用いた被検者は、重度の刺激について不平を言った(例えば、炎症、乾き、皮膚剥脱)。この試験グループからの3人の被検者は最終的に研究からドロップアウトした。
【0085】
試験結果は、表2A、表2B、表3及び表4並びに図1〜図3に記載されている。
【0086】
【表4】

【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
実施例3:
この研究では、3種類の配合物、即ち、活性成分としてSepicontrol A5だけを含有する第1の配合物(A)、Sepicontrol、シダーウッド抽出物、スベリヒユ抽出物及びサリチル酸を含有した第2の配合物(B)及びSepicontrolを含有せず、シダーウッド抽出物、スベリヒユ抽出物及びサリチル酸だけを含有した第3の配合物(C)を互いに比較した。
【0091】
全体的な健康状態が良好であるが、軽度から中等度のざ瘡に罹患している16歳〜35歳の被験者を選択して研究に参加させた。セル毎に15人の被験者を募集した。4人がドロップアウトした。
【0092】
研究は、二重盲検、シングルセンタ、無作為化、スポット治療の研究設計を含む。インフォームド・コンセントを得た上でボランティアを募った。被検者は、研究開始に先立って、1週間の間、与えられたClean & Clear(登録商標)フェイシャルウォッシュをつけた。この期間が状態調節(コンディショニング)または洗浄期間となった。試験製品を1日に2回のみ(昼と夜)ざ瘡スポット上に塗布し、4週間にわたって日誌に記録した。評価を基底線中、第1週の間(1日目、2日目、7日目)毎日行った。第1週後、評価を4週目(2周目、3週目、4週目)まで毎週の終わりに行った。
【0093】
皮膚科学的評価では、1〜10の全体的ざ瘡評定尺度を用いる全体的ざ瘡の改善度が含まれ、ここで、1=軽度、10=重度であり、更に、べたつき及び炎症のレベルの減少についての評価が含まれた。べたつき及び炎症を5ポイント尺度で測定したが、ここで1=軽度であり、5=重度であった。また、被検者に質問して4週間後における製品を評価し、この場合、被検者は、この場合もまた5ポイント尺度(1=軽度、5=重度)を用いてざ瘡、紅斑、乾燥/皮膚剥脱及びべたつきが減少したかどうかについて格付けした。
【0094】
結果は次の通りである。すなわち、すべての試験製品は、4週間の終わりでざ瘡計数を著しく減少させた。配合物Bは、3日目までにざ瘡計数の著しい減少(19.35%)を示した(4週目までで84%の減少率)。
【0095】
配合物Aがざ瘡計数の著しい減少(16.12の減少率)を示したのは7日目に過ぎなかった(4週目までで37%の減少率)。配合物Cは、6日目までに著しくざ瘡計数を減少(14.35%)させた(4週目までで42.15%の減少率)。
【0096】
全ての製品は、べたつきの減少において等しく効き目があった。主剤は保湿ゲル主剤なので、製品は、過度の乾燥を引き起こさなかった。
【0097】
全ての製品はまた、炎症を減少させた。配合物Bは、試験期間の終わりで良好な効き目を示し、これに対し、他の2つの製品は、同等な活動性を示した。
【0098】
かくして、臨床上の研究は、尋常性ざ瘡の治療において天然成分であるSepicontrol A5の組合せを含有した配合物Bの予期しない優位性を確定している。この配合物は、配合物Aが7日目までであり配合物Cが6日目までであることと比較して、3日目までにざ瘡計数を著しく減少させる。
【0099】
配合物Bもまた、予期せぬこととして、製品の効能の連続した改善を提供した。ざ瘡計数の連続減少は、研究期間の終わりまでに観察された。配合物Cもまた、4週間までに効能を立証した。
【0100】
配合物Cは、4週間目の終わりに、ざ瘡の治療において配合物Aよりも僅かに良好であった(ざ瘡計数の減少率が42%に対して37%)。
【0101】
また、製品は全て、炎症を軽減させた。しかしながら、配合物Bは、研究期間の終わりに良好な効能を立証し、他の2つの製品は、同等な活動性を示した。
【0102】
結果は次の表5A及び表5Bに記載されている。
【0103】
【表8】

【0104】
【表9】

【0105】
【表10】

【0106】
上記表6中のデータは、図6にグラフ表示されている。
【0107】
実施例4:
本発明による以下の配合物5〜8を、以下の成分を有する実施例1に記載された手順に従って作ることができる。
【0108】
【表11】

【0109】
配合物9〜12もまた、以下の成分を含む図1に記載された手順に従って作ることができる。
【0110】
【表12】

【0111】
実施例6:
実施例 の配合物と過酸化ベンゾイルを含有した市販のざ瘡治療配合物を比較する二重盲検無作為化研究を行った。顔面に軽度から中等度の尋常性ざ瘡のある六十(60)人の被検者を1グループ30人の被検者の内訳で2つの治療グループにそれぞれ無作為に割り当てた。軽度から中等度の尋常性ざ瘡を全部で20〜150のざ瘡病変部により特定し、このうち10〜100個は、非炎症性病変部であり、10〜50個は、炎症性病変部であったが、基底線時には<1小結節が存在していた。被検者はまた、まだ消散しそうにない少なくとも2つの丘疹または膿疱が顔面にあった。かかる丘疹または膿疱を研究の目的上、「標的病変部」と定めた。
【0112】
グループIの個人個人は、実施例 の配合物を8週間にわたり1日2回自分の顔面全体に塗布した。グループIIの個人個人は、過酸化ベンゾイル配合物を8週間にわたり1日2回自分の顔面全体に塗布した。これらの個人は、皮膚科医を訪れ、この皮膚科医は、研究の0日目、2日目、4日目及び7日目に各試験被検者の臨床上の評価を行った。
【0113】
研究の0日目の基底線訪問時に、皮膚科医は、標的病変部をマップして病変部と関連した潮紅、病変部の寸法/直径及び病変部の腫大/高さについて以下の尺度に従って各病変部を格付けした。
【0114】
【表13】

【0115】
被検者は、1日に2回、朝と夜、以下の手順により指定された製品を塗布した。すなわち、被検者は、自分の顔をPURPOSE(登録商標)ジェントルクレンジングウォッシュで自分の顔を洗顔し、完全にすすぎ、優しく自分の顔をパッティングして乾燥させた。被検者は、約1/2インチ(1.27cm)の製品を絞り出して自分の手のひらに載せ、そしてこの製品を自分の目、唇及び口領域を除き顔面領域全体に塗布した。被検者は、メーキャップまたは追加の顔用製品を塗布する前に、製品が少なくとも15分間の間乾くようにまたした。被検者は、試験用クリームを塗布した後は少なくとも3時間にわたって自分の顔を洗顔することが許可されなかった。被検者は、研究中、どのような新しい顔面用または身体用製品をも使用しなかった。被検者には、日誌が与えられ、被検者は、毎日この日誌をつけ、被検者が必要な製品塗布を行ったことを記した。被検者は、自分の日誌に製品の使用と関連した異常な観察または反応を書き留めた。
【0116】
被検者は、研究の2日目、4日目及び7日目に再び評価された。各病変部の色、高さ及び直径を格付けし、先の点数と比較した。点数の減少率を計算し、結果は以下の表に示されており、点数の減少率が高いことは、ざ瘡状態の改善を立証している。
【0117】
【表14】

【0118】
上述の表に記載されたデータは、本発明の配合物及び方法が驚くべきことに、ざ瘡病変部と関連した潮紅、かかる病変部の高さ及びかかる病変部の直径を市販のざ瘡治療薬と比較して迅速に減少させていることを示している。予期せぬこととして、本発明の配合物及び方法の結果として、2日目の再訪問時であっても、各特徴の顕著な減少が得られ、これに対し、市販の製品は、4日目の再訪問時までかかる改善を示さなかった。
【0119】
〔実施態様〕
(1)皮膚への塗布用配合物であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤、角質溶解剤を含み、前記皮膚に塗布されると、前記配合物は、次のこと、即ち、a)皮脂生成を抑制または調節すること、b)皮膚のべたつきを抑制または治療すること、c)ざ瘡の発現を阻止または抑制すること、d)存在している場合にはざ瘡を治療すること、のうち少なくとも1つを行うことができる、配合物。
(2)皮膚のべたつき/てかりを有する外観及びその結果として生じる疾患を阻止し、制御または抑制する方法であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を局所塗布する段階を有する、方法。
(3)上記実施態様(1)記載の配合物であって、
前記配合物は、細菌性リパーゼ抑制剤を更に含む、配合物。
(4)上記実施態様(3)記載の配合物であって、
前記配合物は、細菌増殖抑制剤を更に含む、配合物。
(5)上記実施態様(1)記載の配合物であって、
前記皮脂調整剤は、5−アルファ−還元酵素抑制剤である、配合物。
【0120】
(6)上記実施態様(5)記載の配合物であって、
前記5−アルファ−還元酵素抑制剤は、アミノ酸である、配合物。
(7)上記実施態様(5)記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
(8)上記実施態様(3)記載の配合物であって、
前記細菌性リパーゼ抑制剤は、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、シダーウッド抽出物またはこれらの組合せから成る群から選択される、配合物。
(9)上記実施態様(1)記載の配合物であって、
前記抗炎症製剤は、アルファ−ビサボロール、二カリウムグリチルリジン酸、アラントイン、カミツレ(chamomilla recutita)抽出物、トコフェリルアセテート、緑茶(camellia sinesis)抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物及びスベリヒユ抽出物から成る群から選択される、配合物。
(10)上記実施態様(1)記載の配合物であって、
前記角質溶解剤は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及びこれらの組合せから成る群から選択される配合物。
【0121】
(11)上記実施態様(4)記載の配合物であって、
前記細菌増殖抑制剤は、サリチル酸、ティーツリー油、エリスロマイシン及びクリンダマイシンから成る群から選択される、配合物。
(12)皮膚への塗布用配合物であって、
皮脂調整剤、細菌性リパーゼ抑制剤、角質溶解剤及び抗炎症剤を含み、前記皮膚に塗布されると、前記配合物は、次のこと、即ち、a)皮脂生成を抑制または調節すること、b)皮膚のべたつきを抑制または治療すること、c)ざ瘡の発現を阻止または抑制すること、d)存在している場合にはざ瘡を治療すること、のうち少なくとも1つを行うことができる、配合物。
(13)上記実施態様(12)記載の配合物であって、
前記皮脂調整剤は、5−アルファ−還元酵素抑制剤である、配合物。
(14)上記実施態様(13)記載の配合物であって、
前記5−アルファ−還元酵素抑制剤は、アミノ酸である、配合物。
(15)上記実施態様(14)記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
【0122】
(16)上記実施態様(12)記載の配合物であって、
前記細菌性リパーゼ抑制剤は、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、シダーウッド抽出物またはこれらの組合せから成る群から選択される、配合物。
(17)上記実施態様(12)記載の配合物であって、
前記抗炎症製剤は、アルファ−ビサボロール、二カリウムグリチルリジン酸、アラントイン、カミツレ(chamomilla recutita)抽出物、トコフェリルアセテート、緑茶(camellia sinesis)抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物及びスベリヒユ抽出物から成る群から選択される、配合物。
(18)上記実施態様(12)記載の配合物であって、
前記角質溶解剤は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及びこれらの組合せから成る群から選択される配合物。
(19)上記実施態様(12)記載の配合物であって、
前記配合物は、サリチル酸、ティーツリー油、エリスロマイシン及びクリンダマイシンから成る群から選択される細菌増殖抑制剤をさらに含む、配合物。
(20)皮膚への塗布用配合物であって、
シダーウッド抽出物、サリチル酸及びスベリヒユ抽出物を含む、配合物。
【0123】
(21)上記実施態様(20)記載の配合物であって、
前記配合物は、5−アルファ−還元酵素抑制活動性を有するアミノ酸を更に含む、配合物。
(22)皮膚への塗布用配合物であって、
5−アルファ−還元酵素抑制活動性を有するアミノ酸、サリチル酸及びスベリヒユ抽出物を含む、配合物。
(23)上記実施態様(22)記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
(24)上記実施形態(2)記載の方法であって、
前記配合物を少なくとも1週間にわたり、1日に少なくとも1回皮膚に塗布する段階を有する、方法。
(25)皮膚のべたついた性状及びその結果としての疾患を制御または少なくとも抑制する方法であって、
シダーウッド抽出物、アミノ酸誘導体、シナモン抽出物、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を皮膚の患部に局所的に塗布する段階を有する、方法。
【0124】
(26)ざ瘡を治療または少なくとも抑制する方法であって、
シダーウッド抽出物、アミノ酸誘導体、シナモン抽出物、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を過度のべたつきの発現を生じやすい皮膚に塗布する段階を有する、方法。
(27)ざ瘡に罹患している皮膚の外観を向上させる方法であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を局所的に塗布する段階を有し、それにより前記皮膚の前記外観が前記局所塗布の2日以内に改善するようにする、方法。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】実施例2に記載された試験に従ってざ瘡計数の減少率(%)を示すグラフ図である。
【図2】実施例2に記載された試験に従って炎症の減少率(%)を示すグラフ図である。
【図3】実施例3に記載された試験に従って顕著なざ瘡減少に至るまでの日数を示すグラフ図である。
【図4】1週間を基準として実施例3に記載された試験に従ってざ瘡計数の減少率(%)を示すグラフ図である。
【図5】実施例3に記載された試験に従って使用の最初の1週間の間におけるざ瘡の減少率(%)を示すグラフ図である。
【図6】2週間を基準として実施例3に記載された試験に従ってざ瘡計数の減少率(%)を示すグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚への塗布用配合物であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤、角質溶解剤を含み、
前記皮膚に塗布されると、前記配合物は、次のこと、即ち、
a)皮脂生成を抑制または調節すること、
b)皮膚のべたつきを抑制または治療すること、
c)ざ瘡の発現を阻止または抑制すること、
d)存在している場合にはざ瘡を治療すること、のうち少なくとも1つを行うことができる、配合物。
【請求項2】
皮膚のべたつき/てかりを有する外観及びその結果として生じる疾患を阻止、制御または抑制する方法であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を局所塗布する段階を有する、方法。
【請求項3】
請求項1記載の配合物であって、
前記配合物は、細菌性リパーゼ抑制剤を更に含む、配合物。
【請求項4】
請求項3記載の配合物であって、
前記配合物は、細菌増殖抑制剤を更に含む、配合物。
【請求項5】
請求項1記載の配合物であって、
前記皮脂調整剤は、5−アルファ−還元酵素抑制剤である、配合物。
【請求項6】
請求項5記載の配合物であって、
前記5−アルファ−還元酵素抑制剤は、アミノ酸である、配合物。
【請求項7】
請求項5記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
【請求項8】
請求項3記載の配合物であって、
前記細菌性リパーゼ抑制剤は、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、シダーウッド抽出物またはこれらの組合せから成る群から選択される、配合物。
【請求項9】
請求項1記載の配合物であって、
前記抗炎症製剤は、アルファ−ビサボロール(alpha-bisabolol)、二カリウムグリチルリジン酸(dipotassium glycyrrhizinate)、アラントイン、カミツレ(chamomilla recutita)抽出物、トコフェリルアセテート、緑茶(camellia sinesis)抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物及びスベリヒユ(portulaca)抽出物から成る群から選択される、配合物。
【請求項10】
請求項1記載の配合物であって、
前記角質溶解剤は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及びこれらの組合せから成る群から選択される配合物。
【請求項11】
請求項4記載の配合物であって、
前記細菌増殖抑制剤は、サリチル酸、ティーツリー油、エリスロマイシン及びクリンダマイシンから成る群から選択される、配合物。
【請求項12】
皮膚への塗布用配合物であって、
皮脂調整剤、細菌性リパーゼ抑制剤、角質溶解剤及び抗炎症剤を含み、
前記皮膚に塗布されると、前記配合物は、次のこと、即ち、
a)皮脂生成を抑制または調節すること、
b)皮膚のべたつきを抑制または治療すること、
c)ざ瘡の発現を阻止または抑制すること、
d)存在している場合にはざ瘡を治療すること、のうち少なくとも1つを行うことができる、配合物。
【請求項13】
請求項12記載の配合物であって、
前記皮脂調整剤は、5−アルファ−還元酵素抑制剤である、配合物。
【請求項14】
請求項13記載の配合物であって、
前記5−アルファ−還元酵素抑制剤は、アミノ酸である、配合物。
【請求項15】
請求項14記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
【請求項16】
請求項12記載の配合物であって、
前記細菌性リパーゼ抑制剤は、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、シダーウッド抽出物またはこれらの組合せから成る群から選択される、配合物。
【請求項17】
請求項12記載の配合物であって、
前記抗炎症製剤は、アルファ−ビサボロール、二カリウムグリチルリジン酸、アラントイン、カミツレ(chamomilla recutita)抽出物、トコフェリルアセテート、緑茶(camellia sinesis)抽出物、ウコン(curcuma longa)抽出物及びスベリヒユ抽出物から成る群から選択される、配合物。
【請求項18】
請求項12記載の配合物であって、
前記角質溶解剤は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、コロイド硫黄、二硫化セレン、硫黄及びこれらの組合せから成る群から選択される配合物。
【請求項19】
請求項12記載の配合物であって、
前記配合物は、サリチル酸、ティーツリー油、エリスロマイシン及びクリンダマイシンから成る群から選択される細菌増殖抑制剤をさらに含む、配合物。
【請求項20】
皮膚への塗布用配合物であって、
シダーウッド抽出物、サリチル酸及びスベリヒユ抽出物を含む、配合物。
【請求項21】
請求項20記載の配合物であって、
前記配合物は、5−アルファ−還元酵素抑制活動性を有するアミノ酸を更に含む、配合物。
【請求項22】
皮膚への塗布用配合物であって、
5−アルファ−還元酵素抑制活動性を有するアミノ酸、サリチル酸及びスベリヒユ抽出物を含む、配合物。
【請求項23】
請求項22記載の配合物であって、
前記アミノ酸は、グリシンである、配合物。
【請求項24】
請求項2記載の方法であって、
前記配合物を少なくとも1週間にわたり、1日に少なくとも1回皮膚に塗布する段階を有する、方法。
【請求項25】
皮膚のべたついた性状及びその結果としての疾患を制御または少なくとも抑制する方法であって、
シダーウッド抽出物、アミノ酸誘導体、シナモン抽出物、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を皮膚の患部に局所的に塗布する段階を有する、方法。
【請求項26】
ざ瘡を治療または少なくとも抑制する方法であって、
シダーウッド抽出物、アミノ酸誘導体、シナモン抽出物、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を過度のべたつきの発現を生じやすい皮膚に塗布する段階を有する、方法。
【請求項27】
ざ瘡に罹患している皮膚の外観を向上させる方法であって、
皮脂調整剤、抗炎症製剤及び角質溶解剤を含む配合物を局所的に塗布する段階を有し、それにより前記皮膚の前記外観が前記局所塗布の2日以内に改善するようにする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−502326(P2007−502326A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533040(P2006−533040)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/015054
【国際公開番号】WO2004/103353
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(502112382)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON & JOHNSON,CONSUMER,COMPANIES,INC.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road,Skillman,NJ 08558,US
【Fターム(参考)】