説明

皮膚の老化に対するリコカルコンAおよびリコカルコンAを含むラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエからの抽出物の使用

内因性および/または外因性の老化の治療および予防、並びに皮膚に対する紫外線の損傷的な作用の治療および予防のために、化粧品用または皮膚科用の調合物の中におけるリコカルコンAおよびリコカルコンAを含むラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエからの抽出物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚、特に内因性および/または外因性因子によって老化したまたは老化しつつある皮膚の手入れおよび保護を行うための活性物質を含んだ化粧品用または皮膚科用の調合物、並びに美容的なおよび皮膚科的な皮膚の手入れの分野に対する該活性物質および該活性物質の組み合わせ使用に関する。
【0002】
まず第一に美容的な皮膚の手入れとは、環境の影響(例えば、汚れ、化学薬品、微生物)に対する、また人体に特有の物質(例えば、水、天然の脂肪、電解質)の喪失に対するバリアーとしての皮膚の生来の機能を強化し再生させることを意味する。
【0003】
これらの機能が破壊されると、毒性物質またはアレルギー性物質の吸収が強化され、或いは微生物が増殖し、その結果毒性またはアレルギー性の皮膚の反応が生じる可能性がある。
【0004】
さらに皮膚の手入れの目的は、日常的に洗浄することにより起こる脂肪および水の喪失を補うことである。自然の再生能力が十分でない場合、このことはまさに重要である。このような皮膚手入れ用製品は環境の影響、特に日光および風の影響に対して保護を行い、皮膚の老化を抑制するものでなければならない。
【0005】
加齢による皮膚の老化は、例えば内因的で遺伝的な決定因子に起因している。表皮および真皮の中で老化により、例えば次のような構造の損傷および機能の損壊が起こる。これらはまた「老人性乾皮症」の概念の中に含めることができる:
(a)乾燥、肌荒れ、および乾燥した小皺の生成。
【0006】
(b)痒みを起こす刺激。
【0007】
(c)脂腺を通る脂肪の再浸出の減少(例えば洗浄後)。
【0008】
外因的な因子、例えば紫外線およびNOXのような化学物質は蓄積的な作用を及ぼし、例えば外因的な老化過程を促進または補足する。表皮および真皮の中では特に外因的な因子によって、例えば次のような組織の損傷および機能の損壊が起こる。これらは加齢による老化の場合保護の程度および質を凌駕している:
(d)確実な脈管の拡大(末梢血管拡張症、キュペロシス(cuperosis))。
【0009】
(e)たるみおよび皺の生成。
【0010】
(f)局所的な大きな、小さい、および不適切な色素の沈着(例えば、老人性の染み)。
【0011】
(g)機械的なストレスに起因する増加した易感染性(例えば、ひび)。
【0012】
本発明は、特に自然に老化した皮膚の手入れを行うための製品、並びに光による老化の結果、特に上記(a)〜(g)に挙げた症状を手当するための製品に関する。
【0013】
老化した皮膚の手入れのための製品自身は公知である。これらの製品は、例えばレチノイド(ビタミンA酸および/またはその誘導体)またはビタミンA、および/またはその
誘導体を含んでいる。しかし組織の損傷に対するその作用はかなり限られている。またこのような製品の開発においては、活性物質を酸化による分解に対して十分に安定化させることは非常に困難である。さらにまたビタミンA酸を含む製品を使用するとしばしば強い紅斑性の皮膚炎を引き起こす。従ってレチノイドは僅かな濃度でしか使用できない。
【0014】
特に本発明は、皮膚に損傷を与える酸化過程に対して保護作用をもった化粧品用の調合物に関し、また損傷を与える酸化過程に対し保護を行うための化粧品用調合物それ自体、および該保護を行うための化粧品用調合物の成分に関する。
【0015】
さらに本発明は酸化防止剤、好ましくは皮膚の手入れを行うための化粧品用または皮膚科用の調合物に使用できる酸化防止剤に関する。特に本発明はこのような酸化防止剤を含む化粧品用および皮膚科用の調合物に関する。本発明の一好適態様においては、本発明は美容的なまたは皮膚科的な皮膚の変化、例えば皮膚の老化、特に酸化過程によって生じる皮膚の老化の予防および治療のための化粧品用および皮膚科用の調合物に関する。
【0016】
さらに他の有利な態様においては、本発明は光に敏感な皮膚、特に光による皮膚病の予防および治療に使用できる活性物質の組み合わせおよび調合物に関する。
【0017】
日光光線の紫外部の皮膚に対する損傷作用は一般に公知である。290nmよりも短い波長(いわゆるUVC領域)をもった光線は地球の大気中のオゾン層によって吸収されるが、いわゆるUVB領域の290nm〜320nmの間の領域の光線は紅斑、即ち簡単な日焼けか、或いは多少とも強い火傷を引き起こす。
【0018】
最大の日焼けによる紅斑を及ぼす領域としては308nm付近の狭い領域が挙げられている。
【0019】
UVB光線に対する保護を行うための化合物は多数知られており、このような化合物として、3−ベンジリデンカンファー、4−アミノ安息香酸、桂皮酸、サリチル酸、ベンゾフェノン、並びに2−フェニルベンズイミダゾールの誘導体が挙げられる。
【0020】
また約320〜約400nmの領域、いわゆるUVA領域に対しては、光に敏感な皮膚の場合この領域の光反応が支配的になり得るから、フィルター物質を自由に使えることが重要である。
【0021】
UVA光線は結合組織の弾性的なおよびコラーゲンを含む繊維の損傷を起こす原因になり、これは皮膚を早期に老化させ、またUVA光線は多数の光による毒性反応および光アレルギー反応を起こす原因と見做されることが示されている。従ってUVB領域の光線の損傷を与える影響はUVA光線によって強化されることができる。
【0022】
UVA光線に対する保護を行うために従来からジベンゾイルメタンの或る種の誘導体が使用されている。その光安定性は十分ではない(非特許文献1)。
【0023】
しかし紫外線もまた光反応を起こし、この場合その光反応生成物は皮膚の代謝に影響を及ぼす。
【0024】
このような光反応生成物の場合、ラジカル化合物、例えばヒドロキシラジカルが主として問題になる。また皮膚それ自体の中に生成した不明確なラジカル性の光反応生成物はその高い反応性のために制御されない後続反応を起こすことができる。また紫外線を照射すると一重項状態の酸素、即ち酸素分子のラジカルではない励起状態が生じ、また寿命の短いエポキシドおよび他の多くのものが生じる。一重項状態の酸素は、例えば通常存在する
三重項状態の酸素(ラジカルの基底状態)に比べ高い反応性を示す。勿論酸素分子の励起された反応性をもった(ラジカルの)三重項状態も存在する。
【0025】
さらに紫外線はイオン化光線の一つと見做される。従って紫外線に露出するとイオン性の化学種が生じ、これはそれ自身として生化学的な過程に関与することができる。
【0026】
これらの反応を予防するために、化粧品用のまたは皮膚科用の組成物にさらに酸化防止剤および/またはラジカル捕捉剤を混入することができる。
【0027】
光防護用の組成物の中に公知の酸化防止作用をもつ物質であるビタミンEを混入し、しかもこの場合なお目的とする作用をさらに後まで期待どおりに残すことが既に提案されている。
【非特許文献1】Int.J.Cosm.Science誌、10巻、53頁(1988年)。
【発明の開示】
【0028】
従って本発明の目的は、光に敏感な皮膚、特に光による皮膚炎、好ましくはPLDの予防および治療に用いられる化粧品用、皮膚科用、および医薬品用の活性物質および調合物、並びに光防護用の組成物を提供することである。
【0029】
多形の皮膚炎にはPLD、PLE、マジョルカ・ニキビ(Mallorca−Akne)およびさらに他の多くの名称のものがあり、これらは文献(例えばA.Voelckel等,Zentralblatt Haut− und Geschlechtskrankheiten誌、(1989年),156巻,2頁)に掲載されている。
【0030】
紅斑性の皮膚の症状は一定の皮膚の病変または非正常状態の際の随伴現象として生じる。例えば典型的な皮膚の発疹はニキビの症状が多少とも強く発現する場合に生じる。
【0031】
皮膚の損傷に対する保護物質としては酸化防止剤を含む調合物が主として用いられている。それにも拘わらず、人および動物の皮膚には望ましくない酸化過程が生じることは公知である。このような過程は皮膚の老化に重要な役割を演じる。
【0032】
「Oxidative Stress in Der matology」(Marcel Decker Inc.,New York,Basel,Hong Kong,編集人:Jurgen Fuchs,Frankfurt,およびLester Packer,Berkeley/Californien)の323頁以降の「Skin Diseases Associated with Oxidative Injury」と題する論文には、皮膚の酸化による損傷とその詳細な原因が記載されている。
【0033】
またこの理由によりこのような反応を予防するために化粧品用のまたは皮膚科用の組成物に付加的に酸化防止剤および/またはラジカル捕捉剤を混入することができる。
【0034】
実際に酸化防止剤およびラジカル捕捉剤はいくつか知られている。米国特許第4,144,325号明細書および同第4,248,861号明細書、並びに他の数多くの文献には、光防護用の組成物の中に公知の酸化防止作用をもつ物質であるビタミンEを混入し、しかもなお目的とする作用をさらに後まで期待どおりに残すことが提案されている。
【0035】
従って本発明の目的は、現状の技術の欠点を回避する方法を見出すことである。特に内因性の加齢によるおよび外因性の皮膚の老化に結び付いた損傷を除去する作用およびその予防を永続的に且つ副作用の危険を伴わずに行わなければならない。
【0036】
この弊害を取り除くことが本発明の目的である。
【0037】
本発明において驚くべきことには、当該技術分野における現状の欠点の解消するために、内因的なおよび/または外因的な皮膚の老化の症状の治療および予防、並びに皮膚に対する紫外線の損傷的な作用の治療および予防に対する化粧品的なまたは皮膚科的な調合物の中に、ラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)からのリコカルコン(Licochalcon)Aを含む抽出物を用い得ることが見出された。
【0038】
本発明に用いられる活性物質、または本発明に用いられる活性物質を作用を及ぼし得る量で含む化粧品用または局所的な皮膚科用の調合物を用いることにより、驚くべきことには次のような症状の効果的な治療並びに予防が可能になった。
【0039】
− 皮膚の機能不全または機能低下の状態、または皮膚付属物の機能不全または機能低下の状態;
− 皮膚の早期老化現象、および/または皮膚付属物の早期老化現象(例えば皺、老人性の染み、末梢血管拡張症);
− 環境による(煙、スモッグ、反応性の酸素種、フリーラジカル)および特に光による皮膚および皮膚付属物の好ましくない老化;
− 光による皮膚の損傷;
− 痒みを起こす刺激;
− 皮膚の乾燥した状態および角質障壁の損傷
− 抜け毛および毛髪の成長の改善;
− 脂漏性の湿疹、多形の光による皮膚炎および白斑のような炎症性の皮膚の状態。
また本発明の活性物質、および本発明の活性物質を活性作用を及ぼす量で含む化粧品用または局所的皮膚科用の調合物は、驚くべきことには次のようなことにも役立つ:
− コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンの合成の刺激;
− 細胞内DNAの合成の刺激、特に機能不全および機能低下を示す皮膚の場合;
− 皮膚の細胞の新生および再生機能の増加;
− 皮膚に固有の保護および修復機能の増加(例えば機能不全を起こした酵素、DNA,脂質、蛋白質に対する):
− 例えば皮膚の皺およびあばたを減少させるためにレーザーおよび研磨による治療を局所的に施す場合、生じる皮膚の刺激性炎症に対し損傷した皮膚の再生過程を起こさせるための事前および事後の処置。
【0040】
本発明に従えば、望ましくない皮膚の状態を美容的にまたは皮膚科的に治療または予防するために、本発明に用いられる活性物質、または本発明の活性物質を活性作用を及ぼす量で含む化粧品用または局所的皮膚科用の調合物を使用することが極めて有利である。
【0041】
本発明に従えば、調合物の全量に関し0.0001〜5重量%、特に0.001〜1重量%、極めて好ましくは0.005〜0.15重量%のリコカルコンAを含む調合物を使用することが特に有利である。
【0042】
さらに本発明に従えば、調合物の全量に関し0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、極めて好ましくは0.01〜2重量%の1種またはそれ以上のポリオールを含む調合物を使用することが特に有利である。
【0043】
さらに本発明に従えば、植物性の抽出物、特にラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)の成分としてリコカルコンを含む調合物を使用することが特に有利である。
【0044】
植物種、グリュキュルリザエ・インフラタエはヨーロッパでは正式には甘草、即ちグリュキュルリザエ属のスフィホルズ・グリュキュルリザエ・グラブラ(Sufiholz Glycyrrhiza glabra)に属し、これは植物学におけるファバカエアエ(fabaceae)科(植物のエンドウ豆)に属している。例えば極東における医薬品では生薬のラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエ、即ちこの植物の根が用いられている。この生薬を炎症抑制剤として使用することも知られている。
【0045】
ラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエからの水性抽出物の成分がリコカルコンAであり、これは下記の構造をもっていることを特徴としている。
【0046】
【化1】

【0047】
この物質は恐らく通常の抽出成分と相乗作用をして本発明による作用の一部をなすものと思われる。
【0048】
従って本発明によれば、内因性および/または外因性の皮膚の老化の症状の治療および予防、および/または皮膚に紫外線が照射されたことによる損傷の治療および予防のための化粧品用または皮膚科用の調合物において、
− リコカルコンA、
− 水、および
− 随時1種またはそれ以上のポリオール
の組み合わせが使用される。
【0049】
本発明に従えば、化粧品用または皮膚科用の調合物が該調合物の全量に関し0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%。特に好ましくは0.01〜2重量%のラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエからの水性抽出物を含んでいる場合が有利である。
【0050】
本発明に従えば、化粧品用または皮膚科用の調合物が該調合物の全量に関し0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%。特に好ましくは0.01〜2重量%の1種またはそれ以上のエトキシル化されたまたはプロピロキシル化された粗製物を含んでいる場合が有利である。
【0051】
本発明に従えば、化粧品用または皮膚科用の調合物が該調合物の全量に関し0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%。特に好ましくは0.01〜2重量%の1種またはそれ以上のポリオールを含んでいる場合が有利である。
【0052】
ポリオールとしてはブチレングリコールを選ぶことが特に有利である。
【0053】
Maruzen社からポリオールに可溶なカンゾウ(甘草)抽出物P−Uの商品名で販売されている抽出物からつくられることが特に有利である。
【0054】
さらに他の媒質系においてはリコカルコンAを0.0001〜5重量%、特に0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.05重量%の濃度で用いることが有利である。
【0055】
本発明に従えば、本発明の活性物質の組み合わせを含む調合物に通常の酸化防止剤を混入することができる。
【0056】
酸化防止剤は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体、(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、およびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、およびラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)、並びにそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、およびそれらの塩)、並びに極めて少量の投与量(例えばモルないしμモル/kg)のスルフォキシミン化合物(例えばブチオニンスルフォキシミン、ホモシステインスルフォキシミン、ブチオニンスルフォン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルフォキシミン)、さらに(金属)キレート化合物(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、林檎酸)、フミン酸、ガレン酸、ガレン抽出物、ビリルビン、ビリベルディン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、葉酸およびその誘導体、アラニン二酢酸、フラボノイド、ポリフェノール、カテキン、ビタミンCおよびその誘導体、(例えばパルミチン酸アスコルビル、燐酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよびその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、並びに安息香の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログァヤック樹脂酸、ノルジヒドログァヤレット酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)、および上記活性物質の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、およびリピド)から成る群から選ばれることが有利である。
【0057】
調合物の中の酸化防止剤(1種またはそれ以上の化合物)の量は調合物の全量に関し好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特に1〜10重量%である。
【0058】
本発明の活性物質、または本発明に用いられる活性物質を作用を及ぼし得る量で含む化粧品用のまたは局所的な皮膚科用の調合物を用いて行われる予防または美容的なまたは皮膚科的な治療は通常の方法で行われ、それは実際には本発明に用いられる活性物質または本発明に用いられる活性物質を作用を及ぼし得る量で含む化粧品用のまたは局所的な皮膚科用の調合物を該当する皮膚の場所に塗布する方法である。
【0059】
本発明に従って使用される活性物質は種々の形で存在し得る通常の化粧品用および皮膚科用の調合物の中に混入することができる。即ち、例えば溶液、油中水型(W/O)または水中油型(O/W)の乳化物、或いは、例えば水中油中水型(W/O/W)または油中水中油型(O/W/O)の多重乳化物、水性分散物または脂質性分散物、ゲル、固形スティック、またはエーロゾルの形をとることができる。
【0060】
本発明の目的においては、本発明による乳化物は例えばクリーム、ローション、化粧用乳液の形であることが有利であり、このような種類の組成物に通常用いられるような、例えば脂肪、油、ワックスおよび/または他の固体物質、並びに水および1種またはそれ以上の乳化剤を含んでいる。
【0061】
また本発明の目的においては、皮膚および毛髪を洗浄するために水性系または界面活性剤調合物の中に本発明に用いられる活性物質を導入することができ、それがまた有利である。
【0062】
勿論当該技術分野の専門家には公知のように、大部分の場合、高級な化粧品組成物が通常の助剤および添加剤を含んでいないことは考えられない。これらに関しては増稠剤、充填剤、香料、染料、乳化剤、ビタミンまたは蛋白質のような補足的な活性物質、光防護剤、安定剤、虫類に対する忌避剤、アルコール、水、塩類、抗生物質、蛋白質溶解性または角膜分解性の活性物質等が挙げられる。
【0063】
必要に応じ、この組成物に適宜変更を加えて医薬品調合物にすることができる。
【0064】
本発明の目的における医薬品としての局所的な組成物は一般に1種またはそれ以上の医薬品を作用を及ぼし得る量で含んでいる。簡単のために、化粧品用の用途および医薬品用の用途、およびそれに対応した製品の間のさらに明確な区別についてはドイツ連邦共和国の法律による取決め(例えば化粧品に関する処方、食品および医薬品に関する法律)を参照されたい。
【0065】
この場合、他の目的のために既に他の活性物質を含んでいる調合物に対し、本発明に使用される活性物質を添加物として混合することも有利である。
【0066】
これに対応し本発明の目的における化粧品用または局所的な皮膚科用の組成物は、その構造に従って、例えば皮膚保護用のクリーム、洗浄用の乳剤、日光防護用のローション、栄養クリーム、昼間用または夜間用のクリーム等として使用される。本発明の組成物は医薬品調合物の基質として随時有利に使用することができる。
【0067】
また、随時このような化粧品用および皮膚科用の調合物は日光防護剤の形で存在していることが有利である。これらは本発明に用いられる活性物質に他のさらに少なくとも1種のUVAフィルター物質および/または少なくとも1種のUVBフィルター物質、および/または少なくとも1種の無機性の顔料を含んでいることが好ましい。
【0068】
しかしまた、本発明の目的においてこのような化粧品用および皮膚科用の調合物は、その主要目的が日光に対する防護ではなく、或る量の紫外線防護用の物質を含むように製造することも有利である。例えば、通常昼間用のクリームの中にはUVAフィルター物質またはUVBフィルター物質が組み込まれている:
本発明の調合物はUVBの領域の紫外線を吸収する物質を含んでいることが有利であり、この場合フィルター物質の量は該調合物の全量に関し例えば0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜6重量%である。
【0069】
UVBフィルターは油溶性または水溶性であることができる。油溶性の物質としては例えば次のものがある。
【0070】
− 3−メチリデンカンファーおよびその誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;
− 4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸(2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
− 桂皮酸のエステル、例えば4−メトキシ桂皮酸(2−エチルヘキシル)エステル、4−メトキシ桂皮酸イソペンチルエステル;
− サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸(2−エチルヘキシル)エステル、サリチル酸(4−イソプロピルベンジル)エステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;
− ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
− ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル;
− 2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシロキシ)−1,3,5−トリアジン。
【0071】
水溶性の物質としては次のものが有利である:
− 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルフォン酸およびその塩、例えばナトリウム−、カリウム−またはトリエタノールアンモニウム塩;
− ベンゾフェノンのスルフォン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸およびその塩;
− 3−ベンジリデンカンファーのスルフォン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルフォン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルフォン酸およびその塩。
【0072】
本発明に用いることができる上記のUVBフィルターのリストは明らかに本発明を限定するものではない。
【0073】
また本発明の目的は、本発明のUVAフィルターを、UVBフィルターまたはUVBフィルターを含む本発明の化粧品用または皮膚科用の調合物と組み合わせることである。
【0074】
また、通常化粧品用および/または皮膚科用の調合物に含まれるUVAフィルターを本発明の調合物に加えることも有利である。このようなフィルター物質としてはジベンゾイルメタンの誘導体、特に1−(4’−t−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオンが重要である。またこれらの組み合わせを含む調合物も本発明の目的である。UVBフィルター物質に対して挙げたのと同じ量のUVAフィルター物質を用いることができる。
【0075】
本発明の目的における化粧品用および/または皮膚科用調合物はまた、通常紫外線の照射に対して皮膚を保護するのに用いられる無機顔料を含んでいることができる。この場合問題となるものはチタン、亜鉛、鉄、ジルコニウム、珪素、マンガン、アルミニウム、セリウムの酸化物、およびこれらの混合物、並びに酸化物が活性物質であるその変形である。二酸化チタンをベースにした顔料が好適である。これらは上記の組み合わせに対して述べた量で用いることができる。
【0076】
本発明の化粧品用および/または皮膚科用調合物は、通常このような調合物に使用される化粧品用の活性物質、助剤および/または添加物、例えば酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、香料、発泡防止剤、染料、着色作用をもつ顔料、増稠剤、表面活性剤、乳化剤、軟化剤、加湿剤、および/または水分添加剤、脂肪、油、ワックス、または化粧品用または皮膚科用調合物の他の通常の成分、例えばアルコール、ポリオール、重合体、泡安定剤、電解質、有機溶媒、或いはシリコーン誘導体を含んでいることができる。
【0077】
本発明の目的におけるこれらの化粧品用または皮膚科用の調合物が溶液または乳化液をつくる限り、次のような溶媒を用いることができる:
− 水または水溶液;
− 油、例えばカプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド、好ましくはひまし油;
− 脂肪、ワックス、および他の天然産および合成品の脂質、好ましくは脂肪酸と炭素数の低いアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールとのエステル、または脂肪族アルコールと炭素数の低いアルカン酸または脂肪酸とのエステル;
− 炭素数の低いアルコール、ジオール、および/またはポリオール、並びにそれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、−モノエチル、または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテル、および同様な生成物。
【0078】
特に上記の溶媒の混合物が用いられる。アルコール性の溶媒の場合、水がさらに他の成分であることができる。
【0079】
本発明の目的において乳化液、油性のゲル、または水性分散物または油性分散物の油相は、飽和および/または不飽和の、分岐したおよび/または分岐しない鎖長が炭素数3〜30のアルカンカルボン酸と、飽和および/または不飽和の、分岐したおよび/または分岐しない鎖長が炭素数3〜30のアルコールとのエステルの群、および芳香族カルボン酸と飽和および/または不飽和の、分岐したおよび/または分岐しない鎖長が炭素数3〜30のアルコールとのエステルの群から選ぶことが有利である。この場合これらのエステルにはミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パリミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、並びにこのような合成品、半合成品および天然産のエステルの混合物、例えばホホバ油から選ぶことが有利である。
【0080】
さらに、これらの油相は分岐したまたは分岐しない炭化水素およびワックスの群、シリコーン油、ジアルキルエーテル、飽和または不飽和の、分岐したまたは分岐しないアルコールの群、並びに脂肪酸トリグリセリド、即ち飽和および/または不飽和の、分岐したおよび/または分岐しない鎖長が炭素数8〜24、特に12〜18のアルカンカルボン酸のトリグリセリンエステルから選ぶことが有利である。脂肪酸のトリグリセリドは例えば合成品、半合成品および天然産の油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココヤシ油、パーム実油、および同様な多数のものから選ぶことが有利である。
【0081】
また、このような油性成分とワックス成分との任意の混合物も本発明の目的に有利に使用される。また、随時例えばパルミチン酸セチルのようなワックスを油相の唯一の脂質成分として有利に用いることができる。
【0082】
油相はイソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、安息香酸C12〜15−アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリルエーテルから有利に選ばれる。
【0083】
安息香酸C12〜15−アルキルとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C12〜15−アルキルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、並びに安息香酸C12〜15−アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物が特に有利である。
【0084】
本発明の目的において炭化水素の中ではパラフィン油、スクアランおよびスクアレンが有利に用いられる。
【0085】
さらに、油相は環式または直鎖のシリコーン油を含んでいるか、全くこのような油から成っていることも有利であり、この場合シリコーン油に加えて他の油相成分を含ませて使用することが特に好適である。
【0086】
本発明に従って使用されるシリコーン油としてはシクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)が有利に用いられる。しかし本発明の目的において他のシリコーン油、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)も有利に用いられる。
【0087】
シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、およびシクロメチコンとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物が特に有利である。
【0088】
本発明の調合物の水性相は随時次のものを含んでいることが有利である:
− 炭素数の低いアルコール、ジオール、またはポリオール並びにそれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルまたは−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテル、および同様な化合物、さらに炭素数の低いアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセリン、並びに特に1種またはそれ以上の増稠剤。増稠剤は二酸化珪素、珪酸アルミニウム、ポリサッカリドまたはその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から有利に選ぶことができ、好ましくはいわゆるカルボポール、例えば980、981、1382、2984、5984型のカルボポールの群から選ばれるポリアクリレートを単独または組み合わせて選ぶことができる。
【0089】
本発明に用いられるゲルは、通常炭素数の低いアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセリン、および水、ないし上記に挙げた油を増稠剤と共に含んでいる。油/アルコールのゲルの場合、増稠剤は好ましくは二酸化珪素または珪酸アルミニウムであり、水/アルコールのゲルの場合には好ましくはポリアクリレートである。
【0090】
固形のスティックは、例えば天然産または合成品のワックス、脂肪族アルコールまたは脂肪酸エステルを含んでいる。
【0091】
本発明の目的において化粧品用のスティックとして用いるのに適した通常の基質は流動性の油(例えばパラフィン油、ひまし油、ミリスチン酸イソプロピル)、半固体の成分(例えばワセリン、ラノリン)、固体成分(例えば蜜蝋、セレシン、および微結晶性ワックスまたはオゾケライト(地蝋))、並びに高融点のワックス(例えばカルナウバ蝋、カンデリラ蝋)である。
【0092】
エーロゾル容器から噴霧し得る化粧品用および/または皮膚科用の調合物に対する噴射剤としては、通常の公知の容易に揮発し得る液化可能な噴射剤、例えば炭化水素(プロパン、ブタン、イソブタン)が適しており、これは単独でまたはお互いの混合物として使用することができる。また圧縮空気を使用することも有利である。
【0093】
勿論当業界の専門家に公知のように、原理的にエーロゾル調合物の形の本発明を実施するのに適した毒性をもたない噴射剤が存在しているが、しかしこれに関しては環境またはそれ以外の付帯条件のために使用できないもの、例えばフッ化炭化水素およびフルオロクロロ炭化水素(FCKW)がある。
【0094】
本発明の目的における化粧品用調合物もゲルとして存在することができ、これは作用を及ぼし得る量の本発明の活性物質、およびそれに対して通常使用される溶媒を含んでいる。溶媒は、好ましくは水の他に、有機性の増稠剤、例えばアラビアゴム、キサンタンゴム、アルギン酸ナトリウム、セルロース誘導体、好ましくはメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、或いは無機性の増稠剤、例えばベントナイトのような珪酸アルミニウム、またはポリエチレングリコールとポリエチレングリコールのステアレートまたはジステアレートの混合物がある。増稠剤はゲルの中に例えば0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%の量で含まれている。
【0095】
下記実施例は本発明を制限することなく本発明を説明するものである。特記しない限りすべての重量、割合、および百分率は調合物の全量および全重量に関する重量によるものとする。
【0096】
O/W型クリームの例
[実施例1]
【0097】
自己乳化性のステアリン酸グリセリル 4.00
PEG−40−ステアレート 1.00
セチルアルコール 3.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 5.00
液状パラフィン(Paraffinum liquidum) 5.00
ポリオールに可溶なカンゾウ(甘草)抽出物P−U 0.025
トコフェロール 0.1
NaHEDTA 0.1
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 3.00
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 5.00
水 加えて100
[実施例2]
【0098】
自己乳化性のステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリン酸 1.00
セチルアルコール 2.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 3.00
ジカプリリルエーテル 4.00
液状パラフィン 2.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.05
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.1
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
ブチレングリコール 3.00
水 加えて100
[実施例3]
【0099】
ステアリン酸クエン酸グリセリル 2.00
ステアリルアルコール 2.00
ラノリンアルコール 1.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 4.00
液状パラフィン 8.00
ジメチコン 1.00
リコカルコン A 0.025
防腐剤、香料 適量
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 7.50
水 加えて100
[実施例4]
【0100】
ステアリン酸クエン酸グリセリル 2.00
ステアリルアルコール 2.00
ラノリンアルコール 1.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 4.00
液状パラフィン 8.00
ジメチコン 1.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.15
防腐剤、香料 適量
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 7.50
ジヒドロキシアセトン 1.00
水 加えて100
[実施例5]
【0101】
ポリグリセリル−3−メチルグルコース−ジステアレート 3.00
セチルアルコール 3.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 3.00
ジカプリリルエーテル 2.00
液状パラフィン 3.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 1.00
NaHEDTA 0.1
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.1
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
水 加えて100
[実施例6]
【0102】
ステアリン酸クエン酸グリセリル 2.00
ソルビタンステアレート 2.00
セチルステアリルアルコール 2.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 3.00
オクチルドデカノ−ル 2.00
ジカプリリルエーテル 1.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.05
トコフェロール 0.20
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.1
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
水 加えて100
O/W型クリームの例
[実施例7]
【0103】
自己乳化性のステアリン酸グリセリル 5.00
ステアリルアルコール 2.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 2.00
オクチルドデカノ−ル 2.00
ジメチコンポリジメチルシロキサン 2.00
二酸化チタン 2.00
4−メチルベンジリデンカンファー 1.00
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.50
リコカルコン A 0.08
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.15
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
水 加えて100
[実施例8]
【0104】
ステアリン酸クエン酸グリセリル 2.00
セチルステアリルアルコール 3.00
安息香酸C12〜15−アルキル 2.00
オクチルドデカノール 2.00
液状パラフィン 4.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.50
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシルオキシ−) 1.0
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ジヒドロキシアセトン 0.5
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.1
苛性ソーダ、45% 適量
ブチレングリコール 3.00
エタノール 3.00
水 加えて100
[実施例9]
【0105】
ステアリン酸クエン酸グリセリル 2.00
セチルステアリルアルコール 1.00
安息香酸C12〜15−アルキル 3.00
液状パラフィン 2.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.1
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシルオキシ−) 3.0
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩 0.20
防腐剤、香料 適量
キサンタンゴム 0.20
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
水 加えて100
[実施例10]
【0106】
ステアリン酸 2.50
セチルアルコール 3.00
オクチルドデカノール 4.00
環式ジメチルポリシロキサン 0.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 1.00
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.05
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 5.00
エタノール 3.00
水 加えて100
[実施例11]
【0107】
ステアリン酸 3.50
セチルアルコール 4.50
セチルステアリルアルコール 0.50
オクチルドデカノール 6.00
環式ジメチルポリシロキサン 2.00
4−メチルベンジリデンカンファー 1.00
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.40
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシロキシ−) 0.5
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ジヒドロキシアセトン 0.5
トコフェロール 0.05
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩 0.20
防腐剤、香料 適量
ポリアクリル酸 0.05
苛性ソーダ、45% 適量
グリセリン 3.00
W/O型乳化物の例
[実施例12]
【0108】
ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート 5.00
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシロキシ−) 2.00
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン 3.00
オクトクリレン 7.00
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン 1.00
フェニレン−1,4−ビス−(−2ベンズイミダジル 1.00
−5,7−ジスルフォン酸一ナトリウム塩)
スルフォン酸フェニルベンズイミダゾール 0.50
酸化亜鉛 3.00
ジカプリリルエーテル 10.00
炭酸ジカプリリル 5.00
フェニルメチルポリシロキサン 2.00
PVP−ヘキサデセン共重合体 0.50
グリセリン 3.00
硫酸マグネシウム 1.00
トコフェロールアセテート 0.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.15
防腐剤、香料 適量
エタノール 3.00
水 加えて100
[実施例13]
【0109】
セチルジメチコンコポリオール 2.50
メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 8.00
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシロキシ−) 2.50
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン 1.00
4−メチルベンジリデンカンファー 2.00
オクトクリレン 2.50
フェニレン−1,4−ビス−(−2ベンズイミダジル 2.00
−5,7−ジスルフォン酸一ナトリウム塩)
二酸化チタン 2.00
酸化亜鉛 1.00
ジメチコンポリジメチルシロキサン 4.00
フェニルメチルポリシロキサン 25.00
オクトオキシグリセリン 0.30
グリセリン 7.50
大豆グリシン(Glycinsoja) 1.00
硫酸マグネシウム 0.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.08
防腐剤、香料 適量
水 加えて100
[実施例14]
【0110】
PEG−30−ジポリヒドロキシステアレート 5.00
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2.00
エチルヘキシルトリアゾン 3.00
オクトクリレン 4.00
フェニレン−1,4−ビス−(−2ベンズイミダジル 0.50
−5,7−ジスルフォン酸一ナトリウム塩)
二酸化チタン 1.50
酸化亜鉛 2.00
液状パラフィン 10.0
ブチレンググリコール−ジカプリレート/ジカプレート 2.00
炭酸ジカプリリル 6.00
ジメチコンポリジメチルシロキサン 1.00
シアバター 3.00
オクトオキシグリセリン 1.00
大豆グリシン 1.50
塩化マグネシウム 1.00
トコフェロールアセテート 0.25
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.5
防腐剤、香料 適量
エタノール 1.50
水 加えて100
[実施例15]
【0111】
セチルジメチコンコポリオール 4.00
メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5.00
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシロキシ−) 2.00
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 1.00
エチルヘキシルトリアゾン 4.00
4−メチルベンジリデンカンファー 4.00
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン 2.00
スルフォン酸フェニルベンズイミダゾール 3.00
酸化亜鉛 0.50
安息香酸C12〜16 9.00
ブチレンググリコール−ジカプリレート/ジカプレート 8.00
ジメチコンポリジメチルシロキサン 5.00
PVP−ヘキサデセン共重合体 0.50
グリセリン 7.50
硫酸マグネシウム 0.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 1.00
防腐剤、香料 適量
水 加えて100
[実施例16]
【0112】
ポリグリセリル−2−ジポリステアレート 4.50
メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 4.00
2,4−ビス−(4−(2−エチルヘキシロキシ−) 2.50
2−ヒドロキシル)フェニル)−6−(4−メトキシ
フェニル)−(1,3,5)−トリアジン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン 3.00
エチルヘキシルトリアゾン
4−メチルベンジリデンカンファー 2.00
オクトクリレン 2.50
スルフォン酸フェニルベンズイミダゾール 2.00
二酸化チタン 3.00
液状パラフィン 8.00
ジカプリリルエーテル 7.00
ブチレンググリコール−ジカプリレート/ジカプレート 4.00
フェニルメチルポリシロキサン 2.00
PVP−ヘキサデセン共重合体 1.00
オクトオキシグリセリン 0.50
グリセリン 2.50
塩化マグネシウム 0.70
トコフェロールアセテート 1.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.80
防腐剤、香料 適量
エタノール 1.00
水 加えて100
W/O型乳化物の例
[実施例17および18]
【0113】
実施例番号 17 18
ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシ 4.00 5.00
ステアレート
ラノリンアルコール 0.50 1.50
イソヘキサデカン 1.00 2.00
ミリスチン酸ミリスチル 0.50 1.50
ワセリン 1.00 2.00
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.50 1.50
4−メチルベンジリデンカンファー 1.00 3.00
ブチレンググリコール−ジカプリレート 4.00 5.00
/ジカプレート
シアバター − 0.50
ブチレングリコール − 6.00
オクトオキシグリセリン − 3.00
グリセリン 5.00 −
トコフェロールアセテート 0.50 1.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.2 0.1
EDTA 0.20 0.20
防腐剤 適量 適量
エタノール − 3.00
香料 適量 適量
水 加えて100 加えて100
W/O型クリームの例
[実施例19]
【0114】
ポリグリセリル−3−ジイソステアレート 3.50
グリセリン 3.00
ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート 3.50
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.25
防腐剤 適量
香料 適量
硫酸マグネシウム 0.6
ステアリン酸イソプロピル 2.0
カプリリルエーテル 8.0
イソノナン酸セテアリール 6.0
水 加えて100
W/O型乳化物の例
[実施例20]
【0115】
トリセテアレト−4−フォスフェート 0.80
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
ラノリン酸グリセリル 1.70
シクロメチコン 2.20
パルミチン酸イソプロピルI 1.00
ポリオールに可溶なカンゾウ抽出物P−U 0.050
ポリアクリル酸 0.50
エチレンジアミン四酢酸 1.00
水酸化ナトリウム 適量
クエン酸 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
水 加えて100

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内因性および/または外因性の老化の治療および予防、並びに皮膚に対する紫外線の損傷的な作用の治療および予防のために、化粧品用または皮膚科用の調合物におけるリコカルコンAまたはリコカルコンAを含むラディクス・グリュキュルリザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)からの抽出物の使用。
【請求項2】
調合物は該調合物の全量に関し0.0001〜5重量%、特に0.001〜1重量%、特に好ましくは0.005〜0.15重量%のリコカルコンAを含んでいることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
調合物は該調合物の全量に関し0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、特に好ましくは0.01〜0.2重量%の1種またはそれ以上のポリオールを含んでいることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項4】
次のような皮膚の老化の経過または状態、即ち
− 皮膚の機能不全または機能低下の状態、または皮膚付属物の機能不全または機能低下の状態;
− 皮膚および/または皮膚付属物の早期老化の現象(例えば皺、老人性の染み、末梢血管拡張症);
− 環境による(煙、スモッグ、反応性の酸素種、フリーラジカル)および特に光による皮膚および皮膚付属物の好ましくない老化;
− 光による皮膚の損傷;
− 色素の沈着障害;
− 痒みを起こす刺激;
− 皮膚の乾燥した状態および角質障壁の損傷
− 抜け毛;
の治療またはそれらの予防を行うことを特徴とする請求項1記載の使用。

【公表番号】特表2007−505056(P2007−505056A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525664(P2006−525664)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009158
【国際公開番号】WO2005/027866
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(591010376)バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト (20)
【氏名又は名称原語表記】BEIERSDORF AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】