説明

皮膚の色素除去のためのセラミドの使用

本発明は、皮膚を色素除去するおよび/もしくはホワイトニングするための剤、特には、色素性のシミおよび/もしくは老化によるシミを除去するための剤としての、ならびに/または、抗褐色化剤としての、以下の式(I):
R1-CHOH-CH(NH-COR2)(CH2OH) (I)
[式中、R1は、C11からC21のアルキル基を定義し、R2は、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよいC11-C19の炭化水素系の基を定義し、ここで、前記ヒドロキシル基は、カルボニルに対してアルファ位に存在し、前記C11-C19の炭化水素系基は、1つまたは複数のエチレン性不飽和、特には1つまたは2つのエチレン性不飽和を含みうる]
の化合物の使用に関する。
本発明は、また、生理学的に許容可能な媒体中に、式(I)の化合物を含む組成物の、皮膚への塗布を含む、色素沈着的シミを示す皮膚を色素除去および/または明るくするための美容方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚-色素除去剤としての特定のセラミドの使用、および、皮膚を色素除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚の色は、様々な因子に依存し、特に、一年における季節に、人種に、そして、性別に依存する;主には、メラニン細胞によって産生されるメラニンの性質および濃度によって求まる。メラニン細胞は、特定のオルガネラであるメラノソームによってメラニンを合成する特殊化した細胞である。加えて、人生の様々な時点で、特定の個人は、皮膚に、特に手に、皮膚を不均一なものとする黒いおよび/または着色したシミが現れることを経験する。これらのシミは、皮膚表面上に位置するケラチン細胞中の高いメラニン濃度も原因となっている。
【0003】
非常に有効な無害な局所用色素除去物質の使用は、最も特には、メラニン細胞の過剰活性を原因とする局所的な過剰色素沈着、例えば、妊娠中(「妊娠マスク(pregnancy mask)」もしくはシミ(chloasma))、またはエストロ−プロゲスタ的避妊(oestro-progestative contraception)において生じる特発性黒皮症(idiopathic melasmas)、良性のメラニン細胞の過剰活性および増殖を原因とする局部的過剰色素沈着、例えば、化学線ほくろ(actinic lentigo)として知られている老年性色素沈着的シミ(pimentation spot)、傷害後の瘢痕形成または光感作を原因とする可能性がある偶発的な過剰色素沈着、ならびに、特定の白斑(leukoderma)の形態、例えば白斑(vitiligo)を治療するという観点から望ましい。後者(皮膚により白い外観を付与する傷をもたらす可能性がある瘢痕形成)については、病変した皮膚を再色素化することは不可能であるので、残った正常な皮膚の領域を色素除去し、皮膚に全体として均一な白い色合いを付与することによって、このプロセスを終了させる。
【0004】
皮膚での色素沈着の形成、すなわちメラニンの形成のメカニズムは、特に複雑であり、おおよそ、次の主工程を含む:
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→ドーパクロム(Dopachrome)→メラニン
【0005】
チロシナーゼ(monophenol dihydroxyl phenylalanine:oxygen oxidoreductase EC 1.14.18.1)は、この一連の反応に関与する必須の酵素である。特に、そのヒドロキシラーゼ活性によって、チロシンをドーパ(ジヒドロキシフェニルアラニン)に転換させる反応、および、そのオキシダーゼ活性によって、ドーパをドーパキノンに転換させる反応を、触媒する。このチロシナーゼは、特定の生物学的要因の作用もと、成熟した形態の場合のみに作用する。
【0006】
物質は、メラニンが形成される表皮の活性メラニン細胞に直接働きかけるならば、および/または、メラニン生成に関与する酵素の一つを阻害することにより、もしくはメラニンの合成鎖の一つの化合物の構造類似体として挿入されることにより(鎖はブロックされて、確実に色素除去が生じる)、メラニンの生合成の工程の一つを阻害するならば、色素除去物質であると認められる。
【0007】
色素除去剤として最も一般的に使用される物質は、より具体的には、ヒドロキノンおよびその誘導体、特にそのエーテル、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびヒドロキノンモノエチルエーテルである。これらの化合物は、所定の効果を有するものではあるが、残念なことに、それらの毒性の故に、副作用がないわけでなく、このため、それらの使用は複雑で、危険ですらある。この毒性は、これらの化合物が、細胞を破壊することによってメラニン形成の基本的メカニズムに干渉して、ついで、それらの生物的環境を乱し、毒素を作り出して皮膚にそれらを除去させるということから生じる。
【0008】
このように、ヒドロキノンは、特に、刺激性とメラニン細胞に対する細胞毒性とを有する化合物であり、この化合物の全てまたは一部に代わる代替品が多くの研究者によって考察されている。
【0009】
よって、メラニン形成のメカニズムを阻害しないが、その活性化を妨害することによってチロシナーゼの上流に作用し、結果として毒性が低減された物質が探究されている。一般的には、チロシナーゼの活性化阻害剤として、この酵素の活性化部位に存在する銅を錯体化するコウジ酸が、使用されている。残念なことに、この化合物は、溶液中で不安定であり、このことにより、組成物を製造するにあたって、多少複雑になる。
【特許文献1】EP-A-500437
【特許文献2】EP-A-647617
【非特許文献1】Delayed ERK activation by ceramide reduces melanin synthesis in human melanocytes” by Don-Seok Kim et al., Cellular Signaling, 14 (2002), P. 779-785
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、公知の作用剤と同様に、効果的に作用するが、上述した欠点のない、すなわち、皮膚に対して非刺激性、無毒および/または非アレルギー性である、新規のヒトの皮膚をホワイトニングするための剤が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この件に関し、本出願人は、驚くべき且つ予期しなかったことに、特定のセラミド化合物が、良好な色素除去活性を示すことを発見した。
【0012】
それ故、より具体的には、本発明の対象は、皮膚を色素除去するおよび/もしくはホワイトニングするための剤、特には、色素性のシミおよび/もしくは老化によるシミを除去するための剤としての、ならびに/または、抗褐色化剤としての、以下の式(I):
R1-CHOH-CH(NH-COR2)(CH2OH) (I)
[式中、R1は、C11からC21のアルキル基を定義し、R2は、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよいC11-C19の炭化水素系の基を定義し、ここで、前記ヒドロキシル基は、カルボニルに対してアルファ位に存在し、前記C11-C19の炭化水素系基は、1つまたは複数のエチレン性不飽和、特には1つまたは2つのエチレン性不飽和を含みうる]
の化合物の使用である。
【0013】
本発明の対象は、また、生理学的に許容可能な媒体中に、前記した式(I)の化合物を少なくとも1つ含む組成物の、皮膚への塗布を含む、色素沈着的シミを示す皮膚を色素除去および/または明るくするための美容方法である。この方法は、特に、茶色がかった色素性のシミおよび/もしくは老化によるシミを除去するのに、ならびに/または、褐色の皮膚を明るくするのに適している。
【0014】
本発明の対象は、また、皮膚を色素除去および/またはホワイトニングするための皮膚用組成物の製造のための、前記した式(I)の化合物の使用である。
【0015】
本発明による式(I)の化合物によって、ヒトの皮膚を効率的に色素除去および/または明るくすることが可能となる。これらは、特に、褐色の色素性のシミもしくは老化によるシミを示す個人の皮膚に、または、メラニン形成(例えば、紫外線への暴露後のメラニン形成)を原因とする褐色の外観を対処することを希望する個人の皮膚に塗布することを意図する。
【0016】
式(I)の化合物については、R1は、好ましくは、C13-C19の炭化水素系の基を定義し;R2は、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよく、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含みうるC13-C19の炭化水素系の基を定義する。
【0017】
好ましくは、R1は、C13-C17の炭化水素系の基を定義し;R2は、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよく、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含みうるC13-C19の炭化水素系の基を定義する。
【0018】
有利には、R1は、C13-C17の炭化水素系の基を定義し;R2は、直鎖で、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含みうるC13-C19の炭化水素系の基を定義するか、飽和で、直鎖で、ヒドロキシル化されたC13-C19の炭化水素系の基であって、前記ヒドロキシル基が、カルボニルに対してアルファ位に存在するC13-C19の炭化水素系の基を定義するかのいずれかである。
【0019】
特に好ましい式(I)の化合物としては、N-オレイルジヒドロスフィンゴシンおよびN-2-ヒドロキシルパルミトイルジヒドロスフィンゴシンを使用することができる。
【0020】
式(I)の化合物は、従来技術、特に、出願EP-A-500437およびEP-A-647617で、知られている。
【0021】
論説「Delayed ERK activation by ceramide reduces melanin synthesis in human melanocytes” by Don-Seok Kim et al., Cellular Signaling, 14 (2002), P. 779-785には、N-アセチル-D-エリスロスフィンゴシンが、効果を有さないスフィンゴシン-1-ホスフェートとは異なり、ヒトの皮膚のメラニン細胞のチロシナーゼ活性に対して効果を及ぼすことが開示されている。
【0022】
Cosmoferm社は、N-リノレオイルフィトスフィンゴシンを、Ceramide IIIA(登録商標)という名称で販売しており、これは、皮膚に対して色素除去作用を有することが知られている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の文脈においては、用語「アルキル」は、飽和または不飽和の炭化水素系の鎖を意味する。本発明の実施に適したアルキル基として、特に、基を挙げることができる。
【0024】
本発明によって使用される組成物は、生理学的に許容可能な媒体中に、前記した式(I)に対応する化合物を少なくとも1つ含む。
特には、組成物は、皮膚への局所適用に適する。生理学的に許容可能な媒体は、好ましくは、化粧品的または皮膚科学的に許容可能な媒体、すわなち、如何なる不愉快な臭い、色または外観を有さず、そして、使用者に許容できないしみる感じ、こわばりまたは赤みを生じない媒体である。
【0025】
用語「生理学的に許容可能な媒体」は、ヒトのケラチン物質、例えば皮膚、粘膜、爪、頭皮および/または髪と適合可能な媒体を意味すると理解される。
【0026】
本発明による組成物は、美容または医薬的な、特には皮膚科学的な塗布用とすることができる。好ましくは、本発明による組成物は、美容的な塗布用である。
【0027】
式(I)のセラミドは、本発明に従って使用される組成物中に、組成物の総重量に対して、0.001重量%から10重量%、好ましくは0.01重量%から5重量%、特には0.1重量%から2重量%の範囲の含量で存在しうる。
【0028】
組成物は、予期される応用において通常使用される任意の成分を含みうる。
【0029】
特に、水、溶媒、無機、動物および/または植物起源の油、ワックス、顔料、フィラー、界面活性剤、化粧品または皮膚科学用活性剤、UVスクリーニング剤、ポリマー、ゲル化剤および防腐剤を挙げることができる。
【0030】
当然のことながら、当業者は、注意深く、本発明による化合物の有利な特性が、想定される添加によって損なわれず、または実質的には損なわれないように、このもしくはこれらの任意の付加化合物および/またはその量を選択するであろう。
【0031】
本発明による組成物は、化粧品および皮膚科学の分野において通常使用されている任意の製剤の形態をとりうる;特に、任意にゲル化された水溶液もしくはアルコール水溶液の形態、任意に二相分散のローション型の形態、水中油型もしくは油中水型もしくは多重エマルジョンの形態、水溶性ゲルの形態、小球体による水相中での油の分散物の形態であって、これら小球体を、ポリマー性ナノ粒子、例えばナノスフィアおよびナノカプセル、またはイオン性および/もしくは非イオン性型の液体ベシクルとすることを可能とする分散物の形態をとりうる。
【0032】
組成物がエマルジョンである場合、脂肪相の割合は、組成物の総重量に対して、5から80重量%、好ましくは5から50重量%の範囲とすることができる。エマルジョン形態の組成物に使用される油、乳化剤および任意の共乳化剤は、当該分野で通常使用されるものから選択する。乳化剤および共乳化剤は、組成物の総重量に対して0.3から30重量%、好ましくは0.5から20重量%の範囲の割合で、組成物内に存在する。
【0033】
この組成物は、多かれ少なかれ液状であり、白色または着色クリーム状、軟膏状、ミルク状、ローション状、漿液状、ペースト状、または泡状の外見を有することができる。この組成物は、必要に応じて、エアゾールの形で皮膚に適用することができる。この組成物は、また、固形状および、例えばスティック状にすることもできる。
【0034】
本発明の有利な態様においては、使用される組成物は、また、少なくも1つの落屑剤および/または少なくとも1つの鎮静剤および/または少なくとも1つの有機光保護剤および/または少なくとも1つの無機光保護剤を含みうる。
【0035】
「落屑剤」という用語は、以下の作用をすることができるすべての化合物を意味する。
- 剥離を促進することによって直接落屑に作用するもの、例えばβ-ヒドロキシ酸、特にサリチル酸およびこれの誘導体(5-n-オクタノイルサリチル酸を含む);α-ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸またはマンデル酸;尿素;ゲンチジン酸;オリゴフコース;桂皮酸;サフォラ・ジャポニカ(Saphora japonica)抽出物;レスベラトロール;
- あるいは、落屑または角質接着斑の分解に関与する酵素、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン様酵素(SCCE)、または他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様)。無機塩をキレート化する物質、EDTA;N-アシル-N,N',N'-エチレンジアミン三酢酸;アミノスルホン酸化合物および特に(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸);2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(プロシステイン)誘導体;グリシン型のα-アミノ酸誘導体(EP-0852949に記載のものおよびBASFによってTrilon Mの商標で販売されているメチルグリシン二酢酸ナトリウム);ハチミツ; 糖の誘導体、例えばO-オクタノイル-6-D-マルトースおよびN-アセチルグルコサミンを挙げることができる。
【0036】
落屑剤は、本発明による使用のための組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1から10重量%、好ましくは0.1から5重量%、優先的には0.5から2重量%の含量で存在しうる。
【0037】
前記したサリチル酸誘導体は、以下の式(II):
【0038】
【化1】

【0039】
[式中:
- R基は、直鎖、分枝鎖または環状で、2から22の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい1つまたは複数の二重結合を含む、2から22の炭素原子を含む不飽和鎖;直接、または2から7の炭素原子を含む飽和もしくは不飽和脂肪族鎖によって、カルボニル基に結合した芳香族環を定義し;前記基は、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基は、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができる;
- R'基は、ヒドロキシル基である]
の化合物、および、無機または有機塩基に由来するその塩から選択することができる。
【0040】
好ましくは、R基は、直鎖、分枝鎖または環状で、3から11の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい、もしくは共役していなくともよい1つまたは複数の二重結合を含む、3から17の炭素原子を含む不飽和鎖を定義し;前記炭化水素系の鎖は、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基は、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができ、そして、無機または有機塩基との塩形成によって得られるその塩をも定義する。
【0041】
特に好ましい化合物は、R基がC3-C11アルキル基である化合物である。
【0042】
特に好ましい式(I)の化合物としては、5-n-オクタノイルサリチル酸(すなわちカプリロイルサリチル酸);5-n-デカノイルサリチル酸;5-n-ドデカノイルサリチル酸;5-n-ヘプチルオキシサリチル酸および対応するこれらの塩を挙げることができる。
【0043】
5-n-オクタノイルサリチル酸が、より特に使用される。
【0044】
式(II)の化合物の塩は、無機塩基または有機塩基との塩形成によって得ることができる。無機塩基の例としては、水酸化アルカリ金属もしくは水酸化アルカリ土類金属、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、またはアンモニア水を挙げることができる。
【0045】
有機塩基としては、アミンおよびアルカノールアミンを挙げることができる。第四級塩、例えば特許FR 2607498に記載された塩が、特に有用である。
【0046】
本発明によって使用することができる式(II)の化合物は、特許US 6,159,479、US 5,558,871、FR 2,581,542、FR 2,607,498、US 5,767,750、EP 378,936、US 5,267,407、US 5,667,798、US 5,580,549およびEP-A-570,230に記載されている。
【0047】
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明によって使用される組成物は、式(I)のセラミドおよび式(II)の化合物を含む。
【0048】
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸を含む組成物が、有利に使用される。このような組成物は、後述する比較のための実施例4に示すように、良好な皮膚の色素除去レベルを有する。
【0049】
N-2-ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸を含む組成物も、使用することができる。
【0050】
前記したアミノスルホン酸化合物は、以下の式(III)
【0051】
【化2】

【0052】
[式中、
- Rは、水素原子または-OH基を定義し、
- Xは、-CH2-CH2-OH基を定義し、
- nは、0または1である]
の化合物から選択することができる。
【0053】
式(III)の化合物としては:
(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES);
4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン)酸;
4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-プロパンスルホン酸;
を挙げることができる。
【0054】
(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)を特に使用する。
【0055】
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明によって使用される組成物は、式(I)のセラミドおよび式(III)の化合物を含む。
【0056】
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)を含む組成物を、有利には、使用する。
【0057】
N-2-ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシンおよび(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)を含む組成物も、使用することができる。
【0058】
本発明によって使用される組成物において使用することができる鎮静剤としては:
5環性トリテルペンおよびこれらを含む植物(例えば甘草(グリシリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra))の抽出物、例えば、β-グリシレチン酸ならびにこれの塩および/または誘導体(グリシレチン酸モノグルクロニド、グリシレチン酸ステアリルまたは3-ステアロイルオキシグリシレチン酸)、ウルソル酸およびこれの塩、オレアノール酸およびこれの塩、ベツリン酸およびこれの塩、ボタン(ペオニア・スフルティ(Paeonia suffruticosa))および/またはラクティフローラ(lactiflora)の抽出物、サリチル酸塩および特にサリチル酸亜鉛、Codif社のphycosaccharide、コンブ(ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina))の抽出物、菜種油、ビサボロールおよびカモミール抽出物、アラントイン、SEPPICのSepivital EPC(ビタミンEおよびCのリン酸ジエステル)、ω-3不飽和油、例えば、ジャコウバラ油、クロフサスグリ油、エキウム油、魚油、プランクトン抽出物、カプリロイルグリシン、SEPPICのSeppicalm VG(パルミトイルプロリンナトリウムおよびシロスイレン(ニンフェア・アルバ(Nymphea alba))、ピジウム(Pygeum)の抽出物、ボスウェリア・セラタ(Boswellia serrata)の抽出物、セハミ(センチペダ・カニンガミ(Centipeda cunninghami)の抽出物、ヒマワリ(ヘリアントゥス・アンヌウス(Helianthus annuus))の抽出物、リヌム・ウシタティッシムム(Linum usitatissimum)の抽出物、トコトリエノール、コラ・ニチダ(Cola nitida)の抽出物、ピペロナール、チョウジの抽出物、バコパ・モニエリ(Bacopa monieri)の抽出物、フィトステロール類、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、インドメタシンならびにベータメタソンを挙げることができる。
【0059】
有機光保護剤は、アントラニレート;ケイ皮酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体; サリチル酸誘導体; カンファー誘導体;トリアジン誘導体、例えば、特許出願US 4367390、EP 863145、EP 517104、EP 570838、EP 796851、EP 775698、EP 878469、EP 933376、EP 507691、EP 507692、EP 790243およびEP 944624に記載されたトリアジン誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリル酸誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;特許EP 669323およびUS 246326に記載されたビスベンゾアゾイル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;出願US 5237071、US 5166355、GB 2303549、DE 19726184およびEP 893119に記載されたメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;スクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン、例えば、特に出願WO 93/04665に記載されたスクリーニングポリマーおよびスクリーニングシリコーン; α-アルキルスチレンに由来するダイマー、例えば、特許出願DE 19855649に記載に記載されたダイマーから特に選択される。
【0060】
無機光保護剤は、被覆または非被覆の金属酸化物の顔料またはナノ顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5nmと100nmとの間、好ましくは10nmと50nmとの間)、例えば、酸化チタン(無定形あるいはルチルおよび/またはアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムのナノ顔料であって、すべてそれ自体よく知られた紫外線光保護剤であるもの、から選択される。さらに、標準的な被覆剤は、アルミナおよび/またはステアリン酸アルミニウムである。このような被覆または非被覆の金属酸化物ナノ顔料は、特に、特許出願EP 518772およびEP 518773に記載されている。
【0061】
光保護剤は、一般に、組成物の全重量に対して、0.1重量%から20重量%の範囲、好ましくは、組成物の全重量に対して0.2重量%から15重量%の範囲の割合で、本発明の組成物中に存在する。
【0062】
以下の実施例は、本発明を例証する。
【実施例】
【0063】
(実施例1:メラニン形成に対する活性の測定)
生物学的試験によって、以下の2つの化合物:N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよびN-2-ヒドロキシパルミトイルジヒドロスフィンゴシンの色素除去活性を測定した。
【0064】
試験した化合物のメラニン形成に対する調節作用を、特許FR-A-2734825およびR. Schmidt, P. Krien and M. Regnier, Anal. Biochem., 235(2), 113-18, 1996による論文に記載された方法に従って測定した。この試験は、ケラチン細胞およびメラニン細胞の共培養を用いた実施した。
【0065】
試験した化合物については、メラニン合成に対する阻害活性を、ロイシンの取り込みに対するチオウラシルの取り込みの比率を評価することによって、コントロールを100%としたのに対して(コントロールは、試験した化合物が存在しない状態で実施した試験に対応する)、求めた。IC50値(メラニン合成の50%を阻害する濃度)を求めた。
【0066】
試験は、また、既知の色素除去化合物であるアルブチンおよびルシノール(2-ブチルベンゼン-1,3-ジオール)を用いて実施した。
【0067】
結果を、以下の表に示す:
【0068】
【表1】

【0069】
本発明による試験した2つの化合物は、実際に、メラニン形成を阻害するのに有効である。
【0070】
(実施例2)
以下の成分を含む色素除去組成物を調製した:
【0071】
【表2】

【0072】
色素沈着的シミを示す皮膚に塗布した組成物によって、何回かの塗布後に、シミを消すことができた。
【0073】
(実施例3)
以下の成分を含む色素除去組成物を調製した:
【0074】
【表3】

【0075】
色素沈着的シミを示す皮膚に塗布した組成物によって、何回かの塗布後に、シミを消すことができた。
【0076】
(比較のための実施例4)
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸の組み合わせを含む本発明の組成物4a、N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンを含む本発明の組成物4b、ならびに、5-n-オクタノイルサリチル酸を含む本発明ではない組成物4Cを調製した。
【0077】
これらの組成物は、以下の成分を含む(成分を重量%として表す):
【0078】
【表4】

【0079】
これらの組成物の色素除去特性は、アジア的な皮膚を有する18人の個人のパネルによって評価した。各個人については、最小紅斑量(minimum erythemal dose (MED))を、既知の方法で測定した。
【0080】
2.25cm2の2つの領域を、各個人の前腕について測定した。
【0081】
異なる皮膚の色に対応し、CIE 1976色空間中の各明度パラメーターC*および色相角hを定量化した52の色相を有するカラーチャートを使用して、前腕の各領域によって示された色に似たカラーチャート上の色相を求めた「。その後、そのように評価した色の明度C*を書き留めた。
【0082】
その後、各領域を、Orielの太陽シュミレーターランプを用いてUV/SSR照射に曝した。2の最小紅斑量(MED)に対応するUV照射を最初に実施し、その後、2日間経過させ、照射した皮膚領域の色に従って、1.75から2.5のMEDの対応する照射を、その後に実施した。この操作を再度二日後に繰り返した。
【0083】
最終的なUV照射を実施した後の数日後に、皮膚のこの領域は、色素沈着が見られ、各領域の色を、再度、カラーチャートを使用して測定し(それ故、この測定は、Toでの実施となる)、対応する明度C*(To)を求めた。
【0084】
その後、その色素除去作用を評価するために、試験する組成物を用いた前腕の領域の処理を実施した。
【0085】
9μgの量の組成物4a、4b、4cを、全体で4つの領域のうちの3つに塗布し(それ故、1つの組成物を1つの領域に塗布する)、四番目の領域は処理しなかった。
組成物を、このようにして、一日二回(朝と夕方)6週間塗布した。
【0086】
6週間の処理後(T6)、処理した各領域の色を、再度、カラーチャートを使用して測定した。対応する明度C*(T6)を、そのようにして測定し、組成物の塗布前のTo時点で測定した明度C*(To)と比較した。
【0087】
処理の前と後で得られた値の平均値を計算して、Anova統計試験を用いて比較した。
【0088】
以下の結果が得られた。
【0089】
【表5】

【0090】
得られた結果は、p<0.001であり、明確に顕著であった。
【0091】
得られた結果は、N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸の組み合わせを含む組成物4aによって、皮膚を明るくする結果を得ることができ、その程度は、N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンを含む組成物4bおよび5-n-オクタノイルサリチル酸を含む組成物4cと比較した結果よりも優れていることを示している。組成物4bを用いて得られた明度の結果は、また、組成物4cを用いて得られた結果よりも優れていた。
【0092】
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸の組み合わせは、それ故、より良好な色素除去活性を有する。
【0093】
(実施例5)
以下の組成を有する皮膚の色素除去組成物を調製した(成分を重量%として表す):
【0094】
【表6】

【0095】
色素沈着的シミを示す皮膚に塗布した組成物によって、何回かの塗布後に、シミを消すことができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚を色素除去するおよび/もしくはホワイトニングするための剤、特には、色素性のシミおよび/もしくは老化によるシミを除去するための剤としての、ならびに/または、抗褐色化剤としての、以下の式(I):
R1-CHOH-CH(NH-COR2)(CH2OH) (I)
[式中、R1は、C11からC21のアルキル基を定義し、R2は、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよいC11-C19の炭化水素系の基を定義し、ここで、前記ヒドロキシル基は、カルボニルに対してアルファ位に存在し、前記C11-C19の炭化水素系基は、1つまたは複数のエチレン性不飽和、特には1つまたは2つのエチレン性不飽和を含みうる]
の化合物の使用。
【請求項2】
R1が、C13-C19の炭化水素系の基を定義し;R2が、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよく、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含んでいてもよいC13-C19の炭化水素系の基を定義することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
R1が、C13-C17の炭化水素系の基を定義し;R2が、直鎖で、ヒドロキシル化されていてもよく、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含んでいてもよいC13-C19の炭化水素系の基を定義することを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
R1が、C13-C17の炭化水素系の基を定義し;R2が、直鎖で、1つまたは複数のエチレン性不飽和を含んでいてもよいC13-C19の炭化水素系の基を定義するか、または、飽和で、直鎖で、ヒドロキシル化されたC13-C19の炭化水素系の基であって、前記ヒドロキシル基が、カルボニルに対してアルファ位に存在するC13-C19の炭化水素系の基を定義するかのいずれかであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
式(I)の化合物が、N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
式(I)の化合物が、N-2-ヒドロキシルパルミトイルジヒドロスフィンゴシンであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
生理学的に許容可能な媒体中に、請求項1から6のいずれか一項で定義した式(I)の化合物を少なくとも1つ含む組成物の、皮膚への塗布を含む、色素沈着的シミを示す皮膚を色素除去および/または明るくするための美容方法。
【請求項8】
褐色の色素性のシミおよび/もしくは老化によるシミを除去することを意図する、ならびに/または、褐色の皮膚を明るくするためであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(I)の化合物が、組成物の総重量に対して、0.001重量%から10重量%、好ましくは0.01重量%から5重量%の範囲の含量で存在することを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
組成物が、落屑剤、鎮静剤、有機光保護剤および無機光保護剤から選択される少なくとも1つの成分を含むことを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
組成物が、落屑剤を含むことを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、サリチル酸およびその誘導体から選択される落屑剤を含むことを特徴とする、請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
サリチル酸誘導体が、以下の式(II):
【化1】

[式中:
- R基は、直鎖、分枝鎖または環状で、2から22の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい1つまたは複数の二重結合を含む、2から22の炭素原子を含む不飽和鎖;直接、または2から7の炭素原子を含む飽和もしくは不飽和脂肪族鎖によって、カルボニル基に結合した芳香族環を定義し;前記基は、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基は、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができる;
- R'基は、ヒドロキシル基である]
の化合物、および、無機または有機塩基に由来するその塩から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R基が、直鎖、分枝鎖または環状で、3から11の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい、もしくは共役していなくともよい1つまたは複数の二重結合を含む、3から17の炭素原子を含む不飽和鎖を定義し;前記炭化水素系の鎖が、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基が、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
R基が、C3-C11アルキル基であることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
式(I)の化合物が、5-n-オクタノイルサリチル酸(すなわちカプリロイルサリチル酸);5-n-デカノイルサリチル酸;5-n-ドデカノイルサリチル酸;5-n-ヘプチルオキシサリチル酸、および対応するこれらの塩から選択されることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
組成物が、5-n-オクタノイルサリチル酸を含むことを特徴とする、請求項7から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
組成物が、以下の式(III)
【化2】

[式中、
- Rは、水素原子または-OH基を定義し、
- Xは、-CH2-CH2-OH基を定義し、
- nは、0または1である]
のアミノスルホン化合物から選択される落屑剤を含むことを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
組成物が、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸(HEPES)を含むことを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
皮膚を色素除去および/またはホワイトニングするための皮膚用組成物の製造のための、請求項1から6のいずれか一項で定義した式(I)の化合物の使用。
【請求項21】
組成物が、落屑剤を含むことを特徴とする、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
落屑剤が、サリチル酸およびその誘導体から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
サリチル酸誘導体が、以下の式(II):
【化3】

[式中:
- R基は、直鎖、分枝鎖または環状で、2から22の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい1つまたは複数の二重結合を含む、2から22の炭素原子を含む不飽和鎖;直接、または2から7の炭素原子を含む飽和もしくは不飽和脂肪族鎖によって、カルボニル基に結合した芳香族環を定義し;前記基は、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基は、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができる;
- R'基は、ヒドロキシル基である]
の化合物、および、無機または有機塩基に由来するその塩から選択されることを特徴とする、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
R基が、直鎖、分枝鎖または環状で、3から11の炭素原子を含む飽和脂肪族鎖;共役していてもよい、もしくは共役していなくともよい1つまたは複数の二重結合を含む、3から17の炭素原子を含む不飽和鎖を定義し;前記炭化水素系の鎖が、1つまたは複数の置換基で置換されることができ、前記置換基が、同一または異なっていてもよく、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む酸とエステル化した形態のヒドロキシル基、または(d)遊離形態もしくは1から6の炭素原子を含む低級アルコールとエステル化した形態のカルボキシル基から選択されることができることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
R基が、C3-C11アルキル基であることを特徴とする、請求項23または24に記載の使用。
【請求項26】
式(I)の化合物が、5-n-オクタノイルサリチル酸(すなわちカプリロイルサリチル酸);5-n-デカノイルサリチル酸;5-n-ドデカノイルサリチル酸;5-n-ヘプチルオキシサリチル酸、および対応するこれらの塩から選択されることを特徴とする、請求項23から25のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
組成物が、5-n-オクタノイルサリチル酸を含むことを特徴とする、請求項20から26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
組成物が、以下の式(III)
【化4】

[式中、
- Rは、水素原子または-OH基を定義し、
- Xは、-CH2-CH2-OH基を定義し、
- nは、0または1である]
のアミノスルホン化合物から選択される落屑剤を含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の使用。
【請求項29】
組成物が、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸(HEPES)を含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の使用。
【請求項30】
生理学的に許容される媒体に、請求項1から6のいずれか一項に定義の式(I)のセラミド、および、請求項23から30のいずれか一項に定義の落屑剤を含む、化粧用または皮膚用組成物。
【請求項31】
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸を含むことを特徴とする、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
N-2-ヒドロキシルパルミトイルジヒドロスフィンゴシンおよび5-n-オクタノイルサリチル酸を含むことを特徴とする、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
N-オレオイルジヒドロスフィンゴシンおよび(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)を含むことを特徴とする、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
N-2-ヒドロキシルパルミトイルジヒドロスフィンゴシンおよび(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N-2-エタン)スルホン酸(HEPES)を含むことを特徴とする、請求項30に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−519306(P2009−519306A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545065(P2008−545065)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/FR2006/051370
【国際公開番号】WO2007/071875
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】