説明

皮膚バリアー機能回復促進剤

【課題】新たな皮膚バリアー機能回復促進方法や促進財の提供。
【解決手段】本発明は、表皮細胞上のTRPA1を活性化することのできるTRPA1アゴニストを含有することを特徴とする、皮膚バリアー機能回復促進剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一過性受容体電位(TRP)ファミリーのメンバーであるTRPA1を活性化することによる皮膚バリアー機能の回復促進も関連する。
【背景技術】
【0002】
種々の皮膚疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、接触性皮膚炎等に見られる肌荒れ症状においては、皮膚からの水分の消失が、健常な皮膚に比べて盛んであることが知られている。このいわゆる経皮水分蒸散量(TEWL)の増加には、皮膚内において水分の保持やバリアーとしての機能を担っていると考えられる成分の減少が関与しているものと考えられてきた。
【0003】
肌荒れ改善・予防効果を有する物質については多くの研究がなされてきたが、皮膚バリアー機能の改善若しくは回復効果を有する物質についての研究は十分ではなく、皮膚バリアー機能に対する改善効果と肌荒れ改善・予防効果との関係は明らかになっていないため、肌荒れ改善・予防効果がある物質が必ずしも皮膚バリアー機能に対する改善効果があるとは限らない。
【0004】
末梢神経系から一過性受容体電位(TRP)ファミリーのメンバーとしていくつかの温度感受性受容体タンパク質がクローニングされている。TRPファミリーの構成員は、温度やそれ以外の物理的もいくは化学的因子のセンサーとして機能することが報告されており(Dhaka他、Annu Rev Neurosci 29, 135-161 (2006):非特許文献1)、TRPV1、TRPV3、TRPV4は、表皮ケラチノサイトに存在することがわかっている(Denda他、Biochem Biophys res Commun 285, 1250-1252 (2001):非特許文献2)。本発明者は、TRPV1とTRPV4が表皮透過バリアーのホメオスタシスと強く関係していることを以前に明らかにした(Denda他、J Invest Dermatol 127, 1713-1719 (2007):非特許文献3)。バリアーを破壊した後にTRPV1を熱(約43℃)またはカプサイシンによって活性化させると、バリアーの修復が遅延した。この遅延は、TRPV1のアンタゴニストであるカプサゼピンによって阻止された。それに対して熱(36〜40℃)によるTRPV4の活性化によって、または特別なTRPV4アゴニストによってバリアーの修復が加速された。こうした効果は、一般的なTRP阻害剤であるルテニウム・レッドによって阻止された。これらの結果は、TRP受容体が表皮のホメオスタシスにおいて重要な役割を果たしていることを示唆している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Annu Rev Neurosci 29, 135-161 (2006)
【非特許文献2】Biochem Biophys res Commun 285, 1250-1252 (2001)
【非特許文献3】J Invest Dermatol 127, 1713-1719 (2007)
【非特許文献4】J Invest Dermatol 12 March 2009, doi:10.1038/jid.2009.58
【非特許文献5】Neuron 41, 849-857(2004)
【非特許文献6】Nature 445, 541-545(2007)
【非特許文献7】Mol Cell Neurosci 32, 335-343(2006)
【非特許文献8】Curr Opin Neurobiol 17, 490-497(2007)
【非特許文献9】Curr Biol 15, 929-934(2005)
【非特許文献10】J Invest Dermatol, 111, 858-863 (1998)
【非特許文献11】Proc. Natl Sci USA 104, 13535-13530 (2007)
【非特許文献12】Br. J Dermatol 127, 654-659 (2007)
【非特許文献13】Semin Dermatol, 11(2) 176-82 (1992)
【非特許文献14】J Invest Dermatol 109, 84-90 (1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近になって、ヒト表皮でのTRPA1の発現が報告された(Atoyan他、J Invest Dermatol, 12 March 2009, doi:10.1038/jid.2009.58:非特許文献4)。本発明者は、TRPA1も表皮バリアーのホメオスタシスと関係していると推測し、TRPA1のアゴニストとアンタゴニストが表皮透過バリアーのホメオスタシスに及ぼす効果を調べた。また、低温への短時間の曝露がバリアーの回復速度に及ぼす影響も調べた。
本発明は、表皮細胞上のTRPA1を切り口とした、新たな皮膚バリアー機能回復促進方法や促進剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その結果、本発明者は、表皮細胞上のTRPA1を活性化することで皮膚バリアー機能の回復を促進できることを見出した。
【0008】
従って、本発明は、第一の態様において、表皮細胞上のTRPA1を活性化することのできるTRPA1アゴニストを含有することを特徴とする、皮膚バリアー機能回復促進剤を提供する。
【0009】
TRPA1を活性化する化合物は、例えばアリルイソチオシアネート、シンナムアルデヒド、イシリン、スーパーシンナムアルデヒド、SCアルキン、アクロレイン、ぺンテナール、マスタードオイル、ヨードアセトアミド、カンフォール、メントール、サリチル酸メチル、ジンジェノール、アリシンであってよい。
【0010】
第二の態様において、本発明は肌改善方法であって、表皮細胞上のTRPA1を活性化することで皮膚バリアー機能を回復促進させることを特徴とする方法を提供する。
好ましくは、表皮細胞上のTRPA1の活性化は、皮膚を低温に短時間、例えば17℃以下の温度において数秒から数分間暴露することで達成される、及び/又は皮膚をTRPA1アゴニストに暴露することで達成される。当該肌改善方法は、美容目的でも医療目的でもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、新たな皮膚バリアー機能回復促進剤や促進方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】皮膚バリアー機能を損傷させた皮膚にTRPA1アゴニスト及びアンタゴニストを作用させた場合の皮膚バリアー機能回復に及ぼす影響を示す図。
【図2】皮膚バリアー機能を損傷させた皮膚を低温に暴露させた場合の皮膚バリアー機能回復に及ぼす影響を示す図。
【図3】皮膚バリアー機能を損傷させた皮膚を低温に暴露させた場合のTRPA1の挙動を示す免疫組織学写真図。
【図4】皮膚バリアー機能を損傷させた皮膚を低温に暴露させた場合の皮膚バリアー機能回復を示す電子顕微鏡写真図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
TRPA1は侵害受容性知覚ニューロンのサブセットに局在するTRPスーパーファミリーチャネルの構成員であることが知られ、約17℃ほどの低温で応答して活性化されることが知れる受容体である。上述のとおり、最近になってヒト表皮においてTRPA1が発現することが報告された。
【0014】
本発明は、TRPA1の活性化が皮膚バリアー機能回復促進に有効であることの発見に基づくものである。
TRPA1の活性化は、TRPA1を発現する表皮細胞を低温に短時間、例えば17℃以下、好ましくは0℃〜17℃、より好ましくは10〜17℃、さらにより好ましくは15〜17℃の温度に短時間、例えば1、2秒〜10分、好ましくは5秒〜5分、より好ましくは10秒〜3分、さらにより好ましくは20秒〜2分、もっとも好ましくは30秒〜1分暴露することで達成できる。さらには、TRPA1の活性化は、TRPA1を発現する表皮細胞をTRPA1アゴニストに暴露することでも達成される。
【0015】
TRPA1のアゴニストは多数知られており、例えば以下のものが挙げられる:
アリルイソチオシアネート、シンナムアルデヒド(以上、Bandell et al. Neuron 41, 849-857(2004) (非特許文献5)参照)、イシリン、スーパーシンナムアルデヒド、SCアルキン、アクロレイン、ぺンテナール、マスタードオイル、ヨードアセトアミドなど(以上、Macpharson et al. Nature 445, 541-545(2007)(非特許文献6)参照)、カンフォール、メントールなど(以上、Macpherson et al. Mol Cell Neurosci 32, 335-343(2006) (非特許文献7)参照)、サリチル酸メチル、ジンジェノールなど(以上、Bandell et al. Curr Opin Neurobiol 17, 490-497(2007) (非特許文献8)参照)、アリシン(Macpherson et al. Curr Biol 15, 929-934(2005) (非特許文献9)参照)。本発明では、TRPA1のアゴニストは上記周知のアゴニストに限定されるものではない。また、これらのアゴニストは単独でも、組み合わせて使用してもよい。
【0016】
TRPA1の活性化は、TRPA1を発現する表皮細胞の低温への暴露と、TRPA1のアゴニストへの暴露を双方行うことでも達成できる。その場合、低温への暴露とアゴニストへの暴露を同時に行っても、あるいは逐次行ってもよく、その順番は特に限定されるものではない。
【0017】
皮膚バリアー機能回復促進効果試験
TRPA1のアゴニストであれば皮膚バリアー機能回復促進効果を有するが、その効果の確認は、様々な方法で行うことができ、例えば、哺乳動物(例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ等)の皮膚にテープストリッピングを施すことによって破壊された皮膚バリアー機能がもとの状態へ回復していく過程を経皮水分蒸散量(TEWL)を指標として評価することにより、定量的又は定性的に測定することができる。かかる測定は、例えば下記の通りにして実施することができる。
【0018】
1.水分蒸散量測定装置によりヘアレスマウス背部付近の経皮水分蒸散量(TEWL)を測定する。この際の値をTEWLの回復率100%とする。
2.皮膚のバリアーを、セロファンテープ等を使用し、ヘアレスマウスの表皮角層を剥がすことにより破壊する。このときTEWLの値が約800〜900と成るまでこの作業を繰り返すのが好ましい。角層を剥がした後の測定値から角層を剥がす前の測定値を差し引いた値を、最もダメージの深い状態、即ち回復率0%とする。
3.試験試料を適宜の濃度(例えば1mM)で適量[例えば100μl]にて適当な基材、例えばプラスチックラップの上に載せ、哺乳動物の背部に貼付し、適当な時間(例えば5分)経過後、それを剥がす。
4.適当な時間(例えば0、2、4、6時間)経過後、水分蒸散量測定装置によりTEWLを測定する。角層除去時と同様、各時間の測定値から角層除去前のTEWL値を差し引き、回復率を算出する。
即ち、回復率は下記の式に従いもとめることができる:
【数1】

【0019】
本発明において、「皮膚バリアー機能の回復を促進する」とは、皮膚のテープストリッピング直後の経皮水分蒸散量(TEWL)の値を0%、テープストリッピング前の値を100%として、各測定時間におけるTEWLの値が、コントロールと比較した場合に明らかに有意差が認められ、TEWL回復率を促進させる効果を有することを意味する。
【0020】
本発明に係るTRPA1アゴニストは皮膚バリアー機能を回復促進させることで、乾燥刺激により惹起される表皮増殖異常を有意に抑制し、さらには皮膚の厚みを減少させることさえもできる。
【0021】
本発明のTRPA1アゴニストは、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等の化粧料、医薬品、医薬部外品に配合されて、好ましくは皮膚外用剤として皮膚に適用することが出来る。その配合量は特に制限がないが、これらの基剤全量に基づき0.001mM〜1M、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mM程度であろう。
【実施例】
【0022】
方法
全ての実験において、生後7〜10週間のオスの無毛マウス(HR-1、Hoshino社、日本国)を用いた。皮膚バリアー機能の測定、バリアー破壊、試験サンプルの塗布は、ネンブタールを用いて麻酔した状態で実施した。本研究は、米国国立衛生研究所(NIH)のガイドラインに合致していることが資生堂研究センターの倫理委員会によって承認された。
透過バリアー機能は、以前に報告されているようにして(Denda他、J Invest Dermatol, 111, 858-863 (1998):非特許文献10)、電気式水分分析器(Meeco社)を用いた経表皮水分損失(TEWL)の測定結果によって評価した。バリアーの回復実験では、両脇腹の皮膚に対し、TEWLが7〜10mg/cm2/時間に達するまでテープストリッピングを繰り返すという処理を行なった。脇腹の2点で測定し、4匹のマウスを使用してそれぞれの処理の効果を調べた。次に、バリアーを破壊した1時間後、3時間後、6時間後、24時間後に、TEWLを同じ部位で測定した。概日リズム効果を避けるため、午前7時00分と午前8時00分の間にバリアーを破壊した直後にバリアーの回復速度を調べた。バリアーの回復結果は、回復率(%)で表現した。その理由は、バリアー破壊の程度は日ごとに変動するからである。それぞれのマウスについて、次式:
[(バリアーを破壊した直後のTEWL - 指示した時点でのTEWL)/(バリアーを破壊した直後のTEWL - TEWLの基底値]×100%
従って回復率を計算した。
【0023】
免疫組織化学
室温にて、4%のパラホルムアルデヒドを含むPBSの中で10分間かけて皮膚サンプルを固定し、PBS溶液で洗浄し、ブロッキング溶液を用いて30分間かけてブロックした後、ウサギ抗TRPA1抗体(100:1、Abcam社)とともに室温にて1時間にわたってインキュベートした。次に、その皮膚サンプルを、0.05%のTween 20を含むPBS溶液で5分間ずつ3回洗浄し、500:1に希釈したHeochst 33528(1:1000、同仁堂社)を含むAlexa Fluorヤギ抗ウサギ594(Molecular Probes社)と30分間かけてカップリングさせた後、0.05%のTween 20を含むPBS溶液で5分間ずつ3回洗浄した。最後にその皮膚サンプルをFluoromount Plus(Diagnostic Biosystems社)に載せた。
【0024】
電子顕微鏡法
組織学的研究のため、バリアーの動態実験で用いたマウスとは別のマウスを使用した。脇腹を、TEWLが7〜10mg/cm2/時間に達するまでアセトンを浸した綿球で処理した。1時間後、マウスに麻酔をかけ、皮膚サンプルを採取した。それぞれの処理について4匹のマウスを使用し、各皮膚サンプルから5つの切片を採取した。厚さが十分な皮膚サンプルを断片に切断し(<0.5mm3)、改変カルノフスキー固定液の中で一晩かけて固定し、2%四酸化オスミウムまたは0.2%四酸化ルテニウムの中で後固定した。固定後、濃度の異なる一連のエタノールの中ですべてのサンプルを脱水し、Eponエポキシ混合物の中に包埋した。薄片をクエン酸鉛と酢酸ウラニルで染色し、電子顕微鏡で観察した。オスミウムで後固定した材料から角質層/顆粒層(SC/SG)脂質ドメインの面積を定量した。測定は、この実験で事前にどのような処理を行なったかを知らない状態で実施した。ランダムに選択した切片に関する一定倍率の写真から、NIH画像ソフトウエアを用いてパラメータを評価した。
【0025】
結果
最初に、TRPA1のアゴニストが無毛マウスの無傷の状態の皮膚に及ぼす効果を評価した。テープストリッピングによって透過バリアーを破壊し、その直後に100μlのアゴニスト溶液を塗布した。アリルイソチオシアネート(0.5mM)またはシンナムアルデヒド(0.5mM)の局所塗布によってバリアーの回復が促進され、その両方の試薬の効果は、TRPA1のアンタゴニストであるHC030031 2−(1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−7H−プリン−7−イル)−N−(4−イソプロピルフェニル)アセトアミド(50μM)を用いた前処理によって阻止された(MacNamara他、Proc. Natl Sci USA 104, 13535-13530 (2007): 非特許文献11)(図1)。次に、冷たい断熱材を用いて片脇腹の皮膚表面を1分間にわたって冷やした(10〜15℃)。他方の脇腹は熱パッドを用いて35〜36℃に維持した。両方の脇腹の温度を温度計((Data Logger Thermometer MT-309, Mother Tool社)でモニターした。1分間冷却するとバリアーの回復が促進され、この効果はHC030031を用いた前処理によって阻止された(図2)。免疫組織化学的研究から、マウス表皮でTRPA1がポジティブ免疫染色されることがわかった(図3aと図3c、ネガティブコントロール:図3bと図3d)。電子顕微鏡での研究から、低温への短時間の曝露によって角質層と顆粒層の間への層板小体の分泌が加速される(図4b、図4aはコントロール)に対し、HC030031を用いた前処理によってその促進が抑制される(図4c)ことがわかった。図4dは、低温に曝露された皮膚で分泌された層板小体を示している。この結果を定量化して図4eに示してある。
【0026】
考察
低温への曝露によってバリアーの回復が遅延することが報告されている(Halkier-Sorensen他、Br. J Dermatol 127, 654-659 (2007):非特許文献12)が、われわれの結果はこの結論と矛盾する。これら2つの研究の主な違いは、低温に曝露する時間にあると考えられる。彼らは3〜5時間にわたって皮膚を低温に曝露したのに対し、われわれは1分間だけ曝露した。別の研究は、バリアーを破壊した数時間後に脂質の生成が表皮で増大することを示している(EliasとFeingold、Semin Dermatol, 11(2) 176-82 (1992) :非特許文献13)。長時間にわたる低温への曝露は、バリアーの回復に関係するさまざまな生物学的プロセス(例えば脂質の合成)を乱す可能性がある。
【0027】
潜在的に、低温への短時間の曝露は、バリアーの修復に必要なさまざまな生化学的プロセスを阻止する可能性がある。例えばバリアーを破壊した直後にセリン-プロテアーゼ活性が増大し、そのプロテアーゼの阻害剤がバリアーの回復を加速させた(Denda他、J Invest Dermatol 109, 84-90 (1997);:非特許文献14)。したがって低温への短時間の曝露は、バリアーのホメオスタシスを損なうさまざまな因子を抑制する可能性がある。しかしTRPA1のアゴニストとアンタゴニストの効果は、TRPA1が表皮のバリアーのホメオスタシスと関係していることを示唆している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮細胞上のTRPA1を活性化することのできるTRPA1アゴニストを含有することを特徴とする、皮膚バリアー機能回復促進剤。
【請求項2】
前記TRPA1アゴニストが、アリルイソチオシアネート、シンナムアルデヒド、イシリン、スーパーシンナムアルデヒド、SCアルキン、アクロレイン、ぺンテナール、マスタードオイル、ヨードアセトアミド、カンフォール、メントール、サリチル酸メチル、ジンジェノール及びアリシンからなる群から選ばれる1又は複数である、請求項1記載の皮膚バリアー機能回復促進剤。
【請求項3】
表皮細胞上のTRPA1を活性化することで皮膚バリアー機能を回復促進させることを特徴とする、美容目的とした肌改善方法。
【請求項4】
表皮細胞上のTRPA1の活性化が、皮膚を10〜17℃以下の温度において10秒から5分間暴露することで達成される、及び/又は皮膚をTRPA1アゴニストに暴露することで達成される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記TRPA1アゴニストが、アリルイソチオシアネート、シンナムアルデヒド、イシリン、スーパーシンナムアルデヒド、SCアルキン、アクロレイン、ぺンテナール、マスタードオイル、ヨードアセトアミド、カンフォール、メントール、サリチル酸メチル、ジンジェノール及びアリシンからなる群から選ばれる1又は複数である、請求項4記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−42624(P2011−42624A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192134(P2009−192134)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】