説明

皮膚バリア機能改善剤

【課題】 CE形成促進効果、タイトジャンクション形成促進効果に優れた皮膚バリア機能改善剤に関する。
【解決手段】 サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とする皮膚バリア機能改善剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚バリア機能改善剤、特にコーニファイドエンベロープ(CE)形成促進効果、タイトジャンクション形成促進効果に優れた皮膚バリア機能改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚、特に表皮には、バリア機能を有することが知られている。バリア機能とは、生体内からの過度な水分蒸散や、体外からの細菌等の異物の侵入を防ぐ機能である。このようなバリア機能の低下は、肌荒れや皮膚炎(乾皮症やアトピー性皮膚炎)の原因となるとも考えられている。
【0003】
表皮は、皮膚の最も外側にある膜で、厚みは約0.1〜0.2mmである。表皮の基底層において、常に新たな細胞(角化細胞)が生まれている。その角化細胞は、分化しながら、有棘層、顆粒層、角層を経て角質細胞となり、最後に垢となってはがれ落ちる。これをターンオーバーと呼ぶ。表皮では、1か月程度の周期でターンオーバーが繰り返されている。
【0004】
ターンオーバーの過程で、ケラチン線維を主成分とし、角質細胞を包むコーニファイドエンベロープ(cornified envelope;角質肥厚膜、以下CE)が形成される。CEは、角化細胞の分化にしたがって、該細胞において産生される複数のCE前駆体タンパク質が、酵素トランスグルタミナーゼにより架橋され、不溶化して形成されるものである。このようなCEは、健康な角層の働きに必要不可欠である。すなわち、CEの形成および成熟化は、皮膚バリア機能向上に重要な役割を果たしている。
【0005】
また、表皮を通過する液体や物質は、細胞膜上の輸送タンパク質を介する細胞間経路(transcellular pathway)と、細胞間隙を介する細胞間隙経路(paracellular pathway)の2つの経路を通ることが知られている。
【0006】
タイトジャンクションは、顆粒層にある細胞シートにおいて、細胞間をシールする細胞間接着機構(細胞間結合の一つ)である。すなわちタイトジャンクションは、細胞間隙経路において液体や物質の輸送を制御している。
タイトジャンクションは、表皮の生理機能に応じて多様な皮膚バリア機能を有している。また、タイトジャンクションの皮膚バリア機能は、細胞間隙経路の透過性であるとも言える。
【0007】
皮膚バリア機能改善剤としては、炭素数26〜40の脂肪酸が有効成分として知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、その皮膚バリア機能改善効果には、改善の余地があった。
【0008】
なお、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から抽出された果実液は、これまでに、抗酸化効果を有することが知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、該果実液の皮膚バリア機能改善効果に関する報告はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−155265号公報
【特許文献2】特開2007−143518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は、CE形成促進効果およびタイトジャンクション形成促進効果の両方に優れた皮膚バリア機能改善剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らが前記課題に鑑み鋭意研究した結果、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物は、CE形成促進効果およびタイトジャンクション形成促進効果に優れた皮膚バリア機能改善剤であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤は、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とする。
本発明にかかるCE形成促進剤は、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とする。
本発明にかかるタイトジャンクション形成促進剤は、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤は、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなるものであり、優れた皮膚バリア機能改善剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コントロールおよびカクタスフルーツ果実抽出物のCE測定結果。
【図2】コントロールおよびカクタスフルーツ果実抽出物のTER(タイトジャンクション形成能)測定結果。
【図3】コントロール(経口摂取前)に対するカクタスフルーツ果実抽出物経口摂取後の肌改善効果のアンケート結果。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明で用いられる植物は、サボテン科(Cactaceae)ウチワサボテン属(Opuntia)に属する植物(食用サボテン類)の果実である。
【0016】
食用サボテン類は、アメリカやメキシコに自生し、現在はインド、北アフリカ、ヨーロッパ等で栽培もされている。
その果実は、大きさ約5〜8cmの紫紅色の楕円形である。また、果皮表面が鋭い小さな棘で覆われていることから、プリックリーペア(Prickly Pear)とも呼ばれている。
【0017】
サボテン科ウチワサボテン属に属する植物としては、例えばウチワサボテン(Opuntia ficus-indica)、オプンティア エンゲルマンニィ(O. engelmannii)、オプンティア ディエレンニィ(O. dillenii)、オプンティア ストリクタ(O. stricta)、オプンティア エラタ(O. elata)、オプンティア フラジリス(O. fragilis)、オプンティア ストレプトアキャンザ(O. streptacantha)、オプンティア ポリアキャンザ(O. polyacantha)、オプンティア ビオラセア(O. violacea)等が挙げられる。
【0018】
本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤であるカクタスフルーツ果実抽出物は、サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実を圧搾して得られる果実圧搾汁液または適当な溶媒で抽出して得られる果実抽出液である。圧搾、抽出方法は、特に限定されず、常法により行うことができる。
【0019】
圧搾方法は、例えば、果実をすり潰してピューレとした後、これを細かな網目状のスクリーンに通してろ過することにより得ることができる。通常はこの得られた液にさらにリンゴ酸等を添加してpH調整した後、タンクに貯蔵し、90℃近い温度で30秒間程度加熱して滅菌し、その後、冷却装置で常温に冷却する等の方法で得ることができる。所望により濃縮してもよい。
【0020】
抽出方法は、例えば、果実を必要により乾燥した後、抽出溶媒に一定期間浸漬するか、あるいは加熱還流している抽出溶媒と接触させ、次いで濾過し、濃縮して得ることができる。
抽出溶媒は、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができる。抽出溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを用いるか、またはこれらエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0022】
カクタスフルーツ果実抽出物は、CEやタイトジャンクションの形成を促進する効果も有している。
このため、本発明のカクタスフルーツ果実抽出物は、CE形成促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤としても用いることができる。
【0023】
本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤およびCE形成促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤は、これらを有効成分として含有する食品または飲料として調製され、経口摂取することが好ましい。
【0024】
本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤およびCE形成促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤であるカクタスフルーツ果実抽出物を経口摂取する場合の摂取量は、純分(100%果汁)として、1日に体重あたり0.01〜10ml/kgであることが好ましい。摂取量が少なすぎると、本発明の効果が得られない場合がある。また、摂取量が多すぎても構わないが、効果の向上が見られないため好ましくない。
【0025】
本発明のCE形成促進剤を経口摂取する場合、経口摂取後1か月程度経過後にCE形成促進効果が期待できる。この経口摂取後、表皮まで到達し、ターンオーバーの過程でCEが形成されるまでの時間には個人差がある。
【0026】
本発明の改善剤(形成促進剤)を配合した食品や飲料には、有効成分であるカクタスフルーツ果実抽出物の他に、必要に応じ添加剤を任意に選択し併用することができる。添加剤としては賦形剤、呈味剤、着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、機能性素材等を含ませることができる。
【0027】
賦形剤としては、所望の剤型とするときに通常用いられるものであれば限定されず、例えば、微粒子二酸化ケイ素のような粉末類、ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリン等のでんぷん類、結晶セルロース類、乳糖、ブドウ糖、砂糖、還元麦芽糖、水飴、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖等の糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトール等の糖アルコール類等が挙げられる。
【0028】
呈味剤としては、甘味剤であるアセスルファムK、エリスリトール、オリゴ糖類、マンノース、キシリトール、異性化糖類、ヨーグルトフレーバー等が挙げられる。
機能性素材としては、各種ビタミン類、パントテン酸、葉酸、ビオチン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アミノ酸、オリゴ糖、プロポリス、ローヤルゼリー、EPA、DHA、コエンザイムQ10、コンドロイチン、乳酸菌、ラクトフェリン、イソフラボン、プルーン、キチン、キトサン、グルコサミン等が挙げられる。
【0029】
また、本発明の改善剤(形成促進剤)を配合した食品や飲料には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、カクタスフルーツ果実抽出物以外の果汁エキスであるボンタンエキス、ライチエキス、リンゴ果汁、オレンジ果汁、ゆずエキス、ピーチエキス、ウメエキス等を配合してもよい。
その他の着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤については、食品に使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
【0030】
本発明の改善剤(形成促進剤)を配合した食品や飲料の形態としては、アンプル、カプセル、丸剤、錠剤、粉末、顆粒、固形、液体、ゲルまたは気泡、クリーム等任意とすることができる。
これらは従来公知の方法により製造することができる。
【0031】
本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤およびCE形成促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤は、これらを有効成分として含有する医薬製剤として調製することもできる。
医薬製剤に配合する場合、該製剤は経口的にあるいは非経口的(静脈投与、腹腔内投与等)に適宜に使用される。
【0032】
医薬製剤の剤型も特に限定されず、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤や、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤、または、注射剤等の非経口用液体製剤等が挙げられ、公知の方法により適宜調製することができる。
これらの医薬製剤には、通常用いられる結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、pH調製剤等の賦形剤を適宜使用してもよい。
【0033】
また、本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤およびCE形成促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤は、経皮吸収による効果を期待して、これらを有効成分として含有する皮膚外用剤として調製することもできる。
分子量の小さい物質は、外用でも血中にまで浸透することが知られている。しかし、外用は、経口摂取と比較すると効率が悪いため、本発明の改善剤(形成促進剤)は、経口摂取する上記飲食品や医薬製剤として調製する方がより好ましい。
【0034】
皮膚外用剤の形態としては、化粧料、貼付剤等の形態を取ることができる。本発明の皮膚外用剤には、カクタスフルーツ果実抽出物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常化粧料等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0035】
本発明の改善剤(形成促進剤)を、食品、飲料、医薬製剤、皮膚外用剤等に配合する場合、皮膚バリア機能低下等が関与する種々の症状や疾病、病態等の治療、予防、改善等に役立つ。具体的適用例としては、例えば、肌荒れ、皮膚炎(乾皮症やアトピー性皮膚炎)、かゆみ、ふけ、ひげ剃りあと等が挙げられる。
【実施例】
【0036】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
以下の試験において、カクタスフルーツ果実抽出物としては、カクタスフルーツ果汁(カクタス濃縮果汁;リバー食品社製)を用いた。該果汁は、オプンティア エンゲルマンニィ(O. engelmannii)の3倍濃縮果汁である。
また、カクタスフルーツ果実抽出物凍結乾燥物は、上記カクタス濃縮果汁5mLを凍結乾燥することで、2.3gの凍結乾燥物を得た。
【0037】
・CE形成能評価試験
6 well plateにヒト正常ケラチノサイト(NHEK)を播種し、0.06mM Ca2+含有増殖用培地(EpiLife)でコンフルエント状態まで培養した。
コンフルエントを確認後、カクタスフルーツ果実抽出物凍結乾燥物(最終濃度 50μg/mL)を添加し、8日間インキュベーションした。8日後、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で細胞を回収、ホモジナイズし、遠心した(12000rpm、15分間)。
上清を除去し、2% SDS、20mM ジチオスレイトール(DTT)を加え1時間、90℃で加温した。CEの生成量を310nmの吸光度で算出した。結果を図1に示す。
【0038】
図1によれば、カクタスフルーツ果実抽出物含有培地で培養した細胞でのCEの量が、コントロール細胞のCEの量に比べt−testにより有意に増大した。すなわちカクタスフルーツ果実抽出物に優れたCE形成促進効果を有することが明らかとなった。
【0039】
・タイトジャンクション形成能評価試験
12 transwell plateにNHEKを播種し、0.06mM Ca2+含有増殖用培地(EpiLife)でコンフルエント状態まで培養した。
コンフルエントを確認後、1.8mM Ca2+含有増殖用培地(EpiLife)に置換し、2日間培養を継続した。2日後、カクタスフルーツ果実抽出物凍結乾燥物(最終濃度 50μg/mL)を添加し、さらに、2日間培養を継続し、電気抵抗値TER(Ω・cm)を測定し、タイトジャンクション形成能を評価した。結果を図2に示す。
【0040】
TER(transepithelial electric resistance、経上皮電気抵抗)は、通常細胞膜ではきわめて高いが、細胞間隙経路の寄与によって低くなってしまう。したがって、TER値より、イオンに対する細胞間隙経路の透過性、すなわちタイトジャンクションの皮膚バリア機能を見積もることができる。
【0041】
図2によれば、カクタスフルーツ果実抽出物含有培地で培養した細胞は、TERを上昇させることがわかる。コントロールに対してt−testにより有意傾向があった。すなわち、カクタスフルーツ果実抽出物により、タイトジャンクションが発達し、皮膚バリア機能が高まることがわかる。
【0042】
・肌改善効果評価試験
5名のパネル(体重約50kg〜70kg)に、夕方にカクタスフルーツ果実抽出物(1.5倍濃縮果汁)を100mL摂取してもらった。そして、翌朝の肌改善効果について、VAS法によるアンケート解析を用いて摂取前後での比較を行った。結果を図3に示す。
図3では「経口摂取前のアンケート結果」をコントロールとし、図の縦軸を「カクタスフルーツ果実抽出物経口摂取前アンケート結果に対する経口摂取後の相対評価」とした。
【0043】
なお、VAS法(Visual Analogue Scale)とは、視覚的アナログ尺度と訳され、痛み等を客観的に評価するために「無痛」から「最強の苦痛」までの表現を0から100mmのライン上に回答する方法である。今回は、満足度を尺度にとり、「肌の乾燥・肌荒れがある」を0点、「肌の乾燥・肌荒れがない」を100点とし、同様に「肌のかゆみがある」を0点、「肌のかゆみがない」を100点とし、ライン上の任意のポイントを被験者にチェックさせることによって評価を実施した。
【0044】
図3によると、「肌の乾燥・肌荒れ」アンケートでは、「カクタスフルーツ果実抽出物経口摂取前」と比較して「カクタスフルーツ果実抽出物経口摂取後」において肌の乾燥・肌荒れ改善効果が得られたことがわかる。
また、「肌のかゆみ」アンケートでも、「カクタスフルーツ果実抽出物経口摂取前」と比較して「カクタスフルーツ果実抽出物経口摂取後」において肌のかゆみ改善効果が得られたことがわかる。
【0045】
以下に、本発明にかかる皮膚バリア機能改善剤、CE形成促進剤、タイトジャンクション形成促進剤の配合例を示す。本発明はこの配合例によって限定されるものではない。
【0046】
[配合処方例1:錠剤]
(配合成分) (質量%)
ショ糖エステル 18.6
結晶セルロース 18.9
メチルセルロース 15.4
グリセリン 1.7
シカクマメ抽出物(乾燥質量) 2
コラーゲンペプチド 6
ハトムギ抽出物(乾燥質量) 0.7
本皮膚バリア機能改善剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 1
N−アセチルグルコサミン 12
ヒアルロン酸 10
ビタミンE 2
ビタミンB 1.3
ビタミンB 0.7
α−リポ酸 1.3
コエンザイムQ10 2.7
セラミド(コンニャク抽出物) 3.7
L−プロリン 2
【0047】
[配合処方例2:ドリンク剤]
(配合成分) (質量%)
コラーゲンペプチド 1
本皮膚バリア機能改善剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 0.5
ハトムギ抽出物(乾燥質量) 0.4
還元麦芽糖水飴 5.6
エリスリトール 1.6
クエン酸 0.4
香料 0.3
N−アセチルグルコサミン 0.2
ヒアルロン酸 0.1
ビタミンE 0.06
α−リポ酸 0.04
コエンザイムQ10 0.24
水 残余
【0048】
[配合処方例3:ドリンク剤]
(配合成分) (質量%)
こんにゃく芋抽出物(セラミド含有) 0.001
本CE形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 1
甘草抽出物 0.4
ハトムギ抽出物(乾燥質量) 0.4
γ−アミノ酪酸(GABA) 0.06
ビタミンC 0.003
酵素処理ヘスペリジン 0.1
クエン酸 0.4
ビタミンE 0.02
アセスルファムカリウム 1
スクラロース 1
香料 0.3
水 残余
【0049】
[配合処方例4:ソフトカプセル]
(配合成分) (質量%)
食用大豆油 35.4
トチュウエキス 3.3
ニンジンエキス 3.3
本タイトジャンクション形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁)
6.7
ローヤルゼリー 3.3
マカ 2
γ−アミノ酪酸(GABA) 2
ミツロウ 4
ゼラチン 25
グリセリン 8
グリセリン脂肪酸エステル 7
【0050】
[配合処方例5:顆粒]
(配合成分) (質量%)
本皮膚バリア機能改善剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 33.4
ビタミンC 8.3
大豆イソフラボン 20.8
還元乳糖 25
大豆オリゴ糖 3
エリスリトール 3
デキストリン 2.5
香料 2
クエン酸 2
【0051】
[配合処方例6:化粧水]
(配合成分) (質量%)
水 残余
エタノール 10
ブチレングリコール 7
ジプロピレングリコール 5
グリセリン 2
ポリエチレングリコール(PEG−6) 0.5
ポリエチレングリコール(PEG−32) 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
本CE形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 0.2
アルギニン 0.01
イザヨイバラエキス 0.2
加水分解酵母エキス 0.02
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
イチヤクソウエキス 0.2
水溶性コラーゲン 0.2
アセンヤクエキス 0.1
ポリプロピレングリコール−13デシルテトラデセス−24 0.5
クエン酸ナトリウム 0.05
メタリン酸ナトリウム 0.05
クエン酸 0.05
防腐剤 適量
香料 適量
【0052】
[配合処方例7:美容液]
(配合成分) (質量%)
(A相)
水 残余
グリセリン 1
エタノール 10
ジプロピレングリコール 5
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−14/7ジメチルエーテル

ポリエチレングリコール−400 1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.05
シカクマメエキス 0.3
アルギニン 0.01
イザヨイバラエキス 0.1
加水分解酵母エキス 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
イチヤクソウエキス 0.3
水溶性コラーゲン 0.2
アセンヤクエキス 0.1
本タイトジャンクション形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁)
0.2
カルボキシビニルポリマー 0.3
ブチレングリコール 3
水酸化カリウム 0.15
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー 0.1
メタリン酸ナトリウム 0.03
(B相)
シクロメチコン 2.5
ジメチコン 2
ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
それぞれ均一に溶解したA相およびB相を室温にて混合し、ホモミキサー処理を行う。
【0053】
[配合処方例8:乳液]
(配合成分) (質量%)
(A相)
水 残余
ブチレングリコール 8
エタノール 5
ジプロピレングリコール 5
グリセリン 5
ジメチコン 2
2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD) 0.08
カルボキシビニルポリマー 0.15
EDTA−3Na 0.05
キサンタンガム 0.1
本皮膚バリア機能改善剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 0.1
アルギニン 0.01
イザヨイバラエキス 0.2
加水分解酵母エキス 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
イチヤクソウエキス 0.3
水溶性コラーゲン 0.2
アセンヤクエキス 0.1
(B相)
ベヘニルアルコール 0.4
テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 5
ポリエチレングリコール−60水添ヒマシ油 0.5
水添ポリデセン 2
水添パーム油 0.5
バチルアルコール 0.4
パーム核油 0.4
パーム油 0.1
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
A相(油相部)とB相(水相部)をそれぞれ70℃に加熱し、完全溶解する。A相をB相に加えてよく撹拌した後、乳化機で乳化する。得られた乳化物を、熱交換器を用いて冷却する。
【0054】
[配合処方例9:軟膏]
(配合成分) (質量%)
本CE形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁) 1
ステアリルアルコール 18.0
モクロウ 20.0
ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸エステル 0.25
グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
ワセリン 40.0
精製水 残余
(製造方法)
精製水にカクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁)を加えて溶解し、70℃に保つ(水相)。残りの成分を70℃にて混合溶解する(油相)。水相に油相を加え、ホモミキサーで均一に乳化後、冷却して軟膏を得る。
【0055】
[配合処方例10:貼付剤]
(配合成分) (質量%)
本タイトジャンクション形成促進剤:カクタスフルーツ果実抽出物(100%果汁)

クロタミトン 3.2
エステル油(「パナセート875R」) 2.5
スクワラン 1
dl−カンフル 0.07
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.2
濃グリセリン 5
ゼラチン 1.2
ポリビニルピロリドン 0.6
メチルパラベン 適量
d−ソルビトール液 35
水酸化アルミニウム 0.2
亜硫酸ナトリウム 適量
エデト酸ナトリウム 適量
クエン酸 適量
カルボキシビニルポリマー 0.22
ポリアクリル酸ナトリウム 0.24
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.8
カオリン 1
精製水 残量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とする皮膚バリア機能改善剤。
【請求項2】
サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とするCE形成促進剤。
【請求項3】
サボテン科ウチワサボテン属に属する植物の果実から得られるカクタスフルーツ果実抽出物からなることを特徴とするタイトジャンクション形成促進剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−121871(P2012−121871A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275954(P2010−275954)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】