説明

皮膚係合部材を備えるかみそりカートリッジ

本発明は、ガードと、キャップと、ガードとキャップとの間に配置され、尖った縁部をそれぞれ備える複数のブレードと、を含む、かみそりカートリッジを目的とする。キャップは、ブレードに最も近くに配置されたキャップ縁部及び侵食可能な皮膚係合部材を含む。キャップブレードはキャップに最も近くに配置され、隣接ブレードは、キャップブレードの直近かつキャップブレードとガードとの間に配置されている。皮膚係合部材は、少なくとも1つの上層と、この上層の下に配置された基層と、を含む。上層は、剃毛中に侵食して、上層が侵食されたときに、キャップブレード縁部は、隣接ブレード縁部、キャップ縁部及び基層の上面によって画定される最終露出度を有するように、キャップ縁部に対して配置されている基層の上面を露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かみそりカートリッジに関し、より詳細には、皮膚係合部材又は剃毛補助剤ストリップを備えるかみそりカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
湿式剃毛タイプの剃毛システムでは、皮膚を横断するかみそりの摩擦抵抗、毛を切断するのに必要な力及び既存の皮膚損傷への刺激などの要因が、ある程度の剃毛不快感を作り出す可能性がある。湿式剃毛システムに伴う不快感及びその他の問題は、皮膚に剃毛補助剤を塗布することによって軽減することができる。剃毛補助剤は、剃毛の前、剃毛中、又は剃毛後に塗布してよい。剃毛前及び剃毛後に塗布する剃毛補助剤の使用には多くの問題が伴う。剃毛前に塗布した剃毛補助剤は、かみそりの反復動作によって、塗布部位から蒸発するか又は取り除かれる可能性がある。剃毛後に塗布した剃毛補助剤は、剃毛中は皮膚上に存在しないため、補助剤を塗布するのが遅すぎて、望ましくない作用を防げない場合がある。剃毛前に塗布した剃毛補助剤及び剃毛後に塗布した剃毛補助剤はいずれも、剃毛プロセスに更なる工程を加える。
【0003】
剃毛補助剤、例えば、潤滑剤、ほおひげ軟化剤、かみそりクレンザー、薬剤、化粧剤、又はこれらの組み合わせをかみそり内に、例えば、剃毛補助剤をかみそり上の凹部内に堆積されることによって、剃毛補助剤をかみそりの1つ以上の成形されたポリマー構成要素内に直接組み込むことによって、剃毛補助剤複合体をかみそりに接着固定させることによって及び剃毛補助剤複合体とかみそりとの間の機械的接合を使用することによって、組み込むための提案がなされてきた。剃毛補助剤ストリップ、剃毛補助剤複合体、潤滑ストリップとしても知られる不溶性ポリマー/可溶性皮膚係合部材を形成するために、水溶性剃毛補助剤(例えば、ポリエチレンオキシド)が、非水溶性材料(例えばポリスチレンポリマー)と混合されてきた。皮膚係合部材は、かみそり及び剃毛カートリッジ構造体上に、単一又は複数のブレード剃毛システムの剃毛縁部に隣接して搭載されている。水に曝露されると、水溶性剃毛補助剤は皮膚係合部材から皮膚上に滲出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かみそりカートリッジに関連する1つの問題は、かみそりカートリッジが、その最適な剃毛性能の終わりに近づいており、交換されるべき時期ついての指標がないということである。この問題に対する1つの解は、皮膚係合部材又は潤滑ストリップを用いて、カートリッジがその最適な剃毛性能の終わりに到達しており、交換されるべきであるという指標又は信号をユーザーに提供することである。そのような解は、2色の着色された潤滑ストリップの使用を含む。ユーザーが剃毛するとき、潤滑部材はすり減る。典型的に、2色のシステムにおいて、層のうちの1つ、例えば第1の層(これは青色に着色されてもよい)が最初にすり減り、それによって第2の層(これは第1の層とは異なる色、例えば白色を有する)を露出するように配置される。これは、かみそりカートリッジが交換されるべきであるという指標をユーザーに提供する。
【0005】
2色の潤滑ストリップ指標に関連する1つの問題は、それらが、ユーザーへの指標及び/又は信号と、最適な剃毛性能から準最適な剃毛性能への変化との間の厳密な相関関係を提供しないことである。例えば、最適な剃毛性能がずっと前に過ぎている場合がある、又はまだ過ぎていない場合があるとしても、指標は変化する。最適な剃毛性能と準最適な剃毛性能との間の変化と相関する指標をユーザーに提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガードと、キャップと、ガードとキャップとの間に配置され、尖った縁部をそれぞれ備える複数のブレードと、を含む、かみそりカートリッジを目的とする。キャップは、ブレードに最も近くに配置されたキャップ縁部及び侵食可能な皮膚係合部材を含む。複数のブレードは、キャップに最も近いブレード縁部を画定するキャップブレードと、キャップブレードの直近かつキャップブレードとガードとの間に配置されたブレード縁部を画定する隣接ブレードと、を含む。皮膚係合部材は、第1の色の侵食可能な皮膚係合層を含む、少なくとも1つの上層を含む。上層は、上面、下面及び第1の厚さ寸法を有する。皮膚係合部材は、上層の下に配置され、第1の色とは異なる第2の色の侵食可能な皮膚係合層を含む、基層を含む。基層は、上面、下面及び厚さ寸法を有する。剃毛中に、上層は基層の上面を露出させながら侵食して、上層が侵食されたときに、キャップブレード縁部が、隣接ブレード縁部、キャップ縁部及び基層の上面によって画定される最終露出度を有するように、基層の上面はこのキャップ縁部に対して配置されている。
【0007】
好ましくは、第1の色は緑色である。好ましくは、第2の色は赤色である。第2の色は白色であってもよい。
【0008】
上層及び基層は好ましくは、それぞれ固体ポリマー材料を含む。好ましくは、上層及び基層はそれぞれ、水溶性剃毛補助剤及び非水溶性ポリマーを含む。
【0009】
上層の上面は、使用前に、キャップブレード縁部が、隣接ブレード縁部及び上層の上面によって画定される第1の露出度を有するように、キャップ縁部に対して配置されている。
【0010】
最終露出度は第1の露出度よりも大きい。
【0011】
上層は2層、3層、又はそれ以上の層を含んでもよい。
【0012】
剃毛中、上層は侵食され、基層の上面を露出させて、カートリッジが交換されるべきであるという信号をユーザーに伝える色変化を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書は、本発明を構成するとみなされる対象を具体的に指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は添付の図面と共に考慮される次の説明からより良く理解されるものと考えられる。
【図1】本発明の皮膚係合部材を含むかみそりカートリッジの斜視図。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図。
【図3】図1に示されるかみそりカートリッジ内に含まれる皮膚係合部材の斜視図。
【図4】図3の皮膚係合部材の側面図。
【図5】使用前のかみそりカートリッジを示す、図2のものと同一である、かみそりカートリッジの断面図。
【図6】数回の剃毛後のかみそりカートリッジを示す、図2のものと同一である、かみそりカートリッジの断面図。
【図7】多数の剃毛後のかみそりカートリッジを示す、図2のものと同一である、かみそりカートリッジの断面図。
【図8】本発明の代替の皮膚係合部材の側面図。
【図9】本発明の代替の皮膚係合部材の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2を参照して、かみそりカートリッジ14はハウジング16を含み、これは3つのブレード17、18及び19と、フィン付きエラストマーガード20と、カートリッジ14の皮膚係合部分(この場合ではキャップ23)上に配置された皮膚係合部材又は剃毛補助剤ストリップ22と、を含む。ブレード17、18及び19は、ガード20とキャップ23との間に配置されている。ブレード17、18及び19は、それぞれ尖った縁部17’、18’及び19’を別々に有する。
【0015】
ブレード19は、それがキャップ23に最も近くに配置されているとき、キャップブレードと称される。ブレード18は、それがキャップブレード19に近接する場合、隣接ブレードと呼ばれる。隣接ブレード18は、キャップブレード19に隣接してかつキャップブレード19とガード20との間に配置されている。かみそりカートリッジが、3つのブレードと共に示されるが、カートリッジは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ等のブレードを含んでもよい。
【0016】
皮膚係合部材22は、かみそりカートリッジ上の、配置に好適な寸法の、細長いストリップの形態である。皮膚係合部材22は、長さ約2.5cm〜約3.7cm、幅約0.15cm〜約0.35cmであってもよい。皮膚係合部材22は、カートリッジ14の後方おける開口部において固定される。皮膚係合部材は、例えば、超音波溶接又は接着などの他の既知の方法によって、カートリッジ14に固定されてもよい。この特定のかみそりカートリッジの後方部分において示されているが、皮膚係合部材は、カートリッジのいずれかの皮膚係合部分において配置されてもよく、適切とみなされる任意の寸法又は形状に製造されてもよい。例えば、皮膚係合部材は、Gillette Companyによって販売される、例えばFusion(登録商標)、Venus(登録商標)、Mach 3(登録商標)、Sensor Excel(登録商標)、Atra Plus(登録商標)及びCustom Plus(登録商標)かみそりなどのかみそりカートリッジ、並びに他の市販のかみそりカートリッジ内に組み込まれ得る。
【0017】
図3及び図4を参照して、皮膚係合部材22は、露出された長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合上層又は部分24及びこの上層24の下に配置され、長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合基層又は部分26を含む。基層26は、好ましくは、上層24の下で延在し、上層24のための支持を提供する。それぞれの層の間の境界線は、示されるように、平面に近い場合がある。しかしながら、それぞれの層の間の境界線は、他の形状、例えば曲線状、凸部若しくは凹部のいずれかの弓状に近くてもよい。基層26は、カートリッジの噛合受容部分内に皮膚係合部材を固定するよう働く、接続部分30も含む。
【0018】
上層24は、上面31及び下面32を有する。基層26は、上面33及び下面34を有する。上面31は、使用前にユーザーに面する皮膚係合部材22の露出面である。下面32は、上面33に面し、これに直接接触する。
【0019】
皮膚係合部材又は剃毛補助剤ストリップ22のそれぞれの層又は部分は、好ましくは固体ポリマー材料を含む。皮膚係合部材22のそれぞれの層は、好ましくは主要剃毛補助剤としての潤滑性水溶性ポリマー及び非水溶性ポリマーなどを含み、内部で水溶性ポリマーが分散されているマトリックスとして働く。より大きな量で水溶性ポリマーを有する層は、より小さな量で水溶性ポリマーを備える層より速い速度で又はより速く摩耗し、他は全て同じである。好ましくは、上層は、重量パーセントで基層より大きな量の潤滑性水溶性ポリマーを含む。カートリッジ内の定位置に皮膚係合部材を保持するように機能し、上層のための支持を提供する基層は、好ましくは、重量パーセントで(by weight)、上層より小さい量の水溶性ポリマーを含む。
【0020】
好ましくは、上層又は部分24は、約0重量%〜約30重量%の、より好ましくは約10重量%〜約25重量%の非水溶性ポリマー及び約65重量%〜約95重量%の、より好ましくは約65重量%〜約95重量%の潤滑性水溶性ポリマーを含む。好ましくは、基層又は部分26は、約20重量%〜約60重量%の、より好ましくは約25重量%〜約40重量%の非水溶性ポリマー及び約50重量%〜約85重量%の、より好ましくは約55重量%〜約75重量%の潤滑性水溶性ポリマーを含む。
【0021】
典型的な潤滑性水溶性ポリマーには、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、変性ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、ポリビニルアルコール、ポリスルフォン及びポリヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。好ましい潤滑性水溶性ポリマーはポリエチレンオキシドである。より好ましいポリエチレンオキシドは、POLYOX(Union Carbide Corporationから入手可能)又はALKOX(Meisei Chemical Works(Kyoto,Japan)から入手可能)として一般に知られている。これらのポリエチレンオキシドは好ましくは、約10万〜800万ダルトン、最も好ましくは約30万〜500万ダルトンの分子量を有する。ポリエチレンオキシドのブレンド、典型的には10万〜50万の範囲の分子量を有する少なくとも1つのポリエチレンオキシドと、300万〜800万の範囲の分子量を有する少なくとも1つのポリエチレンオキシドとのブレンドを使用することが好ましい。最も好ましいポリエチレンオキシドは、約500万の平均分子量を有する、約40重量%〜80重量%のポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX COAGULANT)と、約30万の平均分子量を有する、約60%〜20%のポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX WSR−N−750)とのブレンドを含む。これらの2つのポリエチレンオキシドの60:40のブレンド(500万:30万)が特に好ましい。
【0022】
使用され得る好適な非水溶性ポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリスチレン、ブタジエン−スチレンコポリマー(例えば中及び高耐衝撃性ポリスチレン)、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリウレタン及びこれらのブレンド、例えばポリプロピレン/ポリスチレンのブレンド、又はポリスチレン/耐衝撃性ポリスチレンのブレンドが挙げられる。より好ましい非水溶性ポリマーは、ポリスチレン、好ましくは、NOVA C2345Aのような汎用ポリスチレン、又はNOVA 5410若しくはTotal 975Eのような耐衝撃性ポリスチレン(すなわち、ポリスチレン−ブタジエン)である。ストリップ又はいずれかの部分は、生産中及び使用中の双方において、適正な機械的強度をもたらすために、十分な量で非水溶性ポリマーを含有する必要がある。
【0023】
剃毛補助剤ストリップ22の上層又は部分24は、それが、より速く摩耗するのを可能にし及び/又は比較的高い濃度の水溶性ポリマーの含有を促進する材料も含んでもよい。1つのそのような材料は、2000年2月18日に出願された同時係属の米国出願第09/506,628号(整理番号8070)に記載されているようなポリカプロラクトンである。好ましくは、ポリカプロラクトンは、約1重量%〜約10重量%の量で含まれる。ポリカプロラクトンは、CAPA(登録商標)ポリマー(例えば、6100、6505、6506S及び6800)という名でPERSTOP/SOLVAYから入手可能である。好ましくは、ポリカプロラクトンは、約1000〜約80,000ダルトン、より好ましくは約30,000〜60,000ダルトン、最も好ましくは約50,000ダルトンの分子量を有する。
【0024】
剃毛補助剤ストリップ又はいずれかの部分は、他の従来の剃毛補助剤成分、例えば低分子量の水溶性放出促進剤、例えばポリエチレングリコール(MW<10,000、例えば1〜10重量%のPEG−100)、水膨潤性放出促進剤、例えば架橋ポリアクリル樹脂(例えば、2〜7重量%)、酸化防止剤、防腐剤、植物油、ビタミンE、アロエ、冷却剤、精油、あごひげ軟化剤、収れん剤、薬剤、鉱油等も含有してもよい。
【0025】
上層24は第1の色を含む。第1の色は好ましくは緑色である。上層24は好ましくは、フタロシアニン顔料グリーン7などの染料又は顔料で緑色に着色される。基層26は、第1の色とは異なる第2の色を含む。第2の色は、好ましくは白色である。基層26は、好ましくは、二酸化チタンなどの染料又は顔料で白色に着色される。基層26は、好ましくはDPP顔料レッド254などの赤色の染料又は顔料で赤色に着色され得る。
【0026】
上層及び基層が、異なって着色された材料(例えば、緑色に着色された上層及び白色又は赤色に着色された基層)から作製されたとき、摩耗指標効果が生じる。使用に際して、皮膚係合表面における上層24は、典型的に使用を通じて摩耗する(又は侵食される)。十分な使用により、基層26は露出され、したがって、第1の色から第2の色への色の変化を介して、かみそりカートリッジ及び/又は皮膚係合表面が、それらの最適な有効寿命若しくは最適性能の終わりに達しかつ交換されるべきであるという指標をユーザーに提供する。
【0027】
着色剤は、滲出又は摩耗によって放出される場合がある。1つの層は、例えば、約0.1重量%〜約5.0重量%(好ましくは約0.5重量%〜3重量%)の着色剤を含有してもよい。
【0028】
第1の層24は、第1の厚さ寸法25を有する。好ましくは、第1の厚さ寸法25は、約0.2〜約1.0mmである。基層26は、第2の厚さ寸法27を有する。好ましくは、第1の厚さ寸法25は、第2の厚さ寸法27未満である。好ましくは、第2の厚さ寸法27は、約1.0〜約3.0mmである。
【0029】
本発明の皮膚係合部材は、射出成形及び押出成形を含む任意の適切な方法によって作製されてもよく、後者が好ましい。ストリップの構成成分の全ては、成形又は押出成形の前にブレンドされる。最良の結果として、構成成分は乾燥していることが好ましい。
【0030】
皮膚係合部材は、入力移行ダイアセンブリ(input transition die assembly)介して押出成形機を組み合わせることによって成形され得る。上層は、圧力約17.2MPa〜55.1MPa(2500〜8000psi)、ローター速度約12〜25rpm及び温度約118℃〜193℃(245°F〜380°F)で、直径インチのBrabender PL2200 Plasti−corderを通じて供給されてもよい。押出成形機は直径1.2〜2.5cm(〜1インチ)であってもよい。基層は、圧力約17.2MPa〜24.1MPa(2500〜3500psi)、ローター速度約10〜20rpm及び温度約143.3℃〜196.1℃(290°F〜385°F)で、直径3.8cm(1.5インチ)のDavis Standardを通じて供給されてもよい。押出成形機は直径1.9〜3.8cm(〜1.5インチ)であってもよい。ダイアセンブリは、約176.6℃〜215.5℃(350°F〜420°F)であってもよい。押出成形機のための供給口区域は、約16.6℃(62°F)に冷却され得る。出力速度は、毎分約9.1m〜21.3m(30〜70フィート)であってもよい。
【0031】
ここで図5〜7を参照すると、ブレードの露出度は、そのブレード縁部の前隣及び後ろ隣のブレードユニット要素の皮膚接触面に接する平面に対して測定されるブレード縁部の垂直距離又は高さであると定義される。したがって、本発明のかみそりカートリッジ14に関して、キャップブレード19の露出度は、隣接ブレード18の縁部18’及び皮膚係合部材22の露出面又はキャップ縁部48のいずれかに接する平面50を基準として測定される。
【0032】
図5において、使用前のかみそりカートリッジ14が示される。本実施形態における使用前のキャップブレード19の露出度52は、約+0.2mmである。使用前のキャップブレード19の露出度は、隣接ブレード18の縁部18’及び上層24の上面31に接する平面50を基準にして測定される。使用前に、上層24の上面31は、皮膚係合部材22の露出面である。
【0033】
図6において、数回の剃毛後のかみそりカートリッジ14が示される。数回の剃毛後のキャップブレード19の露出度52は、約+0.25mmである。数回の剃毛後のキャップブレード19の露出度は、隣接ブレード18の縁部18’及び上層24の露出面に接する平面50を基準にして測定される。数回の剃毛後、露出面は上層(もはや存在しない)と上層24の下面32との間に位置する。数回の剃毛後、上層24の一部分は侵食され、したがって最初の上面31はもはや存在しない。
【0034】
図7において、多数の剃毛後のかみそりカートリッジ14が示される。多数の剃毛後のキャップブレード19の露出度52は、約+0.3mmである。多数の剃毛後のキャップブレード19の露出度は、隣接ブレード18の縁部18’及びキャップ縁部48、並びに基層26の上面33に接する平面50を基準にして測定される。多数の剃毛後、上層全体は侵食され、したがって上層24の上面及び下面はもはや存在しない。基層26の上面33の位置は、キャップ縁部48と実質的に等しく配置されているか、又はこれと整列している。
【0035】
最適な剃毛性能の終わりは、上層24全体が侵食されたときに達する。この時点で、隣接ブレード18の縁部18’、キャップ縁部48及び基層26の上面33がキャップブレード19の露出度を画定する。いずれかの更なる剃毛が基層26を侵食し始めるので、この状況は非常に短い期間である。いったん基層26の侵食が始まると、キャップブレード19の露出度は、隣接ブレード18の縁部18’及びキャップ縁部48によって(これらの2つの構成要素の位置は恒久的に固定されるため)画定される。
【0036】
したがって、上層24とキャップ縁部48と実質的に等しく配置されているか、又はこれと整列している基層26との間の境界線を有することは、最適な剃毛性能と準最適な剃毛性能との間の変化を直接相関させる指標を提供する。上層24と基層26との間の境界線は、基層28の上面33によって画定されてもよい。
【0037】
図8を参照して、皮膚係合部材22は、露出された、長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合上層又は部分24及びこの上層24の下に配置され、長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合基層又は部分26を含む。基層26は、好ましくは、上層24の下で延在し、上層24のための支持を提供する。基層26は、カートリッジの噛合受容部分内に皮膚係合部材を固定するよう働く、接続部分30も含む。基層26は上面33を有する。
【0038】
上層24は2つの上層60及び61を含む。上層60は好ましくは、緑色に着色され、上層61は好ましくは、黄色に着色される。
【0039】
図9を参照して、皮膚係合部材22は、露出された、長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合上層又は部分24及びこの上層24の下に配置され、長手方向に延在する侵食可能な皮膚係合基層又は部分26を含む。基層26は、好ましくは、上層24の下で延在し、上層24のための支持を提供する。基層26は、カートリッジの噛合受容部分内に皮膚係合部材を固定するよう働く、接続部分30も含む。基層26は上面33を有する。
【0040】
上層24は3つの上層60、61及び62を含む。上層60は好ましくは、緑色に着色され、上層61は好ましくは黄色に着色され、上層62は好ましくは白色に着色される。
【0041】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0042】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0043】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガードと、
キャップと、
前記ガードと前記キャップとの間に配置され、尖った縁部をそれぞれが備える複数のブレードと、を含む、かみそりカートリッジであって、
前記キャップは、前記ブレードの最も近くに配置されたキャップ縁部及び侵食可能な皮膚係合部材を含み、
前記複数のブレードは、前記キャップに最も近いブレード縁部を画定するキャップブレードと、前記キャップブレードの直近かつ前記キャップブレードと前記ガードとの間に配置されたブレード縁部を画定する隣接ブレードと、を含み、
前記皮膚係合部材は、
第1の色の侵食可能な皮膚係合層を含み、上面、下面及び第1の厚さ寸法を有する、少なくとも1つの上層と、
前記上層の下に配置され、前記第1の色とは異なる第2の色の侵食可能な皮膚係合層を含む基層であって、上面、下面及び厚さ寸法を有する、基層と、を含み、
前記上層は、剃毛中に侵食して、前記基層の前記上面を露出させ、
前記上層が侵食されたときに、前記キャップブレード縁部が、前記隣接ブレード縁部、前記キャップ縁部、及び前記基層の前記上面によって画定される最終露出度を有するように、前記基層の前記上面は前記キャップ縁部に対して配置されている、かみそりカートリッジ。
【請求項2】
前記第1の色が緑色である、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項3】
前記第2の色が赤色である、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の色が白色である、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項5】
前記上層及び前記基層は、それぞれ、固体ポリマー材料を含む、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項6】
前記上層及び前記基層が、それぞれ、水溶性剃毛補助剤及び非水溶性ポリマーを含む、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項7】
使用前に、前記キャップブレード縁部が、前記隣接ブレード縁部及び前記上層の前記上面によって画定される第1の露出度を有するように、前記上層の前記上面が前記キャップ縁部に対して配置されている、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項8】
前記最終露出度が第1の露出度より大きい、請求項7に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項9】
前記上層が2つの層を含む、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項10】
前記上層が3つの層を含む、請求項1に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項11】
ガードと、
キャップと、
前記ガードと前記キャップとの間に配置され、尖った縁部をそれぞれ備える複数のブレードと、を含む、かみそりカートリッジであって、
前記キャップは、前記ブレードの最も近くに配置されたキャップ縁部及び侵食可能な皮膚係合部材を含み、
前記複数のブレードは、前記キャップに最も近いブレード縁部を画定するキャップブレードと、前記キャップブレードの直近かつ前記キャップブレードと前記ガードとの間に配置されたブレード縁部を画定する隣接ブレードと、を含み、
前記皮膚係合部材は、
第1の色の侵食可能な皮膚係合層を含み、上面、下面及び第1の厚さ寸法を有する、上層と、
前記上層の下に配置され、前記第1の色とは異なる第2の色の侵食可能な皮膚係合層を含む基層であって、上面、下面及び厚さ寸法を有する、基層と、を含み、
前記上層は、剃毛中に侵食して前記基層の前記上面を露出させ、カートリッジが交換されるべきであることをユーザーに伝える色変化を提供し、
前記上層が侵食されたときに、前記キャップブレード縁部が、前記隣接ブレード縁部、前記キャップ縁部、及び前記基層の前記上面によって画定される最終露出度を有するように、前記基層の前記上面は前記キャップ縁部に対して配置されている、かみそりカートリッジ。
【請求項12】
前記上層及び前記基層が、それぞれ、固体ポリマー材料を含む、請求項11に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項13】
前記上層及び前記基層が、それぞれ、水溶性剃毛補助剤及び非水溶性ポリマーを含む、請求項11に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項14】
使用前に、前記キャップブレード縁部が、前記隣接ブレード縁部及び前記上層の前記上面によって画定される第1の露出度を有するように、前記上層の前記上面が前記キャップ縁部に対して配置されている、請求項11に記載のかみそりカートリッジ。
【請求項15】
前記最終露出度が第1の露出度より大きい、請求項14に記載のかみそりカートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−508086(P2012−508086A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535795(P2011−535795)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/064083
【国際公開番号】WO2010/056782
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)