Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
皮膚加齢の徴候を処置するための組成物
説明

皮膚加齢の徴候を処置するための組成物

【課題】 皮膚の厚みの低減を防止することにより皮膚加齢に抗する組成物を提供する。
【解決手段】 適切な担体に、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は一つの神経刺激物質及び/又は一つの神経活性化物質及び/又は一つの神経媒介物質を含有せしめる。好ましくは皮膚神経の栄養機能に対して活性な物質は感覚皮膚神経に対して活性であり、成長因子、PEG、GAG等である。神経刺激物質、神経活性化物質はカプシコシド類、カプシジオール類、カプサキサンチン、カプサイシン等のカプサイシノイド類、又はパプリカ、赤唐辛子又はコショウ等の植物抽出物であり、神経媒介物質はサブスタンスP、VIP、CGRP、神経ペプチドY、GRP、アセチルコリン等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切な担体(キャリア)中に、皮膚神経の栄養機能(trophicity)に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は特に感覚皮膚神経の、一つの神経刺激物質及び/又は一つの神経活性化物質及び/又は一つの神経媒介物質を含有してなる組成物に関する。
また、本発明は、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は一つの神経刺激物質及び/又は一つの神経活性化物質及び/又は一つの神経媒介物質の、組成物の調製における使用であって、該物質又は組成物が皮膚の厚み、特に表皮の厚みを保持及び/又は増加させることを意図したものである使用に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物、特にヒトにおいて、皮膚は二つの区画、すなわち、支持体として作用する深層の区画である真皮と、外部と接触する区画である表皮とからなる。
天然の表皮は、主にケラチノサイト、メラノサイト及びランゲルハンス細胞といった三種の細胞からなり、最も多いのはケラチノサイトである。これらの細胞型の各々は、その特定の機能により、体において皮膚が果たす本質的な役割に寄与している。
真皮は表皮に堅牢な支持部を付与している。真皮はまた表皮の栄養物の供給源でもある。真皮は、主として線維芽細胞と細胞外マトリックスとからなり、細胞外マトリックス自体は、主としてコラーゲン、エラスチン及び基底物質と称される物質からなり、それら成分は線維芽細胞によって合成される。また、真皮には白血球、肥満細胞又は組織マクロファージも含まれる。さらに、真皮には血管と神経繊維が横断しており、これが皮膚神経系を構成している。
【0003】
皮膚神経系は感覚及び神経自律機能を有している。感覚機能は、受容した刺激をインフラックスに転換するレセプターにより媒介される。これらのインフラックスは脊髄(脊髄神経節)の感覚神経中心と次いで脳に戻り、そこで情報が理解(同化)される。レセプターは機械受容器、温度受容器及び侵害受容器を含む。神経自律機能により、真皮管、汗腺及び毛髪起立筋(hair-erector muscles)の神経支配が可能になる。
皮膚の神経支配により、神経伝達物質を介して免疫機能を変化させることができる。よって、その遍在性の分布により、皮膚の神経支配は多くの生理的機能(温度調節、血管運動機能、免疫調節又は神経性炎症)に関与している(Pincelli C, Fantini F, Giannetti A. Neuropeptides and Skin Inflammation. Dermatology, 1993, 187, 153-8)。
皮膚の感覚神経支配は、真皮及び表皮のネットワークの最も大きな部位を構成する。多くの感覚神経繊維はシュワン細胞により囲まれている。これらの繊維はA-デルタ型(有髄鞘)又はC型(無髄鞘)である。
表皮内の神経繊維は表皮表面に最も近い層まで分布している。それらは真皮上部の神経束から派生し、遊離端として出現する。これらは、表皮の表面層に直接上昇するか、又はシュワン細胞とミエリン鞘を失ったケラチノサイトの間のより曲がりくねった経路に沿って上昇可能な非常に細かい分岐である。
【0004】
近年、免疫組織化学的標識化と組み合わせた超微細構造の研究により、表皮に神経末端が存在することが確認された。これらの構造は、表面の最も近いところまでの、表皮の生存層全ての細胞内空間において見出される。それらは、「膜から膜」型の同格状態により、ケラチノサイトの細胞本体と細胞質伸長部との接触を確立しているが、シナプス様相の構造は何ら見出されない[Hilliges M, Wang L, Johansson O. Ultrastructural evidence for nerve fibers within all vital layers of the human epidermis, J. Invest. Dermatol., 1995, 104, 134-7]。
神経媒介物質は、皮膚細胞にパラ分泌及び自己分泌効果を作用させる。他には、それらは末梢から中枢神経系への神経情報のキャリアである。それらにより、神経系は末梢(皮膚感覚)で生じた事象を絶えず情報伝達して、よって、それに応答して皮膚の主な生理学的機能を調節することができる。
【0005】
ケラチノサイトは、サブスタンスP(Staniek V, Misery L, Peguet-Navarro J, Abello J, Doutremepuich J, Claudy A, Schmitt D. Binding and in vitro modulation of human epidermal Langerhans cell functions by substance P, Arch. Dermatol. Res., 1997, 289, 285-92)、血管作用性小腸ペプチド(VIP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)及び神経ペプチドY(Takahashi Kら, Direct effects of cutaneous neuropeptides on adenylyl cyclase activity and proliferation in a keratinocyte cell line:stimulated cyclic AMP formation by CGRP and VIP/PHM, and inhibited NPY through G protein-coupled receptors, J. Invest. Dermatol., 1993, 101, 646-51)、ガストリン放出ペプチド(GRP)(Staniek Vら, Expression of gastrin-releasing peptide receptor in human skin, Acta Derm. Venereol., 1996, 76, 282-6]及びアセチルコリン(ムスカリン様又はニコチン様)[Grando SAら, Keratinocyte muscarinic acetylcholine receptors:immunolocalization and partial characterization, J. Invest. Dermatol., 1995, 104, 95-100)のレセプターを有している。
【0006】
免疫組織化学的方法により、神経細胞成長因子(NGF)のレセプターが、正常なヒトの皮膚の基底ケラチノサイトで発現することが示されている。NGFに対する高-及び低親和性レセプターのメッセンジャーRNAは、培養されたヒトケラチノサイトで検出されている(Pincelli Cら, Expression and function of nerve growth factor receptor on cultured keratinocytes, J. Invest. Dermatol., 1994, 103, 13-8)。NGFはケラチノサイトの分化よりもむしろ増殖を誘導する。この増殖は表皮成長因子(EGF)で引き起こされるものよりも大である。ケラチノサイトはNGFを合成し分泌することが可能であるため、NGFの自己分泌機能が示されることとなる(Pincelli, Expression and function of nerve growth factor receptor on cultured keratinocytes, J. Invest. Dermatol., 1994, 103, 13-8)。
【特許文献1】特開2000−143507号公報
【特許文献2】特開平10−17433号公報
【特許文献3】特開平1−207220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表皮の厚みは時間生物学的加齢中に低減することが知られている。基底層の細胞分割はその数が減退する。角質細胞の交代時間はより長くなる。これらの細胞の成熟度合いは不完全で、角質化の結果として平坦で均質な角質層はもはや生成されなくなる。
また、ある種の病気、例えば魚鱗癬の場合には、皮膚は細胞増殖の欠乏によるダメージを被ることが知られている。
さらに、更年期に皮膚加齢が加速し、皮膚の厚みが減少し、女性は、皮膚に突張感が生じ、また「乾燥肌」の外観、あるいは乾燥症の外観すら呈すると不満を言うことも知られている。閉経期に関連するホルモンの欠乏には細胞代謝の全般的な遅延化が伴うことが知られており、女性が経験する影響は、ケラチノサイトの増殖の低減に特に関連していると思われる。
その結果、皮膚は加齢の過程でますます薄くなっていく。皮膚は外的攻撃に対する天然の障壁であるために、皮膚が厚くなればなる程、敏感度(有意な障壁機能)が低下することが、論理的に考えられる。逆に、皮膚が薄くなればなる程、その敏感度は増加すべきである(神経末端への近接度合いが増大)。
【0008】
実は、本出願人は、受け入れられている考えに反し、表皮が薄くなればなる程、神経敏感度はより低下することを見いだした。
よって、加齢中に観察される表皮の厚みの減少は、皮膚の神経支配の減少と相関しており、後者では、結果として、神経媒介物質及び/又は神経成長因子の供給が低減し、表皮の細胞、特にケラチノサイトの増殖が減少し、実際には停止さえする結果となり得るおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本出願人は、皮膚に、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は特に感覚皮膚神経の、一つの神経刺激物質及び/又は神経活性化物質を含有する組成物を適用することによって、加齢に関した皮膚の厚み、特に表皮の厚みの低減に抗することを提案している。
「神経の栄養機能(trophicity)」なる用語は、皮膚神経、特に感覚皮膚神経を、良好な状態の生存性(viability)及び機能性に維持することを意味すると理解される。
「神経の栄養機能に対して活性な物質」なる用語は、神経を、良好な状態の生存性及び機能性に維持可能な物質を意味すると理解される。
「神経刺激物質及び/又は神経活性化物質」なる用語は、神経の生理学的活性度を増加させる物質を意味すると理解される。
【0010】
よって、本発明は、皮膚神経、特に感覚皮膚神経に上述した物質を供給することにより、良好な生存性、良好な完全性、良好な活性度、良好な増殖性、良好な機能性及び/又は良好な被刺激性を維持することを目的としている。
しかして、本発明の第1の主題事項は、適切な担体に、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は一つの神経刺激物質及び/又は一つの神経活性化物質及び/又は一つの神経媒介物質を含有せしめてなる組成物にある。
皮膚神経の栄養機能に対して活性な物質は、特に感覚皮膚神経に関して活性である。
神経の栄養機能に対して活性な物質としては、成長因子、PEG及びグリコサミノグリカン(GAG)を挙げることができる。
成長因子としては、例えばNGF又はグリア細胞系派生神経栄養因子(GDNF)を挙げることができる。グリコサミノグリカンとしては、例えばヒアルロン酸を挙げることができる。
好ましくは、本発明の組成物はNGFを含有する。
【0011】
神経刺激物質及び/又は神経活性化物質としては、例えばカプシコシド類(capsicosides)、カプシジオール類(capsidiols)、カプサキサンチン(capsaxanthin)、カプサイシノイド類(capsaicinoids)、例えばカプサイシン、又はそれらを含有する植物抽出物、例えばパプリカ[トウガラシ(Capsicum annuum)]、赤唐辛子(red peppr)又はコショウ[ピパー・ニグラム(Piper nigrum)]を挙げることができる。
好ましくは、本発明の組成物はカプサイシノイド類又はそれらを含有する植物抽出物、より好ましくはカプサイシンを含有する。
神経媒介物質としては、例えばサブスタンスP、VIP、CGRP、神経ペプチドY、GRP又はアセチルコリンを挙げることができる。
好ましくは、組成物はサブスタンスPを含有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
皮膚神経の栄養機能に対して活性な物質及び/又は神経刺激物質及び/又は神経活性化物質及び/又は神経媒介物質が、単独で、又は任意の割合での混合物として、本発明の組成物に使用可能であることは明らかである。
もちろん、本発明の組成物に含有される神経の栄養機能に対して活性な物質及び/又は神経刺激物質及び/又は神経活性化物質及び/又は神経媒介物質の量は所望する効果に依存し、よってかなりの程度で変えることができる。
指針を述べると、本発明の組成物において、神経の栄養機能に対して活性な物質及び/又は成長因子及び/又は神経刺激物質及び/又は神経活性化物質は、組成物の全重量に対して10−8%〜5%、好ましくは組成物の全重量に対して10−5%〜0.5%の量とすることができる。
【0013】
本発明の組成物は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は毛髪及び/又は爪への局所適用、及び経口経路による投与に等しく適したあらゆる任意の製薬的投与形態にすることができる。
好ましくは、本発明の組成物は皮膚への局所経路により投与されることを意図したものである。
【0014】
本発明の組成物は化粧品用又は皮膚病用組成物であってよい。本発明において好ましくは、組成物は化粧品用組成物である。組成物は、それが使用される個人の一般的な皮膚の外観を改善することを意図している場合、化粧品用組成物である。
好ましくは、本発明の組成物は局所経路により投与されることを意図した化粧品用組成物である。
経口経路により投与する場合、本発明の組成物は任意の適切な形態、特に経口的に取り入れられる溶液、シロップ、糖衣錠剤を含む錠剤、ゼラチンカプセルを含むカプセル、栄養食品又は栄養補助食品として提供することができる。
前記組成物は、経口投与に適した少なくとも一つの賦形剤をさらに含有してもよい。
【0015】
皮膚、粘膜、爪又は毛髪に局所適用することにより投与する場合、本発明の組成物は化粧品的に許容可能な担体、すなわち皮膚、粘膜、爪又は毛髪と融和性のある担体を含有することは明らかであり、局所適用において通常使用される全ての製薬的投与形態、特に水性、水性/アルコール又は油性の溶液、水中油型又は油中水型又は多相エマルション、水性又は油性のゲル、固体状、ペースト状又は液状の無水生成物、又はポリマー微小(ナノ)粒子、例えばナノスフェア及びナノカプセル、より好ましくはイオン性及び/又は非イオン性の脂質小胞体であってよい小球体を使用して水相に油を分散させたものとして提供することができる。
【0016】
この組成物は、多かれ少なかれ流動的なものであり得、白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、漿液、ペースト又はフォームの外観を有するものであってもよい。また、必要に応じてエアゾールの形態で皮膚に適用することもできる。さらに、固体状の形態、例えば棒状の形態で提供することもできる。またさらに、手入れ用品、クレンジング用品、メークアップ用品又は単なる脱臭用品として使用することもできる。
また、知られている方法で、本発明の組成物は、化粧品及び皮膚科学の分野で標準的なアジュバント、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性成分、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーン剤、顔料、キレート剤、臭気吸収剤及び着色物質をさらに含有してもよい。これら種々のアジュバントの量は、考慮される分野において従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバントは、その性質により、脂肪相、水性相、脂質小胞体及び/又はナノ粒子に取り込まれる。
【0017】
本発明の組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。エマルションの形態の組成物に使用される油、乳化剤及び共乳化剤は考慮される分野で従来より使用されているものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の割合で存在する。
【0018】
本発明において使用可能な油としては、鉱物性油、植物性油(アプリコット油、ヒマワリ油)、動物性油、合成油、シリコーン油及びフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)を挙げることができる。また脂肪物質としては、脂肪アルコール(セチルアルコール)、脂肪酸又はロウ(ミツロウ)を使用することもできる。
本発明において使用可能な乳化剤及び共乳化剤としては、例えばポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばPEG-40ステアラート又はPEG-100ステアラート、又はポリオールと脂肪酸のエステル、例えばステアリン酸グリセリル及びトリステアリン酸ソルビタンを挙げることができる。
親水性のゲル化剤としては、特に、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー:carbomer)、アクリルコポリマー類、例えば、アクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー類、ポリアクリルアミド類、多糖類、天然ガム類及びクレー類を挙げることができ、また、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ及びポリエチレンを挙げることができる。
【0019】
組成物は他の親水性の活性成分、例えば、タンパク質又はタンパク質の加水分解物、アミノ酸、多価アルコール、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導体、植物抽出物及びヒドロキシ酸を含有してもよい。
親油性の活性剤としては、レチノール(ビタミンA)とその誘導体、α-トコフェロール(ビタミンE)とその誘導体(エステル類、塩類等)、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸とその誘導体、又はビタミンB1、B6及び/又はB12を使用することができる。
ビタミンC(又はアスコルビン酸)とその誘導体(エステル類、塩類等)を本発明の組成物に使用することもできる。
また、イソフラボノイドに富む植物抽出物、例えばノバソイ(Novasoy)(登録商標)の名称でアーチャー-ダニエル-ミッドランド社(Archer Daniels Midland Company)から入手可能な大豆[グリシナ・マックス(Glycina max)]を添加することもできる。
最後に、プロゲステロン性のもの、例えば17-ヒドロキシプロゲステロン又はプレグネノロンを、本発明の組成物に添加することもできる。
【0020】
本発明の他の主題事項は、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は上述した神経刺激物質及び/又は神経活性化物質及び/又は神経媒介物質の、組成物の調製における使用であって、該物質又は組成物が、皮膚神経において良好な生存性、良好な完全性、良好な活性度、良好な増殖性、良好な機能性及び/又は良好な被刺激性を維持させることを意図したものである使用にある。
本発明のさらなる主題事項は、皮膚神経の栄養機能に対して活性な少なくとも一つの物質、及び/又は神経刺激物質及び/又は神経活性化物質及び/又は神経媒介物質の、組成物の調製における使用であって、該物質又は組成物が、皮膚の厚み、特に表皮の厚みを維持及び/又は増加させることを意図したものである使用にある。
【実施例】
【0021】
次の実施例及び組成物は本発明を例証するものであって、何ら限定するものではない。組成物において、示した割合は重量パーセンテージである。
実施例1:老齢の被験者で測定された、表皮の厚みと皮膚の温感度との間の相関関係
方法:
・被験者の数:60〜80才の年齢の女性が122人
・寒さに対する皮膚検知の閾値の測定:
この測定は、温度感知分析器(TSA 2001 Medoc Ltd, Ramat Yishai, Israel)を用いて実施し、そのプローブはペルティエ効果により目盛り付き温度勾配に沿って皮膚を冷やすことができる。
よって、寒さに対する敏感度の閾値を、皮膚にとって「中立的」温度である32℃から出発して検出する。それは、被験者が温度変化を被ってすぐに、押しボタンを介して知らせるのに十分であり、その動作により、自動的に温度刺激は停止する。
検出閾値を決定するために、連続して5回の刺激(32℃以下)を記録し、平均値を算出した。この測定は顔について行った。
【0022】
・表皮の厚みの測定
表皮の厚みを、手の甲において、高解像度(25MHz)超音波検査法(Querleux B, Leveque JL, de Rigal J:In vivo cross sectional ultrasonic imaging of human skin, Dermatologica, 1988, 77, 332-337)により測定した。
結果:
寒さ検知における種々の閾値での表皮の厚みの平均値を図1に示す。
検知温度が高くなればなる程、寒さに対する皮膚の敏感度が大きくなり、表皮の厚みが厚くなる。他方、寒さに対する皮膚の敏感度が低くなればなる程、表皮は萎縮する。
【0023】
実施例2:年齢の関数としての温度感知の測定
方法:
・被験者の数:160人の女性を40人の4つの群に類別した:
1.20〜30才の被験者が40人
2.30〜40才の被験者が40人
3.40〜50才の被験者が40人
4.50〜60才の被験者が40人
・暑さ及び寒さに対する皮膚検知の閾値の測定(温度感知)
この測定は、無作為方式に従った右側又は左側領域において、上唇(皮膚部分)にて、実施例1に記載のプロトコルにより実施した。
結果:(図2)
被験者の年齢が高くなればなる程、温度に対する敏感度が低下する(寒さ検知における閾値の低下)。
【0024】
実施例3:年齢の関数としてのカプサイシンに対する敏感度の測定
方法:
被験者:18〜65才の年齢の152人の女性:35人は30才未満であり;32人は30〜40才であり;43人は41〜50才であり;20人は51〜60才であり;21人は60才以上である。
カプサイシンテスト:
カプサイシンテストでは、様々な種のベラドンナ属の果実に存在するアルカノイド族からの天然化合物を使用した。カプサイシンはトウガラシ属に存在する温物質である。皮膚にカプサイシンを適用すると、神経末端からサブスタンスPが短時間放出し、結果として火傷(burning)感 やヒリヒリした(tingling)感じが現れ、場合によっては適用領域に局部的な紅斑を伴うこともある。これらの反応は一時的で、数時間の後には完全に消える。これらの反応は、直接、感覚神経支配に関連しており;感覚神経支配が大きくなればなる程、反応も大きくなり、またその逆もある。
【0025】
・顎の角部の4cmの部位に、20mg/cmのゾストリックス(Zostrix)HP(0.075%のカプサイシンを含有するクリーム)を適用。
・以下の尺度に従い、カプサイシンを適用して3分、5分、10分、15分、20分、25分及び30分後にヒリヒリする感じ、炎症及びかゆみを被った被験者による等級付け(4段階の尺度):
0=反応なし;
1=わずかな又はおぼろげな感覚;
2=中程度又ははっきりとした感覚;
3=強い又はかなりの感覚。
【0026】
・以下の尺度に従い、3分、5分、15分、20分、25分及び30分後の研究者による紅斑の臨床的評価:
0=反応なし;
1=わずかな又はおぼろげな紅斑;
2=適用領域に局在する中程度の紅斑
3=適用領域の制限を越えて広がったかなりの紅斑
結果(図3を参照):
これらに結果には、種々の年齢カテゴリーの点数において、かなり低減していることが示されている。
先の3つの実施例により、加齢中の表皮の厚みの低減に相関して皮膚敏感度も低下することがはっきりと示された。さらに第1の実施例では、寒さに対する敏感度の喪失と相関して、表皮の厚みが低減することが示されている。
【0027】
実施例4:本発明を例証する調製物、特に本発明の組成物の具体例。これらの組成物は種々の成分を単に混合することで得られる。
組成物1:皮膚用クリーム
カプサイシン 0.0005
ステアリン酸グリセリル 2.00
ポリソルベイト60[ICI社のトゥイーン(Tween)60] 1.00
ステアリン酸 1.40
グリシルレチン酸 2.00
トリエタノールアミン 0.70
カーボマー 0.40
カリテバターの液状留分 12.00
ヒマワリ油 10.00
酸化防止剤 0.05
香料 0.5
防腐剤 0.30
水 全体を100%にする量
【0028】
組成物2:皮膚用クリーム
カプサイシン 0.0001
17-OH-プロゲステロン又は酢酸プレグネノロン 1
ステアリン酸グリセリル 2.00
ポリソルベイト60[ICI社のトゥイーン60] 1.00
ステアリン酸 1.40
グリシルレチン酸 2.00
トリエタノールアミン 0.70
カーボマー 0.40
カリテバターの液状留分 12.00
ヒマワリ油 10.00
酸化防止剤 0.05
香料 0.5
防腐剤 0.30
水 全体を100%にする量
【0029】
組成物3:皮膚用クリーム
PEG 8.00
ステアリン酸グリセリル 2.00
ポリソルベイト60[ICI社のトゥイーン60] 1.00
ステアリン酸 1.40
グリシルレチン酸 2.00
トリエタノールアミン 0.70
カーボマー 0.40
カリテバターの液状留分 12.00
ヒマワリ油 10.00
酸化防止剤 0.05
香料 0.5
防腐剤 0.30
水 全体を100%にする量
【0030】
組成物4:皮膚用クリーム
トウガラシ抽出物 0.005
ステアリン酸グリセリル 2.00
ポリソルベイト60[ICI社のトゥイーン60] 1.00
ステアリン酸 1.40
グリシルレチン酸 2.00
トリエタノールアミン 0.70
カーボマー 0.40
カリテバターの液状留分 12.00
ヒマワリ油 10.00
酸化防止剤 0.05
香料 0.5
防腐剤 0.30
水 全体を100%にする量
【0031】
組成物5:皮膚用クリーム
ヒアルロン酸 2.00
PEG 5.00
ステアリン酸グリセリル 2.00
ポリソルベイト60[ICI社のトゥイーン60] 1.00
ステアリン酸 1.40
グリシルレチン酸 2.00
トリエタノールアミン 0.70
カーボマー 0.40
カリテバターの液状留分 12.00
ヒマワリ油 10.00
酸化防止剤 0.05
香料 0.5
防腐剤 0.30
水 全体を100%にする量
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】寒さの検知に対する種々の閾値での表皮の厚みの平均値を示す。
【図2】年齢群の関数としての、温度検知(熱さ及び寒さ)閾値を示す。
【図3】種々の年齢カテゴリーに対してカプサイシンテストで得られた総点数の平均値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚神経の興奮性を維持して、加齢中の皮膚の厚みの減少を防止する薬剤であって、カプサイシンから選択される薬剤。
【請求項2】
前記カプサイシンが、植物抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記薬剤が、組成物の全重量に対して10−8%〜5%の量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
前記薬剤が、組成物の全重量に対して10−5%〜0.5%の量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項5】
皮膚への局所適用に適したものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薬剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−63972(P2013−63972A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209431(P2012−209431)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2008−108367(P2008−108367)の分割
【原出願日】平成14年5月29日(2002.5.29)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】