説明

皮膚化粧料

【課題】ファンデーション、サンケア化粧料等の皮膚化粧料を肌に塗布したときの肌なじみを向上させ、色むらが無く均一に塗布でき、自然な白さを実現すること
【解決手段】(A)無機白色顔料と、(B)ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5質量%水溶液の粘度が4,500〜8,800mPa・s、又は上記粘度計で測定した25℃における2質量%水溶液の粘度が400〜4,000mPa・sである高重合ポリエチレングリコールと、(C)(C−1)シリコーン油群、(C−2)炭化水素油群、及び(C−3)エステル油群の少なくとも2群からそれぞれ1種類以上選ばれる油剤とを含有する皮膚化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
女性のスキンローションやファンデーション等のユーザーに必要とされる機能として、ホワイトニング効果(色むらが無く均一で、肌を自然な白さに見せる効果)がある。ホワイトニング効果を発現させる手法としては、酸化チタンなど白色顔料の使用が知られている。
しかし、使用時のフォーミングにより、顔料が均一に肌上に広がらずに色むらが生じ、ホワイトニング効果の妨げとなることがある。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−154927号公報
【特許文献2】特開2002−047123号公報
【特許文献3】特開平09−151110号公報
【特許文献4】特開昭55−038332号公報
【特許文献5】特表2010−510877号公報
【特許文献6】特表2008−506662号公報
【特許文献7】特表2001−511434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ファンデーション、サンケア化粧料等の皮膚化粧料を肌に塗布したときの肌なじみを向上させ、色むらが無く均一に塗布でき、自然な白さを実現することのできる皮膚化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)無機白色顔料に、
(B)特定の高重合ポリエチレングリコールと、(C)特定の2種以上の油剤とを配合することにより、肌へなじみやすく、色むらが無く自然な白さを与える皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記皮膚化粧料を提供する。
請求項1:
(A)無機白色顔料と、
(B)ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5質量%水溶液の粘度が4,500〜8,800mPa・s、又は上記粘度計で測定した25℃における2質量%水溶液の粘度が400〜4,000mPa・sである高重合ポリエチレングリコールと、
(C)(C−1)シリコーン油群、(C−2)炭化水素油群、及び(C−3)エステル油群の少なくとも2群からそれぞれ1種類以上選ばれる油剤と
を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
請求項2:
(B)高重合ポリエチレングリコールの配合量が0.05〜1.0質量%である請求項1記載の皮膚化粧料。
請求項3:
(C−1)シリコーン油群が、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシクロペンタシロキサンからなり、(C−2)炭化水素油群が、流動パラフィン、スクワラン及びイソパラフィンからなり、(C−3)エステル油群が、パルミチン酸イソプロピル及びミリスチン酸イソプロピルからなる請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
請求項4:
(C)油剤の合計配合量が1〜12質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
請求項5:
(C−1)/{(C−2)+(C−3)}で示される(C−2)群と(C−3)群との合計量に対する(C−1)群の割合が、質量比で0.05〜1.0である請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
請求項6:
(A)無機白色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛及び硫酸バリウムから選択されるものである請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
請求項7:
(A)無機白色顔料の含有量が0.2〜5.0質量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
請求項8:
(A)無機白色顔料の平均粒子径が、100〜500nmである請求項1〜7のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
請求項9:
{(B)+(C)}/(A)で表される(A)成分に対する(B)及び(C)成分の合計量の割合が、質量比で1〜26である請求項1〜8のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、肌へなじみやすく、色むらが無く均一に塗布でき、自然な白さを与える皮膚化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の皮膚化粧料は、
(A)無機白色顔料と、
(B)ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5質量%水溶液の粘度が4,500〜8,800mPa・s、又は上記粘度計で測定した2質量%水溶液の粘度が400〜4,000mPa・sである高重合ポリエチレングリコールと、
(C)(C−1)シリコーン油群、(C−2)炭化水素油群、及び(C−3)エステル油群の少なくとも2群からそれぞれ1種類以上選ばれる油剤と
を含有するものである。
【0009】
[(A)無機白色顔料]
本発明において、(A)成分は、ホワイトニング効果(色むらが無く均一で、肌を自然な白さに見せる効果)を得るために配合する。(A)成分としては、このようなホワイトニング効果を与える公知の顔料を配合することができ、例えば、チタン、ジルコニウム、セリウムジオキシド、亜鉛、鉄又はクロムの酸化物、硫酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらのなかでも好ましくは、ホワイトニング効果の点から、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムであり、特に酸化チタンが好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
(A)成分の平均粒子径は、100〜500nmが好ましく、より好ましくは、ホワイトニング効果の点から、150〜350nmである。ここで、本発明において、平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−2200)で測定することができる。
【0011】
(A)成分の配合量は、ホワイトニング効果の点から、0.2〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0質量%である。0.2質量%未満では、ホワイトニング効果が十分でない場合があり、5.0質量%を超えると色むらのなさが悪くなる場合がある。
【0012】
[(B)高重合ポリエチレングリコール]
(B)成分は、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5質量%水溶液の粘度が4,500〜8,800mPa・s、又は上記粘度計で測定した25℃における2質量%水溶液の粘度が400〜4,000mPa・sである高重合ポリエチレングリコールである。(B)成分は、塗布時の色むらを抑え、肌へのなじみを向上させるために配合する。
【0013】
ここで、5質量%水溶液の粘度が4,500mPa・s未満では、塗布時、色むらが悪くなり、8,800mPa・sを超えると肌へのなじみのよさ、色むらのなさが悪くなる。また、2質量%水溶液の粘度が400mPa・s未満では塗布時の色むらが悪くなり、4,000mPa・sを超えると肌へのなじみが悪くなる。好ましくは、5質量%水溶液の粘度は6,000〜7,000mPa・sであり、2質量%水溶液の粘度は480〜3,600mPa・sである。
【0014】
このようなポリエチレングリコールとしては市販品を用いることができ、具体的には、POLYOX WSR N−12K(2質量%水溶液の粘度400〜800mPa・s;測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃;平均分子量1,000,000)、POLYOX WSR N−60K(2質量%水溶液の粘度2,000〜4,000mPa・s;測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.3、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃;平均分子量2,000,000)、POLYOX WSR 205(5質量%水溶液の粘度4,500〜8,800mPa・s;測定機器;ブルックフィールド RVF型粘度計、水溶液濃度;5質量%、使用ローター;No.2、回転速度;2rpm、測定時間;5分、測定温度;25℃;平均分子量600,000)(いずれもダウ・ケミカル社製)等を挙げることができる。これらのなかでも、色むらのなさ及び肌へのなじみやすさの観点から、POLYOX WSR N−12K、POLYOX WSR N−60Kが好適である。(B)成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
(B)成分の配合量は、色むらのなさ、肌へのなじみやすさの観点から、0.05〜1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。0.05質量%未満では色むらのなさ、塗布時の伸びの良さが十分でなくなる場合があり、1.0質量%を超えると肌へのなじみ、色むらのなさが悪くなる場合がある。
【0016】
[(C)油剤]
(C)成分は、肌へのなじみ、色むらのなさを向上させるために配合する。本発明においては、(B)成分と共に(C)成分を併用することで、肌へのなじみのよさ、色むらのなさ、ホワイトニング効果のいずれも飛躍的に向上させることができる。色むらのなさ、肌なじみのよさの点から、常温(15〜25℃)で液状油分が好ましい。(C)成分は、下記(C−1)〜(C−3)群の少なくとも2群からそれぞれ1種類以上を組み合わせて使用する。肌へのなじみやすさ、色むらのなさの点から、特に(C−1)〜(C−3)の3群からそれぞれ1種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0017】
(C−1)シリコーン油
(C−1)シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、アミノ変性シリコーンなどが好ましく、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シクロペンタシロキサンがより好ましく、色むらのなさ、肌へのなじみの点からメチルポリシロキサンが特に好ましい。これらは市販品を用いることができ、例えば、ジメチコン(KF−96A−10cs)、ジメチコン(KF−96A−50cs)、ジメチコン(KF−96A−100cs)、ジメチコン(KF−96A−300cs)、ジメチコン(KF−96A−500cs)、メチルフェニルポリシロキサン(KF−56A)(信越化学工業(株))、SH200CFluid5cs、SH200CFluid10cs、SH200CFluid50cs、SH200CFluid100cs、SH200CFluid200cs、SH200CFluid1000cs(東レダウコーニング(株))等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのなかでも特に、ジメチコン(KF−96A−10cs、動粘度(25℃):10mm2/s)、ジメチコン(KF−96A−50cs、動粘度(25℃):50mm2/s)、ジメチコン(KF−96A−100cs、動粘度(25℃):100mm2/s)、ジメチコン(KF−96A−300cs、動粘度(25℃):300mm2/s、)、SH200CFluid10cs(動粘度(25℃):10mm2/s)、SH200CFluid50cs(動粘度(25℃):50mm2/s)、SH200CFluid100cs(動粘度(25℃):100mm2/s)、SH200CFluid200cs(動粘度(25℃):200mm2/s)が好ましい。
【0018】
その動粘度(25℃)は、1〜5,000mm2/sが好ましく、より好ましくは、色むらのなさ、肌へのなじみの点から、10〜300mm2/sである。なお、動粘度はJIS K2283に基づいて測定することができ、具体的には、一定容量(25mL)の試料が、25℃の条件下でウベローデ型粘度計の毛細管を自然流下するのに要した時間(秒)を測定した値を前記動粘度の値とすることができる。
【0019】
(C−1)群の配合量は、色むらのなさ、肌へのなじみの点から、0.2〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。(C−1)群が0.2質量%未満では肌へのなじみのよさが悪くなる場合があり、5質量%を超えるとホワイトニング効果、色むらのなさが悪くなる場合がある。
【0020】
(C−2)炭化水素油
(C−2)炭化水素油としては、イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー等が好ましく、肌へのなじみ、保存安定性、のびの良さの点から、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィンがより好ましく、特に、流動パラフィンが好ましい。これらの炭化水素油は、市販品を使用することができ、流動パラフィン350−S(中央化成(株))、コスモホワイトP−350P(コスモ石油(株))が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
(C−2)群の配合量は、肌へのなじみの点から、0.2〜3質量%が好ましく、0.6〜2質量%がより好ましい。(C−2)群が0.2質量%未満では、ホワイトニング効果、肌へのなじみのよさ、色むらのなさが悪くなる場合があり、3質量%を超えるとホワイトニング効果、色むらのなさが悪くなる場合がある。
【0022】
(C−3)エステル油
(C−3)エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシルなどが好ましく、保存安定性、のびの良さの点から、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルが好ましく、特にパルミチン酸イソプロピルが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
(C−3)群の配合量は、色むらのなさの点から、0.4〜4質量%が好ましく、1.2〜3質量%がより好ましい。(C−3)群が0.4質量%未満では、ホワイトニング効果、肌へのなじみのよさ、色むらのなさが悪く場合があり、4質量%を超えるとホワイトニング効果、色むらのなさが悪く場合がある。
【0024】
ここで、(C−1)/{(C−2)+(C−3)}で示される(C−2)群と(C−3)群との合計量に対する(C−1)群の割合は、質量比として、0.05〜1.0がホワイトニング効果、肌へのなじみの点から好ましく、特に0.1〜0.7が好ましい。0.05未満では、肌へのなじみが悪くなる場合があり、1.0を超えると色むらのなさ、肌へのなじみが悪くなる場合がある。色むらのなさ、肌へのなじみの点から、(C−1)〜(C−3)の3群とも常温で液状のものを組合せる方が、より好ましい。
【0025】
(C)成分の合計配合量は、ホワイトニング効果、肌へのなじみのよさ、色むらのなさの点から、1〜12質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、更に好ましくは3〜8質量%である。(C)成分の合計量が1質量%未満ではホワイトニング効果が十分でない場合があり、12質量%を超えるとホワイトニング効果、色むら、保存安定性が低下する場合がある。更に好ましくは4〜8質量%であり、特に好ましい範囲は4.5〜8質量%である。
【0026】
また、{(B)+(C)}/(A)で表される(A)成分に対する(B)及び(C)成分の合計量の割合は、ホワイトニング効果、肌へのなじみ、及び色むらのなさの点から、質量比で1〜26が好ましく、4〜17がより好ましい。1未満では、肌へのなじみのよさ、色むらのなさが悪くなる場合があり、26を超えるとホワイトニング効果、色むらのなさが悪くなる場合がある。
【0027】
[その他の成分]
本発明の皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。任意成分としては、例えば非イオン界面活性剤、(C)成分以外のシリコーン油やエステル油等の油分、高分子化合物、保湿剤、包接化合物、ビタミン類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、抗炎症剤、冷感付与剤、酸化防止剤、着色剤、香料、防腐剤、溶剤(エタノール等)、脂肪酸、水等が挙げられる。なお、配合量は適宜選定される。
【0028】
本発明の皮膚化粧料は、上記成分及びその他の任意成分を混合し、通常の方法に従って調製することができる。本発明の皮膚化粧料は、顔、唇、手、首、その他全身の肌に使用される皮膚化粧料全般を対象とする。また、本発明の皮膚化粧料の剤型は特に限定されず、液状、クリーム状、フォーム状、スプレー状、粉末状、固形状等の製品形態で広く利用でき、エマルジョン(o/wエマルジョン)の形態であることが好ましい。皮膚化粧料としては、ファンデーション(リキッド、パウダー、クリーム)、下地クリーム、サンケア化粧料、乳液、美容液、美白剤、ボディクリーム、ハンドクリーム、リップクリーム、化粧水、乳液、口紅、美白クリーム、パック・マスク用化粧料、髭剃り用化粧料、洗顔料、ボディ洗浄料等の化粧料が挙げられ、特に、リキッドファンデーション、下地クリーム、サンケア化粧料が好適であり、とりわけ本発明の皮膚化粧料は、サンケア用のボディクリーム、ハンドクリーム及び乳液が好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において%は質量%を示す。
【0030】
[実施例1〜35、比較例1〜8]
下記表に示す成分及び配合割合で、常法に従い、各成分を混合してサンケア用ボディクリームを調製し、下記方法に従って評価した。結果を表中に併記する。なお、表中の成分の( )内の数値は純分を示したもので、例えばソルビット(70%)を0.7%配合した場合は組成物中に0.49%配合したことになる。
【0031】
<評価方法>
男女被験者10名に対し、各々の前腕をボディソープで洗浄し、タオルドライした後、試料0.5mLを手のひらに取り、前腕に塗り広げた。試料が乾いた後、各評価項目について下記基準に基づき、官能評価を実施した。
【0032】
ホワイトニング効果(自然な白さ)
<評価基準>
まず、以下の基準により、各被験者によりホワイトニング効果について評価した。
5点:肌表面が十分に白く覆われている
4点:肌表面が白く覆われている
3点:肌表面の白さが少し足りない
2点:肌表面が僅かに白く覆われている
1点:肌表面が何も覆われていない感触
【0033】
次に、10名の被験者の平均点を求め、これに基づいて、ホワイトニング効果を以下のように評価した。
<判断基準>
◎: 4.5点以上5点以下
○: 4点以上4.5点未満
△: 3点以上4点未満
×: 1点以上3点未満
【0034】
肌へのなじみ
<評価基準>
まず、以下の基準により、各被験者により肌へのなじみについて評価した。
5点:肌に非常になじむ
4点:肌になじむ
3点:肌にややなじむ
2点:肌にほとんどなじまない
1点:肌に全くなじまない
【0035】
次に、10名の被験者の平均点を求め、これに基づいて肌へのなじみを以下のように評価した。
<判断基準>
◎: 4.5点以上5点以下
○: 4点以上4.5点未満
△: 3点以上4点未満
×: 1点以上3点未満
【0036】
色むらのなさ
<評価基準>
まず、以下の基準により、各被験者により色むらのなさについて評価した。
5点:色むらがない
4点:色むらがごくわずかにある
3点:色むらがややある
2点:色むらがある
1点:色むらが顕著にある
【0037】
次に、10名の被験者の平均点を求め、これに基づいて、ホワイトニング効果を以下のように評価した。
<判断基準>
◎: 4.5点以上5点以下
○: 4点以上4.5点未満
△: 3点以上4点未満
×: 1点以上3点未満
【0038】
【表1】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0039】
【表2】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
*2) POLYOX WSR 205の粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RVF型粘度計、水溶液濃度;5質量%、使用ローター;No.2、回転速度;2rpm、測定時間;5分、測定温度;25℃
*3) POLYOX WSR N−60Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.3、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0040】
【表3】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0041】
【表4】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0042】
【表5】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0043】
【表6】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
*4) POLYOX WSR N−3000の粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RVF型粘度計、水溶液濃度;5質量%、使用ローター;No.1、回転速度;2rpm、測定時間;5分、測定温度;25℃
*5) POLYOX WSR 301の粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RVF型粘度計、水溶液濃度;1質量%、使用ローター;No.2、回転速度;2rpm、測定時間;5分、測定温度;25℃; 2%水溶液では粘度の測定ができず、4,000mPa・sを超えている。
【0044】
[実施例36]サンケア用ハンドクリーム
下記表に示す成分及び配合割合で、常法に従い、各成分を混合してハンドクリームを調製し、実施例1〜35と同様に評価した。結果を表中に併記する。
【0045】
【表7】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0046】
[実施例37]サンケア用乳液
下記表に示す成分及び配合割合で、常法に従い、各成分を混合して乳液を調製し、実施例1〜35と同様に評価した。結果を表中に併記する。
【0047】
【表8】


*1) POLYOX WSR N−12Kの粘度測定条件:測定機器;ブルックフィールド RV型粘度計、水溶液濃度;2質量%、使用ローター;No.1、回転速度;10rpm、測定時間;1分、測定温度;25℃
【0048】
上記実施例で使用した成分の詳細は以下の通りである。
<A成分>
酸化チタン 石原産業(株)製、TIPAQUE CR−50(平均粒子径:250nm)
酸化亜鉛 堺化学工業(株)製、微細酸化亜鉛 (平均粒子径:290nm)
硫酸バリウム 堺化学工業(株)製、超微粒子硫酸バリウムBF−1H (平均粒子径:100nm)
<B成分>
POLYOX WSR N−12K ダウ・ケミカル製
POLYOX WSR 205 ダウ・ケミカル製
POLYOX WSR N−60K ダウ・ケミカル製
<B’成分>
POLYOX WSR N−3000 ダウ・ケミカル製
POLYOX WSR 301 ダウ・ケミカル製
<C成分>
KF−96A−10cs(25℃、動粘度:10mm2/s) 信越化学工業(株)製
KF−96A−300cs(25℃、動粘度300mm2/s) 信越化学工業(株)製
KF−96A−500cs(25℃,動粘度500mm2/s) 信越化学工業(株)製
メチルフェニルポリシロキサン 信越化学工業(株)製、KF−56A
流動パラフィン 中央化成(株)製、流動パラフィン350−S
スクワラン COGNIS IBERIA 社、ヒトデルム
パルミチン酸イソプロピル コグニス製、IPP(イソプロピルパルミテート)
ミリスチン酸イソプロピル ライオンケミカル(株)製、ミリスチン酸イソプロピル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)無機白色顔料と、
(B)ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5質量%水溶液の粘度が4,500〜8,800mPa・s、又は上記粘度計で測定した25℃における2質量%水溶液の粘度が400〜4,000mPa・sである高重合ポリエチレングリコールと、
(C)(C−1)シリコーン油群、(C−2)炭化水素油群、及び(C−3)エステル油群の少なくとも2群からそれぞれ1種類以上選ばれる油剤と
を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項2】
(B)高重合ポリエチレングリコールの配合量が0.05〜1.0質量%である請求項1記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
(C−1)シリコーン油群が、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシクロペンタシロキサンからなり、(C−2)炭化水素油群が、流動パラフィン、スクワラン及びイソパラフィンからなり、(C−3)エステル油群が、パルミチン酸イソプロピル及びミリスチン酸イソプロピルからなる請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
(C)油剤の合計配合量が1〜12質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
(C−1)/{(C−2)+(C−3)}で示される(C−2)群と(C−3)群との合計量に対する(C−1)群の割合が、質量比で0.05〜1.0である請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項6】
(A)無機白色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛及び硫酸バリウムから選択されるものである請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項7】
(A)無機白色顔料の含有量が0.2〜5.0質量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項8】
(A)無機白色顔料の平均粒子径が、100〜500nmである請求項1〜7のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項9】
{(B)+(C)}/(A)で表される(A)成分に対する(B)及び(C)成分の合計量の割合が、質量比で1〜26である請求項1〜8のいずれか1項記載の皮膚化粧料。

【公開番号】特開2013−1691(P2013−1691A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136405(P2011−136405)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】