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皮膚外用剤用粘着剤組成物および皮膚外用剤粘着シート
説明

皮膚外用剤用粘着剤組成物および皮膚外用剤粘着シート

本発明は、経皮吸収用薬剤、特に、セラミド類など難溶解性である両親媒性の結晶性有機薬剤をも、粘着剤層中に安定に分子溶解でき、かつ、皮膚接着性と剥離除去性とのいずれもが好適な皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、該経皮吸収用薬剤を溶解させた皮膚外用剤用粘着剤組成物並びにこれを基材上に積層した、化粧料や皮膚外用薬など皮膚外用剤用途のための粘着シート製剤に関する。 すなわち、本発明は、架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系ポリマーであって且つラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含むアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)と、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)とを含む中間組成物を、外部架橋剤によってB成分を架橋してなる皮膚外用剤用粘着剤組成物であって、かつ、A成分100重量部に対して、B成分を20〜50重量部の範囲、C成分を50〜300重量部の範囲で配合した皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、これを基にして製造される経皮吸収用薬剤含有粘着剤組成物並びに皮膚外用剤粘着シート製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、化粧料や皮膚外用薬など皮膚外用剤用途のための粘着剤組成物および粘着シートに関し、経皮吸収用薬剤もしくは薬物(以下、両者をあわせて薬剤という)、特に、セラミド類などの両親媒性で難溶解性の結晶性有機薬剤をも安定にかつ高濃度にも分子溶解(分子分散)することのできる油性ゲル状の皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、該経皮吸収用薬剤を溶解した皮膚外用剤用粘着剤組成物並びにこれを基材上に積層した皮膚外用剤粘着シートに関する。
【背景技術】
セラミド類は角質細胞間脂質の主溝成成分として、皮膚中の水分バランスを調整することにより皮膚の健全性を維持する保湿機能、外部からの刺激や細菌・異物の侵入から体を護る皮膚バリヤー機能において重要な役割を果たしている。このようなセラミド類の特性を利用して、化粧料や皮膚外用薬等に応用することが試みられてきた。しかしながら、セラミド類など、強い両親媒性を有し且つ結晶化している有機薬剤は、水、油いずれに対しても溶解性が悪く、その利用は一般的に困難を伴う。
従来、このような問題点を克服するため、セラミド類では、高温で油相成分中に溶解して、それを乳化する方法が一般的であった。また、その際、セラミド類の溶解性を上げる目的で、常温で液状の脂肪酸や高級アルコール等を併存させることが行われてきた。しかしながらこれらの方法は、セラミド類を製剤中に安定に溶解させておくには不十分であり、経時的にセラミド類が結晶化し、製剤中に析出することを防止することが出来なかった。
さらに、セラミド類を多価アルコールと少量の親水性界面活性剤の存在下に、コレステロール類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、親油性界面活性剤等の両親媒性物質と混合してラメラ型液晶構造を形成させることで、製剤への添加を容易にして、さらに経時的な結晶析出を防止する技術が提案されている(例えば、特開2001−039859号公報、特開2001−348319号公報参照)。この方法によれば、セラミド類を製剤中に容易に配合でき、経時的な結晶析出を防止することができるが、適用できる製剤は乳化系に限られ、可溶化系への応用は困難であった。
セラミド類の皮膚外用剤への応用には、セラミド類が十分に分子溶解していなければ皮膚角質層に浸透し難いが、セラミド類を含有したミセルやラメラ型液晶を形成させる上記の乳化法による従来の製剤方法にはどうしても限界があった。
皮膚外用剤のなかで、粘着シート製剤はシートで対象部位を覆い続けて、薬効成分等を効率よく経皮吸収させることができる製剤形態であるが、皮膚内に効果的に移行浸透させるために、それら薬効成分等を可能な限り高濃度で粘着剤層中に分子溶解させておくことが望ましい。
また、皮膚外用剤粘着シート製剤は、皮膚面に貼付して使用することから、その粘着剤層は皮膚に対する適度な接着性を持ちながら、剥がし取る時に皮膚の角質細胞に損傷を与えないように、また皮膚に糊残りが発生しないように、十分な凝集性が要求される。
このような、皮膚接着性と剥離除去性の適度なバランスを有する皮膚外用剤粘着シート製剤の開発について、架橋アクリル系粘着剤層に油性の液体成分を多量に含有させたものを用いる油性ゲル状粘着層製剤が従来より提案されてきた(例えば、特開2000−44904号公報、特開平6−319793号公報参照)。
しかしながら、これら製剤は、皮膚接着性と剥離除去性のバランスは改善できても、薬効成分等薬剤の溶解性が格別に優れているとはいい難く、特に、上記のセラミド類など両親媒性で難溶解性の薬剤の有効量を分子溶解させることは困難であった。
【発明の開示】
本発明は、経皮吸収用薬剤、特に、セラミド類など、水にも油にも難溶解性である両親媒性の結晶性有機薬剤をも、粘着剤層中に安定にかつ高濃度に分子溶解でき、かつ、皮膚接着性と剥離除去性とのいずれもが好適な皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、該経皮吸収用薬剤を溶解させた皮膚外用剤用粘着剤組成物並びにこれを基材上に積層した、化粧料や皮膚外用薬など皮膚外用剤用途のための粘着シート製剤を提供することを目的とする。
本発明者らが種々研究を重ねた結果、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量のモル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、HLB値が0.5〜9.5の範囲にある非イオン性界面活性剤(C成分)とを所定の重量比で完全溶解させた粘稠な溶液は、両親媒性が強く極めて難溶解性の結晶性物質であるセラミド類でさえ、安定にかつ高濃度にも分子溶解させ得ることを見出した。ここで、ラクタム環基はその化学的構造のために親水親油の両親媒性を示す結果、非イオン界面活性剤やセラミド類等の両親媒性の物質との相互溶解性がよくなるものと考えられる。
そして、上記のラクタム環基を所定量含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系重合ポリマー(A成分)とHLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)との混合溶液に完全溶解可能である、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)を、粘着剤組成物において皮膚への糊残りをなくするなど適度な凝集性に調整するために必要な所定量、A成分/C成分の混合溶液中に溶解させる。これを、外部架橋剤の添加によって架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)を架橋させることで、上記の目的とする皮膚外用剤用粘着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)と、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)とを含む中間組成物を、外部架橋剤によってB成分を架橋してなる皮膚外用剤用粘着剤組成物であって、かつ、A成分100重量部に対して、B成分を20〜50重量部の範囲、C成分を50〜300重量部の範囲で配合することを特徴とする皮膚外用剤用粘着剤組成物を提供する。
また、本発明は、この粘着剤組成物のベースに、セラミド類など両親媒性で難溶解性の結晶性有機薬剤をも含む経皮吸収用薬剤を溶解させた皮膚外用剤用粘着剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、これらの皮膚外用剤用粘着剤組成物を基材上に積層した皮膚外用剤粘着シート製剤を提供する。
本発明の油性ゲル状粘着製剤においては、主要な溶解担体として、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量のモル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、HLB値が0.5〜9.5の範囲にある非イオン性界面活性剤(C成分)とを所定の重量比で用い、かつ、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)を適度な凝集性に調整するために必要な所定量のみを用い、外部架橋剤によって架橋させている。このことにより、経皮吸収用薬剤、特に、水にも油にも難溶解性であるセラミド類など両親媒性の結晶性有機薬剤をも粘着剤層中に安定にかつ高濃度にも分子溶解でき、かつ、皮膚接着性と剥離除去性とのいずれもが好適な皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、該経皮吸収用薬剤を溶解させた皮膚外用剤用粘着剤組成物並びにこれを基材上に積層した皮膚外用剤粘着シート製剤を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の粘着剤組成物において、粘着剤層中に、セラミド類など難溶解性である両親媒性の結晶性有機薬剤をも安定に分子溶解させるために重要な成分は、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)とである。
本発明の粘着剤組成物に使用するA成分は、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマーである。
ラクタム環基を有するビニルモノマーとしては、分子内に少なくとも一つのラクタム環基を有するものであり、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等を用いることができる。これらのビニルモノマーは、一般的には一種のみを用いるが、必要に応じて二種以上のものを混合して用いることもできる。
該アクリル系共重合ポリマー中のラクタム環基を有するビニルモノマー単位の含有率が、10モル%を下回ると、アクリル系共重合ポリマーの両親媒性が不十分となり、非イオン界面活性剤やセラミド類などとの相互溶解性が低下し、また40モル%を上回るとアクリル系共重合ポリマーが酢酸エチル等を溶媒とする重合溶液に溶け難くなって固化沈殿し、目的とするアクリル系共重合ポリマーそのものを得ることができなくなるためである。
本発明のA成分のアクリル系共重合ポリマー中で、ラクタム環基を有するビニルモノマーに共重合される(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が2〜18のものを用いるのが好ましく、例えばアルキル基が、エチル、メトキシエチル,プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、ラウリル、ステアリル、イソステアリル等のものから一種以上を選択して用いることができる。
また、該アクリル系共重合ポリマーは、所定量のモル%のラクタム環基を有するビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとを混合溶解した後、酢酸エチル等の有機溶媒を用いる溶液重合等により製造することが好ましい。
本発明の粘着剤組成物に使用するC成分は、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤である。
該非イオン界面活性剤としては、HLBが0.5〜9.5の範囲にあるものであれば特に制限されないが、炭素数が10〜18からなる長鎖のアルキル基を持つ飽和もしくは不飽和脂肪酸類と2〜4価の多価アルコールとの1価もしくは多価のエステル類、又は炭素数が10〜18からなる飽和もしくは不飽和の長鎖アルキル基を持つモノアルキルグリセリルエーテル類等が好ましく用いられる。
具体的には、炭素数が10〜18からなるアルキル基を持つ飽和もしくは不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステルとしては、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、プロピレングリコールモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート等が挙げられる。
また、炭素数が10〜18からなる飽和もしくは不飽和のアルキル基のモノアルキルグリセリルエーテルとしては、ステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルグリセリルエーテル、オレイルグリセリルエーテル等が挙げられる。
本発明において、これらのHLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、またセラミド類などの溶解性を調整する目的で、2種以上を混合して用いてもよい。
HLBが0.5以下の非イオン界面活性剤を用いた場合には、強い親水性、親油性を有する両親媒性で難溶解性の結晶性物質であるセラミド類などを分子分散させるには十分ではなくなり、一方、HLBが9.5以上の非イオン界面活性剤を用いた場合には、親水性が強くなってセラミド類などを分子分散させるための親水親油バランスが崩れて、セラミド類などが溶けにくくなるとともに、架橋可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)にも溶けにくくなる傾向が認められる。
本発明の粘着剤組成物において用いるB成分は、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマーである。
該アクリル系ポリマーとしては、架橋反応可能な官能基を有するビニルモノマーを含むアクリル系モノマーを共重合または単独重合して得られたポリマーであれば特にその種類は制限されるものではないが、例えば、カルボキシル基やヒドロキシル基等の官能基を有するビニルモノマーと、アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、を共重合して得られるアクリル系ポリマーであることが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノリル、(メタ)アクリル酸イソノリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル等の一種単独又は二種以上の組合せを挙げることができる。
一方、架橋反応可能な官能基を有するビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸やヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の一種単独または二種以上の組合せを挙げることができる。
かかる架橋反応可能な官能基を有するビニルモノマーの量は、B成分のアクリル系ポリマーを得るために重合する際のモノマー成分の全体量に対して、1〜15重量%の範囲内の値とするのが好ましい。かかるモノマーの量が1重量%未満の値になると、架橋が不十分になって粘着剤全体としての凝集力が不足し、粘着シートとして貼り付けて使用した後に剥がす際、皮膚に糊残り等が生じる。一方、かかるモノマーの量が15重量%を超えると、粘着シートの皮膚刺激性が高くなる場合がある。
これらモノマーを、好ましくは、酢酸エチル等の有機溶媒を用いる溶液重合等により製造した、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)は、外部架橋剤によって容易に架橋されて、本発明の粘着剤層に必要な凝集力を付与する。
なお、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)は、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量含有し、且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と同一のモノマー成分を少なくとも一種含むことが好ましい。両ポリマー成分が同一のモノマー成分を含むことにより、両ポリマー成分の間の相溶性が著しく向上してセラミド類などをより安定に溶解する場を提供することができるためである。
また、本発明のラクタム環基を有し、架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)および架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)は、最終的に得られる皮膚外用剤用粘着剤の凝集力を確保するために、その数平均分子量が30万〜150万の範囲内のものが好適に用いられる。
本発明の皮膚外用剤用粘着剤組成物において、A成分〜C成分を次の所定の配合比率とすることが本発明の効果を奏する上で重要である。
すなわち、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)の配合量100重量部に対して、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)を20〜50重量部の範囲、HLBが0.5〜9.5の範囲内にある非イオン界面活性剤(C成分)を50〜300重量部の範囲で配合することを要する。
架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)の配合量は、A成分100重量部に対して20重量部未満であると、皮膚外用剤用粘着剤の凝集力が過度に低くなって皮膚に糊残りが生じる場合があり、また、50重量部を超えると、皮膚外用剤用粘着剤組成物全体としてのセラミド類など難溶解性薬剤の溶解性が著しく低下する。かかるB成分の配合量は、A成分100重量部に対して20〜45重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、本発明の皮膚外用剤粘着剤組成物において、HLBが0.5〜9.5の範囲内にある非イオン界面活性剤(C成分)の配合量は、A成分の配合量100重量部に対して、50重量部未満であると、粘着剤組成物全体としてセラミド類など難溶解性薬剤の溶解量が低下し、かつ、溶解安定性も悪くなり、また、300重量部を超えると、皮膚外用剤用粘着剤の凝集力が過度に低下して、皮膚に糊残りが生じる等の不都合が発生する場合がある。かかるC成分の配合量は、A成分100重量部に対して、100〜250重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
A成分〜C成分からなる、本発明の皮膚外用剤用粘着剤組成物ベースによって好適に分子溶解させることができる難溶解性である両親媒性の結晶性有機薬剤(薬物)としては、セラミド類のほかに、例えば、高血圧治療薬としてのニフェジピン、高脂血症治療薬としてのプラバスタチン、塩基性抗アレルギー薬としてのアゼラスチンやエメダスチン、鎮痛薬としてのブプレノルフィンやモルヒネ等が挙げられる。
もとより、本発明において、これらの難溶解性薬剤よりも易溶解性である経皮吸収用薬剤はさらに容易に分子溶解させることができる。
本発明において、両親媒性で難溶解性の結晶性有機薬物など経皮吸収用薬剤の配合量は、薬剤の種類や皮膚外用剤用粘着剤組成物の用途によって異なるが、皮膚外用剤用粘着剤組成物の全体量に対して、0.1〜30重量%の範囲内とすることが好ましく、0.1〜25重量%の範囲内とすることがより好ましい。皮膚外用剤用粘着剤組成物中の経皮吸収用薬剤の含有量が0.1重量%よりも少なくなると皮膚への薬剤の移行や浸透が弱くなって、効能効果が発揮されにくくなるためであり、30重量%を超えると難溶解性の結晶性有機薬剤の場合、皮膚外用剤用粘着剤中で結晶が析出しやすくなり、皮膚に対する粘着性が妨げられる場合があるからである。
本発明において使用することができるセラミド類は、セラミド構造を有するものならば特に限定されないが、分子中に一個以上の長鎖の直鎖及び/又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を持つと共に、少なくとも2個以上の水酸基と、一個以上のアミド基及び/又はアミノ基を有する非イオン性両親媒性物質、及び/又は該非イオン性両親媒性物質の水酸基にフォスファチジルコリン残基又は糖残基が結合した誘導体として表現される一連のセラミド類である。
具体例として、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、それらの長鎖脂肪酸アミド誘導体であるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド3A、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6I、セラミド6II等の天然セラミド類、また、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンのリン脂質誘導体であるスフィンゴミエリン、フィトスフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質又はそれらの配糖体であるセレブロシドやガングリオシド等のスフィンゴ糖脂質、フィトスフィンゴ糖脂質等を用いることができる。また、天然のセラミドに倣って合成されたN−(ヘキサデコキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロシエチルヘキサデカナミド(花王社製、商品名、ソフケアセラミドSL−E)等も挙げられる。
これらのセラミド類は一種を単独で用いてもよく、また二種以上を混合して用いてもよい。
本発明においてセラミド類を配合する場合、その配合量は、皮膚外用剤用粘着剤組成物の全体量に対して、0.1〜15重量%の範囲内とすることが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内とすることがより好ましい。セラミド類の含有量が0.1重量%よりも少なくなると皮膚へのセラミド類の移行や浸透が弱くなって、効能効果が発揮されにくくなるためであり、15重量%を超えるとセラミドが皮膚外用剤用粘着剤中で結晶析出しやすくなり、皮膚に対する粘着性が妨げられる場合があるからである。
また、本発明において、皮膚外用剤用粘着剤組成物中に、必要に応じて、皮膚外用剤に通常使用される各種の添加剤を添加することができる。
例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル等、飽和もしくは不飽和の高級脂肪酸のエステル類などの液状油;尿素などの角質軟化剤;NMF(天然保湿因子)、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなどの天然もしくは合成保湿成分を添加することができる。
その他、没食子酸プロピル、トコフェロール、ハイドロキノンなどの酸化防止剤;スクワレン、ワックス、トリグリセライド、コレステロール、コレステリルエステル、ビタミン及びその誘導体などの表皮脂質成分調整剤;紫外線吸収剤;隠蔽剤;可塑剤;着色剤;無機もしくは有機フィラー;増量剤等を添加することができる。
なお、これらの添加剤の配合量は、皮膚外用剤用粘着剤組成物中の難溶解性の結晶性有機薬剤など経皮吸収用薬剤の溶解安定性、及び組成物の粘着性を殆ど悪化させない量であれば特に制限されない。薬物の種類、添加剤の種類により、一概に言えないが、通常は、総量で、ラクタム環基を有し、架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)の100重量%以下に留めることが望ましい。
本発明においては、A成分〜C成分からなる中間組成物;あるいは、さらにセラミド類など経皮吸収用薬剤を加えた中間組成物;また必要に応じて加えられる各種添加剤を配合した中間組成物;のそれぞれに、外部架橋剤が添加される。外部架橋剤によって架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)を架橋することで、粘着剤組成物全体として必要な凝集性を付与することができる。
外部架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等の多価エポキシ化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの付加誘導体等としての多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製:コロネートL、コロネートHL等)、多価アジリジン化合物などが好適に使用できる。
外部架橋剤は、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)100重量部に対して1〜20重量部の範囲内で添加される。
本発明の皮膚外用剤用粘着剤組成物の製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば、以下の製造工程(1)〜(5)に拠ることが好ましい。
このような方法によると、ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)、並びにHLBが0.5〜9.5の範囲内にある非イオン界面活性剤(C成分)との間の良好な混合分散状態が得られ、経皮吸収用薬剤、特にセラミド類など両親媒性の結晶性有機薬剤(薬物)をも、安定にかつ高濃度に分子溶解した皮膚外用剤用粘着剤組成物を効率的に得ることができる。
(1)ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しない、数平均分子量が30万〜150万のアクリル系共重合ポリマー(A成分)の溶液を準備する工程
(2)架橋反応可能な官能基を有し、数平均分子量30万〜150万のアクリル系ポリマー(B成分)の溶液を準備する工程
(3)A成分100重量部に対して、B成分が20〜50重量部の範囲、C成分が50〜300重量部の範囲となるように、A成分の溶液、B成分の溶液、及びC成分を、均一に混合する工程
(4)セラミド類など経皮吸収用薬剤および必要に応じて各種添加剤を添加し均一に混合する工程
(5)この中間組成物に、外部架橋剤を添加して、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマーを架橋する工程
なお、工程(1)、工程(2)におけるアクリル系ポリマーの溶液を準備する工程は、前記の如く、酢酸エチル等の有機溶媒を用いる溶液重合によって行われるのが好ましく、粘着剤組成物の製造工程の全体を通してそれら有機溶媒を存在させることで組成物が低粘度化され、各成分の均一混合に有利であり、(次の粘着シート製造時の基材への塗布を含め)組成物系の取扱いも容易となる。有機溶媒は粘着剤シート製剤の製造時に揮発させる。
このようにして製造された本発明の皮膚外用剤用粘着剤組成物の粘稠溶液は、ウレタンフイルムやポリオレフィンフイルム等のプラスチックフイルム、布、紙等の基材上に均一に塗布し、加熱乾燥することにより、皮膚外用剤用粘着剤組成物層を積層形成させることで、皮膚外用剤粘着シートを製造することができる。
得られた皮膚外用剤粘着シートは、その製剤用途に応じて、テープ状、矩形シート、円形シートなど適切な各種形状および大きさに切断加工し、最終製剤の形態の製造を行うことができる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本発明を例示的に示すものであって、本発明は、これらの記載に何ら制限されるものではない。
【実施例1】
1.皮膚外用剤用粘着剤組成物および皮膚外用剤粘着シートの製造:
(1)ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)の製造;
N−ビニル−2−ピロリドン35.0g(0.315モル、混合モル分率:34モル%)と、アクリル酸2−エチルヘキシル113.0g(0.613モル、混合モル分率:66モル%)と、を酢酸エチル275gに溶解させ、モノマー混合溶液とした。次いで、得られたモノマー混合溶液を、蒸気凝縮還流塔を備えた攪拌機付き重合反応器に仕込み、重合開始剤としてAIBNを0.12g添加した後、60℃の湯浴に浸漬させて、溶液重合を開始させた。そのまま、重合反応液の温度を65±5℃に制御しながら約3時間溶液重合を実施した。発熱反応がほぼ終了した段階において、温度を70±5℃まで加熱上昇させ、そのまま約5時間加熱して、重合反応を完結させた。次いで、重合反応溶液を取り出し、得られたアクリル系共重合ポリマーの濃度を乾固法により測定したところ、35.7重量%であった。また、得られたアクリル系共重合ポリマーの溶液粘度(測定温度:25℃、B型粘度計を用いた酢酸エチル溶液としての粘度、以下同様である。)を測定したところ、190dPa・Sであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)により測定した数平均分子量は840,000であった。
(2)架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)の製造;
アクリル酸15g(10重量部)と、アクリル酸2−エチルヘキシル150g(100重量部)とを酢酸エチル202gに溶解させ、モノマー混合溶液とした。次いで、得られたモノマー混合溶液を、蒸気凝縮還流塔を備えた攪拌機付き重合反応器に仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.25g添加した後、58℃の湯浴に浸漬させて、溶液重合を開始させた。そのまま重合反応液の温度を65±5℃に制御しながら、約3時間溶液重合を実施した。発熱反応がほぼ終了した段階において、温度を70±5℃まで加熱上昇させ、そのまま約5時間加熱して、重合反応を完結させた。次いで、重合反応器から重合反応溶液を取り出し、得られたアクリル系ポリマーの濃度(不揮発分)を乾固法(150℃、1時間)により測定したところ、45.8重量%であった。また、得られたアクリル系ポリマーの溶液粘度を測定したところ、94dPa・Sであり、数平均分子量は750,000であった。
(3)中間組成物の製造;
得られたラクタム環基を有するビニルモノマー単位を所定量含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)の酢酸エチル溶液96.6g(アクリル系共重合ポリマーとして34.5g)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)の酢酸エチル溶液25g(アクリル系ポリマーとして11.5g)と、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−030V、花王社製、HLB値:1.8)(C成分)38.0gと、N−(ヘキサデコキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド(ソフケアセラミドSL−E、花王社製)3.05gと、を混合溶解して、中間組成吻の酢酸エチル溶液(中間組成物の濃度:53.5重量%)を製造した。この中間組成物中のセラミドの濃度は、3.5重量%と算出される。
(4)外部架橋剤による架橋および積層工程;
得られた中間組成物の酢酸エチル溶液162g(中間組成物として86.7g、この内数で架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)としては11.5g)に、外部架橋剤として多価イソシアネート化合物の75%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHL)1.40gを添加した後,酢酸エチルをさらに添加調整することにより、不揮発残分が50重量%の皮膚外用剤用粘着剤組成物の酢酸エチル溶液を得た。この皮膚外用剤用粘着剤組成物におけるセラミド類の含有率は3.5重量%である。
次いで、得られた皮膚外用剤用粘着剤組成物を、ポリウレタンフイルム(50μm厚)に均一に塗布積層した後、110℃で加熱乾操して、粘着層の厚さが50μmの皮膚外用剤粘着シートを製造した。
2.評価:
(1)皮膚外用剤粘着シートの粘着剤層中でのセラミド類の溶解性;
得られた皮膚外用剤粘着シートを、短冊状の試験片(35mm×35mm)に切断加工し、粘着剤層中に結晶析出が無いことを確認する。次に、該試験片の3枚について(30℃×75%RH)の条件下で30日間保存した後取り出して、皮膚外用剤粘着シートの粘着剤層中に含有されるセラミド類の粘着剤層中での結晶析出の有無を、目視により判定した。この場合、30日間保存する前の各試験片にはすべて結晶析出が無いことを確認しているので、1枚でも結晶析出があればセラミド類の溶解性に劣るものであると判断できる。その結果を表1に示す。
(2)粘着シートとしての剥離接着力;
得られた皮膚外用剤粘着シートの剥離接着力を、JIS Z0237に準拠して測定した。その結果を表1に示す。
(3)糊残り性;
得られた皮膚外用剤用粘着シートを、短冊状の試険片(25mm×25mm)に切断加工し、それを5人の被評価者の上腕部内側皮膚に、24時間貼り付けた後、以下の基準に準拠して、糊残り性を評価した。その結果を表1に示す。
◎ : 5人の平均として、全く糊残りがない。
○ : 5人の平均として、ほとんど糊残りがない。
△ : 5人の平均として、少々の糊残りがある。
× : 5人の平均として、顕著な糊残りがある。
(4)皮膚の保湿性能(皮膚表皮角質層の水分量度合)の回復率の測定;
得られたセラミド類入り皮膚外用剤粘着シートの、セラミド類による皮膚の保湿性回復効果を測定するために、市販の皮膚水分測定器「しっとりさん」〔積水化学工業社製:水が他の物質と異なり、誘電率(インピーダンス)が一定であることに基づいた測定原理による皮膚水分測定器で、皮膚の水分量を0〜99までの数値度合で表示する測定器〕を用いて、下記i)〜iii)の手順で測定評価した。その結果を表1に示す。
i) 健常人被評価者の前腕部内側の健常皮膚の水分量を、皮膚水分測定器「しっとりさん」で測定評価し、60〜63と測定された。この平均値61.5をもってNとする。
ii) 同一の健常人被評価者の前腕部内側の健常皮膚に、芋川法〔アセトン/エーテル(1/1)混合溶媒で20分間処理することにより、生体皮膚表皮から角質細胞間脂質(主成分は生体由来のセラミド等)を溶出させて抜き取る方法:「あたらしい眼科」,13(3),351〜359(1996)〕により、局所的な乾燥落屑性皮膚〔表皮の角質細胞間脂質が不足することにより、皮膚の水分量が減少して乾燥し表皮がざらざらと荒れて、角質層が大小の角質片となって剥がれ落ちやすくなった、病的な皮膚〕を人為的に誘導生成させた。この乾燥落屑性皮膚の水分量をi)と同様にして測定したところ、28〜32と測定された。この平均直30をもってZとする。また、こうして誘導生成させた乾燥落屑性皮膚の状態は、生体本来の生理的回復機能が働いて保湿性能の経時的な多少の回復性も観測されるが、そのまま放置すると2〜8日間程度持続することが判明した。
iii)得られた皮膚外用剤粘着シートを短冊状の試験片(35mm×35mm)に切断加工し、それを上記i)で誘導生成させた局所的な乾燥落屑性皮膚部位に24時間貼り付けた後、剥がした。さらに、該試験片を剥がして24時間後に、i)と同様にして該試験片貼付部位の皮膚水分量を測定したところ、58〜60と測定された。この平均値59をもってXとする。
ここで、次式に従って皮膚の保湿性能の回復率(%)を算出したところ、92%であった。
皮膚の保湿性能の回復率(%)=〔(X−Z)/(N−Z)〕×100

【実施例2〜7】
表1に示すように、本発明が規定する範囲内において、A成分のモノマー組成;反応型架橋剤、非イオン界面活性剤およびセラミド類の種類;粘着剤組成物における各成分の配合比を変えたほかは、実施例1と同様にして粘着剤組成物および粘着シートを作成して、評価した。その結果、いずれも、皮膚に対して適度な剥離接着力を示しながら糊残りがなく、なお且つセラミド類が粘着剤層中に完全溶解した状態で存在するので、十分にセラミド類の皮膚への移行浸透効果が発揮されて結果として皮膚保湿性能が回復される、皮膚外用剤粘着シートが得られることが判明した。
〔比較例1〕
比較例1は、セラミド類を配合しないほかは、実施例1と同様にして粘着剤組成物および粘着シートを作成して、評価した。(本例は、皮膚外用剤粘着シートとしての比較例の意味であり、粘着剤組成物は、皮膚外用剤用粘着剤組成物である本発明請求項1の「実施例」にあたる。)
その結果、表1に示すように、皮膚接着性と剥離除去性とのいずれもが好適な皮膚外用剤用粘着剤組成物であるが、セラミド類が配合されていないことにより、生体本来の生理的回復機能による回復量を除いては、該皮膚外用剤粘着シートによる皮膚保湿性能の回復性は極めて悪いことが判明した。
〔比較例2、3〕
表1に示すように、比較例2、3では、それぞれ、本発明が規定する範囲外において、A成分のモノマー組成や粘着剤組成物における各成分の配合比等を変えたほかは、実施例1に準拠して皮膚外用剤用粘着剤組成物および皮膚外用剤粘着シートを作成し、評価した。
比較例2では、A成分のアクリル系共重合ポリマーにおけるN−ビニル−2−ピロリドンの共重合モル分率が小さすぎることにより、皮膚外用剤用粘着剤組成物全体としてのセラミド類の溶解性が低下して析出し、セラミド類の皮膚への十分な移行浸透性が妨げられる結果、皮膚保湿性能の回復性が極めて悪くなることが判明した。
また、比較例3では、C成分の非イオン界面活性剤の配合量が少なすぎることにより、添加配合したセラミド類が該粘着剤組成物中に溶解しにくく、該粘着層中にセラミド類の結晶析出を起こすこととなって、皮膚への十分な移行浸透性が妨げられ、その結果、皮膚保湿性能の回復性が極めて悪くなることが判明した。
【産業上の利用可能性】
本発明の油性ゲル状粘着製剤は、経皮吸収用薬剤、特に、水にも油にも難溶解性であるセラミド類など両親媒性の結晶性有機薬剤をも、粘着剤層中に安定にかつ高濃度にも分子溶解でき、かつ、皮膚接着性と剥離除去性とのいずれもが好適な皮膚外用剤用粘着剤組成物、および、該経皮吸収用薬剤を溶解させた皮膚外用剤用粘着剤組成物並びにこれを基材上に積層した、化粧料や皮膚外用薬など皮膚外用剤用途のための粘着シート製剤を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)と、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)とを含む中間組成物を、外部架橋剤によってB成分を架橋してなる皮膚外用剤用粘着剤組成物であって、かつ、A成分100重量部に対して、B成分を20〜50重量部の範囲、C成分を50〜300重量部の範囲で配合することを特徴とする皮膚外用剤用粘着剤組成物。
【請求項2】
ラクタム環基を有するビニルモノマー単位を10〜40モル%含有し且つ架橋反応可能な官能基を有しないアクリル系共重合ポリマー(A成分)と、架橋反応可能な官能基を有するアクリル系ポリマー(B成分)と、HLBが0.5〜9.5の範囲にある非イオン界面活性剤(C成分)と、経皮吸収用薬剤とを含む中間組成物を、外部架橋剤によってB成分を架橋してなる皮膚外用剤用粘着剤組成物であって、かつ、A成分100重量部に対して、B成分を20〜50重量部の範囲、C成分を50〜300重量部の範囲で配合することを特徴とする皮膚外用剤用粘着剤組成物。
【請求項3】
経皮吸収用薬剤が、両親媒性で難溶解性の結晶性有機薬剤である請求項2に記載の皮膚外用剤用粘着剤組成物。
【請求項4】
両親媒性で難溶解性の結晶性有機薬剤が、セラミド類である請求項3に記載の皮膚外用剤用粘着剤組成物
【請求項5】
セラミド類の含有量が、皮膚外用剤用粘着剤組成物の全体量に対して、0.1〜15重量%である請求項4に記載の皮膚外用剤用粘着剤組成物。
【請求項6】
基材上に、請求項2〜5に記載の皮膚外用剤用粘着剤組成物を積層した皮膚外用剤粘着シート。

【国際公開番号】WO2004/108112
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506859(P2005−506859)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008285
【国際出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【出願人】(500465499)有限会社ケイアンドアイメディカルリサーチ (2)
【出願人】(503208677)有限会社 スミタ化学技術研究所 (1)
【Fターム(参考)】