説明

皮膚外用剤

【課題】保湿効果が高く、しわ等皮膚の老化症状の改善効果,肌荒れ改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】β−エンドルフィン産生促進剤と抗炎症剤とを含有して成る皮膚外用剤。β−エンドルフィン産生促進剤としてはテルミナリアエキス、セイヨウオトギリソウエキス、トウキンセンカエキス、ジャイアントケルプエキス、ローズウォーターから選択される1種又は2種以上を、抗炎症剤としてはステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、グリチルリチン酸及びそれらの塩、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アズレン誘導体、アラントイン、アロイン、アロエエモジン、シコニン誘導体、ギンセノシド誘導体、オウレン、オウゴン、カンゾウ、クジン、サイコ、シャクヤク、ショウマ、タイソウ、チモ、ボタンピ、リュウタン、レンギョウ、シコン、ニンジンの生薬又はその抽出物から選択される1種又は2種以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌荒れ及び皮膚の老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤に関する。更に詳しくはβ−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤とを併用して成る皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢や紫外線曝露,皮膚組織内において発生する活性酸素種等による酸化的ストレス、薬物や種々のアレルゲンとの接触などにより、皮膚の炎症反応や皮膚の老化が進行することが知られている。これまで皮膚外用剤の分野では、かかる皮膚の炎症や老化を防止するべく、活性酸素種消去剤や抗炎症剤,抗アレルギー剤等多くの生理活性成分の探索及び検討がなされてきた。また、加齢や前記ストレスにより、真皮マトリックス成分であるコラーゲンの架橋等により皮膚の老化症状が進行することが明らかになるにつれ、皮膚組織内においてその産生を促進する作用を有する物質の検討もなされている。近年は、消費者の天然志向及び植物志向を反映してか、かかる成分を植物に求める傾向が強くなっている。
【0003】
しかしながら、既に報告されている植物起源の上記成分の中には、活性が低いため、皮膚外用剤に配合して十分な作用効果を得るにはかなりの高濃度を要したり、安定性や安全性上問題があったり、皮膚外用剤に好ましくない色や臭いを付与してしまうものがあったりして、皮膚外用剤に配合した際に、製剤安定性及び安全性と、作用効果のすべての面で満足できるものは少ないのが現状であった。また皮膚の炎症反応や老化は、種々の要因が複雑に関与し合って進行するため、前記反応の一部の過程のみに作用する物質を用いても十分な効果は得られなかった。
【0004】
一方、β−エンドルフィンは、脳や心臓その他の臓器に含まれ、脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)及びメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)と共通の前駆体タンパク質であるプレプロオピオメラノコルチン(POMC)から生合成される内因性モルヒネ様ペプチド(オピオタイドペプチド)の一種であり、鎮痛作用や抗ストレス作用を有することから脳内快楽物質として知られている。感情に関わりのある右脳や大脳辺縁系に多く存在し、喜びを感じる時などに重要な役割を果たしている。
【0005】
ある種の芳香成分においては、β−エンドルフィン遊離促進効果があり、それを嗅ぐことによって身体および精神がリラックスしてストレスが緩和されることから、アロマ関連商品に利用されることがある。
【0006】
β−エンドルフィンは、特に脳下垂体中葉・後葉に多く含まれ、ストレスなどの侵害要因によって血中にも分泌されることが知られているが、近年の研究によって、皮膚においてもPOMCが合成され、表皮ケラチノサイトよりβ−エンドルフィンが遊離することが明らかとされている(非特許文献1,2参照)。
【0007】
しかし、β−エンドルフィンの皮膚における生理的作用については、未だ不明な点も多く、詳細な検討はなされていない現状であった。β−エンドルフィン及び/またはβ−エンドルフィンの産生を促進する作用のある物質を、皮膚外用剤、特に化粧料などに用いられた例はない。そこで、本発明者らは、ストレスによって分泌されるβ−エンドルフィンが皮膚に対して何らかの有利な作用を発揮しているのではないかとの仮説のもとに種々の検討を行った。
【0008】
また、抗炎症剤については、肌荒れ改善効果を期待して、古くから皮膚外用剤に配合されている。しかしながら、β−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤から選ばれる1種又は2種以上を併用すること、更に、これらを併用することにより、複雑な皮膚の炎症性反応等を抑制し、肌荒れや皮膚の老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を得ることができるという本発明の顕著な効果については、上記文献等において、何ら記載も示唆もされていなかった。
【0009】
【非特許文献1】Zenello S.B.,Jackson D.M.,Holick M.F. et.al.,An immunocytochemical approach to the study of beta-endorphin production in human keratinocytes using confocal microscopy,Annals New York Academy of Sciences,1999,885(20),85-99
【非特許文献2】Wintzen M.,Zanello S.B.,Holick M.F.,Wiegant V.M.,Burbach J.P.,Vermeer B.J.,Condition-dependent presence of beta-lipotropin-like peptide in human keratinocytes,Peptides,2000,21(5),691-697
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明においては、複雑な皮膚の炎症性反応等を抑制し、肌荒れや皮膚の老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するべく種々検討したところ、本発明者らはβ−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤の1種又は2種以上とを併用して皮膚外用剤に含有させることにより、肌荒れ及び皮膚の老化の防止,改善効果の相乗的な向上が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、安定性及び安全性が良好で、肌荒れ及び皮膚の老化の防止,改善効果が相乗的に向上した皮膚外用剤を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明において、β−エンドルフィン産生促進剤としては、特に限定されないが、テルミナリアエキス,トウキンセンカエキス,ジャイアントケルプエキス,ローズウォーターから選択される1種又は2種以上を用いることが、皮膚外用剤に配合した際の効果の点及び皮膚刺激の点から好ましい。
【0014】
テルミナリア(Terminalia sericea)は、シクンシ科モモタマナ属植物の1種であり、そのエキスを用いる。セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)はオトギリソウ科オトギリソウ属植物の1種であり、そのエキスを用いる。トウキンセンカ(Calendula officinalis)は、キク科カレンデュラ属植物の1種であり、そのエキスを用いる。ジャイアントケルプは、レッソニア科に属するマクロシスティス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、マクロシスティス・インテグリフォリア(Macrocystis integrifolia)、ネオシティス・ルエトケアーナ(Nereocystis leutkeana)などの褐藻であり、そのエキスを用いる。
【0015】
これらのエキスを得るには、植物,藻類の全草,全藻,花,茎,樹皮,根,芽,種子,葉等いずれの部位を用いることが可能であるが、有効性や簡便性の点から、テルミナリアの場合は、樹皮或いは根を用いることが望ましく、セイヨウオトギリソウの場合は,全草を用いることが望ましく、トウキンセンカの場合は、頭花を用いることが望ましく、ジャイアントケルプの場合は、全藻を用いることが望ましい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、抽出溶媒中で撹拌やホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0016】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル,酢酸エチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水などを用いてもよい。さらに水や二酸化炭素,エチレン,プロピレン,エタノール,メタノール,アンモニア等の1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
【0017】
また、抽出物はそのままでも外用剤基剤に添加できるが、濃縮,乾固したものを水,極性溶媒に再度溶解したり、あるいは脱色,脱臭,脱塩等の精製処理,分画処理を行った後に用いても良い。また保存のためには、精製処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることが好ましい。あるいは、リポソーム等のベシクル,マイクロカプセル等に内包させることもできる。
【0018】
また、ローズウォーターは、ダマスクスバラ(Rosa damascena Miller)又は、センティフォリアバラ(Rosa centifolia L.)の花を水蒸気蒸留して得られる芳香を有する水性成分を用いる。
【0019】
本発明において、皮膚外用剤へのβ−エンドルフィン産生促進剤の配合量は0.00001〜10重量%が好ましく,0.0001〜5重量%がさらに好ましい。本願においては、抗炎症剤と併用することにより、β−エンドルフィン産生促進剤を単独で用いるよりはるかに少量で、有効な肌荒れ及び皮膚の老化防止,改善効果を得ることができる。
【0020】
本発明において、上記β−エンドルフィン産生促進剤と併用する抗炎症剤としては、コルチゾン,ヒドロコルチゾン,プレドニゾロン,メチルプレドニゾロン,デキサメタゾン,ベタメタゾン,トリアムシノロン,トリアムシノロンアセトニド,フルオシノロンアセトニド,フルオシノニド,ベクロメタゾン及びこれらのリン酸塩,プロピオン酸塩,酢酸塩,コハク酸塩等のステロイド性抗炎症剤、サリチル酸及びアスピリン,サリチルアミド,エテンザミド,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、インドメタシン,スリンダク等のインドール酢酸誘導体、フェニルブタゾン,オキシフェンブタゾン等のピラゾリジンジオン誘導体、メフェナム酸,フルフェナム酸等のアントラニル酸誘導体、イブプロフェン,ケトプロフェン,ナプロキセン等のプロピオン酸誘導体、ジクロフェナック,フェンブフェン,ブフェキサマク等のフェニル酢酸誘導体、ピロキシカム等のベンゾチアジン誘導体といった非ステロイド性抗炎症剤、グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸ジカリウム,グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸の誘導体並びにそれらの塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル,ステアリン酸グリチルレチニル,3-サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウム等のグリチルレチン酸の誘導体並びにそれらの塩、グアイアズレン,グアイアズレンスルホン酸エチル,グアイアズレンスルホン酸ナトリウム,カマズレン等のアズレン誘導体、アラントイン、アロイン、アロエエモジン、シコニン及びイソブチルシコニン,アセチルシコニン,イソバレリルシコニン等のシコニン誘導体、ギンセノシドRa1,ギンセノシドRa2,ギンセノシドRb1等のギンセノシド、及び20-グルコギンセノシドRf等のギンセノシド誘導体、ペオニフロリン、ペオノール及びペオノシド,ペオノリド等のペオノール誘導体などが挙げられる。
【0021】
また本発明においては抗炎症剤として、オウゴン(Scutellariae Radix),オウレン(Coptidis Rhizoma),カンゾウ(Glycyrrhizae Radix),クジン(Sophorae Radix),サイコ(Bupleuri Radix),シャクヤク(Paeoniae Radix),ショウマ(Cimicifugae Rhizoma),タイソウ(Zizyphi Fructus),チモ(Anemarrhenae Rhizoma),ボタンピ(Moutan Cortex),リュウタン(Gentianae Scabrae Radix),レンギョウ(Forsythiae Fructus),シコン(Lithospermi Radix),ニンジン(Ginseng Radix)等、抗炎症剤として用いられる生薬又はその抽出物を用いることもできる。
【0022】
本発明に係る皮膚外用剤には、これら抗炎症剤から1種又は2種以上を選択して用いる。
【0023】
本発明における抗炎症剤としては、皮膚外用剤への配合のしやすさから、グリチルリチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、オウレンから選択される1種又は2種以上が好ましく用いられ、肌荒れ改善効果の点から、グリチルリチン酸ジカリウム塩,グリチルレチン酸ステアリル及びオウレンから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0024】
本発明においては、β−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤の1種又は2種以上とを皮膚外用剤基剤に含有させる。皮膚外用剤全量あたりの配合量としては、抗炎症剤についてはその種類により異なるが、0.0001〜5.0重量%程度とするのが適切である。
【0025】
本発明に係る皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤,粉末剤,顆粒剤等、種々の剤型で提供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,美容液,パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム等の下地化粧料、乳液状,油性,固形状等の各剤型のファンデーション,アイカラー,チークカラー等のメイクアップ化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ネッククリーム,ボディローション等の身体用化粧料等として提供することができる。
【0026】
なお本発明に係る皮膚外用剤には、β−エンドルフィン産生促進剤及び抗炎症剤の他に、油性成分,界面活性剤,保湿剤,顔料,紫外線吸収剤,抗酸化剤,香料,防菌防黴剤等の一般的な医薬品及び化粧料用原料や、皮膚細胞賦活剤,美白剤等の生理活性成分を含有させることができる。
【実施例】
【0027】
更に、実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。なお、特に断らない限り、実施例中の量目は重量%で示した。
【0028】
まず、本発明に用いる各エキスを下記の要領で調製した。
【0029】
[製造例1] テルミナリアエキス
テルミナリアの乾燥樹皮及び乾燥根混合物1kgを粉砕し、メタノール9L中に添加し、室温で7日間撹拌しながら浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去することにより抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を0.8重量%となるよう1,3−ブチレングリコール:水=1:1混合物に溶解し、テルミナリアエキスを得た。
【0030】
[製造例2] セイヨウオトギリソウエキス
セイヨウオトギリソウの乾燥全草1kgを粉砕し、50重量%1,3−ブチレングリコール水溶液9L中に添加し、室温で7日間撹拌しながら浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去することにより抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を2.0重量%となるよう1,3−ブチレングリコール:水=1:1混合物に溶解し、セイヨウオトギリソウエキスを得た。
【0031】
[製造例3] トウキンセンカエキス
トウキンセンカの乾燥頭花1kgを粉砕し、50重量%エタノール水溶液9L中に添加し、室温で7日間撹拌しながら浸漬した。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去することにより抽出乾燥物を得た。得られた抽出乾燥物を2.0重量%となるよう1,3−ブチレングリコール:水=1:1混合物に溶解し、トウキンセンカエキスを得た。
【0032】
[製造例4] ジャイアントケルプエキス
ジャイアントケルプ(Macrocustis pyrifera)の全藻乾燥物1kgを粉砕し、3重量%塩化ナトリウム水溶液9L中に添加し、室温でホモジナイズした。抽出液をろ過して回収し、溶媒を除去することにより抽出乾燥物であるジャイアントケルプエキスを得た。
【0033】
[製造例5] ローズウォーター
センティフォリアバラ(Rosa centifolia L.)の開花直前の花を早朝採取したもの1kgを水蒸気蒸留法により香料成分と水溶性成分に分離した。水溶性成分をろ過することにより、ローズウォーターを得た。
【0034】
また、以下の本発明の実施例において配合した抗炎症剤は、医薬品又は化粧料用として市販されているものを用いた。抗炎症性生薬の抽出物の調製については、つぎに示す。
【0035】
[製造例6] カンゾウ抽出物
カンゾウ(Glycyrrhizae Radix)500gを乾燥,粉砕し、熱水1リットル中にて2時間抽出した。ろ過してろ液を回収し、次いで減圧濃縮した後凍結乾燥して、標記抽出物とした。
【0036】
[製造例7] オウレン抽出物
オウレン(Coptidis Rhizoma)500gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液1リットル中に浸漬して、25℃で7日間抽出した。ろ過してろ液を回収し、標記抽出物とした。
【0037】
[製造例8] クジン抽出物
クジン(Sophorae Radix)500gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液1リットル中に浸漬して、25℃で7日間抽出した。ろ過してろ液を回収し、標記抽出物とした。
【0038】
[製造例9] シャクヤク抽出物
シャクヤク(Paeoniae Radix)550gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液1リットル中に浸漬して、撹拌しながら20℃で10日間抽出した。次いでろ過してろ液を回収し、減圧濃縮した後凍結乾燥して、標記抽出物とした。
【0039】
[製造例10] ボタンピ抽出物
ボタンピ(Moutan Cortex)520gを乾燥,粉砕し、エタノール1リットル中に浸漬して10℃で14日間静置し、抽出した。ろ過してろ液を回収し、標記抽出物とした。
【0040】
[製造例11] リュウタン抽出物
リュウタン(Gentianae Scabrae Radix)650gを乾燥,粉砕し、熱水1リットル中にて4時間抽出した。ろ過してろ液を回収し、減圧濃縮した後凍結乾燥して、標記抽出物とした。
【0041】
[製造例12] レンギョウ抽出物
レンギョウ(Forsythiae Fructus)750gを粉砕し、1,3-ブチレングリコール1.2リットル中に浸漬して、撹拌しながら15℃で10日間抽出した。ろ過してろ液を回収し、標記抽出物とした。
【0042】
つづいて、本発明に係る皮膚外用剤についての実施例の処方を示す。
【0043】
[実施例1〜10、比較例1〜8] 水中油型クリーム剤
(1)ミツロウ 6.00
(2)セタノール 5.00
(3)還元ラノリン 8.00
(4)スクワラン 27.50
(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.00
(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.00
(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 5.00
(8)グリチルレチン酸ステアリル 0.25
(9)プロピレングリコール 5.00
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(11)精製水 全量を100とする量
(12)β−エンドルフィン産生促進剤 表1に示す量
(13)抗炎症剤 表1に示す量
製法:(1)〜(8)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(9)〜(11)の水相成分を混合,溶解し、75℃に加熱する。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(12),及び(13)を添加,混合する。
【0044】
【表1】

【0045】
表1に示した実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例8について、中波長紫外線(UVB)による皮膚のしわ形成に対する抑制効果を評価した。評価は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ0.2gずつ1日1回背部に塗布し、100mJ/cm2/回のUVBを1週間に3回、20週間照射し、ヘアレスマウス皮膚におけるしわの形成状況を観察し、表2に示す判定基準にしたがって点数化して評価した。結果は各群の平均値を算出し、UVB照射日数との関係により表3に示した。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
表3から明らかなように、β−エンドルフィン産生促進剤及び抗炎症剤をともに配合していない比較例8においては、UVB照射日数が10週を越える頃には皮膚に形成されたしわの深さは軽微〜中程度にまで達し、20週後には中程度のしわの形成が認められていた。有効成分として、β−エンドルフィン産生促進剤のみを含有する比較例1〜比較例5及び抗炎症剤のみを含有する比較例6,比較例7塗布群では、20週後に軽微〜中程度のなしわの形成が認められていた。これに対し、実施例塗布群においては、20週経過後においても、微小〜軽微なしわの形成が認められる程度で、対応する比較例と比べて有意にしわの形成が抑制されていた。
【0049】
つづいて、本発明の実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例8について使用試験を行い、皮膚の老化症状の改善効果を評価した。
【0050】
皮膚の老化症状の改善効果は、小じわ形成及び皮膚弾性の低下が顕著に認められる40才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。小じわの程度については肉眼観察及び写真撮影により評価し、皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して、それぞれ使用試験開始前及び終了後の状態を比較し、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階で評価した。結果は、各評価を得たパネラー数にて小じわについては表4に、皮膚弾性については表5に示した。
【0051】
【表4】

【0052】
【表5】

【0053】
表4,表5から明らかなように、有効成分を含有していない比較例8と比較して、β−エンドルフィン産生促進剤若しくは抗炎症剤を単独で配合した比較例1〜7においては、若干のしわ及び皮膚弾性改善効果が認められていたが、その程度はβ−エンドルフィン産生促進剤と抗炎症剤を併用して配合した実施例1〜10よりは低いものであった。
【0054】
また、本発明の実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例8について、肌荒れ症状の改善効果を評価した。肌荒れ症状の改善効果は、顕著な肌荒れ症状を呈する20才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。使用試験開始前及び終了後の皮膚の状態を、表6に示す評価基準にしたがって評価,点数化し、20名の平均値を算出して表7に示した。
【0055】
【表6】

【0056】
【表7】

【0057】
表7から明らかなように、本発明の実施例使用群ではいずれにおいても顕著な肌荒れの改善が認められ、使用試験終了後において、皮膚の状態はほぼ良好〜良好な状態にまで改善されていた。これに対し比較例使用群においても、良好な肌荒れの改善が認められていたが、その程度はそれぞれ対応する実施例使用群に比べて小さいものであった。
【0058】
[実施例11] ローション剤
(1)エタノール 20.0
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
(3)テルミナリアエキス 0.2
(4)ジプロピレングリコール 5.0
(5)1,3-ブチレングリコール 10.0
(6)グアイアズレンスルホン酸ナトリウム 0.2
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)精製水 全量を100とする量
製法:(8)に(1)〜(7)の成分を順次添加して、溶解,均一化する
【0059】
[実施例12] 乳剤
(1)セタノール 1.0
(2)ミツロウ 0.5
(3)ワセリン 2.0
(4)スクワラン 6.0
(5)ジメチルポリシロキサン 2.0
(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノステアリン酸エステル 1.0
(7)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.0
(8)グリセリン 4.0
(9)1,3-ブチレングリコール 4.0
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)精製水 全量を100とする量
(12)カルボキシビニルポリマー(1.0%水溶液) 10.0
(13)水酸化カリウム(10.0%水溶液) 1.0
(14)セイヨウオトギリソウエキス 0.1
(15)アラントイン 0.2
(16)エタノール 5.0
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合し、加熱溶解して75℃とする。一方、(8)〜(11)の水相成分を混合,溶解して75℃とする。これに前記油相を加えて予備乳化した後、(12)を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、次いで(13)を加えて増粘させた後冷却し、40℃で(14)〜(16)を添加,混合する。
【0060】
[実施例13] 乳剤
(1)セタノール 1.0
(2)ミツロウ 0.5
(3)ワセリン 2.0
(4)スクワラン 6.0
(5)ジメチルポリシロキサン 2.0
(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノステアリン酸エステル 1.0
(7)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.0
(8)グリチルレチン酸ステアリル 0.2
(9)グリセリン 4.0
(10)1,3-ブチレングリコール 4.0
(11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(12)精製水 全量を100とする量
(13)カルボキシビニルポリマー(1.0%水溶液) 10.0
(14)水酸化カリウム(10.0%水溶液) 1.0
(15)エタノール 5.0
(16)カンゾウ抽出物 0.2
(17)トウキンセンカエキス 0.1
製法:(1)〜(8)の油相成分を混合し、加熱溶解して75℃とする。一方、(9)〜(12)の水相成分を混合,溶解して75℃とする。これに前記油相を加えて予備乳化した後、(13)を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、次いで(14)を加えて増粘させた後冷却し、40℃で(15)〜(17)を加え、混合する。
【0061】
[実施例14] 水中油型クリーム剤
(1)ミツロウ 6.0
(2)セタノール 5.0
(3)還元ラノリン 8.0
(4)スクワラン 27.5
(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0
(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0
(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン
モノラウリン酸エステル 5.0
(8)プロピレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 全量を100とする量
(11)ジャイアントケルプエキス 0.05
(12)クジン抽出物 0.1
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解し、75℃に加熱する。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11),及び(12)を添加,混合する。
【0062】
[実施例15] ゲル剤
(1)ジプロピレングリコール 10.0
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5
(3)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(4)ローズウォーター 2.0
(5)シャクヤク抽出物 0.3
(6)水酸化カリウム(10.0%水溶液) 1.0
(7)精製水 全量を100とする量
製法:(7)に(1)〜(5)を均一に溶解した後、(6)を加えて増粘させる。
【0063】
[実施例16] 水中油型乳剤型軟膏
(1)白色ワセリン 25.0
(2)ステアリルアルコール 25.0
(3)グリセリン 12.0
(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 全量を100とする量
(7)セイヨウオトギリソウエキス 0.1
(8)ボタンピ抽出物 1.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、75℃とする。一方、(5)〜(6)の水相成分を混合,加熱して75℃とする。この水相成分に前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却した後、40℃にて(7),及び(8)を添加,混合する。
【0064】
[実施例17] リポソーム剤
(1)グリセリン 2.0
(2)1,3-ブチレングリコール 3.0
(3)ポリオキシエチレン(25E.O.)オレイルエーテル 0.2
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)精製水 全量を100とする量
(7)テルミナリアエキス,オウレン抽出物内包リポソーム
5.0
製法:(5)を(4)に溶解し、(1)〜(3)とともに(6)に添加して均一に混合し、これに(7)を加えて分散する。なお、(7)のテルミナリアエキス,オウレン抽出物内包リポソームは、テルミナリアエキス 1.0(w/v)%及びオウレン抽出物2.0(w/v)%を含有する50容量%エタノール水溶液100mLに、大豆レシチン80gを添加して55℃で懸濁し、次いで超音波処理してリポソームを調製し、遠心分離により回収して得た。
【0065】
[実施例18] 油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.0
(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6
(6)L-セリン 0.4
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)トウキンセンカエキス 0.1
(10)レンギョウ抽出物 1.5
(11)精製水 全量を100とする量
(12)香料 0.1
製法:(5),(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、あらかじめ50℃に加温した(4)に撹拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに、(7)〜(10)を(11)の残部に添加し、70℃に加熱したものを撹拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、40℃にて(12)を添加,混合する。
【0066】
[実施例19] メイクアップベースクリーム
(1)ステアリン酸 12.00
(2)セタノール 2.00
(3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.50
(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.00
(5)プロピレングリコール 10.00
(6)ジャイアントケルプエリス 0.02
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(8)リュウタン抽出物 0.05
(9)水酸化カリウム 0.30
(10)精製水 全量を100とする量
(11)酸化チタン 2.00
(12)ベンガラ 0.40
(13)黄酸化鉄 0.10
(14)香料 0.10
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(5)〜(10)の水相成分を混合,加熱溶解し、これに(11)〜(13)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(14)を添加,混合する。
【0067】
[実施例20] 乳液状ファンデーション
(1)ステアリン酸 2.00
(2)スクワラン 5.00
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00
(4)セタノール 1.00
(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.00
(6)1,3-ブチレンクリコール 6.00
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(8)水酸化カリウム 0.08
(9)精製水 全量を100とする量
(10)酸化チタン 9.00
(11)タルク 7.40
(12)ベンガラ 0.50
(13)黄酸化鉄 1.10
(14)黒酸化鉄 0.10
(15)ローズウォーター 1.00
(16)ボタンピ抽出物 1.00
(17)香料 0.15
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(6)〜(9)の水相成分を混合,加熱溶解し、これに(10)〜(14)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(15)〜(17)を添加,混合する。
【0068】
[実施例21] ハンドクリーム
(1)セタノール 4.00
(2)ワセリン 2.00
(3)流動パラフィン 10.00
(4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.50
(5)ポリオキシエチレン(60E.O.)グリセリル 2.50
イソステアリン酸エステル
(6)酢酸トコフェロール 0.25
(7)グリセリン 20.00
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10
(9)テルミナリアエキス 0.05
(10)グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
(11)精製水 全量を100とする量
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(7)〜(11)の水相成分を混合,溶解し、75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却する。
【0069】
[実施例22] パック
(1)精製水 全量を100とする量
(2)ポリビニルアルコール 12.5
(3)エタノール 10.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1540) 3.0
(6)セイヨウオトギリソウエキス 0.2
(7)カンゾウ抽出物 0.2
製法:(1)に(2)〜(7)の成分を順次添加して、混合,溶解,均一化する。
【0070】
[実施例23] ヘアートニック
(1)エタノール 50.0
(2)精製水 全量を100とする量
(3)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(4)トウキンセンカエキス 0.5
製法:(1)〜(4)の成分を、混合,均一に溶解する。
【0071】
[実施例24] ヘアーシャンプー
(1)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 18.0
(2)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
(3)プロピレングリコール 2.0
(4)ジャイアントケルプエキス 0.03
(5)アラントイン 0.1
(6)精製水 全量を100とする量
製法:(1)〜(5)の成分を順次(6)に添加して、均一とする。
【0072】
[実施例25] ヘアーリンス
(1)セタノール 3.0
(2)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.7
(3)グリセリン 3.0
(4)N-ココイル-L-アルギニンエチルエステル
-DL-ピロリドンカルボン酸塩 0.1
(5)アラントイン 0.1
(6)ローズウォーター 0.7
(7)精製水 全量を100とする量
製法:(1)〜(6)の成分を順次(7)に添加して、混合する。
【0073】
[実施例26] 液体ボディシャンプー
(1)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
トリエタノールアミン(30.0%水溶液) 20.0
(2)N-ラウロイルメチルタウリンナトリウム
(30.0%水溶液) 10.0
(3)ラウリン酸トリエタノールアミン 10.0
(4)ミリスチン酸トリエタノールアミン 10.0
(5)ラウロイルイミダゾリニウムベタイン 5.0
(6)ラウロイルジエタノールアミド 5.0
(7)プロピレングリコール 7.0
(8)テルミナリアエキス 0.3
(9)カンゾウ抽出物 0.5
(10)精製水 全量を100とする量
製法:(1)〜(9)の成分を、順次(10)に添加して、混合する。
【0074】
[実施例27] 洗顔フォーム
(1)ミリスチン酸 18.0
(2)パルミチン酸 3.0
(3)ステアリン酸 7.0
(4)混合脂肪酸トリグリセリド 0.1
(5)グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3.0
(7)精製水 全量を100とする量
(8)グリセリン 17.0
(9)水酸化カリウム 7.8
(10)ジグリセリン 3.0
(11)1,3-ブチレングリコール 1.0
(12)N-ステアロリル-L-グルタミン酸二ナトリウム 1.0
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(14)トウキンセンカエキス 0.3
(15)グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(16)カンゾウ抽出物 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱溶解して70℃とする。(7)〜(16)の水相成分を混合,溶解して70℃に加熱する。この水相成分に前記油相を徐々に添加してケン化した後、混合しながら冷却する。
【0075】
なお実施例1〜実施例27については、25℃で6カ月間保存した場合において状態の変化は全く認められず、男性パネラー30名による48時間の背部閉塞貼付試験においても、問題となる皮膚刺激性反応は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β−エンドルフィン産生促進剤と、抗炎症剤とを含有して成る、皮膚外用剤。
【請求項2】
β−エンドルフィン産生促進剤が、テルミナリアエキス,セイヨウオトギリソウエキス,トウキンセンカエキス,ジャイアントケルプエキス,ローズウォーターから選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
抗炎症剤が、ステロイド性抗炎症剤、非ステロイド性抗炎症剤、グリチルリチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アズレン誘導体、アラントイン、アロイン、アロエエモジン、シコニン誘導体、ギンセノシド誘導体、ペオノール誘導体、オウレン,オウゴン,カンゾウ,クジン,サイコ,シャクヤク,ショウマ,タイソウ,チモ,ボタンピ,リュウタン,レンギョウ,シコン,ニンジンの生薬又はその抽出物から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2006−8536(P2006−8536A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184336(P2004−184336)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】