説明

皮膚外用剤

【課題】
(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上と、(b)アクリルアミド系増粘剤とを組み合わせることにより、低pHであっても、粘度安定性を改善して、使用性および安定性に優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】
(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上を1.0〜7.0質量%と、(b)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜7.0質量%含有し、かつpHが0.1〜5.0である皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関するものであり、より詳細には、使用性および安定性に優れた、皮膚の改善、老化防止、しわの予防・改善等のための皮膚外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚表面の古い角質層を剥離し、さらに新しい角質層を再生させて、表皮のターンオーバー(新陳代謝)を促進させる効果を有するとして、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸または酒石酸のようなα−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸、フェノール等が、肌のきめ、くすみ、荒れ等を改善する薬剤として、化粧品に代表される皮膚外用剤中に配合されている。また、それら化合物は、小しわやしみ、そばかす、肝斑、老人性色素斑などの各種色素沈着、座そう(ニキビ)、皮膚炎痕、火傷、熱傷、創傷およびそれらの瘢痕皮膚のしわとりまたはしみとりなどのためのケミカルピーリングに用いられている(例えば、特許文献1および2)。それら薬剤による肌のきめやくすみ、ニキビ等の改善は、pHが低いほど、また配合量が多いほど向上するが、その配合量が多くなると、粘度が低くなり、使用時にたれ落ちて使用性が悪いという問題があった。
【0003】
例えば、カルボキシビニルポリマーとα−ヒドロキシ酸とを特定の配合割合で配合させたり、または、α−ヒドロキシカルボン酸と、キサンタンガムのようなヘテロバイオ多糖ガムと、無機増粘剤と、ポリアクリルアミド等をそれぞれ特定の配合量で配合させることによって、α−ヒドロキシ酸を含む組成物において粘度を高める試みがなされている(特許文献3および4)。また、市販品は、増粘剤として、キサンタンガムまたはヒドロキシエチルセルロースを用いている。
【0004】
しかしながら、それら市販品や従来の組成物はいずれも粘度が、5000mPa・s以下の場合が多く、実際に眼の周囲などに塗布するとたれ落ちて眼に入る恐れがあり、甚大な被害をもたらす可能性があった。特に、α−ヒドロキシ酸等の化合物を1.0質量%以上
含み、かつ低pHである場合には、十分かつ安定な増粘をもたらすことはできなかった。また、従来の組成物はいずれも、粘度安定性が悪く、製造直後には高い粘度を有していても、保存中、特に高温での保存中に粘度が著しく低下するという問題があった。また、増粘剤の量を増やして製造時の粘度を高くしすぎると、その使用性が悪くなるという問題があった。さらに、肌に塗布後、放置時に水分が蒸散して皮膚外用剤が乾燥し、含有物が析出して十分な肌への効果が得られないという問題もあった。
一方で、安定性が良好なアクリルアミド系増粘剤として、水膨潤性高分子のミクロゲルからなる増粘剤が本出願人により開発され、化粧料に利用されている(特許文献5)。
【特許文献1】特開平5−139947号公報
【特許文献2】国際公開第01/017487号パンフレット
【特許文献3】特開平10−218753号公報
【特許文献4】特開平8−53322号公報
【特許文献5】特許第3708531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上と、(b)アクリルアミド系増粘剤とを組み合わせることにより、低pHであっても、粘度安定性を改善して、使用性および安定性に優れた皮膚外用剤を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記従来の問題点を解決すべく鋭意研究をした結果、(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上と、(b)アクリルアミド系増粘剤を組み合わせることによって、低pHであっても、粘度安定性を改善して、使用性および安定性に優れた皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上を1.0〜7.0質量%と、(b)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜7.0質量%含有し、かつpHが0.1〜5.0である皮膚外用剤に関する。
また本発明は、前記(a)α−ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸および酒石酸からなる群より選択される1種または2種以上である皮膚外用剤に関する。
また本発明は、前記(b)アクリルアミド系増粘剤が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸アミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリルアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上の増粘剤である皮膚外用剤に関する。
また本発明は、さらに、(c)植物プランクトン(微細藻類)の水含有溶媒による抽出物を含有する皮膚外用剤に関する。
また本発明は、前記(c)植物プランクトンが、セネデスムス属の植物プランクトン(微細藻類)の水含有溶媒による抽出物である皮膚外用剤に関する。
また本発明は、前記皮膚外用剤が、ケミカルピーリング用組成物である皮膚外用剤に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚外用剤は、室温のみならず、高温でも粘度安定性に優れており、α−ヒドロキシ酸等を含有しかつ低pHであっても、粘度低下が少なく、使用に適切な粘度を安定に維持できる。さらに、放置時の水分蒸散による皮膚外用剤の乾燥が生じにくい。従って、使用性および安定性がよく、かつ、肌のきめやくすみ、ニキビ等の改善効果に優れている皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の皮膚外用剤は、(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上を必須成分として含有する。
【0010】
本発明の皮膚外用剤で用いられるα−ヒドロキシ酸は、従来から、化粧料や洗浄剤の緩衝剤や中和剤として用いられており、また、角質の柔軟化または細胞賦活化等の目的で各種化粧料に配合されている。本発明の皮膚外用剤に配合されるα−ヒドロキシ酸として、特に限定はされないが、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリセリン酸、ピルビン酸、マンデル酸等が挙げられる。中でも、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、または酒石酸が、表皮のターンオーバーを促進する効果に優れており、特に好ましく本発明の皮膚外用剤中に配合される。本発明の皮膚外用剤中に、これらのα−ヒドロキシ酸を単独で配合しても、または必要に応じて2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0011】
本発明の皮膚外用剤で用いられるサリチル酸は、従来から、各種外用剤において抗菌剤として用いられており、また、近年、しわやしみの改善等のためのケミカルピーリング剤としても用いられている。また、トリクロロ酢酸およびフェノールも、特に欧米を中心に、ケミカルピーリング剤として用いられている。
【0012】
本発明の皮膚外用剤における前記(a)の配合量は、皮膚外用剤全量に対して1.0〜7.0質量%であり、好ましくは2.0〜6.0質量%である。1.0質量%未満では、肌のざらつきをなくし、つるつる・すべすべにする効果をもたらすことができない場合があり、また7.0質量%を越えると、皮膚刺激が大きく、また粘度の調整が困難になる。
【0013】
さらに、本発明の皮膚外用剤は、(b)アクリルアミド系増粘剤を必須成分として含有する。該(b)成分としては、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸アミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリルアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0014】
本発明の皮膚外用剤においては、(b)アクリルアミド系増粘剤の中でも、特許文献5に記載されている方法で製造される水膨潤性高分子のミクロゲルからなる増粘剤、例えば、(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーが好ましく用いられる。
【0015】
本発明の皮膚外用剤における前記(b)アクリルアミド系増粘剤の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.1〜7.0質量%であり、好ましくは1.0〜6.0質量%である。0.1質量%未満では、皮膚外用剤の粘度を十分かつ安定に維持することができない場合があり、また7.0質量%を超えて配合すると、皮膜が形成されて、使用感触が損なわれる場合がある。
【0016】
また、本発明の皮膚外用剤のpHは0.1〜5.0であるが、皮膚への刺激性の観点から、より好ましくはpH1.0〜5.0である。
【0017】
本発明の皮膚外用剤においては、さらに(c)植物プランクトンの水含有溶媒による抽出物を配合することが好ましい。植物プランクトンの水含有溶媒による抽出物を配合することによって、安定性などを損なうことなく皮膚のつるつる感・すべすべ感を高める効果が得られる。
該(c)成分に用いられる植物プランクトンとしては、緑藻類の植物プランクトン、具体的にはセネデスムス属の植物プランクトン、ケラスツルム属のプランクトン、ディクティオスフェリウム属のプランクトン、コスモクラディウム属のプランクトン、テトラスポーラ属のプランクトン、クルキゲニア属のプランクトン、アンキストロデスムス属のプランクトン、セレナスツルム属のプランクトン、アクチナスツルム属のプランクトン、クロステリウム属のプランクトン、キサンチディウム属のプランクトン、スタウラスツルム属のプランクトン、スタウラスツルム属のプランクトン、スポンディロシウム属のプランクトン、ミクラステリアス属のプランクトン、等が挙げられる。これらの植物プランクトンを水含有溶媒によって抽出物したものを本発明の皮膚外用剤に配合する。
中でも、セネデスムス属の植物プランクトン(微細藻類)としては、セネデスムス エスピー.(Scenedesmus sp.)が好ましく、その中でも砂漠地帯の過酷な環境下で生息するセネデスムス エスピー.(Scenedesmus sp.)を培養したものであることがさらに好ましい。培養方法としては、酸化ストレス下(酸化性条件下)で培養したものであることが好ましい。
【0018】
本発明においては、上記の植物プランクトン(微細藻類)培養物を採集し、粉砕したものを水含有溶媒で抽出する。水含有溶媒としては、水、あるいはメタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール類の含水物や、アセトンと水との混合物が挙げられる。このうち最も好ましいものは水である。
セネデスムス エスピー.(Scenedesmus sp.)培養物の水含有溶媒による抽出物としては、市販されているものを用いることも可能であり、例えばBIOPLASMA(Biotech Marine社製)が挙げられる。
【0019】
本発明の皮膚外用剤における前記(c)植物プランクトンの水含有溶媒による抽出物の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.001〜10質量%であり、好ましくは0.01〜1質量%である。
【0020】
本発明の皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに(b)アクリルアミド系増粘剤以外の増粘剤を配合することができる。さらに配合できる増粘剤としては、特に限定はされないが、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、寒天、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト等が挙げられる。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、通常、皮膚に塗布後、一定時間放置してから拭き取る使用方法を取るため、放置時に水分が蒸散し皮膚外用剤が乾燥すると、含有成分が析出する問題がある。カルボキシビニルポリマーやキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース等だけで適度な粘度の組成物を調整すると、皮膚外用剤の乾燥を効果的に抑制することができない。また、ジェランガムや、ネイティブジェランガム等だけで適度な粘度の組成物を調整すると使用性や安定性の点で好ましくない。
【0022】
本発明の皮膚外用剤は、室温(25℃)で1ヶ月静置保存後の粘度および50℃で1ヶ月静置保存後の粘度(共に室温(25℃)で測定した粘度)が、共に10000〜40000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは、15000〜30000mPa・sである。そのような粘度範囲にある場合に、一般消費者が使用した場合でも、たれ落ちが特に少なく、使用性および安定性に特に優れている。
【0023】
本発明の皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに中和剤を配合することができる。中和剤は、特に限定されないが、苛性カリ、苛性ソーダ、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、トリエタノールアミン、L−アルギニン、L−リジン等が挙げられる。特に、クエン酸ナトリウム、苛性ソーダが好ましい。本発明の皮膚外用剤中に、これらの中和剤を単独で配合しても、または必要に応じて2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の皮膚外用剤における中和剤の配合量は、好ましくは、外用剤全量に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0024】
本発明の皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、さらに保湿剤を配合することができる。保湿剤は、特に限定されないが、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸等が挙げられる。特に、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。本発明の皮膚外用剤中に、これらの保湿剤を単独で配合しても、または必要に応じて2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の皮膚外用剤における保湿剤の配合量は、好ましくは、外用剤全量に対して0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。
【0025】
本発明の皮膚外用剤の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、(1)精製水にすべての成分を溶解し、ろ過して目的の皮膚外用剤を得る方法、あるいは、(2)予め、アクリルアミド系増粘剤を、水系成分の一部に溶解後、ゲル化させ、得られたゲルをホモジナイザー、ディスパー、メカニカルスターラー等を用いて破砕して、ミクロゲル(ゲルパーツ)を調製した後、ゲルパーツと他の成分と混合して、目的の皮膚外用剤を得る方法が挙げられる。
【0026】
本明細書において、「皮膚外用剤」は、外皮に適用するものであれば特に限定されず、化粧料、医薬品、医薬部外品等を含む。中でも、ケミカルピーリングに用の組成物であることが好ましい。
剤型は、水溶液系、可溶化系、乳化系、ジェル、油液系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層など、任意の剤型を含む。また、シート状基剤に担持されたもの等、特に限定されず、またその使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、ジェル、クリーム、パック等、任意の形態で使用できる。特に好ましくは、ジェルでる。
【0027】
本発明の皮膚外用剤は、上記した必須構成成分の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の任意の成分を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。例えば、上記必須配合成分と、下記成分の1種または2種以上とを配合して本発明の皮膚外用剤を調製できる。
【0028】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAメチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ−β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、3-(4'-メチルベンジリデン)-d,1-カンファー、3-ベンジリデン-d,1-カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられ、任意の1種または2種以上を用いることができる。
【0029】
紫外線散乱剤としては、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化セリウムなどの粉末が挙げられる。
【0030】
これら紫外線散乱剤は、通常、針状、紡錘状、球状、粒状の粉末が使用される。また、粒子径が0.1μm以下の微粒子粉末が好ましい。
【0031】
メチルハイドロジェンポリシロキサンやシランカップリング剤などのシリコーン処理;金属石鹸処理;パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩やパーフルオロアルキルシラン等のフッ素処理、デキストリン脂肪酸エステル処理等により、疎水化処理した紫外線散乱剤も好ましい。
【0032】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0033】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0034】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0035】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が挙げられる。
【0036】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0037】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0038】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンランダム重合体メチルエーテル等が挙げられる。
【0039】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0040】
その他には、エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘキサクロロフェン等の抗菌剤;アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン等の有機酸;ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステル(塩)、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール,β−トコフェロール、δ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸およびその誘導体、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、セイヨウサンザシエキス、セイヨウオト、ギリソウエキス、アイリス・インエキス、アセンヤクエキス、イチョウ葉エキス、イブキジャコウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、ウオーターリリーエキス、エイジツエキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、クチナシエキス、紅茶エキス、セイカリュウエキス、トルメンチラエキス、バラエキス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等の植物の抽出物、色素、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキセチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、δ−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、パラベン等の防腐剤が挙げられる。
【0041】
さらに、本発明の皮膚外用剤は、α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸またはフェノールの他に、例えばN,N,N−トリメチルグリシン(TMG)、L−セリン、マロン酸、またはコハク酸のような他の任意の角質剥離剤をさらに含んでいてもよい。そのような角質剥離剤をさらに配合することによって、より高い美肌効果をもたらすことができる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
増粘剤の検討を、表1に示す処方でα−ヒドロキシ酸(グリコール酸)および各増粘剤を含む外用剤を調製した。配合量は全て、外用剤全量に対する質量%で表す。各外用剤の製造方法は、次の通りである。
<実施例1および比較例1〜4の外用剤の製造方法>
各増粘剤をイオン交換水に加熱溶解した後、残りの成分を溶解し、室温に冷却し、ろ過して外用剤を得た。
【0044】
得られた外用剤について、以下の評価方法によって、粘度測定、安定性評価、使用性官能評価、におい官能評価および塗布・放置時の乾燥状態の評価を行った。
【0045】
<粘度測定>
B型粘度計(「ビスメトロン粘度計」芝浦システム(株)製、型式VS−A1、回転数12rpm、ローター4号を用いて、製造直後、室温で1ヶ月静置後、および50℃で1ヶ月静置後の各外用剤の粘度を、室温(25℃)にて測定した。
【0046】
<安定性評価>
実施例1〜3、ならびに比較例1および2の各外用剤を、50℃で1ヵ月静置して、その状態を目視で確認して、経時的な安定性について評価した。なお、この50℃で1カ月という試験環境は、実使用や保存時の安定性を考慮して設定した条件であり、この試験環境で明らかな品質の低下が認められる場合には、種々の使用環境が想定される外用剤として不適である。
【0047】
<使用性官能評価>
実施例1〜3、ならびに比較例1および2の外用剤の使用性についての官能評価を行った。すなわち、専門パネラー5名が、各外用剤(50℃で1ヵ月静置)を使用し、たれ落ちのなさについて、「非常によい(5点)〜よい(4点)〜普通(3点)〜悪い(2点)〜非常に悪い(1点)」の5段階で評価した。評価結果は、5人の評価の平均値を求めて、次の基準に従って表した:
◎:5人の評価の平均値が4.0〜5.0である
○:5人の評価の平均値が3.0〜3.9である
△:5人の評価の平均値が2.0〜2.9である
×:5人の評価の平均値が1.0〜1.9である
【0048】
<におい官能評価>
実施例1〜3、ならびに比較例1および2の外用剤の使用性についての官能評価を行った。すなわち、専門パネラー5名が、各外用剤(50℃で1ヵ月静置)を使用し、においの官能評価について、「非常によい(5点)〜よい(4点)〜普通(3点)〜悪い(2点)〜非常に悪い(1点)」の5段階で評価した。評価結果は、5人の評価の平均値を求めて、次の基準に従って表した:
◎:5人の評価の平均値が4.0〜5.0である
○:5人の評価の平均値が3.0〜3.9である
△:5人の評価の平均値が2.0〜2.9である
×:5人の評価の平均値が1.0〜1.9である
【0049】
<塗布・放置時の乾燥状態の評価>
実施例1〜3、ならびに比較例1および2の外用剤の塗布・放置時の乾燥状態について評価を行った。すなわち、専門パネラー1名が、各外用剤(50℃で1ヵ月静置)を被験者の皮膚に塗布使用し、10分経過した時点での外用剤の乾燥状態について、以下の5段階で評価した:
◎:皮膚外用剤は乾燥せず、含有成分の析出は見受けられなかった
○:皮膚外用剤は多少乾燥したが、含有成分の析出は見受けられなかった
△:皮膚外用剤は多少乾燥し、含有成分の析出が若干見受けられた
×:皮膚外用剤が乾燥し、含有成分の析出が見受けられた
【0050】
結果を表1に併せて示す:
【0051】
【表1】

【0052】
本発明のグリコール酸と(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマーとを含有する外用剤(実施例)は、室温または50℃で1ヵ月静置後の粘度がいずれも適切な範囲内にあり、また室温のみならず、50℃での保存後も粘度低下がなく、安定性および使用性に非常に優れていた。さらに、塗布・放置による乾燥も生じなかった。一方、グリコール酸と(アクロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーとを含有する外用剤(比較例1)では、製造直後からアンモニア臭が非常に感じられ、3.0質量%を超えての配合は実質困難であった。(アンモニア臭は1.0%以上で非常に感じられた。)また、2割以上の粘度低下が認められ、たれ落ちのなさでの評価は悪く、においの官能評価も非常に悪かった。グリコール酸と(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーとを含有する外用剤(比較例2)では、直後の状態は良かったものの、50℃での粘度が、急激に低下し、使用性と安定性が悪かった。また、グリコール酸とサクシノグリカンとを含有する外用剤(比較例3)では、50℃で1ヵ月保存品でのにおいが非常に悪く、使用性も悪かった。また、グリコール酸とキサンタンガムとを含有する外用剤(比較例4)では、十分な粘度が得られず、50℃で1ヵ月保存品でのにおいが非常に悪く、使用性も悪かった。
【0053】
以下に、本発明の皮膚外用剤の処方例を実施例として示す。尚、配合量は全て製品全量に対する質量%で表す。
【0054】
実施例2
グリコール酸 4.0
(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー 3.5
ダイナマイトグリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.9
苛性ソーダ 1.0
アデノシン3リン酸2ナトリウム 1.0
セネデスムス エスピー.(Scenedesmus sp.)培養物の水含有溶媒による抽出物(BIOPLASMA TM Biotech Marine社製) 0.1
フェノキシエタノール 0.5
精製水 残部
(製法)精製水にすべての成分を溶解し、ろ過した。
【0055】
実施例3
グリコール酸 7.0
(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)クロスポリマー 7.0
ダイナマイトグリセリン 3.0
ジプロピレングリコール 2.0
乳酸 1.0
乳酸ナトリウム 0.1
苛性カリ 1.0
アデノシン3リン酸2ナトリウム 1.0
セネデスムス エスピー.(Scenedesmus sp.)培養物の水含有溶媒による抽出物 1.0
酢酸トコフェノール 0.1
PPG−13デシルテトラデセスー24 1.0
フェノキシエタノール 0.5
香料 0.05
精製水 残部
(製法)ジプロピレングリコールに酢酸トコフェノール、香料、PPG−13デシルテトラデセスー24を加え、50℃に加熱し、攪拌したパーツを、精製水に加え、その後、残りの成分を溶解し、ろ過した。
【0056】
実施例4
トリクロロ酢酸 2.0
2−アクリルアミド−2− メチルプロパンスルホン酸共重合体(SIMULGEL EG:SEPIC社製) 1.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
ジェランガム 0.6
苛性ソーダ 1.0
塩化ナトリウム 0.7
精製水 残部
<製法>
精製水にすべての成分を溶解し、ろ過した。
【0057】
実施例5 O/Wクリーム
流動パラフィン 8.0
ワセリン 3.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン 1.0
ジイソステアリン酸グリセリル 0.1
ステアリルアルコール 3.0
ベヘニルアルコール 2.0
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 4.0
エリスリトール 1.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4.0
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.015
PEG/PPG−14/7ジメチルエーテル 0.1
テンチャエキス 0.05
クララエキス 0.25
酢酸トコフェロール 0.1
酵母エキス 5.0
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン 0.01
パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル 0.1
水溶性コラーゲン 0.01
ポリビニルアルコール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
L−セリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
L−ヒドロキシプロリン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
パントテニルエチルエーテル 1.0
γ―オリザノール 1.0
トラネキサム酸 3.0
精製水 残余
香料 適量
【0058】
これら実施例2〜5の本発明の外用剤は、いずれも安定性および使用性に優れていた。また、皮膚に塗布後、放置時に水分が蒸散し皮膚外用剤が乾燥して含有成分が析出することがなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)α−ヒドロキシ酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸およびフェノールからなる群より選択される1種または2種以上を1.0〜7.0質量%と、(b)アクリルアミド系増粘剤を0.1〜7.0質量%含有し、かつpHが0.1〜5.0であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
(a)α−ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸および酒石酸からなる群より選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
(b)アクリルアミド系増粘剤が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸アミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリルアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上の増粘剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
さらに、(c)植物プランクトンの水含有溶媒による抽出物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
(c)植物プランクトンが、セネデスムス属の植物プランクトン(微細藻類)の水含有溶媒による抽出物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
皮膚外用剤が、ケミカルピーリング用組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2008−231010(P2008−231010A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71731(P2007−71731)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】