説明

皮膚外用剤

【課題】日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、また、皮膚の美白を回復させる効果をいっそう向上させた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】次の一般式(1)


(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)で示される有機ゲルマニウム化合物5.1〜50重量%以上と、コエンザイムQ10で示される補酵素0.4〜1.6重量%と、を含有する皮膚外用剤とする。前記有機ゲルマニウム化合物は、好ましくは、次の式(GeCH2CH2COOH)23で示されるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させる効果を有する皮膚外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、次の式
(GeCH2CH2COOH)23
で示されるゲルマニウム含有脂肪酸、或いは、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、又は、アミド誘導体よりなる有機ゲルマニウム化合物を含有する皮膚外用剤が提案されている(特許文献1を参照。)。この皮膚外用剤は、外用軟膏基剤又は皮膚化粧料用基剤に0.01〜5重量%、望ましくは、0.1〜1.0重量%の割合で配合されて、外用軟膏又は皮膚化粧料とされるが、この外用軟膏によれば、皮膚疾患、特に、色素沈着症の改善に効果を奏し、また、この皮膚化粧料によれば、小じわの改善にも効果を奏するものとされている。
【0003】
しかしながら、前記有機ゲルマニウム化合物0.01〜5重量%を含有する皮膚外用剤は、顔面頸部の皮膚のたるみを改善するものであったが、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、皮膚の美白を回復させる効果に関しては、満足の行くものが得られないという問題があった。
【特許文献1】特開2005−281285
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
【0005】
即ち、本発明は、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、また、皮膚の美白を回復させる効果をいっそう向上させた皮膚外用剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、次の一般式(1)
【化1】

(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)
で示される有機ゲルマニウム化合物を含有する皮膚外用剤の「日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果」を向上させる実験を進めているうちに、前記有機ゲルマニウム化合物5.1〜50.0重量%を含有する皮膚外用剤に次の一般式(2)
【化2】

で示される補酵素0.4〜1.6重量%を含有させたところ、「日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果」をいっそう向上させることができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、次の一般式、
【化3】

(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)
で示される有機ゲルマニウム化合物5.1〜50.0重量%と、
次の一般式(2)
【化4】

で示される補酵素0.4〜1.6重量%と、
を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記有機ゲルマニウム化合物が、次の式(GeCH2CH2COOH)23 で示されるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記有機ゲルマニウム化合物の含有量が、8重量%以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,2に記載された発明によれば、次の一般式、
【化5】

(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)
で示される有機ゲルマニウム5.1〜50重量%と、
次の一般式(2)
【化6】

で示される補酵素0.4〜1.6重量%と、
を含有する皮膚外用剤としたので、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果をいっそう向上させた皮膚外用剤を提供することができる。
【0011】
請求項3に記載された発明によれば、前記有機ゲルマニウム化合物の含有量が8〜50重量%以上であるので、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果をよりいっそう向上させた皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の皮膚外用剤は、次の一般式(1)
【化7】

(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)
で示される有機ゲルマニウム化合物5.1〜50.0重量%と、
次の一般式(2)
【化8】

で示される補酵素(以下、「CoQ10」という。)0.4〜1.6重量%と、
を含有している。
【0013】
前記有機ゲルマニウム化合物は、好ましくは、次の式
(GeCH2CH2COOH)23
で示されるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドである。
【0014】
図1は、後述する実施例1〜5で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて、「CoQ10」の添加量1/10の皮膚外用剤における皮膚外用剤のエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)とスコアとの関係を示すグラフである。図1によれば、本発明における有機ゲルマニウム化合物、即ち、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)が5.1重量%、6.0重量%、7.0重量%、8.0重量%と増加するにつれて、スコアも2,3,4,5と増加し、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)が10.0重量%に増加してもスコアが5であることがわかる。本発明者が実験したところによると、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)が50.0重量%まで増加しても同じ傾向が続くことが確認できた。
【0015】
前記図1に関する記載からみると、1)前記皮膚外用剤における有機ゲルマニウム化合物の含有量に下限値が存在すること、2)前記有機ゲルマニウム化合物の含有量が5.0重量%では、「皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果」が全く得られないこと、及び、前記有機ゲルマニウム化合物を含有する皮膚外用剤にCoQ10 を添加すると、前記「皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果」が向上すること、がわかる。
【0016】
したがって、本発明においては、前記皮膚外用剤における有機ゲルマニウム化合物は、好ましくは、有機ゲルマニウム5.1〜50重量%であり、さらに好ましくは、8〜50重量%以上である。
【0017】
図2は、後述する実施例10〜13,17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量7(重量%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係を示すグラフである。図3は、後述する実施例6,8,9,13,18で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量8(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」添加量とスコアとの関係を示すグラフである。図4は、後述する実施例5,14〜17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量10(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係を示すグラフである。
【0018】
図2に記載されたグラフからみると、皮膚外用剤におけるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドの添加量を7(重量%)としたときには、前記「CoQ10」の添加量が0.4重量%から0.6重量%に増加すると、スコアが3から4に上昇し、前記「CoQ10」の添加量が0.6重量%から0.8重量%、1.2重量%に増加するにつれて、スコアが4よりわずかに低下し、そして、前記「CoQ10」の添加量が1.2重量%から1.6重量%に増加するにつれて、スコアが4よりわずかに低下したところから、3よりわずかに低下したところに1程度の幅に低下することがわかる。
【0019】
また、図3に記載されたグラフからみると、皮膚外用剤におけるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドの添加量を8(重量%)としたときには、前記「CoQ10」の添加量が0.4重量%から0.6重量%に増加すると、スコアが4から5に上昇し、前記「CoQ10」の添加量が0.6重量%から0.8重量%、1.2重量%に増加するにつれて、スコアが5よりわずかに低下し、そして、前記「CoQ10」の添加量が1.2重量%から1.6重量%に増加するにつれて、スコアが5よりわずかに低下したところから、4よりわずかに低下したところに1程度の幅に低下することがわかる。
【0020】
また、図4に記載されたグラフからみると、皮膚外用剤におけるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドの添加量を10(重量%)としたときには、前記「CoQ10」の添加量が0.4重量%から0.6重量%に増加すると、スコアが4から5に上昇し、前記「CoQ10」の添加量が0.6重量%から0.8重量%、1.2重量%に増加するにつれて、スコアが5よりわずかに低下し、そして、前記「CoQ10」の添加量が1.2重量%から1.6重量%に増加するにつれて、スコアが5よりわずかに低下したところから、4よりわずかに低下したところに1程度の幅に低下することがわかる。
【0021】
以上、前記図2〜4に関する記載を併せてみると、前記有機ゲルマニウム化合物が含有された皮膚外用剤においては、前記「CoQ10」の添加量が0.4重量%から0.6重量%に増加すると、スコアが3〜4から4〜5に上昇し、前記「CoQ10」の添加量が0.6重量%から0.8重量%、1.2重量%に増加するにつれて、スコアが4〜5よりわずかに低下し、そして、前記「CoQ10」の添加量が1.2重量%から1.6重量%に増加するにつれて、スコアが4〜5よりわずかに低下したところに1程度の幅に低下するが、前記有機ゲルマニウム化合物を含有する皮膚外用剤にCoQ10 を添加することによって、前記「皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果」が3〜4程度のスコアにいっそう向上すること、がわかる。
【0022】
したがって、本発明においては、前記皮膚外用剤における前記「CoQ10」の含有量は、好ましくは、0.4〜1.6重量%である。
【0023】
このように、一般式(1)で示される有機ゲルマニウム5.1〜50.0重量%と、CoQ10 0.4〜1.6重量%と、を含有する皮膚外用剤とすると、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果をいっそう向上させた皮膚外用剤を提供することができる。
【0024】
また、前記有機ゲルマニウム化合物の含有量が8〜50重量%であると、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果をよりいっそう向上させた皮膚外用剤を提供することができる。
【実施例】
【0025】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水84.49重量%、次の式
(GeCH2CH2COOH)23
で示されるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド(以下、「ECGeSO」という。)5.1重量%、及び、CoQ10 0.51重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0027】
(実施例2)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水83.5重量%、ECGeSO 6.0重量%、及び、CoQ10 0.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0028】
(実施例3)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水82.4重量%、ECGeSO 7.0重量%、及び、CoQ10 0.7重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0029】
(実施例4)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水81.3重量%、ECGeSO 8.0重量%、及び、CoQ10 0.8重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0030】
(実施例5)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水79.1重量%、ECGeSO 10.0重量%、及び、CoQ10 1.0重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0031】
(実施例6)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水81.7重量%、ECGeSO 8.0重量%、及び、CoQ10 0.4重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0032】
(実施例7)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水80.5重量%、ECGeSO 8.0重量%、及び、CoQ10 1.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0033】
(実施例8)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水81.7重量%、ECGeSO 8.0重量%、及び、CoQ10 0.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0034】
(実施例9)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水80.5重量%、ECGeSO 8.0重量%、及び、CoQ10 1.2重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0035】
(実施例10)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水82.7重量%、ECGeSO 7.0重量%、及び、CoQ10 0.4重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0036】
(実施例11)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水81.5重量%、ECGeSO 7.0重量%、及び、CoQ10 1.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0037】
(実施例12)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水82.5重量%、ECGeSO 7.0重量%、及び、CoQ10 0.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0038】
(実施例13)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水81.9重量%、ECGeSO 7.0重量%、及び、CoQ10 1.2重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0039】
(実施例14)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水79.7重量%、ECGeSO 10.0重量%、及び、CoQ10 0.4重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0040】
(実施例15)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水78.5重量%、ECGeSO 10.0重量%、及び、CoQ10 1.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0041】
(実施例16)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水79.5重量%、ECGeSO 10.0重量%、及び、CoQ10 0.6重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0042】
(実施例17)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水78.9重量%、ECGeSO 10.0重量%、及び、CoQ10 1.2重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0043】
(比較例1)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水89.0重量%、ECGeSO 1.0重量%、及び、CoQ10 0.1重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0044】
(比較例2)
1,3−ブチレングリコール5.0重量%、セタノール3.0重量%、ステアリン酸(PEG−55、日光ケミカル社製)1.0重量%、水酸化ナトリウム0.5重量%、アロエバラキス0.3重量%、メチルパラベン0.1重量%、精製水84.6重量%、ECGeSO 5.0重量%、及び、CoQ10 0.5重量%を配合して皮膚外用剤とした。
【0045】
以上、実施例1〜17及び比較例1〜2で得た皮膚外用剤を用いて次に示す[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]を行った。
【0046】
[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]
実施例1〜17及び比較例1〜2で得た皮膚外用剤をそれぞれ男女19名にランダムに割り当て、それらの皮膚外用剤を洗顔した顔面に7日間にわたり毎朝塗布して、皮膚のシミ除去・美白回復効果試験を行った後、下記の表1に示す基準に基づいてそれらの効果を評価した。即ち、試験開始前に皮膚のシミの面積(A)を測定し、そして、試験終了後に皮膚のシミが除去されて美白が回復した面積(B)を測定して、次の式
(B)/(A)×100=(C)(%)
で(C)(「皮膚のシミ除去・美白回復効果指数」)を求め、5段階(スコア)の評価を行った。
【0047】
【表1】

【0048】
前記実施例1〜17及び比較例1〜2で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果は、次の表2
【表2】

に示される。
【0049】
表2から次のことがわかる。即ち、表2によれば、実施例1〜17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果によるスコアは、2〜5であるが、比較例1〜2で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果によるスコアは、0であるので、本発明の皮膚外用剤によれば、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去したり、また、皮膚の美白を回復させたりする効果をいっそう向上させことがわかる。
【0050】
また、実施例1〜5で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて、「CoQ10」の添加量1/10の皮膚外用剤における皮膚外用剤のエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)とスコアとの関係は、図1に示される。
【0051】
また、実施例10〜13,17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量7(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係は、図2に示される。
【0052】
また、実施例6,8,9,13,18で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量8(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」添加量とスコアとの関係は、図3に示される。
【0053】
また、実施例5,14〜17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量10(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係は、図4に示される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例1〜5で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて、「CoQ10」の添加量1/10の皮膚外用剤における皮膚外用剤のエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量(%)とスコアとの関係を示すグラフである。
【図2】実施例10〜13,17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量7(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係を示すグラフである。
【図3】実施例6,8,9,13,18で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量8(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」添加量とスコアとの関係を示すグラフである。
【図4】実施例5,14〜17で得た皮膚外用剤の[皮膚のシミ除去・美白回復効果試験]の結果に基づいて作成された、エチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシド添加量10(%)の皮膚外用剤における「CoQ10」の添加量とスコアとの関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】

(式中、R1〜R4は、水素原子、アルキル基又はフェニル基を示す。)
で示される有機ゲルマニウム化合物5.1〜50重量%以上と、
次の一般式(2)
【化2】

で示される補酵素0.4〜1.6重量%と、
を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記有機ゲルマニウム化合物が、次の式
(GeCH2CH2COOH)23
で示されるエチルカルボキシゲルマニウムセスキオキシドであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記有機ゲルマニウム化合物の含有量が、8〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−292745(P2009−292745A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145634(P2008−145634)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(591050420)ジャパンアルジェ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】