説明

皮膚外用剤

【課題】 従来、15種類のアミノ酸を併用して皮膚外用剤に配合することが知られていた。しかしながら、15種類のアミノ酸を併用すると、アミノ酸同士、若しくは他の成分との相互作用による、においの問題、安定性の問題などが発生する懸念があった。
【解決手段】 アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩の5種類を組み合わせることによって、高い抗老化効果を発揮することを見出し、さらには、この5種類のアミノ酸とモクマオウ抽出物を組み合わせることにより高い抗老化効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5種類のアミノ酸(アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩)を含有する皮膚外用剤、さらにモクマオウ(Casuarina Adans.)抽出物を含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚組織は、線維芽細胞、表皮細胞等の細胞層と、細胞層を支持するコラーゲン、ヒアルロン酸等の真皮マトリックスとから構成されている。そして、加齢に伴い真皮マトリックスの構成成分であるコラーゲン、ヒアルロン酸等が減少し、このことが肌のハリ、タルミ又はシワ等の原因と考えられている。
【0003】
肌のハリ等の皮膚状態を改善するために、天然保湿剤として、コラーゲンを化粧品等に配合することがあるが、このような化粧品等は表皮の角質状態を改善するものであって、真皮マトリックスの状態まで改善するものではない。また、動物由来のタンパク質であるコラーゲンは、強い抗原性を示すことがあり、化粧品等に配合すると、使用者によっては感作による炎症が生じる場合もある。このため、使用者の真皮線維芽細胞のコラーゲン産生量を増大させるために、様々な物質を化粧品等に配合することが試みられてきた。
【0004】
これまでに、15種類のアミノ酸を併用して皮膚外用剤に配合し、ヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン産生量を増大させる効果を有することが特許文献1に開示されている。しかしながら、15種類のアミノ酸を併用すると、アミノ酸同士、若しくは他の成分との相互作用による、においの問題、安定性の問題などが発生する懸念があり、様々な有効成分の検索および配合検討がなされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
例えば、皮膚の老化防止、改善作用を有する皮膚外用剤を得るために、真皮線維芽細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としてポンカンのエッセンス(特許文献2参照)等があり、アミノ酸と併用する有効成分に関しては、酸化型及び還元型のグルタチオンのアルキルエステルとアミノ酸との塩類を配合する皮膚外用剤(特許文献3)、乳清と、アミノ酸(セリン、アラニン、トリメチルグリシン)を含有する皮膚外用剤(特許文献4)等があり、モクマオウ抽出物に関しては、モクマオウ科植物を有効成分とする、保湿剤、細胞賦活剤、真皮線維芽細胞賦活剤、表皮細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、抗酸化剤、抗老化剤、美白剤、メラニン産生抑制剤(特許文献5)、モクマオウ科植物を有効成分とするIV型コラーゲン産生促進剤、並びに基底膜強化剤(特許文献6)等が開示されている。
【特許文献1】特開2007−051087号公報
【特許文献2】特開2001−131045号公報
【特許文献3】特許第4002313号公報
【特許文献4】特開2000−178165号公報
【特許文献5】特開2007−277100号公報
【特許文献6】特開2008−24622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
15種類のアミノ酸を併用して皮膚外用剤に配合し、ヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン産生量を増大させる効果を有することが特許文献1に開示されている。しかしながら、15種類のアミノ酸を併用すると、アミノ酸同士、若しくは他の成分との相互作用による、においの問題、安定性の問題などが発生する懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩の5種類を組み合わせることによって、高い抗老化効果を発揮することを見出し、さらには、この5種類のアミノ酸とモクマオウ抽出物を組み合わせることにより高い抗老化効果を発揮することを見出した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩の5種類のアミノ酸を組み合わせることによって、高い抗老化効果を発揮することを見出し、さらに、モクマオウ抽出物を組み合わせることにより高い抗老化効果を発揮する皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明で用いる5種類のアミノ酸は、アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩を用いることが好ましい。
【0010】
本発明で用いる、アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩の5種類のアミノ酸は、容易に入手可能なものを用いることが好ましい。
【0011】
本発明で用いるモクマオウは、モクマオウ科(Casuarinaceae)、モクマオウ属の双子葉植物で、常緑高木であり、オーストラリアを中心に約60種が分布し、東南アジア、ポリネシアに少数種がある。
【0012】
モクマオウを使用する際は、その使用部位には特に制限はなく、葉、茎、花、根等の各部位および全草を用いることができるが、好ましくは葉および枝を用いるのがよい。
【0013】
抽出の際は、モクマオウを生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
【0014】
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。抽出効率を上げるため、撹拌したり、抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0015】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、好ましくは、水、エタノールがよい。これらは単独で用いられるほか、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種または2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
【0016】
本発明で用いるモクマオウの上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま静置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。あるいは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。植物および貝類の前記抽出物やその処理物および分画物は、各処理および分画後に凍結乾燥し、用時溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0017】
アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩を組み合わせることによって、高い抗老化効果を発揮することを見出し、さらに、モクマオウ抽出物を組み合わせることにより高い抗老化効果を発揮する皮膚外用剤として利用することができる。
【0018】
5種類のアミノ酸を組み合わせた皮膚外用剤は、ヒト真皮線維芽細胞の賦活作用を有し、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0019】
5種類のアミノ酸を組み合わせた皮膚外用剤は、ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用を有し、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0020】
5種類のアミノ酸にモクマオウ抽出物を組み合わせた皮膚外用剤は、ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用を有し、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0021】
5種類のアミノ酸を組み合わせた皮膚外用剤は、肌のハリを改善する効果を有し、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0022】
5種類のアミノ酸にモクマオウ抽出物を組み合わせた皮膚外用剤は、肌のハリを改善する効果を有し、皮膚の老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
【0023】
ここで皮膚外用剤とは、化粧料、医薬部外品または外用医薬品等の皮膚または毛髪に外用される全ての外用組成物を意味している。
【0024】
皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローション等の可溶化系、カラミンローション等の分散系、またはクリームや乳液等の乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤またはパップ剤等の種々の剤型で提供することもできる。
【0025】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料またはメイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤またはパップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品または外用医薬品などが例示できる。
【0026】
皮膚外用剤には、5種類のアミノ酸またはモクマオウ抽出物の他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料および洗浄料等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、またはアルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の抗老化剤あるいは5種のアミノ酸以外のアミノ酸または他の植物抽出物との併用も可能である。
【0027】
5種類のアミノ酸の皮膚外用剤への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、それぞれのアミノ酸が全量に対して固形分換算で、好ましくは0.00001〜10.0質量%であり、より好ましくは0.0001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.001〜5.0質量%であり、一層好ましくは0.001〜1.0質量%である。
【0028】
モクマオウ抽出物の皮膚外用剤への配合量は、種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して固形分換算で、好ましくは0.00001〜10.0質量%であり、より好ましくは0.0001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.001〜5.0質量%であり、一層好ましくは0.01〜5.0質量%である。
【0029】
以下にモクマオウ抽出物の調製例、抗老化効果を評価するための試験方法、皮膚外用剤としての処方例についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらによってなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
[抽出物1]
モクマオウの葉および枝の乾燥粉砕物100gに、50質量%エタノール水溶液を2.0Kg加え、撹拌しながら室温にて2時間抽出した。抽出液をろ過して回収し、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、抽出物1を得た。
【0031】
上記抽出物を用いて、各効果の評価を行った。なお各評価結果に記載した*および**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*で、有意確率1%未満(P<0.01)を**でそれぞれ表したものである。
【0032】
[実施例1]
<ヒト真皮線維芽細胞賦活作用の評価>
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10個となるように96穴マイクロプレート播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表1に示す各濃度となるようにアミノ酸を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。上清を除いた後、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して約2時間培養した。その後、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に、濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価では、試料を含む培地の他に、コントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を用いた。評価結果を、コントロールにおける細胞賦活作用を100とした場合の相対値として表1に示す。
【0033】
5種類のアミノ酸を用いるヒト真皮線維芽細胞賦活作用の相乗効果の評価結果
【0034】
【表1】

【0035】
表1の結果から明らかなように、それぞれアミノ酸を加えたものに比べ、5種類のアミノ酸を組み合わせたものは有意なヒト真皮線維芽細胞賦活作用が認められた。
【0036】
[実施例2]
<抗老化効果(ヒト真皮繊維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用の評価)>
正常ヒト真皮繊維芽細胞を1ウェル当り2.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を用いた。24時間後、0.5質量%FBS添加DMEM培地にて表2に示す各濃度となるようにアミノ酸及び/又は抽出物1を添加した培養液に交換し、さらに24時間培養した。培養上清中に分泌されたタイプIコラーゲンの定量にはELISA法を用い、最後は標識されたペルオキシダーゼに対し2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び過酸化水素を添加し反応させた後、405nmの吸光度を測定した。PIERCE社製BCAプロテインアッセイキットにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのタイプIコラーゲン産生量を求めた。
評価結果を試料無添加のコントロールにおける単位タンパク量当りのタイプIコラーゲン産生量を100とした時の相対値にて表2に示す。
【0037】
5種類のアミノ酸とモクマオウ抽出物を用いるヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用の相乗効果の評価結果
【0038】
【表2】

【0039】
表2の結果から、5種類のアミノ酸を組み合わせたものは、ヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用を有し、さらにモクマオウを加えたものは、有意なヒト真皮線維芽細胞タイプIコラーゲン産生促進作用が認められた。
【0040】
以上の結果から、5種類のアミノ酸、さらにモクマオウ抽出物を加えたものは、抗老化効果を示すことを見出した。
【0041】
[実施例3]
1.ヒト皮膚での弾力測定
吸引法を用いた測定機器Cutometer SEM575(Courage-Khazaaka slectronic GmbH, Cologene社, ドイツ製)を使用した。これは平滑な皮膚表面に2mmの円形の開口部を有するプローブを軽く密着させた後、プローブ内を一定の陰圧状態にすることで皮膚がプローブ内に吸引され、盛り上がり変形する際の変位した量や吸引終了までの変位量を測定することで皮膚の弾性を計測する。
試験は前腕部の3×4cmの範囲で使用前の皮膚の弾性をCutometer SEM575にて測定し、その後、各サンプル水溶液を24μLずつ範囲内に塗布した。塗布後15、60、120分にハリ値(R7)値を測定した。
評価結果を表3に示す。
【0042】
5種類のアミノ酸を用いるヒト皮膚での弾力測定結果
【0043】
【表3】

有意確率 p<0.05:* p<0.01:** (t検定による)
【0044】
表3の結果から、5種類のアミノ酸を加えたものは、120分後においてもヒト皮膚の弾力を維持しており、肌のハリを改善することを見出した。
【0045】
続いて、上記各調製方法で得られた5種類のアミノ酸及び/又はモクマオウ抽出物を配合した皮膚外用剤の処方例を示す。
【0046】
[実施例4]
乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アラニン 0.04
(12)プロリン 0.04
(13)アルギニン 0.04
(14)グルタミン酸 0.04
(15)グリシン 0.04
(16)抽出物1 0.05
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(15)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(16)を順次加え、均一に混合する。
【0047】
[実施例5]
化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)アラニン 0.04
(10)プロリン 0.04
(11)アルギニン 0.04
(12)グルタミン酸 0.04
(13)グリシン 0.04
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。さらに(4)〜(13)を順次添加した後、十分に攪拌し、(14)を加え、均一に混合する。
【0048】
[実施例6]
クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)精製水 100とする残部
(10)アラニン 0.04
(11)プロリン 0.04
(12)アルギニン 0.04
(13)グルタミン酸 0.04
(14)グリシン 0.04
(15)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(16)抽出物1 0.05
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(14)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(15)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(16)を加え、均一に混合する。
【0049】
[実施例7]
美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)アラニン 0.01
(8)プロリン 0.01
(9)アルギニン 0.01
(10)グルタミン酸 0.01
(11)グリシン 0.01
(12)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(13)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(14)硬化パーム油 2.0
(15)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(16)ベヘニルアルコール 0.75
(17)ミツロウ 1.0
(18)ホホバ油 1.0
(19)1,3−ブチレングリコール 10.0
(20)抽出物1 0.01
製法:(1)〜(11)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(12)〜(18)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(19)を、40℃にて(20)を加え、均一に混合する。
【0050】
実施例4〜実施例7に示した皮膚外用剤は、抗老化効果を有する組成物であった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の5種類のアミノ酸(アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩)を含有する皮膚外用剤、さらにモクマオウ抽出物を含有する皮膚外用剤は、高い抗老化効果を発揮する皮膚外用剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5種類のアミノ酸を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項2】
5種類のアミノ酸が、アラニン、プロリン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、またはそれらの塩である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
5種類のアミノ酸に、さらにモクマオウ(Casuarina Adans.)抽出物を含有する、請求項1に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2010−241734(P2010−241734A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92766(P2009−92766)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】