説明

皮膚外用剤

【課題】海洋深層水によって養殖されたオゴノリの抽出物と泡盛そしてその製造過程から得られるもろみ酢を配合することによって、高保湿性により優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】(1)海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物と泡盛ともろみ酢とを含有する皮膚外用剤であること。この場合、海洋深層水がほぼ100%を使用し、表層水などを混ぜる必要はないが、必要に応じて混ぜることも不可能ではない。(2)海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物の含有率が1.0〜10.0重量%であること。(3)泡盛の含有率が0.1〜3.0重量%であること。(4)もろみ酢の含有量が0.1〜3.0重量%であること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた保湿効果を有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
保湿に優れている海藻(オゴノリも含む)の成分を配合することを特徴とした皮膚外用剤は、特許文献1などで既に知られている。また、高保湿を目的として日本酒を配合したことを特徴とした皮膚外用剤も特許文献2などで知られており、日本酒の醸造メーカーからも市販されている。
【0003】
ところが、従来の海藻であるオゴノリの抽出物のほとんどが、海洋の表層域で養殖又は採取されたものが使用されている。また、酒類としても、清酒を配合した皮膚外用剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3742672(特開平8−259443)
【特許文献2】特開2006−131560
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のオゴノリ抽出用の海藻であるオゴノリは、そのほとんどが、海洋の表層域で養殖又は採取されたものを使用しているが、海洋深層水で養殖されたオゴノリは表層水で養殖されたそれより、人間の体を構成するに必要な蛋白質、亜鉛および植物に特有なクロロフィルが多いことが分かっている。
そこで、この海洋深層水によって養殖されたオゴノリの抽出物と泡盛そしてその製造過程から得られるもろみ酢を配合することによって、高保湿性により優れた皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が研究した結果、以下の含有量を採用することによって、人肌の保湿効果がより高まることが分かった。
(1).海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物と泡盛ともろみ酢とを含有する皮膚外用剤であること。この場合、海洋深層水がほぼ100%を使用し、表層水などを混ぜる必要はないが、必要に応じて混ぜることも不可能ではない。
(2).海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物の含有率が1.0 〜10.0重量%であること。
(3).泡盛の含有率が0.1 〜3.0 重量%であること。
(4).もろみ酢の含有量が0.1 〜3.0 重量%であること。
【0007】
(1).本発明の必須成分であるオゴノリ抽出物
本発明に必須の成分であるオゴノリ抽出物は、久米島で取水されている清浄性に優れた海洋深層水で育てたオゴノリを使用する。この海洋深層水で育てたオゴノリは、前記のとおり、表層水で育てたオゴノリより、蛋白質、亜鉛やクロロフィルが多く含有されていることが分かっている。
表層水で育てたオゴノリより、人の皮膚の構成成分である蛋白質、ミネラルの亜鉛が多いということは、その保湿能力も優れている証拠である。海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物は多く含有することが望ましいが、オゴノリの独特の匂いがある為1.0 〜10.0重量%までの配合が望ましい。
1.0 重量%より少ないと、保湿感が物足りないという問題があり、10.0重量%より多いとオゴノリ独特の匂いがきついという問題がある。
【0008】
(2).本発明の必須成分である泡盛ともろみ酢
本発明の皮膚外用剤に必須の成分である泡盛は、久米島で製造されているタイ米と黒麹を使用した焼酎である。泡盛は蒸留酒であるため、アミノ酸はほとんど含まれていないが、特有の保湿成分である高級アルコールが含まれ、独特の匂いがある。
一方、もろみ酢は、泡盛が蒸留された残りのもろみをしぼった液体で、表皮角質層の保湿因子であるアミノ酸が多く含まれ、人間の代謝に係るTCA 回路に必要なクエン酸も多く含まれていることが分かっている。
泡盛ともろみ酢の二つが合わさることで、タイ米に由来するすべてのエキスが含まれることになり、泡盛の有効成分ともろみ酢の有効成分の両方が人肌に作用すると理想的な保湿剤となる。
【0009】
そして、この二つの泡盛ともろみ酢それぞれ多く配合することが望ましいが、この2種の必須成分も独特の匂いがある為、0.1 〜3.0 重量%までの配合が望ましい。
泡盛の含有量が0.1重量%より少ないと、保湿感が物足りないという問題があり、3.0 重量%より多いと、泡盛独特の匂いがきついという問題がある。
また、もろみ酢の含有量が0.1重量%より少ないと、保湿感が物足りないという問題があり、3.0 重量%より多いと、もろみ酢独特の匂いがきついという問題がある。
【0010】
以上のように、海洋深層水で養殖されたオゴノリの成分と、泡盛ともろみ酢の3種の成分の相乗効果により、人肌に優れた保湿効果を実現している。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
以下、実施例及び試験例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。まず、下記表1.に示す処方の化粧水を作成した。泡盛は15度〜40度が適しているが、25度を使用した。
【0012】
試験例
方法:表1.記載の化粧水を作成し、5 名の被験者に1mlを手の甲に塗布し1 時間放置後に保湿の感覚を聞き取り調査した。その結果は表2.のとおりである。
【0013】
【表1】

【表2】

【産業上の利用可能性】
【0014】
以上のように、海洋深層水で養殖されたオゴノリの抽出物と、泡盛と、もろみ酢の3種の成分の相乗効果により、人肌に優れたシットリとした保湿効果を実現できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、海洋深層水を利用して養殖したオゴノリから抽出したエキスと、泡盛と、泡盛蒸溜後のもろみから得たもろみ酢とを必須成分としたことを特徴する皮膚外用剤。
【請求項2】
海洋深層水で育てたオゴノリの抽出物の含有率が1.0 〜10.0重量%であること、
泡盛の含有率が0.1 〜3.0 重量%であること、
もろみ酢の含有量が0.1 〜3.0 重量%であること、
を特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記の海洋深層水は、沖縄県島尻郡久米島町で取水したものであり、前記の泡盛ともろみ酢も、沖縄県島尻郡久米島町で製造されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2011−79769(P2011−79769A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232848(P2009−232848)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(301055790)株式会社ポイントピュール (2)
【Fターム(参考)】