説明

皮膚外用剤

【課題】ポリ−γ−L−グルタミン酸を用いた皮膚外用剤であって、経時安定性に優れた保湿効果を有し、特に使用性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩0.0001〜10重量%と、シリコーン油0.1〜60重量%とを含有し、かつポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩とシリコーン油の配合重量比が1/1〜1/40000であることを特徴とする皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤、更に詳しくは、特にその使用性の改善された皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
人の皮膚は、角質層によって覆われており、乾燥した大気中においても水分を失うことなく生命活動を維持できるのは、外界と接しているこの角質層が存在しているからであることはよく知られている。角質層は薄く柔軟で且つ体内の水分を保ち、健常な皮膚状態を維持するように調節している。
【0003】
しかしながら、我々は環境要因等(例えば、温度変化、湿度変化、光、水との接触、洗剤の使用等)により、しばしば表皮に何らかの損傷をきたすことがある。ダメージを受けた皮膚は、硬く、弾力性も失われ、カサカサとした肌荒れ状態となる。こうした肌荒れ皮膚は、近年、急増傾向にあるアトピー性皮膚炎との関連性も指摘されており、深刻なスキントラブルを招く恐れもある。
【0004】
荒れ肌には、角質細胞の剥離によるものと、乾燥により皮膚の健康状態が悪化して表皮の硬化や損傷に至るものがある。前者の荒れ肌はコレステロール、セラミド、脂肪酸等の角質細胞間脂質の溶出、および紫外線、洗剤等に起因する角質細胞の変性や表皮細胞の増殖・角化バランスの崩壊による角層透過バリアの形成不全等によって発生する。この荒れ肌を予防または治癒する目的で、角質細胞間脂質成分又はそれに類似する合成の角質細胞間脂質を供給するなどの検討が行われている。この角層細胞間脂質は、有棘層と顆粒層の細胞で生合成された層板顆粒が、角層直下で細胞間に放出され、伸展し、層板(ラメラ)構造をとり、細胞間に広がったものである。層板顆粒はグルコシルセラミド、コレステロール、セラミド、リン脂質等から構成されるが、角層細胞間脂質にはグルコシルセラミドは殆ど含まれていない。すなわち、層板顆粒中のグルコシルセラミドは、β−グルコセレブロシダーゼによって加水分解を受け、セラミドに変換され、このセラミドがラメラ構造をとる結果、角層細胞間脂質として角層透過バリアの形成を改善し、荒れ肌防御のバリアの働きを持つと考えられる。洗浄剤による肌荒れはセラミドの補充が有効であり、肌荒れの改善に高い効果を示すことが報告されている(非特許文献1)。
【0005】
一方、後者の荒れ肌には、皮膚外用剤には皮膚の恒常性維持の他、皮膚からの水分揮散を防止し、皮膚を構成する表皮、角質層に水分を保持させ皮膚に保湿性、柔軟性を保たせみずみずしい肌を保持する等の目的で保湿剤が配合されている。従来より用いられてきた保湿剤としては、オリーブ油、等の植物油やラノリンのような動物由来の脂質に代表される親油性の保湿剤の他に親水性の保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の水溶性多価アルコール、ヒアルロン酸及びキサンタンガムのような多糖類、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子、ピロリドンカルボン酸塩及びアミノ酸に代表される低分子量の天然保湿因子、植物抽出エキス等が知られている。
【0006】
このように様々な種類の親水性、親油性の保湿剤が存在するが、安全性を重要視する風潮などから、昨今では動物由来のものや化学合成品は避けられる傾向にあり、好ましくは天然物や微生物による発酵生産物で、さらには生体のみならず環境にも負荷の少ない生分解性の素材が期待され注目を浴びている。
【0007】
一方で、微生物が生産するバイオポリマーが有望視されている。バイオポリマーの中でも、アミノ酸が縮重合して構成されるポリアミノ酸と呼ばれる一群のバイオポリマーには、様々な機能が見出されており、その潜在能力に注目が集まっている。従来、ポリアミノ酸として、ポリ−γ−グルタミン酸(以下、「PGA」と表記することがある)、ポリ−ε−リジンおよびシアノファイシンの3種類が同定されている。
【0008】
PGAは、グルタミン酸のα−アミノ基とγ−カルボキシル基とがアミド結合したポリアミノ酸である。PGAは、古くから日本人に親しまれている納豆の糸引きの主体物質として知られる、吸水性のポリアミノ酸であるが、このように親しまれてきた背景として、その魅力的な機能性によるところが大きい。PGAの魅力的な機能としては、生分解性及び高吸水性を兼ね備えている点が知られている。これらの機能を利用して、上述した皮膚外用剤をはじめ、医療品、食品等、種々の分野、用途で用いられることが期待されている。
【0009】
最近、ポリアミノ酸の構造的特徴(構成アミノ酸の光学活性や種類、分子サイズ、結合様式など)がその機能性に強く反映されていることが分かってきた。よく知られているところでは、生分解性と高吸水性を兼ね備えている点が挙げられる。それらの機能を利用し、食品、化粧品、医療品などの多くの分野で、種々の用途があるものと期待されている。しかし、現在、製品化されているPGAは、化学的にヘテロなDL−PGAである。具体的には、PGAは、納豆菌やその類縁菌から生産され、D−グルタミン酸及びL−グルタミン酸が不規則に結合しており、その含有比率や、配列は生産菌の培養毎に変動する。一般に、ポリアミノ酸の構造的特徴(構成するアミノ酸の光学活性や種類、分子サイズ、結合様式など)は、その機能に強く影響を与える。上記DL−PGAは、分子毎に構造が異なるため、その性質も分子毎に異なる。これでは、所望の品質を有するDL−PGAを安定して製造することが困難である。
【0010】
ホモポリ−γ−グルタミン酸を生産する菌も報告されている。例えば、炭疸菌Bacillus anthracisはD−グルタミン酸のみからなるポリ−γ−D−グルタミン酸(以下、D−PGAと記載することもある)を生産する事が報告されている(非特許文献2)。しかし、本菌は強い病原性を有する細菌であるため、工業的なPGA生産菌としては不適切であり、生産されるD−PGAの分子量も小さい。また、好アルカリ性細菌Bacillus haloduransは、L−グルタミン酸のみからなるポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩(以下L−PGAと記載することもある)を生産する事も報告されている(非特許文献3)。しかし、本菌の生産するL−PGAは分子量が極めて小さく、実用的な性能を得るには不十分である。
【0011】
一方、高分子量のホモポリ−γ−グルタミン酸の生産菌として、好塩性古細菌Natrialba aegyptiacaが分子量10万〜100万程度のL−PGAを生産することが報告されている。しかし、本菌は液体培養条件下では分子量が10万程度と小さい、かつ殆どポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩を生産しないため、工業的な生産菌として問題があった(非特許文献4、特許文献1)。
【0012】
上記以外に、L−PGAを生産する生物としては、ヒドラ等が挙げられるが、ヒドラの場合も同様に分子量が極めて小さいという問題がある(非特許文献3)。
【0013】
一方本発明者らは、均一な光学純度でかつ高分子量のポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩を液体培養などで大量に調製することを可能とした。より具体的には、数平均分子量が130万以上で、かつ均一な光学純度のポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩を、培養液1Lあたり4.99g以上の高い生産性で取得している(特許文献2)。
【0014】
また、ポリ−γ−L−グルタミン酸の架橋方法と架橋体(特許文献3)、並びにポリ−γ−L−グルタミン酸及びポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする皮膚外用剤(特許文献4)の報告がある。
【0015】
一般に、皮膚角質層が10〜15%の水分を含んだ状態が健康な皮膚と言われる。水分を含み過ぎるとフヤケ状態となったり、少な過ぎるとカサカサした状態となったりする。これを解決するため、化粧水、クリーム及び乳液等の皮膚外用剤に比較的外気湿度に関係なく優れた保湿能を有するヒアルロン酸が保湿剤として使われている。また、これら皮膚外用剤中にはヒアルロン酸以外にも保湿剤として、例えば乳酸ナトリウム、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール等が皮膚に対する親和性、使用感の点から比較的多量に用いられている。
【0016】
しかしながら、比較的優れた保湿能を有するヒアルロン酸を配合した皮膚外用剤においても、低湿度下で長時間使用すると外用剤中の水分が外気へ揮散してしまい、保湿効果がなくなるばかりでなく、場合によっては皮膚中から皮膚外用剤へと逆に水分が取り込まれ、皮膚を乾燥せしめてしまう場合もあり、保湿効果の経時安定性という点で十分なものではなかった。また、前記保湿剤のなかでも、とくにヒアルロン酸は、少量の配合でも皮膚に対して強いベタツキ感を生じるという問題点があった。そして、ヒアルロン酸以外の前記保湿剤も、特にリッチ感を訴求する皮膚外用剤においては極めて多量に配合されることが多いため、さらにベタツキ感を増していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特表2002−517204号公報
【特許文献2】特開2007−314434号公報
【特許文献3】特開2008−120910号公報
【特許文献4】特開2008−120725号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】ジャーナル オブ バイオサイエンス アンド バイオエンジニアリング、94,187(2002)
【非特許文献2】Handy, W. E., and H.N. Rydon,Biochem J., 40, 297-309 (1946)
【非特許文献3】生物と化学 Vol.40, No.4, p212-214 (2002)
【非特許文献4】Hezayen, F. F., B. H. A. Rehm, B. J. Tindall and A. Steinbuchel, Int. J. Syst. E., 51, 1133-1142(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、ポリ−γ−L−グルタミン酸を用いた皮膚外用剤であって、経時安定性に優れた保湿効果を有し、特に使用性に優れた皮膚外用剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
斯かる実情において、本発明者らは鋭意研究を行ったところ、シリコーン油を配合した皮膚外用剤のほうが保湿効果の経時安定性、特に使用性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
【0021】
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1)ポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩0.0001〜10重量%と、シリコーン油0.1〜60重量%とを含有し、かつポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩とシリコーン油の配合重量比が1/1〜1/40000であることを特徴とする皮膚外用剤。
(2)ポリ−γ−L−グルタミン酸が、ポリ−γ−L−グルタミン酸分子同士の架橋構造を有することを特徴とするポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体であることを特徴とする(1)の皮膚外用剤。
(3)ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が100万以上であることを特徴とする(1)または(2)の皮膚外用剤。
(4)ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が200万以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの皮膚外用剤。
(5)ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が350万以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの皮膚外用剤。
(6)ポリ−γ−L−グルタミン酸の吸水倍率が10倍以上5000倍以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、ハイドロキノン配糖体の経皮吸収促進効果に優れ、かつ安全性にも優れた皮膚外用剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の「ポリ−γ−L−グルタミン酸」とは、L−グルタミン酸のみからなるホモポリマ−である。その構造は式(I)にて示される構造である。α−COOHの水素は水素であっても良いし他の金属対イオンでも良い。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、カルシウム、亜鉛及び鉄等一般的なものあれば限定する必要はない。そのなかでも好ましくはナトリウムである。
【0024】
【化1】

【0025】
本発明の「分子量」とはプルラン標準物質の分子量換算にて算出した数平均分子量(Mn)のことを指す。
【0026】
本発明のポリ−γ−L−グルタミン酸は、既存の方法で得ることができる。たとえば、特許文献2(特開2007−314434号公報)に記載された方法で、ポリ−γ−L−グルタミン酸を得ることができる。以下に、一例として、特許文献2を参考にしたポリ−γ−L−グルタミン酸の製造方法を述べるがこれに限定されるものではない。
【0027】
たとえば、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センタ−に、ナトリアルバ エジプチアキア(Natrialba aegyptiaca)0830−82株(受託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センタ−、受託日:平成18年4月4日、受託番号:FERM BP−20872)、ナトリアルバ エジプチアキア(Natrialba aegyptiaca)0830−243株(受託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センタ−、受託日:平成18年4月4日、受託番号:FERM BP−20873)、またはナトリアルバ エジプチアキア(Natrialba aegyptiaca)0831−264株(受託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センタ−、受託日:平成18年4月4日、受託番号:FERM BP−20874)として寄託されている菌株をもちいてポリ−γ−L−グルタミン酸を得る場合、液体培養によりポリ−γ−L−グルタミン酸を得ることができる。または、特許文献2(特開2007−314434号公報)に記載された方法で微生物を変異処理し、液体培養によりポリ−γ−L−グルタミン酸を生産できる微生物を作製し、ポリ−γ−L−グルタミン酸を生産することもできる。また、ナトリアルバ エジプチアキア(Natrialba aegyptiaca)を常法により固相培養し、ポリ−γ−L−グルタミン酸を生産することもできる。
【0028】
液体培養する場合には、振とう培養、通気攪拌培養など好気条件などで行うことが望ましい。その際の培養温度は、30〜50℃、好ましくは35〜45℃が適当である。また、培地のpHは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、塩酸、硫酸またそれらの水溶液などによって調整できるが、pH調整できれば限定されない。培養pH5.0−9.0、好ましくはpH6.0−8.5で培養するのが望ましい。また、培養期間は、通常2〜7日間程度でよい。また、培養時のNaCl濃度は10〜30%、好ましくは15〜25%で培養するのが望ましい。また、Yeast Extract濃度は0.1〜10%、好ましくは0.5〜5.0%濃度で培養するのが望ましい。また、固体培養の場合においても前期液体培養の場合と応用に、培養温度は30〜50℃、好ましくは35〜45℃、培養時のpHは5.0−9.0、好ましくはpH6.0−8.5、培養時のNaCl濃度は10−30%、好ましくは15〜25%、Yeast Extract濃度は0.1−10%、好ましくは0.5−5%濃度が採用される。このようにして培養すると、ポリ−γ−L−グルタミン酸は、主として菌体外に蓄積されて前記した培養物中に含まれる。特に限定はされないが、PGA生産液体培地−1(22.5% NaCl、2% MgSO・7HO、0.2% KCl、3% Trisodium Citrate、1% Yeast Extract、0.75% Casamino acid)を使用してもよく、各添加量は菌株にあわせて適宜調整すればよい。
【0029】
培養液中のポリ−γ−L−グルタミン酸の定量方法としては、ポリ−γ−L−グルタミン酸を含む試料から、硫酸銅やエタノ−ルを用いて沈澱させ、その沈殿物の重量測定およびKijerder法による総窒素の測定を行なうもの(M.Bovarnick,J.Biol.Chem.,145巻、415ペ−ジ、1942年)、塩酸加水分解後のグルタミン酸量を測定する方法(R.D.Housewrigt,C.B.Thorne,J.Bacteriol.,60巻、89ペ−ジ、1950年)及び、塩基性色素との定量的な結合を利用した比色法(M.Bovarnick et al.,J.Biol.Chem.,207巻、593ペ−ジ、1954年)が知られているが好ましくは、塩基性色素との定量的な結合を利用した比色法である。
【0030】
塩基性色素としてはクリスタルバイオレット、アニリンブル−、サフラニンオ−、メチレンブル−、メチルバイオレット、トルイジネブル−、コンゴレッド、アゾカルマイン、チオニン、ヘマトキシリンなどがあげられるが、サフラニンオ−が好ましい。
【0031】
この培養物からポリ−γ−L−グルタミン酸を分離、採取するには、硫酸銅やエタノ−ルを用いて沈澱させるなどの前記の公知の方法を用いればよい。一例を挙げると、例えば、培養液を遠心分離し、菌体を取り除く。続いて、得られた上清液に3倍量の水を加え希釈した後、pHを3.0に調整する。pH調整後、5時間 室温で攪拌した。その後、3倍量のエタノ−ルを加え、ポリ−γ−L−グルタミン酸を沈殿物として回収した。沈殿物を0.1mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解させ、低分子物質を透析により除去する。透析後、得られた液を核酸除去のため、DNase、RNase処理を行っても良いし、次いでタンパク質除去のために、Proteinase処理を行っても良い。Proteinase処理後、透析により低分子物質を除去しても良い。透析後、凍結乾燥等により、乾燥ポリ−γ−L−グルタミン酸を得ればよい。また、必要により陰イオン交換樹脂を用いた精製を行うことができるが、一般的な条件で精製可能である。
【0032】
本発明に使用するポリ−γ−L−グルタミン酸の分子量は、特に限定されないが、好ましくは50万以上、より好ましくは80万以上、さらに好ましくは100万以上、特に好ましくは130万以上である。
【0033】
L−PGAの分子量の上限値は特に限定されるものではないが、前述のL−PGAの製造方法によれば、例えば、600万、最大で1500万のL−PGAを得ることができる。
【0034】
このポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩は、古細菌によって生産されるために、納豆菌によって生産されるポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩と比べて特有の臭気が軽減することで、化粧品、医薬部外品、医療用品、衛生用品または医薬品の用途に利用しても品質を損なうことがない。
【0035】
本発明で使用されるシリコーン油とは、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物であればいずれでもよく、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0036】
本発明で使用されるシリコーン油の粘度は6〜100cSt程度のものが好適である。低粘度すぎると保湿効果の経時安定性が低下したり、アセチル化ヒアルロン酸のベタツキ感を押さえられないことがあり、高粘度すぎるとシリコーン油自体がベタツキを生じることがあるため好ましくない。
【0037】
本発明で使用されるシリコーン油の配合量は、0.1〜60重量%が好適である。シリコーン油の配合量が少なすぎると外用剤のベタツキを十分に押さえにくかったり、また、保湿効果の経時安定性の向上が得られない場合があり、必要以上に多すぎても、肌なじみが悪くなることがあり、好ましくない。
【0038】
本発明の皮膚外用剤とは、通常の整肌、栄養化粧水の他、アストリンゼントローション、シェーブローション、ボディローション、液状パック料等の水系化粧料等の化粧用ローションおよび栄養クリーム、アイクリーム、ボディクリーム、ハンドクリーム、マッサージクリーム、コールドクリーム等のクリーム類、栄養乳液、ボディ乳液、ネック乳液、ハンド乳液等の乳液類、パック類などが主なものである。
【0039】
本発明の皮膚外用剤には、一般に化粧品や医薬部外品等に用いられる、界面活性剤、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等の成分を配合することができる。
【0040】
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。なお、本発明は、特に実施例に限定されるものではない。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、以下の実施例に示す「%」は全て「重量%」である。
【0041】
〔製造例1;ポリ−γ−L−グルタミン酸の製造〕
Natrialba aegyptica(受託番号:FERM BP−10749)のL乾燥アンプルに、0.4mlのPGA生産用液体培地(22.5% NaCl、2% MgSO・7HO、0.2% KCl、3% Trisodium Citrate、1% Yeast Extract、0.75% Casamino acid)を加えて懸濁液を得た。0.2mlの当該懸濁液を、PGA寒天培地(10% NaCl、2% MgSO・7HO、0.2% KCl、3% Trisodium Citrate、1% Yeast Extract、0.75% Casamino acid、2% Agar)に接種し、37℃で3日間培養して、シングルコロニーを得た。
【0042】
次に、5本の18ml容試験管に、それぞれ、3mlのPGA生産液体培地(22.5% NaCl、2% MgSO・7HO、0.2% KCl、3% Trisodium Citrate、1% Yeast Extract、0.75% Casamino acid、pH7.2)を入れ、さらに、上記シングルコロニーを白金耳で1白金耳掻き取り植菌した。植菌後の試験管を、37℃、300rpmで3日間培養して、さらに、得られた培養液0.5mlを、50ml PGA生産液体培地を入れた500ml容坂口フラスコ10本にそれぞれ植菌し、37℃で5日間培養した。培養後、得られた培養液を遠心し、菌体を取り除いて上清を回収した。
【0043】
次に、回収した上清に3倍量の水を加え希釈した後、1N硫酸でpHを3.0に調整した。pHを調整した後、室温で5時間攪拌した。その後、3倍量のエタノールを加えて遠心分離を行い、沈殿物を回収した。この沈殿物がL−PGAである。
【0044】
回収したL−PGAを0.1mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解して、これを、低分子物質等の不純物を除去するために透析した。次に、透析後の液体に含まれる核酸を除去するために、当該液体に、MgClが1mM、DNaseI(TAKARA社製)が10U/ml、RNaseI(ニッポンジーン製)が20μg/mlとなるように加えて、37℃で2時間インキュベートした。次いでタンパク質を除去するために、核酸を除去した後の液体にProteinase K(タカラバイオ製)を3U/mlとなるように添加して、37℃で5時間インキュベートしてProteinase K処理を行なった。
【0045】
Proteinase K処理の後、超純水で透析し、低分子物質を除去した。次に、L−PGAを陰イオン交換樹脂(Q sepharose Fast Flow、GE ヘルスケア バイオサイエンス社製)に吸着させ、0.5MのNaCl水溶液で洗浄した後、1MのNaCl水溶液で溶出した。得られた溶液を、さらに超純水で透析し、透析後の溶液を凍結乾燥することにより、L−PGAのナトリウム塩(以下、「L−PGA・Na塩」と表記する)を得た。なお、超純水は、MilliQ(Millipore社製の純水製造装置)で作製した。
【0046】
〔製造例2;ポリ−γ−L−グルタミン酸の分子量分析−1〕
製造例1で得たL−PGA・Na塩の平均分子量を、GPC分析にて測定した。その結果、Mw=7,522,000、Mn=3,704,000、Mw/Mn=2.031であることが確認された(プルラン換算)。
【0047】
なお、GPC分析は、以下の条件で行なった。
装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel α−M(東ソー社製)
流速:0.6ml/min
溶出液:0.15M NaCl水溶液
カラム温度:40℃
注入量:10μl
検出器:示差屈折計
【0048】
〔製造例3;ポリ−γ−L−グルタミン酸の分子量分析−2〕
製造例1において、1.0MのNaCl水溶液溶出した後、さらに、1N HClを用いて、pHを2.0に調製した以外は、製造例1と同様の操作を行なって得たL−PGA・Na塩の平均分子量をGPC分析により測定した。その結果、Mw=2,888,000、Mn=1,327,000、Mw/Mn=2.176であることが確認された(プルラン換算)。なお、本製造例におけるGPC分析は、製造例2と同様の操作で行なった。
【0049】
〔製造例4;ポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体の作製〕
製造例1で得たL−PGA・Na塩の5%水溶液を作製した。
【0050】
次に、L−PGA・Na塩水溶液を、窒素を用いて3分間バブリングした後、蓋付き10mlサンプル瓶に、2ml分取して蓋を閉めた。
【0051】
次に、サンプル瓶に、線源をコバルト60とするγ線照射装置を用いてγ線を照射した。照射線量は、5kGyとなるように照射した。γ線照射後に得られた生成物を、サンプル瓶から取り出し、余分な水分を80メッシュの金網で水切りした後、凍結乾燥することで、L−PGA架橋体粉末を得た。なお、上記余分な水分には、未架橋のL−PGAが含まれており、当該水切りは、未架橋のL−PGAを除去することが主たる目的である。
【0052】
本発明と従来技術との比較
〔実施例1および比較例〕
次に示す組成の乳液を調製し、実施例1および比較例とした。
【0053】
【表1】

【0054】
次に、経時のコンダクタンス(アイ・ビイ・エス社製:SKICON 200)を調べ、表1の乳液の保湿効果の評価を行った。乳液の保湿効果の評価方法はつぎの通りである。
【0055】
<保湿効果の試験方法>
20名の女性を各2群に分けパネルとし、第1群には実施例1の乳液を、第2群には比較例の乳液を塗布した。経時におけるコンダクタンスを測定し保湿効果を評価した。結果を表2に示す。
【0056】
【表2】

【0057】
表2の結果から、本発明に用いられるポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を配合した乳液(実施例1)は、通常のヒアルロン酸とシリコーン油を配合した乳液(比較例)同様の経時安定性に優れた保湿効果を有していることがわかる。
【0058】
<使用感テストの試験方法>
上記パネルの保湿効果測定時に、肌なじみ、ベタツキに関してに使用感を評価した。使用感の評価基準はつぎのとおりである。結果を表3に示す。
【0059】
〔使用感の評価基準〕
○:肌なじみが良い △:どちらともいえない ×:肌なじみが悪い
○:べたつかない △:どちらともいえない ×:べたつく
【0060】
【表3】

【0061】
表3の結果から、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を配合した乳液(実施例1)は、皮膚への親和性(肌なじみ)に優れ、ヒアルロン酸のベタツキがシリコーン油により著しく改善されていることがわかる。これに対し、通常のヒアルロン酸とシリコーン油を配合した乳液(比較例)の場合、実施例1に比較して肌なじみが劣り、ベタツキも改善されていないことがわかる。さらに、実施例1および比較例の乳液の作用効果を、使用テストにより確認した。
【0062】
<使用テストの試験方法>
使用テストは、20名の女性を各2群に分けパネルとした。第1群には実施例1の乳液を、第2群には比較例の乳液を、それぞれ毎日朝と夜の2回、洗顔後適量を顔面に2週間にわたって塗布させ、肌の潤い、肌のハリ、翌朝の肌の潤いの3項目につきその有効性を判定した。結果を表4に示す。
【0063】
【表4】

【0064】
表4の結果から明らかなように、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を配合した乳液(実施例1)は、通常のヒアルロン酸とシリコーン油を配合した乳液(比較例)と同様に、肌のうるおい、肌のハリ、翌朝の肌のうるおいに優れた効果を有していた。
【0065】
ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油の配合
〔試験例1〜4〕
表5に示す種々の組成の乳液を調製し、試験例1〜4とした。なお、製造方法は実施例1および比較例に準ずる。
【0066】
【表5】

【0067】
<保湿効果の試験>
次に40名の女性を各4群に分けパネルとし、第1群〜第4群には、それぞれ試験例1〜試験例4の乳液を塗布した。経時におけるコンダクタンスを測定し保湿効果を評価した。結果を表6に示す。
【0068】
【表6】

【0069】
表6の結果から、シリコーン油のみが配合された乳液(試験例3)ないしポリ−γ−L−グルタミン酸のみが配合された乳液(試験例4)は、両者ともに配合されない乳液(試験例2)に比較し、保湿効果は若干あるが経時的に保湿効果が低下することはさけられない。これに対して、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を配合した乳液(試験例1)は、保湿効果の経時安定性が飛躍的に高まることがわかる。
【0070】
<使用感の試験>
上記パネルの保湿効果測定時に、肌なじみ、ベタツキに関して、使用感を次の評価基準により評価した。結果を表7に示す。
【0071】
〔使用感の評価基準〕
○:肌なじみが良い :どちらともいえない ×:肌なじみが悪い
○:べたつかない :どちらともいえない ×:べたつく
【0072】
【表7】

【0073】
表7の結果から、ポリ−γ−L−グルタミン酸もシリコーン油も配合していない乳液(試験例2)と比較して、ポリ−γ−L−グルタミン酸のみを配合した乳液(試験例4)はかなりベタツキをもっていることがわかる。一方、シリコーン油のみを配合した乳液(試験例3)は試験例2と比較して、肌なじみは同程度でそれ程良くはないことがわかる。これらに対して、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を共に配合した乳液(試験例1)は、肌なじみが良く、ベタツキもほどんとないことがわかる。したがって、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油を組み合わせることにより、肌なじみがよく、ベタツキない皮膚外用剤とすることができることがわかる。
【0074】
ポリ−γ−L−グルタミン酸の配合量
〔試験例5〜10〕
表8に示すポリ−γ−L−グルタミン酸の配合量を変えた種々の組成の乳液を調製し、試験例5〜10とした。なお、製造方法は実施例1および比較例に準ずる。また、上記試験例5〜10の乳液の保湿効果、使用感の試験を行い、結果を表8の組成に合わせて示した。試験方法および評価基準は試験例1〜4に準ずる。
【0075】
【表8】

【0076】
表8の結果より明らかなように、ポリ−γ−L−グルタミン酸の配合量が0.0001〜10重量%である乳液(試験例6〜9)は、保湿効果に優れ、肌なじみがよく、ベタツキがないことがわかる。これに対して、ポリ−γ−L−グルタミン酸の配合量が0.0001重量%より少ない乳液(試験例5)は、ベタツキはないが、保湿効果が著しく低下し、肌なじみが悪くなることがわかる。また、ポリ−γ−L−グルタミン酸の配合量が10重量%を超える乳液(試験例10)は、ベタツキが強くなることがわかる。
【0077】
シリコーン油の配合量
〔試験例11〜15〕
表9に示すシリコーン油の配合量を変えた種々の乳液を調製し、試験例11〜15とした。なお、製造方法は実施例1および比較例に準ずる。また、上記試験例11〜15の乳液の保湿効果、使用性の試験を行い、結果を表9の組成に合わせて示した。試験方法および評価基準は試験例1〜4に準ずる。
【0078】
【表9】

【0079】
表9の結果より明らかなように、シリコーン油の配合量が0.1重量%以上の乳液(試験例12〜15)は、保湿効果に優れ、ベタツキもないことがわかる。これに対して、シリコーン油の配合量が0.1重量%より少ない乳液(試験例11)は、保湿効果が極端に低下し、ベタツキもでていることがわかる。
【0080】
したがって、シリコーン油の配合量は0.1重量%以上配合しないと効果がないことがわかる。また、シリコーン油の配合量の上限は少なくとも60重量%までは問題ないことがわかる。
【0081】
ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油の配合重量比
〔試験例16〜20〕
表10に示すポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油の配合重量比を変えた種々の乳液を調製し、試験例16〜20とした。なお、製造方法は実施例1および比較例に準ずる。また、上記試験例16〜20の乳液の保湿効果、使用性(肌なじみ、ベタツキ)の試験を行い、結果を表10の組成に合わせて示した。試験方法および評価基準は試験例1〜4に準ずる。
【0082】
【表10】

【0083】
表10の結果より、ポリ−γ−L−グルタミン酸とシリコーン油の配合重量比が1/1〜1/40000である乳液(試験例17〜19)は、肌なじみがよく、ベタツキがないことがわかる。これに対して、この比をはずれた配合重量比の乳液(試験例16、20)は、本発明の優れた使用性が得られないことがわかる。
【0084】
次に、本発明の皮膚外用剤をより具体的にするため、さらに実施例を示す。なお、配合量は重量%を示す。実施例1に準じて評価を行ったところ、各実施例の皮膚外用剤は実施例1と同様優れた保湿効果および使用性を示した。
【0085】
〔実施例2〕 クリーム
−製法−
A(油相)とB(水相)をそれぞれ70℃に加熱し、完全溶解する。AをBに加えて、乳化機で乳化する。乳化物を、熱交換機を用いて冷却してクリームを得た。
【0086】
【表11】

【0087】
〔実施例3〕 乳液
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。乳化物を、熱交換機を用いて冷却して乳液を得た。
【0088】
【表12】

【0089】
〔実施例4〕 クリーム
実施例2に準じてクリームを得た。
【0090】
【表13】

【0091】
〔実施例5〕 パック
【0092】
−製法−
室温で(4)、(7)、(8)を混合溶解し、(1)、(2)、(3)および(5)、(6)、(9)を80℃で混合溶解した中に撹拌添加した後、室温まで放冷してパックを得た。
【0093】
【表14】

【0094】
〔実施例6〕 固形パウダーファンデーション
【0095】
−製法−
(1)〜(8)の各成分を混合粉砕したところへ、(9)〜(14)の各成分を混合したものを加えて混合撹拌し、容器に成型して固形パウダーファンデーションを得た。
【0096】
【表15】

【0097】
〔実施例7〕 口紅
【0098】
−製法−
60℃に加熱した(12)に(13)〜(14)を分散させ、これに均一溶解した(9)〜(11)を加えて十分撹拌する。別に加熱溶解しておいた(1)〜(8)にこれを加えて十分撹拌し、さらに(15)〜(17)を加えて分散撹拌し、その後成型して口紅を得た。
【0099】
【表16】

【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、ポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩、シリコーン油を含有することにより、経時安定性に優れた保湿効果を有し、特に使用性に優れた皮膚外用剤を提供することができる。さらに、従来のポリ−γ−L−グルタミン酸よりも、原料コストが安価であり、大量生産可能となり、長期にわたる使用に十分に耐え得ることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩0.0001〜10重量%と、シリコーン油0.1〜60重量%とを含有し、かつポリ−γ−L−グルタミン酸および/またはその塩とシリコーン油の配合重量比が1/1〜1/40000であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
ポリ−γ−L−グルタミン酸が、ポリ−γ−L−グルタミン酸分子同士の架橋構造を有することを特徴とするポリ−γ−L−グルタミン酸架橋体であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が100万以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が200万以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
ポリ−γ−L−グルタミン酸の平均分子量が350万以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
ポリ−γ−L−グルタミン酸の吸水倍率が10倍以上5000倍以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2012−1481(P2012−1481A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137318(P2010−137318)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】