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皮膚外用剤
説明

皮膚外用剤

【課題】適度なコクを有し、べたつかず、肌荒れ防止・改善効果に優れ、キメを整え透明感のある肌に導くことができ、安定性にも優れる皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】皮膚外用剤全量に対し、
A 下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜30質量%、

Z−{O−(EO)−(BO)−H} (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する水溶性多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6の整数、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基で、EOとBOはブロック状に結合している。aは10〜50の整数、kは3〜40の整数。EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部。)
B 炭素数4〜8の2価アルコール 2〜15質量%、
C ポリフェノール 0.0001〜0.2質量%、
D キレート剤 0.1〜2質量%、
を含有する皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、パック、ヘアトニック、ファンデーション等の皮膚用の化粧品や医薬品などの外用剤に関し、さらに詳しくは安定性に優れるとともに、使用時に適度なコクを有し、べたつかず、肌の老化防止効果として、肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、キメを整え、しみを防止して透明感を与えて肌を明るくする皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、人の皮膚表面は皮脂膜に覆われていて水分の蒸散が適度に抑制されている。そして、皮膚の水分を適切な範囲に保つことは皮膚の健康の面から見て非常に大切なことであり、水分が不足すると肌荒れ等を生じやすくなる。洗顔や入浴を行うと一時的に皮脂膜が取り除かれてしまい肌の水分が失われやすくなることから化粧水、乳液、クリーム、美容液等の保湿化粧料を使用して水分を補う必要がある。ここで、一般に化粧料には保湿剤としてグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール類やアミノ酸、ピロリドンカルボン酸塩等が配合されているが、これらの保湿剤は高湿度下における水分保持力には優れているものの低湿度下における水分保持力に難があり、保湿効果の持続性が保てないばかりでなく、場合により皮膚の水分を吸収することから逆に肌荒れを促進させることが知られている。そこで近年、低湿度下での水分保持力の高い保湿成分としてキチン、キトサン及びそれらの誘導体、蛋白加水分解物、ヒアルロン酸等の酸性ムコ多糖類、植物抽出物等様々な高保湿成分が提案されている。しかし、これらの保湿成分を化粧料に配合するとその高い保湿力から不快なべたつきを有したり、のび、なじみが悪くなるという問題を生じることがあった。
【0003】
そこで、高い保湿効果を保持しながらべたつきを改善したものとして、例えば、ムコ多糖類とトレハロースとを組み合わせた皮膚外用剤(特許文献1)等が報告されているが、いまだ十分にべたつきを抑えることはできておらず、しかも、肌荒れ防止・改善効果、肌のキメを整える効果等に関して十分な性能が得られず、また、使用時に高級感や効果感を引き出す適度なコクを有するものではなかった。一方、肌の水分蒸散の抑制には皮脂膜やセラミドに代表される細胞間脂質が形成する液晶層が強く関与しており、これらが洗浄等により破壊されると肌荒れ等を生じやすくなる。そこで、通常バリア性を効果的に改善するために皮膚外用剤に対して油分の配合がなされるが、油分を多く配合すると油分によるべたつきを強く感じたりテカリを生じたりするだけでなく、場合により油分が酸化されて刺激や肌荒れの原因となることもある。そこで近年、油分ではなく、高分子によるバリア性の改善を図ることも試みられている(特許文献2、3、4)が、これらのみでは十分な効果を得ることは難しいばかりでなく、高配合すると使用感が重くなったりなじみ性が悪くなるという使用感への影響が大であり、かつ、使用時に適度なコクを有することも難しかった。また、肌のキメを整えて透明感のある肌に導くのも困難であった。
【0004】
さらに、近年加齢や紫外線に伴う「肌老化」への関心が特に高まっており、特に植物が生成する「ポリフェノール」は、抗酸化性に優れ、酸化による肌老化を抑制することから様々な検討がなされてきた。例えば、特許文献5〜7においては、ツキミソウ由来、ビルベリーエキス、カキ(柿)抽出物などのポリフェノールを配合することにより、肌老化を防ぐ化粧料や医薬品が提案されている。しかし、一般的に、ポリフェノールは着色やオリなどを生じ易いことから、安定的に配合することが難しく、しかも、製剤において十分な肌老化防止作用を発揮させることができないのが現状であり、かつ進行した肌老化を改善する効果や肌にはりを与えたり、キメが整い透明感のあるきれいな肌に仕上げる効果(整肌効果)を十分発揮するものはでなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−122621号公報
【特許文献2】特開2000−290153号公報
【特許文献3】特開2000−327556号公報
【特許文献4】特開2009−40759号公報
【特許文献5】特開2003−128511号公報
【特許文献6】特表2005−535566号公報
【特許文献7】特表2006−508905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、化粧水、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ファンデーション等の皮膚用の化粧品や医薬部外品、軟膏等の医薬品などの外用剤であって、使用時に適度なコクを有するとともに、使用後もべたつかず、肌荒れやシワ形成を防止ないし改善して、はりを与えるなど、肌の老化抑制効果を有するとともに、キメを整え、しみ形成を防止して明るく透明感のある肌を与えるなどの美容効果をも有する皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決する為に研究を重ねたところ、特定のポリアルキレングリコール誘導体と特定の多価アルコール類に加え、ポリフェノールとキレート剤を特定の比率で組み合わせることにより目的の皮膚外用剤を得るに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
皮膚外用剤全量に対し、
A 下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜30質量%、

Z−{O−(EO)−(BO)−H} (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する水溶性多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6の整数、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基を示し、EOとBOはブロック状に結合している。aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは10〜50の整数であり、kは3〜40の整数である。また、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部である。)
B 炭素数4〜8の2価アルコール 2〜15質量%、
C ポリフェノール 0.0001〜0.2質量%、
D キレート剤 0.1〜2質量%、
を含有する皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮膚外用剤は、広い温度領域において優れた経時安定性を有する。手に取り、また皮膚に塗布すればコクがあり、高級な質感が感じられ、使用後にべたつきが残ることもなく、良好な使用感を得ることができる。連続使用することによって、優れた肌荒れ防止・改善効果が得られ、さらに、キメを整え、明るく透明感のある肌に導くなど、美容効果にも優れるため、化粧料をはじめとする広い範囲の皮膚外用剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[A成分]
本発明に用いられるA成分は式(I)で示され、式(I)中のZは、水酸基を3〜6個有する水溶性多価アルコールから水酸基を除いた残基を示し、具体的な水溶性多価アルコールとして、水酸基が3個のグリセリン、トリメチロールプロパン、水酸基が4個の、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、メチルグルコシド、水酸基が5個のキシリトール、トリグリセリン、水酸基が6個のソルビトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールが例示される。中でも使用感の問題から好ましくは、水酸基を4個以上持つ多価アルコールであり、さらに好ましくは、水酸基が4個のジグリセリン、ペンタエリスリトールである。そして、mはZの水酸基の数と同数で3〜6の整数であり、好ましくは4〜6、より好ましくは4である。また、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基を示すが、重合性の問題からBOは1,2−オキシブチレン基であることが好ましく、かつEOとBOはブロック状に結合している。また、aはEOの平均付加モル数、kはBOの平均付加モル数を示し、aは10〜50、好ましくは10〜40の整数であり、kは3〜40、好ましくは5〜30、更に好ましくは10〜25の整数である。さらに、EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部、好ましくは15〜75質量部、更に好ましくは20〜72質量部である。
A成分は、1種でも、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0011】
[B成分]
本発明で用いられるB成分の2価アルコールは1分子内に2個の水酸基を有する化合物であり、一般にグリコールと称される。そして、本発明のB成分はグリコールの中でも炭素数が4〜8の化合物であり、具体的には、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコール等が挙げられ、中でも防腐性、使用感等の点から好ましいのはブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、オクチレングリコールであり、特に好ましいのは、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコールである。
これらの2価アルコールは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
[C成分]
本発明で用いられるC成分のポリフェノール(polyphenol) とは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を有する化合物であり、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど植物が光合成を行うときにできる物質の総称を表わす。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに成分として含有されており、その数は5,000種以上に及ぶ。植物の色素や苦味の成分であり、植物細胞の生成、活性化などを助ける働きを有することが知られており、人の身体の中に入っても、抗酸化物として有効に働くことが明らかになっている。中でも効果及び安定性の観点から、ピーナッツ、クルミ、ペカンナッツ等の薄皮から得られるナッツポリフェノールやカテキン、タンニン、アントシアニン、ルテイン、ロズマリン酸、ブドウのつるや皮などから得られるレスベラトロール、ホソバヒカゲスゲの全草から得られるα−ビニフェリンが好ましい。
なお、本発明においては植物抽出物から精製又は合成したポリフェノールを使用することも可能であるが、ポリフェノールを含有した植物エキスとして使用しても良い。
これらのポリフェノールは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0013】
[D成分]
本発明で用いられるD成分のキレート剤は、水中の重金属イオンやアルカリ土類金属イオンをキャッチする金属イオン封鎖剤であり、一般に有機系キレート剤や無機系のキレート剤がある。有機系のキレート剤として代表的なものはアミノカルボン酸系キレート剤であり、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(EHDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸(TTHA)、ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラ酢酸(DPTA−OH)、及びそれらの塩等がある。また、その他のキレート剤として例えば、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、クエン酸、アスコルビン酸、及びそれらの塩等がある。その中でも安定性、安全性、使用感等の点で好ましいものはEDTA、PDTA、DPTA−OH、HEDP、クエン酸、アスコルビン酸、及びそれらの塩であるが、特に好ましいのは、EDTA、HEDP、クエン酸、アスコルビン酸、及びそれらの塩である。
これらのキレート剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0014】
A成分は、皮膚外用剤組成物全量中に0.1〜30質量%、好ましくは0.3〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%含まれる。0.1質量%未満では使用時に適度なコクを呈することが難しく、また、整肌効果、肌荒れ防止・改善効果が弱くなり、30質量%を超えると使用感が悪くなるとともにコスト的に不利である。
B成分は、組成物全量中に2〜15質量%、好ましくは2〜12質量%、更に好ましくは2〜10質量%である。2質量%未満では整肌効果、肌荒れ防止・改善効果が弱くなり、15質量%を超えるとべたつきを生じ易くなるとともに肌にはりを与える効果が小さくなる。
C成分は、組成物全量中に0.0001〜0.2質量%であり、好ましくは0.0005〜0.2質量%、更に好ましくは0.0005〜0.1質量%である。0.0005質量%未満では肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果、しみ防止効果が小さくなるとともに安定性に問題を生じることがあり、0.2質量%を超えると肌を明るくする効果や安定性に問題を生じるうえ、コスト的に不利である。
D成分は、組成物全量中に0.1〜2質量%、好ましくは0.1〜1.8質量%、更に好ましくは0.15〜1.5質量%である。0.1質量%未満では安定性に問題を生じるとともに、肌に透明感と明るさを与える効果が小さくなり、2質量%を超えるとべたつきを生じることがある。
【0015】
本発明の皮膚外用剤には、化粧料や医薬品に常用されている添加剤を本発明の皮膚外用剤の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール等の本発明の成分以外の多価アルコール、乳糖、果糖、ショ糖等の糖類、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油、牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油、ミツロウ、カルナバロウ等のロウ類、高重合ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体、セラミド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤、石鹸、アシルメチルタウリン塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、ピロリドンカルボン酸塩、食塩等の有機又は無機塩類、pH調製剤としての酸及びアルカリ、殺菌剤、抗酸化剤、血行促進剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、動植物由来の天然エキス、ビタミン類、アミノ酸類、感光素、色素、顔料、及び香料等を配合できる。
【0016】
本発明の皮膚外用剤としては、化粧水、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ファンデーション、日焼け止め等の皮膚用化粧品や、美白化粧料、育毛剤等の医薬部外品、軟膏等の医薬品などが例示される。
【実施例】
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[A成分(ポリアルキレングリコール誘導体)の合成]
水酸基価は、JISK1557
6.4に準じて測定した。
[合成例]
合成例1:ポリオキシブチレン(48モル)ポリオキシエチレン(88モル)ペンタエリスリトールエーテル(化合物1)
ペンタエリスリトール45g、トルエン50g、水酸化カリウム8.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、110℃にて、滴下装置より、エチレンオキシド1292gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、110℃にて1,2−ブチレンオキシド1160gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有するトルエン及び水分を除去するため、115℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去し、2345gの化合物1を得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が56.0mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が30.0mgKOH/gであった。また、エチレンオキシド反応後のGPCの結果、多分散度は、1.025であった。
【0018】
合成例2:ポリオキシブチレン(45モル)ポリオキシエチレン(75モル)グリセリル(化合物2)
グリセリン31g、水酸化カリウム5.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら、140℃にて滴下装置より、エチレンオキシド1100gを滴下して2時間撹拌した。引き続き、140℃にて、1,2−ブチレンオキシド1080gを滴下し、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃にて1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2180gのポリオキシブチレン(45モル)ポリオキシエチレン(75モル)グリセリルエーテルを得た。水酸基価は、エチレンオキシド反応後が62.1mgKOH/g、1,2−ブチレンオキシド反応後が35.0mgKOH/gであった。
本発明者らは、上記合成例1〜2に準じて、下記表1に示す組成のポリアルキレングリコール誘導体を合成した。
なお、表1において、化合物1〜5は、本発明の成分(A)であり、化合物6、7は比較成分である。以下の各表においては、それぞれ「A」及び「A´」と表記する。
【0019】
【表1】

【0020】
[実施例1〜3、及び比較例1、2]
表2に示す組成の化粧水を調製し、6項目について下記の評価基準により評価を行なった。結果を表2に示す。
【0021】
評価項目及び評価基準
(1)使用時のコク
20名の女性(23才〜37才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用した時の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用時の感触の良好な皮膚外用剤であると評価した。
2点:使用時に適度なコクを有し、高級感があると感じた場合。
1点:使用時にある程度コクを有し、やや高級感があると感じた場合。
0点:コクがなく、高級感がないと感じた場合。
(2)使用後のべたつき
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚外用剤を使用して10分後の肌の感触について下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を使用後のべたつきがない皮膚外用剤であると評価した。
2点:べたつきが無いと感じた場合。
1点:肌がややべたつくと感じた場合。
0点:肌が非常にべたつくと感じた場合。
(3)肌荒れ改善効果
肌荒れを生じている10名の女性(32才〜50才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間にわたって使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、10名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌荒れ改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:肌荒れが明らかに治ってきたと感じた場合。
1点:肌荒れがやや治ってきたと感じた場合。
0点:肌荒れ改善効果が全く見られないと感じた場合。
(4)シワ防止・改善効果
肌荒れを生じている20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間にわたって使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上をシワ防止・改善効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:シワが明らかに少なくなったと感じた場合。
1点:シワがやや少なくなってきたと感じた場合。
0点:シワが減少しない、もしくは増えたと感じた場合。
(5)肌のはり
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日2週間にわたって使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌にはりと透明感を与える効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌にはりがでたと感じた場合。
1点:やや肌にはりがでたと感じた場合。
0点:肌にはりがないと感じた場合。
(6)肌の透明感と明るさ
20名の女性(28才〜61才)をパネラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連日4週間にわたって使用した時の肌の状態について官能検査し、下記のように判定し、20名の平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌に透明感を与え、明るくする効果のある皮膚外用剤であると評価した。
2点:明らかに肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
1点:やや肌に透明感が出て、明るくなったと感じた場合。
0点:肌の透明感、明るさに変化が無いと感じた場合。
【0022】
【表2】

【0023】
実施例1〜3から明らかなとおり、本発明の成分組成からなる化粧水はいずれも使用時に適度なコクを有し、べたつかず、肌の老化防止効果として、肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与え、キメを整え、しみを防止して透明感のある明るい肌を与えた。他方、比較例1、2の化粧水では十分な性能が得られなかった。すなわち、比較例1ではA成分に換えて本発明の成分ではない化合物6(A')が配合されているため、使用時のコク、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌にはりを与える効果が劣るとともに肌の透明感と明るさが十分でなく、比較例2ではC成分が配合されていないため、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌の透明感と明るさが劣っている。
【0024】
[実施例4〜6、比較例3、4]
表3に示す水中油型乳化の乳液を調整し、評価項目(1)〜(6)は実施例1〜3と同様の方法により、そして(7)経時安定性については下記の方法により評価を行なった。結果を表3に示す。
(7)経時安定性
皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃、40℃で3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化がない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において若干おり、沈殿を生じる又は若干着色を生じる。)
×:安定性不良(いずれかの温度においており、沈殿を生じる又は分離する。もしくは着色が著しい。)
【0025】
【表3】

【0026】
表3から明らかなとおり、実施例4〜6の乳液はいずれも使用時に適度なコクを呈するとともに、べたつかず、肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与えるなど、肌の老化防止効果を有し、キメを整え、しみを防止して明るく透明感のある肌を得ることができるなど、優れた美容効果を奏する。他方、比較例3、4では十分な性能が得られていない。すなわち、比較例3ではA成分に換えて本発明のA成分ではない化合物7(A’)が配合されているため、使用時のコク、肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、肌にはりを与える効果が劣るとともに肌の透明感と明るさを付与する効果が十分でなく、比較例4ではD成分が配合されていないために、肌へ透明感と明るさを付与する効果が劣るとともに、安定性の面でも問題を生じている。
【0027】
[実施例7、8]
表4に示す組成の水中油型乳化クリームを調製し、評価項目(1)〜(6)は実施例1〜3の方法により、そして評価項目7番目の経時安定性については下記(8)の方法により評価を行なった。但し、共通添加成分1として表5に示す10成分を使用した。
結果を表4に示す。
(8)経時安定性
化粧料を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃、45℃で1ヶ月間保存したときの状態を調査し、下に示す3段階で評価した。
○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化がなくブツ等も生じない。)
△:安定性やや不良(いずれかの温度において僅かに沈殿を生じるか僅かに分離が見られる。又は僅かにブツ、ダマを生じている。)
×:安定性不良(いずれかの温度において明らかに沈殿を生じるか分離する。
【0028】
【表4】

【0029】
【表5】

【0030】
表4から明らかなとおり、実施例7、8のクリームはいずれも、使用時に適度なコクを有し、べたつかず、肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与えるなど、肌の老化防止効果に優れ、キメを整え、しみを防止して明るく透明感のある肌とすることができた。
【0031】
[実施例9、10]
表4に示す組成で構成される油中水型乳化クリームを調製し、実施例7、8と同様の評価方法により評価を行なった。但し、共通添加成分2として表6に示す10成分を使用した。
結果を表4に示す。
【0032】
【表6】

【0033】
表4から明らかなとおり、実施例9、10のクリームはいずれも使用時に適度なコクを有し、べたつかず、肌荒れ防止・改善効果、シワ防止・改善効果に優れ、肌にはりを与えるなど、肌の老化防止効果に優れ、肌にはりを与え、キメを整え、しみを防止して明るく透明感のある肌とすることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚外用剤全量に対し、
A 下記一般式(I)により示されるポリアルキレングリコール誘導体 0.1〜30質量%、

Z−{O−(EO)−(BO)−H} (I)
(式中、Zは、水酸基を3〜6個有する水溶性多価アルコールから水酸基を除いた残基、mは3〜6の整数、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基で、EOとBOはブロック状に結合している。aは10〜50の整数、kは3〜40の整数。EOとBOの合計量100質量部に対し、EOの質量割合は10〜75質量部。)
B 炭素数4〜8の2価アルコール 2〜15質量%、
C ポリフェノール 0.0001〜0.2質量%、
D キレート剤 0.1〜2質量%、
を含有する皮膚外用剤。

【公開番号】特開2013−35766(P2013−35766A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171742(P2011−171742)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】