説明

皮膚外用剤

【課題】ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドに起因する悪臭を抑止し、ベタツキが
なく、保湿効果が高い皮膚外用剤を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有する皮膚外用剤において、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドに対して水溶性多価アルコールを5〜30重量倍、ムコ多糖類を0.075〜2重量倍を含有することで、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの分解に起因する不快な臭いを抑制し、かつ、ベタツキが少なく、保湿性が高い皮膚外用剤を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性多価アルコールとムコ多糖類とポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとを含有し、皮膚保湿効果に優れた皮膚外用剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮膚における水分の保持は皮膚のバリア機能を維持し、皮膚をすこやかに保つために欠かせない機能であり、保湿を目的とした化粧品、医薬部外品及び医薬品が多く市販されている。保湿に関与する物質や組成物の研究や開発も盛んに行われ、数々の保湿剤が提供されている。また、水溶性多価アルコールやムコ多糖は、保湿剤として多く使用されているが、いずれも塗布時にベタツキを生じやすいという問題点があった。
【0003】
水溶性多価アルコールは、保湿性が高い一方、使用感触がかなりべたつくという性質を有するが、特許文献1では、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを水溶性多価アルコールに対して1/10(重量比)以上を配合することで、保湿感に優れかつベタツキのない良好な化粧料が得られることが開示されている。また、ムコ多糖も同様に保湿性が高い成分であるが、ベタツキの強い感触があるため、特許文献2では、ムコ多糖に対して2倍量(重量比)以上のポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを配合することで、ベタツキを抑制し、かつムコ多糖の保湿効果がさらに増強されることが開示されている。
【0004】
しかしながら、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは安定性が悪く、酸化分解により不快な臭いが発生する。そのため、皮膚に長時間留まる皮膚外用剤や顔付近に適用する製剤においては、その不快な臭いにより製剤満足度が低下し、継続的な使用が難しかった。
【0005】
また、ヒアルロン酸などのムコ多糖は、皮膚の天然保湿因子でもあり、保湿作用を有していることから、保湿剤として種々の化粧品に使用されている。コスト面から保湿効果を高めるために多く配合することは難しく、また、大量のムコ多糖を配合した場合には塗布後によれが生じるなどの問題があった。
【0006】
さらに、保湿効果の向上のために、水溶性多価アルコールとムコ多糖の両成分を配合すると、ベタツキがさらに強くなり使用感触が悪くなるという問題があり、両成分を配合してもベタツキが少なく保湿効果が高い皮膚外用剤が望まれていた。
従って、保湿効果が高く、しかも、不快な臭いがなく使用感触が良好な皮膚外用剤が望まれている。
【特許文献1】特開昭61−167608号公報
【特許文献2】特開昭61−238709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、保湿効果が高く、しかも、不快な臭いがなく使用感触が良好な皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、水溶性多価アルコールとムコ多糖類とポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとを含有する皮膚外用剤において、A)水溶性多価アルコールの含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5〜30重量倍、B)ムコ多糖類の含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの0.075〜2重量倍とすることで、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの分解に起因する不快な臭いがなく、しかも、これら3成分を特定の比率で含有することにより、保湿効果が高くなる一方、ベタツキが抑制され使用感触の良好な皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
従って、本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。すなわち本発明は、下記(1)〜(3)に掲げる皮膚外用剤である、
(1)ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドと水溶性多価アルコールとムコ多糖類を含有し、A)水溶性多価アルコールの含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5〜30重量倍、B)ムコ多糖類の含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの0.075〜2重量倍である皮膚外用剤。
(2)ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量が0.01〜5重量%である(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドが、プロピレン付加型である(1)〜(2)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(4)ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有する皮膚外用剤において、水溶性多価アルコールをポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5重量倍以上配合することを特徴とするポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの安定化方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有しながらも不快な臭いがなく、さらに、水溶性多価アルコールやムコ多糖類を含有しながらも、ベタツキがなく使用感触が良好で、保湿効果が良好な新規皮膚外用剤を提供される。本皮膚外用剤は、保湿性に優れるため、皮膚の乾燥症状の治療、改善や発生予防のための組成物等として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明に用いる水溶性多価アルコールは、分子内に水酸基を2個以上有するものであり、医薬品、医薬部外品又は化粧品の分野で通常使用されるものであれば特に制限されずに使用できる。本発明において、水溶性多価アルコールは、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明に用いる水溶性多価アルコールの具体例としては、分子内に水酸基を2個有するものとして、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール等のグリコール類、また、分子内に水酸基を3個以上含むものとして、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のグリセリン類、マルトース、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、エリスリトール等の糖類等が挙げられる。
【0014】
本発明に用いる水溶性多価アルコールとしては、使用感触や保湿性の観点から、グリコール類、やグリセリン類が好ましく、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオールが特に好ましい。
【0015】
本発明に用いる多価アルコールは、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの分解に起因する不快な臭いを抑制するため、水溶性多価アルコールの含有量は、通常ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5〜30重量倍、好ましくは5〜25重量倍、特に好ましくは5〜15重量倍で用いることができる。
【0016】
本発明に用いる水溶性多価アルコールの含有量は、本願効果を奏し得る限り特に制限はされないが、外用剤全体に対して、通常0.0001〜50重量%、好ましくは、0.001〜30重量%、特に好ましくは、0.01〜25重量%である。0.0001重量%未満では、保湿効果が示されず、50重量%以上では、ベタツキなどの使用感触の改善が難しく好ましくない。
【0017】
本発明に用いるムコ多糖類は、その基本骨格にアミノ糖とウロン酸とを含有し、動物の粘液から得られる多糖類であり、由来は特に制限されず、医薬品、医薬部外品又は化粧品の分野にで通常使用されるものであれば特に限定されずに使用できる。本発明において、ムコ多糖類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0018】
本発明に用いるムコ多糖類の具体例としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体などのヒアルロン酸類、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸などのコンドイチン硫酸類、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等、及びこれらの塩が挙げられる。
【0019】
ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等の塩としては、薬学的・生理学的に許容される塩が好ましい。例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩;等を挙げることができ、好ましくはナトリウム塩などのアルカリ金属塩である。
【0020】
ヒアルロン酸誘導体としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエステル誘導体;ヒアルロン酸の水酸基の水素原子が、アシル基で置換されたエステル誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたエーテル誘導体;ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アシル基で置換されたアミド誘導体や、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたアミン誘導体;等が挙げられる。ヒアルロン酸誘導体は、構成単位(2糖)あたりの置換数が1〜6のものが通常使用され、置換数2〜4のものが好ましい。
【0021】
エステル誘導体としては、ヒアルロン酸のカルボキシル基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたもの;ヒアルロン酸の水酸基の水素原子がアルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたもの;等が挙げられる。
【0022】
アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基である。具体例としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
これらアルキル基及びアルケニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0023】
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)等が挙げられる。また、アリール基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0024】
アルカノイル基としては炭素数1〜12のアルカノイル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜7のアルカノイル基である。具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。また、アルカノイル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては炭素数7〜15のアリールカルボニル基が挙げられ、好ましくは炭素数7〜12のアリールカルボニル基である。具体例としては、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基(1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基)等が挙げられる。また、アリールカルボニル基は置換されていても良く、その置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、イソブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0025】
エーテル誘導体としては、ヒアルロン酸の水酸基の水素原子がアルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
エーテル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0026】
アミド誘導体としては、ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アルカノイル基、アリールカルボニル基等のアシル基で置換されたものなどが挙げられる。
アミド誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルカノイル基」及び「アリールカルボニル基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0027】
アミン誘導体としては、ヒアルロン酸のアミノ基の水素原子が、アルキル基、アルケニル基、アリール基などで置換されたものなどが挙げられる。
アミン誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」としては、前記エステル誘導体の置換基として例示した「アルキル基」、「アルケニル基」及び「アリール基」とそれぞれ同様のものが挙げられる。
【0028】
本発明に用いるムコ多糖類の平均分子量は特に制限されないが、通常は50万〜400万であり、好ましくは60万〜250万、特に好ましくは80万〜120万である。
【0029】
本発明に用いられるムコ多糖類としては、具体的には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウム、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が用いられ得る。
本発明に用いられるムコ多糖類としては、好ましくは、溶解度及び安定性の観点から、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0030】
本発明に用いるムコ多糖類としては、使用感触や保湿性の観点から、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩が好ましく、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムが特に好ましい。
【0031】
本発明に用いるムコ多糖は、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの使用感触の改善や保湿効果の向上のために、ムコ多糖の含有量は、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの0.075〜2重量倍、好ましくは0.01〜0.5重量倍で用いることができる。
【0032】
本発明に用いるムコ多糖類の含有量は、本発明の効果を奏し得る限り特に制限はされないが、外用剤全量に対して、通常 0.0001〜10重量%、好ましくは、0.001〜5重量%、特に好ましくは、0.01〜1重量%である。0.0001重量%未満では、水溶性多価アルコールのベタツキを改善する効果が示されず、10重量%以上では、コストが高く製剤調製も難しく好ましくない。
【0033】
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、アルキル化単糖類にアルキレンオキサイドを付加重合させたものであり、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシドは、グルコースを出発原料としてメチルグルコシドを合成し、次いでエチレンオキサイドを付加すれば得られるものである。
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、医薬品、医薬部外品、化粧品の分野で通常使用されるものであれば特に制限されずに使用できる。本発明において、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0034】
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの具体例としては、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレンメチルグルコシド等のポリオキシアルキレンメチルグルコシド類、ポリオキシエチレンエチルグルコシド、ポリオキシプロピレンエチルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレンエチルグルコシド等のポリオキシアルキレンエチルグルコシド類、ポリオキシエチレンプロピルグルコシド、ポリオキシプロピレンプロピルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレンプロピルグルコシド等のポリオキシアルキレンプロピルグルコシド類などが挙げられる。
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとしては、保湿性の観点からポリオキシアルキレンメチルグルコシド類が好ましく、ポリオキシエチレンメチルグルコシド及びポリオキシプロピレンメチルグルコシドが特に好ましく、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドが更に好ましい。本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドとして、マクビオブライド(商標)MG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20P (以上、日本油脂製)や、グルカムE-10、E-20、P-10、P-20(以上、ノベオン製)等が用いることができる。
【0035】
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドのアルキレンオキサイドの平均付加モル数は、合計で5〜40モルであり、5〜30モルが好ましく、10〜20モルが特に好ましい。
【0036】
本発明に用いるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量は、本願効果を奏し得る限り特に制限はされないが、外用剤全量に対して、通常0.001〜20重量%、好ましくは、0.001〜10重量%、特に好ましくは、0.01〜5重量%である。0.001重量%未満では保湿効果が少なく、20重量%以上はべたつきの発生など官能面で好ましくない。
【0037】
さらに、本発明の皮膚外用剤には、清涼感の向上やベタツキなどの使用感触の改善のために、テルペン類を配合することができる。テルペン類は、皮膚外用剤において通常用いられるテルペンであれば特に制限されないが、例えば、カンフル、メントール、ボルネオール、オイゲノール、シネオール、チモール、ビサボロール、α−ピネン、又はリモネンなどのモノテルペン、ファルネソール、ネロリドール等のセスキテルペン、フィトール、センブレン等のジテルペンが挙げられる。好ましくはモノテルペンであり、より好ましくはメントール、カンフルである。これらのテルペン類は、天然品、合成品のいずれも利用することができ、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。これらのテルペン類は、テルペン類を含有する精油として皮膚外用剤に使用することもでき、例えば、ユーカリ油、ハッカ油、チョウジ油、ケイヒ油、ペパーミント油、ミント油、ティーツリー油、カモミール油、ローズマリー油、レモン油、オレンジ油、タイム油、セージ油、クローブ油等が挙げられる。好ましくはユーカリ油、ハッカ油又はティーツリー油であり、より好ましくはユーカリ油又はハッカ油等として、皮膚外用剤に使用してもよい。これらのテルペン類は1種又は2種以上組合わせて用いることもできる。
【0038】
テルペン類の含有量は、特に限定されることなく適宜選択することができるが、皮膚外用剤全重量に対して通常0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜8重量%、特に好ましくは0.01〜8重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%の範囲で用いることができる。0.001重量%以下では十分に使用感触の向上を得ることができず、また20重量%以上では刺激などの問題を起こしやすくなる。
【0039】
本発明の皮膚外用剤には、上記必須の成分に加えて、医薬品、医薬部外品又は化粧品の分野において通常使用され得る有効成分を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。これらの各成分としては、皮膚外用剤に用いられる薬効成分であれば特に制限されず、例えば、抗炎症成分、ビタミン類、抗菌成分、局所麻酔成分、鎮痒成分、消炎鎮痛成分、保湿成分などが挙げられる。これらの成分は1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。また、これらの成分の配合量は、適宜選択使用することができる。具体的には、外用剤全体に対して、通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.0005〜5重量%、特に好ましくは0.001〜3重量%を任意に使用することができる。
【0040】
抗炎症成分:カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸誘導体;グリチルレチン酸又はその誘導体;アラントイン又はその誘導体;インドメタシン;イブプロフェン;イブプロフェンピコノール;ブフェキサマク;フルフェナム酸ブチル;ベンダザック;ピロキシカム;ケトプロフェン;フェルビナク;サリチル酸メチル又はサリチル酸グリコール等のサリチル酸誘導体;デキサメタゾン、ベタメタゾン、吉草酸酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、酪酸クロベタゾン等のステロイド系成分など。
【0041】
ビタミン類:レチノール、酢酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;トコフェロール、酢酸トコフェロール、レチノイン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸メチルなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子など。
【0042】
抗菌成分:イソプロピルメチルフェノール;グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン等のクロルヘキシジン塩;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;臭化セチルトリメチルアンモニウム;塩化デカリニウム;トリクロサン;トリクロロカルバニリドなど。
【0043】
局所麻酔成分:リドカイン;塩酸リドカイン;ジブカイン;塩酸ジブカイン;アミノ安息香酸エチル;ユーカリ油;オイゲノール;カンフル;メントール;ハッカ油;クロロブタノールなど。
【0044】
鎮痒成分:クロタミトン;クロルフェニラミン;マレイン酸クロルフェニラミン;ジフェンヒドラミン;塩酸ジフェンヒドラミン;サリチル酸ジフェンヒドラミン;サリチル酸;ノニル酸ワニリルアミド;メキタジン;カンフル;チモール;オイゲノール;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;コンフリーエキス;シソエキスなど。
【0045】
消炎鎮痛成分:インドメタシン;フェルビナク;サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等のサリチル酸類;アラントイン又はその誘導体;イブプロフェン;イブプロフェンピコノール;ブフェキサマク;フルフェナム酸ブチル;ベンダザック;ピロキシカム;ケトプロフェンなど。
【0046】
保湿成分:アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;ポリグルタミン酸など。
【0047】
本発明の皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品の分野において通常用いられ得る各種の成分を、本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて配合することができる。例えば、基剤成分、界面活性剤、安定化剤、粘稠化剤、防腐剤、粉体、着色剤、紫外線防止剤、香料、pH調整剤等が挙げられる。これらの成分は1種又は2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0048】
本発明の皮膚外用剤は、保湿効果が良好な医薬品、医薬部外品又は化粧品として用いることができるため、保湿効果が期待されるあらゆる皮膚外用剤に用いられる。また、本発明の皮膚外用剤は、不快な臭いの発生もなく、顔や顔の周辺に適用することができるため、特に化粧料に適している。
【0049】
本発明の皮膚外用剤の用途としては、保湿効果が高いため、例えば、皮膚の乾燥に起因する症状の治療、予防又は改善用途が挙げられる。
皮膚の乾燥に起因する症状の具体例としては、皮膚表面の落屑、粉ふき、けばだち、かさつき、ひび、あかぎれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶし等の角化、顔の小じわ、皮膚柔軟性の低下、手指のあれ、痒み、乾燥肌(ドライスキン)、敏感肌、皮膚のかぶれ、紅斑、アトピー肌、肌荒れ等がある。
これらの症状を示す具体的な疾患としては、乾皮症、老人性乾皮症、尋常性鱗癬(鮫肌)、小児乾燥性皮膚、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、皮脂減少性湿疹、敏感肌、季節性乾皮症、水性掻痒症が挙げられる。
【0050】
一般に、乾燥症状を示す皮膚はバリア機能が低下している。本発明の皮膚外用剤は、優れた保湿性を有するので、皮膚にうるおいを与えて、皮膚の乾燥症状の治療、予防又は改善に有用であり、それに伴って皮膚のバリア機能をも高め得る。このため、本発明の皮膚外用剤は、肌を整える;肌のキメを整える;皮膚を健やかに保つ;皮膚を保護する;肌荒れを防ぐ;皮膚に潤いを与える;皮膚を柔軟に保つ;皮膚の乾燥を防ぐ;皮膚を柔らげる;等の効果も奏する。
【0051】
本発明の皮膚外用剤は、通常pH2〜9の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性及び使用感触のよさという観点から、好ましくはpH3〜8、より好ましくはpH4〜8、特に好ましくはpH5〜8である。
【0052】
本発明の皮膚外用剤は、液剤、ゲル、クリーム、乳液などの剤形で用いることができる。本発明の皮膚外用剤の調製方法は、特に制限されず、通常の外用剤の各種剤形を調製するのに必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法により調製することができる。また、本発明の皮膚外用剤の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮膚等の外皮に塗布するなどして用いることができる。
【0053】
本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有する皮膚外用剤において、水溶性多価アルコールをポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5重量倍以上、好ましくは5〜30重量倍を配合することを特徴とするポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを安定化する方法をも包含する。なお、この方法についてのポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、水溶性多価アルコール及びムコ多糖類の種類や含有量などについては、先に詳述した皮膚外用剤と同じように用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0055】
常法により次の処方で、皮膚外用液剤を調製し、実施例1とした。
実施例1
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 1g
1,3-ブチレングリコール 5g
濃グリセリン 6g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.3g
精製水 適量
合計 100g
【0056】
試験例1 臭い試験
表1の処方に従い、各製剤を調製し、蓋つきガラス容器(50ml)に40gずつ充填した後に密閉して、加速試験(条件1:60℃2週間、条件2:50℃1ヶ月)を実施した。加速試験終了後に開封し、開封直後に臭いを嗅いで、不快な臭いの有無を評価した。
【0057】
【表1】

【0058】
以上の結果から、水溶性多価アルコールを含有しない比較例1では、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドから発生する不快な臭いを感じたが、水溶性多価アルコールをポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5.0〜20重量倍配合した実施例2〜7では不快な臭いが感じられず、水溶性多価アルコールによるポリオキシアルキレンアルキルグルコシドに起因する不快な臭いの抑制効果が認められた。一方、水溶性多価アルコールをポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの1〜2.5重量倍配合した比較例2〜5では、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドに起因する不快な臭いが感じられ、抑制効果は認められなかった。
【0059】
試験例2 保湿効果の試験
実施例1と同様にして、表2に示す処方にて皮膚外用液剤を調製し、実施例8〜11又は比較例6〜10とした。
健常人10名の前腕内部に、各皮膚外用液剤を2.5μl/cmとなるように塗布し、それぞれの塗布部分について、塗布前、30分後の被検部位と無塗布のコントロール部位の高周波伝導度(μS)を表皮角層水分測定装置(Skicon-200EX、IBS社製)で測定した。測定は各被験部位において行い、3回の平均値を算出した。高周波伝導度(μS)の平均値を表2に示す。なお高周波伝導度の値が大きいほど角質水分量が多く保湿効果が高いことを示す。さらに、下記の基準で、◎、○、△、×の4段階に評価した。角質水分量及び評価の結果を表2に示す。
<評価>
◎:塗布30分後の角質水分量が、150μSを超える
○:塗布30分後の角質水分量が、100μSを超え、150μS以下
△:塗布30分後の角質水分量が、50μSを超え、100μS以下
×:塗布30分後の角質水分量が、50μS以下
【0060】
試験例3 使用感触の試験
健常者10名の腕に、試験例2で調製した実施例8〜11又は比較例6〜10の皮膚外用液剤を塗布してもらい、「保湿感」「ベタツキ」の各項目について、塗布直後及び塗布10分後に観察し、結果を総合して下記の評価基準に従い4段階で評点してもらった。さらに、評点の合計から、◎、○、△、×の4段階に評価した。評点の合計及び評価の結果を表2に示す。
【0061】
<評価基準>
「保湿感」
3点:しっとりしている
2点:ややしっとりしている
1点:あまりしっとりしていない
0点:乾燥している
「ベタツキ」
3点:ベタツキを全く感じない
2点:わずかにベタツキがあるが、使用上問題のない範囲である
1点:少しベタツキがある
0点:著しくベタツキがある
<評価>
「保湿感」「ベタツキ」
◎:評点の合計が、22.5点を超え、30点以下
○:評点の合計が、15点を超え、22.5点以下
△:評点の合計が、7.5を超え、15点以下
×:評点の合計が、7.5以下
【0062】
試験2及び試験3の評価を総合して、以下の基準で総合評価を行った。
◎:評価項目がすべて◎の場合
○:評価項目が1つ以上○、残りが◎の場合
△:評価項目が1つ以上△、残りが◎又は○の場合
×:評価項目が1つ以上×、残りが◎、○又は△の場合
【0063】
【表2】

【0064】
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドに対して、水溶性多価アルコールを7〜8.5重量倍、ムコ多糖類を0.10〜0.17重量倍配合した実施例8〜10は、ベタツキが抑制された使用感触であり、さらに、保湿効果に関しても、官能と角質水分量保持の両面で優れた効果を有することが認められた。また、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドが、ポリオキシエチレンメチルグルコシドよりも保湿効果が高いことが認められた。
【0065】
以下に処方例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0066】
実施例12 化粧水
下記のA相及びB相の各成分を秤量し、A相、B相に分けて室温にて均一に溶解した後、A相にB相を加え均一に混合して化粧水を得た。ポリオキシプロピレンメチルグルコシドは、プロピレンオキシド付加モル数が10のものを使用した。
A相
精製水 73.75g
1,3-ブチレングリコール 10g
グリセリン 7g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5g
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 3g
B相
エタノール 5g
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5g
オレイルアルコール 0.1g
メチルパラベン 0.1g
香料 0.05g
【0067】
実施例13 化粧水
実施例12に準じて製造した。ポリオキシエチレンメチルグルコシドは、エチレンオキシド付加モル数が10のものを使用した。
A相
精製水 81.2g
1,3-ブチレングリコール 6g
ジプロピレングリコール 5g
PEG4000 3g
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 2g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.3g
B相
ホホバ油 0.5g
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5g
POE(5)オレイルアルコールエーテル 0.3g
メチルパラベン 0.15g
香料 0.05g
【0068】
実施例14 乳液
A相、B相をそれぞれ混合・加熱溶解して70℃に保つ。A相にB相を徐々に加え、乳化機にて乳化する。乳化物を終温25℃まで冷却し、乳液を得た。ポリオキシプロピレンメチルグルコシドは、プロピレンオキシド付加モル数が20のものを使用した。
A相
ミツロウ 2g
流動パラフィン 20g
スクワラン 10g
モノステアリン酸グリセリン 3g
POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1g
エチルパラベン 0.2g
香料 0.05g
B相
1,3-ブチレングリコール 7g
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2g
精製水 55.55g
【0069】
実施例15 クリーム
実施例14に準じて製造した。ポリオキシエチレンメチルグルコシドは、エチレンオキシド付加モル数が20のものを使用した。
A相
ステアリルアルコール 6g
ステアリン酸 2g
スクワラン 9g
オクチルドデカノール 10g
POE(25)セチルアルコールエーテル 3g
モノステアリン酸グリセリン 2g
メチルパラベン 0.1g
プロピルパラベン 0.05g
B相
1.3-ブチレングリコール 6g
PEG1500 4g
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2g
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.05g
精製水 56.6g
【0070】
実施例16 ファンデーション
A相、B相をそれぞれ混合・加熱溶解して70℃に保ち、B相にA相を徐々に加える。次に70℃に加熱溶解したC相を徐々に添加する。終温25℃まで冷却し、ファンデーションを得た。ポリオキシプロピレンメチルグルコシドは、プロピレンオキシド付加モル数が10のものを使用した。
A相
タルク 3g
二酸化チタン 5g
ベンガラ 0.5g
黄酸化鉄 1.4g
黒酸化鉄 0.1g
B相
ベントナイト 0.5g
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.9g
ジプロピレングリコール 10g
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1g
精製水 58.1g
C相
ステアリン酸 2.2g
イソヘキサデシルアルコール 7g
モノステアリン酸グリセリン 2g
流動パラフィン 8g
メチルパラベン 0.2g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性多価アルコール、ムコ多糖類、及びポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有し、A)水溶性多価アルコールの含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5〜30重量倍、B)ムコ多糖類の含有量が、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの0.075〜2重量倍である皮膚外用剤。
【請求項2】
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの含有量が0.01〜5重量%である請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドが、プロピレン付加型である請求項1〜2のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドを含有する皮膚外用剤において、水溶性多価アルコールをポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの5重量倍以上配合することを特徴とするポリオキシアルキレンアルキルグルコシドの安定化方法。

【公開番号】特開2013−56929(P2013−56929A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256499(P2012−256499)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2007−191450(P2007−191450)の分割
【原出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】