説明

皮膚外用組成物

【課題】皮膚をケアすることによって皮膚のシワ形成を抑制し、皮膚のハリや弾力を維持し、若々しい肌の状態を維持することが可能な皮膚外用組成物を提供すること。
【解決手段】有効成分として、(1)クロバナツルアズキからの抽出物、(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び(3)ビタミンA又はその脂肪酸エステル、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2の脂肪酸エステル、ビタミンB6の脂肪酸エステル、ビタミンCの脂肪酸エステル、パントテノール及びナイアシンから選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミン、を含み、且つ上記(1)及び(2)の成分が親水性相(W相)に存在し、(3)の成分が親油性相(O相)に存在することを特徴とする皮膚外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮の恒常性機能に関与する基底膜に対して補強及び保護作用等を有する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の構造は大きく分けて角層、表皮、基底膜、真皮、皮下組織から構成される。基底膜は表皮と真皮の境界部に存在し、その機能は、多岐にわたり、表皮の真皮への接着、表皮の極性の決定、表皮の分化・増殖の制御、さらには真皮の細胞が産生する因子や血成分由来の栄養供給の制御に関与している。そのため、表皮基底膜は皮膚の構造、恒常性機能の維持にとってきわめて重要な役割を果たしている。
【0003】
基底膜の主要骨格はIV型コラーゲンからなる網目構造をしており、さらにラミニン5、VII型コラーゲンを有している。基底膜と表皮の境界に存在し、基底膜と表皮を繋ぎとめているのがラミニン5を主成分とする各種糖蛋白質であり、VII型コラーゲンは基底膜と真皮との結合を担っている。若い皮膚においては、基底膜の働きにより表皮、真皮の相互作用が恒常性を保つことで水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、基底膜の主要構成成分であるIV型コラーゲンや、ラミニン5は分解・変質を起こし、基底膜構造が破壊される。その結果、皮膚は保湿機能や弾力性が低下し、角質は異常剥離を始めるから、肌は張りや艶を失い、荒れ、シワ等の老化症状を呈するようになる。このように、皮膚の老化に伴う変化、即ち、シワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等には、基底膜成分の減少、基底膜の多重化、断裂等の構造変化が関与している。
【0004】
したがって、表皮基底膜の構造を良い状態に保つことが、皮膚の健康、将来の老化を防止するという点からも重要であることより、新たなスキンケアとして皮膚基底膜ケアの重要性が高まっており。このため、IV型コラーゲン及びラミニン5の産生を促進することによって基底膜構造の再構築を誘導し、またIV型コラーゲンやラミニン5を分解する酵素として知られているMMPsの活性を阻害することにより基底膜成分の減少、基底膜の構造変化を抑制し、皮膚機能を改善する物質の開発が望まれている。
【0005】
IV型コラーゲン産生促進作用を有するものとしては、例えば、加水分解カゼイン、プレエキス、ブナの芽エキス、エリスリナエキス、可溶性卵殻膜、カッコンエキス及び西洋キズタエキス(特許文献1)、サポニン又はサポゲノール(特許文献2)等が知られている。また、ラミニン5産生促進作用を有するものとしては、例えば、カッコン抽出物、カンゾウ抽出物またはそのフラボノイド画分、ヒオウギ抽出物、ジタノキ抽出物、イボツヅラフジ抽出物、コロハ抽出物および乳清抽出物(特許文献3)オノニス抽出物、メリロート抽出物、モヤシ抽出物、アズキ抽出物(特許文献4)、大豆抽出物(特許文献5)等が知られている。さらに、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を有するものとしては、例えば、黒霊芝抽出物(特許文献6)、クリ渋皮発酵物からの抽出物(特許文献7参照)等が知られている。さらに、IV型コラーゲン産生促進剤、ラミニン5産生促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤としてクロバナツルアズキからの抽出物を有効成分として含有するものも提案されている(特許文献8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−18471号公報
【特許文献2】特表2002−516837号公報
【特許文献3】特開2003−137767号公報
【特許文献4】特開2003−137768号公報
【特許文献5】特開2004−217618号公報
【特許文献6】特開2005−298391号公報
【特許文献7】特開2004−352634号公報
【特許文献8】特開2007−217352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者等は、上述のIV型コラーゲン産生促進剤、ラミニン5産生促進剤等について種々実験を重ねた結果、IV型コラーゲン産生促進剤としてはクロバナツルアズキからの抽出物が優れているものの、IV型コラーゲン産生促進能、ラミニン5産生促進能に加えて、皮膚の弾力性を維持する繊維芽細胞増殖能の全てを満たすには、クロバナツルアズキに加えて複数の特定の有効成分を併用することが必要であることを見いだした。上記繊維芽細胞増殖能は、真皮の網状層に存在する真皮の成分を作り出す繊維芽細胞を増殖させる能力で、これの維持、向上により肌の弾力性、若々しさが得られるものである。
【0008】
このため、上記ような材料では、皮膚(特に基底膜)をケアすることによって皮膚のシワ形成を抑制し、皮膚のハリや弾力を維持し、若々しい肌の状態を維持することは困難であった。
【0009】
従って、本発明の目的は、皮膚をケアすることによって皮膚のシワ形成を抑制し、皮膚のハリや弾力を維持し、若々しい肌の状態を維持することが可能な皮膚外用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、
有効成分として、
(1)クロバナツルアズキからの抽出物、
(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び
(3)ビタミンA又はその脂肪酸エステル、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2の脂肪酸エステル、ビタミンB6の脂肪酸エステル、ビタミンCの脂肪酸エステル、パントテノール及びナイアシンから選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミン、
を含むことを特徴とする皮膚外用組成物;
により達成することができる。
【0011】
本発明の皮膚外用組成物の好ましい態様を以下に列記する。
(i)(1)クロバナツルアズキからの抽出物が、IV型コラーゲン産生能及びラミニン5産生能を有する。これにより、表皮の恒常性機能に関与する基底膜に対して補強及び保護作用を有する。
(ii)(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジン抽出物が、繊維芽細胞増殖能を有する。加えてローヤルゼリーからの抽出物はIV型コラーゲン産生能を、そしてニンジン抽出物はラミニン5産生能を有する。
(iii)上記(1)及び(2)の成分が親水性相(W相)に存在し、(3)の成分が親油性相(O相)に存在する。これにより、乳化物の安定性、皮膚への浸透性が向上する。
(iv)(3)の成分を含有する親油性相(O相)の平均粒径が100nm以下である。これにより、乳化物の安定性、皮膚への浸透性がさらに向上する。
(v)親水性相(W相)がグリセリンを含む。これにより、乳化物の安定性、皮膚への浸透性が向上する。
(vi)パラベン類、合成色素及び合成香料を含まない。これにより、皮膚刺激性が軽減される。
(vii)乳液剤、ローション剤、クリーム剤又はゲル剤(ゲル状の乳液)の形態である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の皮膚外用組成物においては、(1)クロバナツルアズキからの抽出物、(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び(3)特定の脂溶性ビタミンが使用される。このような(1)〜(3)の成分を同時に含有する組成物を皮膚に塗布することにより、皮膚のシワ形成を抑制し、皮膚のハリや弾力を維持し、若々しい肌の状態を維持することが可能となる。特に、(1)及び(2)の成分が親水性相(W相)に存在し、(3)の成分が親油性相(O相)に存在する(1)〜(3)乳化組成物を皮膚に塗布することにより、一層向上した上記効果が得られる。これは、上記3個又は4個の成分を同時に用いることにより、IV型コラーゲン産生能及びラミニン5産生能が大幅に向上すると共に、肌に弾力を与える繊維芽細胞増殖能も向上することができる、或いはこれらの能力の低下を抑制することができると考えられる。従って、本発明の皮膚外用組成物は、皮膚をケアすることによって皮膚のシワ形成を抑制し、皮膚のハリや弾力を維持し、若々しい肌の状態を維持することが可能なものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の皮膚外用組成物について以下に詳述する。
【0014】
本発明の皮膚外用組成物では、その有効成分として、(1)クロバナツルアズキからの抽出物、(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び(3)特定の脂溶性ビタミンが使用される。
【0015】
本発明において使用されるクロバナツルアズキ(Phaseolus atropurpureus)は、北米原産で、日本では九州、沖縄等に主に分布しているマメ科インゲンマメ属に属するつる性の多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料としては、例えば、幹部、地上部、根部、花部、全草等の部位が使用可能であるが、幹部が好ましい。クロバナツルアズキは英名ではサイラトロ(Siratro)と呼ばれる。
【0016】
クロバナツルアズキからの抽出物(1)とは、本発明においては、クロバナツルアズキを抽出原料として得られる抽出液、この抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれも含まれる。
【0017】
クロバナツルアズキ抽出物は、IV型コラーゲン産生能(促進作用)、ラミニン5産生能、さらにはマトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を有すると考えられ、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって得られる。
【0018】
例えば、クロバナツルアズキを乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、IV型コラーゲン産生能、ラミニン5産生能を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0019】
抽出溶媒としては、水、親水性有機溶媒等の極性溶媒を挙げることができる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。抽出の温度は、室温又は溶媒の沸点以下の温度で行うことが好ましい。
【0020】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理したものも使用することができる。このような処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化を挙げることができる。
【0021】
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素原子数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の炭素原子数3〜5低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素原子数2〜5の多価アルコール等を挙げることができる。メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、1,3−ブチレングリコールが好ましく、特にエタノール、1,3−ブチレングリコールが好ましい。
【0022】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90質量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40質量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10質量部に対して多価アルコール10〜90質量部を混合することが好ましい。
【0023】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させることができれば、特に限定はされることはなく、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を溶出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、この抽出液の希釈液若しくは濃縮液、抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0024】
抽出効率を上げるための圧力コントロールを行っても良い。
【0025】
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでもIV型コラーゲン産生能、ラミニン5産生能を有する有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
【0026】
クロバナツルアズキ抽出物は、特有の匂いと味とを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料等に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のまま使用しても良い。
【0027】
クロバナツルアズキ抽出物の本発明の皮膚外用組成物に対する配合量は、0.001〜1質量%(不揮発分0.00001〜0.01質量%)、特に0.01〜0.5質量%(不揮発分0.0001〜0.005質量%)が好ましい。クロバナツルアズキ抽出物の指標成分は、ケンフェロール配糖体、フラボノイドである。
【0028】
以上のようにして得られるクロバナツルアズキ抽出物はIV型コラーゲン産生能、ラミニン5産生能を有しているため、表皮の恒常性機能に関与する基底膜に対して補強及び保護作用を有し、加えて、繊維芽細胞増殖能も有すると考えられる。従って、本発明の皮膚外用組成物の有効成分として使用される。
【0029】
本発明の皮膚外用組成物の有効成分は、クロバナツルアズキ抽出物に加えて、(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び(3)特定の脂溶性ビタミンが使用される。
【0030】
(2)のローヤルゼリーは、ミツバチ科ヨーロッパミツバチ(学名:Apis melifera L.)のうちの若い働き蜂の咽頭腺からの分泌物であり、女王蜂となる幼虫や成虫となった女王蜂に給餌されるものである。ローヤルゼリー抽出物はローヤルゼリーのエタノール抽出物が一般に用いられる。
【0031】
抽出効率を上げるための温度管理、圧力コントロールを行っても良い。
【0032】
ローヤルゼリーからの抽出物の本発明の皮膚外用組成物に対する配合量は、0.001〜1質量%(不揮発分0.000005〜0.005質量%)、特に0.01〜0.1質量%(不揮発分0.00005〜0.0005質量%)が好ましい。ローヤルゼリー抽出物の指標成分は、10−ヒドロキシデセン酸である。
【0033】
(2)のニンジンからの抽出物は、オタネニンジン抽出物であることが好ましい。オタネニンジン抽出物は、オタネニンジンから抽出して得られる成分である。オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Meyer)は、ウコギ科(Araliaceae)に属する多年草で、生薬「ニンジン(Ginseng Radix)」の基原植物である。花、茎、葉、根等の適宜の部位を用いることができるが、根を用いることが好ましい。
【0034】
ニンジンは、生のまま抽出に供してもよいが、抽出効率を考えると、細切,乾燥,粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬して行う。抽出効率を上げるため撹拌を行ったり、抽出溶媒中でホモジナイズしたり、酵素処理等により加水分解してもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適当である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、4時間〜14日間程度とするのが適当である。
【0035】
抽出効率を上げるため圧力コントロールを行っても良い。
【0036】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等の極性有機溶媒を用いることができる。また、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。
【0037】
ニンジンからの抽出物の本発明の皮膚外用組成物に対する配合量は、0.001〜1質量%(不揮発分0.000013〜0.013質量%)、特に0.01〜0.1質量%(不揮発分0.00013〜0.0013質量%)。ニンジン抽出物の指標成分はギンセノシドRb1、ギンセノシドRg1である。
【0038】
(3)の特定の脂溶性ビタミンとして使用することができる例としては、ビタミンA又はその脂肪酸エステル、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2の脂肪酸エステル、ビタミンB6の脂肪酸エステル、ビタミンCの脂肪酸エステル、パントテノール及びナイアシンを挙げることができ、これらの1種又は2種以上使用することができる。少なくともビタミンAとビタミンB2の脂肪酸エステル又はビタミンB6の脂肪酸エステル、特に少なくともビタミンA又はその脂肪酸エステルとビタミンB6の脂肪酸エステルを使用することが特に好ましい。
【0039】
ビタミンAの脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素原子数8〜26の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、特に炭素原子数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は直鎖でも分岐でも良いが、直鎖が好ましい。また飽和脂肪酸が好ましい。例えば、パルミチン酸を挙げることができる。
【0040】
ビタミンB2の脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素原子数2〜26の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、特に炭素原子数2〜12の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は直鎖でも分岐でも良いが、直鎖が好ましい。また飽和脂肪酸が好ましい。例えば、酪酸を挙げることができる。一般に脂肪酸エステル基を複数、好ましくは3〜4個有する。
【0041】
ビタミンB6の脂肪酸エステルの脂肪酸としては、炭素原子数8〜26の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、特に炭素原子数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は直鎖でも分岐でも良いが、直鎖が好ましい。また飽和脂肪酸が好ましい。例えば、ヘキシルデカン酸を挙げることができる。一般に脂肪酸エステル基を複数、好ましくは3個有する。
【0042】
上記特定の脂溶性ビタミンを使用することにより、皮膚のシワ形成の抑制作用、及び皮膚のハリや弾力の維持、向上作用が一層顕著となる。
【0043】
特に、ビタミンA類を用いることにより、角質層の新陳代謝機能を高めて、角化した皮膚細胞を排泄する作用が高められ、上記本発明の効果が一層顕著に現れる。また、ビタミンB6を用いることにより、フィラグリン産生促進による保湿作用が得られ、上記本発明の効果が一層顕著に現れる。皮膚浸透性を高めるためにビタミンB6は脂肪酸でエステル化して使用される。
【0044】
(3)の脂溶性ビタミンは、一般にエマルジョンの状態で配合され、本発明ではそのエマルジョンの平均粒径(親油性相)が100nm以下、特に5〜100nmであるものが好ましい。このエマルジョンは、一般に、溶剤(一般に多価アルコール類、水)中に、膜剤(例、ミセル形成用化合物)により脂溶性ビタミンがミセル化されている。さらに、ミセル化されたエマルジョンはアルギン酸などのイオン感受性マトリックス成分を添加してもマイクロカプセル中に封入しても良い。このような粒径の脂溶性ビタミンを用いることにより、乳化物の安定性、皮膚への浸透性が向上する。
【0045】
脂溶性ビタミンの本発明の皮膚外用組成物における親油性相中に対する配合量は、0.001〜1質量%、0.002〜0.5質量%が好ましい。
【0046】
本発明の皮膚外用組成物は、上記(1)〜(3)の成分に加えて、以下の成分を含有することができる。
【0047】
亜鉛、微量元素(例、銅、マンガン、ヨウ素、モリブデン、セレン、クロムおよびコバルト)等のミネラル;
糖類(多糖類、トレハロース、ヒアルロン酸)、
タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、
コンドロイチン、多価アルコール(グリセリン)、ピロリドンカルボン酸(PCA)、乳酸塩、尿素、セラミド、リン脂質、コエンザイムQ10、α-リポ酸等の化合物をあげることができる。
【0048】
更に、ヨクイニン、カンゾウ、コウカ、ボウフウ、チンピ、シャクヤク、サイコ、ショウキョウ、ヨモギ、
アマチャ、アロエ、イレイセン、ウコン、エイジツ、オウゴン、オウバク、オウレン、カンゾウ、ケイヒ、サンザシ、サンショウ、ジオウ、シコン、セネガ、センキュウ、タイソウ、チンピ、トウキ、トウヒ、ニンジン、バクモンドウ、ハチミツ、ブクリョウ、ボタンピ、モクツウ、ヨクイニン、
アルニカ、アロエベラ、オタネニンジン、カッコン、キュウリ、クロレラ、セイヨウキズタ、セイヨウシロヤナギ、セイヨウオトギリソウ、セイヨウニワトコ、センブリ、カミツレ、ゼニアオイ(キンキ)、トウキンセンカ、パリエタリア、フユボタイジュ、ヤグルマギク、ローマカミツレ、ローヤルゼリー
ユーカリ、ユキノシタ(コジソウ)、ソウハクヒ、ハマメリス、ボタン、マロニエ、ローズマリー等の生薬;を挙げることができる。
【0049】
更にまた、各種アミノ酸;
チアミン(VB1)、リボフラビン(VB2)、ナイアシン(ニコチン酸)(VB3)、パントテン酸(VB5)、ピリドキシン(VB6)、ビオチン(VH)、アスコルビン酸(VC)等の水溶性ビタミンを挙げることができる。
【0050】
また前記以外の脂溶性ビタミンとして、エルゴカルシフェノール(VD)、トコフェロール、トコトリエノール(VE)を挙げることができる。
【0051】
基剤成分としては、例えば、精製水、低級アルコール、多価アルコール(例、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール)、油脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、増粘剤、色素、顔料、防腐剤、香料等を用いることができる。グリセリンが好ましく、これにより、乳化物の安定性、皮膚への浸透性が向上する。
【0052】
さらに、乳化剤、香料、着色剤、防腐剤等を配合することができる。
【0053】
着色剤としては、例えば、ベニバナ色素、アントシアニン、ウコンエキス、カラメル、カロチン、カンゾウエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、サフランエキス、酸化亜鉛、酸化チタン、シコンエキス、銅クロロフィル、ハダカムギ緑茶エキス、ベンガラ、リボフラビン、緑茶末、ローズ油を挙げることができる。
【0054】
防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エタノール、エデト酸ナトリウム、BHA、BHT、フェノキシエタノール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、l-メントール、dl-カンフル、ユーカリ油を挙げることができる。
【0055】
本発明の皮膚外用組成物は、例えば、以下のように製造することができる。即ち、(1)〜(2)の成分、及び基剤としてのグリセリン(及び適宜他の成分)の水相成分を室温、又は必要により80℃以下に加温し、よく混合して均一にする。(3)を含む油相成分も同様に室温、又は必要により80℃以下加温し、よく混合して均一にする。水相成分を室温又は80℃以下に加温下で撹拌しながら、徐々に(3)を含む油相成分を加え乳化した。これを撹拌冷却し、本発明の皮膚外用組成物を得る。この組成物は一般にO/W型乳化組成物である。
【0056】
前述のように(3)の油性成分である脂溶性ビタミンは、一般にエマルジョンの状態であり、上記乳化後も、そのエマルジョンの平均粒径(親油性相)を一般に維持している。従って、得られる本発明の皮膚外用O/W型乳化組成物の親油性相の平均粒径は一般に100nm以下である。
【0057】
本発明の皮膚外用組成物の有効成分を皮膚の損傷部位など目標とする部位にデリバリー(投与)するために、組成物は乳化状態となっていることが好ましく、その平均粒径は、乳化状態の安定性を維持する上で0.1〜500μm、1〜200μmが好ましい。組成物が前記のようにO/W型乳化組成物である場合、その組成物がさらに上記のような乳化状態となっていることが一般的である。
【0058】
有効成分の放出量を皮膚からの吸収量に合わせてコントロールするために、組成物を多孔質マイクロスフェア、中空マイクロスフェアとする場合、素材として二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム等を使用することが好ましい。その平均粒径は、使用感、懸濁安定化のために、一般に0.1〜500μm、1〜200μmが好ましい。
【0059】
本発明において、クロバナツルアズキからの抽出物が有するIV型コラーゲン産生能を通じて、IV型コラーゲンの産生を促進することができるとともに、クロバナツルアズキからの抽出物が有するラミニン5産生能を通じて、ラミニン5の産生を促進することができる。これにより、基底膜構造の再構築を誘導し、皮膚の老化症状を予防・改善することができる。そしてこのような作用は、本発明の組成物の他の有効成分(2)〜(3)の存在に格段に向上していると考えられる。
【0060】
またクロバナツルアズキからの抽出物は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を有すると考えられ、その作用により、マトリックスメタロプロテアーゼの活性を阻害することができ、特に、マトリックスメタロプロテアーゼ−2及び/又はマトリックスメタロプロテアーゼ−9の活性を阻害することができる。これにより、基底膜構造の再構築を誘導し、皮膚の老化症状を予防・改善することができる。
【0061】
本発明の皮膚外用組成物を含む皮膚化粧料としては、特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、リップクリーム、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。特に、乳液、ローション、クリームが、O/W型乳化物の形態を生かせるため、好ましい。
【実施例】
【0062】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]
[ラミニン-5産生促進作用試験]
ヒト正常新生児皮膚表皮角化細胞 (NHEK) を、増殖因子含有Epilife KG-2を用いて37℃、5%CO2-95% airの条件下にて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞をBPE無添加培地で1.0×105 cells/mLの濃度に希釈した後、24穴マイクロプレートに1穴当たり500 μL播種し、一晩培養した。培養終了後、BPE無添加培地に溶解した試料溶液を各穴に500 μL添加し、24時間培養した後、上清100 μLをエライザプレートに移し換え、4℃、一晩でプレートに吸着させた。その後、溶液を捨て、0.05% Tween-20を含むリン酸生理緩衝液 (PBS-T) にて洗浄を行った。その後、1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸生理緩衝液で、ブロッキング操作を行った。溶液を捨て、PBS-Tにて洗浄を行い、抗ヒトラミニン-5 抗体 (マウスIgG、ケミコン社製) を反応させた。溶液を捨て、PBS-Tにて洗浄を行い、ビオチン標識抗マウスIgG (アマシャムバイオサイエンス社製) を反応させた。溶液を捨て、PBS-Tにて洗浄を行い、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ複合体 (カルビオケム社製) と反応させた後、同様の洗浄操作を行い、発色反応を行った。
【0064】
ラミニン−5産生促進率(ラミニン−5産生亢進作用)は (%) 、試料調製溶媒添加時における吸光度を100%として算出した。
【0065】
上記試料溶液として、クロバナツルアズキ抽出液の不揮発分(3、10、30、100μg/mL)の各濃度の溶液、オタネニンジン抽出液の不揮発分(3、10、30、100μg/mL)の各濃度の溶液を用いた。結果を、表1及び表2に示す
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
注)DMSO:ジメチルスルホキシド
【0069】
上記表1より、クロバナツルアズキ抽出液及びニンジン抽出液の両方にラミニン−5産生促進能を有することが認められる。また表2より、これら両方の使用によりその効果が高められることが分かる。
【0070】
[実施例2]
[IV型コラーゲン産生促進作用試験]
ヒト正常皮膚線維芽細胞 (NB1RGB) を、10質量%の牛胎児血清 (FBS) 含有DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)を用いて37℃、5%CO2-95% airの条件下にて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を1.6×105 cells/mLの濃度に希釈した後、96穴マイクロプレートに1穴当たり100 μL播種し、一晩培養した。培養終了後、0.25質量%の牛胎児血清 (FBS) 含有DMEMに溶解した試料溶液を各穴に150 μL添加し、72時間培養した後、上清100 μLをエライザプレートに移し換え4℃、一晩でプレートに吸着させたのち、溶液を捨て、0.05% Tween-20を含むリン酸生理緩衝液 (PBS-T) にて洗浄を行った。その後、1%のウシ血清アルブミンを含むリン酸生理緩衝液で、ブロッキング操作を行った。溶液を捨て、PBS-Tにて、洗浄を行い、抗ヒトコラーゲンタイプIV抗体 (ウサギIgG,ノボテック社製) を反応させた。溶液を捨て、PBS-Tにて、洗浄を行い、HRP標識抗ウサギIgG抗体と反応させたのち、同様の洗浄操作を行い、発色反応を行った。
【0071】
IV型コラーゲン産生促進率 (%) は、標準品を用いて上記ELISAを行い、検量線を作成し、試料調製溶媒添加時のIV型コラーゲン産生量を100%として算出した。
【0072】
上記試料溶液として、クロバナツルアズキ抽出液の不揮発分(300、600、900μg/mL)の各濃度の溶液、ローヤルゼリー抽出液の不揮発分(300、600、900μg/mL)の各濃度の溶液を用いた。結果を、表3及び表4に示す
【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
上記表3より、クロバナツルアズキ抽出液及びローヤルゼリー抽出液の両方にIV型コラーゲン産生促進能を有することが認められる。また表4より、これら両方の使用によりその効果が高められることが分かる。
【0076】
[実施例3]
[線維芽細胞増殖促進作用]
ヒト正常皮膚線維芽細胞 (NB1RGB) を、10質量%の牛胎児血清 (FBS) 含有DMEMを用いて37℃、5%CO2-95% airの条件下にて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を7.0×104 cells/mLの濃度に希釈した後、96穴マイクロプレートに1穴当たり100 μL播種し、一晩培養した。培養終了後、0.25質量%の牛胎児血清 (FBS) 含有DMEMに溶解した試料溶液を各穴に150 μL添加し、72時間培養した。細胞増殖作用は、Alamar blueアッセイを用いた細胞生存率の測定により求めた。具体的には、各穴から培地を抜き、終濃度10%で5質量%の牛胎児血清 (FBS) 含有DMEMに溶解したAlamar blueを各穴に100 μLずつ添加した。3時間培養した後、544 nm/590 nmにおける蛍光強度を測定した。そして、得られた測定結果から、試料調製溶媒添加時の細胞生存率を100%として算出した。
【0077】
上記試料溶液として、ローヤルゼリー抽出液の不揮発分(300、600、900μg/mL)の各濃度の溶液、オタネニンジン抽出液の不揮発分(600、800、1000、1200、1500μg/mL)の各濃度の溶液を用いた。結果を、表5に示す
【0078】
【表5】

【0079】
上記表5より、ローヤルゼリー抽出液及びオタネニンジン抽出液の両方に線維芽細胞増殖促進能を有することが認められる。
【0080】
[実施例4]
下記表に示す配合の試験用化粧料 (サンプルA〜D)を以下のように作製した。
【0081】
【表6】

【0082】
注)
BG:ブチレングリコール
【0083】
上記表に示すビタミンA、ビタミンB6誘導体及び膜剤にて平均粒径50〜100nmに調製された親油性相と水相成分とを撹拌タンクに常温で投入し、ディスパーで30分間撹拌することにより混合し、サンプルA(化粧水)を得た。
【0084】
【表7】

【0085】
増粘剤の(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー(Lubrizol Advanced Materials製)は予め分散しておいた以外はサンプルAと同様に作製し、サンプルB(エッセンス)を得た。
【0086】
【表8】

【0087】
上記表に示すビタミンA、ビタミンB6誘導体及び膜剤にて平均粒径50〜100nmに調製された親油性相をイオン感受性マイクロカプセルに封入し、その他の油相ならびに水相成分をそれぞれ投入し、ミキサーで10分間攪拌して乳化し、サンプルC(乳液)を得た。
【0088】
【表9】

【0089】
上記表に示すビタミンA、ビタミンB6誘導体及び膜剤にて平均粒径50〜100nmに調製された親油性相をイオン感受性マイクロカプセルに封入し、その他の油相ならびに水相成分をそれぞれ投入し、ミキサーで10分間攪拌して乳化し、サンプルD(クリーム)を得た。
【0090】
次いで、サンプルAに基づいて調製された化粧水a、サンプルBに基づいて調製されたエッセンスb、サンプルCに基づいて調製された乳液c、サンプルDに基づいて調製されたクリームdについて評価試験を行った。
【0091】
普段から肌あれや乾燥、たるみ、小じわが気になる乾燥肌〜普通肌の女性49名 (35〜54歳) に、上記皮膚化粧料を実際に使用させ、効果を確認した。被験者には、朝と夜の洗顔後に、化粧水a、エッセンスb、乳液c、クリームdをこの順に適量を肌に塗布させた。これを1ヶ月間継続使用させ、試験開始前の状態と試験用化粧料を1ヶ月使用した後とで肌の状態を比較して、『肌が乾燥しなくなった。』、『肌のハリが増した。』、『肌のつやが良くなった。』、『肌が明るくなった。』、『目じりのシワが薄くなった。』、『キメが細かくなった。』及び『刺激は感じなかった。』の評価項目について評価させた。
【0092】
試験の結果は、下記表に、49名の被験者中、各項目について『はい』と解答したものの数として示す。
【0093】
【表10】

【0094】
さらに、試験開始前と試験用化粧料を1ヶ月使用した後との角層水分量をSkicon-200 (IBS社製)により 、経皮水分蒸散量をTewameter TM300により、皮膚の粘弾性をCutometer MPA580 (いずれもCourage+Khazaka社製) により測定し、それぞれ水分量の増加度、肌荒れ改善度、ハリの改善度の指標とした。上記Cutometer MPA580に関しては、皮膚を吸引してそのときの高さと吸引から開放したときに皮膚がどのくらいの速さでどれだけ元の高さまで戻るかを測定した。即ち、皮膚の2秒間の吸引と2秒間の開放をし、R7(0.1秒間での戻り率:開放して0.1秒で戻った高さ/2秒吸引時の高さ) を使用前と比較した。
【0095】
【表11】

【0096】
また、マイクロスコープで肌のキメの状態を観察し、写真撮影した所、使用後において、キメの細かい状態を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として、
(1)クロバナツルアズキからの抽出物、
(2)ローヤルゼリーからの抽出物及び/又はニンジンからの抽出物、及び
(3)ビタミンA又はその脂肪酸エステル、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB2の脂肪酸エステル、ビタミンB6の脂肪酸エステル、ビタミンCの脂肪酸エステル、パントテノール及びナイアシンから選択される少なくとも1種の脂溶性ビタミン、
を含むことを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項2】
(1)クロバナツルアズキからの抽出物が、IV型コラーゲン産生能及びラミニン5産生能を有する請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
(2)ローヤルゼリーからの抽出物及びニンジンからの抽出物が、繊維芽細胞増殖能を有する請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
上記(1)及び(2)の成分が親水性相(W相)に存在し、(3)の成分が親油性相(O相)に存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
(3)の成分を含有する親油性相(O相)の平均粒径が100nm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項6】
親水性相(W相)がグリセリンを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項7】
パラベン類、合成色素及び合成香料を含まない請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚外用組成物を含む乳液剤、ローション剤、クリーム剤又はゲル剤。

【公開番号】特開2011−16726(P2011−16726A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160370(P2009−160370)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(592142670)佐藤製薬株式会社 (17)
【Fターム(参考)】