説明

皮膚清浄剤

【課題】 皮膚安全性に優れ、皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る清浄剤の提供。
【解決手段】 次の成分(A)と成分(B)を配合してなる事を特徴とする皮膚清浄剤。成分(A):一般式(1)に示すアシル化合物の1種以上成分。(B):アルコールの1種以上


(式1中、Xは置換基を有してもよい分子量100万以下の炭化水素鎖であるスペーサを、Qは一般式2で表される置換基を表す。)


(式2中、ZはXの官能基に由来する結合部、RCOはC2〜20の脂肪酸から誘導されるアシル基、Rは水素、ヒドロキシル基等、Yはカルボキシル基等を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定構造を有するアシル化合物を含有してなる皮膚安全性が高く、身体の表面上の皮脂や汚れを清浄し、洗い流しが不要な皮膚清浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚上の皮脂や汚れを取り除くためには、入浴またはシャワーを浴びる時に、界面活性剤を主体に配合した洗浄液タイプの洗浄剤、または紛体を配合したマッサージ料タイプの洗浄剤により体を洗浄した後、水で洗い流すという手法が主流である。しかしながら病気等で入浴できない場合や、水を使用できず、すすぎができない場合等においては洗い流す方法は使えず、身体を拭くという方法で皮膚上の汚れをおとさねばならない。このような場合、水や湯で濡らしたタオル等で拭き取ることが行われているが皮脂や汚れを落とす効果は十分ではない。
【0003】
近年、高齢化とともに介護を要する機会も増え、水で洗い流すことなく皮膚を清拭・清浄できる皮膚清浄剤が開発されている。例えば、特開昭64−79108号公報では変性シリコーンを配合した清浄・清拭剤組成物が開示されているが、洗浄性とともに使用後に肌に与える感触が十分ではなかった。即ち、洗い流すことなく拭き取るだけで皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る安全性の高い清浄剤が熱望されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭64−79108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特定構造を有するアシル化合物を含有してなる、皮膚安全性に優れ、皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る清浄剤の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のアシル化合物(一般式(1))に着目し、これを配合して皮膚清浄剤とすることで、皮膚安全性に優れ、皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る清浄剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、下記の通りである。
【0007】
1.次の成分(A)と成分(B)を配合してなる事を特徴とする皮膚清浄剤。
成分(A):一般式(1)に示す化合物の1種以上
【化1】

(一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、RCOは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、Rは水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【化2】

成分(B):アルコールの1種以上
【0008】
2.成分(A)アシル化合物の少なくとも1種が一般式(1)に示す化合物であって、一般式(1)において、Xは前記官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜40の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであることを特徴とする1.に記載の皮膚清浄剤。
3.さらに、成分(C):ポリヒドロキシル化合物の1種以上を含有することを特徴とする1.または2.に記載の皮膚清浄剤。
【0009】
4.成分(A)の総量が0.1〜20質量%、成分(B)の総量が0.1〜30質量%、および成分(C)の総量が0.01〜30質量%であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の皮膚清浄剤。
5.前記1.〜4.のいずれかに記載の皮膚清浄剤が含浸されてなることを特徴とする、紙または繊維からなる皮膚清浄用シート。
6.前記5.に記載の紙または繊維からなる皮膚清浄用シートを用いて皮膚上の皮脂や汚れを除去することを特徴とする皮膚清浄方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、皮膚安全性に優れ、水で洗い流すことなく皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る清浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の皮膚清浄剤に用いられる成分(A)は、構造的には一般式(1)および(2)に示すように分子内に少なくとも1個以上のアシル基と親水基とを有する化合物を適当なスペーサーで連結した構造のものであり、この構造であればよく、これまで公知になっている化合物でよい。ここで、親水基としてはそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基またはそれらの塩が挙げられる。
一般式(2)中、RCOで示されるアシル基としては、炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基であり、アシル基としては、それぞれ、独立して、すなわち、それぞれ異なっても同一でもよく、炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものが好ましく、直鎖、分岐、環状を問わない。
【0012】
例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂肪酸;
【0013】
2−ブチル−5−メチルペンタン酸、2−イソブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチルヘキサン酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2−エチル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチル−4−エチルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プロピル−3−メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサデカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキシルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチルノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデカン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオクチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メチルノナデカン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン酸のような分岐脂肪酸;
【0014】
オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、トウハク酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキセデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、オレイン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸のような直鎖モノエン酸;
メチルヘプテン酸、メチルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチルドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸のような分岐モノエン酸;
【0015】
リノール酸、リノエライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸のようなジまたはトリエン酸;
オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナデシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン酸;
メチレンオクタデセン酸、メチレンオクタデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレプリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のような環状酸から誘導されるアシル基があげられる。
【0016】
また、天然油脂から得られる脂肪酸由来のアシル基でも良く、上記の炭素原子数2〜20の飽和または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪酸由来のアシル基が好ましい。例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、菜種油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等から誘導されるアシル基等が挙げられる。これらアシル化合物は2種以上組み合わせて用いても良い。
一般式(2)中、RCOで示されるアシル基は、好ましくは炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるものがよい。
【0017】
アシル化合物を塩として用いる場合には、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。これらの中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩が特に好ましい。
【0018】
一般式(2)中、Rは水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩等が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ(イソ)プロピル基、ジヒドロキシ(イソ)プロピル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Xに結合したn個の置換基Q(式(2))は、それぞれ互いに、異なっても同一でもよい。また、式(2)は、いわゆる酸性アミノ酸がN−アシル化されたものを示すものであり、それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0019】
酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノアミノジカルボン酸であり、アミノ基はN−メチル基またはN−エチル基でもかまわない。また光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。酸性アミノ酸としては、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチルランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェリニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−アミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パントテン酸等が挙げられる。
【0020】
Xに付くn個の置換基(式(2))は、酸性アミノ酸がL−酸性アミノ酸分子である場合が、生分解性に優れることから好ましい。
一般式(2)中、Zは、Xに置換したm個(m≧n、かつ、2〜20の整数)の官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基)に由来する結合部(−O−、−NR−、−S−)である。ここで、Rは水素、または炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルケニル基またはアリール基またはアルキルアリール基である。
【0021】
一般式(1)中、Xはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上からなるm個の官能基を有する分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであり、Xは、前記ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい。
一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上の官能基をm個有する分子量100万以下のm価の化合物の残基であって、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基以外の置換基を有していてもよい化合物残基である。ここで、m価の上記化合物は、m個の官能基に由来する結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0022】
このようなm価の化合物としては、例えば、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、シスチンジスルホキシド、シスタチオニン、メチオニン、アルギニン、リジン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、オキシプロリン等のアミノ酸類;
アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノプロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、アミノエチルアミノエタノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホン酸、アミノヒドロキシ安息香酸、アミノヒドロキシブタン酸、アミノフェノール、アミノフェネチルアルコール、グルコサミン等の分子内にアミノ基とヒドロキシル基を有する化合物類;
【0023】
メルカプトエタノール、メルカプトフェノール、メルカプトプロパンジオール、グルコチオース等の分子内にチオール基とヒドロキシル基を有する化合物類;
アミノチオフェノール、アミノトリアゾールチオール等の分子内にチオール基とアミノ基を有する化合物類;
が挙げられる。また、タンパク質やペプチド等、またはそれらを加水分解したもの等でも良い。
【0024】
また、一般式(1)中、Xは好ましくはヒドロキシル基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価(m≧n)のポリヒドロキシル化合物残基である。ここで、m価のポリヒドロキシル化合物は、m個のエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0025】
このようなm価のポリヒドロキシル化合物としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、
【0026】
ダイマージオール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、酒石酸、ジヒドロキシ酒石酸、メバロン酸、3,4−ジヒドロキシけい皮酸、3,4−ジヒドロキシヒドロけい皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等およびこれらの各異性体等の2価ヒドロキシル化合物;
グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、
【0027】
2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリヒドロキシステアリン酸等の3価ポリヒドロキシル化合物;
【0028】
ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価ポリヒドロキシル化合物;
アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価ポリヒドロキシル化合物;
ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価ポリヒドロキシル化合物;
またはこれらの脱水縮合物、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0029】
また、糖類、例えばエリスロース、スレオース、エリスルロース等のテトロース;
リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;
マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース、マンニトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。
【0030】
また、その他の糖類、例えばヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン糖、ウロン酸、糖酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等の残基でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類またはそれらを加水分解したものでもよい。
また、一般式(1)中、Xは好ましくはアミノ基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリアミノ化合物残基である。ここで、m価のポリアミノ化合物は、m個の酸アミド結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
【0031】
このようなm価のポリアミノ化合物としては、例えばN,N’−ジメチルヒドラジン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、ジアミノアジピン酸、ジアミノプロパン酸、ジアミノブタン酸およびこれらの各異性体等の脂肪族ジアミン類;
ジエチレントリアミン、トリアミノヘキサン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチル−オクタン、2,6−ジアミノカプリン酸−2−アミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサン、1,6,11−トリアミノウンデカン、ジ(アミノエチル)アミンおよびこれらの各異性体等の脂肪族トリアミン類;
【0032】
ジアミノシクロブタン、ジアミノシクロヘキサン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、トリアミノシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン類;
ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノ安息香酸、ジアミノアントラキノン、ジアミノベンゼンスルホン酸、ジアミノ安息香酸、およびこれらの各異性体等の芳香族ポリアミン類;
ジアミノキシレン、ジ(アミノメチル)ベンゼン、ジ(アミノメチル)ピリジン、ジ(アミノメチル)ナフタレン、およびこれらの各異性体等の芳香脂肪族ポリアミン類;
ジアミノヒドロキシプロパンおよびこれらの各異性体等のヒドロキシル基が置換したポリアミン類等が挙げられる。
【0033】
また、一般式(1)中、Xは好ましくはチオール基以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下のm価のポリチオール化合物残基である。ここで、m価のポリチオール化合物は、m個のチオエステル結合を作りうることを意味する。それらは光学異性体例えばD−体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。
このようなm価のポリチオール化合物としては、例えば、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール等のジチオール化合物類等が挙げられる。
Xは上に挙げた化合物の残基の中でも、炭素数1〜40の場合が好ましい、さらに好ましくはXは炭素数1〜20である。また、Xは天然に存在する型である場合の方が、生分解性に優れるという点で好ましい。
【0034】
一般式(2)中、Yで示されるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基およびX中に含まれうるカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等は、種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。
かかる塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩、多価金属塩等が挙げられ、具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、鉄、コバルト、チタン、ジルコニウム等の金属、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸等から任意に選ばれる1種または2種以上との塩である。
【0035】
このような一般式(1)で示されるアシル化合物の製造方法としては、一般式(3)で示されるN−アシル酸性アミノ酸無水物と分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基から選ばれる1種または2種以上のm個の官能基を有する化合物とを、水および/または水と有機溶媒との混合溶媒中で反応させることによって、またはテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、アセトン等の不活性溶媒を使用して、あるいは無溶媒で−5℃〜200℃でいずれかの融点以上の温度で混合して反応することで得ることができる。
【0036】
【化3】

【0037】
または一般式(1)で示されるアシル化合物は、N−アシル酸性アミノ酸モノ低級エステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)とポリヒドロキシル化合物またはポリアミノ化合物またはポリチオール化合物、または分子内にヒドロキシル基、アミノ基、チオール基のうちいずれか2種または3種を有する化合物とをジメチルホルムアミド等の適当な溶媒中に溶解し、炭酸カリウム等の触媒を加え、減圧下に−5℃〜250℃で加熱反応させた後反応溶媒を除去することで得ることができる。あるいは、無溶媒で加熱溶融し、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて室温〜250℃でエステル交換反応させてアシル化合物を得ることができる。
【0038】
本発明の皮膚清浄剤における成分(A)アシル化合物の含量は0.001〜20質量%とするのが好ましく、目的に応じて調節することができる。より好ましくは、0.1〜10質量%である。さらに好ましくは、0.1〜5質量%である。
本発明の皮膚清浄剤において配合される成分(B)のアルコールは炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖、環状鎖または芳香族炭化水素鎖を有する脂肪族または芳香脂肪族1価アルコールであって、これの配合により皮脂除去の効果を高める効果がある。例えばメタノール、エタノール、プロパノールまたはその異性体、ブタノールまたはその異性体、ペンタノールまたはその異性体、ヘキサノールまたはその異性体、ヘプタノールまたはその異性体、オクタノールまたはその異性体等の脂肪族アルコール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の芳香脂肪族アルコール等が挙げらる。エタノール、イソプロパノール、フェノキシエタノール等が好ましい。成分(B)の配合量は、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%である。
【0039】
本発明の好ましい態様において配合される成分(C)のポリヒドロキシル化合物としては前記したようなポリヒドロキシル化合物が挙げられ、ポリヒドロキシル化合物は2種以上混合して用いても良く、配合量は0.1〜30質量%とするのが好ましく、より好ましくは、0.1〜20質量%である。
本発明の皮膚清浄剤において、水分含量は用途・目的により任意に変えることができる。
【0040】
また、本発明の皮膚清浄剤のpHは好ましくはpH3〜12の広範囲のpH域で使用することができ、より好ましくは該組成物のpH4〜11で使用できる。さらに好ましくは、pH4〜7で使用できる。pH調整は、アシル化合物の塩基性物質による中和度を調整することによって調整することができるし、または塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸、マレイン酸等の酸性物質およびそれらの塩を用いることで、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニア(水)、アルギニン、リジン等の塩基性物質を用いることで調整することができる。また、クエン酸−クエン酸塩、リン酸−リン酸塩、酒石酸−酒石酸塩等の緩衝系とするのも好ましい。
【0041】
また、本発明の皮膚清浄剤においては、本発明の目的が損なわれない限り、用途、目的に応じ各種の基材と併用することができる。
具体的には、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リン酸塩などの陰イオン性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子等の分散剤;
【0042】
高級脂肪酸塩(石鹸);疎水基部の炭素数8〜20の高級脂肪酸またはそれらの塩、
N−アシルアミノ酸型アニオン界面活性剤;アシル基としては、炭素数8〜20のもので前記したようなものが挙げられ、構成アミノ酸としては、グルタミン酸やアスパラギン酸等の前記した酸性アミノ酸類、またはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニン、システイン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、オキシプロリン、β−アミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、等のアミノ酸等;アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩等、アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アルキルエーテル硫酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルファ−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、アルファースルホン化脂肪酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物などのアニオン性界面活性剤;
【0043】
アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタイン類、レシチン類などの両性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等の酸化エチレン縮合型、
多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、アルキルポリグルコシド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ等脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル、などのノニオン性界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、糖アミンアシル化物、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアミンオキサイド、
等が挙げられる。
【0044】
第1〜第3級脂肪アミン塩、塩化アルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキルモルフォリニウム塩、アルキルイソキノリウム塩、ベンゼトニウム塩、ベンザルコニウム塩などのカチオン性界面活性剤;
アルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴムなどの高分子界面活性剤;
リン脂質、レシチン、ラノリン、コレステロール、サポニンなどの天然界面活性剤;
【0045】
アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ひまし油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム油、パーム核油、合成トリグリセライド、ホホバ油等の油脂;
流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素;
ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウおよびその誘導体等のロウ;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸;
【0046】
ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;
ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等のその他のエステル油;
金属石鹸、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、揮発性シリコーン等のシリコーン類等の揮発性および不揮発性の油分;
トリメチルグリシン、ソルビトール、ラフィノース、ピロリドンカルボン酸塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類、セラミド類などの保湿剤;
【0047】
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、
アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等の水溶性および油溶性高分子;
【0048】
カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコール/アミン縮合物、4級化コラーゲンポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンコポリマー、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、4級化ポリマー等のカチオン性高分子;
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコシド、テトラデセンスルホン酸塩等の増粘、増泡成分;
【0049】
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩、ヒノキチール類などの金属イオン封鎖剤;
パラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸およびその塩類、ヒノキチール等の防腐剤;
クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のpH調整剤;
その他トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピリチオン、イソプロピルメチルフェノールなどのふけ・かゆみ防止剤;
【0050】
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体その他の紫外線吸収剤;
アルブチン、コウジ酸、アスコルビン酸、ヒノキチールおよびその誘導体などの美白剤;
センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤;
トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤;
【0051】
各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤;
女性ホルモン剤;
毛根賦活剤;
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤;
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸などの収斂剤;
【0052】
メントール、カンフルなどの清涼剤;
塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸誘導体などの抗ヒスタミン剤;
高分子シリコーン、環状シリコーン等のシリコーン系物質、トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなどの酸化防止剤;
エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオールなどの皮脂抑制剤;
イオウ、サリチル酸、レゾルシンなどの角質剥離・溶解剤;
【0053】
有機合成色素(染料、レーキ、有機顔料)、天然色素、無機顔料(体質顔料、着色顔料、白色顔料)、さらに真珠光沢顔料、高分子紛体、機能性顔料に大別でき、球状、板状、針状等の形状に、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径に、多孔質、無孔質等の粒子構造等に限定されず用いることができる。例えばタルク、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化クロム、水酸化クロム、タール系色素等、マイカ、(合成)セリサイト、炭化ケイ素、窒化硼素、二酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、群青、チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ、粘結顔料、グンジョウピンク、グンジョウバイオレット、水酸化クロム、雲母チタン、酸化クロム、酸化アルミニウムコバルト、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、(合成)マイカ、酸化ジルコニウム、(メタ)ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸カルシウム、ポリエチレン粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート−ポリメチルメタクリレート積層末、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合粉末、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン、ポリメチルシルセスキオキサン紛末、植物の実や皮を粉末状にしたもの、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、カルミン、β−カロチン、クロロフィル、サンセットエローFCF、ポンソーSX、エオシンYS、テトラブロモフルオレセイン、ローダミンB、キノリンエローSS、キノリンエローWS、アリザニンシアニングリーン、キニザリングリーン、リソールビンB、リソールビンBCA、パーマトンレッド、ヘリンドンピンクCN、フタロシアニンブルー、β−アポ−8−カロチナール、カプサンチン、リロピン、ビキシン、クロシン、カンタキサンチン、シソニン、ラファニン、ニノシアニン、カルサミン、サフロールイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素、リポフラビン、ラッカイン酸、カルミン酸、ケルメス酸、アリザニン、シコニン、アルカニン、ニキノクローム、血色素、クルクミン、ベタニン、等の化粧品用色材:
【0054】
精製水、その他、カキョクエキス、N−メチル−L−セリン、ホエイ、ニコチン酸アミド、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、メバロン酸、γ−アミノ酪酸(γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸を含む)、アルテアエキス、アロエエキス、アンズ核エキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、海水乾燥物、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カロットエキス、キューカンバエキス、ゲンチアナエキス、酵母エキス、米胚芽油、コンフリーエキス、サボンソウエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シラカバエキス、セイヨウハッカエキス、センブリエキス、ビサボロ−ル、プロポリス、ヘチマエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、海草、米ヌカ、カンゾウ、チンピ、トウキ、モモノハの粉砕物、スフィンゴ脂質、グアイアズレン、ビタミンC等を含むことができる。
【0055】
特に、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、テトラデセンスルホン酸塩、ミリスチン酸塩類、ミリスチルジメチルアミンとの併用は粘度、起泡力を増加させる点で有用であり、また、各両イオン性界面活性剤との併用は刺激性を一層低減させるという点に於いてきわめて有用である。
【0056】
本発明の皮膚清浄剤は、通常の液体清浄剤に使用されるような容器に充填しても良いが、スプレー容器、成泡機構を有する吐出容器、塗布機能を有した容器に充填してもよい。また使用方法は、本発明の皮膚清浄剤を直接顔面や身体の汚れや皮脂の気になるところに塗布した後、紙・不織布・布等で拭き取る方法で使用しても良いし、または皮膚清浄剤を紙・不織布・布につけて皮膚を拭いて使用しても良く、皮膚清浄剤を水や湯等で希釈した後、これを布や不織布等に含浸し絞ってから身体を拭いて使用してもよい。好ましくは、本発明の皮膚清浄剤を紙や繊維からなるシート状物等に含浸させて、身体上の皮脂や汚れを擦り拭きしたり、または顔面等の余分な皮脂や化粧くずれの気になる部位に軽く押し拭きして使用することができる。ここで、紙や繊維からなるシート状物としては、例えば、羊毛等の獣毛やレーヨン、綿、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維あるいはこれらの混紡繊維自体、およびそれらの繊維によって作られる不織布等、または織物、編物、不織布、フェルト、キルティング等を不織布等でサンドしたもの、または綿をシート状に加工したもの等を挙げることができる。
【0057】
このような皮膚清浄用シートを保存する場合は、清浄剤成分の蒸発を防止できる容器に保存することが好ましい。ここで、容器の素材は清浄剤成分の蒸発を防止できる素材であれば特に限定されず、例えば金属で内面を蒸着または積層したような樹脂製容器を用いることができる。
以下で、本発明を実施例等を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら限定させるものではない。
【実施例】
【0058】
本発明の実施例等で用いる評価手段などは以下の通りである。
【0059】
(皮膚刺激性試験)
健常男子5人のパネラーの前腕屈曲部皮膚に、試料0.1gを3日間朝夕開放塗布後、皮膚刺激性の有無を評価した。判定結果は、下記の評価点の平均点が、0以上1未満の場合:○、1以上2未満の場合:△、2以上の場合:×で示す。
判定基準と評価点数
紅斑、浮腫、水疱 (4点)
紅斑、浮腫 (3点)
紅斑 (2点)
軽微な紅斑 (1点)
無紅斑、無浮腫 (0点)
【0060】
(官能評価)
パネラー5名により、1週間、実施例で作成した皮膚清浄剤に関し、これを含浸させたレーヨン製不織布を用いて身体各部を拭いた時の状況について下記の基準で評価を行った。尚、この間パネラーは頭髪以外の洗浄は実施しなかった。
「皮脂除去効果」、「保湿効果」、「さらさら感」に対する評価基準は次のとおりで、判定結果は、下記の評価点の平均点が、4以上の場合を良(○)、2.5以上4未満の場合を普通(△)、2.5未満を不良(×)で示す。
基準 点数
効果が高く感じられる : 5
効果が感じられる : 4
効果がやや感じられる : 3
効果がわずかしか感じられない : 2
効果が感じられない : 1
【0061】
(製造例1:アシル化合物)
L−リジン塩酸塩9.1g(0.05mol)を水57gと混合した。この液を25%水酸化ナトリウム水溶液でpH範囲を10〜11に調整しながら、また反応温度を5℃に維持しながら、攪拌下にN−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1g(0.1mol)を2時間を要して添加し、反応を実施した。さらに2時間攪拌を続けた後、ターシャリーブタノールを液中濃度20質量%となるように添加した後、75%硫酸を滴下して液のpH値を2に、また液の温度を65℃に調整した。滴下終了後、攪拌を停止し、20分間65℃で静置すると有機層と水層とに分層し、これから有機層を分離した。分離した有機層にターシャリーブタノールおよび水を添加して、温度を65℃にして20分攪拌した。攪拌停止後、静置すると有機層と水層とに分層した。得られた有機層に対して、同じ水洗操作をくり返した後、得られた有機層から溶媒を除去し、得られた有機層から溶媒を除去し、水酸化ナトリウムで固形分30質量%、pH6.5(25℃)の水溶液に中和調製して、式(4)に示すアシル化合物を含有する組成物水溶液を得た。
【0062】
【化4】

(式4において、Xは、各々独立にHまたはNa)
【0063】
(製造例2:アシル化合物)
製造例1において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸無水物31.1gをN−ココイル−L−グルタミン酸無水物とし、組成物水溶液のpHを6とした以外は、製造例1の方法と同じ条件で実施し、アシル化合物を含有する組成物を得た。
【0064】
[実施例1〜7][比較例1〜2]
表1に示すような皮膚清浄剤を作成した。評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、皮膚安全性に優れ、皮膚上の皮脂や汚れを落として、清浄後に肌に潤いを与え、かつさらさらとした感触を与え得る清浄剤として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)と成分(B)を配合してなる事を特徴とする皮膚清浄剤。
成分(A):一般式(1)に示す化合物の1種以上
【化1】

(一般式(1)において、Xはm個の官能基、およびそれ以外の置換基を有していてもよい分子量100万以下の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーを示す。Xに結合しているn(m≧n)個のQは、一般式(2)で表される置換基であり、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)において、ZはXの有する官能基に由来する結合部であり、RCOは炭素原子数2〜20の飽和または不飽和の脂肪酸から誘導されるアシル基を示し、Rは水素であるか、またはヒドロキシル基またはカルボキシル基が置換していてもよい炭素原子数1〜3の低級アルキル基を示し、Yはカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基またはそれらの塩の内のいずれかを示す。j、kはそれぞれ独立に0,1,2のいずれかであり、かつj、kは同時に0ではない。nは2〜20の整数を示す。また、mはm≧nである整数を示す。)
【化2】

成分(B):アルコールの1種以上
【請求項2】
成分(A)アシル化合物の少なくとも1種が一般式(1)に示す化合物であって、一般式(1)において、Xは前記官能基以外の置換基を有していてもよい炭素数1〜40の直鎖または分枝鎖または環状鎖または芳香族炭化水素鎖であるスペーサーであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚清浄剤。
【請求項3】
さらに、成分(C):ポリヒドロキシル化合物の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の皮膚清浄剤。
【請求項4】
成分(A)の総量が0.1〜20質量%、成分(B)の総量が0.1〜30質量%、および成分(C)の総量が0.01〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚清浄剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚清浄剤が含浸されてなることを特徴とする、紙または繊維からなる皮膚清浄用シート。
【請求項6】
請求項5に記載の紙または繊維からなる皮膚清浄用シートを用いて皮膚上の皮脂や汚れを除去することを特徴とする皮膚清浄方法。

【公開番号】特開2006−56819(P2006−56819A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239579(P2004−239579)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】