説明

皮膚用薬液、薬用石鹸、飲料及び温室加熱装置

【課題】濃縮された温泉水を使用した際の効果が非常に高く、且つ、温泉水の有効な利用を図ることの可能な温室加熱装置及びこの装置を用いて得られる皮膚用薬液、薬用石鹸、飲料の提供を目的とする。
【解決手段】温室加熱装置1は、温泉水を加熱する加熱装置2と、加熱装置2からの蒸気を冷却する冷却装置3と、温室5の下方の地中に埋設された温室加熱用配管10とを備え、加熱装置2から冷却装置3を介して温室加熱用配管10に送られた蒸気により温室5を加熱する構成にしてある。また、冷却装置2から温室加熱用配管10に送られる蒸気を、一時的に貯留する蒸気室4を、冷却装置3と温室加熱用配管10との間に備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚用薬液、薬用石鹸、飲料及び温室加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々の温泉水の濃縮方法が開発され、得られた濃縮液を肌荒れの予防等に利用するといった技術が開示されている。(下記特許文献1,2,3参照)
【0003】
【特許文献1】特開2002−273412号公報
【0004】
【特許文献2】特開2001−212595号公報
【0005】
【特許文献3】特開2000−22633112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記各特許文献に記載の技術は、生成物である濃縮された温泉水を使用した際の効果が不十分であった。また、温泉水の有効な利用が十分に図れられたものではなかった。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、濃縮された温泉水を使用した際の効果が非常に高く、且つ、温泉水の有効な利用を図ることの可能な温室加熱装置及びこの装置を用いて得られる皮膚用薬液、薬用石鹸、飲料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る温室加熱装置は、温泉水を加熱する加熱装置と、加熱装置からの蒸気を冷却する冷却装置と、温室の下方の地中に埋設された温室加熱用配管とを備え、加熱装置から冷却装置を介して温室加熱用配管に送られた蒸気により温室を加熱する構成にしてある。
【0009】
また、前記構成において、冷却装置から温室加熱用配管に送られる蒸気を、一時的に貯留する蒸気室を、冷却装置と温室加熱用配管との間に備えたものである。
【0010】
そして、本発明にかかる皮膚用薬液は、前記した構成の温室加熱装置に備えた温泉水の加熱装置で所定濃度に濃縮した温泉水を主成分として含むものである。
【0011】
更に、本発明にかかる薬用石鹸は、前記した皮膚用薬液に、粉末状に形成した固形石鹸と、海水と温泉水との混合液から得られた塩分とを添加し、加熱して得られるものである。
【0012】
更に、本発明にかかる飲料は、前記した構成の温室加熱装置を構成する冷却装置で温泉水の蒸気を冷却して得られたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る温室加熱装置によれば、温泉水を加熱する加熱装置と、加熱装置からの蒸気を冷却する冷却装置と、温室の下方の地中に埋設された温室加熱用配管とを備え、加熱装置から冷却装置を介して温室加熱用配管に送られた蒸気により温室を加熱するよう構成したので、温泉水を加熱装置で加熱し濃縮することで、有用な濃縮温泉水を得、さらに、加熱装置で発生した蒸気を冷却装置内で冷却して有用な蒸留水を得、重ねて、冷却装置からの蒸気を温室の下方に埋設された温室加熱用配管に送って温室を加熱することができる。従って、温室の加熱を効率よくできるだけでなく、同時に皮膚用薬液として非常に有効な温泉水の濃縮液、及び、飲料として有効な蒸留水を同時に得ることが可能であり、温泉水の有効な利用を十分に図ることが可能となる。
【0014】
また、冷却装置から温室下方に埋設された温室加熱用配管に送られる蒸気を、一次的に貯留する蒸気室を冷却装置と温室加熱用配管の間に備えた場合には、冷却装置から温室加熱用配管に送られる蒸気を、所定温度及び所定流量に維持することができ、温室内の温度管理が非常に容易となる。
【0015】
そして、加熱装置において所定濃度に濃縮した温泉水を主成分として含む皮膚用薬液は、温泉水に含まれる有効成分の濃度が高くなっているので、痛風、アトピー性皮膚炎、火傷、切り傷、家ダニ、皮膚癌等様々な皮膚の炎症、及び、腰痛に対し有効に利用される。
【0016】
更に、皮膚用薬液に、粉末状に形成した固形石鹸と、海水と温泉水との混合液から得られた塩分とを添加し、加熱して得られる薬用石鹸は、皮膚の炎症に有効に作用する温泉水中の有効成分と、海水中に含有される豊富なミネラルとが、薬用石鹸中に含まれているので、皮膚の炎症に対する薬効の高い成分を非常に手軽に利用できる。
【0017】
更に、温泉水の蒸気を冷却して得られた飲料は、摂取することで体内に蓄積された有害ミネラルや老廃物を当該飲料内に溶解し、体外に排出できるので、体内が浄化され、減量にも効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る温室加熱装置の構成外略図である。
同図において、この実施形態に係る温室加熱装置1は、温泉水を加熱する左右2基の加熱装置2,2と、加熱装置2,2からの蒸気を冷却する冷却装置3と、冷却装置3からの蒸気を貯留する蒸気室4と、蒸気室4からの蒸気が送られる温室5の下方の地中に埋設された温室加熱用配管10とを備え、加熱装置2から冷却装置3及び蒸気室4を介して温室加熱用配管10に送られた蒸気により温室5を加熱するよう構成されている。
【0019】
図2(a)は、加熱装置2の正面図、同図(b)は同図(a)の縦断面図である。図より、加熱装置2は、ケーシング本体15内の中央部に燃焼室17が設けられ、ケーシング本体15の前後左右の側壁27及びケーシング本体15の天井部を構成する上板28と、燃焼室17の前後左右の側壁29及び燃焼室17の天井部を構成する上板30とは、所定間隔離間して構成されており、これにより、ケーシング本体15と、燃焼室17との間には、空間部31が形成されている。
【0020】
また、燃焼室17の下方には前後方向に並列して複数の温泉水加熱用配管20が設けられており、空間部31と温泉水加熱用配管20とは連通している。更に、ケーシング本体15の正面の左下隅には、空間部31に連通したバルブ21が設けられ、空間部31の下部に貯留する温泉水をこのバルブ21から抜き取ることができる。
【0021】
更に、ケーシング本体15の後方であってケーシング本体15の上板28と略同じ高さ位置には、温泉水加熱用配管20及び空間部31下部に供給される温泉水を貯留する貯留槽9が設けられている。貯留槽9の下部には、配管11が接続され、配管11の他端側端部は、空間部31に接続されている。この配管11の空間部31への接続高さ位置は、貯留槽9より低い位置であり、且つ、空間部31の下部に満たされた温泉水の水位より、高い位置となっている。これにより、所定量の温泉水が貯留槽9から空間部31に自重により供給されるようになっている。
【0022】
更に、ケーシング本体15の上部には、正面視六角形状の蒸気排出部16が設けられ、蒸気排出部16の上部には空間部31において発生した蒸気を冷却装置3へと導く配管6が接続されている。
【0023】
よって、貯留槽9から空間部31の下部に温泉水が供給されると、空間部31に連通した温泉水加熱用配管20に温泉水が満たされる。そして、燃焼室17内の燃焼により温泉水加熱用配管20及び空間部31下部の温泉水の温度が上昇し、蒸気が発生すると、この蒸気は空間部31を上方へ進み、蒸気排出部16に至り、配管6から冷却装置3へと流出する。
【0024】
また、ケーシング本体15の上部であり蒸気排出部16の後方には、燃焼室17の上部に連通し、燃焼室17において発生した煙を上方に排出する喚起口18が設けられている。
【0025】
ここで、供給される温泉水の種類は、特に限定されないが、例えば、単純泉水 、食塩泉水、重曹泉水、石膏泉水、単純炭酸泉水、硫酸塩泉水、鉄泉水、硫黄泉水、重炭酸土類泉水、明礬泉水、酸性泉水、及び放射能泉水等が挙げられる。
【0026】
これら各種温泉水の中でも、特に、重曹泉なる泉質を有する温泉水が好ましい。これにより、陽イオン成分として、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はマグネシウムイオン、陰イオンとして、塩素イオン、又は炭酸水素イオンなどの成分による、皮膚浄化、殺菌などの薬理作用を有する。
【0027】
また、燃焼室17に供給される燃料は、間伐材、木片などの木質系廃棄物、天然ガス、液化燃料等特に限定されないが、近年、処理が問題となっている木質系廃棄物を用いることが好ましい。これにより、新たに燃料を購入する必要がないので、コストダウンが図れ、更に産業廃棄物として出された木質系廃棄物を利用すれば、このような廃棄物の有効な活用が可能となる。
【0028】
図3に、冷却装置3の斜視図を示す。冷却装置3は、上下が閉塞された円筒形状の左右2基の一次冷却槽36(図3においては左側の一次冷却槽の図示省略)、立法体状の左右2基の二次冷却槽37,37、及び、直方体状の三次冷却槽38を備え、一次冷却槽36は配管6により加熱装置2と接続され、二次冷却槽37は配管40により一次冷却槽36と、配管41により三次冷却槽38とそれぞれ接続され、三次冷却槽38は配管7により蒸発室4と接続されている。
【0029】
冷却装置3は、加熱装置2からの蒸気を、一次冷却槽36、二次冷却槽3及び三次冷却槽38の各槽内に一時的に貯留することで、蒸気圧を低下させると共に槽外に熱を放出することにより蒸気温度を低下させるようになっている。そして、一次冷却槽36、二次冷却槽3及び三次冷却槽38の各槽に接続された配管6,7,40,41はそれぞれ各槽の上面から5分の4乃至2分の1の高さ位置の側壁に接続されているので、各槽内で冷却された蒸気は液化し微量の混入物と共に槽下部に溜まるようになっている。
【0030】
三次冷却槽38には、正面左下部に設けられたバルブ43により、槽内で凝縮した液体を槽外へ抜き取ることができる。ここで、抜き出された液体は、温泉水の蒸気を冷却して得られた蒸留水であり、ゴミなどの混入物を一次冷却槽36及び二次冷却槽37内において凝縮した液体と共に貯留させ、除去しているので、三次冷却槽38から抜き取った蒸留水は非常にきれいな水となっており、飲料用水として利用することができる。
【0031】
この三次冷却槽38で得られた蒸留水は、微量の温泉中の有効成分を含み、温泉水中の各種成分が低濃度となっているので、飲料用水として摂取することが可能であり、毎日所定量を摂取すれば、肌荒れ、減量などの効果が得られる。
【0032】
蒸気室4は、中空直方体状に形成され、図1に示すように、冷却装置3と配管7により接続され、配管8により温室5の下方に設けられた温室加熱用配管10と接続されている。
【0033】
温室5は、畑などに建てられ、室内を加熱し野菜や花卉の栽培に利用される建物であって、骨組みにビニールシートを被せ固定したいわゆるビニールハウスや、ガラス板により側壁及び屋根を構成した構造のもの等が挙げられる。
温室5の建てられた地面の地中には温室加熱用配管10が複数並列されており、この温室加熱用配管10に蒸気室4からの蒸気を送ることで、温室内を加熱するようになっている。
【0034】
引続き、温室加熱装置1の動作につき、以下に説明する。
貯留槽9に貯留する温泉水が自重により空間部31に供給され、温泉水加熱用配管20および空間部31下部に温泉水が満たされる。この状態で、燃焼室17に点火し、温泉水を加熱する。燃焼時間は、一日2,3時間乃至15時間程度で、約2週間乃至半年程度で温泉水を所定濃度に濃縮する。
【0035】
温泉水加熱用配管20及び空間部31下部の温泉水は昇温し沸点に達し蒸気が発生する。発生した蒸気は空間部31内を上方へと上昇し、蒸気排出部16から配管6へと送られる。
【0036】
供給した温泉水の容積に対する濃縮された温泉水の容積は、例えば、一日約10時間加熱した場合では、1ヶ月間で約20分の1となり、2ヶ月で約40分の1となり、6ヶ月間で約100分の1程度となる。
【0037】
加熱装置2下部の濃縮された温泉水は、所定期間加熱されることで所定濃度に濃縮された濃縮温泉水として皮膚用薬液、腰痛用薬等の利用が可能である。即ち、濃縮温泉水は、アトピー性皮膚炎、火傷、切り傷、水虫、ダニ、皮膚癌等の皮膚用薬液として患部に直接塗布し、利用できるほか、入浴用添加剤として風呂湯に所定量添加すれば腰痛改善効果がある。
【0038】
また、濃縮された温泉水は、濃縮液に、粉末状に形成した固形石鹸と、海水と温泉水との混合液から得られた塩分とを添加し、加熱して薬用石鹸を得、この薬用石鹸を用いることで皮膚癌用薬品として利用できる。
【0039】
加熱装置2から配管6により冷却装置3に送られた蒸気は、一次冷却槽36、二次冷却槽37及び三次冷却槽38において、それぞれ一部の蒸気が冷却され凝縮し液化する。三次冷却槽38内下部に貯められた液体は飲料用の蒸留水として利用するために、所定量ごとにバルブ43から取り出す。
【0040】
三次冷却槽38において凝縮しなかった蒸気は、配管7を通り蒸気室4へと流入する。蒸気室4では、蒸気を一旦貯留することで、温室加熱用配管10に送られる蒸気の流量及び温度を所定の範囲に維持する。尚、蒸気室4は食品の蒸し料理などに利用することもできる。
【0041】
蒸気室4からの蒸気は、配管8により温室加熱用配管10に流入し、温室5内を加熱した後、排出される。
【0042】
以上より、本実施形態に係る温室加熱装置1は、温泉水を加熱する加熱装置2と、加熱装置2からの蒸気を冷却する冷却装置3と、温室5の下方の地中に埋設された温室加熱用配管10とを備え、加熱装置2から冷却装置3を介して配管に送られた蒸気により温室5を加熱するよう構成したので、温泉水を加熱装置2で加熱し濃縮することで、有用な濃縮温泉水を得、さらに、加熱装置2で発生した蒸気を冷却装置3内で冷却して有用な蒸留水を得、重ねて、温室5の下方に埋設された温室加熱用配管10に送って温室を加熱する。よって、温室5の加熱を効率よく行うことができるだけでなく、同時に皮膚用薬液及び腰痛改善剤として非常に有効な温泉水の濃縮液及び、飲料として皮膚用薬液、減量に有効な蒸留水を同時に得ることが可能である。
【0043】
また、冷却装置3から温室5下方に埋設された温室加熱用配管10に送られる蒸気を、一旦貯留する蒸気室4を備えたので、冷却装置3から温室5下方に埋設された温室加熱用配管10に送られる蒸気を、所定温度及び所定流量に維持することができ、温室内の温度を一定範囲に維持可能である。
【0044】
そして、加熱装置2において所定濃度に濃縮した温泉水を主成分として含む皮膚用薬液は、温泉水に含まれる有効成分の濃度が高くなっているので、アトピー性皮膚炎、火傷、切り傷、ダニ、皮膚癌等様々な皮膚の炎症に対し有用に利用される。
【0045】
更に、皮膚用薬液に、粉末状に形成した固形石鹸と、海水と温泉水との混合液から得られた塩分とを添加し、加熱して得られる薬用石鹸は、皮膚の炎症に有効に作用する温泉水に含まれる有効成分と、海水に含まれる豊富なミネラルとが、薬用石鹸中に含まれているので、薬効の高い成分を非常に手軽に利用できる。
【0046】
更に、加熱装置2で加熱された温泉水の蒸気を冷却装置3で冷却し、三次冷却槽38から得られた蒸留水である飲料は、毎日所定量摂取することにより体内が浄化され、肌荒れ、減量の効果がある。
【実施例1】
【0047】
温泉水の源泉を空間部の水位が所定範囲内となるよう貯留槽から供給し、一日10時間ずつ1ヶ月間加熱した。燃料としては間伐材等の木質系廃棄物を用いた。また、温泉水として、重曹泉である観音湯とおしどり湯の混合湯(所在地:和歌山県西牟婁郡上富田町朝来大内谷1822番地)を用いた。表1に本実施例で用いた濃縮前の温泉水1kg中に含まれる陽イオン成分を、表2に陰イオン成分を示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
濃縮された温泉水をバルブ21から取り出し、容積を測定したところ、貯留槽から供給した温泉水の容積に対する得られた濃縮された温泉水の容積の割合は20分の1であった。この得られた濃縮された温泉水は無色透明であり、手でふれると粘りけのあるぬるっとした手触りであった。濃縮された温泉水1kg中の成分を原子吸光光度法により測定した結果を表3に示す。
【0051】
【表3】

【0052】
濃縮温泉水をそのまま皮膚用薬液として用い、各症状の患部に塗布し、状況観察を行った。まず、アトピー性皮膚炎の症状のある患者10人の患部に上記皮膚用薬液を1日1回直接塗布、若しくはタオルに上記皮膚用薬液を含浸させ、このタオルで患部を拭いたところ、塗布開始後2日目乃至10日で10人中7人のアトピー性皮膚炎が完治した。
【0053】
次に、火傷を負った患者に対しては、火傷を負った直後及び3時間後の2回、30秒間程度患部を上記皮膚用薬液に浸したところ、2日目には水泡がしぼみ、皮膚が剥離することなく完治した。
【0054】
そして、虫さされについては、蚊に刺された部位に上記皮膚用薬液を直接塗布したところ、その直後より痒みがなくなり数分後には完治した。このように、所定濃度に濃縮した温泉水を主成分として含む皮膚用薬液を虫さされに用いた場合には、薬品を一切使用してないので、子供の誤飲の問題が生じるといったことがなく、安全性が高い。
【0055】
更に、水虫の患者50人に関し、午前中及び入浴後、上記皮膚用薬液を直接患部に塗布したところ、約1週間で50人全員が完治した。
【0056】
ダニによる症状のある患者の患部に上記皮膚用薬液を直接塗布した場合ところ、2日後痒みがなくなり完治した。同様に、肌荒れ、切り傷、毛虫等による炎症に対し、患部に直接上記皮膚用薬液を塗布することにより、いずれの症状においても改善が見られた。
【0057】
ペットのダニに対しては、山でダニに刺された猟犬50匹に対し、上記皮膚用薬液を患部に1日2,3回直接塗布したところ、約1週間で全ての猟犬のダニ傷が完治した。
【0058】
腰痛の症状を持つ患者に対し、入浴時200Lの湯に4Lの皮膚用薬液を添加し、入浴したところ、入浴直後より症状に改善がみられ、2日目には腰痛が完治した。また、このように上記皮膚用薬液を湯に添加することで、入浴後の体温の低下を防止する効果が認められた。
【実施例2】
【0059】
加熱装置において、1日10時間、2ヶ月半の間加熱することで容積が濃縮前の50分の1とされた温泉水を皮膚用薬液として用い以下の手順で、薬用石鹸を製造した。即ち、市販の約100g固形石鹸1個をおろし金でおろし、粉末状とし、前記濃縮した温泉水である皮膚用薬液200mg中に添加し、よく攪拌した。また、濃縮前の温泉水16Lと、海水4Lとを混合後、加熱し、水分を蒸発させ約10gの塩分を得た。この得られた塩分10gを前記皮膚用薬液と粉末状固形石鹸との混合液に添加し、加熱し水分を蒸発させ、薬用石鹸を得た。
【0060】
得られた薬用石鹸を用いて、皮膚癌と診断され、手術により腫瘍切除した患者が1年後再発した際に、1日1回患部を洗浄したところ、1週間で完治した。
【実施例3】
【0061】
次に、三次冷却槽38のバルブ43から温泉水の蒸気を冷却して得られた液体を取り出した。取り出した液体1Lの成分分析結果を表4に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
この液体は温泉水の蒸留水であり、飲料用水として摂取可能である。この蒸留水を飲料として、200人が毎日5Lずつ摂取したところ、全員が肌荒れ、肌表面の滑らかさ、皺、シミについて改善がみられた。また、1週間で3kgの減量が達成された者がいた。
【0064】
この冷却装置において温泉水の蒸気を冷却して得られた飲料は腐敗が殆ど進行しないため、長期保存する場合にも防腐剤を添加する必要がない。よって、体に害がなく、また、製造コスト削減が可能である。更に、当該飲料は苦味がないため非常に摂取しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る温室加熱装置の構成概略図である。
【図2】前記温室加熱装置の加熱装置の正面図及び縦断面図である。
【図3】前記温室加熱装置の冷却装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 温室加熱装置
2 加熱装置
3 冷却装置
4 蒸気室
5 温室
10 温室加熱用配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温泉水を加熱する加熱装置と、加熱装置からの蒸気を冷却する冷却装置と、温室の下方の地中に埋設された温室加熱用配管とを備え、加熱装置から冷却装置を介して温室加熱用配管に送られた蒸気により温室を加熱するよう構成した温室加熱装置。
【請求項2】
冷却装置から温室加熱用配管に送られる蒸気を、一時的に貯留する蒸気室を、冷却装置と温室加熱用配管との間に備えた請求項1に記載の温室加熱装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の温室加熱装置を構成する加熱装置で所定濃度に濃縮された温泉水を主成分として含む皮膚用薬液。
【請求項4】
請求項3に記載の皮膚用薬液に、粉末状に形成した固形石鹸と、海水と温泉水との混合液から得られた塩分とを添加し、加熱して得られる薬用石鹸。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の温室加熱装置を構成する冷却装置で温泉水の蒸気を冷却して得られた飲料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−5585(P2009−5585A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167394(P2007−167394)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(302060801)株式会社清本組 (3)
【Fターム(参考)】