説明

皮膚疾患治療用外用剤

【目的】非ステロイド性抗炎症剤及びクロモグリク酸ナトリウムを有効成分とし、副作用が少なく、しかも副腎皮質ホルモンと同等以上の薬効を有する皮膚疾患の治療に有用な外用剤を提供する。
【構成】インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク等の非ステロイド性抗炎症剤を好ましくは1〜60重量%、クロモグリク酸ナトリウムを好ましくは1〜60重量%、プロピレングリコールを好ましくは1〜60重量%、及び必要に応じて経皮吸収促進剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚疾患治療用外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎等の難治性皮膚疾患の治療には合成副腎皮質ホルモンからなる外用剤が広く用いられており、その薬理効果が高いことが知られている(月間薬事;26,8,55,1984 )。また、非ステロイド性抗炎症剤や抗ヒスタミン剤からなる外用剤も用いられるが、副腎皮質ホルモン外用剤と比較して上記のような難治性皮膚疾患に対する効果は十分ではない(新薬と治療;35,298,1984)。
【0003】しかしながら合成副腎皮質ホルモン外用剤は、その適用部位に対し、易感染性の亢進、皮膚の菲薄化、血管壁の脆弱化、毛胞脂腺系の異常活性化といった副作用を惹起する恐れがある上に、経皮吸収された薬剤が全身性の副作用を起こす可能性があり、逆に投与量を減じると効果が減少するため投与期間が延長され、副作用がさらに増悪する恐れがある。
【0004】一方、クロモグリク酸ナトリウムは安全性が高く、例えば特表平5−501714号公報、特開平3−118321号公報に開示されているように、アレルギー性疾患や慢性皮膚炎に対して広く用いられている。またインドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、又はフェルビナク等は、非ステロイド性抗炎症剤であり、外用剤として変形性関節症、肩関節周囲炎、腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎、筋肉痛及び外傷後の腫脹・疼痛などの症状に対して用いられている。
【0005】しかしながら、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク等の非ステロイド性抗炎症剤と、クロモグリク酸ナトリウムを併用し、外用剤として皮膚疾患に用いることについてはこれまで開示されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、副作用が少なく、しかも副腎皮質ホルモン外用剤と同等以上の薬効を有する皮膚疾患治療用外用剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の皮膚疾患治療用外用剤は、非ステロイド性抗炎症剤、クロモグリク酸ナトリウム(クロモリン、ディソディウムクロモグリケート;以下「DSCG」とする)、及びプロピレングリコールを含有する。
【0008】上記非ステロイド性抗炎症剤としては、例えば、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク、テノキシカム、オキサプロジン、チアプロフェン酸、フェンチアザク、ブコローム、トルメチンナトリウム、アセメタシン、エモルファゾン、塩酸チアラミド、メピリゾール、塩酸チノリジン、ロキソプロフェンナトリウム、プラノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセン、イブプロフェン、アルミノプロフェン、ジフルニサル、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム、メフェナム酸、トルフェナム酸等が挙げられ、このうち特に、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、又はフェルビナクからなる群より選ばれる一種以上を含有するのが好ましい。
【0009】上記インドメタシン及びケトプロフェンは抗炎症薬として日本薬局方に収載されており、またピロキシカム、フルルビプロフェン及びフェルビナクも抗炎症薬として、DSCGは抗アレルギー薬、抗喘息薬として広く使用されている。
【0010】非ステロイド性抗炎症剤及びDSCGの外用剤中の含有量は、非ステロイド性抗炎症剤の種類によって異なるが、多くなると基剤に溶解せず、特に軟膏やクリームの場合には剤型を保持できなくなり、少なくなると効果が十分でなくなるので、1〜60重量%が好ましく、より好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
【0011】上記プロピレングリコールは非ステロイド性抗炎症剤及びDSCGの溶解剤であり、外用剤中の含有量は非ステロイド性抗炎症剤及びDSCGの量によって異なるが、多くなると製剤としたときに剤型が保持できなくなり、少なくなると非ステロイド性抗炎症剤及びDSCGが溶解しなくなるので、1〜60重量%が好ましい。
【0012】本発明において、必要に応じて外用剤中に経皮吸収促進剤が含有される。上記吸収促進剤の外用剤中の含有量は、多くなるとDSCG及び非ステロイド性抗炎症剤の治療効果は特に高まらず逆に皮膚刺激等を引き起こす恐れがあり、少なくなると薬物の経皮吸収効果が十分でなくなるので、0.3〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0013】上記経皮吸収促進剤としては、例えば、脂肪酸エステル、アミド結合を有する化合物、炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩、乳酸、乳酸エステル、クエン酸等が挙げられる。
【0014】上記脂肪酸エステルは、炭素数10〜18の脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとの反応生成物である。上記炭素数10〜18の脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる。
【0015】上記炭素数1〜20のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族飽和アルコール、アリルアルコール等の脂肪族不飽和アルコールなどが挙げられる。上記脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0016】上記アミド結合を有する化合物としては、例えば、N−アシルサルコシン、脂肪酸モノ又はジエタノールアミド及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記N−アシルサルコシンとしては、例えば、N−ラウロイルサルコシン等が挙げられる。上記脂肪酸モノ又はジエタノールアミド及びこれらのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ラウロイルモノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸・ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン付加ラウロイルモノエタノールアミド、ポリオキシエチレン付加ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられる。
【0017】上記炭素数2〜10の2価カルボン酸及びその塩としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等、及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の塩が挙げられる。
【0018】上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル及びその塩は、アルコールに酸化エチレンを付加重合して得られる誘導体のリン酸エステル及びその塩であり、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ラウリル基、ステアリル基、パルミチル基、ミリスチル基、セチル基等が挙げられ、塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等が挙げられる。上記乳酸エステルとしては、乳酸と炭素数1〜20のアルコールのエステルが挙げられ、例えば、乳酸ミリスチル、乳酸セチル等が挙げられる。経皮吸収促進剤としては、上記のうち特に、脂肪酸エステル、N−アシルサルコシンが好ましい。
【0019】本発明の外用剤の剤型は、特に限定されるものではなく、例えば、クリーム、ペースト、ゲル、軟膏、乳液、ローション、リニメント、ムース、スプレー又は溶液の形態、及び貼付剤等が挙げられる。クリーム、ペースト、ゲル、軟膏、乳液、ローション、リニメント又は溶液の形態に成形する場合は、必要に応じて基剤として、従来公知のものを用いることができ、例えば、ワセリン、ミツロウ、ハイドロカーボンゲル軟膏(例えば、商品名プラスチベース、大正製薬社製)等の軟膏基剤、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、セルロース、アルコール、水、デンプン、オリーブ油などが挙げられる。
【0020】本発明の外用剤は、各成分及び必要に応じて基剤をよく混練する等の通常の方法により製造され、また患部に直接適用したり、布等に含浸させて適用するなどの通常の使用方法により用いられる。
【0021】本発明の皮膚疾患治療用外用剤の適用量は、配合する非ステロイド性抗炎症剤の種類、及び疾患の種類や症状の程度、患部の大きさ等によって異なるが、DSCG及び非ステロイド性抗炎症剤の量として1日当たり好ましくは0.02〜1gであり、これを適当な回数に分けて適用する。
【0022】本発明の外用剤の治療対象となる皮膚疾患としては、従来の合成副腎皮質ホルモン外用剤の適応疾患を含む皮膚疾患が挙げられ、例えば、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ヴィダール苔癬、貨幣状湿疹、主婦湿疹、日光皮膚炎、虫刺症、皮膚掻痒症、痒疹、薬疹、中毒疹、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、偏平苔癬、光沢苔癬、毛孔性紅色粃糖症、ジベル薔薇色粃糖症、紅斑症、紅皮症、円板状紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、ジューリング疱疹状皮膚炎、円形脱毛症、尋常性白斑、サルコイドーシス、皮膚アミロイドーシス、ケロイド及び肥厚性瘢痕等が挙げられる。
【0023】本発明の難治性皮膚疾患治療用外用剤の薬理作用は、後述の実施例のように、ラットの非アレルギー性皮膚炎症反応、I型アレルギーの実験動物モデルとしてラット4時間同種受身皮膚アナフィラキシー(homorologousPCA)反応、及びIV型アレルギーの実験動物モデルとしてラット遅延型皮膚過敏反応(DTH)において示され、所用量のDSCG及び非ステロイド性抗炎症剤を含有する皮膚外用剤が、副腎皮質ホルモンのみの外用剤と比較して同等以上の効果が得られた。
【0024】
【実施例】本発明を実施例につき説明する。
(実施例及び比較例)表1〜5に示す組成のDSCG、非ステロイド性抗炎症剤、プロピレングリコール、吸収促進剤等の各成分に、さらに全量が100となるように、軟膏剤は基剤としてプラスチベース(大正製薬社製)を、リニメント剤はオリーブ油を加えてよく混練し、各実施例及び比較例の皮膚疾患治療用外用剤を得た。
【0025】なお、基剤以外のものとしては以下のものを用いた。
・クロモグリク酸ナトリウム(DSCG、シグマ社製)
・インドメタシン(シグマ社製)
・N−ラウロイルサルコシン(ナカライテスク社製)
・ピロキシカム(シグマ社製)
・ケトプロフェン(シグマ社製)
・フルルビプロフェン(シグマ社製)
・フェルビナク(シグマ社製)
【0026】また、表中の「DS」は「クロモグリク酸ナトリウム」、「IM」は「インドメタシン」、「PC」は「ピロキシカム」、「KP」は「ケトプロフェン」、「FP」は「フルルビプロフェン」、「FN」は「フェルビナク」、「PG」は「プロピレングリコール」、「IP」は「ミリスチン酸イソプロピル」、「LS」は「N−ラウロイルサルコシン」、「DM」は「デキサメタゾン」、「PD」は「プレドニゾロン」をそれぞれ表す。
【0027】
【表1】


【0028】
【表2】


【0029】
【表3】


【0030】
【表4】


【0031】
【表5】


【0032】〔試験例1〕DNCB誘発皮膚一次刺激性反応による非アレルギー性皮膚炎症反応に対する作用効果7週齡ウイスター系ラットの腹側部皮膚を剪毛し、次いで2%2,4−ジニトロクロロベンゼン(DNCB、和光純薬社製)アセトン溶液を20μl塗布し、よく乾燥させ非アレルギー性皮膚炎を誘発した。次いで上記実施例及び比較例で得られた軟膏剤の0.1mg又はリニメント剤の0.1mlの供試剤それぞれを、ラット皮膚DNCB反応誘発部位に、軟膏剤は半径1cmの円形ポリエチレンシート片に載せて皮膚に接するように適用し、リニメント剤は直接皮膚に滴下しその上を半径1cmの円形ポリエチレンシート片で覆って適用した。
【0033】反応誘発24時間後に、反応部位の紅斑強度を色彩色差計(CR−200、ミノルタ社製)で測定した。コントロールとして、上記供試剤のかわりに軟膏基剤又はオリーブ油のみを同様に適用し、その後同様の操作を行って紅斑強度を測定した。上記のコントロール適用部位の紅斑強度(A)及び供試剤適用部位の紅斑強度(B)の測定結果から、下記式により紅斑抑制率を算出した。結果を表1〜5に示す。
紅斑抑制率(%)={(A−B)/A}×100
【0034】〔試験例2〕PCA反応によるI型アレルギー反応に対する作用効果(1)ラット抗DNP−As血清の調製Tada and Okumuraの方法(Journal of Immunology;106,1002,1971 )に準じてラット抗DNP−As血清を調製した。豚回虫(Ascarisuum)の抽出物をStrejan and Campbellの方法(Journal of Immunology;98,893,1967 )に従って抽出し、次いでこれをEisenらの方法(Journal of American Chemical Society;75,4583,1953 )で2,4−ジニトロフェニルサルフェート(DNP)と結合させ、DNP結合Ascarisuum(DNP−As)を得た。
【0035】上記DNP−Asの1mgを1×1010個の百日咳死菌を浮遊させた生理的食塩水1mlに溶解し、体重200g前後の雌性ラットの四肢足蹠皮下に注射した。5日後にDNP−Asの0.5mgを生理的食塩水0.5mlに溶解し、左右の筋肉内に注射した。初回注射の8日後に腹部大動脈より採血し、血清を分離してラット抗DNP−As血清を得た。
【0036】(2)PCA反応上記ラット抗DNP−As血清を生理的食塩水で希釈し、その0.05mlを体重120〜200gの雄性ラットの背部皮内に注射した。45時間後、上記実施例及び比較例で得られた軟膏剤の0.1mg及びリニメント剤の0.1mlの供試剤それぞれを、上記試験例1と同様の方法で、ラット皮膚の抗DNP−As血清注射部位に適用した。さらにその3時間後、DNP−As抗原を含む0.5%エヴァンスブルー(Evans'blue)生理的食塩水溶液を2.5mg/kgの割合で静脈内注射し、PCA反応を惹起した。
【0037】30分後動物を屠殺し、反応部の皮膚に漏出した色素をHaradaらの方法(Journal of Pharmaceutics Pharmacology;23,218,1971 )に従って、反応皮膚を細切し、0.3%硫酸ナトリウム水溶液:アセトン=3:7(体積比)の混合溶液中に、48時間以上浸漬放置し漏出色素を抽出した。次いで抽出された色素を620nmで比色定量した。コントロールとして、上記供試剤のかわりに軟膏基剤又はオリーブ油のみを同様に適用し、その後同様の操作を行って抽出された色素を比色定量した。上記のコントロール適用部位の色素抽出量(C)及び供試剤適用部位の色素抽出量(D)の定量結果から、下記式により色素漏出抑制率を算出した。結果を表1〜5に示す。
色素漏出抑制率(%)={(C−D)/C}×100
【0038】〔試験例3〕DTH反応によるIV型アレルギー反応に対する作用効果5週齡ウイスター系ラットの腹側部皮膚を剪毛し、次いで20%2,4−ジニトロクロロベンゼン(DNCB、和光純薬社製)アセトン溶液を20μl塗布して2週間放置し感作した。感作成立後、背部皮膚を剪毛し、0.5%DNCBアセトン溶液を20μl塗布して接触性皮膚炎を誘発した。次いで上記実施例及び比較例で得られた軟膏剤の0.1mg及びリニメント剤の0.1mlの供試剤それぞれを、上記試験例1と同様の方法で、ラット皮膚DNCB反応誘発部位に適用した。
【0039】反応誘発24時間後に、反応部位の紅斑強度を色彩色差計(CR−200、ミノルタ社製)で測定した。コントロールとして、上記供試剤のかわりに軟膏基剤又はオリーブ油のみを同様に適用し、その後同様の操作を行って紅斑強度を測定した。上記のコントロール適用部位の紅斑強度(E)及び供試剤適用部位の紅斑強度(F)の測定結果から、下記式により紅斑抑制率を算出した。結果を表1〜5に示す。
紅斑抑制率(%)={(E−F)/E}×100
【0040】〔試験例4〕体重変化による全身に対する影響上記試験例3に供したラットの試験後の体重を測定し、全身に対する副作用の影響を調べた。結果を表1〜5に示す。
【0041】本発明の皮膚疾患治療用外用剤は、試験例1、2及び3において副腎皮質ホルモン含有の外用剤(比較例1及び2)と同等以上の効果が認められた。また試験例4において副腎皮質ホルモン含有の外用剤では体重減少の副作用が認められたのに対し、本発明の外用剤では体重減少の副作用が認められなかった。また非ステロイド性抗炎症剤又はDSCGを単独で含有する外用剤(比較例4、5、7、8、10、13及び14)では、試験例1、2及び3において効果がほとんど認められなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の皮膚疾患治療用外用剤は上述のとおりであり、副腎皮質ホルモン外用剤と同等以上の十分な治療効果を有しながらも副作用が少ないので、皮膚疾患の治療に有用な外用剤が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】非ステロイド性抗炎症剤、クロモグリク酸ナトリウム、及びプロピレングリコールを含有することを特徴とする皮膚疾患治療用外用剤。
【請求項2】非ステロイド性抗炎症剤が、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、又はフェルビナクからなる群より選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚疾患治療用外用剤。
【請求項3】非ステロイド性抗炎症剤の含有量が1〜60重量%、クロモグリク酸ナトリウムの含有量が1〜60重量%、及びプロピレングリコールの含有量が1〜60重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚疾患治療用外用剤。

【公開番号】特開平8−259465
【公開日】平成8年(1996)10月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−67491
【出願日】平成7年(1995)3月27日
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)