説明

皮膚疾患/粘膜疾患の予防及び治療のための組成物、及びその使用

本発明は、a)負の表面電荷を有する粘土物質、b)前記粘土物質内に組み込まれた及び/又は別々に添加されたマグネシウムイオン及びカルシウムイオンの両方、c)水及び/又は非水溶媒、d)実質的に非カチオン性の担体を含有し、さらにi)前記粘土物質の平均粒子径が少なくとも5nmであり、かつii)マグネシウムイオンの総モル量がカルシウムイオンの総モル量より高い、組成物を提供する。本発明はさらに、表皮/粘膜のバリア機能の形成及び/又は回復が有益な効果を有する、皮膚疾患、皮膚病態又は粘膜疾患の予防及び治療のための薬物の製造における、前記組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚及び粘膜の疾患/障害の予防及び治療のための組成物に関する。特に、本発明は、表皮/粘膜のバリアの形成及び/又は回復が有益な効果を有するであろう皮膚疾患/障害、皮膚病態及び粘膜疾患/障害の予防及び治療のための新規な組成物に関する。本発明はさらに、上記疾患の予防及び治療のための薬物/医療用デバイス/ケア製品の製造における、このような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の最外層は、身体と外部環境との間にバリアを形成する表皮と粘膜(例えば、頬粘膜、鼻粘膜、腸管粘膜、肛門粘膜)である。この半透性の表皮バリアは、水分が逃げること、及び感染性物質又は毒性物質が進入することの両方を防止する。アトピー性皮膚炎、乾癬、及び様々な湿疹などの一般的な炎症性皮膚障害は、バリア機能の減少を示す。表皮のバリア機能の改善は、これらの皮膚障害を改善することが示唆されている(非特許文献1)。幾つかの表皮膜/粘膜の疾患/障害では、例えばアトピー性皮膚炎の場合のセラミドのように、完全なバリア機能のための幾つかの主要な要素が不足している。
【0003】
表皮におけるカルシウムやマグネシウム等のイオンのイオン勾配は、皮膚バリア恒常性において重大な役割を担う。カルシウム溶液の局所的な適用によりバリア破損後のバリア修復は遅延されたが、マグネシウム塩の適用によりバリア回復は加速された(非特許文献2、非特許文献3)。正常な皮膚表面はその内側に対して負の電位を有し、その電位はバリア破損後直ちに減少する(非特許文献4)。皮膚のバリア機能を改善するために、何らの生物活性化学物質の局所的適用をも行わずに外部電位を適用することが報告された(非特許文献5)。
【0004】
損傷した皮膚バリアに対するイオン性ポリマーの局所的適用の効果が評価された。非イオン性ポリマーの適用はバリア回復に影響を及ぼさなかった。アニオン性ポリマーのナトリウム塩の適用はバリア回復を加速したが、カチオン性ポリマーでの適用はバリア回復を遅延させた。ナトリウム交換樹脂の局所的適用はバリア回復を加速したが、樹脂が同じ構造を有する場合、カルシウム交換樹脂の適用は効果を有さなかった(非特許文献6)。ここで、著者の結論によれば、アニオン性ポリマーは、塩化マグネシウムとの併用では、バリア回復を立証しなかった。
【0005】
炎症性皮膚疾患に関する幾つかの異なる治療法が知られている。
【0006】
特許文献1は、湿疹及び/又は乾癬の治療又は予防のためのミリスチン酸セチル、又はミリスチン酸セチルとパルミチン酸セチルを示唆している。
【0007】
特許文献2は、アトピー性皮膚炎、乾癬、炎症等の幾つかの皮膚疾患の治療のための二酸化ケイ素の水性懸濁液を示唆している。好ましい実施形態は、クリノプチロライト、フォーサイト、モルデナイトなどのゼオライト、さらに炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び水を含有する。適用した懸濁液は二酸化ケイ素粒子の担体であり、塩基性(pH約9)又は酸性(pH約3〜4)のいずれかである。ここで、幾つかのスプレー及びローションの配合物の用例において、常に3%及び3%の百分率で、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムに言及している。カプセルを例示する際に、1つの原料としてドロマイトに言及しているが、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとの間の比には言及していない。本発明者らは、異なる地理的起源由来の同じ種類のドロマイトでさえも、顕著に異なるカルシウム対マグネシウム比を示すことをここで注記する。ドロマイトに関連するさらなる問題は、上記皮膚疾患のほとんどにおいて望ましくないそのニッケル含有量である。しかし、これらの医療用配合物の主な欠点は、皮膚の中性の値(約pH5.5である)から大きくかけ離れている配合物のpHである。これらの配合物の強塩基性又は強酸性の特徴は、炎症と治療対象の皮膚疾患のより緩慢な回復という結果をもたらすことがある。さらに、この明細書中には正確なCa:Mg比が明確に規定されていないため、これらの配合物を再現することができない。まとめると、この先行文献の配合物に関連する問題は、この文献が炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを含む二酸化ケイ素担体に関するものであるけれども、これらの配合物のpHが望ましくないこと、又はドロマイトと共にゼオライトが言及されているが、ここではカルシウム対マグネシウム比が規定されていないことである。
【0008】
特許文献3は、皮膚疾患、特に乾癬、神経皮膚炎、又はアトピー性皮膚炎とも称されるものの治療や予防における経口薬剤又は局所的薬剤として使用するための薬剤を開示しており、この薬剤は、ゼオライト、及びイラクサ葉抽出物又はカルシウム塩及び/又はマグネシウム塩を含む。この文献の技術水準による薬剤は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを含むが、この配合物の欠点は、これらの両方を必ず含有する訳ではないことである。
【0009】
特許文献4は、血液凝固カスケードを調節し、創傷治癒及び身体修復を助けるための組成物を開示している。この組成物は、止血に有効な量の荷電酸化物、すなわちケイ質酸化物を含み、さらに第2の酸化物、例えば酸化カルシウムを含む。組成物中に含まれ得るさらなる構成要素は、ゼオライト及び/又は無機塩、例えばマグネシウム塩である。マグネシウム塩はこの組成物に必須の原料ではない。
【0010】
特許文献5は、ゼオライトの二価金属錯体(主に亜鉛ゼオライト)を含有する、おむつかぶれを治療するための組成物を開示している。
【0011】
炎症性皮膚疾患は、細菌感染症と関連することもたまにはある。例えば、黄色ブドウ球菌超抗原は、アトピー性皮膚炎及び乾癬を罹患する患者の50%超に存在することが知られており、これらの疾患の重症度は、単離した黄色ブドウ球菌株のエンテロトキシン産生と有意に相関している(非特許文献7)。ここで本発明者らは、アトピー性皮膚炎が、原発性バリア機能不全の疾患と考えることができる遺伝性の皮膚症状であることに言及する必要がある。
【0012】
特許文献6は、(黄色ブドウ球菌により産生される)超抗原、サイトカイン等の皮膚刺激物質を隔離する方法を記載している。ここで隔離剤は、吸着性粘土、シリカ等であり得る。
【0013】
特許文献7は、おむつ、衣類、寝具中で、皮膚上等で微生物が増殖するのを防止するためのゼオライトを含有する組成物を記載している。この発明は、微生物の増殖がゼオライトにより抑制されるという知見に基づくものであった。
【0014】
幾つかの皮膚疾患/障害において表皮バリアの役割は認識されたけれども、当該技術の技術水準によれば、表皮の皮膚バリアの形成及び/又は回復によりこれらの皮膚疾患を治療することができるという知見に対して最適化された利用可能な医薬品組成物/化粧品組成物は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第01/085163号
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第102007030198号
【特許文献3】国際公開第06/108414号
【特許文献4】国際公開第2007/022264号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007237834号
【特許文献6】米国特許第6,551,607号
【特許文献7】米国特許第5,900,258号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】The Journal of Clinical Investigation, 116(5): 1150-1158, 2006
【非特許文献2】The Journal of Clinical Investigation, 89: 530-538, 1992
【非特許文献3】Arch. Dermarol. Res., 291:560-563, 1999
【非特許文献4】J. Invest Dermatol., 69:324-327, 1977
【非特許文献5】J. Invest Dermatol., 118:65-72, 2002
【非特許文献6】Skin Pharmacol. Physiol., 18:36-41, 2005
【非特許文献7】Journal of the American Academy of Dermatology, 53:67-72, 2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記の先行技術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、表皮/粘膜のバリアの形成及び/又は回復が有益な効果を有する皮膚及び粘膜の疾患/障害の予防及び治療のための、製薬学的に許容される組成物及び薬用化粧品として許容される組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この問題を解決するために、本発明は、
a)負の表面電荷を有する粘土物質、
b)前記粘土物質内に、組み込まれた及び/又は別々に添加されたマグネシウムイオン及びカルシウムイオンの両方、
c)水及び/又は非水溶媒、及び
d)実質的に非カチオン性の担体
を含有する組成物を提供する、
但し、
i)前記粘土物質の平均粒子径が少なくとも5nmであり、かつ
ii)マグネシウムイオンの総モル量がカルシウムイオンの総モル量より高い。
【0019】
好ましい1つの実施形態では、前記粘土物質は、ゼオライト、より好ましくはクリノプチロライトである。
【0020】
他の好ましい1つの実施形態では、カルシウムイオンと比較したマグネシウムイオンの総モル量は、カルシウムイオンの総モル量の1.2倍より高い。
【0021】
本発明の組成物中においてマグネシウムイオンの最小濃度は0.05重量%であり、カルシウムイオンの最小濃度は0.04重量%である。
【0022】
他の好ましい1つの実施形態では、前記粘土物質の平均粒子径は、5nm〜100μm、好ましくは100nm〜20μm、より好ましくは1〜10μmであり、最も好ましくは約5〜7μmである。
【0023】
さらに他の好ましい1つの実施形態によれば、前記の別々に添加されたマグネシウムイオンは、塩化マグネシウム又は臭化マグネシウムの形態であり、好ましくは塩化マグネシウムの形態である。
【0024】
さらに好ましい1つの実施形態によれば、前記組成物のpHは、適用対象たる目的の身体部分に応じて、5.0〜7.5、好ましくは5.5〜6.5である。幾つかの粘膜障害の治療では、前記組成物のpHは、3〜7.5の間で変化し得る。
【0025】
さらに他の1つの実施形態によれば、本発明は、表皮/粘膜のバリア機能の形成及び/又は回復が有益な効果を有する、皮膚疾患、皮膚病態又は粘膜疾患を治療する薬物/医療用デバイスを調製するための、本発明の組成物の使用に関する。
【0026】
好ましい1つの実施形態によれば、
・前記皮膚疾患及び前記皮膚病態は、炎症性皮膚疾患、線維芽細胞の増殖増大、そう痒、皮膚表面の物理的損傷、乾皮症、傷、皮膚の過剰増殖状態、経表皮水分喪失、創傷、正に荷電した超抗原又は極性を有する超抗原の存在、例えば正の表面電荷を有する細菌等の存在から選択され、
・前記粘膜疾患は、アフタ性口内炎、他の口腔潰瘍、歯ブラシの誤用によるバリアの破壊、他の粘膜傷害、歯肉炎、鼻咽頭又は他の粘膜の疾患、創傷、及び正に荷電した超抗原又は極性を有する超抗原の存在、例えば正の表面電荷を有する細菌性抗原等の存在から選択される。
【0027】
より好ましい1つの実施形態によれば、前記炎症性皮膚疾患は、乾癬、アトピー性皮膚炎、又は様々なタイプの湿疹である。
【0028】
皮膚障害の幾つかは疾患と認識されずむしろ美容上の問題と認識されるため、本発明の組成物は、皮膚科学だけでなく美容術においても有用である。言い換えれば、本明細書における「薬物」という用語は、医療上有用な製品であることに加えて、美容術上も有用な製品であると理解されるべきである。
【0029】
本発明の組成物は、上述の疾患及び病態の予防にも有用である。
【0030】
他の好ましい1つの実施形態によれば、前記薬物は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、皮膚用溶液、懸濁液、スプレー、粉末、発泡体、入浴剤、被膜形成剤、コロジオン、含浸させた包帯剤又は薬用硬膏、洗口剤、及び鼻用スプレーの形態である。
【0031】
本発明者らは驚くべきことに、水性媒体又は非水性媒体中で電気二重層を形成することが可能であり、安定な負の電荷を示し、カチオン交換能及びカチオン結合能を有し、さらに非イオン性の担体、アニオン性の担体、両性の担体、又は非常に弱いカチオン性の担体と組み合わせてカルシウムイオンの総量を超える総マグネシウムイオンを含有する組成物が、罹患した皮膚領域に局所的に適用するにより損傷した表皮バリアを修復することが可能であることを見出した。
【0032】
負の電荷は、負の表面電荷を有する天然又は人工のどんな粘土物質によっても形成され得る。ゼオライト、特にクリノプチロライトは、本発明の粘土物質の好ましい選択物である。粘土物質は小粒子(微粉末化された粒子)の形態であることが好ましく、これは、この平均粒子径範囲が、皮膚表面に適用可能であるための許容可能な小粒子をもたらし、及び許容可能な高い比表面積及び比電荷をもたらすためである。本発明によれば、粘土物質の平均粒子径の最小値は5nmであり(適用する粒子径は、表面の種類、及びそのバリア損傷の状態に依存する)、これにより組成物は皮膚を通って/血流中に浸透せず、それ故に所望の治療効果のために必要な期間、皮膚表面上に留まることができることを確認できる。
【0033】
マグネシウムイオンは、表皮/粘膜のバリア機能において重大な役割を果たすが、カルシウムイオンはその適切な機能に逆らうことが見出されている。したがって、本発明の組成物中に存在しているカルシウムイオンと比較して算出された量のマグネシウムイオンを含むことが必要である。カルシウムイオンに対するマグネシウムイオンのモル量の比は、1.0より高いものでなければならない。組成物中にカルシウムイオンより1.2倍多いマグネシウムイオンが存在することが好ましい。マグネシウムイオンは、適用される粘土物質の一部として、及び/又は任意の生理学的に許容可能なマグネシウム塩として別々に、本発明の組成物中に導入することができる。
【0034】
本発明の組成物中にカルシウムイオンが存在することも必要である。カルシウムは、顆粒層において層状顆粒のエキソサイトーシスを助け、さらに角質層の末端分化、角化膜の形成、及びまた表皮の脂質合成を誘導する。層状顆粒内容物の押し出し後、適用されるイオン環境は、膜の積層体が構造的に再構成され、脂質積層体のエッジ・エッジ融合によってパターン化した層状シートを形成するのに寄与する。カルシウムはまた、トランスグルタミナーゼ酵素も活性化して、角化膜タンパク質を不可逆的に架橋し、ケラチン繊維を取り囲む頑丈な不溶性の嚢を作り出す。
【0035】
幾つかの先行文献は、或る特定の皮膚疾患のための考えられ得る薬物の原料としてマグネシウムイオン及びカルシウムイオンの両方に言及しており、又は量が規定されていないカルシウムイオン及びマグネシウムイオン(例えばイラクサ葉抽出物又はドロマイト)を含有する添加剤に言及してはいるが、本発明者らは驚くべきことに、所望の治療効果のためにはカルシウムイオンに対するマグネシウムイオンの比が適切に規定されていなければならないことを見出した。したがって、本発明は、マグネシウムイオンの総モル量がカルシウムイオンの総モル量より高い組成物を提供する。「総モル量」という語句は、粘土物質及び別々に添加された塩由来の両方のカチオンを表すように使用される。当該技術の技術水準による組成物は、カルシウムに対するマグネシウムの比が規定されていない添加剤しか含有しない(すなわち、カルシウムがマグネシウムより高い量で存在する場合さえもありえる)ため、これらの組成物により所望の治療効果が必ずしも達成できるものではない。
【0036】
本発明によれば、組成物は、水性媒体又は非水性媒体中で電気二重層を形成することが可能でなければならず、安定な負の電荷をもたらさなければならない。
【0037】
本発明の組成物のpHは、健常な皮膚表面のpH(約pH5.5)に近い必要がある。さらに、所望の負の電荷は、本発明の組成物を用い、このpHの周辺で達成することができる。組成物が粘膜疾患の治療のためのものである場合、pHは或る特定の健常な粘膜のpHに近いものであるべきである。したがって、皮膚表面に適用される組成物は、pH5〜7を有することが好ましく、粘膜表面に適用される組成物のpHは或る特定の粘膜及び障害の種類に応じて3〜7.5で変化する。
【0038】
本発明の組成物は、実質的に非カチオン性の担体、すなわち非イオン性の担体、アニオン性の担体、両性の担体、又は非常に弱いカチオン性の担体も含有する必要がある。本発明は負の正味電荷を形成する組成物を提供することを目的とするものであるため、実質的に非カチオン性の担体のみが許容可能であり得る。他方、わずかにカチオン性の担体を含有する組成物も、組成物の総正味電荷が負のままであれば、本発明の範囲内である。
【0039】
本発明者らは、上記詳述した本発明の組成物は、表皮/粘膜のバリア機能の形成及び/又は回復が有益な効果を有する、このような疾患を治療するための薬物/医療用デバイスの調製に有用であり、これは、これらの薬物/医療用デバイスが破損した表皮/粘膜のバリア機能を改善するからであることを見出した。(本明細書内において「医療用デバイス」という用語は、主要な生物物理学的効果が製品の有効性の基礎であると考えられる医薬品製品又は化粧品製品を意味する。)幾つかの皮膚疾患/障害は、例えば、炎症性皮膚疾患(例えば乾癬、アトピー性皮膚炎、又は様々なタイプの湿疹)、線維芽細胞増殖の増大、そう痒、皮膚表面の物理的損傷、乾皮症(乾燥環境により引き起こされる過剰増殖した鱗状皮膚)、傷、皮膚の過剰増殖状態、及び経表皮水分喪失、創傷治癒のような表皮バリアの機能不全と関連することが知られている。粘膜バリア障害は、例えばアフタ性口内炎、例えば歯ブラシの使用により引き起こされる傷、創傷、潰瘍、化学的作用因子/生物学的作用因子(例えば細菌性作用因子及びウイルス性作用因子)により引き起こされる粘膜破損である。
【0040】
損傷した表皮/粘膜のバリアの修復は、より長期的なプロセスであるため、本発明の薬物はできるだけ長く罹患皮膚/粘膜領域上に留まることが必要である。したがって、本発明の薬物の形態は、皮膚表面上に薬物をより長い間保持できなければならない。したがって、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、皮膚用溶液、懸濁液、スプレー、粉末、発泡体、被膜層(すなわち被膜形成剤)、入浴剤、コロジオン、含浸させた包帯剤又は薬用硬膏、洗口剤、及び鼻用スプレーが、この観点から好ましい。せっけん又はシャンプーはあまり好ましくないが、これらも本発明の範囲内である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(MgCl2の形態の)マグネシウムイオンは、線維芽細胞複製の制御、バリア回復の加速に関する効果、皮膚のランゲルハンス細胞の抗原提示能の低減をもたらす当該細胞に対する抑制効果を有することが歴史的に実証されている。
【0042】
本発明の最も好ましいゼオライトの1つであるクリノプチロライト(Ca−K−Mg−Na−ゼオライト)は、水又は他の非水溶媒中に分散すると、カチオンと結合する粘土物質粒子の周囲に電気二重層として形成される強い負の表面電荷を示す。したがって、強い負の電荷は分散媒体中に形成される。二重層における電荷の大きさを定量化するために、ゼータ電位測定を使用した。例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ステブンサイト、モルデナイト、ラウモンタイト、フィリップサイト、ヒューランダイト、スティルバイト、カバザイト、ステラライト又はラポナイトのような、負の表面電荷を有する天然又は人工のどんな粘土物質もが、本発明の粘土物質として有用である。
【0043】
粘土物質、特にゼオライトは、表皮/粘膜のバリアの形成及び/又は回復に関して以下の有益な効果を有する:
i)負の電荷の増強、
ii)カチオン交換、及び
iii)カチオン結合能。
これらの3つの効果が、表皮/粘膜のバリアの形成及び/又は回復のきっかけとなる。
【0044】
さらに、所望の皮膚/粘膜の表面に本発明の組成物を適用後、分子ふるいとしても機能する層が形成される。これにより細菌が前記表面に近づけないが、皮膚/粘膜は適切に機能することが可能である。
【0045】
本発明の組成物においてゼオライト、特にクリノプチロライトを使用する主な利点の1つは、マグネシウムイオンと相俟って相乗効果を示すことである。すなわち、クリノプチロライトによるMg2+イオンの結合は、皮膚によるマグネシウムイオンの生体利用能を増大させる。
【0046】
しかし、本発明者らは、乾燥した表面に粉末としてゼオライトとマグネシウム塩のみを使用することは、表皮バリア回復効果をもたらさないことを見出した。しかし、皮膚を湿らせるために、水を含む上記担体として、保湿剤(皮膚の含水容量を増大させる吸湿性物質)を豊富に含む皮膚軟化剤をも使用すると、これは強力に、バリア回復を惹起し、経表皮水分喪失を防止する。
【0047】
したがって、単一組成物において上記の構成要素、すなわち平均粒子径が5nmを超える、好ましくは50nmを超える粘土物質、好ましくはゼオライト、より好ましくはクリノプチロライト、さらにマグネシウムイオンとカルシウムイオン、水及び実質的に非カチオン性の担体を使用すると、罹患皮膚表面上における安定な負の電位の改善/形成のために、さらにカチオン交換能及びカチオン結合能のために、驚くべき表皮バリア回復効果の増大を達成することができ、マグネシウムの供給と皮膚の湿潤とが同時に起こり、これらの効果の全てが、本発明の1つの単一組成物によりなされる表皮バリア回復を支持する。
【0048】
本発明者らは驚くべきことに、本発明の組成物のさらなる有益な効果を特定した。すなわち、負の電荷と粘土物質の組合せにより、皮膚から正に荷電した超抗原、細菌性抗原、又はさらに細菌さえも排除することが可能である。幾つかの皮膚/粘膜の障害は細菌感染症と関連するため(上記を参照)、この効果は前記皮膚疾患の幾つかの治療において組成物の効能をも増大させる。
【0049】
生理学的に許容可能であり、かつ組成物の負のゼータ電位を損なわないあらゆるマグネシウム塩及びカルシウム塩を使用することができる。無機又は有機両方のマグネシウム塩及びカルシウム塩、すなわち塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩等のマグネシウム塩及びカルシウム塩を用いることができる。好ましいマグネシウム塩及びカルシウム塩は、塩化物又は臭化物である。マグネシウム塩及びカルシウム塩は様々な水和物の形態で使用することができることは当業者にとって自明である。本発明の最も好ましい実施形態によれば、塩化マグネシウム六水和物が別々に添加される組成物のマグネシウム源として使用される。塩化マグネシウム六水和物の量は、組成物の約0.02w/w%から約90w/w%まで、好ましくは約0.2w/w%から約30w/w%まで、変化し得る。
【0050】
本発明の組成物は、製薬学的に許容される添加剤も含有することができる。例えばビタミンを、特に皮膚科学的に好ましいビタミンを、又は植物抽出物さえも組成物に添加することができる。当該技術の技術水準により既知である保存料(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ジアゾリジニル尿素、ソルビン酸等)、pH調整添加剤(水酸化ナトリウム、塩化水素)、湿潤剤(例えば、尿素、金コロイド、銀コロイド、セラミド等)、色素(酸化鉄)を適用することもできる。モノステアリン酸グリセリル、ココグリセリド、ステアリン酸グリセリル、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、セテアレス−20、セテアレス−12、パルミチン酸セチル等のような、他の製薬学的に許容される添加剤を本発明により適用することもできる。
【0051】
組成物は、治療対象の皮膚疾患又は皮膚病態の予防及び治療において有用な他の活性成分も含有することができる。アトピー性皮膚炎は低いセラミドレベルによって特徴付けられるので、この疾患の治療において、例えばセラミド、セラミダーゼアンタゴニスト又はセラミド産生アゴニストをこの組成物に添加することができる。乾癬の治療のために、組成物へのビタミンD類似体及び/又はステロイドの添加は有利であり得る。乾癬の治療のための組成物における活性成分に関する他の例は、タール製品、及び例えばカレンジュラ等の天然ハーブ抽出物を挙げることができる。様々なタイプの湿疹の治療のために、様々な種類のペプチドの添加が有用であり得る。上述の疾患の幾つかにおいては創傷治癒添加剤も有用であり、ここではヒアルロン酸亜鉛、銀コロイド又は金コロイドが言及する価値がある。バリア損傷回復をもたらし得る炎症性カスケード要素の制御因子(例えばインターロイキン4、インターロイキン8又はインターロイキン10等)もまた付加的な活性成分として適用することができる。
【0052】
適用されるマグネシウムイオンの最適なモル量は、治療対象の皮膚障害に依存する。すなわち、児童における開放創は、塩含有量の高い組成物では刺激のために治療することができないため、アトピー性皮膚炎の治療のための組成物が有するマグネシウムイオンの量はより低い。しかし、乾癬の治療のための組成物は、より高いマグネシウムイオン濃度を有するべきである。
【0053】
これまでに述べたように、本発明の薬物の形態は、皮膚表面上に薬物をより長時間保持することが可能などのような処方であっても良い。したがって、クリーム、ゲル、ローション、軟膏、皮膚用溶液、懸濁液、スプレー、発泡体、入浴剤、コロジオン、被膜形成剤、含浸させた包帯剤又は薬用硬膏が、好ましい処方である。粘膜への適用に関しては、粉末、被膜形成溶液、洗口剤及び鼻用スプレーも好ましい。
【0054】
組成物の溶媒(すなわち上記及び請求項1の構成要素「c」)は、水性又は非水性のいずれかでよい。本発明の組成物の主な特徴の1つは、該組成物が媒体中で電気二重層を形成し、そして適用した表面上で負の電位変化をもたらすことであるため、組成物の媒体として上記電気二重層を形成することを可能とする如何なる溶媒も使用することができる。したがって、本発明の組成物の溶媒を、次の溶媒の群から選択することができる:水、エタノール、グリセリン、天然又は人工の油脂、及びそれらの混合物、例えば水/エタノール、オイルインエタノール。乳化液及び懸濁液も、本発明の組成物の媒体を形成できる。
【0055】
クリームは、水中油型又は油中水型のいずれかでよい。本発明によれば、水中油型のクリームが好ましい。本発明の目的のために、例えばアルキルサルフェート、アルキルアミン、アルキルピリミジン化合物等のような幾つかの乳化剤が許容可能である。
【0056】
例えば白色ワセリン、パラフィン、セテアリルアルコール、ココグリセリド、セチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、カカオバター、オレウム・ヘリアンティ、セラアルバ、ラノリン、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムのような、クリーム配合物のための幾つかの許容可能な油も存在する。
【0057】
ゲルの調製のために、次のゲル形成添加剤を使用することができる:例えば、セルロースガム(カルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース又はラポナイト。ゲルのための溶媒/分散媒体は、好ましくは水/グリセリン又は水/プロピレングリコール混合物である。
【0058】
ゼータ電位は、本発明の組成物の固有の電気的特徴を示す。簡潔に述べると、ゼータ電位はコロイド系における界面動電位であり、すなわちゼータ電位は、界面から離れたバルク流体中の点に対する滑り面の位置での界面の二重層における電位であり、すなわち分散媒体と分散した粒子に接触した流体の固定層との間の電位差である。健常な皮膚表面は負の電荷を有するため、本発明の組成物は、皮膚の表面上におけるさらにより負の環境、負の電荷の増強を形成して、バリア修復カスケード機構を誘発することが可能である。この目的のために、組成物は、本発明の薬物の製造中に測定することができる安定な負のゼータ電位を示すべきである。
【実施例】
【0059】
以下で本発明を実施例を参照してより詳細にかつ具体的に説明するが、この実施例は本発明を限定することを意図するものではない。
【0060】
実施例1a:アトピー性皮膚炎の治療のためのクリーム配合物
アトピー性皮膚炎の治療のためのクリームを処方した。なお、前記クリームは、次の原料(原料のINCI(国際化粧品成分命名法)名を示す)から成る:
【0061】
【表1】

【0062】
実施例1b:ゼータ電位測定
実施例1aによるクリームのゼータ電位を測定した。1mMのMgCl2不活性電解質の存在下、30℃でBrookhavenのZetaPALS機器により、測定を行った。その機器は能動的温度制御のためのペルチェ素子を備えている。ZetaPALSは、周波数シフトスペクトルに基づく位相解析光散乱法を使用してゼータ電位を決定する。アクリル支持体を有するパラジウム電極を測定のために使用した。
【0063】
ゼータ電位測定の結果:
伝導度:566μS
電気泳動移動度:−0.87×10-82/Vs
ゼータ電位(スモルコフスキー理論により算出):−10.02mV
ゼータ電位(ヒュッケル理論により算出):−15.04mV
【0064】
したがって組成物のゼータ電位は、所要の負の範囲内である。
【0065】
実施例1c:表面電位測定
ヒトボランティアの無傷の皮膚表面に実施例1aのクリームを用いて表面電位測定を実施した。
【0066】
測定条件:
装置: Consort C831電気化学解析装置
電極: EKG接着電極
接続媒体: REXTRA EKG、EEG、EMG医療用診断ゲル、pH6.5; 原料:水、カルボマー、トリエタノールアミン、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン
測定したデータ列:25点、10秒/点
測定場所: 前腕屈筋領域(非動作位置)
クリームの塗布: 5cm×5cmの表面、15分後にクリームを取り除く
電極の間隔: 10cm
ボランティア数: 3
【0067】
結果を次の表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
(表中、
M1:接続媒体を用いた場合の2点間の電位差
M2:接続媒体と実施例1aのクリームを用いた場合の2点間の電位差
結果:M1とM2との間の表面電位の差(mV))
【0070】
これらの結果は、皮膚表面の電位における明確な効果を示す。
【0071】
実施例2:乾癬の治療のためのクリーム配合物
乾癬の治療のためのクリームを処方した。なお、このクリームは、次の原料(原料のINCI(化粧品原料の国際命名法)名を示す)から成るものであった:
【0072】
【表3】

【0073】
実施例3:乾癬の治療のためのクリーム配合物
頭皮上の乾癬の治療のためのクリームを処方した。なお、このクリームは、次の原料(原料のINCI(化粧品原料の国際命名法)名を示す)から成るものであった:
【0074】
【表4】

【0075】
実施例4:ゲル配合物
本発明の組成物を含有するゲルを、次の原料を用いて処方した:
【0076】
【表5】

【0077】
水を75℃に加熱し、メチルパラベンをその水に溶解する。混合物を室温に冷却し、そして塩化マグネシウムを添加した。ゼオライトをグリセリンに懸濁し、この懸濁液を撹拌下の塩化マグネシウムの水溶液に添加した。セルロースガムを添加し、混合物を最終的なゲル構造が形成されるまで撹拌した。
【0078】
実施例5:ゲル配合物
本発明の組成物を含有するゲルを次の原料を用いて処方した:
【0079】
【表6】

【0080】
塩化マグネシウムを水に溶解した。ゼオライトをプロピレングリコールに懸濁し、連続的な撹拌下、水相に添加した。ヒドロキシプロピルセルロースを水相に最終的なゲル構造が形成されるまで添加した。最終的に、エタノールに溶解したメチルパラベンをゲル中にゆっくりと添加した。
【0081】
実施例6:ゲル配合物
次の原料を用いて、本発明の組成物を含有するゲルを処方した:
【0082】
【表7】

【0083】
水を75℃に加熱し、メチルパラベンを水に溶解する。混合物を室温に冷却し、そして塩化マグネシウムを添加した。ゼオライトをグリセリンに懸濁し、この懸濁液を撹拌下の塩化マグネシウムの水溶液に添加した。セルロースガム及びメチルセルロースを添加し、この混合物を最終的なゲル構造が形成されるまで撹拌した。
【0084】
実施例7:クリーム配合物
本発明の組成物を含有するクリームを次の原料を用いて処方した:
【0085】
【表8】

【0086】
水を75℃に加熱し、塩化マグネシウムをそれに溶解し、その後ゼオライトを分散させた。白色ワセリン、セテアリルアルコール、パラフィン及びポリソルベート60を別のフラスコ中で混合し、75℃に加熱した。油相を水相に注ぎ、乳化し、連続的な撹拌下で冷却し、そして最終的にアルコールに溶解したメチルパラベンを添加した。
【0087】
実施例8:クリーム配合物
本発明の組成物を含有するクリームを次の原料を用いて処方した:
【0088】
【表9】

【0089】
水を75℃に加熱し、メチルパラベン及びプロピルパラベンをそれに溶解し、そしてゼオライトをこの溶液に分散した。白色ワセリン、セテアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル及びポリソルベート60を別のフラスコ中で混合し、75℃に加熱した。油相を水相に注ぎ、乳化し、連続的な撹拌下で冷却し、そして最終的に一部の水に溶解した塩化マグネシウムを添加した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)負の表面電荷を有する粘土物質、
b)前記粘土物質内に組み込まれた及び/又は別々に添加されたマグネシウムイオン及びカルシウムイオンの両方、
c)水及び/又は非水溶媒、及び
d)実質的に非カチオン性の担体
を含有する組成物、
但し、
i)前記粘土物質の平均粒子径が少なくとも5nmであり、かつ
ii)マグネシウムイオンの総モル量がカルシウムイオンの総モル量より高い。
【請求項2】
前記粘土物質がゼオライト、より好ましくはクリノプチロライトである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
カルシウムイオンと比較したマグネシウムイオンの総モル量が、カルシウムイオンの総モル量の1.2倍より高い、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粘土物質の平均粒子径が5nm〜100μm、好ましくは100nm〜20μm、より好ましくは1〜10μmであり、最も好ましくは約5〜7μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記別々に添加されたマグネシウムイオンが、塩化マグネシウム又は臭化マグネシウムの形態であり、好ましくは塩化マグネシウムの形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物のpHが、3.0〜7.5、好ましくは5.0〜7.5、より好ましくは5.5〜6.5である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
表皮/粘膜のバリア機能の形成及び/又は回復が有益な効果を有する、皮膚疾患、皮膚病態又は粘膜疾患の予防及び治療のための薬物/医療用デバイスの製造における、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項8】
前記皮膚疾患又は前記皮膚病態が、炎症性皮膚疾患、線維芽細胞の増殖増大、そう痒、皮膚表面の物理的損傷、乾皮症、傷、皮膚の過剰増殖状態、経表皮水分喪失、創傷から選択され、前記粘膜疾患が、アフタ、他の口腔潰瘍、口内炎、歯ブラシの誤用によるバリアの破壊、他の粘膜傷害、歯肉炎、鼻咽頭粘膜の疾患、及び創傷から選択される、請求項7に記載の組成物の使用。
【請求項9】
前記皮膚病態又は前記粘膜疾患が、正に荷電した又は極性を有する超抗原の存在を、好ましくは正の表面電荷を有する細菌性抗原の存在を特徴とする、請求項7に記載の組成物の使用。
【請求項10】
前記炎症性皮膚疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、又は様々なタイプの湿疹である、請求項8に記載の組成物の使用。
【請求項11】
前記薬物が、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、皮膚用溶液、懸濁液、スプレー、粉末、発泡体、入浴剤、被膜形成剤、コロジオン、含浸させた包帯剤又は薬用硬膏、洗口剤、鼻用スプレーの形態である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2011−529098(P2011−529098A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520469(P2011−520469)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059727
【国際公開番号】WO2010/012720
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511025385)
【氏名又は名称原語表記】DESPHARMA EGESZSEGUGYI SZOLGALTATO KORLATOLT FELELOSSEGU TARSASAG
【Fターム(参考)】