説明

皮膚発赤改善剤

【課題】 褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善する。
【解決手段】 カテキンを配合した組成物を、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤箇所に塗布又は浴することにより、発赤を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の発赤を改善することができる組成物に関し、更に詳しくはカテキンを配合した組成物を塗布又は浴することにより、例えば褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤の改善に優れる組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、褥瘡初期や足指・趾間や性器・肛門周りの皮膚の発赤を改善する方法としては、皮膚科医等から抗菌軟膏や副腎皮質ホルモン軟膏を処方してもらい塗布治療を行っている方法は周知のことである。
【0003】
しかしながらこれらの方法では、皮膚科医師の診断を受けなくてはならないための煩わしさや、治療費が高価になるなど、副作用があるなど、満足できるものではなかった。特に褥瘡については高齢化社会の現代において、寝たきりの生活を余儀なくされている人にとっては深刻な問題であり、安価で効果の高い商品の提供が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような実情に基づき鋭意検討を行った結果、カテキンを配合した組成物を、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤箇所に塗布又は浴することにより、発赤が改善出来ることを見出し、本発明を完成した。
従来、カテキンについては、飲料成分として一般によく用いられているが、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善する試みはなされていなかった。
【0006】
本発明で用いるカテキンは、緑茶、ウーロン茶及び紅茶からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。これら茶葉の粉砕物またはこれら茶葉の抽出物を用いることができる。茶葉抽出物の抽出方法としては、抽出物中においてタンニン画分に存在するカテキン類の含有量が高くなるような抽出方法を採用する事が好ましい。具体的には水又はメタノール、イソプロパノール、アセトン、エチルエーテル等の極性溶媒を用いることが好ましい。抽出時は上記溶媒を単独でも混合して用いてもよく、更に抽出時は常温でも加熱して行ってもよい。カテキン類としては、エピガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンガレード、エピカテキンガレード等が挙げられる。これらカテキンの皮膚発赤改善剤組成物中における含有量は、使用方法により異なる。直接、組成物を皮膚に噴霧または塗布する場合は、0.01%〜5%程度含有していれば褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善することが出来る。また浴用で使用する場合は、希釈倍率によるが組成物中の含有量は1%〜50%である。
【0007】
本発明で用いる温泉成分としては、重曹、硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。温泉成分とカテキンを併用すると、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の二次的因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善する時間が短縮できる。これら温泉成分の皮膚発赤改善剤組成物中における含有量は、使用方法により異なる。直接、組成物を皮膚に噴霧または塗布する場合は、0.01%〜5%程度含有していれば褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善することが出来る。また浴用で使用する場合は、希釈倍率によるが組成物中の含有量は10%〜50%である。
【0008】
本発明の組成物には、目的とする性能を損なわない範囲で、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、香料、色素、防腐・防かび剤等を所望に応じて添加することが出来る。また剤型は液体、クリーム、ジェル、固形等を使用場面に応じて選択することができる。特に固形の場合は、錠剤化するためにバインダーとしてのシリコンオイルや打錠型から離型させるために金属石鹸、マイカ等の滑剤を使用することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮膚発赤改善剤は、褥瘡初期の発赤や白癬菌に侵された後の物理的二次因子による足指・趾間の発赤や、性器・肛門周りの発赤を改善するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、次に示す実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
試験法及び評価基準
(1)液体スプレータイプの皮膚発赤改善剤での褥瘡患者及び肛門の発赤が認められる患者及び足指・趾間の発赤患者での発赤改善度
褥瘡初期(第一段階)の患者の褥瘡部及び肛門の発赤が認められる患者及び足指・趾間の発赤患者に、本発明の液体スプレータイプの皮膚発赤改善剤を噴霧し清拭を行う。この操作を一日3回行い、一週間継続した後の発赤度を視覚判定する。
○:発赤が見られず、著しく改善が認められる。
△:わずかに発赤が見られるが、改善が認められる。
×:発赤があり改善が認められない。
(2)固形入浴剤タイプの皮膚発赤改善剤での褥瘡患者及び肛門の発赤が認められる患者及び足指・趾間の発赤患者での発赤改善度
褥瘡初期(第一段階)の患者の褥瘡部及び肛門の発赤が認められる患者及び足指・趾間の発赤患者に、本発明の固形入浴剤タイプの皮膚発赤改善剤600gを、42℃のお湯200リットルに溶かし10分間の入浴を行い、洗い流さずにタオルドライし乾燥させる。この操作を一日一回行い、−週間継続した後の発赤度を視覚判定する。
○:発赤が見られず、著しく改善が認められる。
△:わずかに発赤が見られるが、改善が認められる。
×:発赤があり改善が認められない。
【0012】
【表1】

【0012】
※1:茶葉100Kgを1000リットルの水(90℃)に24時間浸漬し、水相を凍結乾燥して得られた固形分で、カテキンとして30%含有。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテキンを含む皮膚発赤改善剤。
【請求項2】
カテキン及び温泉成分からなる皮膚発赤改善剤。
【請求項3】
カテキンが緑茶、ウーロン茶及び紅茶からなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の皮膚発赤改善剤。
【請求項4】
温泉成分が重曹、硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群より選ばれる種又は2種以上である請求項1又は2又は3記載の皮膚発赤改善剤。

【公開番号】特開2011−42641(P2011−42641A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209800(P2009−209800)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(509100601)株式会社コスメテック札幌 (1)
【Fターム(参考)】