皮膚穿刺処置中の痛みを軽減するための装置、物品、及び方法の改善
麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具、物品、及び方法を提供する。この器具は前端を有する。前端からは、振動するように自由に装着された光導体が突出する。物品、すなわち単回使用先端部は、器具の前端に着脱自在に装着された先端スリーブと、突出する光導体に着脱自在に装着されてヒト又は動物の予め選択した注射部位を振動させる先端部材とで構成される。この先端スリーブ及び先端部材は弾性オーバーモールドによって覆われ、このオーバーモールドにより、先端部材が先端スリーブに対して自由に振動できるとともに、光導体からの光が注射部位を照明できるようになる。光導体には、器具内に装着される振動ユニットが結合される。この光導体を介して先端部材に振動及び照明を与えることにより方法を実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内科処置及び歯科処置で使用する方法、物品、及び装置の改善に関し、具体的には、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射によって投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化するための方法、開創器バイブレータの形の装置、及び使い捨て先端部の形の物品の改善に関する。本出願、及び本明細書に記載する発明は、2007年3月19日に出願された同時係属中米国特許出願第11/575,564号の一部継続である2009年11月29日に出願された国際出願第PCT/US09/66033号の一部継続であり、これらの両出願はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
上記出願に記載されるように、従来技術では、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に有効な液体などの液体を注射する際の痛みを軽減するための通常の処置は、(a)注射部位における患者の皮膚又は筋組織に非常に冷たい物質を押し当てること、(b)注射部位における皮膚又は筋組織に、皮膚又は筋組織を一時的に麻痺させる局所療法を施すこと、(c)注射を行いながら、注射部位における皮膚又は組織を素早く手でマッサージすること、のいずれかである。これらの処置にはある程度の効果はあるが、いずれも面倒であり、完了するのにある程度の時間を要し、又は効果が限定的であり、痛みを納得のいくレベルまで軽減するものではない。上述の出願に記載された発明では、特に歯科に関する皮膚穿刺処置中の痛みを軽減するための独特な新規の装置及び方法が提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一般的な目的は、上述の出願に記載された、特に開創器バイブレータ及び単回使用又は使い捨ての先端部に関する発明を改善することである。本明細書で説明し特許請求する改善を使用することにより、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に効果のある液体を注射する際のさらなる不利点が克服される。詳細には、本発明の目的は、上述した装置、物品、及び方法に、内科的、獣医学的、又は歯科的処置中に容易かつ安価に利用できる改善を行って、注射により患者の皮膚又は筋組織が穿刺される際に伴う痛みをほぼ完全に又は実質的に除去できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的に合わせ、本発明は、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に効果のある液体などの液体を、注射部位の皮膚又は組織内に、より効果的かつ衛生的な方法で針で注射するのと同時に、注射部位の直ぐ近くの皮膚領域又は組織領域、好ましくは少なくとも2つの皮膚領域又は組織領域、或いは円形の皮膚領域又は組織領域を振動させるための改善された方法と、使い捨て先端部の形の改善された物品と、開創器バイブレータという好ましい形の改善されたハンドヘルド装置とを含む。歯科医師の関心領域が口腔粘膜全域及び下にある骨であるのに対し、内科医師の関心領域は全身及び下にある骨である。このような通常の注射処置として、歯科処置中に患者の歯茎又はその他の組織にリドカインを注射することが考えられる。
【0005】
従って、本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射により投与する間の痛みを最小化するための改善された器具を提供することであり、この器具は、本体と、再使用できないように本体に独自の方法で装着された着脱式先端部(新規の物品)の片持ち構造と、起動時に先端部を独自の新規な態様で振動させる、本体内に装着された振動ユニットとを含む。先端部は振動するとともに自由端を有し、この自由端が、間に空間を定める2つの離間した突起部を形成する分岐部を特徴とすることにより、この離間した突起部をヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くに配置し、注射を行っている間に前記予め選択した注射部位の組織を振動させ、その後振動を継続して組織をマッサージし、注射された液体を組織内に消散させて組織の膨張及び組織の腫れを防ぐことができる。注射をする人間が、後でより大きな圧力で組織を振動させて、より良好なマッサージを行うことが好ましい。後からの振動は、加わる圧力が組織の下にある骨を共鳴させるほど十分な場合に最も効果的となる。当業の通常の技術を有する歯科医師であれば、歯茎などの組織にいつ圧力を加えているか、及び器具がいつ歯茎に良好に接触し、又は下にある骨に効果的に当たっているかを感知することができる。骨との接触を感知したら、圧力を1秒〜30秒間維持する。注射部位の領域は、器具により独自の方法で照らされる。また、約1秒間オンにして約1/10秒間オフにするような好ましいデューティサイクルに基づいて振動をパルス化することにより、改善された性能が得られる。
【0006】
さらなる改善として、単回使用又は使い捨ての先端部の形の物品を、バヨネット式などの着脱可能接続によって器具の前方部に装着するための、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックで構成された先端スリーブと、やはり硬質プラスチックで構成されたフォーク状先端部材とで構成し、これらの部品を、予め選択したデュロメータを有するゴム又は熱可塑性エラストマのオーバーモールドにより、わずかに離間した関係で1つにまとめる。フォーク状先端部材は、器具の前面から突出する振動する光導体に装着された基部内にカップを形成する。カップの端部に形成されたレンズが、光導体からの光で注射部位を照らす。フォーク状先端部材のプロング(突起)が前方へ延び、約55度の角度で下方に曲がる。Oリングが、光導体を器具の前部中心に保持するとともに、光導体が自由に振動できるようにする。
【0007】
本発明のさらなる目的として、上記のような改善された器具を、着脱式先端部が開創器として機能する表面を含み、振動ユニットをオン/オフ制御するための制御スイッチを本体上に提供できるように構成する。また、先端部は、この改善された器具と共働する要素を含むことができ、この要素は、改善された器具上に配置された場合、スイッチを作動させ又は改善された器具に接触してこれをオンにし、先端部が除去された場合、この除去行為によって要素が破砕し折り取られて、先端部の再使用が不可能となる。従来の器具のように、この改善された器具は、本体内にスピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤを含むことができる。さらに、本体は、振動ユニットを駆動するための電源としての充電式電池を含むことができる。さらに、本体上には、視認性をより良くするために、離間した突起部間に定められる空間へ向けられて、注射する領域を照らす光源が備えられる。
【0008】
また、本発明の別の目的は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くの組織を、振動を新鮮かつ効果的に維持する独自の方法で振動させると同時に、この予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射するステップと、その後、注射部位をマッサージし、注射された液体を消散させてこれを周辺組織に分散させるように印加されるより大きな圧力で振動を継続するステップとを含む方法を含む。上述したように、この振動は、組織の下の骨を共鳴させながら行うことが好ましい。
【0009】
本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具により達成され、この器具は、前端を有する本体と、前記本体に振動するように自由に装着されて前記前端から突出する光伝達ロッド又は光導体と、前記本体の前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の予め選択した注射部位を定める、光導体に着脱自在に装着された前方分岐部を有するプロング(突起)状先端部材で構成された先端部と、本体内に装着され前記光伝達ロッドに結合されて、起動時に前記光伝達ロッドを介して前記プロング状先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットとを含み、前記先端スリーブ及びプロング状先端部材は、弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられるとともに、前記光伝達ロッドからの光が注射部位を照明できるようにする。この器具は、約1秒間オンして約1/10秒間オフすることができるオン−オフデューティサイクルに関して振動ユニットを制御する手段を含むことができる。プロング状先端部材は、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含むことができる。先端スリーブ及び本体は、前記先端部の再使用を防ぐために互いに被覆し合う部材を含むことができる。本体内には、スピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤを含めることができる。光伝達ロッドは、ポリカーボネートで構成されることが好ましく、自由に振動するためにOリングによって前端に保持される。
【0010】
本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具を提供することによりさらに達成され、この器具は、前端を有する本体と、前記体内に装着されて前記前端へ延びる光ロッドと、前記本体の前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の予め選択した注射部位を囲む空間を定める前方分岐部を有する、光ロッド上に着脱自在に装着されたプロング状先端部材で構成された単回使用使い捨て先端部と、本体内に装着され前記光ロッドに結合されて、起動時に前記光ロッドを介して前記プロング状先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットとを含み、前記先端スリーブ及びプロング状先端部材は、弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられるとともに、前記光ロッドからの光が注射部位を照明できるようにし、前記先端部及び本体は、先端部が前記本体上に配置されると、先端部を除去することにより前記先端部の再使用が自動的に防がれるように互いに共働する要素を有する。器具は、振動ユニットをオン−オフデューティサイクルに関して制御する手段を含むことができ、この手段は、1デューティサイクルを約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフにするように設定されることが好ましい。プロング状先端部材は、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含むことができる。
【0011】
方法に関する本発明の目的は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くの、これに隣接する、及びこれを囲む組織を振動させると同時に注射部位を照明して、予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射するステップを含むことができ、振動はパルス化される。このパルシングは、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフであることが好ましい。
【0012】
物品に関する本発明の目的は、振動ユニットと、この振動ユニットにより振動される光導体(光を伝達する透明又は半透明のロッド)とを含む器具とともに使用するための単回使用使い捨て先端部を提供することを含み、光導体は器具の前端から突出し、先端部は、器具の前端に着脱自在に装着するための先端スリーブと、突出する光導体に着脱自在に装着するためのプロング状先端部材とを含む。プロング状先端部材は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位を定める前方分岐部を有する。先端スリーブ及びプロング状先端部材は、プロング状先端部材が先端スリーブに対して自由に振動できるとともに光導体からの光が注射部位を照明できるようにする弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられる。単回使用使い捨て先端部、すなわち先端スリーブ及びプロング状先端部材は間隔を置いて配置され、これらの間の環状空間がオーバーモールドで満たされる。プロング状先端部材は、カップと、一体形成された長手方向に延びるプロングの対とを含み、プロングのオーバーモールドは、幅広部分を有して少なくとも1つの開創面を提供する。オーバーモールドの幅広部分には、少なくとも1つの長手方向溝を形成することができる。また、プロングの端部のオーバーモールドは球状であることが好ましい。先端スリーブの前端は、交互になった溝及びリブを形成し、オーバーモールドがこの溝を満たしてリブを覆うことが好ましい。
【0013】
上述した本発明の特徴及び目的を、同じ参照数字が同じ要素を示す添付図面に照らして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の装置の実施形態を示す分解図である。
【図2】LED及び電気的連動スイッチの詳細斜視図である。
【図3】器具の端部における着脱式又は使い捨て先端部の斜視図である。
【図4】着脱式先端部及び器具の端部の斜視図である。
【図5】器具の端部における着脱式先端部に関する光伝達ロッドの斜視図である。
【図6】器具の端部の斜視図である。
【図7】器具の端部を回転させた斜視図である。
【図8】器具の鼻部の斜視図である。
【図9】器具の上面斜視図である。
【図10】電池カバーを取り外した器具を示す部分的分解斜視図である。
【図11】使い捨て又は着脱式先端部における溝の斜視図である。
【図12】器具の鼻部から取り外した先端部を示す部分的分解斜視図である。
【図13】鼻部の後端の斜視図である。
【図14】着脱式先端部の斜視図である。
【図15】不使用時及び再充電時の器具の装着部の部分的分解斜視図である。
【図16】器具のハンドル及び鼻部の斜視図である。
【図17】後方から見た使い捨て先端部の斜視図である。
【図18】モータマウント及び光ロッドとの結合部を示す部分斜視図である。
【図19】ハンドル、モータ、及び光ロッドへの結合部、及び光ポートを図解した先端部の部分的分解斜視図である。
【図20】光ロッドの内端における結合部材の詳細を示す分解斜視図である。
【図21】内科的処置及び歯科的処置の方法で使用するための開創器バイブレータの形の器具及び単回使用又は使い捨て先端部の形の物品の、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射により投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化することに貢献する改善を示す本発明の好ましい実施形態の詳細の断面図である。
【図22】内科的処置及び歯科的処置の方法で使用するための開創器バイブレータの形の器具及び単回使用又は使い捨て先端部の形の物品の、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射により投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化することに貢献する改善を示す本発明の好ましい実施形態の詳細の斜視図である。
【図23】振動を引き起こすための電気モータに取り付けるカムの斜視図である。
【図24】振動する先端部材の斜視図である。
【図25】振動する先端部材の斜視図である。
【図26】振動する先端部材の側面図である。
【図27】先端スリーブの側面図である。
【図28】先端スリーブの側面図である。
【図29a】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29b】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29c】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29d】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29e】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29f】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29g】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29h】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29i】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29j】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29k】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29l】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29m】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図30】器具に装着して、歯科医又は内科医が器具の無菌性に影響を与えずに器具を使用できるようにするためのプラスチックラッパーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、以下で説明するような本発明の機能を実施するための、全体を10で示す改善された開創器バイブレータの実施形態を示している。詳細には、開創器バイブレータ10は、管状の本体又はハンドル12を含むハンドヘルド装置であり、ハンドル12の開放端上に相補的嵌合でネジ取り付けするようにネジ山を付けられた端部クロージャとしての電池カバー14を有する。ハンドル12は硬質プラスチックで構成されてシャーシ22を部分的に受け入れ、シャーシ22のハンドル12で覆われない部分は電池カバー14で覆われる。シャーシ22の電池室16内には、図1に示していない充電式電池が存在する。シャーシ22の端部には誘導コイル18が装着され、これが電池カバー14内に位置して、従来の方法で電荷素子に結合する。ハンドル12内には、カム26を駆動するモータ24が収容される。カム26は(ボールソケット26aの形の)ボア(穴)(図23参照)を含み、このボアの軸は、モータ駆動軸から約0.010インチ〜約0.025インチオフセットされ、約0.020インチのオフセットが好ましい。カム26及び従動子100により引き起こされる振動は、ポリカーボネートの光ロッド30を介してポリカーボネートの先端フレーム50に伝達され、先端フレーム50の2本の分岐した脚部42の自由端において約0.5mm(約0.020インチ)の振幅の振動を生じるようになる。振動中、光ロッド30は、光ロッド30を鼻部34に対して保持する鼻部34の端部における弾性装着部(ゴムのOリング)を中心に枢動して自由に振動できるようになる。シャーシ22上には、電気回路及び電子回路28を含むPCBボード20が装着される。この回路28を介して電池が接続され、引用により本明細書に組み入れられる2007年3月19日に出願された本発明者の同時係属中特許出願第11/575,564号に記載される方法でモータ24を制御する。モータ24が駆動されると、カム26によって生じた振動が、結合固定具及びカム従動子を介してポリカーボネートの光ロッド30に連結される。
【0016】
ハンドル12の前端には、シャーシ及びハンドルに固定されたアダプタ32が存在する。アダプタ32には鼻部34が固定される。鼻部34内には光ロッド30が収容され、その前端において鼻部34に弾性的に結合される。鼻部34は、3つの構成要素、すなわち光ロッド30の端部に着脱可能かつ強固に装着されて振動を伝達する、前端が分岐した前方振動式先端部50と、鼻部34上に着脱可能にかつ強固に装着された先端スリーブ62と、先端部50とスリーブ62を一体に保持し、先端部50がスリーブ62に対して自由に振動できるようにするオーバーモールド52とで構成される使い捨て先端部40を収容する。図2に示すように、PCB20にはLED36が装着される。また、PCB20から前方へは、前方に延びるとともに間に狭い空間を残すように通常は間隔を開けて付勢される2つのバネ電極45で構成された電気的連動装置43が突出する。この2つの電極45がくっつくと、モータ24を駆動する電気回路が完成する。電気回路内には、ユニットの全体的な電力を制御する、ハンドル12内に弾性的に埋め込まれたボタン48(図9を参照)を組み込んだ主幹スイッチ46も存在する。
【0017】
図3、図4、及び図5に、鼻部34に装着される使い捨て先端部40の様々な詳細を示す。図示のように、使い捨て先端部40の前端は、プラスチック52をオーバーモールドしたフレーム50であり、この部分は、注射部位を取り囲む組織に隣接するようになるので、弾性加工又はソフト加工されることが好ましい。この部分は、単純に完全にプラスチックで成形することができる。分岐部の2本の脚部42の間には、フレームの分岐部の基部58との接合部に存在する穴56から生じてレンズ60で終端する片持ちチューブ54が存在する。このチューブは、図24〜図28に示すように省くこともできる。オーバーモールド52は、先端フレーム50を、リブ66で強化されたフランジ64を含む後端で終端する環状体62(先端スリーブ)で構成された先端部40の残り部分に保持する。オーバーモールドは、フレーム50がスリーブ62に対して自由に振動できるようにする。光ロッド30の前端は、光ロッド30を鼻部34内の中心に置くために、溝68に受け入れられるウェッジ35により保持されたOリングとともに鼻部34に嵌め込まれ、光ロッド30は鼻部34の前端から突出し、光ロッド30からの振動を先端フレーム50に与えるために、オーバーモールドされた分岐部(先端フレーム50)の後端にぴったりと係合して収容される。光ロッド30は穴56と一直線になり、穴56を通じて、及び任意にチューブ54を通じてレンズ60を介して注射部位の上に光を伝達する。図5には、光チューブ30がその前端近くに(弾性ガスケット、Oリングを受け入れるための)円周溝68を有し、他端に結合固定部材70を有することを示している。光チューブ30は、その後方へ向けて、軸がLED36と一直線になるようにこの軸を横方向にオフセットする湾曲部72を有する。図4に示すように、分岐部のオーバーモールド52は、口腔内で使用する場合に唾液を集めるための水平溝74を有する。同様に、図3では、分岐部が、同じ目的で下方へ延びる溝又は窓枠を有することができる。唾液の除去は困難であり、このことが先端部の再使用を防ぐ役に立つ。
【0018】
図6、図7、図8、及び図12に、使い捨て先端部40の2回目の使用を積極的に防ぐための1つの方法を示す。この点に関しては、図16及び図17も参照されたい。電気的連動装置43が、狭い空間を挟んで上下に位置する2つの電極45とともに、鼻部34の切り欠き80において表面上に引き出される。切り欠き領域80近くには斜面82が形成され、斜面82と切り欠き80の間の移行部は垂直な(90度)平面84となる。使い捨て先端部40のスリーブ62は、その内面に斜面82、連動装置43、及び平面84と共働する以下のような壊れやすいリブ86を備える。使い捨て先端部40は、これを鼻部に被せて、固定し、1/4回転させることによって鼻部に取り付けられる。これらの2つの部品の向き及び配置は、リブが斜面82の上に乗り、平面84を超えて電気的連動装置43上に落ち、2つの電極45を一体化させて器具の振動を呼び起こすようにされる。先端部40を取り外す場合には、先端部を逆方向に1/4回転させるが、この間、先端部が鼻部34から外れるのに必要な1/4回転を完了しようとし続けているときに、壊れやすいリブ86が垂直な表面84にぶつかって折り取られる。従って、先端部40を取り外した後には、先端部40を鼻部34上に再び配置して電気的連動装置を機能させることはもはやできなくなる。図8には、鼻部34の後端が、シャーシ22及びハンドル12への取り付けを可能にする開口部92を含むフランジ90を有することも示している。図6に示すように、鼻部34のフランジは止め輪88に覆われる。
【0019】
図9には、ハンドル12の弾性的に埋め込んだボタン48の下に組み込まれる主幹スイッチ46を組み立てた装置又は器具を示している。図10には、取り外した電池カバー14及び露出した電池室16を示している。電池室はシャーシ22の一部である。図11は図10に類似しているが、装置又は器具の前端を図示して、使い捨て先端部40の光ロッド30及び鼻部34に対する関係を示している。鼻部34上には、円周方向の正反対のリブ96及び溝98が形成され、これらが先端部40の内面にある相補的な円周方向の溝98及びリブ96(図12参照)と共働して、先端部を鼻部に差し込み嵌めで係止する。
【0020】
図13には鼻部34の後端を示しており、ここから、固定部材70が光ロッド30の端部に取り付けられ、カム26の振動を光ロッド30に与えるようにカム26(詳細は図23参照)に接触するとともにこれに追従するカム従動子としてのボールエンド100を有する突出スタブを保持する。上述したように、光ロッド30の底部はLED36と位置合わせされる。連続パルスを使用してもよいが、パルス振動シーケンスの方がより効果的であることが判明している。約1秒間オンした後に約1/10秒間オフするパルスシーケンスが、先端部の振動を決してゼロまで低下させることなく振動を十分にパルス化する。このように、装置又は器具はほぼ毎秒パルスを発して領域内の神経を再刺激し、明らかに決して脳がこれに慣れることはないため、振動は効果を持続する。この目的のために、パルシングを制御する電子機器を、パルスを発するとともに上述したような所望のオン/オフデューティサイクルを得るために必要な手段を含むように修正する。モータは、110ボルトAC(110Hz周波数)を使用して励起される。周波数は、約100Hz〜約300Hzまで様々であってよい。プロング又はフォーク42の自由端における振動は、約0.1mm〜約0.75mmまで様々であってよい。パルス発生時のデューティサイクルは、約0.908Hz(サイクルタイム=約0.1秒のパルスオフを含めて約1.1秒)である。サイクルのオフ部分は、約0.5秒を上回るべきではない。図14には、装置の分岐した端部を斜視図で図示して外形を示している。基本的に、オーバーモールドされた先端部は、真っ直ぐに延びた102後で、組織の注射領域上を照らす光よりも明るい光を得るために、分岐プロング42において下方へ湾曲する(104)。この装置の振幅が強められて、接触する組織を打つことにより、振動刺激が歯科患者の口腔粘膜内へより深く浸透するようになり、この結果、組織内の深部にある神経受容体、A−ベータ神経受容体が刺激されるようになる。また、振動は、主に先端部から離れた3箇所、すなわちフォーク42の各自由端から、及びパドル又は開創器部分(時には、唇、頬、又は骨に接して置かれている場合にはこれを刺激する、フォーク又はプロングの先端部と、先端スリーブ62との接合部との間の領域)から、先端部40を中心とした360度全部へ送出される。強められた振動は、2つのフォーク状プロング42間のみに限定されるわけではない。別の先端部の自由端形状を図29a〜図29mに示す。図29aには湾曲したフォークを示し、図29bには湾曲したループを示し、図29cには湾曲した平坦なU字形を示し、図29dには湾曲した平坦な円形形状を示し、図29eには湾曲したループを示し、図29fにはV溝を有する湾曲した平面を示し、図29gには湾曲した平坦なプレートを示し、図29hには湾曲した上向きのプレートを示し、図29iには湾曲した平坦なハート形を示し、図29jには湾曲した平坦な円形プレートを示し、図29kには上部溝を有する下向きの部材を示し、図29lには末端球状部を備えた下向きのロッドを示し、図29mには湾曲した上向きの円形ループを示している。
【0021】
図15には、使用の合間に装置又は器具を保管するための簡素な台を示している。電池カバー14の後端には、リブ110が設けられる。リブ110と嵌合するために下向きに延びる、方向付けのための凹部120を有するスタンド114内の窪み112に装置の後端を挿入する。スタンド114は、装置又は器具10の前部を収容して保持するための湾曲したクレードル118で終端する垂直支持体116を有する。このスタンドは、電源に接続して装置10内の電池を当業で周知の方法で誘導を通じて充電するための手段を備える。
【0022】
図18、図19、及び図20には、装置又は器具10の構造及び機能の詳細を示している。図18には、シャーシ22に装着されたモータ24を示しており、モータシャフトがカム26に接続されてこれを駆動する。光ロッド30に固定された装着用固定部材70を、ボールエンド100がカム26内に収容された状態の突出スタブとともに示している。光ロッド30を、この光ロッド30の軸を横方向に変位させて、光ロッドの端部がLED36と一直線になるようにする湾曲部72とともに示している。前方へ延びる電気的連動装置も示している。シャーシ22及びこのシャーシ上に配置されたPCBの隣りには、スイッチ46を含むボタン48を示している。ネジ又はボルト130を示しており、これらは鼻部34をシャーシ22に接続する。図19には、図18に示す組立体をハンドル12に挿入する詳細、及び光ロッド30の端部と隣り合う関係にある分岐部材42を加えている。図20は、上述の関係をさらに詳細に示す分解図である。装着用固定具70は、ボールエンド100を有する突出スタブを捕えて好ましくはこれを回転自在に保持する環状部材140で構成される。部材140は、これをロッド30に締め付けるバンド142により光ロッド30の端部に保持される。
【0023】
ハンドル12内には、ハンドル内のミシン目後方に存在するスピーカを通じて再生する録音を詰め込んだ音楽レコーダ/プレーヤを収容することもできる。レコーダ/プレーヤのスイッチをオン/オフするように好適に接続されたスイッチを設けることもできる。
【0024】
親出願に示すように、注射を行っている間に子供の気を紛らわせるために、装置又は器具10を、子供の相手をするのに有用な方法で玩具160と組み合わせることもできる。子供の場合、使い捨て先端部は適当な大きさにされ、振動も適当に低減される。例えば、玩具160は、内側が空洞で後部が開いた親指サイズの動物などの指人形である。玩具は、装置又は器具10の後端に装着される。処置が終了すると、玩具160を取り外して、この玩具を子供に与えることができる。開創器バイブレータを着脱可能に収容するように修正できる限り、又は修正されている限り、人形、消防車などのあらゆる好適な玩具をこの目的に使用することができる。
【0025】
単回使用又は使い捨ての先端部(新規の物品)の好ましい実施形態を図21〜図22及び図24〜図28に示す。図示のように、全体を200で示す物品(単回使用先端部)は、ポリカーボネートで構成された細長い先端スリーブ202と、透明ポリカーボネートで構成された細長いフォーク状先端部材204と、ゴム又は熱可塑性エストラマで構成されたオーバーモールド206とで構成される。単回使用先端部200は、鼻部34上に装着される先端スリーブ202により、器具の光導体30が延びる鼻部34に装着され、先端スリーブ202の後端210は、スロット98と接触する円周方向に延びる弓形リブ96(図12を参照)から成るバヨネット継手、及び上記関連説明によって鼻部34に着脱可能に取り付けられる。先端スリーブは、先端スリーブの端部と器具の表面との間に狭い間隙201を残すように鼻部34上に装着される(図21を参照)。先端スリーブ202は後端にフランジ205を有し、リブ203により補強される。先端スリーブ202の内面には、鼻部34上の斜面82と共働して連動装置43を閉じる、長手方向に延びる壊れやすいリブ86が設けられる(図12、図16、図17、及び上記関連説明を参照)。フォーク状先端部材204は、側壁222と、外側に丸みを帯びてレンズ214を形成する底壁224とを有する透明カップ212で構成される。カップ212の側壁は、一対のプロング216と一体形成される。プロング216は、前方下向きに離間して延び、自由端218で終端する。先端スリーブ202の長手方向軸に対するプロングの長手方向軸の角度は約55度である。2つのプロング216間の自由端218近くの空間220が、予め選択した注射部位を定める。光導体30の端部から生じる光が、レンズ214によって大まかに注射部位に向けられる。カップ212の側壁222の内側は、光導体30の端部にぴったり係合するように先細になっている。器具内に装着されたモータにより器具の偏心カム26(図18〜図20及び上記関連説明を参照)を介して駆動される光導体30は、リブ232と、光導体30が自由に振動できるようにする鼻部34の前端とによって拘束されたOリング230により鼻部34内の前端近くに保持される。Oリング220は、鼻部34の端部の内面に形成されたD形の溝に押し込むことができる。オーバーモールド206は、好ましくは約40Aであるが約30A〜約50Aまで様々であってよいデュロメータを有するゴム又は熱可塑性エラストマである。オーバーモールド206は、プロング216の自由端218から先端スリーブ202の前端240まで及びこれを越えて延び、オーバーモールドの一部206aが先端スリーブ202の端部を覆う。先端スリーブ202の前端240の外面上には溝が付けられて、強固な把持面として機能する交互になった周囲溝242及びリブ244を提供する。オーバーモールドの一部206aが、これらの溝及びリブを覆って埋める。先端スリーブ202は、フォーク状先端部材204からわずかに離間し、これらの間の環状空間がオーバーモールドの一部206bで満たされる。この間隔により、部材204がスリーブ202から隔離されて、フォーク状先端部材204がスリーブ202に対して自由に振動できるようになる。オーバーモールド206は、カップ212のレンズ214を除き、フォーク状又はプロング状の先端部材204の外面を覆う。プロング216の表面全体が、オーバーモールド206によって覆われる。オーバーモールド206の厚みは、プロング216の自由端218側の方が厚く、ここは球形状252で形成される。オーバーモールド206の、プロング216の途中の点254からカップ212までの部分は、参照数字266で示すようにプロング216の内側の幅が広くなって、皮膚又は組織の開創を支援できる面256を提供する。これらの面256の各々には、存在し得る唾液又はその他の液体の除去を支援するための長手方向に延びる溝258が設けられる。また、先端部材には、毛細血管サイズのボアを有する1又はそれ以上の穴270が設けられ、これらの穴は、使用中にこの中に唾液又はその他の体液が中に吸収及び捕捉されるように貫通穴でないことが好ましい。これにより、誰かが使用済みの先端部を再び滅菌しようとすることが防がれるようになる。
【0026】
図30には、器具の無菌状態を保護して使用中の汚染を避けるために、いかにして器具の周りにプラスチックスリーブ又はラッパーを配置できるかを示している。このプラスチックスリーブ又はラッパーには、鼻部34を覆って適合するとともに、上述したように鼻部34上に使い捨て先端部を装着できるように穴が開けられる。この目的のために、図21に示すように、使い捨て先端部の後部のフランジを器具の表面からわずかに離間させて、プラスチックのスリーブ又はラッパーを器具と先端部の間に収容するためのスロット201を提供するようにしている。
【0027】
装置又は器具を内科用途に、すなわち口腔以外のいずかの身体部分に対して使用する場合、この使い捨て先端部は、上述した歯科用途とは逆に180度上向きに湾曲し、また先端部材204の脚部216、又はその他の先端部材の形状は、図29の図面の各々に示すような、先端部材のカップと先端スリーブのリブ付き端部とを架橋して1つにまとめるオーバーモールド260を含むオーバーモールドによって覆われることはない。当業者には、上記の説明から、皮膚又は筋組織の穿刺を必要とする様々な処置に本発明を利用できることが明らかである。このような他の処置として、予防接種、患者に薬を投与するための注射などが挙げられる。このような皮膚穿刺処置は、腕、脚、臀部、胴などの、身体のあらゆる部分に対して行うことができる。
【0028】
本発明の方法は、ヒト又は動物の身体の予め選択した注射部位に近い組織を振動させると同時に、この予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射することである。振動は、注射部位の組織の円形体積及び下にある骨、特に注射部位の両側に伝達される場合に最も効果的となる。また、この振動に気を紛らわせる雑音が伴うように、器具の本体内に雑音発生器を装着することが好ましい。この方法の最も好ましい実施形態では、パルス振動シーケンスを使用する。約1秒間オンした後に約1/10秒間オフするパルスシーケンスが、先端部の振動を決してゼロまで低下させることなく振動を十分にパルス化した。このように、装置又は器具は毎秒パルスを発して領域内の神経を再刺激し、明らかに決して脳がこれに慣れることはないため、振動は効果を持続する。先端部は振動するとともに自由端を有し、この自由端が、組織及び下にある骨内に振動を引き起こす形状を特徴とすることにより、自由端をヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くに配置して、注射を行っている間、前記予め選択した注射部位の組織及び下にある骨を振動させることができる。この振動は、注射が完了した後も継続して組織をマッサージし、注射された液体を組織内に消散させ、痛みの元となる組織の膨張及び組織の腫れを防ぐ。注射をする人間が、後でより大きな圧力で組織を振動させて、より良好なマッサージを行うことが好ましい。後からの振動は、加わる圧力が組織の下の骨を共鳴させるほど十分な場合に最も効果的となる。当業の通常の技術を有する歯科医師であれば、歯茎などの組織にいつ圧力を加えているか、及び器具がいつ効果的に接触して下にある骨に良好に触れ、又これに当たっているかを感知することができる。このような骨との接触を感知したら、少なくとも1秒〜最大約3秒間、又は組織の膨張がもはや全く観察されなくなるまで圧力を維持する。
【0029】
本明細書では、最も実用的かつ好ましい実施形態であると思われるものの形で本発明を示し説明したが、添付の特許請求の範囲に記載する本発明の意図する範囲から逸脱することなく、本発明からの逸脱、修正、適合、及び変形を行うことができると認識されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内科処置及び歯科処置で使用する方法、物品、及び装置の改善に関し、具体的には、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射によって投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化するための方法、開創器バイブレータの形の装置、及び使い捨て先端部の形の物品の改善に関する。本出願、及び本明細書に記載する発明は、2007年3月19日に出願された同時係属中米国特許出願第11/575,564号の一部継続である2009年11月29日に出願された国際出願第PCT/US09/66033号の一部継続であり、これらの両出願はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
上記出願に記載されるように、従来技術では、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に有効な液体などの液体を注射する際の痛みを軽減するための通常の処置は、(a)注射部位における患者の皮膚又は筋組織に非常に冷たい物質を押し当てること、(b)注射部位における皮膚又は筋組織に、皮膚又は筋組織を一時的に麻痺させる局所療法を施すこと、(c)注射を行いながら、注射部位における皮膚又は組織を素早く手でマッサージすること、のいずれかである。これらの処置にはある程度の効果はあるが、いずれも面倒であり、完了するのにある程度の時間を要し、又は効果が限定的であり、痛みを納得のいくレベルまで軽減するものではない。上述の出願に記載された発明では、特に歯科に関する皮膚穿刺処置中の痛みを軽減するための独特な新規の装置及び方法が提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一般的な目的は、上述の出願に記載された、特に開創器バイブレータ及び単回使用又は使い捨ての先端部に関する発明を改善することである。本明細書で説明し特許請求する改善を使用することにより、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に効果のある液体を注射する際のさらなる不利点が克服される。詳細には、本発明の目的は、上述した装置、物品、及び方法に、内科的、獣医学的、又は歯科的処置中に容易かつ安価に利用できる改善を行って、注射により患者の皮膚又は筋組織が穿刺される際に伴う痛みをほぼ完全に又は実質的に除去できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的に合わせ、本発明は、麻酔薬、血清、ビタミン、ワクチン、又はその他の内科的又は歯科的に効果のある液体などの液体を、注射部位の皮膚又は組織内に、より効果的かつ衛生的な方法で針で注射するのと同時に、注射部位の直ぐ近くの皮膚領域又は組織領域、好ましくは少なくとも2つの皮膚領域又は組織領域、或いは円形の皮膚領域又は組織領域を振動させるための改善された方法と、使い捨て先端部の形の改善された物品と、開創器バイブレータという好ましい形の改善されたハンドヘルド装置とを含む。歯科医師の関心領域が口腔粘膜全域及び下にある骨であるのに対し、内科医師の関心領域は全身及び下にある骨である。このような通常の注射処置として、歯科処置中に患者の歯茎又はその他の組織にリドカインを注射することが考えられる。
【0005】
従って、本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射により投与する間の痛みを最小化するための改善された器具を提供することであり、この器具は、本体と、再使用できないように本体に独自の方法で装着された着脱式先端部(新規の物品)の片持ち構造と、起動時に先端部を独自の新規な態様で振動させる、本体内に装着された振動ユニットとを含む。先端部は振動するとともに自由端を有し、この自由端が、間に空間を定める2つの離間した突起部を形成する分岐部を特徴とすることにより、この離間した突起部をヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くに配置し、注射を行っている間に前記予め選択した注射部位の組織を振動させ、その後振動を継続して組織をマッサージし、注射された液体を組織内に消散させて組織の膨張及び組織の腫れを防ぐことができる。注射をする人間が、後でより大きな圧力で組織を振動させて、より良好なマッサージを行うことが好ましい。後からの振動は、加わる圧力が組織の下にある骨を共鳴させるほど十分な場合に最も効果的となる。当業の通常の技術を有する歯科医師であれば、歯茎などの組織にいつ圧力を加えているか、及び器具がいつ歯茎に良好に接触し、又は下にある骨に効果的に当たっているかを感知することができる。骨との接触を感知したら、圧力を1秒〜30秒間維持する。注射部位の領域は、器具により独自の方法で照らされる。また、約1秒間オンにして約1/10秒間オフにするような好ましいデューティサイクルに基づいて振動をパルス化することにより、改善された性能が得られる。
【0006】
さらなる改善として、単回使用又は使い捨ての先端部の形の物品を、バヨネット式などの着脱可能接続によって器具の前方部に装着するための、ポリカーボネートなどの硬質プラスチックで構成された先端スリーブと、やはり硬質プラスチックで構成されたフォーク状先端部材とで構成し、これらの部品を、予め選択したデュロメータを有するゴム又は熱可塑性エラストマのオーバーモールドにより、わずかに離間した関係で1つにまとめる。フォーク状先端部材は、器具の前面から突出する振動する光導体に装着された基部内にカップを形成する。カップの端部に形成されたレンズが、光導体からの光で注射部位を照らす。フォーク状先端部材のプロング(突起)が前方へ延び、約55度の角度で下方に曲がる。Oリングが、光導体を器具の前部中心に保持するとともに、光導体が自由に振動できるようにする。
【0007】
本発明のさらなる目的として、上記のような改善された器具を、着脱式先端部が開創器として機能する表面を含み、振動ユニットをオン/オフ制御するための制御スイッチを本体上に提供できるように構成する。また、先端部は、この改善された器具と共働する要素を含むことができ、この要素は、改善された器具上に配置された場合、スイッチを作動させ又は改善された器具に接触してこれをオンにし、先端部が除去された場合、この除去行為によって要素が破砕し折り取られて、先端部の再使用が不可能となる。従来の器具のように、この改善された器具は、本体内にスピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤを含むことができる。さらに、本体は、振動ユニットを駆動するための電源としての充電式電池を含むことができる。さらに、本体上には、視認性をより良くするために、離間した突起部間に定められる空間へ向けられて、注射する領域を照らす光源が備えられる。
【0008】
また、本発明の別の目的は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くの組織を、振動を新鮮かつ効果的に維持する独自の方法で振動させると同時に、この予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射するステップと、その後、注射部位をマッサージし、注射された液体を消散させてこれを周辺組織に分散させるように印加されるより大きな圧力で振動を継続するステップとを含む方法を含む。上述したように、この振動は、組織の下の骨を共鳴させながら行うことが好ましい。
【0009】
本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具により達成され、この器具は、前端を有する本体と、前記本体に振動するように自由に装着されて前記前端から突出する光伝達ロッド又は光導体と、前記本体の前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の予め選択した注射部位を定める、光導体に着脱自在に装着された前方分岐部を有するプロング(突起)状先端部材で構成された先端部と、本体内に装着され前記光伝達ロッドに結合されて、起動時に前記光伝達ロッドを介して前記プロング状先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットとを含み、前記先端スリーブ及びプロング状先端部材は、弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられるとともに、前記光伝達ロッドからの光が注射部位を照明できるようにする。この器具は、約1秒間オンして約1/10秒間オフすることができるオン−オフデューティサイクルに関して振動ユニットを制御する手段を含むことができる。プロング状先端部材は、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含むことができる。先端スリーブ及び本体は、前記先端部の再使用を防ぐために互いに被覆し合う部材を含むことができる。本体内には、スピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤを含めることができる。光伝達ロッドは、ポリカーボネートで構成されることが好ましく、自由に振動するためにOリングによって前端に保持される。
【0010】
本発明の目的は、麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具を提供することによりさらに達成され、この器具は、前端を有する本体と、前記体内に装着されて前記前端へ延びる光ロッドと、前記本体の前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の予め選択した注射部位を囲む空間を定める前方分岐部を有する、光ロッド上に着脱自在に装着されたプロング状先端部材で構成された単回使用使い捨て先端部と、本体内に装着され前記光ロッドに結合されて、起動時に前記光ロッドを介して前記プロング状先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットとを含み、前記先端スリーブ及びプロング状先端部材は、弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられるとともに、前記光ロッドからの光が注射部位を照明できるようにし、前記先端部及び本体は、先端部が前記本体上に配置されると、先端部を除去することにより前記先端部の再使用が自動的に防がれるように互いに共働する要素を有する。器具は、振動ユニットをオン−オフデューティサイクルに関して制御する手段を含むことができ、この手段は、1デューティサイクルを約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフにするように設定されることが好ましい。プロング状先端部材は、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含むことができる。
【0011】
方法に関する本発明の目的は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くの、これに隣接する、及びこれを囲む組織を振動させると同時に注射部位を照明して、予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射するステップを含むことができ、振動はパルス化される。このパルシングは、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフであることが好ましい。
【0012】
物品に関する本発明の目的は、振動ユニットと、この振動ユニットにより振動される光導体(光を伝達する透明又は半透明のロッド)とを含む器具とともに使用するための単回使用使い捨て先端部を提供することを含み、光導体は器具の前端から突出し、先端部は、器具の前端に着脱自在に装着するための先端スリーブと、突出する光導体に着脱自在に装着するためのプロング状先端部材とを含む。プロング状先端部材は、ヒト又は動物の予め選択した注射部位を定める前方分岐部を有する。先端スリーブ及びプロング状先端部材は、プロング状先端部材が先端スリーブに対して自由に振動できるとともに光導体からの光が注射部位を照明できるようにする弾性オーバーモールドに覆われて1つにまとめられる。単回使用使い捨て先端部、すなわち先端スリーブ及びプロング状先端部材は間隔を置いて配置され、これらの間の環状空間がオーバーモールドで満たされる。プロング状先端部材は、カップと、一体形成された長手方向に延びるプロングの対とを含み、プロングのオーバーモールドは、幅広部分を有して少なくとも1つの開創面を提供する。オーバーモールドの幅広部分には、少なくとも1つの長手方向溝を形成することができる。また、プロングの端部のオーバーモールドは球状であることが好ましい。先端スリーブの前端は、交互になった溝及びリブを形成し、オーバーモールドがこの溝を満たしてリブを覆うことが好ましい。
【0013】
上述した本発明の特徴及び目的を、同じ参照数字が同じ要素を示す添付図面に照らして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の装置の実施形態を示す分解図である。
【図2】LED及び電気的連動スイッチの詳細斜視図である。
【図3】器具の端部における着脱式又は使い捨て先端部の斜視図である。
【図4】着脱式先端部及び器具の端部の斜視図である。
【図5】器具の端部における着脱式先端部に関する光伝達ロッドの斜視図である。
【図6】器具の端部の斜視図である。
【図7】器具の端部を回転させた斜視図である。
【図8】器具の鼻部の斜視図である。
【図9】器具の上面斜視図である。
【図10】電池カバーを取り外した器具を示す部分的分解斜視図である。
【図11】使い捨て又は着脱式先端部における溝の斜視図である。
【図12】器具の鼻部から取り外した先端部を示す部分的分解斜視図である。
【図13】鼻部の後端の斜視図である。
【図14】着脱式先端部の斜視図である。
【図15】不使用時及び再充電時の器具の装着部の部分的分解斜視図である。
【図16】器具のハンドル及び鼻部の斜視図である。
【図17】後方から見た使い捨て先端部の斜視図である。
【図18】モータマウント及び光ロッドとの結合部を示す部分斜視図である。
【図19】ハンドル、モータ、及び光ロッドへの結合部、及び光ポートを図解した先端部の部分的分解斜視図である。
【図20】光ロッドの内端における結合部材の詳細を示す分解斜視図である。
【図21】内科的処置及び歯科的処置の方法で使用するための開創器バイブレータの形の器具及び単回使用又は使い捨て先端部の形の物品の、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射により投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化することに貢献する改善を示す本発明の好ましい実施形態の詳細の断面図である。
【図22】内科的処置及び歯科的処置の方法で使用するための開創器バイブレータの形の器具及び単回使用又は使い捨て先端部の形の物品の、特に麻酔薬などの液体を患者の歯茎、皮膚、又はその他の組織に注射により投与することなどの、組織又は皮膚の穿刺処置中の痛みを軽減又は最小化することに貢献する改善を示す本発明の好ましい実施形態の詳細の斜視図である。
【図23】振動を引き起こすための電気モータに取り付けるカムの斜視図である。
【図24】振動する先端部材の斜視図である。
【図25】振動する先端部材の斜視図である。
【図26】振動する先端部材の側面図である。
【図27】先端スリーブの側面図である。
【図28】先端スリーブの側面図である。
【図29a】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29b】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29c】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29d】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29e】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29f】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29g】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29h】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29i】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29j】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29k】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29l】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図29m】図24〜図26に示す先端部材の異なる先端形状を示す斜視図である。
【図30】器具に装着して、歯科医又は内科医が器具の無菌性に影響を与えずに器具を使用できるようにするためのプラスチックラッパーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、以下で説明するような本発明の機能を実施するための、全体を10で示す改善された開創器バイブレータの実施形態を示している。詳細には、開創器バイブレータ10は、管状の本体又はハンドル12を含むハンドヘルド装置であり、ハンドル12の開放端上に相補的嵌合でネジ取り付けするようにネジ山を付けられた端部クロージャとしての電池カバー14を有する。ハンドル12は硬質プラスチックで構成されてシャーシ22を部分的に受け入れ、シャーシ22のハンドル12で覆われない部分は電池カバー14で覆われる。シャーシ22の電池室16内には、図1に示していない充電式電池が存在する。シャーシ22の端部には誘導コイル18が装着され、これが電池カバー14内に位置して、従来の方法で電荷素子に結合する。ハンドル12内には、カム26を駆動するモータ24が収容される。カム26は(ボールソケット26aの形の)ボア(穴)(図23参照)を含み、このボアの軸は、モータ駆動軸から約0.010インチ〜約0.025インチオフセットされ、約0.020インチのオフセットが好ましい。カム26及び従動子100により引き起こされる振動は、ポリカーボネートの光ロッド30を介してポリカーボネートの先端フレーム50に伝達され、先端フレーム50の2本の分岐した脚部42の自由端において約0.5mm(約0.020インチ)の振幅の振動を生じるようになる。振動中、光ロッド30は、光ロッド30を鼻部34に対して保持する鼻部34の端部における弾性装着部(ゴムのOリング)を中心に枢動して自由に振動できるようになる。シャーシ22上には、電気回路及び電子回路28を含むPCBボード20が装着される。この回路28を介して電池が接続され、引用により本明細書に組み入れられる2007年3月19日に出願された本発明者の同時係属中特許出願第11/575,564号に記載される方法でモータ24を制御する。モータ24が駆動されると、カム26によって生じた振動が、結合固定具及びカム従動子を介してポリカーボネートの光ロッド30に連結される。
【0016】
ハンドル12の前端には、シャーシ及びハンドルに固定されたアダプタ32が存在する。アダプタ32には鼻部34が固定される。鼻部34内には光ロッド30が収容され、その前端において鼻部34に弾性的に結合される。鼻部34は、3つの構成要素、すなわち光ロッド30の端部に着脱可能かつ強固に装着されて振動を伝達する、前端が分岐した前方振動式先端部50と、鼻部34上に着脱可能にかつ強固に装着された先端スリーブ62と、先端部50とスリーブ62を一体に保持し、先端部50がスリーブ62に対して自由に振動できるようにするオーバーモールド52とで構成される使い捨て先端部40を収容する。図2に示すように、PCB20にはLED36が装着される。また、PCB20から前方へは、前方に延びるとともに間に狭い空間を残すように通常は間隔を開けて付勢される2つのバネ電極45で構成された電気的連動装置43が突出する。この2つの電極45がくっつくと、モータ24を駆動する電気回路が完成する。電気回路内には、ユニットの全体的な電力を制御する、ハンドル12内に弾性的に埋め込まれたボタン48(図9を参照)を組み込んだ主幹スイッチ46も存在する。
【0017】
図3、図4、及び図5に、鼻部34に装着される使い捨て先端部40の様々な詳細を示す。図示のように、使い捨て先端部40の前端は、プラスチック52をオーバーモールドしたフレーム50であり、この部分は、注射部位を取り囲む組織に隣接するようになるので、弾性加工又はソフト加工されることが好ましい。この部分は、単純に完全にプラスチックで成形することができる。分岐部の2本の脚部42の間には、フレームの分岐部の基部58との接合部に存在する穴56から生じてレンズ60で終端する片持ちチューブ54が存在する。このチューブは、図24〜図28に示すように省くこともできる。オーバーモールド52は、先端フレーム50を、リブ66で強化されたフランジ64を含む後端で終端する環状体62(先端スリーブ)で構成された先端部40の残り部分に保持する。オーバーモールドは、フレーム50がスリーブ62に対して自由に振動できるようにする。光ロッド30の前端は、光ロッド30を鼻部34内の中心に置くために、溝68に受け入れられるウェッジ35により保持されたOリングとともに鼻部34に嵌め込まれ、光ロッド30は鼻部34の前端から突出し、光ロッド30からの振動を先端フレーム50に与えるために、オーバーモールドされた分岐部(先端フレーム50)の後端にぴったりと係合して収容される。光ロッド30は穴56と一直線になり、穴56を通じて、及び任意にチューブ54を通じてレンズ60を介して注射部位の上に光を伝達する。図5には、光チューブ30がその前端近くに(弾性ガスケット、Oリングを受け入れるための)円周溝68を有し、他端に結合固定部材70を有することを示している。光チューブ30は、その後方へ向けて、軸がLED36と一直線になるようにこの軸を横方向にオフセットする湾曲部72を有する。図4に示すように、分岐部のオーバーモールド52は、口腔内で使用する場合に唾液を集めるための水平溝74を有する。同様に、図3では、分岐部が、同じ目的で下方へ延びる溝又は窓枠を有することができる。唾液の除去は困難であり、このことが先端部の再使用を防ぐ役に立つ。
【0018】
図6、図7、図8、及び図12に、使い捨て先端部40の2回目の使用を積極的に防ぐための1つの方法を示す。この点に関しては、図16及び図17も参照されたい。電気的連動装置43が、狭い空間を挟んで上下に位置する2つの電極45とともに、鼻部34の切り欠き80において表面上に引き出される。切り欠き領域80近くには斜面82が形成され、斜面82と切り欠き80の間の移行部は垂直な(90度)平面84となる。使い捨て先端部40のスリーブ62は、その内面に斜面82、連動装置43、及び平面84と共働する以下のような壊れやすいリブ86を備える。使い捨て先端部40は、これを鼻部に被せて、固定し、1/4回転させることによって鼻部に取り付けられる。これらの2つの部品の向き及び配置は、リブが斜面82の上に乗り、平面84を超えて電気的連動装置43上に落ち、2つの電極45を一体化させて器具の振動を呼び起こすようにされる。先端部40を取り外す場合には、先端部を逆方向に1/4回転させるが、この間、先端部が鼻部34から外れるのに必要な1/4回転を完了しようとし続けているときに、壊れやすいリブ86が垂直な表面84にぶつかって折り取られる。従って、先端部40を取り外した後には、先端部40を鼻部34上に再び配置して電気的連動装置を機能させることはもはやできなくなる。図8には、鼻部34の後端が、シャーシ22及びハンドル12への取り付けを可能にする開口部92を含むフランジ90を有することも示している。図6に示すように、鼻部34のフランジは止め輪88に覆われる。
【0019】
図9には、ハンドル12の弾性的に埋め込んだボタン48の下に組み込まれる主幹スイッチ46を組み立てた装置又は器具を示している。図10には、取り外した電池カバー14及び露出した電池室16を示している。電池室はシャーシ22の一部である。図11は図10に類似しているが、装置又は器具の前端を図示して、使い捨て先端部40の光ロッド30及び鼻部34に対する関係を示している。鼻部34上には、円周方向の正反対のリブ96及び溝98が形成され、これらが先端部40の内面にある相補的な円周方向の溝98及びリブ96(図12参照)と共働して、先端部を鼻部に差し込み嵌めで係止する。
【0020】
図13には鼻部34の後端を示しており、ここから、固定部材70が光ロッド30の端部に取り付けられ、カム26の振動を光ロッド30に与えるようにカム26(詳細は図23参照)に接触するとともにこれに追従するカム従動子としてのボールエンド100を有する突出スタブを保持する。上述したように、光ロッド30の底部はLED36と位置合わせされる。連続パルスを使用してもよいが、パルス振動シーケンスの方がより効果的であることが判明している。約1秒間オンした後に約1/10秒間オフするパルスシーケンスが、先端部の振動を決してゼロまで低下させることなく振動を十分にパルス化する。このように、装置又は器具はほぼ毎秒パルスを発して領域内の神経を再刺激し、明らかに決して脳がこれに慣れることはないため、振動は効果を持続する。この目的のために、パルシングを制御する電子機器を、パルスを発するとともに上述したような所望のオン/オフデューティサイクルを得るために必要な手段を含むように修正する。モータは、110ボルトAC(110Hz周波数)を使用して励起される。周波数は、約100Hz〜約300Hzまで様々であってよい。プロング又はフォーク42の自由端における振動は、約0.1mm〜約0.75mmまで様々であってよい。パルス発生時のデューティサイクルは、約0.908Hz(サイクルタイム=約0.1秒のパルスオフを含めて約1.1秒)である。サイクルのオフ部分は、約0.5秒を上回るべきではない。図14には、装置の分岐した端部を斜視図で図示して外形を示している。基本的に、オーバーモールドされた先端部は、真っ直ぐに延びた102後で、組織の注射領域上を照らす光よりも明るい光を得るために、分岐プロング42において下方へ湾曲する(104)。この装置の振幅が強められて、接触する組織を打つことにより、振動刺激が歯科患者の口腔粘膜内へより深く浸透するようになり、この結果、組織内の深部にある神経受容体、A−ベータ神経受容体が刺激されるようになる。また、振動は、主に先端部から離れた3箇所、すなわちフォーク42の各自由端から、及びパドル又は開創器部分(時には、唇、頬、又は骨に接して置かれている場合にはこれを刺激する、フォーク又はプロングの先端部と、先端スリーブ62との接合部との間の領域)から、先端部40を中心とした360度全部へ送出される。強められた振動は、2つのフォーク状プロング42間のみに限定されるわけではない。別の先端部の自由端形状を図29a〜図29mに示す。図29aには湾曲したフォークを示し、図29bには湾曲したループを示し、図29cには湾曲した平坦なU字形を示し、図29dには湾曲した平坦な円形形状を示し、図29eには湾曲したループを示し、図29fにはV溝を有する湾曲した平面を示し、図29gには湾曲した平坦なプレートを示し、図29hには湾曲した上向きのプレートを示し、図29iには湾曲した平坦なハート形を示し、図29jには湾曲した平坦な円形プレートを示し、図29kには上部溝を有する下向きの部材を示し、図29lには末端球状部を備えた下向きのロッドを示し、図29mには湾曲した上向きの円形ループを示している。
【0021】
図15には、使用の合間に装置又は器具を保管するための簡素な台を示している。電池カバー14の後端には、リブ110が設けられる。リブ110と嵌合するために下向きに延びる、方向付けのための凹部120を有するスタンド114内の窪み112に装置の後端を挿入する。スタンド114は、装置又は器具10の前部を収容して保持するための湾曲したクレードル118で終端する垂直支持体116を有する。このスタンドは、電源に接続して装置10内の電池を当業で周知の方法で誘導を通じて充電するための手段を備える。
【0022】
図18、図19、及び図20には、装置又は器具10の構造及び機能の詳細を示している。図18には、シャーシ22に装着されたモータ24を示しており、モータシャフトがカム26に接続されてこれを駆動する。光ロッド30に固定された装着用固定部材70を、ボールエンド100がカム26内に収容された状態の突出スタブとともに示している。光ロッド30を、この光ロッド30の軸を横方向に変位させて、光ロッドの端部がLED36と一直線になるようにする湾曲部72とともに示している。前方へ延びる電気的連動装置も示している。シャーシ22及びこのシャーシ上に配置されたPCBの隣りには、スイッチ46を含むボタン48を示している。ネジ又はボルト130を示しており、これらは鼻部34をシャーシ22に接続する。図19には、図18に示す組立体をハンドル12に挿入する詳細、及び光ロッド30の端部と隣り合う関係にある分岐部材42を加えている。図20は、上述の関係をさらに詳細に示す分解図である。装着用固定具70は、ボールエンド100を有する突出スタブを捕えて好ましくはこれを回転自在に保持する環状部材140で構成される。部材140は、これをロッド30に締め付けるバンド142により光ロッド30の端部に保持される。
【0023】
ハンドル12内には、ハンドル内のミシン目後方に存在するスピーカを通じて再生する録音を詰め込んだ音楽レコーダ/プレーヤを収容することもできる。レコーダ/プレーヤのスイッチをオン/オフするように好適に接続されたスイッチを設けることもできる。
【0024】
親出願に示すように、注射を行っている間に子供の気を紛らわせるために、装置又は器具10を、子供の相手をするのに有用な方法で玩具160と組み合わせることもできる。子供の場合、使い捨て先端部は適当な大きさにされ、振動も適当に低減される。例えば、玩具160は、内側が空洞で後部が開いた親指サイズの動物などの指人形である。玩具は、装置又は器具10の後端に装着される。処置が終了すると、玩具160を取り外して、この玩具を子供に与えることができる。開創器バイブレータを着脱可能に収容するように修正できる限り、又は修正されている限り、人形、消防車などのあらゆる好適な玩具をこの目的に使用することができる。
【0025】
単回使用又は使い捨ての先端部(新規の物品)の好ましい実施形態を図21〜図22及び図24〜図28に示す。図示のように、全体を200で示す物品(単回使用先端部)は、ポリカーボネートで構成された細長い先端スリーブ202と、透明ポリカーボネートで構成された細長いフォーク状先端部材204と、ゴム又は熱可塑性エストラマで構成されたオーバーモールド206とで構成される。単回使用先端部200は、鼻部34上に装着される先端スリーブ202により、器具の光導体30が延びる鼻部34に装着され、先端スリーブ202の後端210は、スロット98と接触する円周方向に延びる弓形リブ96(図12を参照)から成るバヨネット継手、及び上記関連説明によって鼻部34に着脱可能に取り付けられる。先端スリーブは、先端スリーブの端部と器具の表面との間に狭い間隙201を残すように鼻部34上に装着される(図21を参照)。先端スリーブ202は後端にフランジ205を有し、リブ203により補強される。先端スリーブ202の内面には、鼻部34上の斜面82と共働して連動装置43を閉じる、長手方向に延びる壊れやすいリブ86が設けられる(図12、図16、図17、及び上記関連説明を参照)。フォーク状先端部材204は、側壁222と、外側に丸みを帯びてレンズ214を形成する底壁224とを有する透明カップ212で構成される。カップ212の側壁は、一対のプロング216と一体形成される。プロング216は、前方下向きに離間して延び、自由端218で終端する。先端スリーブ202の長手方向軸に対するプロングの長手方向軸の角度は約55度である。2つのプロング216間の自由端218近くの空間220が、予め選択した注射部位を定める。光導体30の端部から生じる光が、レンズ214によって大まかに注射部位に向けられる。カップ212の側壁222の内側は、光導体30の端部にぴったり係合するように先細になっている。器具内に装着されたモータにより器具の偏心カム26(図18〜図20及び上記関連説明を参照)を介して駆動される光導体30は、リブ232と、光導体30が自由に振動できるようにする鼻部34の前端とによって拘束されたOリング230により鼻部34内の前端近くに保持される。Oリング220は、鼻部34の端部の内面に形成されたD形の溝に押し込むことができる。オーバーモールド206は、好ましくは約40Aであるが約30A〜約50Aまで様々であってよいデュロメータを有するゴム又は熱可塑性エラストマである。オーバーモールド206は、プロング216の自由端218から先端スリーブ202の前端240まで及びこれを越えて延び、オーバーモールドの一部206aが先端スリーブ202の端部を覆う。先端スリーブ202の前端240の外面上には溝が付けられて、強固な把持面として機能する交互になった周囲溝242及びリブ244を提供する。オーバーモールドの一部206aが、これらの溝及びリブを覆って埋める。先端スリーブ202は、フォーク状先端部材204からわずかに離間し、これらの間の環状空間がオーバーモールドの一部206bで満たされる。この間隔により、部材204がスリーブ202から隔離されて、フォーク状先端部材204がスリーブ202に対して自由に振動できるようになる。オーバーモールド206は、カップ212のレンズ214を除き、フォーク状又はプロング状の先端部材204の外面を覆う。プロング216の表面全体が、オーバーモールド206によって覆われる。オーバーモールド206の厚みは、プロング216の自由端218側の方が厚く、ここは球形状252で形成される。オーバーモールド206の、プロング216の途中の点254からカップ212までの部分は、参照数字266で示すようにプロング216の内側の幅が広くなって、皮膚又は組織の開創を支援できる面256を提供する。これらの面256の各々には、存在し得る唾液又はその他の液体の除去を支援するための長手方向に延びる溝258が設けられる。また、先端部材には、毛細血管サイズのボアを有する1又はそれ以上の穴270が設けられ、これらの穴は、使用中にこの中に唾液又はその他の体液が中に吸収及び捕捉されるように貫通穴でないことが好ましい。これにより、誰かが使用済みの先端部を再び滅菌しようとすることが防がれるようになる。
【0026】
図30には、器具の無菌状態を保護して使用中の汚染を避けるために、いかにして器具の周りにプラスチックスリーブ又はラッパーを配置できるかを示している。このプラスチックスリーブ又はラッパーには、鼻部34を覆って適合するとともに、上述したように鼻部34上に使い捨て先端部を装着できるように穴が開けられる。この目的のために、図21に示すように、使い捨て先端部の後部のフランジを器具の表面からわずかに離間させて、プラスチックのスリーブ又はラッパーを器具と先端部の間に収容するためのスロット201を提供するようにしている。
【0027】
装置又は器具を内科用途に、すなわち口腔以外のいずかの身体部分に対して使用する場合、この使い捨て先端部は、上述した歯科用途とは逆に180度上向きに湾曲し、また先端部材204の脚部216、又はその他の先端部材の形状は、図29の図面の各々に示すような、先端部材のカップと先端スリーブのリブ付き端部とを架橋して1つにまとめるオーバーモールド260を含むオーバーモールドによって覆われることはない。当業者には、上記の説明から、皮膚又は筋組織の穿刺を必要とする様々な処置に本発明を利用できることが明らかである。このような他の処置として、予防接種、患者に薬を投与するための注射などが挙げられる。このような皮膚穿刺処置は、腕、脚、臀部、胴などの、身体のあらゆる部分に対して行うことができる。
【0028】
本発明の方法は、ヒト又は動物の身体の予め選択した注射部位に近い組織を振動させると同時に、この予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射することである。振動は、注射部位の組織の円形体積及び下にある骨、特に注射部位の両側に伝達される場合に最も効果的となる。また、この振動に気を紛らわせる雑音が伴うように、器具の本体内に雑音発生器を装着することが好ましい。この方法の最も好ましい実施形態では、パルス振動シーケンスを使用する。約1秒間オンした後に約1/10秒間オフするパルスシーケンスが、先端部の振動を決してゼロまで低下させることなく振動を十分にパルス化した。このように、装置又は器具は毎秒パルスを発して領域内の神経を再刺激し、明らかに決して脳がこれに慣れることはないため、振動は効果を持続する。先端部は振動するとともに自由端を有し、この自由端が、組織及び下にある骨内に振動を引き起こす形状を特徴とすることにより、自由端をヒト又は動物の予め選択した注射部位の近くに配置して、注射を行っている間、前記予め選択した注射部位の組織及び下にある骨を振動させることができる。この振動は、注射が完了した後も継続して組織をマッサージし、注射された液体を組織内に消散させ、痛みの元となる組織の膨張及び組織の腫れを防ぐ。注射をする人間が、後でより大きな圧力で組織を振動させて、より良好なマッサージを行うことが好ましい。後からの振動は、加わる圧力が組織の下の骨を共鳴させるほど十分な場合に最も効果的となる。当業の通常の技術を有する歯科医師であれば、歯茎などの組織にいつ圧力を加えているか、及び器具がいつ効果的に接触して下にある骨に良好に触れ、又これに当たっているかを感知することができる。このような骨との接触を感知したら、少なくとも1秒〜最大約3秒間、又は組織の膨張がもはや全く観察されなくなるまで圧力を維持する。
【0029】
本明細書では、最も実用的かつ好ましい実施形態であると思われるものの形で本発明を示し説明したが、添付の特許請求の範囲に記載する本発明の意図する範囲から逸脱することなく、本発明からの逸脱、修正、適合、及び変形を行うことができると認識されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具であって、
前端を有する本体と、
前記本体内に振動するように自由に装着されて前記前端から突出する光導体と、
前記本体の前記前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位を振動させるような形状を有する、前記光導体に着脱自在かつ強固に装着された先端部材で構成された先端部と、
前記本体内に装着され前記光導体に結合されて、当該光導体を介して前記先端部材に振動を与える振動ユニットと、を含み、
前記先端部が、前記先端部材及び先端スリーブを1つにまとめるための弾性オーバーモールドにより覆われる一方で、前記先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにした、器具。
【請求項2】
前記振動ユニットのオン−オフのデューティサイクルを制御するコントローラをさらに含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記デューティサイクルが、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記先端部材が、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記先端部が、当該先端部の再使用を防ぐ手段を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記手段が、前記先端部材内に少なくとも1つの穴を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記手段が、前記先端スリーブ及び本体上に、前記先端部の再使用を防ぐように互いに共働する部材を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項8】
前記本体内に、スピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤが含まれ、及び/又は前記器具上に気を紛らわせるものとして機能する玩具が装着され、及び/又は前記器具内に気を紛らわせるものとしての雑音を発生させるための雑音発生器が含まれる、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記光導体がポリカーボネートで構成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記光導体が、前記本体の前記前端にOリングによって保持されている、請求項1に記載の器具。
【請求項11】
麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具であって、
前端を有する本体と、
前記本体内に装着されて前記前端へ延びる光導体と、
前記本体の前記前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及び前記光導体に着脱自在かつ強固に取り付けられてヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位に振動を与える予め選択した形状の先端部材で構成された単回使用使い捨て先端部と、
前記本体内に装着され前記光導体に結合されて、起動時に前記光導体を介して前記先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットと、を含み、
前記先端スリーブ及び先端部材が、前記先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにするための弾性オーバーモールドにより覆われて1つにまとめられ、前記先端部が、再使用を防ぐための手段を含む、器具。
【請求項12】
前記手段が、前記先端部材における少なくとも1つの穴のうちの1つであり、前記本体及び先端スリーブが、前記先端部が前記本体上に配置されると、前記先端部を除去することにより前記先端部の再使用が自動的に防がれるように互いに共働する要素を有する、請求項11に記載の器具。
【請求項13】
前記振動ユニットのオン−オフのデューティサイクルを制御する手段をさらに含む、請求項9に記載の器具。
【請求項14】
前記デューティサイクルが、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項10に記載の器具。
【請求項15】
前記先端部材が、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含む、請求項9に記載の器具。
【請求項16】
ヒト又は動物の予め選択した注射部位の組織を振動させ、同時に前記予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射し、同時に前記振動をパルス化し、同時に前記注射部位を照明するステップを含む、方法。
【請求項17】
注射後に前記注射部位の振動を継続してあらゆる組織の膨張を消散させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記継続する振動が、組織に、より大きな圧力を印加して骨を共鳴させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パルス化が、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
振動ユニットと、この振動ユニットにより振動される光導体とを含む器具とともに使用するための単回使用使い捨て先端部であって、前記光導体が前記器具の前端から突出し、前記先端部が、前記器具の前端に着脱自在に装着するための先端スリーブと、前記突出する光導体に着脱自在かつ強固に装着するための先端部材とを含み、前記先端部材が、ヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位を振動させるための形状を有し、前記先端スリーブ及び先端部材が、当該先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにする弾性オーバーモールドにより覆われて1つにまとめられている、単回使用使い捨て先端部。
【請求項21】
前記先端スリーブ及び前記先端部材が、環状空間を形成するように間隔を空けて配置され、前記先端スリーブと前記先端部材との間の前記環状空間がオーバーモールドで満たされている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項22】
前記先端部材が、カップと、自由端を有する一体形成された長手方向に延びる前方部分とを含み、前記前方部分の前記オーバーモールドが、少なくとも1つの開創面を部分的に定めている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項23】
前記オーバーモールドが、前記前方部分の前記自由端を球状部で覆っている、請求項22に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項24】
前記オーバーモールドの幅広部分に、少なくとも1つの長手方向溝が形成されている、請求項22に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項25】
前記先端スリーブの前記前端が、交互になった溝及びリブを形成し、前記オーバーモールドが、前記溝を埋めて前記リブを覆っている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項1】
麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具であって、
前端を有する本体と、
前記本体内に振動するように自由に装着されて前記前端から突出する光導体と、
前記本体の前記前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及びヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位を振動させるような形状を有する、前記光導体に着脱自在かつ強固に装着された先端部材で構成された先端部と、
前記本体内に装着され前記光導体に結合されて、当該光導体を介して前記先端部材に振動を与える振動ユニットと、を含み、
前記先端部が、前記先端部材及び先端スリーブを1つにまとめるための弾性オーバーモールドにより覆われる一方で、前記先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにした、器具。
【請求項2】
前記振動ユニットのオン−オフのデューティサイクルを制御するコントローラをさらに含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記デューティサイクルが、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記先端部材が、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記先端部が、当該先端部の再使用を防ぐ手段を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記手段が、前記先端部材内に少なくとも1つの穴を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記手段が、前記先端スリーブ及び本体上に、前記先端部の再使用を防ぐように互いに共働する部材を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項8】
前記本体内に、スピーカを通じて音楽を再生するための音楽プレーヤが含まれ、及び/又は前記器具上に気を紛らわせるものとして機能する玩具が装着され、及び/又は前記器具内に気を紛らわせるものとしての雑音を発生させるための雑音発生器が含まれる、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記光導体がポリカーボネートで構成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記光導体が、前記本体の前記前端にOリングによって保持されている、請求項1に記載の器具。
【請求項11】
麻酔薬などの液体を注射することによる投与中の痛みを最小化するための器具であって、
前端を有する本体と、
前記本体内に装着されて前記前端へ延びる光導体と、
前記本体の前記前端に着脱自在に装着された先端スリーブ、及び前記光導体に着脱自在かつ強固に取り付けられてヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位に振動を与える予め選択した形状の先端部材で構成された単回使用使い捨て先端部と、
前記本体内に装着され前記光導体に結合されて、起動時に前記光導体を介して前記先端部材に振動を与えるようにされた振動ユニットと、を含み、
前記先端スリーブ及び先端部材が、前記先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにするための弾性オーバーモールドにより覆われて1つにまとめられ、前記先端部が、再使用を防ぐための手段を含む、器具。
【請求項12】
前記手段が、前記先端部材における少なくとも1つの穴のうちの1つであり、前記本体及び先端スリーブが、前記先端部が前記本体上に配置されると、前記先端部を除去することにより前記先端部の再使用が自動的に防がれるように互いに共働する要素を有する、請求項11に記載の器具。
【請求項13】
前記振動ユニットのオン−オフのデューティサイクルを制御する手段をさらに含む、請求項9に記載の器具。
【請求項14】
前記デューティサイクルが、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項10に記載の器具。
【請求項15】
前記先端部材が、開創器として機能する少なくとも1つの表面を含む、請求項9に記載の器具。
【請求項16】
ヒト又は動物の予め選択した注射部位の組織を振動させ、同時に前記予め選択した注射部位に針又は同様の器具により液体を注射し、同時に前記振動をパルス化し、同時に前記注射部位を照明するステップを含む、方法。
【請求項17】
注射後に前記注射部位の振動を継続してあらゆる組織の膨張を消散させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記継続する振動が、組織に、より大きな圧力を印加して骨を共鳴させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パルス化が、約1秒間のオン及び約1/10秒間のオフである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
振動ユニットと、この振動ユニットにより振動される光導体とを含む器具とともに使用するための単回使用使い捨て先端部であって、前記光導体が前記器具の前端から突出し、前記先端部が、前記器具の前端に着脱自在に装着するための先端スリーブと、前記突出する光導体に着脱自在かつ強固に装着するための先端部材とを含み、前記先端部材が、ヒト又は動物の明確な予め選択した注射部位を振動させるための形状を有し、前記先端スリーブ及び先端部材が、当該先端部材が前記先端スリーブに対して自由に振動できるとともに前記光導体からの光が前記注射部位を照明できるようにする弾性オーバーモールドにより覆われて1つにまとめられている、単回使用使い捨て先端部。
【請求項21】
前記先端スリーブ及び前記先端部材が、環状空間を形成するように間隔を空けて配置され、前記先端スリーブと前記先端部材との間の前記環状空間がオーバーモールドで満たされている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項22】
前記先端部材が、カップと、自由端を有する一体形成された長手方向に延びる前方部分とを含み、前記前方部分の前記オーバーモールドが、少なくとも1つの開創面を部分的に定めている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項23】
前記オーバーモールドが、前記前方部分の前記自由端を球状部で覆っている、請求項22に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項24】
前記オーバーモールドの幅広部分に、少なくとも1つの長手方向溝が形成されている、請求項22に記載の単回使用使い捨て先端部。
【請求項25】
前記先端スリーブの前記前端が、交互になった溝及びリブを形成し、前記オーバーモールドが、前記溝を埋めて前記リブを覆っている、請求項20に記載の単回使用使い捨て先端部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29a】
【図29b】
【図29c】
【図29d】
【図29e】
【図29f】
【図29g】
【図29h】
【図29i】
【図29j】
【図29k】
【図29l】
【図29m】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図16】
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【図20】
【図21】
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【図24】
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【図26】
【図27】
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【図29k】
【図29l】
【図29m】
【図30】
【公表番号】特表2012−521809(P2012−521809A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502291(P2012−502291)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/028858
【国際公開番号】WO2010/111611
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(511232226)ビング イノベーションズ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/028858
【国際公開番号】WO2010/111611
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(511232226)ビング イノベーションズ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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