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皮膚色素沈着の障害および状態を処置するカルシウム封鎖組成物および方法
説明

皮膚色素沈着の障害および状態を処置するカルシウム封鎖組成物および方法

本発明は、1つ以上のカルシウム封鎖剤を含む組成物、および黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化などの皮膚色素沈着障害、あるいはヒトにおける、皮膚の色などの正常な、または低色素沈着もしくは色素沈着過剰などの異常な色素沈着に関連する任意の他の皮膚状態を処置するための皮膚に対するこのような組成物の局所適用のための方法を提供する。本発明はまた、本明細書に記載の任意の組成物および/または薬学的もしくは美容的処方物の治療上有効な量を含んでいる単位剤形を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2009年1月16日に出願された米国特許出願第61/145,325号に対する優先権およびその利益を主張する。この米国特許出願は、本明細書においてその全体が参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は一般に、1つ以上のカルシウム封鎖剤を含む組成物、および皮膚色素沈着障害、例えば、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、炎症後低色素沈着、皮膚老化に起因する色素沈着変化、またはヒトにおける正常もしくは異常な皮膚色素沈着に関連する任意の他の皮膚状態を処置するための皮膚に対する局所適用のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトにおいては、皮膚の色は、メラニン形成細胞として公知の一群の細胞内で行われる複雑な一連の細胞プロセスから生じる。メラニン形成細胞は、表皮の下部に位置し、その機能は、紫外線照射の損傷的な影響からの身体の保護を補助する皮膚色素であるメラニンを合成することである。メラニンは、アミノ酸であるフェニルアラニンまたはチロシンの変換に由来する生体高分子である。
【0004】
皮膚色素メラニンが形成され、皮膚がその色を最終的に獲得する機構は、多段階のプロセスであり、以下の主要な段階を包含する:
1)能動輸送機構によって促進される、メラニン形成細胞の外からメラニン形成細胞へのアミノ酸前駆体L−チロシンおよびL−フェニルアラニンの取り込み(輸送体を介する能動輸送)
2)メラニン形成細胞における酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼによって触媒されるL−フェニルアラニンのL−チロシンへの変換(代謝回転)
3)能動輸送機構によって促進されるメラニン形成細胞に位置するメラノソーム(melanosme)への、アミノ酸前駆体L−チロシン(これはメラニン形成細胞中に取り込まれたか、またはL−フェニルアラニンの変換に由来する)の取り込み(輸送体を介する能動輸送)
4)メラノソームにおける酵素チロシナーゼによるL−ドーパへのL−チロシンの変換(代謝回転)。
【0005】
5)メラノソームにおける酵素チロシナーゼによるドーパキノンへのL−ドーパの変換(代謝回転)。
【0006】
6)メラノソームにおける種々の生化学的経路による、ユーメラニン(すなわち、濃い方のメラニン)およびフェオメラニン(すなわち、薄い方のメラニン)と呼ばれる2つの異なる種類のメラニンへのドーパキノンの変換(代謝回転)。各々のタイプのメラニンの量が、人の肌における色素沈着の色および程度を決定する。
【0007】
7)一旦メラニンが産生されれば、メラニン形成細胞樹状突起を介したメラニン形成細胞からケラチノサイト(表皮の上層で見出される)へメラニンでメラノソームの移行。
【0008】
メラニン形成および皮膚色素沈着の化学的および酵素的基礎は、かなり十分に実証されているという事実に関わらず、それらの細胞レベルおよび生化学的レベルでの調節は、部分的にしか理解されていない。例えば、チロシナーゼの活性は、α−メラニン形成細胞刺激ホルモン(α−MSH)の作用によって促進されることが周知である。α−MSHは、日光に対して皮膚が曝されている間表皮で形成されて、メラニン形成細胞上に位置する特定の細胞表面レセプター結合後に作用する。しかし、メラノソーム成熟およびケラチノサイトへのメラノソーム移行のプロセスは現在、ほとんど研究されておらず、まだ理解されていない。
【0009】
代表的には、メラニンが多く形成されるほど、皮膚はより濃い色になる(またはより褐色になる)。しかし、メラニン形成および皮膚色素沈着は、乱されるかまたは障害される場合があり、これが望ましくない色素沈着パターンをもたらし得る。色素沈着障害(すなわち、色素沈着が乱されるかまたは障害される障害)の例としては、年齢によるしみ(age spots)、肝斑,そばかす、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、炎症後低色素沈着、白斑などが挙げられる。これは、メラニン形成を阻害し、かつ皮膚色素沈着を低減する化合物を見出すための研究をもたらす。この研究の目的の1つは、チロシナーゼであり、この酵素は、メラニンの生成において最初の段階を触媒する。
【0010】
皮膚色素沈着は、長年にわたってヒトにとっての懸案事項である。詳細には、黒皮症、皮膚炎症後(すなわち、炎症後色素沈着過剰)、年齢によるしみ(age spots)、肝斑、そばかすまたは皮膚の老化一般でみられるような色素沈着過剰(すなわち、周囲のまたは隣接する正常な色素性の皮膚よりも濃い皮膚の色の領域)を除去する能力は、個人の望む均一な皮膚の色、皮膚の色艶または皮膚の色合いに対する目的である。さらに、皮膚の色素性が少ないことを望む人もいる;彼らは、肌をより白くしようと試みる。これが、正常な皮膚色素沈着が処置される状態の例である。
【0011】
処置することが望ましい、低色素沈着(すなわち、周囲のまたは隣接する正常な色素性の皮膚よりも濃くない皮膚の色の領域)の障害または状態も存在する。同様に、日射に起因する光損傷を招くことなく日焼け様の外観の出現を生じる能力は、多くの個体にとって重要である。
【0012】
皮膚色素脱失(すなわち、皮膚色素沈着または皮膚色の減少または制限)を達成する多くの方法が提唱された。例えば、アルブチン、コウジ酸、ヒドロキノン、レチノイド、および他の化合物が、色素脱失に用いられている。皮膚の色素脱失を可能にする化合物はまた、皮膚ライトナー(lightener)、皮膚ブライトナー(brightener)、皮膚ホワイトナー(whitener)、皮膚ブリーチャー(bleacher)または皮膚美白(lightening)、皮膚増白(brightening)、皮膚白色化(whitening)もしくは皮膚漂白(bleaching)の特性を有する活性剤とも呼ばれる。
【0013】
これらの以前の例の多くは、皮膚色素沈着を処置するのにおいて容認できず、有効性も限られている。これらの化合物のほとんどは、メラニン形成および最終的には皮膚色素沈着をもたらす複数段階のうち少数の特定の段階のみ取り組むと記載されており、これによってそれらの有効性が限られていることが説明され得る。例えば、色素脱失に用いられるほとんどの化合物は、チロシナーゼのインヒビターとして記載されている。チロシナーゼの産生および活性は、メラニン形成の重要な要因であるが、皮膚色素沈着は、多段階プロセスの結果であり、L−チロシンおよびL−ドーパおよびドーパ−キノンのチロシナーゼ触媒性変換よりも他の重要かつ律速の段階に関与している。さらに、これらの化合物の多くは、皮膚に刺激的であることが見出されており、従って、使用は望ましくない。また、これらの全ての化合物の正確な適用は、このような以前の組成物が適用された皮膚で所望の結果を達成するため、およびその領域の間の境界の別のラインを回避するために必須であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、メラニン生成および皮膚色素沈着に関与する複数の段階のうち1つ以上を調節することによってメラニン生成を阻害し、かつ皮膚色素沈着を低減する組成物が必要である。同時に、刺激なしに皮膚の色素脱失を可能にする組成物も必要である。さらに、座瘡形成/面皰易形成性応答を生じることなく皮膚の色素脱失を可能にし、容器の外側でも安定であってかつ色を変えない(例えば、外気への暴露によって変色しない)組成物が必要である。本発明の組成物および方法は、当該分野におけるこれらの長らく感じられている必要性に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の要旨
本発明は、それを必要とする被験体において、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための少なくとも1つのカルシウム封鎖剤またはカルシウム結合剤を含んでいる組成物を提供する。好ましくは、このカルシウム封鎖剤または結合剤はリン酸塩である。さらに好ましくは、このリン酸塩は、グリセロリン酸またはその非カルシウム塩である。最も好ましくは、このリン酸塩は、グリセロリン酸ナトリウムである。このカルシウム封鎖剤または結合剤は、約0.1%〜約25%の量で組成物中に存在する。カルシウム封鎖剤または結合剤がリン酸塩である場合、好ましくは、組成物中に、約1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0016】
それを必要とする被験体において、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物は、カルシウム封鎖剤またはカルシウム結合剤を含んでもよく、さらに、メラニン生成の少なくとも1つの段階を変調または調節する、以下の剤のうち1つ以上を含んでもよい:L−アラニン,グリシン、L−イソロイシン、L−ロイシン、ヒドロキノン、4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール、アルブチン、ベアベリー葉抽出物、コウジ酸、オキシレスベラトロル、グネトール、レチノイン酸またはレチノール、メラノソーム移行インヒビター、またはα−MSHアンタゴニスト。
【0017】
また、皮膚加湿剤または皮膚再生剤からなる群より選択される少なくとも1つの追加の剤を含む組成物も提供される。例えば、この皮膚加湿剤または皮膚再生剤は、アスコルビン酸、ビタミンE、ホホバ油、シアバター、ヒト線維芽細胞溶解物、レチノイン酸、レチノールおよび/またはその任意の誘導体であってもよい。
【0018】
それを必要とする被験体において、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物は、局所投与用に処方に従って作製される。非限定的な例としては、本発明の組成物は、溶液、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、ゲル、軟膏、パッチ、ペースト、液体、泡状物、ムース、スプレー、エアロゾル、三重エマルジョン(triple emulsion)、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、ヒドロゲル、ゼリー、分散物、懸濁物および/またはテープの形態であってもよい。この組成物は、安定であり、実質的にカルシウムを含まず、座瘡形成性応答/面皰易形成性応答を生じず、および/または投与の際に生じる皮膚刺激がごくわずかである。
【0019】
皮膚色素沈着障害を処置または緩和する方法であって、それを罹患している患者に対して本発明の任意の組成物の有効量を投与する工程を包含する方法も本明細書において提供される。例えば、皮膚色素沈着障害としては、限定するものではないが、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、年齢によるしみまたは肝斑、そばかす、または正常もしくは異常な皮膚色素沈着に関連する任意の他の皮膚状態が挙げられる。好ましくはこの化合物の投与は、皮膚色素沈着を低減する。この被験体は、任意の哺乳動物、好ましくはヒトであってもよい。
【0020】
本発明はまた、本明細書に記載される任意の組成物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアを含む薬学的処方物を提供する。同様に、本発明はまた、本明細書に記載される任意の組成物、および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアを含む美容的な処方物を提供する。他の実施形態では、本発明は、1つ以上の容器、これらの薬学的処方物または美容上の処方物を備えているキットを提供する。当業者は、このようなキットが必要に応じて、このような皮膚の色素沈着の障害または状態の処置または緩和における薬学的処方物または美容的処方物の使用のための説明書を備えてもよいことを認識する。
【0021】
本発明はまた、本明細書に記載の任意の組成物および/または薬学的もしくは美容的処方物の治療上有効な量を含んでいる単位剤形を包含する。
【0022】
本明細書に記載される任意の組成物または処方物は、患者に対して有効量の組成物および/または処方物を投与することによって、この患者における皮膚色素沈着の障害または状態の処置の方法で用いられ得る。このような方法では、有効量の組成物は、患者に局所投与される。
【0023】
また、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物であって、59.68%(重量として)の水、0.1%(重量として)のEDTA二ナトリウム、0.3%(重量として)のキサンタンゴム、0.3%(重量として)のクロルフェネシン(chlorphenesisn)、0.6%(重量として)のフェノキシエタノール、0.5%(重量として)のウンデシレノイルフェニルアラニン、3.00%(重量として)のグリセロリン酸ナトリウム、1.00%(重量として)のロイシン、6.00%(重量として)のセテアリルアルコール/セテアレス−20、6.00%(重量として)のステアリン酸グリセリル、3.00%(重量として)のアジピン酸ジイソプロピル、3.00%(重量として)のカプリリルメチコン、1.00%(重量として)のジメチコン、1.00%(重量として)のsimmondsia chinensis(ホホバ)種子油、1.00%(重量として)のbutryospermum parkiiのシアバター)、0.2%(重量として)のDL−αトコフェロールアセテート、1.92%(重量として)のクエン酸50%溶液、4.00%(重量として)のヒドロキノン、0.4%(重量として)のメタ重亜硫酸ナトリウム、2.00%(重量として)のグリセリン、0.5%(重量として)のフェニルエチルレゾルシノール、0.5%(重量として)のリン酸アスコルビルアミノプロピル、および4.00%(重量として)のヒドロキシエチルアクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート60を含む組成物も提供される。例えば、このような組成物は、油中水型エマルジョンとして処方に従って作製され得る。
【0024】
最終的に、本発明はさらに、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物であって、63.41%(重量として)の水、0.1%(重量として)のEDTA二ナトリウム、0.3%(重量として)のキサンタンゴム、0.3%(重量として)のクロルフェネシン(chlorphenesisn)、0.6%(重量として)のフェノキシエタノール、0.5%(重量として)のウンデシレノイルフェニルアラニン、3.00%(重量として)のグリセロリン酸ナトリウム、1.00%(重量として)のロイシン、1.92%(重量として)のクエン酸50%溶液、8.25%(重量として)のセテアリルアルコール/セテアレス−20、6.00%(重量として)のステアリン酸グリセリル、5.00%(重量として)のアジピン酸ジイソプロピル、3.00%(重量として)のカプリリルメチコン、1.00%(重量として)のジメチコン、1.00%(重量として)のsimmondsia chinensis(ホホバ)種子油、1.00%(重量として)のbutryospermum parkiiのシアバター)、0.2%(重量として)のDL−αトコフェロールアセテート、2.00%(重量として)のグリセリン、0.5%(重量として)のフェニルエチルレゾルシノール、0.5%(重量として)のリン酸アスコルビルアミノプロピル、および0.42%(重量として)のヒドロキシエチルアクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート60を含む組成物を提供する。例えば、このような組成物は、油中水型エマルジョンとして処方に従って作製されてもよい。
【0025】
別段規定しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と同様または等価な方法および材料が、本発明の実施または試験で用いられ得るが、適切な方法および材料は下に記載する。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の引用文献は、その全体が参照によって援用される。矛盾する場合、定義を含めて本明細書が優先する。さらに、材料、方法および実施例は、例示でしかなく、限定する意図ではない。
【0026】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の一部ではない、他の公知の組成物(例えば、組成物A〜D)に比較した、本発明の組成物(下の実施例3を参照のこと)の皮膚刺激を示しているグラフである。このグラフは、「サバイバル(生存)」型の曲線に相当しており、3週間(21日)の反復性のヒト刺激性パッチ試験の間、時間の関数として(すなわち、観察)「3」以上の高さの評価スコアに達する刺激性反応をなんら示さなかった被験体の割合を示す。この試験の間に判定されるとおり(「誇張された」刺激データをもたらすことによって)、本発明の組成物は、組成物A〜Dに比較してより良好に耐容された(すなわち、試験物質を有するパッチの継続した長期の適用によって「3」以上の評価スコアに達する被験体はより少なかった)。
【図2】図2は、本発明の一部ではない、他のコントロールの組成物(例えば、組成物B、CおよびD)に比較した、本発明の組成物(組成物A)の色安定性を示す。
【図3】図3は、本発明の化合物(すなわち、下の実施例3に記載の組成物)を用いて患者の皮膚における色素沈着の低減を示している写真である。パネルAは、本発明の化合物の投与前の患者の皮膚の色素沈着過剰を示す。パネルBは、本発明の組成物での処置の12週後の皮膚色素沈着の低減を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、メラニン生成(melanogenesis)(メラニン形成(melanin formation))の種々の段階を変調(増大または減少)すること、および皮膚色素沈着を減少することに関する。さらに詳細には、本発明は、色素沈着の障害または状態の症状を処置または緩和するための組成物であって、メラニン形成および皮膚色素沈着の多段階プロセスにおける2つ以上の段階を変調する単一の活性剤を含んでいる組成物を提供する。本発明はまた、少なくとも2つの活性剤(例えば、2、3、4、5またはより多い)を含む組成物であって、その各々の活性剤がメラニン形成の多段階のプロセスにおける少なくとも1つの段階を標的し得る組成物を提供する。これらの複数の剤は、メラニン形成および皮膚色素沈着を低減する。メラニンはまた、皮膚色素とも、または単に色素とも呼ばれる。メラニン形成はまた、メラニン生成とも呼ばれる。皮膚の色はまた、皮膚色素沈着とも、または単に色素沈着とも呼ばれる。メラニン生成および皮膚色素沈着の多段階を標的することによって、本発明の組成物は、当該分野で現在公知の皮膚色素沈着障害および状態を処置する製品に比較して優れた特性をもたらす。さらに、本発明の組成物は、投与の際に座瘡形成/面皰易形成性応答を引き起こすことがない(または生じない)(例えば、本発明の組成物で処置されていない皮膚に比較して面皰面皰/座瘡の数および重篤度の増大を生じない)。
【0029】
カルシウム封鎖剤または結合剤
カルシウム(Ca2+)は、メラニン生成および皮膚色素沈着におけるいくつかの段階の重要な調節因子であり得る。例えば、カルシウムの増大は、L−フェニルアラニンの能動輸送を促進すると考えられ、そしてそのフェニルアラニンヒドロキシラーゼを介したL−チロシンへの代謝回転は、メラニン生成のためのこの基質のプールを有意に増大すると考えられる。(Dermatol Clin 25,2007,283〜291頁を参照のこと)。さらに、カルシウムがメラノソーム移行に影響するインビトロ研究からいくつかの証拠が存在する(Pigment Cell Res 20,2007,380〜384頁を参照のこと)。メラニン形成細胞−ケラチノサイト同時培養を用いた、引用した研究では、メラニン移行は、ケラチノサイト内の細胞内カルシウムが、カルシウムキレーターである1,2−ビス−(o−アミノフェノキシ)−エタン−N,N,N’,N’−四酢酸テトラ−アセトキシメチルエステル(BAPTA−AM)に結合した(キレートした)時に阻害されることを意味する。
【0030】
従って、本発明は、メラニン生成および皮膚色素沈着のプロセスにおける1つ以上の段階を妨害する皮膚色素沈着の障害および状態を処置するための組成物および方法を提供する(ここではカルシウムは、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含む局所適用に適切な組成物を投与することによって関与する)。
【0031】
カルシウム封鎖剤または結合剤の例としては、無機、有機(またはその組み合わせ、または有機金属)のいずれかに由来する分子が挙げられる。好ましくは、この剤は、カルシウムを含まないオキソアニオンの任意のまたは全ての可能な酸化状態、その任意のまたは全ての可能な化学的立体配置(例えば:アキラル、キラル、エナンチオマー、ジアステレオマー)であり、リン酸塩、リン酸エステル、ホスホン酸塩、ホスホン酸エステル、ホスホラミダイト、硫酸塩、硫酸エステル、スルホン酸塩、スルホン酸エステル、亜硫酸塩、シロキサン、炭酸塩、ボロン酸塩、ボリン酸塩(borinates)、ボリン酸エステル、シロキサン、シロキサンエステル、ポリシロキサン、スルホキシド、スルホンアミド、スルフィン酸、スルフィンイミド、チオールエステル、チオ尿素、およびトシレートから選択される。好ましくは、この有機剤は、カルシウムを含まない陰イオン性または中性のルイス塩基ドナー、アキラルまたはキラル、エナンチオマーまたはジアステレオマーを保有し、カルボン酸、ポリカルボン酸塩、カルボン酸エステル、ニトリル、イソシアン酸塩、ヒドラジン、ヒドラゾン、尿素、カルボン酸エステル、オキシム、アミド、アミジン、チオエーテル、エーテル、アミン、アルコール、アルコキシド、チオール、チオレートから選択される。
【0032】
表1は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なカルボン酸、ボロン酸、アミン、硫酸塩の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0033】
【表1−1】

【0034】
【表1−2】

表2は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なリン酸塩の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0035】
【表2】

表3は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なリン酸塩またはホスフィン酸塩の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0036】
【表3】

表4は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なホスホン酸/リン酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0037】
【表4】

表5は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なボロン酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0038】
【表5−1】

【0039】
【表5−2】

表6は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なエステルまたはアルコールの非限定的な代表的な例を列挙する。
【0040】
【表6−1】

【0041】
【表6−2】

表7は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なオキシムの非限定的な代表的な例を列挙する。
【0042】
【表7−1】

【0043】
【表7−2】

表8は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切な亜硫酸塩の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0044】
【表8−1】

【0045】
【表8−2】

表9は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切な硫酸塩の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0046】
【表9】

表10は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なカルボン酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0047】
【表10】

表11は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なアリールカルボン酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0048】
【表11−1】

【0049】
【表11−2】

表12は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なシクロアルキルカルボン酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0050】
【表12−1】

【0051】
【表12−2】

表13は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なヘテロアリールおよびビアリール酸の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0052】
【表13−1】

【0053】
【表13−2】

表14は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切な尿素の非限定的な代表的な例を列挙する。
【0054】
【表14】

表15は、カルシウム封鎖剤または結合剤として利用するのに適切なヒドラゾンの非限定的な代表的な例を列挙する。
【0055】
【表15−1】

【0056】
【表15−2】

本発明の「カルシウム封鎖剤」または「カルシウム結合剤」は、カルシウムイオン(CaII)を結合または封鎖し得、その結果、この結合または封鎖されたカルシウムイオンが、他の結合剤との相互作用から妨害または阻害(すなわち減少)されるような任意の剤である。本発明の状況では、このカルシウム封鎖剤または結合剤は、このような処置を必要とする患者の皮膚に投与された場合、局所投与の局所領域でカルシウムイオンに結合するかまたは封鎖し、そしてカルシウムがメラニン生成および皮膚色素沈着のいくつかの(すなわち、少なくとも2つの)段階で調節因子として作用することを調節または変調する(すなわち、妨害、制限または阻害する)。
【0057】
本発明の組成物は、色素沈着を低減するのに有効な量でカルシウム封鎖剤または結合剤を含む。例えば、カルシウム封鎖剤または結合剤は、組成物中に、約0.1%からこの組成物中のこのカルシウム封鎖剤または結合剤の溶解限度までの量で存在する。好ましくは、このカルシウム封鎖剤または結合剤は、組成物中に、約0.1重量%〜約25重量%、より好ましくは、約0.2重量%〜約10重量%、最も好ましくは、約1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0058】
本明細書に記載されるカルシウム封鎖剤または結合剤を含む任意の組成物のpH範囲は、約2.5〜約9.0、好ましくは約3.0〜約7.0、より好ましくは、約4.0〜約5.0である。適切な値までpHを調節するための溶液、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)を必要に応じて本発明の組成物に添加してもよい。
【0059】
好ましくは、カルシウムイオンを結合または封鎖し得る剤はリン酸塩剤である。リン酸塩は、リン酸の形態として規定される。このリン酸塩は、以下のように1つ以上のリン(P)原子を含んでもよい:
i)図1に示される、1つのリン原子(すなわち、オルトリン酸塩)例えば、HPO、任意の可能性のあるHPOの塩、またはHPOのエステル
ii)2つのリン原子(すなわち、ピロリン酸塩)例えば、H、任意の可能性のあるHの塩、またはHのエステル
iii)3つのリン原子(すなわち、トリポリリン酸塩)例えば、H10、任意の可能性のあるH10の塩、またはH10のエステル
iv)4つ以上のリン原子(すなわち、ポリリン酸塩)例えば、H(n+4)(PO(n+2)、任意の可能性のあるH(n+4)(PO(n+2)の塩、またはH(n+4)(PO(n+2)のエステル。
【0060】
オルトリン酸エステルの構造式は、式Iに示しており、ここでR1、R2およびR3はそれぞれ、1つ以上の炭素原子を有する分岐または未分岐のアルキルまたはアルケニル基から選択される。
【0061】
【化1】

本明細書において用いる場合、「リン酸塩(単数または複数)」という用語は、アスコルビン酸のリン酸塩誘導体、例えば、リン酸アスコルビルナトリウムまたはリン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルアミノプロピルおよび抗酸化特性を有するアスコルビン酸の他の公知のリン酸塩誘導体を含まない。
【0062】
好ましくは、この組成物は、リン酸グリセロリン酸(CP)のようなカルシウムイオンを実質的に含まないリン酸塩型を含む。グリセロリン酸は、2つの異なる化学構造で存在してもよく、これには以下が挙げられる:
i)α−グリセロリン酸(3−グリセロリン酸塩、1−グリセロリン酸塩、3−ホスホグリセロール、α−ホスホグリセロール、グリセロール−3−リン酸塩、グリセロール1−リン酸塩、グリセロール−3−P、グリセロリン酸、1−グリセロリン酸、α−グリセロリン酸塩としても公知)、および
ii)β−グリセロリン酸(グリセロール2−リン酸塩、β−グリセロールリン酸塩、β−GP、2−グリセロリン酸、グリセロリン酸IIとしても公知)。
【0063】
より好ましくは、本発明の組成物は、グリセロリン酸のナトリウム塩を含む。「グリセロリン酸」という用語は、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸、またはその任意の混合物を包含する。グリセロリン酸のナトリウム塩としてはさらに、グリセロリン酸の一ナトリウム塩(monosodium sodium salt)(CNaOP)、グリセロリン酸の二ナトリウム塩(disodium sodium salt)(CNaP)、ならびに/または一ナトリウム塩および二ナトリウム塩の任意の混合物を挙げることができる。グリセロリン酸のナトリウム塩は、本明細書において、「グリセロリン酸ナトリウム」と呼ばれる。
【0064】
グリセロリン酸ナトリウムはさらに、ある程度の結合水を含んでもよく、かつその水和型であってもよい。この結合水は、重量あたり、約20〜約40%;好ましくは約25〜約35%の量で存在する。本発明に関しては、欧州薬局方第(European Pharmacopoeia)第6版(2007)に示される説明によるグリセロリン酸ナトリウムは、グリセロリン酸ナトリウムの好ましい形態および質のうちの1つである。
【0065】
グリセロリン酸の任意のカルシウム塩を除いて、この組成物は、グリセロリン酸の他の可能性のある塩、例えば、グリセロリン酸のカリウム塩、グリセロリン酸のマグネシウム塩、グリセロリン酸のマンガン塩、および/またはグリセロリン酸のナトリウム塩を含めてそれらの任意の可能性のある組み合わせで調製され得る。当業者は、グリセロリン酸カルシウムまたはリン酸の任意の他のカルシウム塩が、カルシウムを含まないリン酸塩ではなく、従って、本発明では用いられないことを認識する。
【0066】
本発明の組成物は、リン酸塩(単数または複数)を、色素沈着を低減するのに有効な量で含む。例えば、リン酸塩は、組成物中に約0.1%からその組成物中のリン酸塩の溶解限度までの量で存在する。好ましくは、リン酸塩は、約0.1重量%〜約25重量%、より好ましくは、約0.2重量%〜約10重量%、最も好ましくは、約1重量%〜約5重量%の量で組成物中に存在する。
【0067】
好ましくは、この組成物は、グリセロリン酸ナトリウム(欧州薬局方第6版(2007)に示される説明によれば、CNaP×HO)で約1重量%〜約5重量%に調製される。
【0068】
本発明はまた、十分耐容される、皮膚美白(lightening)組成物を提供する。好ましくは、このような皮膚美白組成物は、現在市販の皮膚美白製品のいくつかで観察されるよりも皮膚刺激が少ない;またはより詳細には、そのような皮膚美白製品(この製品は、追加して公知のヒト皮膚刺激特性を有する化合物、例えば、ヒドロキノン、レチノイン酸、トレチノイン、レチノール、αヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸または乳酸、βヒドロキシル酸、例えば、サリチル酸、アゼライン酸、遊離の短鎖脂肪酸、遊離の短鎖脂肪酸エステル、イオン性サーファクタント、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)を含む)よりも皮膚刺激が少ない。このような公知のヒト皮膚刺激特性を有する化合物とともにヒドロキノンを含んでいる皮膚美白製品の例としては限定するものではないが、Tri−Luma(登録商標)(Galderma)、EpiQuin(登録商標)Micro(SkinMedica)、ObagiNu−Derm(登録商標)ClearおよびObagi Nu−Derm(登録商標)Blender(両方ともOMP,Inc.)およびLustra(登録商標)Hydroquinone USP 4%(TaroPharma)が挙げられる。
【0069】
詳細には、本発明の組成物は、十分耐容され、かつスキンケアまたは皮膚科製品の代表的な使用条件で正常な長期間(すなわち、3週間以上)毎日1回〜2回用いた場合、視覚的に知覚可能な皮膚発赤(すなわち、紅斑、接触性皮膚炎)または発疹(すなわち、浮腫、接触アレルギー、じんましん)をもたらさない(またはごく最小限にしかもたらさない)。さらに詳細には、本発明の組成物は、J.Toxicol.−Ot.&Ocular Toxicol.,1(2);109〜115.1982;Contact Dermatitis,20(1);3〜9.1989;Lanman,B.M.,E.B.Elvers,およびC.J.Howard,1968,「The Role of Human Patch Testing in a Product Development Program,」Joint Conference on Cosmetic Sciences,The Toilet Goods Association(現在、the Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)、Washington,D.C.,April 21〜23,1968、ならびにPatel,S.M.,E.Patrick,およびH.I.Maibach,1976,「Animal,Human,and In Vitro Test Methods for Predicting Skin Irritation,」Dermatotoxicology,第33章,第5版,編集、F.N.Marzulli、H.I.Maibach、Taylor,およびFrances)(その各々が参照によって本明細書に援用される)に記載の当該分野で認識されるモデルによって現実化されるヒトまたは動物における反復性皮膚刺激パッチ試験で観察されるとおりヒドロキノンを含む皮膚美白製品と比較して皮膚刺激は少ない。
【0070】
好ましくは、本発明は、皮膚の色素沈着障害および状態を処置するための方法および組成物を提供し、これは、本明細書に記載される当該分野で認識されるモデルの補助で判定するとおり有意な皮膚刺激を生じない濃度で有効である。好ましくは、本発明は、カルシウム、ステロイド、パラベンおよび/またはホルムアルデヒドリリーサー(releaser)を実質的に含まない、組成物を提供する。「実質的に含まない(substantially free)」という用語は、本明細書において用いる場合、目的の組成物(例えば、カルシウムイオン)が組成物中に、重量あたり0.1%未満、好ましくは0.05重量%未満、そして最も好ましくは、0.01重量%未満の量で存在することを意味する。好ましくは、本発明は、局所適用に適切で、美容上洗練されており、かつ吸収が早い組成物を提供する。すなわち、本発明の組成物は、皮膚への適用後、約2分後に、粘着性、油っぽい、脂ぎった、またはその他の望ましくない感じをもたらさない;スキンケアまたは皮膚科の製品に代表的である単位皮膚面積あたり1用量で適用される場合(代表的には1cmあたり組成物1mg未満)。
【0071】
追加の活性剤
本発明はまた、安定な皮膚美白組成物であって、上記のような少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含み、かつメラニン生成における以下の段階のうち少なくとも1つを変調または低減し得る(インビトロおよび/またはインビボで評価した場合)少なくとも1つの追加の活性剤をさらに含み得る、組成物を提供する。
【0072】
i)メラニン形成細胞へのL−チロシンの取り込み、および/または
ii)メラニン形成細胞へのL−フェニルアラニンの取り込み、および/または
iii)フェニルアラニンヒドロキシラーゼによるL−チロシンへのL−フェニルアラニンの代謝回転、および/または
iv)メラノソームへのL−チロシンの取り込み、および/または
v)チロシナーゼまたはチロシンヒドロキシラーゼによるL−ドーパへのL−チロシンの代謝回転、および/または
vi)チロシナーゼによるドーパキノンへのL−ドーパの代謝回転、および/または
vii)メラニン形成細胞からケラチノサイトへのメラノソームの移行。
【0073】
いくつかの化合物が、メラニン形成細胞へ、および/またはメラノソームへのL−チロシンの輸送(細胞または細胞オルガネラへの能動的な取り込み)を競合し得る化合物として記載され得る(これは、メラニン生成のためのL−チロシンのプールの低減または制限を生じ得る)。
【0074】
アミノ酸
いくつかのアミノ酸は、メラニン形成細胞および/またはメラノソームへのL−チロシンの取り込みを競合的に阻害することが公知である。アミノ酸L−アラニン、グリシン、L−イソロイシン、L−ロイシンは、ただしそれらのD型は違うが、メラニン生成を研究するための細胞モデルとしてB16F0メラノーマ細胞を用いるインビトロアッセイで低色素沈着性の効果を有することが記載された。(Biol Pharm Bull 30,2007,677〜681頁を参照のこと)。これらのアミノ酸は、チロシナーゼのインヒビターとして機能しないことが示された。
【0075】
チロシン輸送を潜在的に阻害する別の化合物は、チロシン4−S−システイニルフェノールのイオウ相同体である。(Biochem J 280,1991,721〜725頁を参照のこと)。4−S−システイニルフェノールはまた、チロシナーゼの基質として作用し得、従って、チロシナーゼのインヒビターとしてみなされ得る。アミノ酸L−フェニルアラニンおよびL−トリプトファンはまた、チロシン輸送について競合し得るといういくつかの証拠がある。(Biochem J 280,1991,721〜725頁;J Biol Chem 271,1996,4002〜4008頁を参照のこと)。しかし、フェニルアラニンは、メラニンの前駆体であり、従って、本発明では除外される。L−チロシンは、メラニン形成細胞中の酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼの存在下においてL−フェニルアラニンから形成される。同様に、トリプトファンは、本発明では除外される。
【0076】
従って、本発明の組成物は、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含んでもよく、さらにL−アラニン、グリシン、L−イソロイシン、L−ロイシンまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。L−アラニン、グリシン、L−イソロイシン、L−ロイシンはまた、それらの皮膚バイオアベイラビリティを増大するために、エステル(例えば、R−COOR’ここでR=アミノ酸由来、およびR’=分岐または非分岐のアルキル(alky)/アリール側鎖であって、最大18個の炭素からなる)、アミド(R−NH(C=O)−R’)、ここでR=アミノ酸由来、およびR’=分岐または非分岐のアルキル(alky)/アリール側鎖であって、最大18個の炭素からなる)、またはその両方を含んでもよい。これらのアミノ酸はまた、陽イオン(カチオン)としてナトリウムまたはカリウムを有する双性イオンを含んでもよい。
【0077】
本発明の組成物はまた、メラニン形成細胞中におよび/またはメラノソーム中に、色素沈着を低減するため、またはL−チロシンの輸送を低減するために有効な量でアミノ酸またはそれらのそれぞれの誘導体(エステル、アミド、など)を含んでもよい。例えば、アミノ酸は、組成物中に、約0.001%〜その組成物中のアミノ酸の溶解限度までの量で存在する。好ましくは、アミノ酸は、組成物中に、約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは、約0.05重量%〜約5重量%、最も好ましくは、約0.1重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0078】
一実施形態では、本発明は、1つ以上のリン酸塩を含んでおり、実質的にカルシウムを含まず、さらにL−ロイシンを約0.1重量%〜約2重量%の量で含んでいる組成物を提供する。好ましくは、本発明は、グリセロリン酸ナトリウム(CNaP×HO;欧州薬局方第6版に示される仕様による)を約1重量%〜5重量%の量で含んでおり、さらにL−ロイシンを約0.1重量%〜2重量%の量で含む組成物を提供する。
【0079】
チロシナーゼインヒビター
本発明の組成物は、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含んでもよく、そしてさらにチロシナーゼもしくはチロシンヒドロキシラーゼによるL−ドーパへのL−チロシンの代謝回転、および/またはチロシナーゼによるドーパキノンへのL−ドーパの代謝回転を低減し得る(インビトロおよび/またはインビボで評価した場合)1つ以上の化合物を含んでもよい。L−ドーパへのL−チロシンの代謝回転を低減し、および/またはドーパキノンへのL−ドーパの代謝回転を低減する化合物は一般には、チロシナーゼインヒビターと呼ばれ、これは、それらがチロシナーゼ活性、チロシナーゼ遺伝子発現、ならびに/またはチロシンタンパク質の形成および/もしくは成熟(すなわち、翻訳後修飾)を阻害することを意味する。
【0080】
例えば、以下の化合物は、インビトロの酵素アッセイおよび細胞アッセイにおいて多様に評価した場合、チロシナーゼインヒビターとして作用することが記載されており(Journal of Medicinal Chemistry 42(2007)1370−1381[付表Aで言及される支援情報を含む];Pigment Cell Res 19,2006,550〜571頁を参照のこと)(参照によって本明細書に援用される)、従って、単独で、または組み合わせて、本明細書に記載の組成物に組み込まれるのに適切である:ヒドロキノン(1,4−ベンゼンジオール);ジフェニルメタン誘導体(WO2004/105736を参照のこと;参照によって本明細書に援用される)例としては限定するものではないが、4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール(フェニルエチルレゾルシノール);コウジ酸;α−アルブチン;β−アルブチン;デオキシアルブチン、L−ミモシン;ヒドロキノンのモノベンジルエーテル;ヒドロキノン脂肪酸エステル;L−トロポロン;アスコルビン酸;安息香酸;オキシレスベラトロル(すなわち、2,4,3’,5’−テトラヒドロキシスチルベン);ケルセチン;ベンズアルデヒド;アロエシン;trans−レスベラトロル;アニスアルデヒド;桂皮酸;グネトール;ジヒドログネトール;3,3’,4−ヒドロキシ−trans−スチルベン;3,3’,4,4’−ヒドロキシ−trans−スチルベン;3−アミノ−L−チロシン、2−アミノフェノール;イソリキリチゲニン;4−ヒドロキシカルコン;ブテイン;4’−ヒドロキシカルコン;2’,4’−ジヒドロキシカルコン;2’,4−ジヒドロキシカルコン;trans−4−アゾベンゼンカルボン酸;cis−4−アゾベンゼンカルボン酸;trans−4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸;cis−4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸;カスタノスペルミン;デオシノジリマイシン;Ko−YGC;Ko−YGV;Ko−YGE;Ko−YGT;Ko−YGL;Ko−YGW;Ko−YGF;Ko−YGH;Ko−YGN;Ko−YGD;Ko−YGG;Ko−YIG;Ko−YYG;Ko−YSG;Ko−YMG;Ko−YQG;Ko−YRG;Ko−YHG;Ko−YNG;Ko−YDG;Ko−FIY;Ko−FRY;Ko−FYY;Ko−FWY;Ko−FFY;Ko−KWY;Ko−KRY;Ko−KKY;Ko−KIY;Ko−FWW;Ko−FWF;Ko−FWI;Ko−FWD;Ko−WWY;グラブリジン;N−シクロペンチル−N−ニトロソヒドロキシル−アミン;N−ベンジル−N−ニトロソヒドロキシルアミン;N−ベンジル−N−ニトロソヒドロキシルアミン;N−シクロペンチル−N−ニトロソヒドロキシル−アミン;3,5−ジヒドロキシ−4’−メトキシスチルベン;3,4’−ジメトキシ−5−ヒドロキシスチルベン;ピセイド;ラポンチゲニン;ラポンチシン;クラリノン;クシュノール(kushnol)F;4−ヒドロキシアニソール;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド;クミンアルデヒド;アルトカルベン;ノルアルトカルパノン;4−プロピルレゾルシノール;3,4−ジヒドロキシベンゾニトリル;3,4,2,4−トランス−スチルベン;アルトゴメジアノール;アンダラシン;クロクサチンH;クロシン−1;クロシン−3;3,4−ジヒドロキシ桂皮酸;4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸;アニス酸;2−メトキシ桂皮酸;3−メトキシ桂皮酸;4−メトキシ桂皮酸;ケンフェロール;グラブレン;ピリドキシン;ピリドキサミン;ピリドキサール;ピリドキサミン5’−リン酸塩;プロトカテク酸メチルエステル;プロトカテク酸;m−クマル酸;3−カフェオイルキナ酸;4−カフェオイルキナ酸;5−カフェオイルキナ酸;3,4−ジカフェオイルキナ酸;コーヒー酸;フィセチン;3,7,4’−トリヒドロキシフラボン;モリン(Morin);ルテオリン(Luteolin);アピゲニン(Apigenin);ガランギン(Galangin);ジエチルジチオカルバメート;フェニルチオ尿素;フロログルシノール;エクストロノール;エクコール(Eckol);フロロフコフロエコール;ダイエコール(Dieckol);HPABS;グルタチオン;B−メルカプトエタノール;プロトカテキュアルデヒド;8’−エピ−クレオミスコシンA;3,4−ジヒドロキシベンズアルドキシム;3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルドキシム;3,4,5−トリヒドロキシベンズアルドキシム;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルドキシム;3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルドキシム;4−ヒドロキシベンズアルドキシム;3,4−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド−O−(4−メチルベンジル)−オキシム;3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;4−ヒドロキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド−O−エチルオキシム;(+)−アンドロスト−4−エン−3,17−ジオン;アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン;17β−ヒドロキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3−オン;11α−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,17−ジオン;17β,11α−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン;エスクレチン;ラッパコニチン;スチグマスト−5−エン−3β,26−ジオール;スチグマスト−5−エン−3β−オール;カンペステロール;クマコケモモ(arctostaphylos uva ursi)(ベアベリー)葉抽出物;ナンキンカンゾウ(glycyrrhiza glabra)(リコリス)抽出物;ワレモコウ(sanguisorba officinalis)(ワレモコウ(burnet))抽出物;コガネバナ(scutellaria baicalensis)根(タツナミソウ(skull cap))抽出物;およびマグワ(morus alba)(マルベリ(mulberry))抽出物;ピノシルビン、ジヒドロピノシルビン;没食子酸;ゲンチシン酸;メチルゲンチシン酸塩;エピガロカテキン−3−O−没食子酸塩;エピガロカテキン;緑茶葉抽出物;エラグ酸;ピオグノール;ヤマモモ(myrica rubra)葉抽出物;および/またはオクタデセン二酸。
【0081】
これらの言及されたチロシナーゼインヒビターに加えて、上記の化合物の任意の生物学的前駆体(プロ型)がまた、本発明に包含され得る。生物学的前駆体は、カルボキシ基を有するインヒビターの簡易なエステル(すなわち、メチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル、またはブチル−エステル)であってもよい。また、アスコルビン酸(ビタミンC)の任意の誘導体(例えば:全ての可能性のある立体異性体を含む)、例えば、リン酸アスコルビルアミノプロピル、リン酸アスコルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸のアルキルエステル、例えば、L−アスコルビルパルミトレート、L−アスコルビルイソパルミチン酸塩、イソパルミチン酸塩、L−アスコルビルジパルミチン酸塩、アスコルビルテトライソパルミチン酸塩、L−アスコルビルイソステアリン酸塩、L−アスコルビルジステアリン酸塩、L−アスコルビルジイソステアリン酸塩、L−アスコルビルミリスチン酸塩、L−アスコルビルイソミリスチン酸塩、L−アスコルビル2−エチルヘキサン酸塩、L−アスコルビルジ−2−エチルヘキサン酸塩、L−アスコルビルオレイン酸塩およびL−アスコルビルジオレイン酸塩;L−アスコルビン酸のリン酸塩、例えば、L−アスコルビル−2−リン酸塩およびL−アスコルビル−3−リン酸塩;L−アスコルビン酸の硫酸塩、例えば、L−アスコルビル−2−硫酸塩およびL−アスコルビル−3−硫酸塩;ならびにそれらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩および/またはマンガン塩も含まれる。
【0082】
本発明の組成物は、色素沈着を低減するか、またはチロシナーゼもしくはチロシンヒドロキシラーゼによるL−ドーパへのL−チロシンの代謝回転、および/またはチロシナーゼによるL−ドーパのドーパキノンへの代謝回転を低減するのに有効な量で少なくとも1つのチロシナーゼインヒビターを含んでもよい。例えば、チロシナーゼインヒビターは、組成物中に、約0.001%からその組成物中におけるチロシナーゼインヒビターの溶解限度までの量で存在し得る。好ましくは、このチロシナーゼインヒビターは、組成物中に約0.01重量%〜約15重量%、より好ましくは、約0.05重量%〜約10重量%、最も好ましくは、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0083】
本発明は、1つ以上のリン酸塩を含み、実質的にカルシウムを含まず、さらに:a)ヒドロキノン(1,4−ベンゼンジオール)を約0.1重量%〜約10重量%の量で、b)4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール(フェニルエチルレゾルシノール)を約0.1重量%〜約5重量%の量で、c)アルブチンを約0.1重量%〜約10重量%の量で、d)ベアベリー葉抽出物を約0.1重量%〜約10重量%の量で、e)コウジ酸を約0.1重量%〜約5重量%の量で、f)オキシレスベラトロルを約0.1重量%〜約5重量%の量で、および/またはg)グネトールを約0.1重量%〜約5重量%の量で含んでいる組成物を提供する。
【0084】
本発明の組成物は、いくつかの実施形態では、1つ以上のリン酸塩を含んでもよく、実質的にカルシウムを含まず、かつさらにヒドロキノン(1,4−ベンゼンジオール)を約1重量%〜約10重量%の量で含んでもよく、および/またはさらに4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール(フェニルエチルレゾルシノール)を約0.1重量%〜約5重量%の量で含んでもよい。
【0085】
メラノソーム移行インヒビター
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含み、かつさらに、メラニン形成細胞からケラチノサイトへのメラノソームの移行を減少し得る(インビトロおよび/またはインビボで評価した場合)1つ以上の化合物を含んでもよい。メラニン形成細胞からケラチノサイトへのメラノソームの移行のインヒビターは、以前に記載されており(Pigment Cell Res 19,2006,550〜571頁を参照のこと)、これには例えば、ナイアシナミド(ビタミンB3);センタウレイジン;レクチン;ネオグリコプロテインおよびセリンプロテアーゼの特定のインヒビター(例えば:ダイズトリプシンインヒビターなど)または豆乳またはダイズ抽出物が挙げられる。さらに、N−アセチル−グルコサミンもまた、メラノソーム移行を低減し得る。
【0086】
本発明の組成物は、少なくとも1つのメラノソーム移行インヒビターを、色素沈着を低減するかまたはメラニン形成細胞からケラチノサイトへのメラノソームの移行を減少するのに有効な量で含んでもよい。例えば、メラノソーム移行インヒビターは、組成物中に、約0.001%からその組成物中のメラノソーム移行インヒビターの溶解限度までの量で存在してもよい。好ましくは、メラノソーム移行インヒビターは、組成物中に、約0.01重量%〜約12重量%、より好ましくは、約0.05重量%〜約6重量%,最も好ましくは、約0.1重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0087】
本発明は、組成物であって、1つ以上のリン酸塩を含み、実質的にカルシウムを含まず、かつさらに、約0.1重量%〜約10重量%の量でヒドロキノンを含んでもよく、さらに、メラノソーム移行インヒビターを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでいる組成物を提供する。
【0088】
例えば、本発明はまた、組成物であって、1つ以上のリン酸塩を含み、実質的にカルシウムを含まず、かつまた、4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール(フェニルエチルレゾルシノール)を、約0.1重量%〜約5重量%の量で含み、かつまた、メラノソーム移行インヒビターを、約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでもよい組成物を提供する。
【0089】
一実施形態では、本発明はさらに、組成物であって、1つ以上のリン酸塩、実質的にカルシウムを含まず;ヒドロキノンを約0.1重量%〜約10重量%の量で;4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール(フェニルエチルレゾルシノール)を約0.1重量%〜約5重量%の量で:そしてメラノソーム移行インヒビターを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでいる組成物を提供する。
【0090】
メラノコルチンレセプター1インヒビター
本発明の組成物は、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含んでもよく、かつさらに、メラノコルチンレセプター1(MC1R)活性を低下し得る(インビトロおよび/またはインビボで評価した場合)1つ以上の化合物を含んでもよい。例えば、アグーチ(agouti)シグナル伝達タンパク質は、皮膚色素沈着を、MC1Rに対するα−MSHの結合を拮抗することによって調節する。(Abdel−Malekら、J.Cell Sci.2001,114(Pt.5):1019−24;JordanおよびJackson,Bioessays.1998,20(8):603−606;VoiseyおよびVan Daal,Pigment Cell Res.2002;,15(1):10−18;Wolff,Pigment Cell Res.2003,16(1):2−15を参照のこと)。このレセプターを通じたシグナル伝達阻害は、2つの効果(i)結合部位での直接競合、および(ii)レセプターシグナル伝達の下方制御から生じる。(Barshら、Pigment Cell Res.,2000,13 補遺8:48−53を参照のこと)。例えば、ウンデシレノイルフェニルアラニンは、MC1Rへの親和性を有することが記載されており、インビトロでα−MSHのアンタゴニストとして働くことが示された。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、MC1Rに対するα−MSHの結合をアンタゴナイズするのに有効な量で少なくとも1つのα−MSHアンタゴニストを含む。例えば、α−MSHアンタゴニストは、組成物中に、約0.001%からこの組成物中のα−MSHアンタゴニストの溶解限度までの量で存在する。好ましくは、α−MSHアンタゴニストは、組成物中に、約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは、約0.05重量%〜約5重量%,最も好ましくは、約0.1重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0092】
一実施形態では、本発明は、組成物であって、実質的にカルシウムを含まない1つ以上のリン酸塩を含んでおり、またヒドロキノンを、約0.1重量%〜約10重量%の量で、およびα−MSHアンタゴニストを約0.1重量%〜約4重量%の量で含む組成物を提供する。非限定的な例では、α−MSHアンタゴニストは、ウンデシレノイルフェニルアラニン(以下の化学構造を有する:CH=CH−(CH−CO−NH−CH(−COOH)(−CH−C)、WO2003/061768に記載されるとおり)である。
【0093】
好ましくは、本発明はさらに、組成物であって、実質的にカルシウムを含まない1つ以上のリン酸塩;4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオールを約0.1重量%〜約5重量%の量で;およびα−MSHアンタゴニストを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでいる組成物を提供する。非限定的な例では、α−MSHアンタゴニストはウンデシレノイルフェニルアラニンである。
【0094】
あるいは、本発明はまた、組成物であって、実質的にカルシウムを含まない1つ以上のリン酸塩;ヒドロキノンを約0.1重量%〜約10重量%の量で;4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオールを約0.1重量%〜約5重量%の量で;およびα−MSHアンタゴニストを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでいる組成物を提供する。好ましくは、α−MSHアンタゴニストはウンデシレノイルフェニルアラニンである。
【0095】
また、組成物であって、実質的にカルシウムを含まない1つ以上のリン酸塩;ヒドロキノンを約0.1重量%〜約10重量%の量で;4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオールを約0.1重量%〜約5重量%の量で;およびα−MSHアンタゴニストを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでいる組成物が提供される。例えば、α−MSHアンタゴニストは、ウンデシレノイルフェニルアラニンである。これらの組成物は、さらに、メラノソーム移行インヒビターを約0.1重量%〜約4重量%の量で含んでもよい。
【0096】
皮膚科学的薬物、生物製剤およびスキンケア添加物
本発明の任意の組成物は、少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含んでもよく、さらに、皮膚色素沈着;全身の皮膚科学;美容上の皮膚科学;スキンケア、例えば、皮膚保湿など;または再生(rejuvenation)の処置の当該分野で公知のカルシウム含有化合物以外の1つ以上の化合物、スキンケア/美容上活性なまたは皮膚科学的な薬物および/または生物製剤を含んでもよく、これは例としては、限定するものではないが、トランスフォーミング成長因子(例としては、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3);コラーゲン刺激因子、例えば、特定の成長因子(例えば、TGF−β類、PDGF類、FGF類、など)および/または特定のペプチド(例えば、Matrixyl−3000);ケラチノサイト増殖の刺激因子、例えば(例えば、EGF、KGF類など);コラーゲン分解酵素のインヒビター(例えば、天然または合成のMMPのインヒビター);エラスチン分解酵素のインヒビター(例えば、天然または合成のエラスターゼのインヒビター);適切な抗酸化剤(例えば、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、イデベノン、コエンザイムQ10、リポ酸、ポリフェノール、エルゴチオネイン、グルタチオン、植物抽出物、例としては、限定するものではないが、コーヒー豆抽出物、ナツシロギク(feverfew)抽出物、緑茶抽出物、など)およびそれらの誘導体;適切な日焼け止め剤および/または日光UV反射剤(例えば、ポリマーなどから構成されるスフェアおよび/またはマイクロ粒子);抗炎症剤(例えば、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗炎症インターロイキン、IL−1ra、など));エモリエント;保湿剤(例えば、グリセリン、尿素、ヒアルロン酸、天然の保湿因子、など);神経伝達物質放出のインヒビター;皮膚浸透剤(例えば、オレイン酸、プロピレングリコール、など);皮膚保護剤(例えば、アラントイン、カラミン、ココア(coca)バター、タラ肝油、コロイド状オートミール、ジメチコン、グリセリン、固い脂肪、カオリン、ラノリン、鉱油、ペトロラタム(ワセリン)、局所用デンプン、白色ワセリンなど);ビタミン(例えば、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンFなど)およびそれらの誘導体;角質溶解剤(例えば、尿素、α−ヒドロキシル酸(例えば、乳酸、グリコール酸、クエン酸など)、β−ヒドロキシル酸(例えば、サリチル酸、など)、およびポリヒドロキシ酸、など));外用鎮痛剤(例えば、ベンゾカイン、ピクリン酸ブタンベン、ジブカイン、ジメチソキン(diemethisoquin)、ジクロニン、リドカイン、プラモキシン、テトラカイン、など)およびそれらのそれぞれの塩;かゆみ止め剤;細胞代謝刺激剤(例えば、パントテン酸、ナイアシン、ニコチン酸エステル、など):適切な抗座瘡剤;収斂薬;反対刺激剤(counter irritants);抗ヒスタミン剤;アゼライン酸;レチノイン酸、レチノールおよび/または誘導体;天然の油類(例えば、ホホバ油、シアバター、など);適切な生物学的成分(例えば、細胞溶解液、ヒト皮膚線維芽細胞溶解液、馴化細胞培養培地、幹細胞成分など);成長因子の混合物(例えば、Neocutis Inc,のPSP(登録商標)、SkinMedica Inc.のNouricel−MD(登録商標)、など);および/または創傷治癒剤である。
【0097】
処方物および投与の方式
当業者は、本発明の任意の組成物が少なくとも1つのカルシウム封鎖剤または結合剤を含んでもよく、かつさらに、この組成物中に存在する任意の成分を化学的に安定化し得る1つ以上の化合物を含んでもよいことを理解する。任意の成分を化学的に安定化することを補助する化合物としては限定するものではないが、メタ重亜硫酸ナトリウム;重硫酸ナトリウム;BHT;BHA;没食子酸プロピル;EDTA二ナトリウム;レモン抽出物;抗酸化剤、例としては、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその誘導体、例えば、アスコルビン酸のリン酸塩誘導体、例としては、リン酸アスコルビルナトリウムまたはリン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルアミノプロピル、および抗酸化特性を有する他の公知のアスコルビン酸のリン酸塩誘導体;ならびにトコフェロールおよびトコフェロールの誘導体、例えば、ビタミンEリン酸(VEP)ナトリウム、ラウリルイミノジプロピオン酸リン酸トコフェリル、トコフェリルグルコシド、コハク酸トコフェリル、トコフェルソラン(トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩)、ラウリミノジプロピオン酸トコフェリルリン酸二ナトリウム、トコフェレス(tocophereth)−5、10、12、18、および50(ポリエチレングリコール(PEG)トコフェリルエーテルが挙げられる。亜硫酸塩、例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、および/または重硫酸ナトリウムは特に、このような組成物に存在するヒドロキノンまたは他の化学的に不安定な(すなわち、容易に酸化される)化合物を安定化するのに有用である。一般には、この組成物は、約0.05重量%〜0.5重量%の亜硫酸塩を含んでもよい。
【0098】
本発明の化合物、組成物および処方物は、当該分野で公知の任意の方法によって投与され得る。好ましくは、本発明の組成物は、局所用の調製物または剤形として処方に従って作製される。局所用調製物は、軟膏、クリーム、ゲルおよびローションである。これらの局所剤形の定義は、Bhuse L.ら(Int J Pharm 295:2005,101−112)(参照によって援用される)に定義される。このキャリアはまた、液体、泡状物、ムース、スプレー、エアロゾル、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、三重エマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、ヒドロゲル、溶液、ペースト、ゼリー、パッチ、ワイプ、クロス、および/または分散物もしくは懸濁物であってもよい。このキャリアは、ニオソーム、リポソーム、ナノスフェア、マイクロスフェア、ナノ粒子、マイクロ粒子、脂肪滴、固体粒子、色素および/または水滴を含んでもよい。
【0099】
1つの好ましい実施形態では、このキャリアはクリームである。種々の実施形態では、このクリームは、水中油型混合物であっても、または油中水型ベースのキャリアであってもよい。別の好ましい実施形態では、このキャリアはゲルまたはヒドロゲルである。
【0100】
当業者は、本発明の組成物に対する本明細書の任意の言及が、キャリアと組み合わせてカルシウムを含まない1つ以上のリン酸塩を含んでいる任意の組成物を包含することを認識する。
【0101】
当業者はまた、本発明の任意の方法および組成物中にさらなる剤が追加されてもよいことを認識する。これらの剤としては限定するものではないが、抗菌剤(例えば、パラベン、フェノキシエタノール、クロロフェネシン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、イミダゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリノン、安息香酸カリウム、DMDMヒダントイン、など)、着色添加物、香料、感覚刺激剤、ポリマー、サーファクタント、水、油状物、ワックス、エモリエント、保湿剤などを挙げることができる。組成物の調製に関する情報は、例えば、Volume 3:Liquid Products,Volume 4:Semisolid Products and Volume 5:Over−the−Counter Products,of the「Handbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations」(編集、S.K.Niazi,CRC Press,Boca Raton,2004)に見出すことができる。さらに、美容上または薬用化粧品の組成物の調製に関する情報は、Happy Magazine(http://www.happi.com/formularyを参照のこと)の公式アーカイブに見出され得る。さらに、美容上または薬用化粧品の組成物の公式情報はまた、多様な成分の供給業者、例えば、Croda,Ciba,BASF,Dow Chemicalsなどから得てもよい。
【0102】
本発明は、皮膚色素沈着障害、例えば、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、またはヒトにおける正常もしくは異常な皮膚色素沈着に関連する任意の他の皮膚状態を処置するための皮膚に対する局所適用のための、安定でかつ刺激が全くないか少ない(すなわち、皮膚刺激が全くないかまたはごく限られており許容され得る)組成物を提供する。
【0103】
安定な組成物は、(1)適切なカルシウム封鎖剤または結合剤の濃度(単数または複数)を選択すること、(2)カルシウム塩(単数または複数)以外の剤の適切な塩型(単数または複数)を選択すること、(3)組成物のpHを調節すること、(4)組成物のための適切なタイプの処方物(例えば、液体、泡状物、ムース、スプレー、エアロゾル、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、三重エマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、ヒドロゲル、溶液、ペースト、ゼリー、パッチ、ワイプ、クロスおよび/または分散物もしくは懸濁物)を選択すること、(5)適切な成分を選択して、組成物が安定化することを可能にすること、(6)局所投与に適切な組成物について適切な容器を選択すること(例えば、チューブ、無気ポンプ、ジャー、バイアル、モノドーズ(monodose)など)、および/または(7)安定な調製物の調製を可能にする条件を選択すること(例えば、不活性ガス下での組成物の調製など)によって得ることができる。
【0104】
「安定な」という用語は、本発明の組成物に適用する場合、この組成物が、室温(約25℃)で少なくとも1カ月保持される場合に、正常な外気および光の条件(すなわち、家の居間に正常に存在するような空気および光の条件)下で平坦かつ不活性な表面に位置する(すなわち、その容器から取り出される)時に、匹敵する色を有すると規定される。
【0105】
上述の色安定性以外に、組成物の安定性とはさらに、選択された活性剤、例えば、活性薬物(例えば、カルシウム封鎖剤、ヒドロキノンなど)の物理的安定性(例えば、粘度、臭気、外見、質感など)および化学的安定性を包含し得る。化学的安定性は、HPLCまたは他の適切な分析方法を用いて評価され得る。この組成物が適切な容器(例えば、チューブ、ポンプ、ジャーなど)に入れられる(例えば、充填される)場合、その組成物は、少なくとも1年間、正常な貯蔵条件(すなわち、室温;または季節もしくは地理的地域における変化に起因する家/居間/風呂に存在する一般的な温度変動)下で化学的に安定(すなわち、ベースラインの値に比較して内容物中で±10%未満の変化)でなければならない。安定性はまた、室温(約25℃)で組成物の安定性を予測するために上昇した温度(例えば、40℃以上)で、加速条件下で試験され得る。
【0106】
本発明の組成物は、顔を含めて全身に適用(塗布)され得る。これらの組成物は、必要に応じて、あるいは慣用的なスキンケアの一部として、適用され得る。好ましくは、この組成物は、毎週適用される。さらに好ましくは、この組成物は、毎日1回、就眠前に少なくとも30分間夜に適用される。しかし、これは毎日2回適用されてもよく、ここで好ましい方式は、朝に1回、および晩に1回である。組成物が1日2回適用される場合、この組成物は、各々の適用について同じであってもまたは異なってもよい。例えば、同じ組成物を1日2回適用してもよいし、あるいは交互に、ある組成物を朝に適用して、第二の異なる組成物を晩に適用してもよい。この組成物は、任意の哺乳動物(例えば、霊長類、げっ歯類、ネコ、イヌ、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマおよびブタ))に適用されてもよい。好ましくは、この組成物はヒトに適用される。
【0107】
いくつかの実施形態では、SPF15以上を提供する日焼け止め処方物は、日光への曝露または損傷から皮膚を保護するために日中に加えて用いられる。さらに、本発明の組成物はさらに、1つ以上の日焼け止め活性剤、例えば、UV−Bフィルターおよびいくつかの実施形態では、さらに、UV−Aフィルターを提供するものを含んでもよい。適切なUV−AおよびUV−Bフィルターの例としては、米国特許第7,078,022号(参照によって本明細書に援用される)に記載されるフィルターが挙げられる。
【0108】
好ましくは、本発明の組成物は、皮膚に対する正常な量(すなわち、1cmあたり0.2〜2mgの組成物)の適用後、急速かつ清浄に(可視の残渣も有意な粘性もなく)乾燥する。
【0109】
本明細書に示されるような例は、本発明を行う種々の局面を例示する意味であって、決して本発明を限定する意図はない。他に特定しない限り、本発明の組成物中の構成成分の濃度は、この組成物の総重量に基づく%(w/w)であることが理解されるべきである。
【実施例】
【0110】
(実施例1)
本発明によって処方に従って作製される例示的な組成物を、表16に示す。これらの組成物は、本発明の有利な特徴のいくつか、すなわち、適用後の皮膚に対して温和(皮膚刺激がまったくないかまたはわずかである);顔面ならびに掌および足底以外の他の皮膚領域に対する適用(透過)の際に透明で脂ぎっていない;ならびに特にその組成物が好ましくは油中水型処方物として処方に従って作製される場合に急速乾燥する:といった特徴を提供する例示的な処方物として役立つ。
【0111】
【表16−1】

【0112】
【表16−2】

このような組成物(例えば、表16)は一般に、清浄かつ消毒されたステンレス鋼容器中で調製され、これは本明細書において下に記載されるように、ヒドロキノンを含んでいる混合産物に適切であった:
フェーズA:水の中にケルトロ−ルを分散し、全てが水和するまで混合する;残りのフェーズA成分を添加し、全てが溶解するまで混合しながら、約75℃まで加熱する。
フェーズB:フェーズB成分を別の容器中で合わせて、75℃まで加熱しながら混合する;一旦全てのワックスが融解し、かつフェーズがその温度で均一であれば、フェーズAにゆっくり添加する;35℃に冷却する
フェーズC:機械的攪拌装置でフェーズC成分を合わせて、適度に攪拌しながら混合する。
フェーズC1:フェーズC1を用いて、フェーズCのpHを4.0〜4.5に調節する。
フェーズC2:フェーズC2を合わせて、40℃にわずかに加熱しながら混合する;粉末が溶解するまで混合を続け、次いでフェーズCに添加し;おだやかに攪拌しながらフェーズCをバッチに添加する。
フェーズD:フェーズDをバッチに添加し、均一になるまで混合する;このバッチを3500RPMで5分間ホモジナイズし;インペラー混合に切り換え;室温まで冷却する。
【0113】
次いで、実施例1に記載されるように得られた組成物を、無気ポンプ容器(例えば、MegaPlastの30mlのTopFill無気ポンプ−Mega Pumps)中に充填し、次いで、最大3カ月間、加速条件(40〜50℃)の下で物理的安定性(色、臭気、粘度、pH、外観など)について試験した。この期間の間に、無気ポンプ中に充填された組成物は安定であった(すなわち、色、臭気、粘度、pHおよび外観は変わらないか、限られておりかつ許容され得る程度までのみ変化した((ベースラインから±10%))。
【0114】
実施例1に記載されるように得られた組成物は、皮膚上に脂ぎったりすることも油状の残渣を残すこともなく、皮膚への適用後1〜2分内で急速かつ清浄に(可視の残渣も有意な粘性もなく)乾燥する。
【0115】
(実施例2)
本発明によって処方に従って作製されるさらなる組成物を、表17に示す。ここでも、これらの組成物は、本発明の有利な特徴、すなわち、適用後の皮膚に対して温和(皮膚刺激がまったくないかまたはごく限られている);顔面ならびに掌および足底以外の他の皮膚領域に対する適用(透過)の際に透明で脂ぎっていない;ならびに特にその組成物が好ましくは油中水型処方物として処方に従って作製される場合に急速乾燥する:といった特徴を提供する例示的な処方物として役立つ。
【0116】
【表17−1】

【0117】
【表17−2】

このような組成物(例えば、表17)は一般に、清浄かつ消毒されたステンレス鋼容器中で調製され、これは本明細書において下に記載されるように、ヒドロキノンを含んでいる混合産物に適切であった:
フェーズA:水の中にケルトロ−ルを分散し、全てが水和するまで混合する;EDTAを添加し、全てが溶解するまで混合する;残りのフェーズA成分を添加し、全てが溶解するまで混合しながら、約75℃まで加熱する。
フェーズB:フェーズB成分を合わせて、75℃まで加熱し、全てが融解して均一になるまで混合する;
フェーズAおよびフェーズBの両方が75℃のとき、フェーズBをフェーズAに10分間攪拌混合しながら添加し、50℃まで冷却を開始する。
フェーズC:フェーズCでpHをpH4.5〜5.0まで調節し、45℃まで冷却する。
フェーズD:混合しながらフェーズDをバッチに添加し、全てが溶解し均一になるまで混合する。
フェーズE:混合しながらフェーズEをバッチに添加し、全てが溶解するまで混合する。
フェーズF:フェーズF成分を合わせて、わずかに加熱し、全てが溶解するまで混合し、このバッチに添加する。
フェーズG:フェーズGをバッチに添加し、均一になるまで混合する;
このバッチを3500RPMで5分間ホモジナイズし、インペラーミキサーに切り換え、混合する;
必要に応じてフェーズCでpHをpH4.5〜5.0まで調節する。
【0118】
実施例2に記載されるように得られた組成物を、次に、アルミニウムチューブ(またはアルミニウムでコーティングしたプラスチックチューブ)に充填し、次いでヒドロキノンの物理的安定性(色、臭気、粘度、pH、外観)および化学的安定性(HPLCによる)について加速条件(40〜50℃)下で最大3カ月間試験した。この期間の間、アルミニウムチューブに充填された組成物は安定であり(すなわち、色、臭気、粘度、pHおよび外観は変わらないか、限られておりかつ許容され得る程度までのみ変化した((ベースラインから±10%))、ならびにヒドロキノン含量は3.84%〜4.24%(重量%)の間で残った。
【0119】
実施例2に記載されるように得られた組成物は、皮膚上に脂ぎったりすることも油状の残渣を残すこともなく、皮膚への適用後1〜2分内で急速かつ清浄に(可視の残渣も有意な粘性もなく)乾燥する。
【0120】
(実施例3)
本発明によって処方に従って作製されるさらなる組成物を、表18に示す。これらの組成物は、本発明の有利な特徴、すなわち、この組成物の安定性、適用後の皮膚に対して温和(皮膚刺激がまったくないかまたはごく限られており許容され得る);顔面ならびに掌および足底以外の他の皮膚領域に対する適用(透過)の際に透明で脂ぎっていない;ならびに特にその組成物が好ましくは油中水型処方物として処方に従って作製される場合に急速乾燥する:といった特徴を提供する例示的な処方物として役立つ。
【0121】
【表18−1】

【0122】
【表18−2】

このような組成物(例えば、表18)は一般に、清浄かつ消毒されたステンレス鋼容器中で調製され、これは本明細書において下に記載されるようにヒドロキノンを含んでいる混合産物に適切であった:
フェーズA:水を秤量し、かつ70℃に加熱する
水の中にケルトロ−ルを分散し、全てが水和するまで混合する;
EDTAを添加し、全てが溶解するまで混合する;
次いで、残りのフェーズA成分を1つずつ添加し、全てが溶解するまで混合する。
フェーズB:クエン酸50%溶液をフェーズAに添加する;十分混合する;
バッチのpHをチエックする;pHは4.5〜5.0でなければならない
フェーズC:フェーズC成分を合わせる;
60℃まで加熱し、全てが融解して均一になるまで混合する;
合わせたフェーズAおよびフェーズBならびにフェーズCの両方が60℃のとき、10分間、攪拌混合しながら、合わせたフェーズAおよびBにフェーズCを添加する;45℃まで冷却を開始する。
フェーズD:混合しながらフェーズDをバッチに添加し、全てが溶解し均一になるまで混合する。
フェーズE:混合しながらフェーズEをバッチに添加し、全てが溶解するまで混合する。
フェーズF:フェーズF成分を合わせて、わずかに加熱し、全てが溶解するまで混合し、このバッチに添加する。
フェーズG:フェーズGをバッチに添加し、均一になるまで混合する;
このバッチを3500RPMで5分間ホモジナイズし、インペラーミキサーに切り換え、5〜10分間、混合する;
最終のpHをチエックする;
必要に応じてフェーズBでpHをpH4.5〜5.0に調節する。
【0123】
実施例3に記載されるように得られた組成物を、次に、アルミニウムチューブ(またはアルミニウムでコーティングしたプラスチックチューブ)に充填し、次いでヒドロキノンの物理的安定性(色、臭気、粘度、pH、外観)および化学的安定性(HPLCによる;ヒドロキノン分析についてはUSPのプロトコールに従う)について加速条件(40〜50℃)下で最大3カ月間試験した。この期間の間に、この組成物は安定であり、かつ、ヒドロキノン含量は3.84%〜4.24%(重量%)の間で残った。
【0124】
これらの組成物は、皮膚上に脂ぎったりすることも油状の残渣を残すこともなく、かつ皮膚への適用後1〜2分内で急速かつ清浄に(可視の残渣も有意な粘性もなく)乾燥する。
【0125】
(実施例4)
本発明によって処方に従って作製される組成物の皮膚耐容性試験の結果(例えば、皮膚刺激が全くないかまたはごく限られており、許容され得る)を下に示す。
【0126】
本発明の組成物は、皮膚刺激能を評価するために急性(1日)または反復性の(1日を超える)ヒト刺激パッチ試験によって評価され得る。反復性ヒト刺激性パッチ試験では、「誇張された」刺激データが得られる。なぜなら、試験物質は、それぞれ、閉塞性条件(すなわち、水を皮膚表面から空気へ拡散させない)または半閉塞性条件(すなわち、皮膚表面から空気へ限られた水の拡散を可能にする)のもとでかなり大用量(すなわち、1cmあたり>20mg)で、反復して適用されるからである。従って、反復性のヒト刺激性パッチ試験によって、異なる組成物の容易に識別される皮膚刺激(すなわち、皮膚刺激能)が可能になる。
【0127】
実施例3に記載されるように得られた組成物は、3週間の期間にわたって反復性のヒト刺激パッチ試験によって評価した(15の観察で(すなわち、皮膚刺激の重篤度についてパッチ適用部位の評価));研究の開始時にパッチ適用の前に1つの観察、続いて14の追加の観察;さらに詳細については、下の25例の被験体の背中を参照のこと。この試験は、消費者の製品試験において専門家された独立した契約組織による標準的な刺激パッチ試験に従って行った。いくつかの現在市販の皮膚美白医療用製品(4%ヒドロキノンを含む)も、比較のために同一条件下で評価した。反復性のヒト刺激パッチ試験によって、実施例3に記載されるように得られた組成物は、4%ヒドロキノンを有する一連の現在市販の皮膚美白医療用製品と同等かまたはそれよりも良好に耐容されたことが示された(図1を参照のこと)。
【0128】
図1に示されるとおり、以下の組成物を評価した:
i)実施例3に記載の組成物
ii)組成物A:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにラウリル硫酸ナトリウムおよび乳酸(OBAGI NU−DERM(登録商標)Blender(登録商標)(PM5)(OMP Inc.,Long Beach,CA 90802;Lots:6K2423および8E1677))を含んでいる組成物
iii)組成物B:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにラウリル硫酸ナトリウムおよび乳酸(OBAGI−C RX SYSTEM(商標)C−Therapy Night Cream (PM)(OMP Inc.,Long Beach,CA 908020;Lot:8E1440))を含んでいる組成物
iv)組成物C:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにグリコール酸(LUSTRA(登録商標)Hydroquinone USP 4%(Taro Pharmaceuticals U.S.A,Hawthorne,NY 10532;Lot:H8114))を含んでいる組成物。
【0129】
v)組成物D:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにラウリル硫酸ナトリウム(GLYTONE Skin Bleaching(皮膚漂白)/Clarifying(明澄化)Cream Hydroquinone USP 4%(Pierre Fabre / Genesis Pharmaceutical Inc.,Parsippany NJ 07054;Lot:1058/01))を含んでいる組成物。
【0130】
以下の標準的な方法を用いて皮膚刺激を評価した。
【0131】
肩甲骨の間の背中上部を処置領域として用いた。各々の試験材料の約0.2グラムを、接着ストリップの1インチ×1インチの吸収パッド部分に加えた。適切な処置部位に固定したとき、これらの包帯は半閉鎖的なパッチを形成した。各々の試験材料を、月曜から金曜に適切な処置部位に適用して直接皮膚接触の二十一(21)連続日を維持した。金曜日に適用したパッチは、次の月曜までn位置を維持した。試験部位の評価を各々のパッチ適用の前に行った。厳しい天候のせいで、25例の被験体のうち2例が、計画どおりに報告できなかったことに注意のこと。彼らは、そのパッチを適所に保持して翌日に戻すように指示された。試験部位が「3」以上の評価スコアを示すことが観察された場合、この部位に対する試験物質の適用は中断して、観察された「3」(またはそれ以上)のスコアを、残りの研究日について記録する。
【0132】
以下の評価キーを用いた:(0)視認可能な皮膚反応なし;(+)かろうじて知覚可能または斑点の紅斑;(1)試験部位のほとんどを覆っている軽度の紅斑;(2)中度の紅斑、軽度の浮腫の潜在的な存在;(3)顕著な紅斑、潜在的な浮腫;(4)重度の紅斑、潜在的な浮腫、小胞形成、水泡および/または潰瘍形成
(実施例5)
本発明によって処方に従って作製される組成物の色安定性の結果を下に示す。実施例1、2および3では、本発明の組成物の色は、その組成物が適切な容器に入れられている(すなわち、充填されている)場合、安定であると記載されている(例えば、特徴的な白色の組成物は、裸眼で視覚的に評価されるように上昇した温度で最大3ヶ月まで有意に変化しない)。
【0133】
本実施例では、この色安定性は、組成物をその代表的な(例えば、市販の)容器、例えば、アルミニウムチューブ、アルミニウムコーティングプラスチックチューブまたは無気ポンプから取り出した後に評価した。豆粒大の量を平坦、不活性、白色の表面(例えば、磁器性の皿)上におき、ある世帯の部屋(すなわち、居間)の正常な環境条件(すなわち、温度、光、空気など)のもとに少なくとも2週間おいておく。この組成物の色は、観察期間の開始および終わりの時点で標準的なデジタルカラー写真で文書化した。4%のヒドロキノンを有するいくつかの現在市販の皮膚美白医療用製品も、比較のために同一の条件下で評価した。
【0134】
図2に示すとおり、以下の組成物を評価した:
i)組成物A:実施例3に記載の組成物
ii)組成物B:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにレチノール(EpiQuin(登録商標)Micro(SkinMedica,Carlsbad,CA 92010))を含んでいる組成物。
【0135】
iii)組成物C:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらに0.01%のフルオシノロンアセトニドおよび0.05%のトレチノイン(Tri−Luma(登録商標)Cream(Galderma Laboratories,Forth Worth,TX 76177))を含んでいる組成物。
【0136】
iv)組成物D:4%ヒドロキノンを有しており、かつさらにラウリル硫酸ナトリウムおよび乳酸(OBAGI NU−DERM(登録商標)Blender(登録商標)(PM5)(OMP Inc.,Long Beach,CA 90802))を含んでいる、組成物。
【0137】
この組成物を、それらの代表的な容器から取り出し、そして磁器性の皿上におき、ある世帯の部屋(すなわち、居間)の正常な環境条件(すなわち、温度、光、空気など)のもとに17日間おいておいた。本発明の組成物(組成物A)は、写真で判定しても、または視覚的に判定しても、17日後に、なんら有意な色の変化を示さなかった。しかし、組成物B、CおよびDは全てが、17日後に、有意な(すなわち、明らかに可視の)色の変化を示した(すなわち、色は、白色から茶色もしくは茶色っぽく変化しているか、またはより濃く、さらに茶色っぽく、もしくは濃い黄色になっている)。これらの色変化は、時間とともに可視になった。色の変化は主に、組成物B、CおよびDの構成要素であるヒドロキノンの酸化に起因する。ヒドロキノンはまた、組成物Aの構成要素でもあるが、このように、この実験では、組成物Aのヒドロキノンは、この実験の条件下では安定であることが示される。
【0138】
組成物B、CおよびDについて本実施例に記載される色の変化は一般に、この組成物がその代表的な容器の外側にある場合に生じるが、このような色の変化は、その製品の有効性に影響し得るので、これらの観察された色の変化は、所望されない(すなわち、組成物は、皮膚に適用された後に、空気および光に曝されている)。さらに、これらの色の変化は、組成物の最初のおよび全ての引き続く使用後、容器の外側(例えば、チューブの出口またはポンプのヘッド)に、ある程度の組成物が一旦接着されれば、短時間で生じる。これらの要因の全てによって、この組成物は使用が望ましくなくなり、これは結果として、処置の推奨の経過に対する患者の順守(すなわち、患者のコンプライアンス)に影響し、従って効果的な処置の結果の可能性を低下させる。
【0139】
(実施例6)
実施例1、2および3に記載されるように得た組成物を、皮膚色素沈着障害、例えば、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、またはヒトにおける正常な皮膚色素沈着、例えば皮膚の色、もしくは異常な皮膚色素沈着、例えば、低色素沈着もしくは色素沈着過剰に関連する任意の他の皮膚状態を処置するのにおける、耐容性および有効性について評価した。この組成物は一般には、晩に1日1回(就寝前少なくとも約30分)または朝および晩に1日2回、罹患した皮膚領域(単数または複数)に適用された。少なくとも15という太陽光線保護指数(sun protection factor)(SPF15)を提供する日焼け止め剤(例えば、JOURNEE Bio−restorative Day Cream by Neocutis Inc.,San Francisco,CA 94123)を、日中用いて、皮膚を太陽から保護した。この組成物を日中用いた場合、この被験体は、この組成物を適用した後に、日焼け止め剤を塗布するように指示された(優先的に、この組成物の適用後少なくとも30分)。
【0140】
この研究は少なくとも3ヶ月(すなわち、12週)続き、皮膚色素沈着障害の重篤度に依存してより長期間にわたって継続した。表皮の黒皮症は、約1〜3ヶ月内に処置され得る(すなわち、適用部位で皮膚色素沈着が視覚的に減少する)が、真皮の黒皮症、混合型黒皮症、炎症後色素沈着過剰(例えば、皮膚の火傷、創傷、座瘡、特定の医薬の使用、皮膚炎などに関連するような皮膚の炎症後に由来する色素沈着過剰)、皮膚老化に起因する色素沈着変化(例えば、そばかす、年齢によるしみまたは肝斑など)またはヒトにおける正常な皮膚色素沈着、例えば皮膚の色(例えば、ヒスパニック、アジア、アフリカ、またはアメリカ/アフリカ起源の個体の皮膚)、もしくは異常な皮膚色素沈着、例えば、低色素沈着もしくは色素沈着過剰に関連する任意の他の皮膚状態は、本発明によって処方に従って作製された組成物を用いる場合、一般には結果(すなわち、適用部位で皮膚色素沈着が視覚的に減少する)を確認するために少なくとも3ヶ月の処置期間を要する場合がある(最終的には日焼け止め剤の使用と組み合わせて)。
【0141】
本発明によって処方に従って作製された組成物の有効性を示している結果を図3に示す。
【0142】
実施例1に記載の組成物での研究:
被験体が、JOURNEE Bio−restorative Day Cream (offering SPF30+)しか使用できない1ヶ月のウオッシュアウト期間後、被験体は、穏やかな皮膚クレンザー(cleanser)(すなわち、NEO−CLEANSE Gentle Cleanser(Neocutis))で顔を洗った後に、顔全体に1日2回(朝晩)実施例1に記載の組成物を適用(塗布)した。朝には、彼らは、JOURNEE Bio−restorative Day Creamの使用を継続した。
【0143】
全体的な黒皮症重篤度の評価は、以下の4−ポイントのビジュアルスコアリングシステムによって研究者が行った:0=なし(黒皮症病変の色は、周囲の皮膚の色に近い;1=軽度(色は、正常な皮膚の色よりわずかに濃い);2=中度(色は中度に濃い);および3=重度(色は、周囲の正常な皮膚よりも顕著に濃い)。さらに、黒皮症は、いわゆるMASI指数(Arch Dermatol 130,1994,727−733を参照のこと)の補助で定量した。
【0144】
顔面の3つの領域を評価した:前額部(F)、頬部(M)、および顎部(C)は、顔全体のうち30%、60%および10%に相当する。前額部、頬部および顎部の領域における黒皮症の関与は、数値を与えた(A、A、A):0=関与なし;1=10%未満の関与;2=10%〜<30%;3=30%〜<50%;4=50%〜<70%;5=70%〜<90%;6=90%〜100%。重篤度は、2つの要因に基づいた:正常な皮膚と比較した黒皮症の濃さ(D);および色素沈着過剰の同質性(H)。患者は、以下のとおり0〜4のスケールで評価した;濃さ(D)のスケール:0=なし;1=わずか;2=軽度;3=顕著;4=最大;および同質性(H)スケール:0=最小;1=わずか;2=軽度;3=顕著;4=最大。MASIスコアを評価するために、濃さ(D)および同質性(H)の重篤度評点の合計に、関与するそれぞれの領域(A)の数値を、および3つの顔面領域の種々の割合を掛けた。これらの値を追加して、以下のようにMASIスコアを得た:MASI=0.3(D+H)A+0.6(D+H)A+0.1(D+H)A。さらに、年齢によるしみおよび肝斑の数は、顔でカウントした。それらの評価は、それぞれ、研究の開始時(すなわち、ウオッシュアウトピリオドの前)、1ヶ月のウオッシュアウトピリオド後(すなわち、組成物での処置の開始前)、および研究期間の終わり(すなわち、組成物の使用の12週後)に行った。
【0145】
【表19】

表19は、皮膚色素沈着の障害および疾患を処置するのにおける実施例1に記載された組成物の有効性を示す。研究を終了した5例の女性被験体からのベースライン(すなわち、ウオッシュアウト前のデータ)からの減少における平均および標準偏差は、ベースラインからの減少のパーセンテージ(%)で示す。
【0146】
本研究によって、この組成物は、黒皮症の重篤度および顔面の年齢によるしみおよび肝斑の数(および強度)の減少をもたらすことが示される。従って、この組成物は、皮膚色素の障害および疾患の症状を処置(すなわち、軽減する)のに有効である。この組成物はさらに、全ての被験体で十分に耐容され;そして座瘡形成/面皰易形成性応答を生じなかった。本研究でさらに示されるとおり、日焼け止め剤(すなわち、JOURNEE Bio−restorative Day Cream)の使用は単独では、皮膚色素沈着の障害および疾患の症状の任意の有意な軽減を生じなかった。
【0147】
実施例3に記載される組成物での研究:
被験体は、穏やかな皮膚クレンザー(すなわち、GaldermaのCetaphil)で顔を洗浄した後にその顔の右側に、または左側に(その側は、無作為に割り当てた)実施例3に記載される組成物を1日1回晩に適用(塗布)された。朝には、彼らは、さらにJOURNEE Bio−restorative Day Creamを用いた。
【0148】
全体的な黒皮症重篤度の評価は、以下の4ポイントのビジュアルスコアリングシステムによって研究者が行った:0=なし(黒皮症病変の色は周囲の皮膚の色と近い);1=軽度(色は、正常な皮膚の色よりわずかに濃い);2=中度(色は中度に濃い);および3=重度(色は、周囲の正常な皮膚よりも顕著に濃い)。さらに、黒皮症は、いわゆるMASI指数(Arch Dermatol 130,1994,727−733を参照のこと)の補助で定量した。顔面の3つの領域を評価した:前額部(F)、頬部(M)、および顎部(C)は、それぞれ、顔全体のうち30%、60%および10%;または顔半分のうち15%、30%および5%に相当する。前額部、頬部および顎部の領域における黒皮症の関与は、数値を与えた(A、A、A):0=関与なし;1=10%未満の関与;2=10%〜<30%;3=30%〜<50%;4=50%〜<70%;5=70%〜<90%;6=90%〜100%。重篤度は、2つの要因に基づいた:正常な皮膚と比較した黒皮症の濃さ(D);および色素沈着過剰の同質性(H)。患者は、以下のとおり0〜4のスケールで評価した;濃さ(D)のスケール:0=なし;1=わずか;2=軽度;3=顕著;4=最大;および同質性(H)スケール:0=最小;1=わずか;2=軽度;3=顕著;4=最大。顔面半分(half−face)についてMASIスコア(MASIHalf−Face)を算出するために、濃さ(D)および同質性(H)の重篤度評点の合計に、関与するそれぞれの領域(A)の数値を、および3つの顔面領域の種々の割合を掛けた。これらの値を追加して、以下のようにMASIスコアを得た:MASI=0.15(D+H)A+0.3(D+H)A+0.05(D+H)A。それらの評価は、それぞれ、研究の開始時(すなわち、組成物での処置の開始の前)、および研究期間の終わり(すなわち、組成物の使用の12週後)に行った。
【0149】
【表20】

表20は、皮膚色素沈着の障害および疾患を処置するのにおける実施例3に記載された組成物の有効性を示す。この研究を終了した10例の女性被験体からのベースライン(すなわち、組成物での処置の開始前のデータ)からの減少における平均および標準偏差は、ベースラインからの減少のパーセンテージ(%)で示す。
【0150】
図3は、本発明の化合物(例えば、実施例3に記載の組成物)を用いる患者の皮膚における色素沈着の低減を示している写真である。パネルAは、本発明の化合物の投与の前の患者の皮膚における色素沈着過剰を示す。パネルBは、本発明の組成物での処置の12週後の皮膚色素沈着の低減を示す。
【0151】
本研究の結果、この組成物は、顔面の処置領域における黒皮症の重篤度の低減をもたらすことが示される。従って、この組成物は、皮膚色素沈着の障害および疾患の症状を処置する(すなわち、減少する)のに有効である。この組成物はさらに、全ての被験体で十分に耐容され;そして座瘡形成/面皰易形成性応答を生じなかった。
【0152】
実施例2に記載される組成物での研究:
有用性研究で多様に示されるとおり、実施例2に記載されるように得られた組成物はまた、皮膚色素沈着障害、例えば、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、またはヒトにおける正常な皮膚色素沈着、例えば皮膚の色、もしくは異常な皮膚色素沈着、例えば、低色素沈着もしくは色素沈着過剰に関連する任意の他の皮膚状態を処置するのにおいて十分に耐容かつ効果的であることが示された。女性および男性のヒト被験体がこの研究に含まれた。
【0153】
これらの研究によって、実施例1、2および3に記載されるように得られた組成物は、皮膚色素沈着の障害および疾患の症状を処置する(すなわち、低減する)ために有効であり、使用条件下で十分に耐容されることが示された。
【0154】
(実施例7)
ヒトでの研究によって、実施例3に記載の組成物は、座瘡形成/面皰易形成性応答を生じないことが示された。従って、本組成物の使用は、面皰/座瘡の数および重篤度の有意な増大を生じなかった。
【0155】
研究の開始の前に、各々の被験体を試験して、顔面の皮膚状態を、非炎症性および炎症性の病変のカウントを含めて、記録した。面皰/座瘡の重篤度は、以下の病変カウントカテゴリーによって決定した:
グレードI(軽度)=面皰10個未満(例としては、開口:黒い頭部(blackheads);閉鎖:微小丘疹および白い頭部(whiteheads)および/または顔面の片側または両側上の炎症性丘疹落屑性発疹)。
【0156】
グレードII(中度)=10〜25個の面皰(例としては、開口:黒い頭部;閉鎖:微小丘疹および白い頭部)および/または顔面の片側または両側上の炎症性丘疹落屑性発疹)。
【0157】
グレードIII(重度)=25個を超える面皰(例としては、開口:黒い頭部;閉鎖:微小丘疹および白い頭部)および/または顔面の片側または両側上の炎症性丘疹落屑性発疹)。
【0158】
被験体は、組成物での処置(晩に1日1回)の前および4週後に評価した。ベースラインと最終の皮膚科学の評価の間の相違は、偶然によってその結果を得る確率が、分散分析および/または適切なt検定の統計学を用いて0.05以下である場合に統計学的に有意差とみなした。顔面皮膚条件および病変カウントの全ての評価は、有資格の皮膚科医(Board Certified Dermatologist)によって行った。本研究は、独立した臨床研究機関によって行った。
【0159】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と組み合わせて記載してきたが、前述の説明は、例示であって、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定しないものとする。他の局面、利点および改変は添付の特許請求の範囲の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのカルシウム封鎖剤またはカルシウム結合剤を含んでいる、皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのカルシウム封鎖剤またはカルシウム結合剤がカルシウムを含まないリン酸塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記リン酸塩がグリセロリン酸またはそのカルシウム以外の塩である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記リン酸塩がグリセロリン酸ナトリウムである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカルシウム封鎖剤またはカルシウム結合剤が、約0.1重量%〜約25重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記カルシウムを含まないリン酸塩が約1重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物がさらに、メラニン生成の少なくとも1つの段階を変調または調節する少なくとも1つの追加の剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの追加の剤が、L−アラニン、グリシン、L−イソロイシン、L−ロイシン、ヒドロキノン、4−(1−フェニルエチル)1,3−ベンゼンジオール、アルブチン、ベアベリー葉抽出物、コウジ酸、オキシレスベラトロル、グネトール、メラノソーム移行インヒビター、およびα−MSHアンタゴニストからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がさらに、少なくとも1つの皮膚保湿および皮膚再生剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記皮膚保湿および皮膚再生剤が、アスコルビン酸、ビタミンE、ホホバ油、シアバター、ヒト線維芽細胞溶解物、レチノイン酸、レチノールおよびその任意の誘導体からなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、それを必要とする被験体に対する局所投与に適切である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、溶液、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、ゲル、軟膏、パッチ、ペースト、液体、泡状物、ムース、スプレー、エアロゾル、三重エマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、ヒドロゲル、ゼリー、分散物、懸濁物およびテープの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、実質的にカルシウムを含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、安定であり、座瘡形成性応答も面皰易形成性応答も引き起こさず、該被験体において生じる皮膚刺激が最小である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
皮膚色素沈着障害を処置または緩和する方法であって、それを罹患している患者に対して請求項1に記載の組成物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項16】
前記皮膚色素沈着障害が、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、年齢によるしみまたは肝斑、そばかす、低色素沈着、および色素沈着過剰からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記患者がヒトである、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が前記患者に局所投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
投与後、前記組成物が、前記患者における皮膚の色素沈着を低減した、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
請求項1に記載の組成物および少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリアを含んでいる薬学的処方物。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物および少なくとも1つの美容上許容され得るキャリアを含む美容的処方物。
【請求項22】
1つ以上の容器中に、請求項20に記載の薬学的処方物を含んでいるキット。
【請求項23】
1つ以上の容器中に、請求項21に記載の美容的処方物を含んでいるキット。
【請求項24】
前記皮膚色素沈着の障害または状態の処置または緩和における薬学的処方物の使用のための説明書をさらに備える、請求項22に記載のキット。
【請求項25】
前記皮膚色素沈着の障害または状態の処置または緩和における美容的処方物の使用のための説明書をさらに備える、請求項23に記載のキット。
【請求項26】
請求項1に記載の治療上有効な量の組成物を含んでいる、単位剤形。
【請求項27】
患者における皮膚色素沈着を軽減する美容的な方法であって、該患者に対して請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項28】
前記組成物の前記有効量が、前記患者に対して局所投与される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物であって、59.68%(重量として)の水、0.1%(重量として)のEDTA二ナトリウム、0.3%(重量として)のキサンタンゴム、0.3%(重量として)のクロルフェネシン、0.6%(重量として)のフェノキシエタノール、0.5%(重量として)のウンデシレノイルフェニルアラニン、3.00%(重量として)のグリセロリン酸ナトリウム、1.00%(重量として)のロイシン、6.00%(重量として)のセテアリルアルコール/セテアレス−20、6.00%(重量として)のステアリン酸グリセリル、3.00%(重量として)のアジピン酸ジイソプロピル、3.00%(重量として)のカプリリルメチコン、1.00%(重量として)のジメチコン、1.00%(重量として)のsimmondsia chinensis(ホホバ)種子油、1.00%(重量として)のbutryospermum parkiiのシアバター)、0.2%(重量として)のDL−αトコフェロールアセテート、1.92%(重量として)のクエン酸50%溶液、4.00%(重量として)のヒドロキノン、0.4%(重量として)のメタ重亜硫酸ナトリウム、2.00%(重量として)のグリセリン、0.5%(重量として)のフェニルエチルレゾルシノール、0.5%(重量として)のリン酸アスコルビルアミノプロピル、および4.00%(重量として)のヒドロキシエチルアクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート60を含んでいる組成物。
【請求項30】
前記組成物が、油中水型エマルジョンとして処方に従って作製される、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
皮膚色素沈着の障害または状態の少なくとも1つの症状を処置または緩和するための組成物であって、63.41%(重量として)の水、0.1%(重量として)のEDTA二ナトリウム、0.3%(重量として)のキサンタンゴム、0.3%(重量として)のクロルフェネシン、0.6%(重量として)のフェノキシエタノール、0.5%(重量として)のウンデシレノイルフェニルアラニン、3.00%(重量として)のグリセロリン酸ナトリウム、1.00%(重量として)のロイシン、1.92%(重量として)のクエン酸50%溶液、8.25%(重量として)のセテアリルアルコール/セテアレス−20、6.00%(重量として)のステアリン酸グリセリル、5.00%(重量として)のアジピン酸ジイソプロピル、3.00%(重量として)のカプリリルメチコン、1.00%(重量として)のジメチコン、1.00%(重量として)のsimmondsia chinensis(ホホバ)種子油、1.00%(重量として)のbutryospermum parkiiのシアバター)、0.2%(重量として)のDL−αトコフェロールアセテート、2.00%(重量として)のグリセリン、0.5%(重量として)のフェニルエチルレゾルシノール、0.5%(重量として)のリン酸アスコルビルアミノプロピル、および0.42%(重量として)のヒドロキシエチルアクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート60を含んでいる組成物。
【請求項32】
前記組成物が、油中水型エマルジョンとして処方に従って作製される、請求項33に記載の組成物。
【請求項33】
治療における使用のための請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
皮膚色素沈着障害を処置または緩和する方法における使用のための請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
前記皮膚色素沈着障害が、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、皮膚老化に起因する色素沈着変化、年齢によるしみまたは肝斑、そばかす、低色素沈着、および色素沈着過剰からなる群より選択される、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記患者がヒトである、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が、前記患者に局所的に投与される、請求項35に記載の組成物。
【請求項38】
投与後、前記組成物が前記患者において皮膚色素沈着を低減させた、請求項35に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−515218(P2012−515218A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546372(P2011−546372)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/021127
【国際公開番号】WO2010/083368
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(504305809)
【Fターム(参考)】