説明

皮膜生成薬効組成物

【課題】従来の医薬品・医薬部外品・化粧品を含めて外用剤は直接患部に塗布するかハップする等の製剤であったが、薬剤等の耐久性や保持性或いは皮膚障害の発生等の難点が在った。
【解決手段】皮膜生成能を有する組成物と薬交組成物を組合せたスプレー若しくはミストの剤型で其布類に噴霧し皮膜生成させる事により同一箇所にも再使用出来、これ等の問題点が解決出来る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は皮膜生成薬効組成物に関するものであり、更に詳しくは皮膜形成組成物・薬効組成物からなるエアゾール製剤を噴霧し其布類に付着させ使用し薬効効果を増大させる皮膜生成薬効組成物である。
【従来技術】
【0002】
従来の薬効を呈する製剤品は効能効果を目的として直接皮膚に付着させる液、クリーム、軟膏、ジェルやスプレー、ミスト製剤の外用剤としての医薬品・医薬部外品等や錠剤・粉剤・顆粒・液剤等の経口投与・注射剤等や更には外用剤でも絆創膏、ハップ剤や頭髪用エアゾール等の剤型が知られて居る。
【0004】
然しながらこれ等の内、直接皮膚に塗布又は付着させる製剤では薬効組成物の持続効果が比較的短く或いは使用感が満足されず、経口・注射・座剤では一般的に副作用の発生や技術的な応用が難く不便であり、薬効成分を固着した絆創膏・ハップ剤、或いは液やクリーム剤を生地に固着させ患部に使用する方法は皮膚との密着性が強く痒み等の皮膚障害の発生する事等も知られて居り、更に頭髪用エアゾールでは頭髪のヘアスタイル整髪に使用する際、噴霧飛散も激しく不要な部分への固着等の状況が知られて居る。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然るに本発明では鋭意研究した結果、直接皮膚に付着する外用薬剤や経口・注射に依る問題点と不便さ等を改良する組成物を提案するに到ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、皮膜形成組成物と薬効組成物の配合溶液を溶剤と噴射剤の組成物を包含するエアゾール組成物として充填し使用時に其布類に噴射塗布して患部等に使用する事で目的が達成出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
茲で云う皮膜形成組成物とはエアゾール充填に供する噴射剤或いは溶剤に溶解・混合出来る性状の樹脂組成物が示される。通常使用される噴射剤又は溶剤はDME・LPG等の可燃性液化ガスや代替フロン等の液化ガス或いは炭酸ガス等の圧縮ガス等或いはアルコール成分・水及び乳化剤が例示され、これ等の単独又は組合せ組成物の性状に適応し溶解又は分散する性状の合成樹脂組成物であり、陰イオン性・陽イオン性・非イオン性又は両性樹脂が知られて居り、例えば(メタ)アクリル酸及び其の誘導体・アクリル酸アルキルエステル・ビニルエーテル・酢酸ビニル・マレイン酸系単量体等を包含する重合体が使用され、更にガラス転移点調整の可塑剤も包含される。
【0008】
これ等噴射剤・溶剤と樹脂類の一般的な技術的範囲及び組成や成分比率等の開示は、例えば特公昭50−6538号、同51−27740号、特開昭61−229814号、同63−183517号、同63−243018号、特開平04−108720号、同05−17324号、同05−85918号、同05−255050号、同05−310538号、同06−128377号、同06−172144号、同08−26938号、同09−183715号、同09−249722号、2000−154124号、2001−518485号、2002−507558号、2004−256491号等に見られる。
【0009】
薬効組成物は消炎鎮痛剤・皮膚疾患剤・抗菌剤・其の他径皮吸収機能を有する医薬品・医薬部外品・農薬であり、効能では制汗剤・育毛剤・人体用害虫忌避剤・殺虫剤・保湿剤・美白剤・抗シワ剤・発毛抑制剤・除毛剤・香水・消臭剤・発熱−冷刺激剤等人体の皮膚及び皮膚表面に直接使用する化粧品、家庭用品として使用される殺虫剤・除菌剤・消臭剤、防ダニ・防虫剤・害虫忌避剤等の農薬・動物用医薬品、工業用・家庭用洗剤や漂白剤・染み抜き剤が例示される。これ等の薬効組成物は化学合成品・抽出天然物・醗酵・培養生成物・無機金属から成る単独又は組合せで用いて良い。
【0010】
これ等の具体例を明示すると例えば消炎鎮痛剤はインドメタシン・ジクロフェナック・イブプロフェン等が、皮膚疾患剤は乾癬ではステロイド・ビタミンD、ニキビ類では抗炎症剤、白癬菌にはトリコフィトン等が、抗菌剤ではクロルヘキシジン・ヨード等、制汗剤はステアリルアルコール・硫酸アルミニウム・香料が、害虫等忌避剤は虫除け・ハト・犬猫等に使用されるカプサイシン・メントール等が、保湿剤には非ステロイド・ラノリン・ワセリン・アズノール・動植物性油脂・ヒアルロン酸・尿素類等が、美白剤にはハイドロキノン・アルブチン・ビタミンC誘導体等が、抗シワ剤にはユビキノン・ビタミンA等が、体毛の発毛抑制剤は頭髪育毛に使用される5−αーリダクターゼ阻害物質等が、農薬では殺虫剤でクロチアニジン・クロルピリホス等、殺菌剤でマンネブ・エクロメゾール等が、除草剤でクマリン・ジベレリン等が例示され、其の他各々に利用されて居る従来既知の化合物を用いる事が出来る。
【0011】
本発明で云う其布類は人体の皮膚に直接接する生地を示す場合、例えば上肢に使用する手袋・サポーター・肌着類、下肢に使用する肌着類・靴下・ストッキング・パンティストッキング類やスリップ・キャミソール・ブラジャー・ショーツ等のインナーウエアー類、更には患部に使用するフィルム・包帯類又は顔・頭に供する袋・マスク、幼児用のオムツ、女性用生理用品等を示し、これ等の材質はナイロン・ウレタン・ポリステル・絹・綿・紙等の合成繊維・天然繊維の単独か多種の組合せで製造されたもので良い。
【0012】
更に本発明品を生活用具等に使用する場合には、台所・家具・キッチン・トイレ・浴室や或いは公衆衛生場の各場所等の場合には対象となる生地が金属製・セメント・木工等に到って包含される。
【0013】
本発明では、前述した樹脂若しくは薬効組成物以外に各種組成物(例えばエアゾールでは噴霧状に噴射する場合や泡沫状にスプレー化する添加剤等)の配合安定性(酵素の場合にはグリセリン等・微小の無機金属には流動化剤)や機能向上(油性化合物ではサイクロデキストリン等の包摂化合物やべた付き防止剤)をもたらす原料化合物を適宜組合せて任意に用いて良い。
【0014】
本発明で云う患部等とは単に疾患を示す部位に限らず其の範囲は、薬事法で示される化粧品・医薬部外品、農薬・動物用医薬品や家庭生活する上で保護・予防・改善を必要とする道具・器具・構造物類に及び其れらの分野も含まれる。
【0015】
更に本発明でのエアゾール製剤とは「スプレー」「ミスト」「泡沫」の形状を示すものであり、噴射剤によって霧状・液状・泡状に噴射されて良い。
【実施例】
【0016】
次に本発明を実施例によって説明するが、本発明は実施例による範囲に限定されるものでない。
【実施例1〜5】

【実施例6〜10】
【0017】


【実施例11〜20】
【0018】
前記実施例1〜10で得られた薬効組成物を含有した皮膜形成組成物をナイロン製パンティストッキングに噴霧し乾燥した後使用した。使用後市販洗剤(花王製合成洗剤)を適量添加した40〜45℃の温水で手洗いすると樹脂皮膜成分が残存する事無く洗浄された。これ等を乾燥して再度同様に使用する事が出来た。
【発明の効果】
【0019】
以上の様に本発明で製造した薬効組成物を含有する皮膜形成組成物を噴霧し乾燥したエアゾール剤の使用は、従来の皮膚外用剤に比して不便さ・障害も無く、更には必要に応じて繰り返し使用が可能で且含有する薬効組成物の効果を長時間失う事無く容易に使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膜形成組成物・薬効組成物からなるエアゾール製剤を噴霧し其布類に付着させ使用することから成る皮膜生成薬効組成物

【公開番号】特開2010−18598(P2010−18598A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204794(P2008−204794)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(599038374)太陽産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】