説明

皮質骨頚椎スミス−ロビンソン融合インプラント

【課題】スミス-ロビンソン頚椎融合術で使用される、実質的に皮質骨で構成されたインプラントを提供する。
【解決手段】インプラントは、同種骨源または自家骨源から得られ、本発明の方法に従って、内部を貫通する導管を有する対称形状または非対称形状(たとえば、実質的に「D」字状)のインプラントを形成するように切削され、互いに隣接する頚椎の間の空間に挿入され、これらの隣接する椎骨を支持し融合を誘導する。インプラントの導管に骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を充填し、椎骨融合を推進すると共に自生骨内成長を可能にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.0 発明の背景
1.1 発明の分野
本発明は、スミス-ロビンソン(Smith-Robinson)頚椎融合術で使用される皮質骨インプラントと、この皮質骨インプラントの製造法および使用法とに関する。
【背景技術】
【0002】
1.2 背景技術
少なくとも1950年代半ばから後半から、外傷、椎間板ヘルニア、または脊椎分離症によって生じる頸、腕、および肩の慢性的な痛みを軽減するために前頚椎融合が行われている(RobinsonおよびSmith、1955年、SmithおよびRobinson、1958年)。スミス-ロビンソン頚椎融合と呼ばれるこの従来型の処置では、蹄鉄状のグラフトを使用して椎骨融合を推進する(Robinson等、1962年)。Cloward技法は海綿状骨ダウエルを使用し(Cloward、1958年)、Bailey-Badgley術ではストラットが使用される(BaileyおよびBadgley、1960年)。これらの処置によって使用される様々なインプラントの圧縮荷重能力を比較する研究で、スミス-ロビンソングラフトが最大で344N、Clowardダウエルが最大で188N、Baily-Badgley型が最大で195Nの荷重を支持できることが判明した(WhiteおよびHirsch、1972年)。修正されたスミス-ロビンソン術では、蹄鉄状のインプラントが、その皮質端が後方に位置するように挿入される。この処置によって、融合率が高まり、同時に、Clowardダウエルを用いたときに場合によっては経験されるグラフトの圧出および破壊が低減することが報告されている(WhitecloudおよびDunsker、1993年)。しかし、これらの処置によって達成される成功率および軽減率を評価した最近の研究では、どの方法またはインプラントを使用するかにかかわらず、成功率(融合、患者の改善、および合併症のないこと)が100%未満であることが判明した(Grooms等、1996年)。
【0003】
米国特許第5306309号(特許文献1)は、対向する2つの側面および対向する2つの横面を有し、凸状に湾曲した前面および後面を含み、椎間空間に移植される矩形固体を画定するように構成された、生体適合性合成材料の固体本体を備える椎間板インプラントを開示している。椎骨形態および椎間形態の議論は引用によって本明細書に組み入れられる。
【0004】
米国特許第5609635号(特許文献2)は、椎間空間に挿入されるくさび状金属ケージを備える前湾両受体脊椎融合インプラントを開示している。
【0005】
米国特許第5306307号(特許文献3)は、歯付き縁部を有するセラミック椎間板インプラントを開示している。
【0006】
これらの参考文献のうちで、脊椎荷重を支持し、固定中に脊椎に置換される骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を充填することのできる実質的に「D」字状またはパン塊状構造を有する皮質骨椎間インプラントを開示している文献はない。したがって、本発明は、インプラントと、前頚椎融合による術後合併症の回避との両方を改良する技術分野での要求に対処する。本発明は、スミス-ロビンソン術に従って移植されたときに前頚椎融合を実現するうえで使用される新規の皮質骨インプラントを提供する。また、骨の固有の性質に鑑みて、本発明は、実質的に「D」字状の皮質骨インプラントを製造するためのユニークな方法および装置を含む。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5306309号明細書
【特許文献2】米国特許第5609635号明細書
【特許文献3】米国特許第5306307号明細書
【発明の開示】
【0008】
2.0 発明の概要
スミス-ロビンソン頚椎融合術で使用される、実質的に皮質の骨で構成されたインプラントを提供する。本発明の方法によれば、このインプラントは、同種皮質骨源または自家皮質骨源から得られ、骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を充填することのできる導管を有する実質的に「D」字状またはその他の適切な形状のインプラントを形成するように切削される。インプラントは、互いに隣接する頚椎を支持しその融合を誘導するために、互いに隣接する椎骨同士の間の空間に挿入される。
【0009】
本発明(1)は、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントである。
本発明(2)は、凸状に湾曲した皮質骨前面と、該凸状に湾曲した皮質骨前面と一体化された実質的に直線状の3つの皮質骨面とに囲まれた導管を備える、実質的に皮質骨からなる本発明(1)記載のインプラントである。
本発明(3)は、実質的に「D」字状の外形を有する本発明(2)記載のインプラントである。
本発明(4)は、該導管が実質的に「D」字状である本発明(2)記載のインプラントである。
本発明(5)は、頂面、底面、またはその両方上に外側フィーチャをさらに有する本発明(2)記載のインプラントである。
本発明(6)は、外側フィーチャが少なくとも1つの溝または歯である本発明(5)記載のインプラントである。
本発明(7)は、外側フィーチャが、凸状に湾曲した前面の方へ傾斜する一連の歯である本発明(6)記載のインプラントである。
本発明(8)は、骨形成組成物、骨誘導組成物、または骨伝導組成物が導管内に充填される本発明(1)記載のインプラントである。
本発明(9)は、インプラントが挿入される椎間空間から得られる骨形成組成物、骨誘導組成物、または骨伝導組成物が、ヒドロキシアパタイト、骨粉末、骨生成物、骨形態発生タンパク質、バイオアクティブ・ガラス、バイオアクティブ・セラミック、またはこれらの組合せである本発明(8)記載のインプラントである。
本発明(10)は、実質的に皮質骨からなる不連続壁を備え、該不連続壁が、組合されたときに該形状を形成する鏡像半部である、本発明(1)記載の少なくとも1つのインプラントである。
本発明(11)は、実質的に皮質骨からなる積重ねインプラントを備え、該インプラントが、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有する積重ねインプラントを形成する、本発明(1)記載の少なくとも1つのインプラントである。
本発明(12)は、積重ねインプラントが互いにピン止めされる本発明(11)記載の少なくとも1つのインプラントである。
本発明(13)は、実質的に、互いの頂面に積み重ねられるか、または互いに隣接する少なくとも2つの形削りされた皮質骨インプラントからなるインプラントである。
本発明(14)は、形削りされた皮質骨インプラントが、互いに隣接する椎骨間に形成された適切な寸法のキャビティに移植できる単体インプラントを形成するように適合される本発明(13)記載のインプラントである。
本発明(15)は、皮質骨インプラントが皮質骨ピンによって互いにピン止めされ、ピンが、生体適合性合成材料または金属ピンからなる本発明(14)記載のインプラントである。
本発明(16)は、形削りされた皮質骨インプラントが、所望の形状の2つの鏡像半部である本発明(13)記載のインプラントである。
本発明(17)は、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを製造する方法であって、
(a)中央ドリル・ビットを有するコア・カッタを使用し、それによって、コア・カッタを用いて得られる骨プラグを貫通する導管を形成することによって、実質的に皮質骨からなる骨のプラグを得る段階、
(b)段階(a)の骨プラグを切削し、「座金状」骨プラグを作製する段階、
(c)骨プラグを貫通する導管を切削し、導管内に非対称形状を形成する段階、および
(d)該非対称形状を使用して骨プラグの外形を切削する段階を含む方法である。
本発明(18)は、骨プラグが、管状骨の骨幹および該管状骨の髄内管を切断し、実質的に皮質の端部と、髄内管の壁から得られる端部とを有する骨プラグを形成することによって得られる本発明(17)記載の方法である。
本発明(19)は、髄内管から得られた骨プラグの端部を切削して実質的に平面状の表面を形成し、実質的に皮質骨で構成された実質的に「座金状」の骨プラグを得る本発明(18)記載の方法である。
本発明(20)は、導管をブローチングし、骨プラグを貫通する非対称形状を形成することによって、該導管を非対称形状に形成する本発明(19)記載の方法である。
本発明(21)は、非対称形状が実質的に「D」字状である本発明(20)記載の方法である。
本発明(22)は、実質的に「D」字状の導管を有する骨プラグを、骨プラグの外形が該導管の形状と実質的に整合するようにさらに切削する本発明(20)記載の方法である。
本発明(23)は、さらなる切削が、骨プラグを非対称形状のといし車に接触させることを含む本発明(20)記載の方法である。
本発明(24)は、さらなる切削が、非対称な形状のカムに取り付けられたスピンドル上に骨プラグを取り付けること、およびこのように取り付けられた骨プラグを、対称軸の周りで回転するカッタと接触させ、それによって、カッタに該非対称カムの形状に応じて骨を幾分切断させることを含む本発明(20)記載の方法である。
本発明(25)は、切削の前または後に、骨プラグを積み重ねること、骨プラグに穴を掘削すること、および該積み重ねられた骨プラグを互いにピン止めすることをさらに含む本発明(24)記載の方法である。
本発明(26)は、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを製造する方法であって、
(a)皮質骨のセグメントを切断する段階、
(b)該皮質骨セグメントを、皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備える該インプラントの最終形状の対称半部として形削りし、それによって、鏡像セグメントと並置させた状態で移植したときに、円、楕円、または非対称形状と、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面とを有するインプラントを形成する段階、および
(c)切断長が、所望の高さを有するインプラントの半部を形成するように、適切な長さの該形削りされた皮質骨セグメントを切断する段階を含む方法である。
本発明(27)は、インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む本発明(17)記載の方法である。
本発明(28)は、外側フィーチャが、インプラントにブローチを通過させるか、または該インプラントに複数の刃部の上方を繰り返し通過させることによって切削される本発明(27)記載の方法である。
本発明(29)は、インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む請求項(26)記載の方法である。
本発明(30)は、外側フィーチャが、該インプラントにブローチを通過させるか、または該インプラントに複数の刃部の上方を繰り返し通過させることによって切削される本発明(27)記載の方法である。
本発明(31)は、間隔を置いて配置された複数のリングの形状が、所望の形状を有する第1の円形リングから最終リングへテーパ付けされ、該テーパによって、各連続リングによる約0.04''以下の骨の除去が可能になる、間隔を置いて配置された複数のリングを備える骨に所望の形状の導管を形成するブローチである。
本発明(32)は、非対称導管を有する骨プラグの外形を形成する装置であって、(b)非対称カム上に取り付けられた(a)スピンドルを備え、該骨プラグを該スピンドル上に密に取り付けることができるように、該スピンドルの形状が該骨プラグの非対称導管の形状に整合し、カムとカム従動体との接触に応じた程度に、該スピンドルに取り付けられた骨プラグを(d)カッタ手段に接触させ、それによって、該カッタが、該非対称カムの形状に応じた外形を骨プラグ上に成形するように、該非対称カムが(c)カム従動体の方へバイアスされる装置である。
本発明(33)は、(a)非対称カムが取り付けられたスピンドルに接続された軸を収納する横送り台と、
(b)該横送り台が第1のY平面内で並進する案内面を有し、該Y平面を横切る第2のX平面で並進するようにベッド上に摺動可能に取り付けられた往復台と、
(c)該非対称カムが該カム従動体に接触したときに該横送り台の該Y平面での並進を制限するカム従動体と、
(d)該往復台の該X平面での並進を、該スピンドルに取り付けられたインプラントと回転整合状態に維持された該カッタ手段の第1の所定の位置に制限する停止手段とを備える本発明(32)記載の装置である。
本発明(34)は、カッタ手段が、直径が該カッタ手段の切断面の第1の直径から該カッタ手段の非切断面のより大きな第2の直径へと増大する半径を画定する「肩部」を有する本発明(33)記載の装置である。
本発明(35)は、インプラントの、カッタ手段の肩部の方への前進が、ストップによって制限され、該ストップの位置が、外形が形成される前に該インプラントと接触する測定手段によって決定され、該測定手段が、該インプラントの、該カッタ手段の該肩部の方への並進の範囲を決定する本発明(34)記載の装置である。
本発明(36)は、測定手段が、インプラントの肩部の方への並進に関する第1の停止位置および第2の停止位置を提供し、したがって、該肩部との接触が妨げられる該第1の停止位置の方へ該インプラントが並進するときに該インプラントの外形を該カッタによって完全に画定することができ、次いで、該インプラントがさらに該第2の停止位置の方へ前進するときに該インプラントと該カッタ手段の該肩部との接触を許容することによって、該インプラントの1つまたは複数の縁部上に斜面を形成する本発明(35)記載の装置である。
本発明(37)は、非対称導管を有する骨プラグの外形を形成する装置であって、(a)該骨プラグを該スピンドル上に密に取り付けることができるように、該スピンドルの形状が該骨プラグの非対称導管の形状に整合するスピンドルと、(b)該スピンドル上に取り付けられた該骨プラグと接触させることのできる非対称形状のといし車とを備え、該といし車の非対称性に応じた外形を形成するように骨プラグの表面を研削できるほど骨プラグの回転速度がといし車の回転速度と異なるように、該といし車と該スピンドルが歯車を介して互いに整合接触状態に維持される装置である。
本発明(38)は、頚椎の融合を誘導する方法であって、融合すべき互いに隣接する椎骨の間の椎間板の一部を除去すること、および実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを該空間に挿入することを含み、該インプラントが、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する方法である。
本発明(39)は、導管が、凸状に湾曲した皮質骨前面と、該凸状に湾曲した皮質骨前面と一体化された実質的に直線状の3つの皮質骨面とに囲まれ、それによって頂面と底面とを有するインプラントが形成される本発明(38)記載の方法である。
本発明(40)は、導管に骨形成物質、骨誘導物質、または骨伝導物質を充填する本発明(39)記載の方法である。
本発明(41)は、実質的に皮質骨からなるインプラントであって、該インプラントが、
(a)中央ドリル・ビットを有するコア・カッタを使用し、それによって、コア・カッタを用いて得られる骨プラグを貫通する導管を形成することによって、実質的に皮質骨からなる骨のプラグを得る段階、
(b)段階(a)の骨プラグを切削し、「座金状」骨プラグを作製する段階、
(c)骨プラグを貫通する導管を切削し、導管内に非対称形状を形成する段階、および
(d)該非対称形状を使用して骨プラグの外形を切削する段階を含む方法によって調製されたインプラントである。
本発明(42)は、骨プラグが、管状骨の骨幹および該管状骨の髄内管を切断し、実質的に皮質の端部と、髄内管の壁から得られる端部とを有する骨プラグを形成することによって得られる本発明(41)記載のインプラントである。
本発明(43)は、髄内管から得られた骨プラグの端部を切削して実質的に平面状の表面を形成し、実質的に皮質骨で構成された実質的に「座金状」の骨プラグを得る本発明(42)記載のインプラントである。
本発明(44)は、導管をブローチ削りし、骨プラグを貫通する非対称形状を形成することによって、導管を非対称形状に形成する本発明(43)記載のインプラントである。
本発明(45)は、非対称形状が実質的に「D」字状である本発明(44)記載のインプラントである。
本発明(46)は、実質的に「D」字状の導管を有する骨プラグを、骨プラグの外形が該導管の形状と実質的に整合するようにさらに切削する本発明(44)記載のインプラントである。
本発明(47)は、さらなる切削が、骨プラグを非対称形状のといし車に接触させることを含む本発明(44)記載のインプラントである。
本発明(48)は、さらなる切削が、非対称な形状のカムに取り付けられたスピンドル上に該骨プラグを取り付けること、およびこのように取り付けられた骨プラグを、対称軸の周りで回転するカッタと接触させ、それによって、カッタに該非対称カムの形状に応じて骨を幾分切断させることを含む本発明(44)記載のインプラントである。
本発明(49)は、切削の前または後に、骨プラグを積み重ねること、骨プラグに穴を掘削すること、および該積み重ねられた骨プラグを互いにピン止めすることをさらに含む本発明(48)記載のインプラントである。
本発明(50)は、(a)皮質骨のセグメントを切断する段階、
(b)該皮質骨セグメントを、皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備える該インプラントの最終形状の対称半部として形削りし、それによって、鏡像セグメントと並置させた状態で移植したときに、円、楕円、または非対称形状と、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面とを有するインプラントを形成する段階、および
(c)切断長が、所望の高さを有するインプラントの半部を提供するように、適切な長さの該形削りされた皮質骨セグメントを切断する段階を含む方法によって調製されるインプラントである。
本発明(51)は、インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む本発明(50)記載のインプラントである。
本発明(52)は、インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む本発明(41)記載のインプラントである。
本発明(53)は、骨インプラントに外側フィーチャをインスクライブする装置であって、(a)凹部を有するベースを備え、該凹部が、該骨インプラントを押し付けることのできる非切断上面と、該骨インプラントに該外側フィーチャをインスクライブするための切断上面との両方を有する(b)複数の切刃を収納し、該ベースが、(c)往復台用の摺動空間を形成し、該往復台が、(e)案内ロッドを保持する(d)ポストによって該ベースに摺動可能に固定され、該往復台がさらに、スロット内に装填され該複数の切刃の該非切断上面に押し付けられた該インプラントを受容するための張力付与可能なスロットを有し、したがって、次いで該インプラントに該複数の切刃の該切断面を横切らせて該外側フィーチャをインスクライブできる装置である。
本発明(54)は、実質的に皮質骨インプラントを製造する方法であって、
(a)脛骨または大腿骨の末端を除去し、天然の髄内管を備える骨幹を作製する段階、
(b)脛骨の前縁部または大腿骨の粗造線を髄内管のできるだけ近くで長手方向に切断し、実質的に三角形の断面を有する皮質骨の骨軸を作製する段階、
(c)皮質骨の該骨軸を所望の長さのセグメントに切断する段階、
(d)導管と皮質骨セグメントの外側との間に少なくとも約2mmの骨ストックを残すような直径のボアを有する、皮質骨の該セグメントの長軸を貫通する導管を掘削する段階、
(e)導管を非対称的に切削し、キー溝を作製する段階、および
(f)導管付き骨セグメントを把持する手段として該キー溝を使用して導管付き骨セグメントをさらに切削し、所望の形状および寸法特性のインプラントを作成する段階を含む方法である。
本発明(55)は、本発明(549)記載の方法によって作製される皮質骨インプラントである。
本発明(56)は、本発明(55)に従って、互いに隣接する椎骨の間に作製された空間に皮質骨インプラントを挿入することを含む、必要に応じて隣接する椎骨同士を融合する方法である。
本発明(57)は、導管内に充填された骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を備える本発明(55)記載の皮質骨インプラントである。
本発明(58)は、骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料が海綿状骨のプラグを構成する本発明(57)記載の皮質骨インプラントである。
本発明(59)は、後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなるインプラントを、融合すべき脊椎骨同士の間に移植することを含む後腰椎椎骨間融合方法である。
本発明(60)は、腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側に該インプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助する本発明(59)記載の方法である。
本発明(61)は、後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなる後腰椎椎骨間融合インプラントである。
本発明(62)は、腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側にインプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助する本発明(61)記載のインプラントである。
本発明(63)は、後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなる後腰椎椎骨間融合インプラントを製造する方法であって、皮質骨のセグメントを切断することと、腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側に該インプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助することができるように前記皮質骨セグメントを形削りすることとを含む方法である。
本発明(64)は、実質的に図8Dから図8Gで図示し説明されている本発明(61)記載のインプラントである。
本発明(65)は、請求項64記載の少なくとも1つのインプラントを互いに隣接する椎骨の間に移植することを含む椎間融合を誘導する方法である。
【0010】
4.0 発明の詳細な説明
本発明によれば、スミス-ロビンソン頚椎融合用の実質的に「D」字状の皮質骨インプラントが、好ましくは無菌状態で作製される。クラス10クリーン・ルーム処理が望ましく、同様に、すべての切削工具を滅菌することが好ましく、したがって、完成品は、保存し移植術での使用のために医師に出荷する前に、当技術分野で知られている標準的な技法(アルコール、過酸化物、または同様な処理)によって処理することができる。骨の処理の特性のためと、特に、この材料を用いて作業する間は無菌状態を維持することが望ましいために、本発明のインプラントの作製では新規の手法が使用されている。
【0011】
このインプラントは好ましくは、脛骨、大腿骨、または頑丈な皮質骨の他の骨源から得られた皮質骨で形成される。骨源は自家骨でよく、あるいは自家骨の場合はドナー部位で合併症(感染、疼痛、治癒の遅延)が起こる可能性があるため、好ましくは同種骨である。また、骨源となる骨を、病歴がよく知られている(伝染性の疾患、ガン、骨粗鬆症がないこと)ドナーから得ることと、組織銀行の分野で認められている慣習に従って無菌状態でドナー骨を得ることが重大である。また、広範囲なインビトロ試験を実施して病原性エージェントがないことを確認すべきである。
【0012】
本発明のインプラントを説明する際に使用する手法としてまず、インプラントを作製する好ましい方法を開示し、次にインプラント自体について詳細に説明し、次に切削プロセスの様々な装置および形態について詳しく説明し、最後に、このインプラントを使用する方法について詳しく説明する。
【0013】
4.1 インプラント製造の説明
開始材料として任意の形状の皮質骨を使用することができるが、確実に切削できる皮質骨を一貫して作製するには、管状骨の骨幹の外側から(インビトロで骨髄が存在する)髄内管の方へに延びる骨のプラグから開始すると有利であることが判明している。この結果、実質的に皮質の外端と、主として軟質の海綿状骨で構成された内端とを有する骨プラグまたはダウエルが得られる。骨プラグを切断する際、コア・カッタを使用すると好都合であることが判明している。この装置は、任意の所望の直径の外側コアリング要素を備え、それによって骨プラグの直径が画定される。また、この装置は、中央に位置するむくドリル・ビットを備え、このドリル・ビットは、骨プラグの中央を貫通する導管を設けると共に、コア切断要素を安定させる。コア・カッタ・ドリル・アセンブリは好ましくは、滅菌空気によって駆動されるエア・ドリルによってトルクを加えられ、骨源骨は好ましくは、コア切断プロセス中に、滅菌された万力に固定される。
【0014】
前述のように、皮質骨インプラントは、スミス-ロビンソン頚椎融合法で有用な高さ、幅、および長さを有するように成形できることを本発明者らは見出した。この方法によれば、インプラントの高さは、骨幹の外側から髄内管までの距離によってのみ制限される。しかし、この方法では、どんな骨源を選択するかと、骨プラグがコアリングされる骨上の位置とに応じて、約7mmから約14mmの最終インプラント高を作製できることが判明している。頚椎間空間がこれらの限界を超えることは極めて希なので、この方法は、必要または有用な高さのインプラントを供給することができる。同様に、インプラントの長さおよび幅はコア・カッタの直径によって画定され、この方法では、約7mmから14mmの最終的な長さおよび幅が容易に形成される。また、約10mmから14mmの高さが必要になった場合、あるいはこのような高さを形成するのに十分な、骨の外側から髄内管までの幅を有するドナー骨を得ることが困難である場合、本明細書で開示する所望の高さのインプラントを作製する代替方法を使用することができる。たとえば、第1のそのような代替方法では、本発明のインプラントが作製され、次いで積み重ねられ、所望の高さ寸法の単体インプラントが形成される。インプラントの高さに沿って貫通する適切な穴を掘削し、皮質骨、生体吸収可能な合成ポリマー、チタン、またはその他の金属保持ピンを含む任意の所望の材料で構成された適切な保持ピンを上記の穴に挿入することによって、このような積重ねインプラントを単体として維持することができる。あるいは、海綿状骨、ヒドロキシアパタイト、あるいはその他の生体適合性材料、骨伝導材料、または骨誘導材料のプラグを用い、積重ねインプラントを圧入して所望の高さを実現することによって、積重ねインプラントを単体として保持することができる(図9参照)。他の代替方法では、管状骨の長軸に沿った皮質骨の部分を、当技術分野で知られている方法に従って切削することができる。次いで、このような皮質骨を、適切な高さになるようにさらに形削りし切断し、インプラントの半部を互いに並置することによって、任意の所望の形状および高さのインプラントが作製される。他の代替手順では、(図10から図17参照)、本発明のインプラントを作製する第1の基本的な方法に関して以下に定義するように、脛骨の前縁部または大腿骨の租造線を長さ方向に切断し、実質的に三角形の皮質骨を所望の高さに分割し、このように形成された各断片を貫通する導管を掘削し、最後に、インプラントを所望の寸法に形削りすることによって、基本的に制限されない高さを有する本発明の単体インプラントが作製される。
【0015】
本発明のインプラントを作製する第1の方法についてさらに説明する。骨プラグの内側の海綿状骨は、のこぎり、ダイヤモンド・チップ付き回転研磨機などの研磨手段、または旋盤に取り付けられたツーリング・ビットを用いることを含め、任意の従来型の手段によって除去され、実質的に皮質の骨の「座金」状断片が作製される。骨プラグの内端および外端は、平坦に切削し、それによって、それぞれ実質的に平面であり、好ましくは互いに平行な頂面および底面を形成すべきである。海綿状骨はこのプロセスによって部分的または完全に除去されるが、骨の(皮質の)外側から(海綿状の、あるいは本来髄内の)内側にかけて骨密度のわずかな差が残る。後続の切削段階が、骨プラグを外側から内側にかけて切削する際に最も効率的に進行する、骨プラグの向きを記録することが望ましい。
【0016】
後続の切削段階に対処し、かつ医師がインプラントを適切に挿入するためのインプラントの向きを確立するには、コア・カッタの中央に位置するむくドリル・ビットによって形成された円形内部導管を、キー溝などの非対称形状を形成するように修正する。これは、ダウエルの(より密な皮質の)外端の最も近くに位置する内部導管の部分にスロットを掘削することを含め、いくつかの異なる手段のうちのどれかによって行うことができる。本発明の一実施形態では、円形導管を、実質的に矩形の3つの壁と凸状に湾曲した第4の壁とを有する実質的に「D」字状の導管に変換することにより、一貫して良好な最終品質を有するインプラントを切削することができる。凸状に湾曲した壁の曲率は骨プラグの外側曲率を近似することが望ましいことが判明している。この修正は様々な手段のうちのどれかで行うことができる。しかし、本発明者は、一貫して使用できるインプラントを再現可能に切削することのできる効率的な手段を発明した。これは、インプラントをたとえば、アーバ・プレス・アセンブリに固定し、好ましくはインプラントの本来皮質の(より密な)外端から、ブローチを本来円形の導管に徐々に押し込んでいくことによって行われる。このブローチは好ましくは、硬質金属部材であり、間隔を置いて配置された複数のリブまたはリングが切削されており、各リングの間にくぼみが設けられ、それによって、互いに隣接するリングの間に間隔が形成される。また、各リングの縁部は望ましくは、非常に精密で、角張っており、鋭く、したがって、ブローチが本来円形の内部導管に押し込まれると、リングがインプラントを通過するにつれて増分する量の骨を各リングの鋭い切刃が削り落としていく。複数のリングはそれぞれ、ブローチの挿入端から始まり、実質的に円形の形状から導管用の任意の所望の最終形状にテーパ付けされる形状を有する。したがって、本発明の一態様では、リングは、数インチにわたり、かつ間隔を置いて配置された複数のリングにわたって、円形から実質的に「D」字状の形状または任意の他の所望の形状に遷移する。ブローチの長さ、および使用されるリングの数が、新しい形状を形成するために除去しなければならない骨の量、各リングの幅、および各リングの間の空間の幅によって決定されることが理解されよう。各リングによって約0.004インチ(約0.10mm)以下の骨を除去した場合に、大多数のインプラント・ブランクをこの切削段階によって正常に切削するのに十分な小さな遷移が得られることが判明している。大部分のインプラント形状には長さ約6インチ(約15.24cm)のブローチが適切であることが判明しているが、非常に非対称的な形状(たとえば、幅11mm長さ14mmのインプラント)の場合、「D」字状導管を形成するには、対称的なインプラント(たとえば、幅14mm長さ14mmのインプラント)よりも多くの骨を除去する必要がある。これは、複数のブローチを使用することによって対処することができ、この場合、連続する各ブローチの挿入端の形状は、前のブローチ上の最後のリングの形状に実質的に整合する。
【0017】
内部導管からインプラントを通過するキー溝などの非対称形状を形成した後、インプラントの外形を実質的に円形から他の所望の形状に修正することが望ましいことが判明している。本発明の一実施形態では、インプラントの外形は、実質的に「D」字状の内部導管の形状に比例して整合するように切削される。外部「D」字形状は、骨以外の材料で構成された当技術分野で知られているインプラント(たとえば、米国特許第5306309号、第5522899号を参照されたい)で使用されており、これは、インプラントの凸状に湾曲した面が、インプラントが挿入される椎間板の前部の曲率と実質的に合致すると共に、インプラントの残りの部分にわたって効率的な脊椎荷重分布を形成することができるからである。しかし、骨の固有の性質と、無菌または滅菌状態でインプラントを製造する要件のために、従来型の方法および装置は、頸骨インプラント用の所望の外形を形成する必要があった。本開示に基づいて、本明細書で開示する厳密な方法とは異なる様々な手段により、インプラントの実質的に「D」字状の外形を切削できることが認識されよう。また、本明細書に開示する方法および装置を、「D」字状の外形または内部形状を形成するように修正することによって、「D」字形状以外の外形を同様に使用することもできる。したがって、本明細書のインプラントを作製する一代替方法によれば、たとえば、大腿骨の租造線を切断するか、あるいは脛骨の前縁部を切断する場合、「D」字状装置とはかなり異なる外形を形成することができる(図10から図17を参照されたい)。
【0018】
外形を切削する2つの基本的な方法のどちらを使用しても好都合であり、かつこれらの方法が再現可能であることを本発明者らは見出した。インプラントは、キー溝として使用される「D」字状または代替形状の内部導管を有し、スピンドルの端部上に嵌め込まれる。このスピンドルは、インプラントの内部導管の形状に厳密に整合し、それによって、インプラントの外形を切削するためのパーチェスを形成する。第1の好ましい方法では、スピンドル上でインプラントを回転させると、インプラントを含むスピンドルが取り付けられたコグと既知の整合点でかみ合うコグに取り付けられた非対称ジェネレータ・ホィール(といし車)とインプラントが接触する。スピンドルに取り付けられたインプラントの外側の回転速度とジェネレータ・ホィールの外側の回転速度は、ジェネレータ・ホィールとインプラントが接触し固定整合した状態で回転すると、ジェネレータ表面(好ましくは研削ダイヤモンド・プレート表面)が骨をインプラントの外面から研削し、このといし車の非対称形状によって画定される形状をインプラント上に形成するように異なる回転速度として設計される。
【0019】
第2の外形生成方法では、インプラントが、キー溝として使用される「D」字状または他の形状の内部導管を含み、インプラントの内部導管の形状と厳密に整合するスピンドルの端部上に嵌め合わされ、それによって、インプラントの外形の切削用のパーチェスが形成される。この方法では、スピンドル、したがってインプラントと同心状に回転する非対称カムにスピンドルが取り付けられる。このように取り付けられたインプラントは、隣接する軸の周りで回転する切刃を有するシャープ・ビットなどのカッタ手段と接触する。非対称カムに載置されたインプラント取付け済みスピンドルはバイアスされ回転カッタと接触し、したがって、回転カッタは、非対称カムの形状によって画定される形状をインプラントの外側に形成する。本開示では、「非対称カム」の語は、インプラントを作製する際時に、インプラントの形状が非対称カムの形状によって画定されるような任意の所望の形状を意味するものと理解されたい。本開示によって企図される形状には、楕円形状、D字状、部分湾曲形状などが含まれるが、これらに限らない。任意の代替手順に従って作製されたインプラントも同様な形状にされる。ただし、最終形状は、使用される骨ストックの寸法に応じて異なる(たとえば、図12から図17に示す装置の最終形状を参照されたい)。
【0020】
外形を切削した後、スピンドルからインプラントを取り外し、インプラントの切削を終了し、実質的に「D」字状の皮質骨インプラントに平坦な上面および下面を形成するか、あるいは上面および下面に外側フィーチャを切削し、椎間空間に挿入されたときにインプラントがバックアウトするのを防止することができる。これは、インプラントの上面、下面、あるいはその両面に環状リング、くぼみおよび突起、うね付け、または歯を形成することなど、いくつかの手段によって行うことができる。本発明の好ましい態様では、インプラントが1組の互いに対向する顎部を通過し、これらの顎部は、インプラントが顎部に押し込まれるにつれてインプラントに歯形状をブローチ削りする。あるいは、インプラントがリッジ付き表面上を数回に渡って通過し、この表面がインプラントの上面または下面、あるいはその両方に所望の歯形状を切削する。好ましくは、インプラントが頚椎の前部の椎間空間に形成された適切な形状のキャビティに挿入されたときにインプラントのバックアウトを防止するように、上記のように形成される歯をインプラントの(凸状に湾曲した)前面の方へ傾斜させる。医師が脊椎にそのようなキャビティを形成する際に厳密な角度を形成するうえで経験する困難への対処として(たとえば、金属製脊椎インプラントを挿入する際の外傷を軽減するための面取り縁部を開示した米国特許第5397364号を参照されたい)、インプラントの3つの面に、規定された半径の面取り縁部を切削し、かつ前面は面取りしないでおくことが好ましい。インプラントの上面および下面の歯のような鋭い前縁部は、インプラントのバックアウトを阻止する。
【0021】
4.2 インプラントの詳細な説明
次に、図1Aを参照すると、実質的に「D」字状の皮質骨インプラント100の脊柱の頂部から見た平面図が示されている。インプラントは、所望の公差(以下の議論を参照されたい)内の壁厚101、長さ103、幅102、および内部導管104を有する。インプラントは、実質的に直線状の背壁105と、実質的に直線状の側壁106および107と、好ましくは湾曲前壁108とを含む、連続した4つの壁を備える。図1Bでは、インプラント100の高さ109を示すインプラントの側面図が示されている。また、この図には内部導管104の内部側壁106’および107’が概略的に示されている。また、インプラントの頂面110および底面111も示されている、図1Cにはインプラント100の一態様の平面図が示されており、インプラントの頂面110および底面111上に外側フィーチャ120がインスクライブされている。また、インプラントの2つの側縁部およぶ後縁部上に「半径」または斜面115が示されている。図1Dはインプラントの側面図を示しており、インプラントの頂面110および底面111にインスクライブされたフィーチャ120を明確に見ることができる。この図では、外側フィーチャ120が1組の歯の側部形状を有し、すべてのこれらの歯がインプラントの前面108の方へ傾斜していることがわかる。この図では、丸い後縁部105と同様に、斜面115の概観も明白である。図を見るとわかるように、本発明のこの態様では、前縁部108が鋭い刃を備える。図1Eには、図1Dに示すインプラントの部分上のインスクライブされたフィーチャ120の一態様の詳細が示されている。好ましい態様では、フィーチャ120は歯状構造を画定し、各歯121は凹部122によって互いに分離される。角度θは、凹部が傾斜して歯を形成する際の凹部の勾配を規定する。歯高123、各歯間の間隔124、凹部の開口125はすべて、インプラントが適切に配置された後の頚椎内のインプラントの保持を最適化するように製造業者によって規定することができる。
【0022】
4.3 インプラント製造法の詳細な説明
骨の固有の性質と、無菌または滅菌状態でインプラントを製造する要件のために、本発明のインプラントを首尾良く形成するには特定の専用手順および装置が必要である。当業者には、本明細書で開示する方法および装置に基づいて、本明細書で説明する方法および装置によって示唆される代替手段によって本発明のインプラントを製造できることが認識されると思われる。それにもかかわらず、本発明のインプラントの製造用機器は、骨構造の慎重な設計と骨構造の知識を通じて、上記の目的のために発明された機器である。以下に、本発明のインプラントを作製するための好ましい方法および装置に関する特定の詳細について説明する。本発明をこれらの詳細に限るものと解釈すべきではないことを認識されたい。
【0023】
図2を参照すると、図2Aの側面図にコア・カッタ200が示されている。コア・カッタ200は、コア・カッタ内の中央にコア・カッタと同軸に位置するドリル・ビット202の軸204に止めネジ203によって取り付けられたコア・ビット201を有する。図2Bには、止めネジ203を概略的に示すコア・カッタの端面図が示されている。図2Cは、骨プラグ210の側面図を示し、骨プラグ210は、コア・カッタ200を使用して管状骨の骨幹から骨のプラグを切断することによって形成される。本来、骨軸の外部皮質表面である、一端には、実質的に皮質の骨表面があり、この表面に、コア・カッタ200の中央ビット202によって穴213が形成される。他端212は不規則な骨表面であり、インビボで髄内管の壁の一部を形成していた表面である。端部212にある海綿状骨またはその他の微細構造を除去し、両端を研削または切断し、あるいはその他の方法で切削して実質的に平坦でかつ平行にし、図2Dに示す実質的に皮質の骨プラグ210を形成する。
【0024】
図3を参照すると、内部導管形状ブローチ削り工具が示されている。間隔を置いて配置された複数のリブまたはリング301がブローチの長さに沿って設けられ、ブローチは、ブローチの挿入端302にある実質的に円形の形状からブローチ300の完了端304にある実質的に「D」字状(または他の所望の形状)のリング303へテーパ付けされる(中間リブ305は示されていない。その代わり、テーパ角の概観が示されている)。ブローチをインプラント導管に押し込むプレスなどの手段にブローチを着脱可能に取り付けるためのノッチまたは溝306がブローチ終了端304に設けられる。図3Bには、ブローチ削り手順が完了した後の海面状骨プラグ310の端面図が示されている。図を見るとわかるように、内部導管104は、円形導管から実質的に「D」字状の導管に変換されている。本開示から理解されるように、内部導管104内の任意のいくつかの数の異なる非対称形状をこの手段または同様な手段によって画定することができ、この基本的な目標は、インプラントの外部切削のためにインプラント内にパーチェス(本明細書では「キー溝」と呼ぶ)を形成することである。一態様(図9参照)では、導管を実質的に円形の導管として保持することができ、キー溝を形成するのに必要な非対称性を付与するために導管内にスロット904が切削される。
【0025】
インプラント内にキー溝を形成した後、インプラントの外形を修正することができる。本発明の一形態では、図4Aを参照するとわかるように、この修正が、旋盤400のスピンドル420にインプラント410を取り付けることによって行われるので好都合である。スピンドル軸440は、軸受(図示せず)を通って、スピンドルを回転させる手段450(ハンドルやモータなど)へ延びる。スピンドル軸にはカムが取り付けられており、カム43の形状はインプラント410の最終外形を画定する。スピンドル軸440および軸受は横送り台441に取り付けられ、横送り台441は、「Y平面」と呼ばれる第1の平面で並進する。Y平面内の運動は、カム430とカム従動体などの制限手段460との接触によって制限され、制限手段460は往復台442と整合したままであり、往復台442は、横送り台のY平面運動を横切る平面、すなわち「X平面」に沿って並進する。横送り台は往復台442の案内面443に取り付けられ、案内面443は、往復台442がX平面に沿って並進できるように旋盤のベッド444上に摺動可能に取り付けられる。往復台のX平面に沿った走行は、ストップ・スクリュ470によって制限される。
【0026】
インプラントの外形を生成するこの手段の詳細が図4Bに示されている。図4Bは、インプラント外形生成装置400の特定の一態様の側面図を示す。ハウジング410内の空気駆動タービンは軸402を旋回させるトルク源を形成する。軸402に固定される非切断端部403を有する適切に成形されたカッタまたはビットなど、インプラント410の外面を切断または研削する手段である。第1の直径を有する非切断端部403から、より小さな第2の直径を有する切断面404が延びている。「肩部」405は、切断面404のより小さな直径と非切断面403のより大きな直径との間に延びる半径を形成する。切断面404は、スピンドル420上に取り付けられたインプラント・ブランク410と接触し、スピンドル420には、前述のように非対称カム430が取り付けられる。このように取り付けられたインプラント・ブランク410は、往復台442のX平面で並進することによって切断面404と接触する。スピンドル420、したがって非対称カム430は、カム430に同心状に取り付けられた軸440およびハンドル450を介して手動で、あるいはモータ駆動手段によって回転される。好ましくは、非対称カム430は静止カム従動体460の方へ弾性的にバイアスされる。このように、ハンドル450が数回回転した後、非対称カム430の形状により、回転する切断面404との接触によって、スピンドル420上に載置されたインプラント410の所望の外形が生成される。
【0027】
インプラント・ブランクが、インプラントの前方縁部411がカッタ上の「肩部」405に接近するが、接触はしない点までしか切削されないように、ストップ・スクリュ470が設けられる。ストップ・スクリュ470は、ストップ・スクリュの前縁部471がメジャリング・スクリュ480と接触したときに往復台442の前進を停止することによってインプラント・ブランク410のさらなる前進を妨げるように設定される。ストップ・スクリュ470の適切な設定は、まずメジャリング・スクリュ480の端部481とアンビル482との間にインプラント410を配置し、メジャリング・スクリュ480をインプラントと接触するまで絞め付けることによって、フライス削りプロセスの開始時に行われる。このように、メジャリング・スクリュ480およびアンビル482は基本的にマイクロメータを形成し、その幅はインプラントの幅によって画定される。メジャリング・スクリュ480とアンビル482は共に、メジャリング・スライド483内に収納され、メジャリング・スライド483は、図4Bに示すように左側へ摺動されると、リテーナ484によってメジャリング・スライド483と同じ案内面内に保持された回転可能なストップ・カム490に当接する。回転可能なストップ・カム490は2つの位置のどちらかに設定することができ、この設定は、約0.06''の、ストップ・スクリュ470の停止点の差をもたらす。この差の重要な点は、第1の位置が、インプラント410が切断面404の半径肩部405と接触する直前にストップ・スクリュ470(したがって、往復台442)の前進を拘束することである。第2の位置では、ストップ・カム490によって、ストップ・スクリュはさらに約0.06''だけ前進することができ、インプラント410は切断面404の肩部405と接触することができ、それにより、このように接触しているインプラント410の縁部が面取りされる。したがって、前スライス削り段階では、ストップ・スクリュ470を余分の0.06''だけ手前で停止させるように回転させるべきであり、この後で、ストップ・スクリュ470が、インプラントをこの追加の約0.06''だけ前進させることのできる第2の位置に回転される、さらなる処理段階を実施することができる。
【0028】
図4Cには、非対称カム430、スピンドル420、およびインプラント410の(ハンドル450からスピンドル420の方へ見たときの)端面背面図が示されている。また、この詳細図では、非対称カム430内の追加のフィーチャが、非対称カム430の3つの面431に沿った厚さの減少、すなわち、非対称カム430の背部のレリーフとして示されている。このレリーフ431の重要な点は、非対称カム430の背部のレリーフによって画定される程度にインプラント410と肩部405との接触が制限されることである。上記で指摘したように、医師が部分discectomy中に椎間空間内にインプラント部位を成形する際、完全な鋭角を形成することはできない。この不完全性に対処し、鋭い縁部を有するインプラントの挿入する際の外傷を防止し、できるだけ密に嵌るインプラントを作製するには、医師が形成する椎間空間に挿入されるインプラントの縁部の回りに斜面を成形することが望ましい。同時に、インプラントのバックアウトを防止するには、鋭いインプラント前縁部を保持し、したがって、カム430のレリーフがカムを完全には一周しないようにすることが望ましい。したがって、前述のようにインプラント410の外形が完成した後、往復台442をカッタから後退させ、ストップ・カム490を第2の位置に移動させ、ストップ・スクリュ470が前述の追加の約0.06''だけ前進できるようにする。同時に、ショット・ピン・ムーバ433によってショット・ピン432がレリーフ431に進入し、それによって、カム430は、ショット・ピン432がレリーフ431内に位置しているときにショット・ピン432によって許容される程度にのみ回転することができる。ショット・ピン432がレリーフ431内に位置していると、「肩部」405がインプラント・ブランク410の前縁部411と接触し、それによって、インプラント410の3つの縁部が丸み付けされる。インプラント410の前縁部411を切削した後、インプラントをスピンドル420から取り外し、反転させ、スピンドル420上に位置決めし直し、インプラントの他方の側の3つの縁部上に斜面をインスクライブする。
【0029】
図4Dには、スピンドル420、インプラント410、非対称カム430、およびカム従動体460の前面図が示されている。カム・アダプタ461も示されており、カム・アダプタ461によってカム従動体460が往復台442に取り付けられ、かつカム・アダプタ461によって、カム従動体460は、非対称カム430の形状によって画定されるインプラント410と接触するように切断面404/405を維持する。横送り台441の一部も図示されており、横送り台441は好ましくはバイアスされるか、あるいは手動でカム従動体460の方へ押すことができる。
【0030】
図4Eには、ストップ・カム490の側面詳細図が示されている。この図にはストップ・カム・ハンドル491が示されており、ストップ・カム・ハンドル491によって、インプラント外形生成装置のオペレータは、ストップ・カム490を第1の位置Aおよび第2の位置Bに固定することができる。それにより、これらの位置について示した距離の差のために、位置Bで、ストップ・スクリュ470が約0.06''だけ追加走行することができ、それによって往復台442が約0.06''だけ前進することができる。
【0031】
前述の装置および方法によって、実質的に「D」字状の外形と実質的に「D」字状の内部導管を有する図1に示すような皮質骨インプラント100が作製される。当然のことながら、当業者には、本開示に基づいて、インプラントの外形および内部導管の両方について他の形状を作製できることが理解されると思われる。たとえば、単に、非対称形状のカム430の形状を修正することにより、前述の方法によって楕円体が作製され、任意の所望の形状にテーパ付けされたブローチを使用した掘削、ルーティング、またはブローチ削りによって内部導管形状を修正することができる。このように形成されたインプラントは、前述のように切削し、その後、当技術分野で知られている適切な洗浄方法(たとえば、アルコール浸漬、過酸化物処理など)を実施した後で使用することができる。しかし、上面110または下面111、あるいはその両方に外側フィーチャをインスクライブすることも望ましい。このようなフィーチャは、環状リング、くぼみ、突起、うね付け、刃など任意の望ましい形態をとることができる。好ましい態様では、インスクラビング・ティースを保持する互いに対向するブローチの間にインプラントを押し込むことにより、インプラントの前部108の方へ傾斜する歯が、インプラントの頂面110および底面111上にインスクライブされる。あるいは、研削歯を保持する適切に成形された顎部の上方で上面110または下面111、あるいはその両方を手動であるいは機械駆動手段によって繰り返し走行させ、それによって、歯の必要な形状をインプラントの表面にインスクライブすることができる。望ましくは、各歯が少量の骨(各歯当たり約0.004''、総深さ0.015'')を除去するだけで済むように、顎部の連続する歯の高さを増分的に高くする。また、すくい角(歯の角度)を、インプラントが移植部位に食い込めるほど鋭角にし、同時に、過度にもろくなるほど鋭くはしないことが好ましい。
【0032】
図5の図5Aには、インプラントの頂面110または底面111、あるいはその両方に歯をインスクライブするためにブローチ・アセンブリ500で使用されるブレード502の一態様の一方の側の平面図が示されている。ブレード502のアセンブリをベース503にクランプ止めするロックダウン・ハンドル501が概略的に示されている。歯がインプラント100の頂面および底面に凹部を研削するかぎり、鏡像顎部を図のブローチと整合させることにより、インプラントに歯同士の間を通過させるのに十分な距離の空間が、互いに対向する歯502の間に形成される。ブレード502とインプラント100を適切に係合させるために、インプラント100がブローチ・アセンブリ500に導入されたときにインプラント100と接触する非切断面506が設けられる。非切断面506は、一種のマイクロメータとして働き、インプラントがブローチ・アセンブリ500を通過する際にインプラントに適切に係合するのに十分な距離だけ歯502の切断面同士を引き離す。図5Bには、「D」字状キャビティ505を有するインプラント取付け装置504の側面図が示されており、「D」字状インプラントをこの「D」字状キャビティ505に嵌め込み、ブローチ削り顎部装置500の互いに対向する顎部を通過させることができる。結果として得られるインプラントは、図1Cから図1Eに示す形状を有する。
【0033】
図5Cから図5Eには、インプラントに保持歯を成形する代替装置および方法が示されている。図5Cには、溝を形成すべきインプラントを受容する適切な寸法のスロット520を有する往復台510が示されている。引張りネジ530は保持腕531を往復台ハウジング部材532と並置させ、それによって、インプラントをスロット520内の所定の位置にクランプ止めする。インプラントを含む往復台510がブレード・アセンブリ540の上方を横切る際に往復台を案内する案内ロッド53は、往復台ハウジング部材532および533を通じて位置合わせされる。案内ロッド540は好都合にはヒンジとしても働き、往復台510が上向きに旋回して衝撃装填を行うことを可能にし、また、ブレード・アセンブリ540の上方での往復台の各連続パスでインプラント表面が切断されたときに往復台が下向きにベースの方へ移動するのを可能にする。ブレード・アセンブリ540は、上方で往復台510が摺動するベース550内にボルト止めされる。ベース550は、案内ロッド534を所定の位置に保持する止めネジ551および552を受容する働きもする。複数の個別のブレード560は、ベース550の凹部554に配置され、各ブレードの保持穴553を通過する保持ネジ552によって整合位置に維持される。各ブレード560は初期非切断面561を有し、初期非切断面561は、切断面562の約0.015''下方にあり、複数のブレードと組み合わされて、インプラントをスロット520に挿入するための平坦な装填領域を形成する。図5Dはブレード560の側面図を示し、それに対して、図5Eは、往復台がベース550の上方に配置されたときの往復台510の端面図を示す。したがって、往復台510をベース550から上向きに旋回させた状態で、インプラントをスロット520に挿入する。次いで、往復台を下向きに開始位置に旋回させ、インプラントを複数のブレードの非切断面561と接触させる。インプラントが非切断面に押し付けられ、次いで保持ネジ530によって所定の位置に保持されるように、インプラントを押す。その後、複数のブレードの切断面562が、インプラントの頂面または底面、あるいは(インプラントを反転させた後に)その両方に所望の歯構造をインスクライブするように、往復台をベース550の上方で数回摺動させる。往復台の金属製底部がベースと接触すると、インプラントの切削が完了する。
【0034】
図6Aから図6Iには、制限としてではなく一例として特定の幾何形状を有する本発明による3つの異なる皮質骨インプラントの図が示されている。図6Aには、高さ7mm、幅11mm、長さ14mmのインプラント600の例が示されている。インプラントの様々な半径の寸法も示されている。この部分の実質的に中央から始まりインプラントの反対側まで、すなわちインプラントの3つの面の周りで延びる0.059''半径・くぼみ形状610を形成するカッタの「肩部」405の効果に留意されたい。図6Bには、インプラント600が側面図として示されており、図6Cには、歯の詳細図が示されている。同一の説明が、図6Dから図6Fの7mmX11mmX11mmのインプラントの図および図6Gから図6Iの7mmX14mmX14mmのインプラントにも当てはまる。
【0035】
図7には、様々な高さのインプラントを実現するためにインプラントの積重ねを可能にするように、前述のように切削されたインプラントまたは切削する前のインプラントがさらに切削される本発明の他の形態が示されている。図2Dに示す段階のブランク皮質プラグから開始すると、切削中にインプラントの破壊が起こる場合、すべての切削段階が完了する前にこの破壊が起こる可能性が高くなるという利点がある。本発明のこの態様では、2つの開始インプラントで構成された新しい所望の高さの(たとえば、高さ6mmのインプラントを高さ7mmのインプラントに積み重ねて13mmのインプラントを作製することができる)単体インプラントを作製できるように、既知の高さの2つのインプラント・ブランクが選択される。各インプラントをドリル・ジグ内に配置し、ドリル・プレスまたは同様な手段によって、インプラントに穴を掘削する。インプラントがまだジグ内にある状態で、ジグをアーバ・プレスのテーブル上に配置する。次いで、皮質骨、吸収可能であるが強靭な生体適合性合成材料、または適切な直径の金属製ピンで構成されたピンを、このピンによってインプラントが単体に形成されるようにインプラントの穴に押し込む。骨内成長を促進するには、インプラントの隣接する表面にチャネルを切削することができる。図7Aに示す態様は、4つの穴701から704が掘削されたインプラント700の平面図である。図7Bには、並置された2つのインプラント700Aおよび700Bが示されており、これらのインプラントは、各インプラントを互いに整合した状態に維持するピンを受容する互いに整合された掘削された穴701から704を有する。この図で、互いに隣接する表面710Aおよび710Bには歯がインスクライブされておらず、それに対して、表面711Aおよび711Bには歯がインスクライブされている。当業者には、本開示に基づいて、様々な形態の骨インプラントを積重ねるか、あるいはそのようなインプラントを互いに整合した状態に維持するようにいくつかの変形および修正を加えられることが認識されよう。このような修正は本発明の範囲内の修正とみなすことができる。したがって、図9に示すように、インプラント900を作製するには、各インプラントが、切削された非対称キー溝904を含むキャビティまたは導管を有する、2つのインプラント901および902を作製する。適切な形状の海綿状プラグ905、または任意選択で骨形態発生タンパク質などの成長因子を用いて処理されたヒドロキシアパタイト、皮質骨、合成材料、セラミックを含むが、これらに限らない他の生体適合性材料で構成されたプラグを使用して、2つのインプラントを互いに圧入することによって、2つのインプラント901および902を整合並置状態に保持し、インプラント900形成する。
【0036】
図8に示す本発明の他の態様では、本発明のインプラントを構成部品から組み立てる方法が提供される。図8Aには、2つの並列半部801Aおよび801Bで構成されたインプラント800が示されている。インプラントの2つの半部が並置され単体インプラントが形成される。2つの半部を並置した状態で移植することができ、あるいは各半部に穴を形成し、上記で積重ねインプラントを互いに接触した状態に維持することに関して説明した方法と同様にピンを穴に押し込むことによって、各半部を互いに接触した状態に維持することもできる。本発明のこの態様では、任意の適切な皮質骨減から皮質骨の一部を得ることができる。図8Bに示すように、大腿骨、脛骨、ひ骨などの管状骨の長軸に沿って、皮質骨のブロックまたは柱の形のセグメントが得られる。このように得られた皮質骨に、ルーティング、ブローチ削り、または本明細書で説明する他の手段によって骨の形状をインスクライブすることができる。次いで、このように掘削された皮質骨を必要に応じて適切な高さに切断し、インプラント半部801Aおよび801Bを形成することができる。皮質骨セグメントを得るための代替部位を図8Bおよび図8Cに示す。
【0037】
各要素801Aまたは801Bのみ、あるいは任意選択で他の椎骨融合インプラントと組み合わされたこれらの要素の修正形態および変形形態を備えるインプラントは、スミス-ロビンソン式頚椎融合に使用するだけでなく、たとえば、後腰椎融合(PLIF)の導入を助けるように移植することができる。このような場合、図8Dから図8Gに示すような装置810を、図8B、図8Cに示すような骨ストックまたは他の適切な骨ストックから切削し、PLIFの挿入に関して当技術分野で知られている方法に従って挿入する。好ましくは、PLIF応用例で使用される装置は、幅811約7mmから12mm、好ましくは約9.4mmから約10mm、頂部寸法812約4mmから5mm、底部寸法813約4mmから6mm、好ましくは約5mm、平坦面814約4mmから7mm、好ましくは約5.5mm、幅815約5mmから7mm、好ましくは約5mm、角度816約60度から75度、好ましくは約67度を画定する曲率(図8Dの側面図を参照されたい)、長さL約20mmから26mm、高さH約7.5mmから14.5mm(図8Eの背面図を参照されたい)の各寸法を有する。好ましくは、高さ約8mm、10mm、12mm、および14mmは長さ約20mmおよび26mmと共に作製され、望ましくは、側面817は、PLIFインプラントの前端818が所定の位置に適切に設置されたときに、PLIFインプラントの後端819の方を向いたリッジがインプラントのバックアウトを妨げるように粗なリッジまたは溝付き表面を示すように切削される。このようなリッジ付き表面の一態様の詳細を図8Eに示す。この場合、各歯の角度820約30度から40度、好ましくは約35度、各歯先面間の距離821約1mmから2mm、好ましくは約1.5mm、歯先面幅822約0.1mmから約0.2mm、好ましくは約0.125mm、歯高823約0.1mmから約1mm、好ましくは約0.5mmの各寸法が好ましい。図8Eに戻るとわかるように、好ましくは、インプラントの前端幅824は約7mmから13mm、好ましくは約9mmから13mmであり、高さHからのテーパ角825は約30度から40度、好ましくは約35度である。PLIFインプラントの後面にテーパ付き器具取付け穴などの器具取付け手段が設けられる。このフィーチャは、後面図8Gに最もよく示されている。図8Gは、直径が約1.5mmから約2.5mm、好ましくは約2mmであり、深さが約4mmから5mm、好ましくは約4.5mmである器具取付け穴826を示す。縁部から器具取付け穴の中心までの寸法827は、PLIFインプラントのこの態様と組み合わせて使用される任意のインプラント挿入装置の寸法に整合するように慎重に規定される。器具取付け穴の中心から縁部までの寸法828は約4mmから6mm、好ましくは約5mmであり、約1mmのリッジ829がインプラントの後面の3つの縁部に沿って走る。図8Dの断面A-Aを図8Eに示すと、断面がインプラントの凹面上の骨から出て、次いで再び骨に進入する際のわずかなエア・ギャップ830示される。
【0038】
使用時には、腰椎間空間の各側にインプラント810を挿入し、それによって、隣接する腰椎の融合を安定化させ助ける。これを行うには、当技術分野で知られている方法に従って、腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、好ましくは後方アプローチ上の各側にインプラント810を挿入する。各インプラント810の凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、インプラント810の凸面をできるだけ腰椎の固有外側曲率に整合するように設定する。
【0039】
頚椎インプラントを作成するための同様な代替手法では、脛骨の前縁部または大腿骨の粗造線を適切に切断し切削することによって単体インプラントを作製することができる。したがって、図10Aに示す左大腿骨1000(後部)または図10Bの左脛骨1001(前部)を1004および1005で切断し、大腿骨の頭部、頸部、および大転子1002ならびに内側顆および外側顆1006、または脛骨の結節および骨粗面1003踝1007を除去する。このような切断の結果として、大腿骨1008または脛骨1009の骨軸または骨幹が作製される。本発明のこの形態によるさらなる処理では、図10Cに示すように、大腿骨の粗造線1010または脛骨の前縁部1011が使用される。骨幹1012は、大腿骨から作製するか、それとも脛骨から作製するかにかかわらず、1016で示すように、1004/1005で切断することによって作製される骨軸の長さによって許容される長さだけ延びる。この骨軸は、天然髄内管1013を備える。さらに、このように作製された骨軸を、1014で示す平面で切断し、円柱形であるがいくらか三角形の外形を有する、天然髄内管1013が除去された骨軸を作製する。図11に示すように、この骨軸に導管1015を掘削することができる。
【0040】
図11は、管状骨の骨軸を平面1014に沿って切断することによって作製された実質的に皮質の骨1017の実質的に三角形の骨軸を示す。骨軸1017にボアを掘削し、適切な寸法の導管1015を形成することができる。導管1015は、単体骨軸1017に導入することも、あるいはまず骨軸1017を1035で切断することによって骨軸のサブセグメントに導入することもできる。いずれの場合も、導管1015の直径は、導管と装置1020の壁との間の最も幅の狭い部分で約2mmより小さくなることがないように制限すべきである。たとえば、旋盤上に骨軸1017を取り付け、回転する骨軸を非常に幅の狭いブレード(すなわち、幅約1mm以下の突切りバイト)と接触させることによって切断するとインプラント・ブランク1030および1040が作製され、前述の代替方法によって作製される本発明のインプラントについて説明したように、所望の外形および内形ならびにキー溝フィーチャを実現するようにこれらのインプラント・ブランクをさらに切削することができる。したがって、任意の所望の高さ、たとえば5mmから約14mmのインプラントを作製することができる。図12から図17は、本発明のこの形態によって作製された本発明のインプラントの特定の態様を示す。
【0041】
図12から図17には、制限ではなく一例として特定の幾何形状を有する本発明による5つの異なる皮質骨インプラントの図が示されている。各図で、図Aは平面図であり、図Bは側面図であり、図Cは、インプラントの後部へ傾斜する溝の詳細であり、図Dは、図Aに示す線A-Aを通る断面図である。また、海綿状プラグなどの骨形成プラグが存在する場合は、海綿状プラグの平面図として図Eおよび側面図としての図Fに示されている。図12には、高さH1約5mmから約9mm、幅W1約11mm、幅W2約11mmのインプラントの例が示されている。上記の外形は、この代替製造方法によって作製されたインプラントの形状と図6のインプラントの外形を比較する手段を形成する。図を見るとわかるように、本発明のこの形態によって作製されたインプラントは、骨ストックの開始骨軸1017の幾何形状の結果として、実質的にダイヤモンド状の外形を有する。
【0042】
図13は、海綿状プラグが挿入された、図12の装置と同様な装置を示す。図14は、幅W1約14mm、高さH1約5mmから14mmの装置を示す。図15は、海綿状プラグが挿入された、図14の装置と同様な装置を示す。図16は、幅W1約14mm、幅W2約14mm、高さ約5mmから11mmの装置を示す。図17は、海綿状プラグが挿入された、図16の装置と同様な装置を示す。以下の表1は、様々なフィーチャを要約した表であり、図12から図17に示す本発明のインプラントの様々な態様に関する特定の寸法の例を示す。
【0043】
【表1】

【0044】
4.4 インプラントの使用様式
使用時には、融合する必要のある互いに隣接する椎骨の間に形成された空間にインプラント100を挿入する。これは、医師が椎間板の一部を除去し(部分discectomy)、互いに隣接する椎骨を奥に引っ込め、適切な寸法のインプラントの挿入を可能にすることによって行うことができる。まずインプラントの背端105を挿入する。外側フィーチャ120が存在する場合には、外側フィーチャによってインプラントのバックアウトが防止される。インプラントの頂面および底面に外側フィーチャ120がインスクライブされていない場合は、当技術分野で知られているプレート・ネジ保持システムをインプラントの所定の位置に取り付ける必要がある。本発明によれば、高さ約7mmから14mm、長さ約11mmから14mm、幅約11mmから14mmのインプラントが提供される。これらの寸法の任意の置換えまたは組合せ、たとえば(高さ、長さ、幅の順に(7x11x11、8x11x11など、7x14x14、8x14x14など、7x11x14、8x11x14などを構想することができる。
【0045】
好ましくは、移植を行う医師は、部分discectomy中に生成された同一組織の材料および廃物を、本発明のインプラントの導管に充填できるように保存する。また、あるいは、同種骨、自家骨、骨髄海綿状骨などを含む自生骨形成材料、脱無機質骨、凍結乾燥骨、Grafton(R)(グリセロルに溶かした脱無機質骨)、骨粉末、骨誘導体、(精製または組換え)骨形態発生タンパク質、抗生物質、バイオアクティブ・ガラス、ヒドロキシアパタイト、バイオアクティブ・セラミックス、またはそれらの組合せを含むが、これらに限らない骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を導管に充填することができる(外科手順中に行うことも、あるいは導管を事前に充填することもできる)。
【0046】
移植の後で、インプラントが安定しているかどうかと、融合が成功したかどうかについて、(ヒトであるか、それとも動物であるかにかかわらず)受骨者を監視する。融合は数週間から数か月で完成し、その間、脊椎に徐々に荷重を加えることができる。
【0047】
5.0 参考文献

米国特許第5,306,309号
米国特許第5,609,635号
米国特許第5,306,307号
米国特許第4,950,296号
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の融合インプラントのいくつかの図である。
【図2】コア・カッタおよびドリル・アセンブリと、このようなコア・カッタおよびドリル・アセンブリを使用する際に管状骨の骨幹を切断することによって形成された骨プラグとを示す図である。
【図3】本発明によって使用されるブローチと、このようなブローチを使用することによって形成された非対称導管とを示す図である。
【図4A】本発明のインプラントの外面上にある形状を切削する装置のいくつかの図である。
【図4B】本発明のインプラントの外面上にある形状を切削する装置のいくつかの図である。
【図4C】本発明のインプラントの外面上にある形状を切削する装置のいくつかの図である。
【図4D】本発明のインプラントの外面上にある形状を切削する装置のいくつかの図である。
【図4E】本発明のインプラントの外面上にある形状を切削する装置のいくつかの図である。
【図5A】インプラントの上面、下面、または上面と下面の両方に保持歯をインスクライブする装置の図である。
【図5B】インプラントの上面、下面、または上面と下面の両方に保持歯をインスクライブする装置の図である。
【図5C】インプラントの上面、下面、または上面と下面の両方に保持歯をインスクライブする装置の図である。
【図5D】インプラントの上面、下面、または上面と下面の両方に保持歯をインスクライブする装置の図である。
【図5E】インプラントの上面、下面、または上面と下面の両方に保持歯をインスクライブする装置の図である。
【図6A】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6B】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6C】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6D】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6E】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6F】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6G】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6H】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図6I】本発明のインプラントの特定の態様のいくつかの図および寸法を示す図である。
【図7A】本発明のインプラントの積重ね態様の図である。
【図7B】本発明のインプラントの積重ね態様の図である。
【図8A】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8B】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8C】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8D】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8E】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8F】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図8G】インプラントの鏡像半部を並置することによって形成された本発明のインプラントと、後腰椎間融合術(PLIF)に有用な態様とのいくつかの図である。
【図9】圧入またはその他の方法によって複数のインプラントを互いに接触させ、海綿状プラグまたはその他の生体適合性材料を各積重ねインプラントの中央導管内に位置させ、それによって保持ピンとして働かせることによって、積重ね構成要素が整合した状態に保持される、本発明のインプラントの積重ね態様の図である。
【図10】脛骨の前縁部または大腿骨の租造線からの基本的に制限されない高さを有する本発明のインプラントを製造するために骨ストックを作製する代替方法を示す図である。
【図11】図10の代替方法によって作製された本発明のインプラントの寸法およびさらなる加工を示す図である。
【図12】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。
【図13】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。
【図14】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。
【図15】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。
【図16】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。
【図17】図10および図11の代替方法によって作製されたインプラントの最終形状を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラント。
【請求項2】
凸状に湾曲した皮質骨前面と、該凸状に湾曲した皮質骨前面と一体化された実質的に直線状の3つの皮質骨面とに囲まれた導管を備える、実質的に皮質骨からなる請求項1記載のインプラント。
【請求項3】
実質的に「D」字状の外形を有する請求項2記載のインプラント。
【請求項4】
該導管が実質的に「D」字状である請求項2記載のインプラント。
【請求項5】
頂面、底面、またはその両方上に外側フィーチャをさらに有する請求項2記載のインプラント。
【請求項6】
外側フィーチャが少なくとも1つの溝または歯である請求項5記載のインプラント。
【請求項7】
外側フィーチャが、凸状に湾曲した前面の方へ傾斜する一連の歯である請求項6記載のインプラント。
【請求項8】
骨形成組成物、骨誘導組成物、または骨伝導組成物が導管内に充填される請求項1記載のインプラント。
【請求項9】
インプラントが挿入される椎間空間から得られる骨形成組成物、骨誘導組成物、または骨伝導組成物が、ヒドロキシアパタイト、骨粉末、骨生成物、骨形態発生タンパク質、バイオアクティブ・ガラス、バイオアクティブ・セラミック、またはこれらの組合せである請求項8記載のインプラント。
【請求項10】
実質的に皮質骨からなる不連続壁を備え、該不連続壁が、組合されたときに該形状を形成する鏡像半部である、請求項1記載の少なくとも1つのインプラント。
【請求項11】
実質的に皮質骨からなる積重ねインプラントを備え、該インプラントが、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有する積重ねインプラントを形成する、請求項1記載の少なくとも1つのインプラント。
【請求項12】
積重ねインプラントが互いにピン止めされる請求項11記載の少なくとも1つのインプラント。
【請求項13】
実質的に、互いの頂面に積み重ねられるか、または互いに隣接する少なくとも2つの形削りされた皮質骨インプラントからなるインプラント。
【請求項14】
形削りされた皮質骨インプラントが、互いに隣接する椎骨間に形成された適切な寸法のキャビティに移植できる単体インプラントを形成するように適合される請求項13記載のインプラント。
【請求項15】
皮質骨インプラントが皮質骨ピンによって互いにピン止めされ、ピンが、生体適合性合成材料または金属ピンからなる請求項14記載のインプラント。
【請求項16】
形削りされた皮質骨インプラントが、所望の形状の2つの鏡像半部である請求項13記載のインプラント。
【請求項17】
円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを製造する方法であって、
(a)中央ドリル・ビットを有するコア・カッタを使用し、それによって、コア・カッタを用いて得られる骨プラグを貫通する導管を形成することによって、実質的に皮質骨からなる骨のプラグを得る段階、
(b)段階(a)の骨プラグを切削し、「座金状」骨プラグを作製する段階、
(c)骨プラグを貫通する導管を切削し、導管内に非対称形状を形成する段階、および
(d)該非対称形状を使用して骨プラグの外形を切削する段階を含む方法。
【請求項18】
骨プラグが、管状骨の骨幹および該管状骨の髄内管を切断し、実質的に皮質の端部と、髄内管の壁から得られる端部とを有する骨プラグを形成することによって得られる請求項17記載の方法。
【請求項19】
髄内管から得られた骨プラグの端部を切削して実質的に平面状の表面を形成し、実質的に皮質骨で構成された実質的に「座金状」の骨プラグを得る請求項18記載の方法。
【請求項20】
導管をブローチングし、骨プラグを貫通する非対称形状を形成することによって、該導管を非対称形状に形成する請求項19記載の方法。
【請求項21】
非対称形状が実質的に「D」字状である請求項20記載の方法。
【請求項22】
実質的に「D」字状の導管を有する骨プラグを、骨プラグの外形が該導管の形状と実質的に整合するようにさらに切削する請求項20記載の方法。
【請求項23】
さらなる切削が、骨プラグを非対称形状のといし車に接触させることを含む請求項20記載の方法。
【請求項24】
さらなる切削が、非対称な形状のカムに取り付けられたスピンドル上に骨プラグを取り付けること、およびこのように取り付けられた骨プラグを、対称軸の周りで回転するカッタと接触させ、それによって、カッタに該非対称カムの形状に応じて骨を幾分切断させることを含む請求項20記載の方法。
【請求項25】
切削の前または後に、骨プラグを積み重ねること、骨プラグに穴を掘削すること、および該積み重ねられた骨プラグを互いにピン止めすることをさらに含む請求項24記載の方法。
【請求項26】
円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する、実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを製造する方法であって、
(a)皮質骨のセグメントを切断する段階、
(b)該皮質骨セグメントを、皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備える該インプラントの最終形状の対称半部として形削りし、それによって、鏡像セグメントと並置させた状態で移植したときに、円、楕円、または非対称形状と、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面とを有するインプラントを形成する段階、および
(c)切断長が、所望の高さを有するインプラントの半部を形成するように、適切な長さの該形削りされた皮質骨セグメントを切断する段階を含む方法。
【請求項27】
インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む請求項17記載の方法。
【請求項28】
外側フィーチャが、インプラントにブローチを通過させるか、または該インプラントに複数の刃部の上方を繰り返し通過させることによって切削される請求項27記載の方法。
【請求項29】
インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む請求項26記載の方法。
【請求項30】
外側フィーチャが、該インプラントにブローチを通過させるか、または該インプラントに複数の刃部の上方を繰り返し通過させることによって切削される請求項27記載の方法。
【請求項31】
間隔を置いて配置された複数のリングの形状が、所望の形状を有する第1の円形リングから最終リングへテーパ付けされ、該テーパによって、各連続リングによる約0.04''以下の骨の除去が可能になる、間隔を置いて配置された複数のリングを備える骨に所望の形状の導管を形成するブローチ。
【請求項32】
非対称導管を有する骨プラグの外形を形成する装置であって、(b)非対称カム上に取り付けられた(a)スピンドルを備え、該骨プラグを該スピンドル上に密に取り付けることができるように、該スピンドルの形状が該骨プラグの非対称導管の形状に整合し、カムとカム従動体との接触に応じた程度に、該スピンドルに取り付けられた骨プラグを(d)カッタ手段に接触させ、それによって、該カッタが、該非対称カムの形状に応じた外形を骨プラグ上に成形するように、該非対称カムが(c)カム従動体の方へバイアスされる装置。
【請求項33】
(a)非対称カムが取り付けられたスピンドルに接続された軸を収納する横送り台と、
(b)該横送り台が第1のY平面内で並進する案内面を有し、該Y平面を横切る第2のX平面で並進するようにベッド上に摺動可能に取り付けられた往復台と、
(c)該非対称カムが該カム従動体に接触したときに該横送り台の該Y平面での並進を制限するカム従動体と、
(d)該往復台の該X平面での並進を、該スピンドルに取り付けられたインプラントと回転整合状態に維持された該カッタ手段の第1の所定の位置に制限する停止手段とを備える請求項32記載の装置。
【請求項34】
カッタ手段が、直径が該カッタ手段の切断面の第1の直径から該カッタ手段の非切断面のより大きな第2の直径へと増大する半径を画定する「肩部」を有する請求項33記載の装置。
【請求項35】
インプラントの、カッタ手段の肩部の方への前進が、ストップによって制限され、該ストップの位置が、外形が形成される前に該インプラントと接触する測定手段によって決定され、該測定手段が、該インプラントの、該カッタ手段の該肩部の方への並進の範囲を決定する請求項34記載の装置。
【請求項36】
測定手段が、インプラントの肩部の方への並進に関する第1の停止位置および第2の停止位置を提供し、したがって、該肩部との接触が妨げられる該第1の停止位置の方へ該インプラントが並進するときに該インプラントの外形を該カッタによって完全に画定することができ、次いで、該インプラントがさらに該第2の停止位置の方へ前進するときに該インプラントと該カッタ手段の該肩部との接触を許容することによって、該インプラントの1つまたは複数の縁部上に斜面を形成する請求項35記載の装置。
【請求項37】
非対称導管を有する骨プラグの外形を形成する装置であって、(a)該骨プラグを該スピンドル上に密に取り付けることができるように、該スピンドルの形状が該骨プラグの非対称導管の形状に整合するスピンドルと、(b)該スピンドル上に取り付けられた該骨プラグと接触させることのできる非対称形状のといし車とを備え、該といし車の非対称性に応じた外形を形成するように骨プラグの表面を研削できるほど骨プラグの回転速度がといし車の回転速度と異なるように、該といし車と該スピンドルが歯車を介して互いに整合接触状態に維持される装置。
【請求項38】
頚椎の融合を誘導する方法であって、融合すべき互いに隣接する椎骨の間の椎間板の一部を除去すること、および実質的に皮質骨からなる少なくとも1つのインプラントを該空間に挿入することを含み、該インプラントが、円、楕円、または非対称形状の皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備え、それによって、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面を有するインプラントを形成する方法。
【請求項39】
導管が、凸状に湾曲した皮質骨前面と、該凸状に湾曲した皮質骨前面と一体化された実質的に直線状の3つの皮質骨面とに囲まれ、それによって頂面と底面とを有するインプラントが形成される請求項38記載の方法。
【請求項40】
導管に骨形成物質、骨誘導物質、または骨伝導物質を充填する請求項39記載の方法。
【請求項41】
実質的に皮質骨からなるインプラントであって、該インプラントが、
(a)中央ドリル・ビットを有するコア・カッタを使用し、それによって、コア・カッタを用いて得られる骨プラグを貫通する導管を形成することによって、実質的に皮質骨からなる骨のプラグを得る段階、
(b)段階(a)の骨プラグを切削し、「座金状」骨プラグを作製する段階、
(c)骨プラグを貫通する導管を切削し、導管内に非対称形状を形成する段階、および
(d)該非対称形状を使用して骨プラグの外形を切削する段階を含む方法によって調製されたインプラント。
【請求項42】
骨プラグが、管状骨の骨幹および該管状骨の髄内管を切断し、実質的に皮質の端部と、髄内管の壁から得られる端部とを有する骨プラグを形成することによって得られる請求項41記載のインプラント。
【請求項43】
髄内管から得られた骨プラグの端部を切削して実質的に平面状の表面を形成し、実質的に皮質骨で構成された実質的に「座金状」の骨プラグを得る請求項42記載のインプラント。
【請求項44】
導管をブローチ削りし、骨プラグを貫通する非対称形状を形成することによって、導管を非対称形状に形成する請求項43記載のインプラント。
【請求項45】
非対称形状が実質的に「D」字状である請求項44記載のインプラント。
【請求項46】
実質的に「D」字状の導管を有する骨プラグを、骨プラグの外形が該導管の形状と実質的に整合するようにさらに切削する請求項44記載のインプラント。
【請求項47】
さらなる切削が、骨プラグを非対称形状のといし車に接触させることを含む請求項44記載のインプラント。
【請求項48】
さらなる切削が、非対称な形状のカムに取り付けられたスピンドル上に該骨プラグを取り付けること、およびこのように取り付けられた骨プラグを、対称軸の周りで回転するカッタと接触させ、それによって、カッタに該非対称カムの形状に応じて骨を幾分切断させることを含む請求項44記載のインプラント。
【請求項49】
切削の前または後に、骨プラグを積み重ねること、骨プラグに穴を掘削すること、および該積み重ねられた骨プラグを互いにピン止めすることをさらに含む請求項48記載のインプラント。
【請求項50】
(a)皮質骨のセグメントを切断する段階、
(b)該皮質骨セグメントを、皮質骨の連続壁または不連続壁に囲まれた導管を備える該インプラントの最終形状の対称半部として形削りし、それによって、鏡像セグメントと並置させた状態で移植したときに、円、楕円、または非対称形状と、各面が実質的に平面状であり、互いに実質的に平行である頂面および底面とを有するインプラントを形成する段階、および
(c)切断長が、所望の高さを有するインプラントの半部を提供するように、適切な長さの該形削りされた皮質骨セグメントを切断する段階を含む方法によって調製されるインプラント。
【請求項51】
インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む請求項50記載のインプラント。
【請求項52】
インプラントの頂面、底面、またはその両方に外側フィーチャを切削することをさらに含む請求項41記載のインプラント。
【請求項53】
骨インプラントに外側フィーチャをインスクライブする装置であって、(a)凹部を有するベースを備え、該凹部が、該骨インプラントを押し付けることのできる非切断上面と、該骨インプラントに該外側フィーチャをインスクライブするための切断上面との両方を有する(b)複数の切刃を収納し、該ベースが、(c)往復台用の摺動空間を形成し、該往復台が、(e)案内ロッドを保持する(d)ポストによって該ベースに摺動可能に固定され、該往復台がさらに、スロット内に装填され該複数の切刃の該非切断上面に押し付けられた該インプラントを受容するための張力付与可能なスロットを有し、したがって、次いで該インプラントに該複数の切刃の該切断面を横切らせて該外側フィーチャをインスクライブできる装置。
【請求項54】
実質的に皮質骨インプラントを製造する方法であって、
(a)脛骨または大腿骨の末端を除去し、天然の髄内管を備える骨幹を作製する段階、
(b)脛骨の前縁部または大腿骨の粗造線を髄内管のできるだけ近くで長手方向に切断し、実質的に三角形の断面を有する皮質骨の骨軸を作製する段階、
(c)皮質骨の該骨軸を所望の長さのセグメントに切断する段階、
(d)導管と皮質骨セグメントの外側との間に少なくとも約2mmの骨ストックを残すような直径のボアを有する、皮質骨の該セグメントの長軸を貫通する導管を掘削する段階、
(e)導管を非対称的に切削し、キー溝を作製する段階、および
(f)導管付き骨セグメントを把持する手段として該キー溝を使用して導管付き骨セグメントをさらに切削し、所望の形状および寸法特性のインプラントを作成する段階を含む方法。
【請求項55】
請求項54記載の方法によって作製される皮質骨インプラント。
【請求項56】
請求項55に従って、互いに隣接する椎骨の間に作製された空間に皮質骨インプラントを挿入することを含む、必要に応じて隣接する椎骨同士を融合する方法。
【請求項57】
導管内に充填された骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料を備える請求項55記載の皮質骨インプラント。
【請求項58】
骨形成材料、骨誘導材料、または骨伝導材料が海綿状骨のプラグを構成する請求項57記載の皮質骨インプラント。
【請求項59】
後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなるインプラントを、融合すべき脊椎骨同士の間に移植することを含む後腰椎椎骨間融合方法。
【請求項60】
腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側に該インプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助する請求項59記載の方法。
【請求項61】
後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなる後腰椎椎骨間融合インプラント。
【請求項62】
腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側にインプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助する請求項61記載のインプラント。
【請求項63】
後腰椎椎骨間融合のために適合された内側凹面および外側凸面、長さ、および高さを画定する幅、頂部寸法、底部寸法、曲率を有する実質的に三日月形の形状を有する実質的に皮質骨からなる後腰椎椎骨間融合インプラントを製造する方法であって、皮質骨のセグメントを切断することと、腰椎を変位させ、適切な量および形状の椎間板物質を除去し、後方アプローチ上の各側に該インプラントを挿入し、該各インプラントの該凹面を内側に椎骨本体の中心の方を向くように設定し、それに対して、該凸面をできるだけ腰椎の自然の外側曲率に整合するように設定することによって、腰椎間空間の各側に該インプラントを挿入し、それによって、互いに隣接する腰椎の融合を安定化させ補助することができるように前記皮質骨セグメントを形削りすることとを含む方法。
【請求項64】
実質的に図8Dから図8Gで図示し説明されている請求項61記載のインプラント。
【請求項65】
請求項64記載の少なくとも1つのインプラントを互いに隣接する椎骨の間に移植することを含む椎間融合を誘導する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−50268(P2007−50268A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271069(P2006−271069)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2000−507310(P2000−507310)の分割
【原出願日】平成10年8月27日(1998.8.27)
【出願人】(500351550)リジェネレーション テクノロジーズ インク. (2)
【出願人】(504228047)
【Fターム(参考)】