説明

盗撮防止システム、盗撮検出装置及び盗撮防止方法

【課題】撮影禁止区域を厳密に測定し、撮影禁止区域内における盗撮行為を防止するための盗撮防止システム、盗撮検出装置及び盗撮防止方法を提供する。
【解決手段】基準信号送信装置101は基準信号を定期的に送信し、携帯端末装置102は、基準信号を受信してから所定時間経過後に、撮影可能信号を送信し、信号受信装置103は、基準信号及び撮影可能信号を受信する。盗撮検出装置104に、基準信号送信装置101は、基準信号送信時刻及び撮影可能信号受信時刻についての情報を、信号受信装置103は、基準信号受信時刻及び撮影可能信号受信時刻についての情報を送信する。盗撮検出装置104は、これらの情報から携帯端末装置102の位置が、撮影禁止区域内か否かの判定を行ない、該区域内であれば、盗撮防止装置105を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影禁止区域での、撮影機能が搭載された携帯端末装置による撮影を防止するための撮影防止の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラや携帯電話などの携帯端末装置に搭載されたカメラ等による、例えば、企業秘密を不正取得するための機密情報を含んだ機器や書類等の盗撮、又は、公衆の場での猥褻目的の盗撮、書物や美術品といった著作物の違法な撮影等が問題になってきた。
【0003】
また、近年、デジタルカメラ、ビデオカメラ又は携帯電話などに搭載され、静止画や動画が撮影可能なCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラの画素数、画質などの性能向上により、携帯端末装置に格納できる情報が増えたため、盗撮に関しての危険性は増大している。すなわち、情報漏えい、著作権の侵害又はプライバシーの侵害等に関して、これらを防止するためのニーズがより増えてきている。
【0004】
この問題点に対する対応措置として、現在、カメラ付き携帯電話などでは、操作時の効果音等が出ないマナーモード(サイレントモード)にした場合でも、カメラ撮影時には撮影音がしたり、ライトが点灯し、撮影が行なわれた事を示す機能が標準で実装されている。
【0005】
また、周囲の雑音が大きい場合や周囲光のために撮影していることがわかりにくい場合であっても、周辺音の大きさや周辺の光量に合わせて、撮影音や撮影通知光を調整し、撮影者が撮影した事について分かる装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、移動局装置が、撮影時にカメラの撮影機能から発信する特定信号を受信すると、移動局装置の使用者に対し、警告音を発生して通知する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、撮影禁止区域付近で、撮影機能を制限する信号を発信することにより、撮影操作を禁止する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−303719号公報
【特許文献2】特開2005−333217号公報
【特許文献3】特開2005−341044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、公衆の場において周囲に撮影者以外の者がいる場合に効果はあるが、人のいない時を狙った企業の機密情報の取得や、著作物の盗撮(いわゆるデジタル万引き)などに有効な手段となるとは言えない。
【0009】
また、特許文献2及び特許文献3の技術では、撮影禁止区域付近で特に撮影が禁止されていない場所でも、撮影禁止の警報が鳴ったり、ユーザーの携帯端末装置の撮影操作が出来なくなるなどと言った問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、撮影禁止区域を厳密に測定し、撮影禁止区域内における盗撮行為を防止するための盗撮防止システム、盗撮検出装置及び盗撮防止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
斯かる実情に鑑み、第1の発明による盗撮防止システムは、所定の時間間隔で、基準とする基準信号を送信する基準信号送信手段と、撮影機能を備え、前記基準信号を受信し、撮影可能状態である場合に、該基準信号の受信時刻から所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示す撮影可能信号を送信する携帯端末装置と、前記基準信号と前記撮影可能信号とを受信する複数の信号受信手段と、前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段から送信される情報により、前記携帯端末装置が、所定の区域に位置するか否かの検出を行なう盗撮検出手段と、前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置した場合に、前記盗撮検出手段が、盗撮を防止するために作動させる盗撮防止手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明による盗撮防止システムは、前記基準信号送信手段が、前記基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻についての情報を、前記盗撮検出手段に送信し、前記信号受信手段は、前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻についての情報を、前記盗撮検出手段に送信し、前記盗撮検出手段は、前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段から受信した情報から、前記携帯端末装置の位置を計測することを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明による盗撮防止システムは、前記基準信号及び前記撮影可能信号には、前記基準信号送信手段及び/又は前記携帯端末装置の識別情報が含まれることを特徴とする。
【0014】
また、第4の発明による盗撮防止システムは、前記基準信号及び前記撮影可能信号が、短いインパルス状の純粋なパルス信号列であることを特徴とする。
【0015】
また、第5の発明による盗撮防止システムは、前記盗撮防止手段が、前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置する場合、音声により通知することを特徴とする。
【0016】
また、第6の発明による盗撮防止システムは、前記盗撮防止手段が、前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置する場合、該区域に設けられた施錠手段を作動させることを特徴とする。
【0017】
また、第7の発明による盗撮検出装置は、撮影機能を備える携帯端末装置が、所定の区域内に位置するか検出を行なう盗撮検出装置であって、信号の送受信の時刻に関する送受信時刻情報を受信して記憶する記憶手段と、前記記憶手段から、前記送受信時刻情報を取得して、前記携帯端末装置の位置を計測し、前記所定の区域内に位置するかの判定を行なう盗撮判定手段と、前記盗撮判定手段は、前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置すると判定した場合に、盗撮防止装置を作動させる盗撮防止装置作動手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、第8の発明による盗撮検出装置は、前記信号が、基準とするために所定の時間間隔で送信される基準信号と、前記携帯端末装置が、該基準信号を受信してから所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示す撮影可能信号とであり、前記送受信時刻情報は、前記基準信号を送信する基準信号送信装置からの該基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報と、信号受信装置からの前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報とであることを特徴とする。
【0019】
また、第9の発明による盗撮検出装置は、前記基準信号送信装置における該基準信号の送信時刻をBs、前記撮影可能信号の受信時刻をBts、前記携帯端末装置が前記基準信号を受信してから前記撮影可能信号を送信するまでの所定時間をTdtとした場合に、該基準信号送信装置と該携帯端末装置間の距離Ltbの信号伝播時間Tdbを、Tdb=Bts−Bs−Tdtとして算出し、前記信号受信装置における前記撮影可能信号の受信時刻をRts、信号が空気中を伝播する速度をVsとした場合に、該信号受信装置と前記携帯端末装置間の距離Ltrは、Ltr={(Rts−Bs)−(Tdb−Tdt)}×Vsとして算出し、該距離Ltrから、該携帯端末装置が前記所定の区域内に位置するかの判定を行なうことを特徴とする。
【0020】
また、第10の発明による盗撮防止方法は、所定の時間間隔で基準とする基準信号を送信する基準信号送信手段、撮影機能を備えた携帯端末装置、及び該基準信号送信手段及び該携帯端末装置からの信号を受信する信号受信手段から、盗撮検出手段により該携帯端末装置が所定の区域内に位置するか検出する盗撮防止方法であって、
前記基準信号送信手段が、前記基準信号を送信するステップと、
前記携帯端末装置が、前記基準信号を受信してから所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示す撮影可能信号を送信するステップと、
前記基準信号送信手段が、前記盗撮検出手段に、前記基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報を送信するステップと、
前記信号受信手段が、前記盗撮検出手段に、前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報を送信するステップと、
前記盗撮検出手段が、前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段からの情報より、前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置するかの判定を行なうステップと、前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置した場合に、盗撮防止装置を作動させるステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、携帯端末装置の位置を特定するために、携帯端末装置と信号受信器間の距離を測定するための基準信号を送信し、基準信号送信手段及び複数の信号受信手段からそれぞれ、基準信号送信時刻、基準信号受信時刻、撮影可能信号受信時刻を取得し、各信号受信手段から携帯端末装置までの距離を計測することができる。各信号受信手段の設置位置と信号受信手段から携帯端末装置までの距離より、撮影可能状態である携帯端末装置の位置が撮影を禁止する区域内か否かの判定を行ない、該区域内で撮影が行なわれる恐れがある場合には、撮影を抑止するための機器を作動させることができる。
【0022】
また、基準信号及び撮影可能信号に、基準信号送信手段及び/又は携帯端末装置の識別情報を載せることにより、計測区域内に、複数の基準信号送信手段及び携帯端末装置が存在しても、区別して、個々の装置について正確に計測を行なうことができる。
【0023】
また、携帯端末装置の位置の計測の精度が高くなるので、撮影禁止区域付近で特に撮影が禁止されていない場所での盗撮防止装置の誤作動を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る盗撮防止システム100の概略構成を示す図である。
【0026】
盗撮防止システム100は、所定の時間間隔で基準信号を送信する基準信号送信装置101と、カメラなどの撮影機能を有し、かつ基準信号送信装置101から送信される基準信号を受信し、撮影可能状態である場合には撮影可能信号を送信することができる携帯端末装置102と、基準信号送信装置101からの基準信号及び携帯端末装置102からの撮影可能信号を受信するための複数の信号受信装置103と、基準信号送信装置101、携帯端末装置102及び信号受信装置103から受信した信号送受信時刻情報により携帯端末装置102が撮影禁止区域にあるか否かの判定を行なう盗撮検出装置104と、盗撮検出装置104が、携帯端末装置102は撮影禁止区域にあると判定した場合に、作動させる盗撮防止装置105と、を含んで構成される。
【0027】
なお、上記では、基準信号送信装置101と、信号受信装置103と、盗撮検出装置104と、盗撮防止装置105とを別個の装置として説明したが、基準信号装置101に盗撮検出装置104及び/又は盗撮防止装置を備え、1つの装置としてもよいし、信号受信装置103に盗撮検出装置104及び/又は盗撮防止装置を備え、1つの装置としても、本発明の効果は同様で、実施することができる。
【0028】
基準信号送信装置101は、携帯端末装置102からの撮影可能信号を受信し、基準信号を送信した時刻と、撮影可能信号を受信した時刻とを一時的に記憶し、盗撮検出装置104に該時刻情報を送信する。
【0029】
また、盗撮検出装置104は、基準信号送信装置101及び信号受信装置103の基準時計としての機能も備える。
【0030】
本発明に係るシステムは、撮影機能付きの携帯端末装置102が撮影禁止区域内において撮影行為を行なおうとした場合に、基準信号送信手段101、信号受信装置103及び盗撮検出装置104により盗撮行為が撮影禁止区域内で行なわれている事を判定し、盗撮を検出した場合には、盗撮防止装置105を作動させ、盗撮を防止する構成となっている。
【0031】
図2は、本発明に係るシステムにおける各装置の盗撮防止機能のモジュール部分の構成について示したブロック図である。
【0032】
基準信号送信装置101には、基準信号を送信する基準信号送信手段201と、携帯端末装置102から撮影可能信号を受信する撮影可能信号受信手段202と、これらの送受信した時刻を記憶する記憶手段203と、記憶手段203から信号送受信の時刻情報を取得し、盗撮検出装置104に送信する制御手段204とを含んで構成される。
【0033】
また、信号受信装置103には、基準信号送信装置101からの基準信号及び携帯端末装置102からの撮影可能信号を受信する信号受信手段205と、これらの受信した時刻を記憶する記憶手段206と、信号受信の時刻情報を取得し、盗撮検出装置104に送信する制御手段207とを含んで構成される。
【0034】
また、盗撮検出装置104には、基準信号送信装置101及び信号受信装置103から受信した信号送受信時刻情報を記憶する記憶手段208と、記憶手段208から取得した信号送受信時刻情報より、携帯端末装置102が撮影禁止区域で撮影可能状態にあるか否かの判定・検出をする盗撮判定手段209と、盗撮判定手段209が、盗撮を検出した場合に、盗撮防止装置105を作動させる盗撮防止装置作動手段210と、基準信号送信装置101及び信号受信装置103の基準となる基準時計211とを含んで構成される。
【0035】
上記説明では、それぞれの装置個々に記憶手段を備えるとして説明したが、例えば、基準信号送信装置101又は信号受信装置103と盗撮検出装置104及び/又は盗撮防止装置105が、1つの装置として構成されるのであれば、記憶手段をまとめて1つとしてもよい。
【0036】
図3は、本発明に係るシステムに対応した携帯端末装置102における盗撮防止機能のモジュール部分の構成について示したブロック図である。
【0037】
携帯端末装置102には、携帯端末装置102内のカメラデバイスの電源判定手段301と、基準信号送信装置101から送信される基準信号を受信するための基準信号受信手段302と、携帯端末装置102固有の情報を保持し、撮影可能信号送信時に該情報を出力する端末情報取得手段303と、カメラデバイス電源判定手段301と基準信号受信手段302からの情報により、盗撮防止システムの基準信号を受信可能な場所において、携帯端末装置102がカメラ撮影可能状態であるかを判定する撮影可能状態判定手段304と、撮影可能状態判定手段304により撮影可能状態と判定された場合に、基準信号受信手段302で受信した基準信号の情報と端末情報取得手段303から取得した端末情報を撮影可能信号として送信するための撮影可能信号送信手段305とを含んで構成される。
【0038】
図4は、基準信号送信装置101、携帯端末装置102、信号受信手段103a、103bの位置関係及びそれぞれの間の距離Ltb、LtrN、LbrN(N=a又はb)を示す図である。
【0039】
図5は、基準信号送信装置101、携帯端末装置102、信号受信装置103における基準信号及び撮影可能信号についての送受信時刻の関係を示す図である。
【0040】
Bsは、基準信号送信装置101の基準信号送信時刻であり、Btsは、基準信号送信装置101において携帯端末装置102から受信した撮影可能信号受信時刻であり、Tdbは、基準信号送信装置101と携帯端末装置102間の距離Ltbの信号伝播時間である。
【0041】
Trは、携帯端末装置102の基準信号受信時刻であり、Tsは携帯端末装置102からの撮影可能信号送信時刻であり、Tdtは携帯端末装置102が基準信号を受信してから撮影可能信号を送信するまでの予めさだめられた時間である。
【0042】
RbsNは、信号受信装置103が基準信号を受信した時刻であり、RtsNは、信号受信装置103が撮影可能信号を受信した時刻であり、DbrNは、基準信号送信装置101と信号受信装置103間の距離LbrNの信号伝播時間であり、TdrNは信号受信装置103と携帯端末装置102間の距離LtrNの信号伝播時間である(N=a又はb)。
【0043】
以下に、本発明に係る盗撮防止システムの処理の流れについて詳細に説明していく。
まず初めに、基準信号送信装置101の動作について説明する。
図6は、基準信号送信装置101の処理の手順を示すフローチャート図である。
【0044】
基準信号送信手段201は、予め定められた時刻間隔で基準信号を送信する。
【0045】
本処理の開始直後に、制御手段204は、記憶手段203に記憶している基準信号送信開始時刻Bsを現在の時刻t1で初期化する(S101)。
【0046】
次に、制御手段204は、送信開始時刻Bsに次回送信開始時刻までの時間であるdBsを加算する(S102)。
【0047】
次に、制御手段204は、現在の時刻t1が基準信号送信開始時刻Bsと同じかを判定し(S103)、基準信号送信開始時刻Bsであれば、基準信号送信手段201に基準信号を送信させる(S104)。現在の時刻t1が、送信開始時刻Bsより前であれば、S103の判定の処理を繰り返す。
【0048】
その後、制御手段204は、基準信号送信開始時刻Bsに、携帯端末装置102からの撮影可能信号の受信を最大Tbtmaxまで待つ処理を行う。ここでTbtmaxは次の送信開始時刻までの時間dBsよりも小であるとする。
【0049】
制御手段204は、現在の時刻t1と基準信号開始時刻BsにTbtmaxを加えた時刻との比較を行なう(S105)。
【0050】
制御手段204の上記判定で、現在時刻t1が、BsにTbtmaxを加えた時刻より以後であった場合(S105で「NO」)、S102の処理に戻り、Bsに次回送信開始時刻までの時間であるdBsを加算して、次の基準信号送信時刻になると再び基準信号を送信する処理を行なう。
【0051】
制御手段204の上記判定で、現在時刻t1が、BsにTbtmaxを加えた時刻より前であった場合(S105で「YES」)、制御手段204の制御信号により、撮影可能信号受信手段202は、携帯端末装置102からの撮影可能信号の受信を待つ(S106)。
【0052】
ところで、基準信号送信手段201が時刻Bsに基準信号を送信すると、図4に示される距離の関係により携帯端末装置102及び信号受信装置103Nまでの距離LtbとLbrNの距離差に応じて、図5で示されるように、基準信号が携帯端末装置102では時刻Tr、信号受信装置103では時刻RbsNに受信される。
【0053】
後述のように、基準信号受信時に携帯端末装置102がカメラ撮影可能な状態にある場合には、携帯端末装置102から基準信号受信時刻Trから時間Tdt後の時刻Tsに撮影可能信号を送信し、基準信号送信装置101の撮影可能信号受信手段202は、距離Ltbに応じて時刻Btsにそれを受信する。
【0054】
制御手段204は、撮影可能信号受信手段202が、携帯端末装置102から撮影可能信号を受信したか否かの判定を行ない(S107)、撮影可能信号を受信していない場合には(S107で「NO」)、S105の処理に戻る。
【0055】
撮影可能信号を受信した場合(S107で「YES」)、制御手段204は、基準信号送信時刻Bs及び撮影可能信号受信時刻Btsに関する情報を、盗撮検出装置104に送信する(S108)。
【0056】
その後は、S105に戻り、他の携帯端末装置102からの撮影可能信号の受信を待つ状態に戻る。
【0057】
次に、信号受信装置103の動作について説明する。
図7は、信号受信装置103の処理の手順を示すフローチャート図である。
【0058】
信号受信手段205は、基準信号の受信を待つ(S201)。
【0059】
次に、制御手段207は、信号受信手段205が基準信号を受信したか否かの判定・検出を行なう(S202)。
【0060】
受信した信号が基準信号である場合(S202で「YES」)、制御手段207は、記憶手段206に、基準信号受信時刻Rbsを記憶する(S203)。
【0061】
基準信号を受信しない場合(S202で「NO」)、S201に戻り、基準信号受信手段205は、基準信号の受信を待つ。
【0062】
基準信号を受信した場合、基準信号受信時刻Rbsから最大Trtmaxの時間が経過するまで、信号受信手段205は、携帯端末装置102からの撮影可能信号の信号受信待ちとなる。ここで、時間Trtmaxは基準信号送信間隔dBsより小であるとする。
【0063】
すなわち、制御手段207は、現在時刻t2が、RbsにTrtmaxを加えた時刻より前であるか否かの判定を行なう(S204)。
【0064】
現在時刻t2が、RbsにTrtmaxを加えた時刻より前である場合(S204で「YES」)、制御手段207の制御信号により、信号受信手段205は、携帯端末装置102からの撮影可能信号の受信を待つ(S205)。
【0065】
現在時刻t2が、RbsにTrtmaxを加えた時刻以後である場合(S204で「NO」)、S201の処理に戻り、信号受信手段205は、基準信号の受信を待つ。
【0066】
ここで、前述のように、携帯端末装置102は、基準信号受信時にカメラ撮影可能な状態にある場合には、基準信号受信時刻Trから時間Tdt後の時刻Tsに撮影可能信号を送信し、信号受信装置103の信号受信手段205は、距離LtrNに応じて、時刻RtsNにそれを受信する。
【0067】
制御手段207は、信号受信手段205が携帯端末装置102から撮影可能信号を受信したか否かの判定・検出を行なう(S206)。
【0068】
信号受信手段205が、携帯端末装置102から撮影可能信号を受信した場合(S206で「YES」)、基準信号受信時刻Rbs及び撮影可能信号受信時刻Rtsを盗撮検出装置104に送信する(S207)。
【0069】
信号受信手段205が、携帯端末装置102から撮影可能信号を受信しない場合には(S206で「NO」)、S204の判定に戻り、所定時間が経過するまで撮影可能信号の受信を待つ。
【0070】
S207で、基準信号受信時刻Rbs及び撮影可能信号受信時刻Rtsを盗撮検出装置104に送信した後は、S204に戻り、他の携帯端末装置102からの撮影可能信号の受信待ちに戻る。
【0071】
信号受信装置103a、信号受信装置103bとあるが、どちらも処理の手順は同様である。また、本実施形態では、信号受信装置103は2つとして説明したが、これ以上の数であっても、処理は同様であり、本発明に係る作用・効果についても同様である。
【0072】
次に、携帯端末装置102内の盗撮防止システム関連部分の動作を説明する。
図8は、携帯端末装置102内の盗撮防止システム関連モジュールの処理の手順を示したフローチャート図である。
【0073】
初めに、カメラデバイス電源判定手段301は、撮影が可能なようにカメラデバイスに電源が投入されているかを判定し(S301)、カメラデバイスの電源がONの場合には(S301で「YES」)、カメラデバイス電源判定手段301は、撮影可能状態判定手段304に通知する。
【0074】
カメラデバイス電源判定手段301から通知を受け取った撮影可能状態判定手段304は、基準信号受信手段302に、基準信号の受信待ちとなるよう制御信号を送信する。
【0075】
撮影可能状態判定手段304から制御信号を受け取った基準信号受信手段302は、基準信号受信待ちになり、撮影可能状態判定手段304は、基準信号を受信したか否かの判定・検出を行なう(S302)。基準信号を受信していない場合は、S301の処理に戻る。
【0076】
撮影可能状態判定手段304は、信号受信手段302が基準信号を受信したと判定した場合(S302で「YES」)、基準信号送信装置101から送信された基準信号を受信した時刻Trを記憶する(S303)。
【0077】
カメラデバイスの電源がONの状態で、基準信号を受信した場合、撮影可能状態判定手段304は、携帯端末装置102が、撮影可能であり、且つ撮影禁止区域に入った可能性のある状態、すなわち、盗撮の可能性のある状態と判定し、基準信号受信時刻Trから予めさだめられた時間Tdt後を撮影可能信号送信時刻Tsとする(S304)。
【0078】
撮影可能信号送信時刻Tsになるまで待ち状態になり、撮影可能状態判定手段304は、現在時刻t3が撮影可能信号送信時刻Tsとなったか否かの判定を行なう(S305)。
【0079】
現在時刻t3が、まだ撮影可能信号送信時刻Tsとなっていない場合(S305で「NO」)、S305の判定を繰り返す。
【0080】
現在時刻t3が、撮影可能信号送信時刻Tsとなった場合(S305で「YES」)、撮影可能状態判定手段304は、撮影可能信号送信手段305に制御信号を出力し、撮影可能信号送信手段305は、撮影可能信号を、信号受信装置103に送信する(S306)。
【0081】
撮影可能信号を送信した後は、S301の処理に戻り、本手順を繰り返す。
【0082】
次に、盗撮検出装置104の動作を説明する。
図9は、盗撮検出装置104の処理の手順を示すフローチャート図である。
【0083】
初めに、盗撮判定手段209は、記憶手段208の所定のアドレスにおいて、基準信号送信装置101の基準信号送信時刻Bs及び撮影可能信号受信時刻Btsの更新があるか否かの判定を行ない(S401)、更新がなければ(S401で「NO」)、本判定を定期的に繰り返す。
【0084】
盗撮判定手段209は、記憶手段208に、上記のような更新があると判定した場合(S401で「YES」)、記憶手段208から、基準信号送信時刻Bs及び撮影可能信号受信時刻Btsを取得し(S402)、基準信号送信装置101と携帯端末装置102間の距離Ltbの信号伝播時間Tdbを以下の式に基づき算出する(S403)。
【数1】

【0085】
基準信号送信時刻Bs及び撮影可能信号受信時刻Btsの差は、基準信号送信装置101と携帯端末装置102間の信号の往復する時間に、携帯端末装置102での基準信号受信から撮影可能信号送信までの時刻Tdtを加えた時間になるため、基準信号送信装置101と携帯端末装置102間の距離Ltbの信号伝播時間Tdbは、上記の式で算出できる。
【0086】
次に、各信号受信装置103からの受信時刻情報を取得するために、受信時刻情報を受信した信号受信装置103の数を示すカウンタNを1に初期化する(S404)。
【0087】
盗撮判定手段209は、信号受信装置103における基準信号受信時刻RbsN及び撮影可能信号受信時刻RtsNを記憶手段208から取得し(S405)、信号受信装置103Nから携帯端末装置102までの距離LtrNを以下の式に基づき算出する(S406)。なお、RbsN及びRtsNは、記憶手段208において、各信号受信装置103ごとに領域が確保されていて、異なるアドレスに格納されているものとする。
【数2】

【0088】
ここで、TdrNは、携帯端末装置102から信号受信装置103Nまでに信号が到達する時間であり、Vsは信号(電波)が空気中を伝播する速度である。
【0089】
上記の式における項[1]は、基準信号送信装置101が基準信号を送信してから携帯端末装置102より撮影可能信号を受信するまでの時間であり、これは、距離LtrNと、携帯端末装置102が基準信号を受信するまでの時間Tdbと撮影可能信号を送信するまでの時間Tdtに起因する。
【0090】
項[2]は、基準信号送信装置101から見て、携帯端末装置102が基準信号を受信し撮影可能信号を送信するまでの時間であり、これは距離Ltbに起因する。
【0091】
項[1]から項[2]を減算する事により、携帯端末装置102が撮影可能信号を送信した時刻Tsから信号受信装置103がそれを受信した時刻RtsNまでにかかった時間TdrNが求められる。
【0092】
ただし、携帯端末装置102や信号受信装置103等は、完全に一致する時刻測定装置を持つわけではないため、時刻TsからTdrNを求めることは不可能であるため、基準信号送信装置101及び信号受信装置103は同じ基準時刻を共有する必要があり、例えば、盗撮検出装置104内に基準時計211を備え、該基準時計211を基にするとよい。
【0093】
次に、別の信号受信装置103から受信時刻情報を取得するために、カウンタNに1加算する(S407)。
【0094】
ここで、盗撮判定手段209は、カウンタNが、総信号受信装置103の数より大きいか否かの判定を行なう(S408)。
【0095】
カウンタNが、総信号受信装置103の数以下の場合(S408で「NO」)、S405に戻り、新たな信号受信装置103からの受信時刻情報を取得する。
【0096】
既に、カウンタNが、総信号受信装置103の数より大きく、全ての信号受信装置103から受信時刻情報を取得済みであれば(S408で「YES」)、盗撮判定手段209は、携帯端末装置102の位置を算出する(本実施例では、数2の式で算出される携帯端末装置102から各信号受信装置103までの距離)(S409)。
【0097】
次に、盗撮判定手段209は、携帯端末装置102の現在位置が撮影禁止区域内かどうかを判定し(S410)、撮影禁止区域内であれば(S410で「YES」)、盗撮防止装置作動手段210に、盗撮防止装置105を作動させるよう制御信号を送信して(S411)、本処理を終了する。携帯端末装置102の現在位置が、撮影禁止区域内でなければ(S410で「NO」)、S401に戻り、処理を繰り返す。
【0098】
ところで、S410における携帯端末装置102の現在位置が撮影禁止区域内かどうかの判定は、例えば、図10に示されるように、撮影禁止区域が信号受信装置103aと信号受信装置103bの間に来るように信号受信装置103aと信号受信装置103bを設置し、携帯端末装置102から信号受信装置103aまでの距離Ltr1及び信号受信装置103bまでの距離Ltr2が以下の式を満たした場合に、撮影禁止区域Ra内であると判定することができる。
【数3】

【0099】
ここで、Laは、撮影禁止区域を規定するため、予め定められた値であるとする。
【0100】
ところで、図11は本発明で送受信に使用する信号の一例を示す図である。
本発明では、携帯端末装置102と第一の信号受信装置103aと第二の信号受信装置103b間での距離を正確に計測する必要がある。信号を電波で送信した場合、電波の伝播速度はおよそ30万Km/秒であり、信号の受信時刻を正確に計測するためには、電波の受信時刻の正確さとともに、受信波形の開始位置などを正確に取得する必要がある。
図11で示す幅Tpが1ナノ秒より短い数百ピコ秒オーダーとなるインパルス列に信号情報を乗せて伝送を行なうUWB(Ultra Wide Band、超広帯域)無線のようなものを利用し、受信時刻をナノ秒単位で取得できれば、距離の計測精度を数センチ程度の精度で確保することができる。
インパルス列に信号情報を乗せるためには、送信信号をプリアンブル部とデータ部に分けて送信すればよい。
【0101】
また、基準信号送信装置101から送信される基準信号について、データ部に、基準信号送信装置101の識別情報を載せ、また、携帯端末装置102から送信される撮影可能情報信号についても、基準信号を受信した前記基準信号送信装置101の識別情報を付加し、且つ携帯端末情報を付加して撮影可能信号として送信する事で、複数の基準信号送信装置103がある場合や、撮影禁止区域に複数の携帯端末装置102が撮影可能状態にある場合でも、各信号受信装置103において、受信する信号から個々の基準信号送信装置101又は携帯端末装置102の情報を分離する事が可能となり、盗撮検出装置104の盗撮判定手段209へその情報と共にデータを送る事により、盗撮判定手段209は、基準信号送信装置101及び携帯端末装置102を識別することができ、個々の携帯端末装置102までの距離を正確に計測する事が可能になる。
【0102】
盗撮防止装置105は、例えば、混雑した電車内等の公衆の場所での猥褻目的の盗撮が行なわれる場合や、書店又はコンビニエンスストア等での書物などに対するいわゆるデジタル万引きと呼ばれる盗撮が行なわれる場合には、例えば、盗撮行為を行なおうとしているユーザーへ警告を発したり、その周囲の人に対して警戒を促すために、警報を鳴らしたり又は予め録音した警告アナウンスを放送する等により盗撮を防止する装置である。
【0103】
また、企業内の機密情報を管理する区域などにおいて、機密情報等の盗撮を防止する場合には、例えば、撮影情報の持ち出しなどによる情報漏えいを防ぐために、該当する機密情報管理区域の出入り口の施錠を行ったり、人の出入り時のチェックを強化するために、警備へ通報を行なったりする装置であっても良い。
【0104】
ただし、本発明は、撮影禁止区域内での盗撮を検出し、防止する事が主たる目的であるため、盗撮防止装置105の種類は限定しない。
【0105】
以上のような構成とすることにより、基準信号送信装置101における基準信号の送信時刻及び撮影可能信号の受信時刻、並びに信号受信装置103における基準信号及び撮影可能信号の受信時刻より、各信号受信装置103から撮影可能状態である携帯端末装置102までの距離が計測でき、また、それらの距離と予め測定されている各信号受信装置103の位置情報から、撮影禁止区域を、従来技術より精度を高めて特定した上で、不正な撮影を防止するための機器を動作させることが可能となる。
【0106】
(第2の実施の形態)
本実施形態では、第1の実施形態において図9で示したS409の携帯端末装置102の位置の算出処理以降の動作に関して、携帯端末装置102の撮影が撮影禁止区域内か外かの判定を行なう別の実施形態について説明する。他の部分に関しては第1の実施形態と同様であるため詳細の説明は省略する。
【0107】
図12は、携帯端末装置102が撮影禁止区域Rbの内か外かを判定する方法を示すための図である。
【0108】
信号受信装置103cの設置位置P1の座標(x1,y1)と、信号受信装置103dの設置位置P2の座標(x2,y2)は既知とする。これは、信号受信装置103c及び信号受信装置103dの設置を行なう際に測定可能であるためである。
【0109】
撮影可能信号送信時の携帯端末装置102の位置Ptの座標を(xt,yt)とした場合、携帯端末装置102と信号受信装置103c間の距離Ltr1と、携帯端末装置102と信号受信装置103d間の距離Ltr2との関係は以下の式のような関係になる。
【数4】

【0110】
数4の式を変数xt、ytについて解けば、携帯端末装置102の位置Ptを特定することが可能になる。携帯端末装置102の位置情報をxy平面の座標として取得できれば、一般的な多角形の内外判定方法を適用する事により、第1の実施形態において図10に示したような撮影禁止区域を、多角形で定義される任意の形状で指定する事が可能になる。
【0111】
同様に3次元の場合に関しても、信号受信装置103cの設置位置P1の座標(x1,y1,z1)と信号受信装置103dの設置位置P2の座標(x2,y2,z2)、及び第3の受信装置としての基準信号送信装置101又は追加の信号受信装置103eの位置P3の座標(x3,y3,z3)は既知とし、撮影可能信号送信時の携帯端末装置102の位置Ptの座標を(xt,yt,zt)とした場合、携帯端末装置102と信号受信装置103c間の距離Ltr1と、携帯端末装置102と信号受信装置103d間の距離Ltr2と携帯端末装置102と第3の受信装置間の距離をLtr3とした場合、それぞれの間の関係は以下の式のような関係になる。
【数5】

【0112】
数5の式を変数xt、yt、ztについて解けば、携帯端末装置102の位置Ptを3次元上の位置情報(xt,yt,zt)として特定することが可能になる。携帯端末装置102の位置情報をxyz空間の座標として取得できれば、一般的なポリゴンで構成される立体の内外判定方法を適用する事により、撮影禁止区域を複数のポリゴンで構成される任意の3次元形状で指定する事が可能になる。
【0113】
さらに、盗撮行為が行なわれている場所を平面もしくは空間上の座標として特定できる事により、例えば、防犯カメラ等により盗撮行為者の限定を行なうことが可能になる。
【0114】
尚、本発明の盗撮防止システム、盗撮検出装置及び盗撮防止方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明における盗撮防止システムの一例を示すための構成図である。
【図2】本発明における盗撮防止機能のモジュール構成を示すブロック図である。
【図3】本発明における携帯端末装置側のモジュール構成を示すブロック図である。
【図4】本発明における基準信号送信装置と携帯端末装置と信号受信装置との間の位置と距離の相関関係を示す図である。
【図5】基準信号送信装置、携帯端末装置及び信号受信装置における基準信号及び撮影可能信号についての送受信時刻の関係を示す図である。
【図6】本発明における基準信号送信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明における信号受信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明における携帯端末装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明における盗撮検出装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態における携帯端末装置の位置について撮影禁止区域の内外判定を説明するための図である。
【図11】本発明における基準信号送信装置、携帯端末装置及び信号受信装置間で行なう通信の信号の波形を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における携帯端末装置の位置について撮影禁止区域の内外判定を説明するための図である。
【符号の説明】
【0116】
100 盗撮防止システム
101 基準信号送信装置
102 携帯端末装置
103 信号受信装置
104 盗撮検出装置
105 盗撮防止装置
201 基準信号送信手段
202 撮影可能信号受信手段
203、206、208 記憶手段
204、207 制御手段
205 信号受信手段
209 盗撮判定手段
210 盗撮防止装置作動手段
211 基準時計
301 カメラデバイス電源判定手段
302 基準信号受信手段
303 端末情報取得手段
304 撮影可能状態判定手段
305 撮影可能信号送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間間隔で、基準とする基準信号を送信する基準信号送信手段と、
撮影機能を備え、前記基準信号を受信し、撮影可能状態である場合に、該基準信号の受信時刻から所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示す撮影可能信号を送信する携帯端末装置と、
前記基準信号と前記撮影可能信号とを受信する複数の信号受信手段と、
前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段から送信される情報により、前記携帯端末装置が、所定の区域に位置するか否かの検出を行なう盗撮検出手段と、
前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置した場合に、前記盗撮検出手段が、盗撮を防止するために作動させる盗撮防止手段とを備えることを特徴とする盗撮防止システム。
【請求項2】
前記基準信号送信手段は、前記基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻についての情報を、前記盗撮検出手段に送信し、
前記信号受信手段は、前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻についての情報を、前記盗撮検出手段に送信し、
前記盗撮検出手段は、前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段から受信した情報から、前記携帯端末装置の位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の盗撮防止システム。
【請求項3】
前記基準信号及び前記撮影可能信号には、前記基準信号送信手段及び/又は前記携帯端末装置の識別情報が含まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の盗撮防止システム。
【請求項4】
前記基準信号及び前記撮影可能信号は、短いインパルス状の純粋なパルス信号列であることを特徴とする請求項3に記載の盗撮防止システム。
【請求項5】
前記盗撮防止手段は、前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置する場合、音声により通知することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の盗撮防止システム。
【請求項6】
前記盗撮防止手段は、前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置する場合、該区域に設けられた施錠手段を作動させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の盗撮防止システム。
【請求項7】
撮影機能を備える携帯端末装置が、所定の区域内に位置するか検出を行なう盗撮検出装置であって、
信号の送受信の時刻に関する送受信時刻情報を受信して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から、前記送受信時刻情報を取得して、前記携帯端末装置の位置を計測し、前記所定の区域内に位置するかの判定を行なう盗撮判定手段と、
前記盗撮判定手段は、前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置すると判定した場合に、盗撮防止装置を作動させる盗撮防止装置作動手段とを備えることを特徴とする盗撮検出装置。
【請求項8】
前記信号は、基準とするために所定の時間間隔で送信される基準信号と、前記携帯端末装置が、該基準信号を受信してから所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示すために送信する撮影可能信号とであり、
前記送受信時刻情報は、前記基準信号を送信する基準信号送信装置からの該基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報と、信号受信装置からの前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報とであることを特徴とする請求項7に記載の盗撮検出装置。
【請求項9】
前記基準信号送信装置における該基準信号の送信時刻をBs、前記撮影可能信号の受信時刻をBts、前記携帯端末装置が前記基準信号を受信してから前記撮影可能信号を送信するまでの所定時間をTdtとした場合に、該基準信号送信装置と該携帯端末装置間の距離Ltbの信号伝播時間Tdbを、
Tdb=Bts−Bs−Tdtとして算出し、
前記信号受信装置における前記撮影可能信号の受信時刻をRts、信号が空気中を伝播する速度をVsとした場合に、該信号受信装置と前記携帯端末装置間の距離Ltrは、
Ltr={(Rts−Bs)−(Tdb−Tdt)}×Vsとして算出し、該距離Ltrから、該携帯端末装置が前記所定の区域内に位置するかの判定を行なうことを特徴とする請求項8に記載の盗撮検出装置。
【請求項10】
所定の時間間隔で基準とする基準信号を送信する基準信号送信手段、撮影機能を備えた携帯端末装置、及び該基準信号送信手段及び該携帯端末装置からの信号を受信する信号受信手段から、盗撮検出手段により該携帯端末装置が所定の区域内に位置するか検出する盗撮防止方法であって、
前記基準信号送信手段が、
前記基準信号を送信するステップと、
前記携帯端末装置が、
前記基準信号を受信してから所定の時間経過後に、撮影可能状態であることを示す撮影可能信号を送信するステップと、
前記基準信号送信手段が、
前記盗撮検出手段に、前記基準信号の送信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報を送信するステップと、
前記信号受信手段が、
前記盗撮検出手段に、前記基準信号の受信時刻及び前記撮影可能信号の受信時刻の情報を送信するステップと、
前記盗撮検出手段が、
前記基準信号送信手段及び前記信号受信手段からの情報より、前記携帯端末装置が、前記所定の区域内に位置するかの判定を行なうステップと、
前記携帯端末装置が前記所定の区域内に位置した場合に、盗撮防止装置を作動させるステップとを備えたことを特徴とする盗撮防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−312009(P2008−312009A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158893(P2007−158893)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】