説明

盗難報知装置

【課題】 本発明の目的は、汎用性やコストパフォーマンスに優れ、実際の使用にあたっての弊害もほとんど無い、実用的な電気機器の盗難報知装置を提供することである。
【解決手段】 上記目的は、コンセントに連結されていない状態もしくは電気器具のコードが差込口に接続されていない状態を電気的または機械的に感知する装置を搭載し、上記いずれの場合においても音や光で警報を発する機能を有するプラグアダプタを用いることにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に電機器具の盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、主に小型の電気器具が展示場や作業現場等で盗難されるというケースが多発している。
前者のケース、例えば家電製品の販売会場等では、その性能を顧客に示すため製品が常時外部に展示されている場合が多く、店員や他の顧客がいなくなった隙に盗難されるという状況が見受けられる。
また後者のケース、例えば建築現場で電動工具を使用している時などでは、作業能率を考慮して、電動工具を逐一片付けるといった事は行なっていないため、やはり周囲に人がいなくなった隙に盗難される場合が多い。
【0003】
これら盗難の対策手段として電気器具に紐等をつけ、自由に持ち出しが出来ないようにする事が多いが、この紐が短いと製品の取り回しに不具合が生じ、逆に長すぎると紐が邪魔になるなど、決して最良の手段とは言えない。また紐を切断すれば容易に盗難が可能であるため、盗難防止効果もあまり期待出来ない。
【0004】
そこで現在ではこのような電気器具の盗難を防止すべく、様々な方法が考案されている。
例えば特許登録第3862566号公報や特表2002−510827号公報では、電気器具のコード先端のプラグ内に各種センサーを内蔵し、プラグが抜かれた場合やコードを切断された場合に警報を発するという方法が紹介されている。
上記手段は盗難防止に極めて有効であるが、無論本手段は全ての電気器具に採用されている訳ではないので、作業者は状況に応じて、本構造が採用されている製品を購入するか、必要とする電気器具のコードをこの警報装置付きコードに交換する必要があるが、これではコストと手間ばかりがかさみ、現実的な方法とは言いがたい。
【0005】
一方で例えば特開平11−003475号公報では、盗難防止装置から伸びるコードを保守したい電気器具に巻きつけ、巻きつけたコードのプラグを該盗難防止装置へ接続し、巻きつけたコードが抜かれたり切断されたりした場合に警報を発するという提案を行なっているが、言うまでも無くコードを巻きつけたりほどいたりする手間が作業者の負担となり、非効率的である。
【0006】
また盗難防止装置としての発想ではないが、例えば特開2002−190357号公報では人体感知式プラグアダプタを提案しており、これを利用して犯人が近づいた際に警報を発し盗難防止を行なうといった方法も考えられなくもないが、犯人のみならず使用者が近づいた場合でも警報を発してしまうため、弊害の方が多いと予想される。
【特許文献1】 特許登録第3862566号公報
【特許文献2】 特表2002−510827号公報
【特許文献3】 特開平11−003475号公報
【特許文献4】 特開2002−190357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した電気器具の盗難報知装置のうち、コード内に警報装置を設けるものについては基本的にその電気機器メーカーに採用が委ねられており、使用者がこれを個別に利用するには個々にコード交換を行なわざるをえず、コストやかかる手間を考慮すると現実的な方法ではない。
また他に提案されている方法も手間がかかる、実用性が低い等の問題を抱えており、推奨される方法とはなり得ない。
本発明の目的は、汎用性が高く、実際の使用にあたっての弊害もほとんど無い、より実用的な電気機器の盗難報知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、コンセントに連結されていない状態もしくは電気器具のコードが差込口に接続されていない状態を電気的または機械的に感知する装置を搭載し、上記いずれの場合においても音や光で警報を発する機能を有するプラグアダプタを用いることにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明による盗難報知装置を、電源と電気機器のコードとの間に連結するだけで、使い勝手を損なうことなく、容易かつ確実に盗難を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による盗難報知装置の実施例を、電動工具を使用する建築現場を想定して説明する。
【0011】
本発明による盗難報知装置1は図1に示すように、コンセント2に接続するプラグ3、電動工具4からのコード5を接続するための差込口6という一般のプラグアダプタとしての構成に加え、上記プラグ3がコンセント2に接続されていない状態もしくはコード5が差込口6に連結されていない状態、更にはコード5が切断されている状態を電気的または機械的に感知する、図示しないセンサーを内部に搭載しており、センサーと連動して作動するブザー7および発光装置8が設けられている。
センサーが感知した場合、すなわち盗難を企てた人物が電動工具4を運び出そうとしてコード5を抜いたり切断したり、或いは盗難報知装置1ごとコンセント2から引き抜いたりした場合、即座にブザー7および発光装置8が作動し、音と光により周囲に対し一定時間、異常事態を知らせる仕組みとなっている。従いブザー7や発光装置8は独立した電源で動作させる必要があるため、盗難報知装置内部には図2に示すように電池9が内蔵されている。電池9はカバー10を開放することにより交換が可能である。
またセンサーはプラグ3をコンセント2に入れた直後、および電動工具4のコード5を差込口6に接続した直後から各々作動を開始する仕組みとなっている。すなわち本盗難報知装置1は使用前の状態、すなわち保管状態時においては、プラグ3がコンセント2に接続されていない状態でも、差込口6に何も接続されていない状態でも警報を不必要に発信することは無い。
【0012】
一方で図2に示す実施例では、背面に警報器および発光装置の作動の制御が可能なスイッチ11が設けられており、作業者自身が仕事を終え、電動工具4を片付ける際などにはコード5あるいはプラグ3を抜いた後にこのスイッチ11を切れば、不必要に周囲を騒がせることなく速やかに装置を撤収することが出来る。
スイッチ11は背面の凹んだ座面12上に設けられているため、盗難報知装置1をコンセント2に接続した場合、スイッチ11は完全に壁面に隠れる形となる。すなわち盗難を企てた人物が先にこのスイッチ11を切り、警報装置が発動しない状態にしてからコード5を抜くといったことが不可能になっている。
【0013】
次に上述した警報装置の制御方法の別の実施例を下記に挙げる。
【0014】
図3に示す実施例では、上記スイッチ11の代わりに暗証番号入力装置13を有している。
この場合、作業者が暗証番号を入力しなければ警報を停止させることが出来ないため、スイッチ方式に比べ、より盗難を企てた人物が犯行を諦める可能性が高い。
暗証番号入力装置としては図3に示すように作業者が入力した情報を電気的に処理する方法の他、複数のダイヤル等を用いて機械的に入力情報を処理する方式等でも構わない。
【0015】
また図4に示す実施例では、スイッチ11や暗証番号入力装置13の代わりに鍵穴14を有しており、警報を停止させるためには所定の鍵を用いなければならない仕組みとなっている。鍵による警報制御方式は上述した2つの実施例に比べ、更に盗難防止効果が期待出来る。
【0016】
上述した暗証番号入力装置13、鍵穴14は共に盗難報知装置1の背面にある必要はなく、より利便性を追求して表側、すなわち差込口6側に配置しても差支えの無いものである。
【0017】
しかしながら上述した暗証番号方式や鍵方式を採用した場合でも、盗難を企てた人物が暗証番号を知り得ていたり鍵を持ち合わせていたりした場合には、スイッチ方式同様、盗難報知装置1をコンセント2から引き抜いた直後に速やかに警報を停止させる事が出来るため盗難防止効果が弱くなる可能性がある。
そこでこの警報装置の作動を、停止措置が取られた後にも一定時間継続するようにしておく方法がある。この方式を採用すれば、たとえ警報装置の停止が容易なスイッチ方式でも十分な盗難防止効果が期待出来るようになる。
【0018】
しかし一方で、停止措置を取った後も警報が続くという事は周囲の誤解を招く可能性が高く、不便を感じる場面が多々予想される。
そのため図5に示す実施例では、警報装置の停止措置を取った後の警報持続時間を付属のダイヤル15で調整可能な構造となっている。なお警報持続時間の調整は盗難報知装置1をコンセント2に接続する前の段階でのみ可能な仕組みとなっているため、盗難を企てた人物が盗難報知装置1をコンセント2から引き抜いた後にこのダイヤル15で警報を即座に停止させることは不可能となっている。本構成によれば、作業者が状況に応じて適切な状態で盗難報知装置1を使用することが出来るため、周囲に与える誤認を最小限に抑えることが可能となる。
【0019】
ところで実施例として用いた建築現場では、様々な作業に合わせて複数台の電動工具を使用する場合が多い。
そこで本発明による盗難報知装置1には、図1に示すように複数個の差込口6が設けられており、複数台の電動工具に対し同時に盗難防止を図ることが出来るようになっているため、前述した特許登録第3862566号公報に代表されるコードの内部に警報装置を仕込む方式に比べ、汎用性やコストパフォーマンスの面においてに優れていることは明らかである。
【0020】
これまで様々な形態で本発明による盗難報知装置の実施例を挙げてきたが、これらを実際の製品にまとめるにあたっては、特にプラグ3やコード5の接続を感知するセンサーの部分の設計が困難になることが予想され、場合によっては盗難報知装置1が大型化して使い勝手が悪くなったり、製造コストがかかり作業者への費用負担が増大したりする可能性がある。
そこでこのセンサー部の構成を極力簡素化するための実施例として、図6に示すようなダミーコンセント16およびダミープラグ17を用いる方法が考えられる。
本構成による盗難報知装置では、ダミーコンセント16およびダミープラグ17を接続した時にのみ、警報装置を停止させることが可能な仕組みとなっているので、センサーの構成としては前述した方式に比べれば格段に簡略化が可能となり、盗難報知装置1の大型化やコストアップのみならずセンサー故障の確率も比較的に抑えることが可能となる。
【0021】
本構成による場合でも、必要に応じ前述した諸機能を追加すれば、より使い勝手の良い盗難報知装置としてまとめることが可能であることも付け加えておく。
例えば盗難を企てた人物がダミーコンセント16やダミープラグ17を持ち合わせており、これらを利用して警報を停止させようとした時などは、上述した停止措置後も警報が一定時間続く機能等を付加して盗難防止効果を高めれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明盗難報知装置の一実施形態を示す斜視図および一部拡大図。
【図2】図1に示す盗難報知装置の背面斜視図。
【図3】図1に示す盗難報知装置の別実施形態の一例を示す背面斜視図。
【図4】図1に示す盗難報知装置の別実施形態の一例を示す背面斜視図。
【図5】図1に示す盗難報知装置の別実施形態の一例を示す斜視図。
【図6】図1に示す盗難報知装置および付帯部品の一実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0023】
1は盗難報知装置、2はコンセント、3はプラグ、4は電動工具、5はコード、6は差込口、7はブザー、8は発光装置、9は電池、10はカバー、11はスイッチ、12は座面、13は暗証番号入力装置、14は鍵穴、15はダイヤル、16はダミーコンセント、17はダミープラグである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源となるコンセントに差込むプラグ部と、他の電気器具からのコードを接続させる為の差込口とを有するプラグアダプタにおいて、上記プラグ部がコンセントに接続されていない状態もしくは上記電気器具のコードが差込口に接続されていない状態を電気的または機械的に感知する装置を搭載し、上記いずれの場合においても音や光で警報を発する機能を設けたことを特徴とする電気器具の盗難報知装置。
【請求項2】
上記電気器具のコードが切断された際にも感知して警報を発することを特徴とする請求項1記載の盗難報知装置。
【請求項3】
上記盗難報知装置の警報は、警報発信後一定時間の後に自動的に停止されることを特徴とする請求項1、2記載の盗難報知装置。
【請求項4】
上記盗難報知装置の一部に、警報装置を停止させるための手段を設けたことを特徴とする請求項1、2記載の盗難報知装置。
【請求項5】
上記警報装置の停止手段として、上記盗難報知装置の背面(プラグ側)に凹み部を設け、該凹み部の内部に収まるサイズの警報装置ON−OFF切り替えスイッチを設けたことを特徴とする請求項1,2,4記載の盗難報知装置。
【請求項6】
上記警報装置の停止手段として、上記盗難報知装置の一部に暗証番号入力装置を設け、定められた暗証番号が入力された場合には警報装置を停止させることを特徴とする請求項1,2,4記載の盗難報知装置。
【請求項7】
上記警報装置の停止手段として、上記盗難報知装置の一部に鍵穴を設け、所定の鍵を使用することで警報装置を停止させることを特徴とする請求項1,2,4記載の盗難報知装置。
【請求項8】
上記盗難報知装置の警報装置は、上述した停止手段を実行した後も一定時間に渡り警報を発した後自動停止することを特徴とする請求項1,2,4記載の盗難報知装置。
【請求項9】
上記警報発生時間を調整可能としたことを特徴とする請求項1,2,4あるいは請求項1〜3記載の盗難報知装置。
【請求項10】
上記警報装置の差込口が複数個であることを特徴とする請求項1記載の盗難報知装置。
【請求項11】
上記盗難報知装置のプラグに装着可能であって、装着時には警報機能を停止させることが出来るダミーコンセント。
【請求項12】
上記盗難報知装置の差込口に装着可能であって、装着時には警報機能を停止させることが出来るダミープラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−226217(P2008−226217A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109868(P2007−109868)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(594069742)株式会社斎藤商会 (9)
【出願人】(591022243)株式会社フジマック (5)
【出願人】(507127417)株式会社石弘 (1)
【Fターム(参考)】