説明

盗難防止具

【課題】 買い物袋やバッグなど、任意の持ち物を手元から放して放置した際に、窃盗者からの盗難を防ぐ報知手段と、強引な窃盗等に際しては持ち物及び取り付けた自転車や固定具などの取り付け部の製品的価値及び機能的価値を損なうことを防止する盗難防止具
【解決手段】 任意の複数ユニーク凹部を有するキーと、任意の固定物と連結体を介して持ち物の取っ手を保持する固定体本体と、該固定体本体のフック部が開放する前に警告音を出す報知手段より構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物袋やバッグなど、任意の持ち物を手元から放して放置した際に、窃盗者からの盗難を防ぐ報知手段と、強引な窃盗等に際しては持ち物及び取り付けた自転車や固定具などの取り付け部の製品的価値及び機能的価値を損なうことを防止する盗難防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、買い物袋やバッグなどの持ち物の盗難防止具として、キーにより開閉可能となるロック体により連結される紐やチェーンなどの紐状連結体より構成される盗難防止具が存在した。
この盗難防止具を使用するときは、連結体を持ち物の取っ手に通して、自転車のカゴやアームと離れないように鍵をかけキーを外すことでロックされる。
【0003】
ロック体に鍵によりロックされる開閉ループが設けられた盗難防止具があった。
【0004】
鍵に着脱され持ち物の取ってに通してセットされる固定用ループ体が設けられ、該固定用ループが盗難防止モードで抜かれた場合に音や光などで報知される報知手段を有する盗難防止具があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2001−200670
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各盗難防止具を含むキーを利用して強固にロックされる盗難防止具を利用した場合、窃盗時において持ち物が引っ張られるが、盗難防止具によりカゴやアームなどの固定物から離れないため、持ち物の取っ手が傷ついたり切れてしまうことがあった。この際、持ち物が日常的に利用されるバッグであった場合、商品価値を損なったり、取っ手として荷重に耐えられないなどの機能的損傷を受け、利用できなくなる被害が発生する可能性がある。
また、取っ手が切れてしまった場合においては、持ち物がそのまま持ち去られる危険性があった。
また、持ち物以外に連結体により連結されるカゴやアームなどの固定物に損傷を与える危険性がある。カゴであれば、形状が変形し収納性が低下したり、その後の利用に耐えられず交換しなければいけなくなることがある。カゴはもちろんアームなど変形はしていなくても、表面メッキなどがはがれ、製品価値を損ない時には修復が必要となることがある。
【0007】
固定ループ体が離脱することで一般的な盗難防止具は、持ち物が盗難防止具から離脱した状態で初めて報知機能が作動するため、盗難自体を防ぐことができない。
本発明は以上の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は固定具本体とキーとより構成される。
キーは、任意の複数ユニーク凹部を有するものである。
固定具本体は、先端に固定フック片を有し他端側に抜け防止片を有する固定具主体と、
該固定具主体に軸着され前記フック片とで開閉可能となり任意の袋や持ち物の取っ手部を保持するフック部を構成する可動フック片を有し他端側が操作部となった可動体と、
前記固定具主体と前記可動体を前記可動フック片が閉状態となるように作用するバネと、
前記固定具主体に設けられた電池ボックスと、
前記固定具主体に移動可能に設けられ前記抜け防止片とで任意の紐やチェーン等を着脱可能となる副フックとキー受け部を有するキー受け体と、
前記固定具主体に設けられ前記複数ユニーク凹部に合致することで前記キー受け体を移動可能にするロック機構部と、
前記キー受け体が押し込まれた状態で自然移動を回避するストッパー機構部と、
前記固定フック片あるいは前記可動フック片のどちらか一方に設けられたフック凸部と、
前記固定フック片あるいは前記可動フック片の凸部が設けられた他方に設けられ前記フック凸部が移動可能に挿入されるとともに前記可動フック片が任意距離開いた状態で前記フック部が閉状態となるフック凹部と、
前記キー受け体の押し込みを感知し前記電池ボックスからの電流をONとする電源センサと、
前記可動フック片の閉状態を感知する開閉感知センサと、
前記電源センサ及び前記開閉感知センサがON状態で非作動、前記電源センサがON状態で前記開閉感知センサがOFF状態のときに作動するブザーとよりなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明を利用することで、持ち物が盗難防止具から離脱する前段階で報知機能が作動するため、盗難自体を防ぐ可能性が向上した。
また、それ以上窃盗者がバッグなどを引っ張ったり、窃盗者自身は離したがバッグに勢いがついて一定の負荷が盗難防止具にかかった場合、フック部が開きバッグは抜ける。これにより、バッグ及び盗難防止具の連結体により連結された固定物の部位への負荷が回避され、バッグならびに固定物への損害を回避し、それぞれの製品的価値、機能的価値を損なうことがない。
本発明は以上の効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本発明の固定具本体の正面図である
【図2】 本発明の固定具本体の平面図である
【図3】 本発明の固定具本体の右側面図である
【図4】 本発明の固定具本体の左側面図である
【図5】 本発明の固定具本体の底面図である
【図6】 本発明の固定具本体中央縦断面図である
【図7】 本発明のキー本体の正面図である
【図8】 本発明のキー本体の平面図である
【図9】 本発明のキー本体の右側面図である
【図10】 本発明のキー本体の底面図である
【図11】 本発明のキー本体の要部断面図である
【図12】 本発明の使用状態第一説明図である
【図13】 本発明の使用状態第二説明図である
【図14】 本発明の使用状態第三説明図である
【図15】 本発明の使用状態第四説明図である
【図16】 本発明の使用状態第五説明図である
【図17】 本発明の使用例説明図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図16を用いて説明する。
図1は本発明の固定具本体の正面図、図2は本発明の固定具本体の平面図、図3は本発明の固定具本体の右側面図、図4は本発明の固定具本体の左側面図、図5は本発明の固定具本体の底面図、図6は本発明の固定具本体A−A断面図、図7は本発明のキー本体の正面図、図8は本発明のキー本体の平面図、図9は本発明のキー本体の右側面図、図10は本発明のキー本体の底面図、図11は本発明のキー本体の断面図、図12は本発明の使用状態第一説明図、図13は本発明の使用状態第二説明図、図14は本発明の使用状態第三説明図、図15は本発明の使用状態第四説明図、図16は本発明の使用状態第五説明図、図17は本発明の使用例説明図である。
本実施例においては、特有(ユニーク)認識のため4つの凹部3a;3b;3c;3dを有するキー2とこれに対応した構造のものとして説明する。
本発明は固定具本体1とキー2とより構成される。
キー2は平板状で下面に4つの略半球状の凹部3a;3b;3c;3dを有している。本実施例において凹部は同様の深さ並びに大きさとして説明するが、その個数、位置、深さ、大きさはそれぞれの組み合わせにより個別特有(ユニーク)認識ができるものである。キー2の上面の任意位置には略球状のストッパー用凹部33が形成されている。また後述する使用状態において固定具本体1から露出する位置に上下に貫通した孔32が設けられている。
固定具本体1は、固定具主体4と可動体5がバネ10を介して軸31により軸着されている。図1において上部が固定具主体4であり、下部が可動体5である。
固定具主体4の先端は略半弧状の固定フック片6となっており、他端下部には下方へ突出した抜け防止片8が形成されている。また、中央下部に軸穴を有する軸受けが形成されている。該固定フック片6の先端には先端設接面部の下面から上部にへこんだフック凹部20が形成されている。
固定具主体4には上部から電池を出し入れし電池ボックス11や基板28、ブザー29、各種センサ、キー受け部14を収納する収納部を有し、図2に示すように収納部上部を塞ぐ蓋30が具備されている。
収納部内部には基盤28及び電池ボックス11が固定されている。基盤28の下部には電源感知センサ22、ブザー29、開閉感知センサ25が取り付けられている。開閉感知センサ25はフック側端に設けられており、電源感知センサ25は他端側、ブザー29は中央付近に設けられている。開閉感知センサ25はフック側斜め下方に垂下し上下動作でオンオフとなる開閉感知片26を有している。同様に電源感知センサ25もフック側斜め下方に垂下し上下動作でオンオフとなる電源感知片23を有している。
前記収納部は図6に示すようにフック反対面へ連通する構造となっており、ここにキー受け体12が図において左右方向へ移動可能となるように収納されている。また、収納部内にはキー受け体12をキー挿入口方向へ押し出すための押し出しバネ15を内在している。
キー受け体12は外部からキー2を挿入可能なキー収納部を有するとともに、固定具主体4の下部に突出し前記抜け防止片8とで任意の連結体を着脱可能に保持するフック部を構成する副フック13が形成されている。また、キー受け体12の上部にはストッパー用凹部33が形成されるとともに、キー受け体12の移動により収納部内電源感知センサ22の電源感知片23を上下動させる電源感知用突起24が一体に設けられている。
また、キー受け体12のキー収納部の下部には上下に貫通するとともに上部が後述するコードピン18が上部に抜けないように貫通したコードピン収納部を複数形成している。各コードピン収納部はキー2を差し込んだ状態でキー2下面に設けられた前記各凹部3に合致する位置に設けられている。
各コードピン18は下部が筒状で上部が前記各凹部3の形状に合致する略半球形状となっている。
固定具主体4には前記ストッパー用凹部33とで前記キー受け体12を押し込み位置で固定させるストッパー機構としてストッパー収納部が形成されており、この中に前記ストッパー用凹部33の上面略半球形状に合致する球状のストッパー17と該ストッパー17を下方へ押し出すストッパーバネ16が設けられている。
また、固定具主体4にはキー2の特有(ユニーク)キー認識機構部として、キー2を差し込んだ状態でキー2下面に設けられた前記各凹部3に合致する位置にドライバーピン収納部が設けられ、ここに各ドライバーピン19a;19b;19c;19dとそれぞれに対応し各ドライバーピン19を上方へ押し出すドライバーピン用バネが設けられている。なお、前記ドライバーピン収納部はドライバーピンバネが縮んだ状態で前記各ドライバーピン19ならびに前記各コードピン18が収納可能となる大きさ形状となっている。
可動体5の先端は略半弧状で前記固定フック片6とで開閉可能なフック部を構成する可動フック片7となっており、中央上部に軸孔を有する軸受けが形成されている。可動体5の他端には可動体を開閉操作するための操作部9となっている。
可動フック片7の先端には先端接面となる上面から上方へ突出するとともに、前記フック凹部20の形状に近似し、可動フック片7が閉じた状態で前記フック凹部20に収納されるフック凸部21が形成されている。
また、可動体5にはその動作により前記開閉感知片27を上下動させる開閉感知用突起27が形成されている。
本発明は以上の構成よりなる。
【0012】
以下、本発明の使用方法について図12乃至図16を利用して説明する。
買い物袋や任意のバッグ等が対象となるが、ここではバッグを対象とし、その持ち手を保持するものとして説明する。また、バッグを本発明の盗難防止具を介して連結する対象を自転車のカゴとし、連結体をチェーンとして説明する。
【0013】
図12はキー2を差し込む前の状態であり、ここでは第一状態と述べる。図においては、すでに連結体35が取り付けられているが、流通時や取り付け前の状態でも同様である。
第一状態において、可動体5はバネ10により固定フック片6と可動フック片7が閉じた状態となっている。この際、フック凸部21はフック凹部20に嵌合した状態となっている。
キー受け体12は押し出しバネ15により収納部内においてキー差込口方向へ押し出された位置にある。ここで、各コードピン収納部と各ドライバーピン収納部はそれぞれ一致する箇所に配置され、各ドライバーピン収納部のドライバーピン用バネにより各ドライバーピン並びに各コードピンが上方に押し込まれる。これにより各コードピンが各コードピン収納部から上部だけ露出する。この際、各コードピン18と各ドライバーピン19の接面位置がキー受け体12内にあるためドライバーピン19がキー受け体12の移動ストッパーとしての役割をなす。
キー受け体12はバネ10により押し出され、キー受け体12の電源感知用突起24は電源感知片23に触れていないため電源感知片23は垂下状態となる。この際、電源感知センサは電源オン状態として作動し基板ならびに各センサ、ブザーを電通状態とする。
【0014】
図13はキー2がキー受け体12のキー収納部に挿入され、コード認識機構が作動し、ストッパー機構は作動していない状態であり、ここでは第二状態と述べる。図においては、すでに連結体35が取り付けられているが、流通時や取り付け直前の状態でも同様である。
キー2をキー受け部14に挿入すると、キー2の先端の傾斜形状により各コードピン18が下方に押し込まれる。この際、その押し込み作用に連動して各ドライバーピンが押し込まれ、各ドライバーピンバネが縮み、各コードピンがドライバーピン収納部に収まる位置に移動する。そして、キー2がキー受け体12の奥まで収まった状態(認識可能位置にきた状態)がこの第二状態である。
第二状態において、キー2の各凹部3と各コードピン収納部の位置がそれぞれ合致している。更に、各凹部3の形状と各コードピン18の形状が合致することにより各ドライバーピンバネにより各コードキピン18と各ドライバーピン19は上方へ押し出される。
ここでキー認識機構として、各コードキピン18と各ドライバーピン19のセパレートラインとなる接面位置が固定具主体4とキー受け体12のセパレートラインとなる接面位置と同レベル位置となる。これにより、前記第一状態のドライバーピン19によるキー受け体12の移動ストッパー作用が解除され、キー受け体12は移動可能となる。
この状態において、電源感知サンサ22の電源感知用片23は何の影響もうけず継続して電源オンとして認識される。ここで、可動体5はバネ10によりフック部が閉じられた状態となっている。この状態において、可動体5の開閉感知用突起27は開閉感知用センサ25の開閉感知用片26を押し上げ、開閉感知用センサ22はフック部が閉じたものであると基盤回路は認識しブザー29を非作動の無音状態となるように制御する。
連結体35が取り付けられている場合においては連結体は固定具本体1から外れることはない。
【0015】
図14は、前記第二状態からキー2が押し込まれ、これによりキー受け体12が固定具本体1内部へ押し込まれる。キー受け体12が押し込まれることで押し出しバネ15が縮み、キー受け体12を前記状態位置に押し戻そうとする力が働く。ここで、キー受け体12の上面に形成されたストッパー用凹部33が球状のストッパー17の真下位置に移動し、ストッパー17の下部がストッパー用凹部33に嵌まる。この際、ストッパー17をストッパーバネ16により押し込まれることでキー受け体12は固定される。ここで、ストッパーバネ16は押し出しバネ15がキー受け体12を押し戻す力よりもキー受け体12を固定させる力が勝るものとなっている。
キー受け体12が押し込まれることにより、電源感知用突起24が移動し、図14に示すように電源感知用センサ22の電源感知用片23が持ち上がりセンサは電源オフと認識する。これにより、開閉センサ25ならびにブザー29は非作動状態となる。
この状態においては、可動体5がいかに開閉されようがブザー29が作動することはない。すなわち、使用者がバッグの持ち手を着脱可能となる。あわせて副フック13が開閉位置間でどのように移動してもブザー29が作動することはなく、これにより連結体35の着脱も可能となり、この状態で使用者は連結体35を利用して固定具本体1と自転車のカゴやフレーム等の固定物と連結作業することが可能となる。
【0016】
前記第三状態で固定具本体1を連結具35を介して固定物に固定し、かつバッグの持ち手をフック部にセットした後、キー2を引く。キー2を引くことにより、手動による移動の作用力ならびに押し出しバネ15によるキー受け体12の押し出し力がかかることで、ストッパー用凹部33に嵌まったストッパー17は上方へ押し出される。すなわち、ストッパーバネ16は押し出しバネ15単独の作用ではストッパーが解除するように縮まないが、キー2を引くことでキー受け体12を移動させる力が加わった際にはストッパー解除となるような張力となっている。結果、キー2が抜け出された状態となり、これを第四状態という。この第四状態は図12と同様な状態となる。
ここで、キー受け体12がもとの位置に移動することで電源感知用突起24が電源感知用片23から離れ、これにより電源感知用センサ22は電源オン状態であると認識する。ここで、可動体5はフック部を閉じた状態となるように位置し、開閉感知用突起27が開閉感知用センサ25の開閉感知用片26を押し上げる作用をなし、これによりフック部は閉ざされたものであるという認識がなされ、これによりブザー29も無音状態となる。
【0017】
次に、窃盗者がバッグを持ち去ろうと引っ張り、可動フック片7が若干開きつつ、開閉感知用突起27がバッグの持ち手が抜けないようにフック部を塞いだ状態を示したのが図15であり、これを第五状態という。
この際、連結体35は抜け防止片8と副フック13により抜けない状態となっている。すなわち、固定具本体1が連結体35を介して固定物から取り外せない状態となっている。
電源センサ22は前記第四状態から継続し電源オン認識がなされている。また、可動フック片7は若干開いた位置となっているが、フック凸部21と固定フック片6の形状により双方により形成されるフック部は閉ざされた状態となっている。ここで、開閉感知用突起27は開閉感知片26の押し上げを解除するように下降する。これにより開閉感知片26は垂下し、開閉感知センサ25はフック部が開放されたものであると認識し、この認識を受けて基板回路はブザー29を作動させ窃盗者を威圧するレベル音量を発生する。
この音により、窃盗者は驚きバッグから手を離し逃走することにより、バッグの盗難を回避することができる。また、通常であればバッグを引っ張ることにより、その力がバッグと固定具本体1、固定具本体1と連結体を介した固定部へ初期強力負荷を分散させる役割をなす。これにより、バッグ、固定具本体、連結体、固定物のそれぞれの損傷を大幅に減少させる。
【0018】
図16はキー2が外された状態でありかつフック部が開放された状態であり、これを第六状態という。
第六状態において連結体35は抜け防止片8と副フック13により抜けない状態となっている。すなわち、固定具本体1が連結体35を介して固定物から取り外せない状態となっている。但し、可動フック片7は固定フック片6とのフック部を開放した状態となっている。ここでは、開閉感知用突起27が開閉感知用突起26への接触が解除されるため開閉感知センサ25はフック部開放と認識し基盤回路はブザーを継続して鳴動させる。
この際、窃盗者は抜き取る前段階(第五状態)のブザー音への回避行動からバッグから手を離すことが多いに想定される。これにより、窃盗者はバッグを持ち去ることはできず使用者は盗難を回避することができる。また、通常バッグを任意の盗難防止具から強制的に抜き取ろうとした場合、バッグを物理的にも機能的にも損傷させるが、本発明においては前記第五状態を経てこの状態となるため、バッグ、固定具本体、連結体、固定物それぞれへの損傷を防ぎ、それぞれの製品的価値ならびに機能的価値を損なうことを防止する。
【0019】
以上、本実施例においては特有(ユニーク)認識のため4つの凹部3を有するキー2とこれに対応した構造のものとして説明したが、凹部の個数、位置、深さ、大きさ、形状等をユニークコードとして認識できるように配置し、これに対応する各種認識等の機構とすることも本発明の実施形態となる。
個数としては、4個ではなく、1個、2個、3個、・・・というように様々なバリエーションが対応可能である。
位置に関しては、それぞれの組み合わせで複数の組み合わせ配置のバリエーションが対応可能である。
深さとしては、各凹部3の深さを変更し、これに対応にて上述した概念の機能を実現する各コードピンや各種収納部及びこれに関連する機構部位に対応することで対応可能である。
大きさとしては、各凹部3の大きさを変更し、これに対応にて上述した概念の機能を実現する各コードピンや各種収納部及びこれに関連する機構部位に対応することで対応可能である。
形状としては、各凹部3の形状を変更し、これに対応にて上述した概念の機能を実現する各コードピンや各種収納部及びこれに関連する機構部位に対応することで対応可能である。例えば、上述の実施例では半球形状としたが、円錐、角柱、その他特定形状とし、これに合致するコードピン上部形状とすることなどがあげられる。
また、形状としては、各凹部3の形状に限定されるものではなくコードピン、コードピン収納部、ドライバーピン、ドライーピン収納部の形状を変更することでも対応できる。
【0020】
上記実施例においては、キー受け体12を押し戻す押し出しバネを具備していたが、押し出しバネは備えなくても良い。この際、ストッパーバネの張力はキー2が押し込まれた際の移動抑止作用をもつものであり、キー2の操作により解除されるものであればよい。
【0021】
警告音発生装置として、上記各事例ではブザーとして説明したがこれにとらわれることなく、音声IC等であってもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 固定具本体
2 キー
3;3a;3b;3c;3d 凹部
4 固定具主体
5 可動体
6 固定フック片
7 可動フック片
8 抜け防止片
9 操作部
10 バネ
11 電池ボックス
12 キー受け体
13 副フック
14 キー受け部
15 押し出しバネ
16 ストッパーバネ
17 ストッパー
18;18a;18b;18c;18d コードピン
19;19a;19b;19c;19d ドライバーピン
20 フック凹部
21 フック凸部
22 電源感知センサ
23 電源感知片
24 電源感知用突起
25 開閉感知センサ
26 開閉感知片
27 開閉感知用突起
28 基板
29 ブザー
30 蓋
31 軸
32 孔
33 ストッパー用凹部
34 電池
35 連結体
36 取っ手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の複数ユニーク凹部を有するキーと、
先端に固定フック片を有し他端側に抜け防止片を有する固定具主体と、
該固定具主体に軸着され前記フック片とで開閉可能となり任意の袋や持ち物の取っ手部を保持するフック部を構成する可動フック片を有し他端側が操作部となった可動体と、
前記固定具主体と前記可動体を前記可動フック片が閉状態となるように作用するバネと、
前記固定具主体に設けられた電池ボックスと、
前記固定具主体に移動可能に設けられ前記抜け防止片とで任意の紐やチェーン等を着脱可能となる副フックとキー受け部を有するキー受け体と、
前記固定具主体に設けられ前記複数ユニーク凹部に合致することで前記キー受け体を移動可能にするロック機構部と、
前記キー受け体が押し込まれた状態で自然移動を回避するストッパー機構部と、
前記固定フック片あるいは前記可動フック片のどちらか一方に設けられたフック凸部と、
前記固定フック片あるいは前記可動フック片の凸部が設けられた他方に設けられ前記フック凸部が移動可能に挿入されるとともに前記可動フック片が任意距離開いた状態で前記フック部が閉状態となるフック凹部と、
前記キー受け体の押し込みを感知し前記電池ボックスからの電流をON/OFFする電源センサと、
前記可動フック片の開閉状態を感知する開閉感知センサと、
キーが抜かれた状態で前記開閉感知センサが前記フック部の任意の保持物が抜けない範囲で前記可動フック片が移動したことを感知した際に作動する警告音発生装置とよりなる盗難防止具。
【請求項2】
前記警告音発生装置の作動中にキー受け体が押し込まれることで前記警告音発生装置動作を停止する警告音停止制御機構を具備することを特徴とする請求項1記載の盗難防止具。
【請求項3】
キー受け体が押し込まれた際にのみ蓋が着脱可能となるように作動する蓋ロック機構を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の盗難防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−136920(P2012−136920A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294794(P2010−294794)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(502123403)有限会社嵯峨製作所 (1)
【Fターム(参考)】