説明

盛土を掘削するトンネルの構築方法

【課題】切羽付近に粉塵や排気ガスを溜めることなく、良好な環境の下に作用を進めることができる、盛土を掘削するトンネルの構築方法を提供することを目的とする。
【解決手段】いったん盛土を行い、その盛土の一部を掘削してトンネルを構築する方法である。その盛土の構築中に排気管を貫通した状態で埋設しておく。トンネル掘削時には、貫通した排気管により坑内の排気を行いつつ掘削を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盛土を掘削するトンネルの構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤にいったん盛土を行い、その盛土の一部を掘削してトンネルを構築する方法が存在する。
【特許文献1】特開平9−78615号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来の盛土を掘削するトンネルの構築方法にあっては、盛り立てた土砂を、再度掘削する際に、トンネルの掘削中には切羽付近に、掘削による粉塵や掘削機の排気ガスが充満する可能性があった。

【課題を解決するための手段】
【0004】
上記のような課題を解決するために、本発明の盛土を掘削するトンネルの構築方法は、いったん盛土を行い、その盛土の一部を掘削してトンネルを構築する方法であって、盛土の構築中に、盛土の土砂の内部に、排気管を貫通した状態で埋設しておき、トンネルの掘削時には、この貫通した排気管により坑内の排気を行いつつ掘削を行う盛土を掘削するトンネルの構築方法を特徴としたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の盛土を掘削するトンネルの構築方法は以上説明したように盛土の際に排気管を埋設してなるから、トンネルの切羽に滞留した粉塵や排気ガスなどは、排気管を介して盛土の反対側に吸引されて排出される。したがって、良好な作業環境の下に、安全に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図面を参照にしながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0007】
<1>盛土を行う。
地盤の上にいったん盛土1を行う。この盛土1は薄い層として土砂を撒き出し、各層ごとにローラーで転圧を行って締め固める。その締め固められた層の上にさらに薄く土砂を撒き出し、順次積み上げてゆく。
【0008】
<2>排気管3の埋設。
この盛土1の構築が完了したら、その後にトンネル4を掘削する。
そのために、盛土1の構築中に、盛土1の内部に排気管3埋設する。
この排気管3は、掘削する予定のトンネルの断面内に位置させる。排気管3の先端は盛土1の反対側へ貫通した状態で埋設しておき、排気管3の先端は盛土1の反対側へ露出した状態となる。
この排気管3はトンネル4の掘削の際には破壊する必要があるから、合成樹脂製の筒など、容易に破壊できる材料の筒体を採用する。
【0009】
<3>トンネルの掘削。
盛土1の際に排気管3を埋設した場合について説明する。
トンネル4を掘削する際に盛土1の他端の貫通した排気管3には換気ファン5を取り付ける。
この換気ファンを駆動しつつ、トンネル4の掘削を行う。
さらに掘削側には送気ファン6によって新鮮な空気を供給する。
そのために、トンネル4の切羽に滞留した粉塵や排気ガスなどは、排気管3を介して盛土1の反対側に吸引されて排出される。
こうして掘削中のトンネル4坑内の排気を行いつつ掘削を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の構築方法で完成したトンネルの実施例の説明図。
【図2】盛土内に排気管を埋設した状態の説明図。
【図3】盛土を掘削中の状態の説明図。
【符号の説明】
【0011】
1:盛土
3:排気管
4:トンネル
5:換気ファン
6:送気ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いったん盛土を行い、その盛土の一部を掘削してトンネルを構築する方法であって、
盛土の構築中に、盛土の土砂の内部に、排気管を貫通した状態で埋設しておき、
トンネルの掘削時には、この貫通した排気管により坑内の排気を行いつつ掘削を行う、
盛土を掘削するトンネルの構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−133723(P2008−133723A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53390(P2008−53390)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【分割の表示】特願平11−152272の分割
【原出願日】平成11年5月31日(1999.5.31)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】