説明

監視されるべき複数の被験者にエアロゾル化した薬の治療送達を可能にするためのシステム及び方法

サーバは、治療レジメの一部としてエアロゾル化された薬を受け取るために複数の異なる被験者により用いられる薬送達装置と通信的にリンクされるように構成される。サーバは、ユーザが複数の異なる被験者の治療に関係する治療情報にアクセス可能にするユーザインタフェースをユーザに供給する。これは、複数の被験者により受け取られる治療を監視しやすくし、介護者又は研究者と個々の被験者との間のコミュニケーションを強化し、及び/又は効率的に配信されるべき薬送達装置の動作に関係するソフトウェアを更新可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国特許出願番号No.12/175,486に関し、これは完全に本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、複数の被験者に行われる治療療法に関する治療情報及び治療療法上の制御に関する治療情報への集中化したネットワークベースのアクセスを供給することに関し、治療療法は薬送達装置を介したエアロゾル化した薬の投与を含む。
【背景技術】
【0003】
エアロゾル薬送達装置は、患者により吸入できる形式で薬を提供するために、薬物治療においてしばしば用いられる。粉末、液体又は他の形式の薬は、患者の気道を通じて薬が吸収されることを可能にするために様々な技術を使用して(例えば、圧電部材を使用して)エアロゾル化される。このように、エアロゾル薬物治療は、呼吸病気(例えば、喘息)又は呼吸しながら患者が薬を吸入する他の治療のために行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル薬物治療は、通常、所与の期間にわたる薬の特定の投与量を管理するように設計されている。治療(すなわち、投与量及び治療時間)の均一性を維持することは、とりわけ、治療の効果又は治療システムの市場性における大事な要因でしばしばありえる。しかしながら、エアロゾル薬物治療を行うための既存のシステム及び技術は、治療の均一性を妨げる様々な要因を適切に対処することが、しばしばできない。例えば、管理された薬投与量又は治療期間は、患者の呼吸パターンのバリエーション、薬送達装置の特性(例えば、出力レート)又は他の要因のため均一でない。
【0005】
既存のシステムは、これら及び他の課題が欠点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様は、一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を監視するシステムであって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得る治療情報取得モジュールと、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から前記治療情報取得モジュールにより得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成するユーザインタフェースモジュールと、通信ネットワーク上で、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホームに供給する通信モジュールとを有する一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する一つ以上のプロセッサを有するサーバを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、システムに関係する。
【0007】
本発明の他の態様は、一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行させる一つ以上のプロセッサを有するサーバにより、遠隔で監視するコンピュータ実行可能な方法であって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得るため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップと、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から治療情報取得モジュールにより得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成するため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップと、通信ネットワーク上で、クライアントコンピューティングプラットホームが前記ユーザインタフェースをユーザに提示するように、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連した前記クライアントコンピューティングプラットホームへ供給するため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップとを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置の使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、方法に関係する。
【0008】
本発明の他の態様は、一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を遠隔で監視するシステムであって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得る取得手段と、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から前記取得手段により得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成する生成手段と、クライアントコンピューティングプラットホームが前記ユーザインタフェースをユーザに提示するように、通信ネットワーク上で、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホームに供給する手段とを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置の使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、システムに関係する。
【0009】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性だけでなく、構成の関連要素の動作及び機能の方法、パーツの組み合わせ並びに製造の経済性は、全てがこの明細書の一部を形成し、類似の参照符号が様々な図の対応するパーツを示す添付の図面を参照して以下の説明及び添付の請求項を考慮してより明らかになるであろう。本発明の一つの実施例では、本願で例示される構成上の部品は、一定の比率で描かれている。しかしながら、図面は、図例及び説明のためだけであって、本発明を限定するものではないことは、明確に理解されるべきである。加えて、本願に任意の実施例で示されたり又は説明される構成上の特徴は他の実施例でも使用できることは、理解されるべきである。明細書及び請求項で用いられているように、「a」、「an」及び「the」の単数形式は、文章で特に示されていない場合は、複数のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の様々な態様による例示的なエアロゾル薬送達装置を例示する。
【図2−I】図2−Iは、本発明の様々な態様による複数の被験者のエアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持するための例示的なシステムを例示する図2の一部である。
【図2−II】図2−IIは、本発明の様々な態様による複数の被験者のエアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持するための例示的なシステムを例示する図2の一部である。
【図3】図3は、本発明の様々な態様によるエアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持する例示的な方法を例示する。
【図4】図4は、本発明の様々な態様によるエアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持する例示的な方法を例示する。
【図5】図5は、本発明の様々な態様による可変電力アルゴリズムを使用する関数として、治療時間の分布を比較する棒グラフを例示する。
【図6】図6は、本発明の様々な態様による被験者により受け取られる治療についての情報をユーザに供給するユーザインタフェースの治療表示を例示する。
【図7】図7は、本発明の様々な態様による薬送達装置の性能についての情報をユーザに供給するユーザインタフェースの装置表示を例示する。
【図8】図8は、複数の被験者により受け取られる治療を監視する方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の様々な態様によると、図1に図示されるように、例えば、エアロゾル薬送達装置100は、患者による吸気のためのエアロゾル形式の液薬Lを投与するために用いられる。例えば、装置100は、エアロゾル生成器120及び液薬Lを含むための貯蔵部115を含む。
【0012】
エアロゾル生成器120は、一つの実施例では、液体薬Lを霧状にするか又はエアロゾル化(噴霧化)するためホーン発振部材125と組み合わせたメッシュ部材105という形をとる。しかしながら、後で更に詳細に述べられるように、この種のエアロゾル生成器120は、本発明の範囲内で使用できる多くの異なるタイプのエアロゾル生成器の非限定的な例である。一つの実施例では、メッシュ部材105は、ホーン発振部材125の末端の端面に取り付けられる。薬送達装置100は、ホーン発振部材125を電気的に駆動するために、(後述されるような)任意の適切な電源を組み込んでもよい。このようにして、ホーン発振部材125は、メッシュ部材105の複数の微細な開口又は孔に液体Lを強制的に通過させ、これによって、患者により吸入できるエアロゾル化形式の液薬Lを作る。
【0013】
貯蔵部115は、投与量の液薬を含む任意の室、容器又は缶でありえる。様々な実施態様では、装置100のエアロゾル生成器120及び貯蔵部115は、2005年3月8日に発行された「Liquid Spray Device」という発明の名称の米国特許第6,863,224号(「224特許」)にて説明されていて、この開示は、ここに参照により完全に組み込まれる。しかしながら、224特許は、本願の詳細な説明から明らかとなるように、本発明の教示と共に実行できる貯蔵部及びエアロゾル生成器のタイプの1つの例だけを開示していることは、強調されなければならない。
【0014】
図2は、図1の例示的な薬送達装置100の各種部品を表しているブロック図であり、本発明の様々な態様によるエアロゾル薬送達治療のための一貫した治療時間を維持するように構成されている。一つの実施例では、貯蔵部115は、更に詳細に後述されるように、貯蔵部115内の液薬Lが完全になくなったかどうかを決定するために使用できるセンサ217と協働するか又はセンサ217を含む。
【0015】
エアロゾル生成器120は、エアロゾル生成器120の動作(例えば、霧状動作)を駆動する電源220と電気的に通信する。例えば、エアロゾル生成器120がメッシュ105及びホーン発振部材125を有する実施例では、電源220は、ホーン発振部材125の動作(例えば、オン/オフ)及びホーン発振部材125に付与される電力レベルをドライブする。
【0016】
薬送達装置100は、患者による吸気のための連続したエアロゾルパルス(例えば、患者の吸入当たりの1つのパルス)にわたって、貯蔵部115に含まれる薬投与量をエアロゾル化することにより、貯蔵部115内の薬投与量を管理する。例えば、電源220は電力の連続したパルスをエアロゾル生成器120に送り、ホーン発振部材125によりエアロゾル化薬(例えば、液滴又は蒸気)の対応するパルスを生じさせる。貯蔵部115内の全ての液体(すなわち、全用量)がエアロゾル化され、これによって、行われた治療を完了する(患者により理想的に吸入される)まで、電力のパルス(及びエアロゾル化した薬の対応するパルス)が送られ続ける。
【0017】
上記のように、エアロゾル生成器120は、患者により吸入できるエアロゾル及び/又は滴に液薬Lを変えることができるネビュライザ又はエアロゾル化機構の任意のタイプを使用して、エアロゾル形式の液薬Lを作る。例えば、図1に図示されるように、貯蔵部115内に置かれている液薬Lは、発振ホーン部材125の末端とメッシュ105(例えば、複数の微細な開口を持つ金属的又は非金属スクリーン)との間の接触の近接点に到達する。図2に戻って、電源220は、電力のパルスをエアロゾル生成器120に送り、ホーン125を振動させ、メッシュ105を通じて液薬を駆動させ、エアロゾル化形式に液体を分離する。しかしながら、ジェットネビュライザ、振動メッシュ、振動ホーン、ローリー崩壊理論、ピエゾ電気結晶技術、又は従来から知られた他のネビュライザ装置又は技術を利用するノズルを含む様々な他のエアロゾル生成器120が、使用されてもよいことは明らかであろう。これらは本発明で用いられるエアロゾル生成器のタイプの非限定的な例であり、このアプリケーションのため液薬を霧状にするか又はエアロゾル化できる任意の適切な装置が用いられることは、理解されるべきである。
【0018】
上述の考察から理解できるように、エアロゾル生成器120は、室115内の全ての液体が患者による吸気のためにエアロゾル化されるまで、電源220から電力のパルスを受け取るように構成される。このように、均一な薬投与量は、各治療例で管理される。しかしながら、様々な理由のために、エアロゾル生成器120自体が、治療ごとに治療の均一な継続を必ずしも維持する必要はない。例えば、患者の呼吸パターン(例えば、吸入呼気比率、呼吸周波数等)は、薬投与のレートに影響を与え、潜在的に治療時間に影響を与える。他の例では、エアロゾル生成器120のメッシュ105は、治療のコースで不潔になるか、再使用可能なメッシュは、連続した治療のコースで不潔になるか、メッシュは治療の間で交換されるか、又はメッシュは時間とともに分解し、これら全ては、(例えば、生成器120がエアロゾル化した薬を出力するレートを低下することにより)潜在的に治療時間に影響を与えている寄与要因である。
【0019】
従って、図2に示されるように、コントローラ230は、治療時間の変動を最小化するために、電源220に結合される。コントローラ230は、ハードウェアコントローラ(例えば、電気的回路又はマイクロプロセッサ)、ソフトウエアコントローラ(例えば、コンピュータ実行可能な命令)又はこれらの適切な組み合わせである。コントローラ230は、とりわけ、患者の呼吸パターン、メッシュの清潔さ若しくは不潔さ、又は生成器120の出力レートの変動を含む様々な要因に基づいて電源220によりエアロゾル生成器120に供給される電力のレベルを変化させる。
【0020】
コントローラ230は、治療の経過期間を追跡するためのクロック250、電力コントローラ235、及び電源220によりエアロゾル生成器120に付与される電力レベル及びパルス長を電気的に制御するためのパルスコントローラ240(例えば、ハードウェア部品及びコンピュータ実行可能な命令の組合せ)を含む。コントローラ230が、クロック250、電力コントローラ235及びパルスコントローラ240の各々の機能を組み込んでいる単一の装置と考えられることは、理解されるべきである。代わりに、要素250、235及び240の各々は、別に又はコントローラ230の外部で供給される別々の部品又はモジュールであると考えられてもよい。
【0021】
薬送達装置100は、コントローラ230と動作的に接続され、患者の呼吸パターンを監視するか又は測定するように動作可能である呼吸測定機構245も含んでもよい。呼吸パターンは、患者の一回換気量、フローレート、吸入レート、呼気レート、吸入レートと呼気レートとの比、又は患者の呼吸の他の特性の一つ以上の測定を含む。様々な実施態様では、呼吸測定機構245は、ネビュライザの霧化区域内の圧力を検出するための圧力センサ、呼吸バルブ、患者ポート又は患者の呼吸パターンを測定するための他の適切な構造体を含むことができる。このように、様々な実施例で、患者の呼吸パターン(例えば、吸入期間)は、センサにより検出される圧力に基づいてタイマーをトリガーし、吸気の継続を測定することにより測定できる。他の例として、呼吸測定機構は、一呼吸当たり吸入される薬物の量を推定するために、フローセンサと連動して、マウスピース(又はどこか他の所)のエアロゾル化薬の濃度を測定するため、ガス濃度又は光分散を測定するセンサを使用できる。一つの実施例では、呼吸パターンは、「Drug Delivery Apparatus」という発明の名称で2003年7月1日に発行された米国特許第6,584,971号(「971特許」)に説明されている技術及び構造体を使用して測定され、この特許の開示は参照によりここに完全に組み込まれる。しかしながら、971特許は、患者の呼吸パターンの測定の仕方の1つの例を例示するだけであり、他の構造又は技術が使用できることは理解されるだろう。
【0022】
コントローラ230は、データリポジトリ260(例えば、内蔵型メモリ、取り外し可能な媒体又はメモリ等)に結合されてもよい。データリポジトリ260は、行われるべき治療を説明する設定及び診断又はメンテナンスを実施する際に援助する管理された治療情報のログを格納できる。任意の設定は、入力インタフェースを通じてデータリポジトリ260へ手動で入力されるか、又はデータリポジトリ260に予めコード化されている。データリポジトリ260の設定は、公称治療期間、液薬投与量及び/又は電力レベルに関する情報、エアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持するための他の情報を含む。例えば、設定は、メッシュ等級、公称電力設定、薬の室内投与量(又は室空間)(例えば、ミリリットル)、及びターゲット治療期間の一つ以上又はこれらの任意の組み合わせの関数として定められるメッシュに対する(例えば、分当たりミリリットルで表される)公称出力レートに関する。更に、設定は、とりわけ、現在の電力設定、最大出力設定、最小電力設定、呼気比率に対する閾値吸入、及び電力を増大するか又は減少させるためのデルタ(差分)を含む、エアロゾル生成器120に送られる電力レベルを変化させるために用いられる付加的情報を含む。
【0023】
治療が始まるとき、クロック250は開始し、これにより能動的に治療の経過時間を測定する。患者が治療の間、呼吸する度に、呼吸測定機構245は、患者の吸入期間、呼気期間、吸入期間と呼気期間との比、1回換気量、フローレート、前述の任意の組合せ又は患者の現在の呼吸パターンを決定する他の呼吸特性(例えば、組み込まれた971特許に説明されているような)の一つ以上を測定する。これらの測定に基づいて、パルスコントローラ240は、電源220によりエアロゾル生成器120へ送られるパルスの最適長を決定する。パルスのための最適期間は、吸入が始まるとき(又は、すぐその後)から、吸入されるべき残りのボリュームが推定されたエンドボリューム(例えば、患者の上位気道のボリューム)に等しいときの吸入のポイントまで持続する。その後、パルスは止まり、残りのボリュームがエアロゾル生成器120からクリアされて、患者の肺に吸入できる。例えば、様々な他の実施態様では、パルスの長さは、971特許に説明されたように決定される(すなわち、パルス時間=(平均的吸気時間)×(平均1回換気量―エンドボリューム)/(平均1回換気量))。しかしながら、971特許はパルス長を決定するための技術の1つの例だけを提供し、他の方法が本発明の範囲及び要旨を逸脱することなく用いられてもよいことは、理解されるだろう。例えば、様々な実行は、「Inhalation Method and Apparatus」という発明の名称の2003年11月20日に出願された同時係属米国特許出願番号第10/535,867号に説明されたように、パルス長を制御してもよく、この開示は参照によりここに完全に組み込まれる。斯様な実施態様において、パルス長は、エアロゾルの蓄積を可能にするため呼吸終了後ある時間が残るように、患者が吸入するのを止めることが期待されるときより所定の時間前に終わるように制御される。
【0024】
患者の呼吸パターン(例えば、吸入期間、呼気期間、吸入期間と呼気期間との比、1回換気量、エンドボリューム等)を測定すると、パターンは、後続の呼吸で送られるパルスに対して電力レベルを変化させるどうかを決定するため電力コントローラ235に供給される(例えば、本願で後述されるように、呼吸パターンと閾値吸入呼気比率との間の関係に基づいて)。更にまた、電力コントローラ235は、後続のパルスに対する電力レベルを増大すべきかどうかを決定するために、クロック250により測定される測定された経過治療時間を使用する。このように、様々な技術は、以下の図3及び図4により更に詳細に説明されるように、治療の間、(例えば、一貫した治療時間を維持するため、治療時間を減らすため、治療を増やすため、ターゲット治療時間に到達するため、又はその他の方法で)電力レベルを増大及び/又は低下させるべきかどうかを決定することにより治療のための時間を制御するために電力コントローラ235により用いられる。
【0025】
図2に示されるように、薬送達装置100は、サーバ272と通信する。この通信は、通信ネットワーク上で達成される。通信ネットワークは、インターネット、又はクリニック(又はクリニックのセット)、病院(又は病院のセット)若しくは他のエンティティと関連したイントラネットのようなローカルのネットワークを含む。
【0026】
一つの実施例では、薬送達装置100とサーバ272との間の通信は、薬送達装置100のユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホーム274を通じて間接的に起こる。クライアントコンピューティングプラットホーム274は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ノートブック、スマートフォン及び/又は他のクライアントコンピューティングプラットホームの一つ以上を含む。クライアントコンピューティングプラットホーム274は、薬送達装置100から情報を得るため及び/又は薬送達装置100へ命令又は他の情報を供給するために薬送達装置100と、少なくとも断続的に通信的に結合される。この通信は、例えば、無線接続(例えばブルートゥース、WiFi、赤外線、WiMax及び/又は他の無線接続)及び/又は有線接続を介して達成される。
【0027】
クライアントコンピューティングプラットホーム274は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される一つ以上のプロセッサを含む。クライアントコンピューティングプラットホーム274の一つ以上のプロセッサで実行される一つ以上のコンピュータプログラムモジュールの少なくとも幾つかは、クライアントコンピューティングプラットホーム274にここで属する機能を供給するソフトウェアアプリケーションと関連したソフトウェアモジュールを含む。これらのソフトウェアモジュールは、クライアントコンピューティングプラットホーム274の一つ以上のプロセッサにアクセス可能である電子記憶メディアに格納される。
【0028】
薬送達装置100からクライアントコンピューティングプラットホーム274に受け取られる情報は、例えば、データリポジトリ260からクライアントコンピューティングプラットホーム274への治療情報のダウンロードを含む。更に以下に説明されるように、治療情報は、例えば、全体のエアロゾル(例えば、ホーン)動作時間、患者が吸入に費やした全体の時間、患者が呼気に費やした全体の時間、治療の間薬送達装置100が動作された電力レベルに関する情報及び/又は他の治療情報の一つ以上を含む。この情報に基づいて、クライアントコンピューティングプラットホーム274は、患者(及び/又は介護者若しくは他のユーザ)にユーザインタフェースを提供し、ユーザインタフェースは、治療の効果、処方された治療レジメでの患者のコンプライアンス、薬送達装置100の作業効率、及び/又は治療に関係する他の情報、及び/又は治療に関係する他の情報の指標に患者がアクセスできるようにする。
【0029】
上述されたように、クライアントコンピューティングプラットホーム274はネットワークを介して、サーバ272と通信的に結合される。図1に示されているように、サーバ272はプロセッサ276を含む。プロセッサ276は、サーバ272に情報処理機能を提供するように構成される。このように、プロセッサ276は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、ステートマシン及び/又は情報を電気的に処理するための他の機構の一つ以上を含む。プロセッサ276は図2に単一の構成要素として示されているが、これは単なる例示目的である。幾つかの実施態様において、プロセッサ276は、複数の処理ユニットを含む。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に位置してもよいし、又はプロセッサ276は、サーバ272にここで起因する機能を提供するために協働して動作する複数の装置(例えば、複数のサーバ)の処理機能を表わしてもよい。
【0030】
図2に示されているように、プロセッサ276は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される。一つ以上のコンピュータプログラムモジュールは、ユーザモジュール278、治療情報取得モジュール280、ユーザインタフェースモジュール282、通信モジュール284、治療パラメータモジュール285、更新モジュール286及び/又は他のモジュールの一つ以上を含む。プロセッサ276は、モジュール278、280、282、284、285及び/又は286をソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアの幾つかの組合せ、及び/又はプロセッサ276での処理機能を構成するための他の機構により実行するように構成される。
【0031】
モジュール278、280、282、284、285、及び286が、単一の処理ユニット内に同じ位置に配置されるものとして図2に図示されているが、プロセッサ276が複数の処理ユニットを含む実施態様では、モジュール278、280、282、284、285及び/又は286の一つ以上は、他のモジュールから離れて位置されてもよいことは理解されるべきである。以下に説明される異なるモジュール278、280、282、284、285及び/又は286により供給される機能の記述は、任意のモジュール278、280、282、284、285及び/又は286が説明されている以外の機能を多かれ少なかれ提供してもよいので、例示目的であって、制限する目的はない。例えば、モジュール278、280、282、284、285及び/又は286の一つ以上は除去されてもよいし、その機能の一部又は全部はモジュール278、280、282、284、285及び/又は286の他のモジュールにより供給されてもよい。別の例として、プロセッサ276は、モジュール278、280、282、284、285及び/又は286の1つに起因する機能の一部又は全部を実施する一つ以上の追加モジュールを実行するように構成されてもよい。
【0032】
ユーザモジュール278は、薬送達装置100からサーバ272により得られる治療情報へのアクセスを提供されるユーザの一つ以上のユーザープロファイルを管理するように構成される。本願で使用されているように、「ユーザ」という用語は、介護者、研究者、管理人及び/又は薬送達装置100を使用して患者と関連した治療情報にアクセスを提供されるべき他の個人を含む。ユーザープロファイルは、ユーザをサーバ272に認証可能にさせる及び/又は特定のユーザープロファイルと関連可能にする認証情報、ユーザと関連した構成好み及び/又は個々のユーザと関連した他の情報の一つ以上を含む。
【0033】
薬送達装置100は、サーバ272が治療情報を受信する唯一の薬送達装置でないことは理解されるだろう。例えば、図2で、薬送達装置100を使用する患者とは異なる患者により使用される第2の薬送達装置288も、サーバ272と通信的に(例えば、クライアントコンピューティングプラットホーム290を介して)リンクされる。一つの実施例では、ユーザモジュール278により管理されるユーザープロファイルに含まれる個々のユーザに関する情報は、個々のユーザがどの薬送達装置へアクセスされるべきかを示すアクセス権を含む。アクセス権は、特定タイプの治療情報(例えば、装置のパフォーマンス効率又は効果に関する情報、しかし患者の呼吸、治療及び/又はコンプライアンスに関する情報ではない)をさえ示してもよく、この治療情報に対するアクセスが所与のユーザに与えられているべきである。
【0034】
治療情報取得モジュール280は、薬送達装置100及び288を含む複数の薬送達装置から治療情報を得るように構成される。一つの実施例では、これは、薬送達装置100及び288それぞれからクライアントコンピューティングプラットホーム274及び290へ送られた治療情報を受信するためのクライアントコンピューティングプラットフォーム274及び290との通信を含む。
【0035】
ユーザインタフェースモジュール282は、治療情報取得モジュール280により得られる治療情報を選択的にユーザが閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースを規定するユーザインタフェースの規定を生成するように構成される。これは、ユーザが特定の患者又は患者のセットを選択可能にし、選択に基づいて特定の患者又は患者のセットと関連する治療情報を閲覧可能にすることを含む。更にユーザインタフェースモジュール282により定められるユーザインタフェースは、ユーザが治療情報タイプを選択可能にし及び/又は治療情報に基づいて分析可能にし、選択された情報タイプ及び/又は分析を閲覧可能にする。
【0036】
一つの実施例では、ユーザインタフェースモジュール282により生成されるユーザインタフェースの規定は、クライアントコンピューティングプラットホーム上のウェブブラウザで閲覧可能であるウェブページの規定を含む。ウェブページの規定は、例えば、HTML、dHTML、XML、JAVA(登録商標)、Flash及び/又はウェブブラウザにより読み込み可能である他のフォーマットにコード化された情報を含む。一つの実施例では、ユーザインタフェースモジュール282により生成されるユーザインタフェースの規定は、より専門的なクライアント側のアプリケーションのために生成される。例えば、クライアント側のアプリケーションは、治療情報を選択的に閲覧するための表示を既に含み、ユーザインタフェースモジュール282により生成されるユーザインタフェースの規定は、クライアント側のアプリケーションにより供給される所与の表示内で閲覧可能である治療情報の値を単に含んでもよい。この実施例では、クライアント側のアプリケーションは、ユーザインタフェースの規定に含まれる治療情報のための値を受信し、表示の対応する部分に(適当な様に)値の一部又は全部を挿入する。
【0037】
実例として、図6は、治療レジメに対する患者のコンプライアンスに関する治療情報を含むユーザインタフェースモジュール282により定められるユーザインタフェースの表示を示す。この表示は、「治療表示」と呼ばれる。図6で分かるように、治療表示は、患者若しくは患者のグループにより受け取られる治療の継続及び/又頻度についての情報、又は他の情報をユーザに供給する。
【0038】
同様に、図7は、ユーザインタフェースが患者又は患者のグループにより使用される薬送達装置の性能に関する治療情報をユーザに提示する表示を含む、ユーザインタフェースモジュール282により規定されるユーザインタフェースの実施例を例示する。この表示は、「装置表示」と呼ばれる。装置表示は、薬送達装置性能を定量化する測定基準に関する情報を含む。このタイプの情報は、更に以下に説明される。
【0039】
ユーザインタフェースに含まれる他の表示は、処方表示、記録表示、患者のグループ化表示及び/又は他の表示の一つ以上を含む。処方表示は、患者又は患者のグループに対して処方された治療レジメに関する情報を含む。記録表示は、患者又は患者のグループの履歴的な装置使用及び/又は呼吸機能に関する情報を含む。患者のグループ化表示は、ユーザが患者のグループ化を閲覧、作成及び/又は操作可能にする。患者のグループ化は、人口統計学的情報(例えば、年齢、民族、性別、地理的な位置、教育、社会経済的分類及び/又は他の人口統計学的情報)、医学的状態、受け取られた薬、処方された治療レジメ及び/又は他の情報の一つ以上に基づいて行われる。このグループ化は、ユーザにより手動で及び/又はサーバ272により自動的になされる。
【0040】
図2に戻って、ユーザインタフェースモジュール282は、一つの実施例では、患者又は患者のグループのために処方される治療レジメの一つ以上のパラメータをユーザにより調整可能にする一つ以上の表示を供給するユーザインタフェースの規定を生成する。ユーザインタフェースモジュール282により生成される規定により定められるユーザインタフェースを通じて入力される調整は、サーバ272を介して適切な薬送達装置(例えば、薬送達装置100及び/又は薬送達装置288)に供給される。
【0041】
通信モジュール284は、ユーザインタフェースモジュール282により生成されるユーザインタフェースの規定をユーザに提供するように構成される。一つの実施例では、通信モジュール284は、ユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホーム292へユーザインタフェースを提供することにより、これを達成する。クライアントコンピューティングプラットホーム292は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ノートブック、多機能電話及び/又は他のクライアントコンピューティングプラットホームの一つ以上を含む。通信モジュール284は、ネットワーク上でクライアントコンピューティングプラットホーム292へユーザインタフェースを提供する。このネットワークは、クリニック(又はクリニックのセット)、病院(又は病院のセット)又は他のエンティティと関連したインターネット及び/又はイントラネットを含む。規定されたユーザインタフェースを閲覧するために、クライアントコンピューティングプラットホーム292は、通信モジュール284からの情報に基づいてユーザインタフェースをレンダリングするために、ウェブブラウザのような汎用のクライアントアプリケーションを実行する。上述したように、一つの実施例では、ウェブブラウザのような汎用のクライアントアプリケーションよりはむしろ、クライアントコンピューティングプラットホーム292は、ユーザインタフェースモジュール282により生成される規定により定められるユーザインタフェースを閲覧するために特別に設計されているクライアントアプリケーションを実行する。
【0042】
一つの実施例では、ユーザインタフェースモジュール282により生成される規定を定めたユーザインタフェースは、患者又は患者のグループに向けられた情報をユーザにより入力可能にする。この情報は、通信モジュール284により患者又は患者のグループに配信される。情報は、薬送達装置を介して(例えば、クライアントコンピューティングプラットホーム274経由で薬送達装置100を介して)、患者又は患者のグループと関連した一つ以上クライアントコンピュータ装置を介して、及び/又は患者若しくはグループと関連した他の通信装置を介して(例えば、SMSメッセージを介して、ボイスメールを介して、自動化された電話を介して等)、患者又は患者のグループに配信される。これらの情報は、患者又は患者のグループが彼らの薬送達装置に関してしなければならない動作、患者又は患者のグループのために処方された治療レジメになされるべき調整、治療の間の呼吸のため患者又は患者のグループによりなされるべき調整、及び/又は他のメッセージを示している情報の事前に決められたセットからユーザにより選択されるメッセージを含む。ユーザインタフェースは、治療情報取得モジュール280により得られる治療情報の分析に基づいて、ユーザに一組の情報を提示する。
【0043】
一つの実施例では、通信モジュール284は、更にユーザへの情報を患者が送信可能にする。例えば、通信モジュール284は、薬送達装置100及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム274への患者による情報入力を受信し、斯様な情報を(例えば、クライアントコンピューティングプラットフォーム292を介して)適当なユーザに提供するように構成される。これらの情報は、ユーザから受け取られる情報に応答してでもよいし(例えば、ユーザからの情報に示された変更又は動作がなされたか及び/若しくは採られたことをコンファームする)、又は患者により完全に引き起こされる。
【0044】
治療パラメータモジュール285は、患者に対して処方される治療レジメの一つ以上のパラメータを決定するように構成される。以下に更に説明されるだろう。これらのパラメータは、以前の治療セッションの間に得られた治療情報に基づいて決定される。パラメータの一つ以上は、実際の薬送達装置で決定される(後述されるように)。薬送達装置で決定されたにせよ及び/又は治療パラメータモジュール285により決定されたにせよ、前もって決定されたパラメータは、ユーザインタフェースモジュール282により規定されたユーザインタフェースを介してユーザに提示される。ユーザインタフェースは、ユーザによりこれらのパラメータの少なくとも1つを調整可能にする。調整されたパラメータ及び/又は治療パラメータモジュール285により決定されたパラメータは、通信モジュール284により薬送達装置に(例えば、クライアントコンピューティングプラットフォーム274を介して薬送達装置100に)通信される。
【0045】
更新モジュール286は、薬送達装置100及び/又は薬送達装置288を介して患者により受けられる治療と関連したソフトウェアの更新を達成するように構成される。これは、クライアントコンピューティングプラットホーム274及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム290に格納され実行されるソフトウェア、及び/又は薬送達装置100及び/又は薬送達装置288に格納され実行されるソフトウェアを含む。更新モジュール286は、通信ネットワーク上で、更新を含む電気的情報を適当な装置及び/又はマシンへ配信することにより更新を達成し、当該通信ネットワークを通じて、サーバ272は、薬送達装置100及び/又は薬送達装置288から治療情報を得る。更新情報のこの送信上の制御は、クライアントコンピューティングプラットフォーム292を介してユーザにより制御される。
【0046】
個々の患者と関連したサーバ272と装置(例えば、薬送達装置100、薬送達装置288、クライアントコンピューティングプラットホーム274及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム290)との間の通信を可能にすることが、以前のシステム上での様々な強化を提供することは、理解されるだろう。例えば、中央のエンティティ(サーバ272)への種々異なる患者と関連した治療情報の情報は、複数の異なる患者及び/又は薬送達装置を監視し及び/又は管理するために必要な情報への集中化された、便利なアクセスをユーザに供給する。同様に、中央のエンティティから個々の患者へのカスタマイズされた情報をユーザにより生成可能にすることは、患者のための優れた治療経験を促進する。更に、更新モジュール286により供給される機能は、ソフトウェアに対する更新が従来のチャネルを通じて個別に配信され、その後患者により手動で個別にインストールされなければならないシステム上の時間節約及び/又はコスト節約を提供する。
【0047】
一つの実施例では、サーバ272を介して治療情報にアクセス可能であるユーザは、治療を受けている実際の患者、介護者はもちろん、研究者等も含む。この実施例では、治療を監視するためクライアントコンピューティングプラットホーム274及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム290上の「厚い」クライアントアプリケーションを実行するよりはむしろ、患者は、(ウェブブラウザのような)「薄い」クライアントアプリケーションを使用してサーバ272から治療情報にアクセスする。これは、患者と関連したクライアントコンピューティングプラットホーム(例えば、クライアントコンピューティングプラットホーム274及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム290)上で専門ソフトウェアを配信、インストール、維持及び更新することに関連した経費を省くので、これは、図2に図示されるシステムをセットアップ及び/又は維持することに関連した経費を低減する。
【0048】
図3を参照して、エアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持するための例示的な方法300が示される。方法300は、治療のための一貫した時間を維持するために、治療の間、エアロゾル薬送達装置100の電力レベルを変化させるために用いられる。例えば、治療期間は患者の呼吸パターンに依存し、方法300は、後で詳しく説明されるように、一貫した治療時間を維持するため呼吸パターンに応答して電力レベルを変化させる。
【0049】
最初の動作として、一つ以上の設定は、エアロゾル薬物治療を初期化するために、ステップ305で(例えば、データリポジトリ260に格納された設定から、又は別の方法で)読み込まれる。代わりに、設定は、データリポジトリ260又は薬送達装置100の他のメモリへ手動で入力されてもよい。一つの実施例では、設定の一つ以上が、ユーザ(例えば、クライアントコンピューティングプラットホーム292に供給されるユーザインタフェース)により、患者のために規定された治療レジメに従って、サーバ272から(例えば、クライアントコンピューティングプラットフォーム274を介して)、データリポジトリ260へ供給される。設定は、とりわけ、治療のための薬の投与量(例えば、薬送達装置の薬物室の薬の量又は貯蔵部115の物理的ボリュームに依存して)、ターゲット治療期間、メッシュ等級、及び公称の電力レベルを含む、治療に関する情報を含む。このように、治療情報は、公称の出力レート(例えば、分当たりのミリリットル)及びエアロゾル薬物治療のためのターゲットパルス割合(例えば、エアロゾルパルスを送ることに費やされる毎分の割合)を計算するために用いられる。その上、ステップ305で読み込まれる設定は、とりわけ、最小及び最大電力レベル、電力レベルの変化をトリガーするための閾値吸入呼気比率、及び任意の繰り返しにおいて電力レベルをどのくらい増大及び/又は低下させるべきかを示すための変数を含む、治療の間電力レベルを変化させるためのパラメータを含む。
【0050】
治療を管理し、制御するための全てのパラメータ及び設定が、データリポジトリ260又は他のメモリに入力される、格納される又は含まれて、治療は、ステップ310で始まる。治療がステップ310で始まるとき、エアロゾル生成器120へ電源220により送られる電力レベルは、公称の電力レベルに設定される。しかしながら、様々な実施態様において、公称の電力レベルは、一つ以上の前の治療に関するデータリポジトリ260からの治療情報に基づいて変化されてもよい。例えば、患者が(例えば、正常より比較的少ない吸入時間を費やすことにより)劣った呼吸パターンを呈するとき、公称の電力設定は、治療に対処するため、さもなければおそらく公称の治療時間を越えて拡大するために、増大される。明らかなように、患者が正常の吸入パターンより長いパターンを持つとき、公称の電力設定を減少させるような他のバリエーションが使われてもよいし、又は他の方法が使われてもよい。
【0051】
治療のコースにわたって、患者の呼吸パターンは、能動的に監視される。例えば、ステップ315は、呼吸ベースで患者の吸入呼気比率を測定するステップを含む一方、ステップ320は、最も最近の呼吸を反映するために吸入比率の実行時の動き平均を更新するステップを含む。よって、エアロゾル生成器120の電力レベルは、呼吸パターンに発生する変化に応じて、呼吸ベースで、呼吸ごとに動的に調整される。任意の一つの呼吸の変化は、一つ前の呼吸に基づいて、又は複数の前の呼吸に基づいている。他の実施例では、エアロゾル生成器120の電力レベルは、一つ前の呼吸に基づいてだけ、又は複数の前の呼吸に基づいて、既定の数の将来の呼吸のために動的に調整されてもよい。一つの実施例では、治療時間は、エアロゾル生成器120がエアロゾルパルスを送る毎分の割合に依存し、これは、患者が吸気対呼気を費やす時間比率に更に依存する。各パルスの長さが比率に合わせられるので、吸気対呼気比率は、治療時間についてかなりの効果を持つ。
【0052】
吸入が始まるとき、又はすぐその後で(例えば、吸入が始まる時から1秒以内に)、各エアロゾルパルスが始まる一方、吸入が終わる時より前に終わり、よって、エアロゾルが患者のボディ内に沈着する時間を残す。このように、一つの実施例では、パルス長は、比率に依存して、吸入の約50%と80%との間で持続する(例えば、多くの短い吸入をする患者は、長い吸入をする患者より比例して短いパルスを受け、より多くの沈着時間をとる)。呼吸パターンに基づいてパルス長を制御する例示的技術は、971特許に説明されているものを含む。
【0053】
従って、吸入呼気比率は、治療が比較的低い吸入呼気比率を持つ患者に対して長く、逆も然りなので、治療期間に影響を及ぼす重要な要因である。よって、一貫した治療時間は、劣った呼吸パターンを持つ患者を補うためにエアロゾル生成器120に送られる電力レベルを増大させるか、又は強い呼吸パターンを持つ患者を補うためにエアロゾル生成器120に送られる電力レベルを減少させることにより維持され、分当たり生成されるエアロゾルの量が所望の公称の出力レート近くのままであることを確実にする。
【0054】
治療全体にわたって、ステップ320は、吸入呼気比率の実行時の動き平均を維持する。比率は、呼吸測定機構245と連動して、コントローラ230により測定され、既定数の呼吸(例えば、3呼吸)にわたって測定される比率の動き平均は、コントローラ230により決定され、データリポジトリ260又は薬送達装置の他のメモリに保存される。例えば、様々な実施態様において、動き平均は、動き平均が現在の呼吸パターンを反映することを確実にするために、限定された数の呼吸に基づいてもよい。様々な例として、患者は、治療の間、喘息発作を経験し、薬物吸収は患者の呼吸力を高め、又は現在の呼吸パターンが治療のコースにわたって動的に変化するように他のバリエーションが発生してもよい。このように、動き平均への多数の呼吸因子を制限することは、結果的に現在の呼吸パターンのより正確な評価になる。しかしながら、適当なときに呼吸の数が最適に増大若しくは減少されるか、又は特定の治療タイプが本発明の範囲から逸脱することなく、動き平均内の全ての呼吸を含んでもよいことは、明らかだろう。
【0055】
ステップ325では、貯蔵部115内の全ての薬物が投与されたかどうかの決定がなされる。例えば、様々な実施態様では、センサ217は、貯蔵部115内の液体の存在(又は不在)を検出できる。センサ217は、貯蔵部115内の液体の有無又は液体の量を測定するための装置を有する。例えば、光障害/散乱センサ、超音波/電波送信時間センサ、空気の電気的静電容量を測定するセンサ、フロートスイッチ又は液体の有無を検出できる他の既知のセンサが、使用できる。他の実施例では、センサ217は、ホーン又はエアロゾル生成器120を駆動するための超音波駆動回路の特性の変化(例えば、電流又は電圧の変化)を決定するように構成されて設けられていて、ここで、変化は貯蔵部115からの液体の減少に起因している。
【0056】
組み込まれている971特許に説明されているように、センサ217は、(例えば、貯蔵部115内の液体の欠如を検出することにより)治療が終わるべきときを決定するために使用できる。センサ217により決定されるように、貯蔵部115内の全ての薬物が投与されたとき、これは、処方された量の薬が投与されたことを意味し、センサ217は、治療がステップ350で(例えば、エアロゾル生成器120への電力を切ることにより)終了できることを示す信号をコントローラ230へ送信する。更に、ステップ350は、ログを更新するか、又は後で詳述されるように、とりわけ更なる分析若しくは診断のためデータリポジトリ260に治療の記録を生成する。
【0057】
しかしながら、決定ステップ325が投与すべき追加の薬物が残っていること(例えば、センサ217が貯蔵部115内に追加の薬物の存在を検出するとき)を決定するとき、治療は続く一方、吸入/呼気比率の決定ステップ330及び340は、後続のパルスで(ステップ335又は345での)電力レベルを増大及び/又は低下させるべきかどうかを決定する。例えば、ステップ330及び340でなされる吸入/呼気比率の決定は、約1:1と1:2(すなわち、ある患者は、吸気時間に比例して他の患者の2倍多く呼気に時間がかかる)との間で変化する、典型的患者の吸入呼気比率を反映している呼吸モデルに基づく。
【0058】
このように、ステップ330で吸気時間と呼気時間との比率が第1の閾値(すなわち、劣った呼吸パターンを反映している閾値)より下にあると決定されるとき、呼吸測定機構245の使用を通じて、電力レベルは第1のデルタによりステップ335で増大される。一方で、吸入/呼気時間割合が閾値より下にあるのではなく、第2の閾値(すなわち、強い呼吸パターンを反映している閾値)を超えるとき、電力レベルは第2のデルタによりステップ345で低下する。例えば、電力レベルは、エアロゾル生成器120に送られる電力レベルを調整する電源220に電気信号を供給する電力コントローラ235を介して、増大又は減少される。様々な実施態様では、閾値及び閾値は任意の適切なモデルに基づいてよく、第1のデルタは、強い呼吸パターンより治療時間に大きなインパクトを持つ劣った呼吸パターンを反映するために、第2のデルタより大きく設定される。さもなければ、呼吸パターンは、典型的吸入呼気比率を反映してもよく、この場合、処理は電力レベルを変えることなく、測定のために他の呼吸を待つことなくステップ315に戻る。
【0059】
更にまた、電力レベルは、既定の最小レベル及び既定の最大レベルにより定められる適当な範囲内に限定される。最小レベルは、薬物が貯蔵部115内にある限り、電力がエアロゾル生成器120へ送られ続けることを確実にするように定められる(例えば、最小レベルは装置が切られない、又は電力がゼロへ行かないことを確実にする)。同様に、最大電力レベルは、電源回路が過負荷にならないか又はさもなければ装置の適当な動作と干渉しないことを確実にするように定められる。特定の電力レベルは、最大電力出力を持たせるように作られる任意の所与の装置の設計又は構成に依存する。
【0060】
センサ217は全ての薬物が使われたと決定し、これによりステップ350で治療を終えると、データリポジトリ260のログは、そのステップ350において更新される。データリポジトリ260のログは、患者のために行われる各治療についての情報を格納する。格納された治療情報は、サーバ272及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム274にダウンロードされ、治療ごとに、とりわけ、全体のエアロゾル生成器(例えば、ホーン)作動時間、患者が吸入に費やした全体の時間、及び患者が呼気に費やした全体の時間を含む。様々な実施態様では、ホーン作動時間、吸気時間又は呼気時間の一つ以上は、最も近い秒に丸められてもよい。
【0061】
データリポジトリ260からサーバ272へ送られる治療情報は、セラピストが患者の治療の診断を評価するのを援助するか又は、さもなければ治療に関して付加的な理解を提供するために用いられる。例えば、治療の間、吸入及び/又は呼気に費やされる時間が、患者の呼吸を診断するのに使われる。その上、治療情報は、電力レベルが呼吸パターンを補償するために治療の間、どれくらい能動的に変化したかという指標を提供する。例えば、吸入に費やされる時間の割合は、呼吸パターン及び電力変化を分析するために(例えば、吸入及び呼気に費やされる時間の合計により吸入に費やされる時間を割ることにより)計算され、ここで、約40パーセント未満の比率は、電力が様々な呼吸の間、能動的に増大されたことを示し、約40パーセントと約48パーセントとの間の比率は、電力が最小の正味効果に従ったことを示し、約48パーセントを超える割合は、電力が様々な呼吸の間、能動的に減少したことを示す。しかしながら、これらのパーセンテージ及び範囲は単なる例示的であって、全ての患者に対して、すなわち患者ベースで変動するか、又はそれ以外であることは理解されるだろう。更にまた、治療が完了されたとき、ログは、フィードバックを患者に提供するために用いられるコードを格納する。例えば、様々なコードは、治療の間の患者の呼吸パターンが正常であった、劣っていた、強かった又はそれ以外かどうかを(例えば、コントローラ230に接続されたディスプレイに、吸入及び/又は呼気に費やした時間の割合に基づく患者の呼吸パターンの指標を表示することにより)示す。
【0062】
一つの実施例では、医師が患者を診断するのに役立つこの情報のいずれかが、薬送達装置100及び/又はクライアントコンピューティングプラットホーム274上のディスプレイ270へコントローラ230により送られる。ディスプレイ270は、液晶表示、発光ダイオード(LED)ディスプレイ又は他の読み取り可能なディスプレイである。他の実施例では、ディスプレイ270は、認知可能な出力を供給できる装置により交換できる。例えば、スピーカが、特定の状態(例えば、「劣った呼吸パターン」)を診断する音又はボイスの記録されたメッセージを出力する警報音を供給するために使用できる。
【0063】
図4を参照すると、エアロゾル薬送達治療のための一貫性を維持するための本発明の様々な態様による他の方法400が例示される。方法400は、治療のための一貫した時間を維持するために治療の間、エアロゾル生成器120に送られる電力レベルを変化させるために用いられる。例えば、公称の治療期間は、エアロゾル薬送達装置のための公称の出力レート(例えば、メッシュ等級、薬投与量及び公称の電力レベルの関数)に依存する。このように、方法400は、治療の経過期間を監視し、公称の治療時間の関数として、電力レベルをゆっくり増大させる。よって、方法400は、出力レートを可能な限り公称のレート近くに保ち、これによって、一貫した治療時間を達成する。
【0064】
方法400を開始すると、一つ以上の設定が、エアロゾル薬物治療を初期化するために、ステップ405で(例えば、あらかじめ選択されたにせよ手動にせよ、サーバ272から受けた等にせよ、データリポジトリ260に格納された設定から)読み込まれる。設定は、とりわけ、治療のための薬の投与量(例えば、薬物貯蔵部115の総充填容積(予め選択された固定のボリューム)、又は薬送達装置200の薬物貯蔵部115に実際に置かれた薬の量(用量)に基づく入力に依存して)、ターゲット治療期間、メッシュ等級及び公称の電力レベルを含む、治療に関する情報を含む。また、設定の任意の一つ以上は、入力インタフェースを通じてデータリポジトリ260に手動で入力されるか、サーバ272からデータリポジトリ260で受けたか、又はデータリポジトリ260に予めコード化されていてもよい。このように、治療情報は、公称の出力レート(例えば、分当たりのミリリットル)及びターゲットパルス割合(例えば、エアロゾルパルスを送ることに費やされる分毎の割合)に関してもよい。上述されたように、様々な例で、汚れたメッシュ又はメッシュを交換することが、実際の装置出力レートを公称の出力レートから変化させる。
【0065】
ステップ405で治療を行って制御するためのパラメータ及び設定を読み込んで、治療は、ステップ410から始まる。治療が始まった後、治療の経過時間は、ステップ405で(例えば、クロック250を介して)監視される。加えて、ステップ405で、エアロゾル生成器120に送られる電力レベルは、まず初めに、(例えば、読み込まれた設定、又は手動入力に基づいて、以前の治療に基づいた反応機構等に基づいて)公称の電力レベルに設定される。設定がステップ405で読み込まれるとき、公称の治療期間を決定することにより、エアロゾル生成器120への電力レベルは、治療がターゲット期間を上回りそうにあるとき増大され、よって、装置出力レートの減少を補償する。例えば、全ての薬物が使われるか否かは、ステップ420で決定される。ステップ420は、貯蔵部115がまだ投与されなければならない薬物を含み、経過時間がターゲット治療期間に近づいていると(センサ217によって)決定する場合、装置出力レートが公称のレート以下に落ちたか、又は公称の出力レート以下に(例えば、汚れたメッシュのため)潜在的にあると想定される。しかしながら、経過時間が公称の治療期間を過ぎるのを待つよりはむしろ、電力レベルは増大されるか(後述されるステップ430で)、又は治療終了に先立ってゆっくり逓増されてもよい。結果として、メッシュが不潔であるか又は最適に機能しないとき、治療時間は、所望の時間、すなわち公称時間近くで終了するか、又は少なくともエアロゾル生成器120に供給される電力の増大がない場合と比較して公称時間近くで終了できる。
【0066】
従って、経過時間が公称の治療時間の75%に到達する場合、ステップ445は電力を増大させ、経過時間が公称の治療時間の87.5%に到達する場合、ステップ440は電力を増大させ、経過時間が公称の治療時間の100%に到達する場合、ステップ435は電力を増大させ、経過時間が公称の治療時間の125%に到達する場合、ステップ425は電力を増大させる。よって、電力レベルは、経過された治療時間と公称の治療時間との間の関係に基づいて、治療の終了に向かってゆっくり増大する。しかしながら、ここで例示される特定の間隔は単なる例示あって、選択された間隔は、適当に変化してもよいし、追加的間隔により置き換えられてもよい(例えば、電力が増大される程度を半分にして間隔の数を2倍にする)ことは、理解されるべきである。一つの実施例では、薬送達装置100は電力レベルの既定の数を含み、装置の出力レートは電力レベルの関数である。従って、所与の量だけ電力レベルを増大及び/又は低減させることにより、装置の出力レートは、制御できる。例示的な説明では、薬送達装置100は、各電力レベルがデフォルト電力レベル(例えば、例示的テーブルではレベル8)の関数である装置出力レートを供給する以下のテーブルに示されるような電力レベルの範囲を含む。

【0067】
他の実施例では、所定の間隔でエアロゾル生成器120への電力を増大させるよりはむしろ、電力レベルが、公称の治療時間の既定のパーセンテージで始まって、線形に又は指数的に時間とともに連続的に増大されてもよいと想定される。他の実施例では、電力の増加は、所定時間よりもむしろ導出時間で始まる。電力を増大させるための斯様な導出時間は、センサ217によって決定されるような、貯蔵部115内に充填された薬の用量がどれくらいの長さで空になるか(枯渇するか)の事前の測定又は決定に基づく。貯蔵部枯渇時間のこれらの過去の測定は、エアロゾル生成器120への電力を増大させるための開始時間、電力が増大されるレート及び/又は電力の増大の全体の期間を決定するために、データリポジトリ260及び/又はサーバ272に保存される。
【0068】
全ての薬物が使われたことを(例えば、全ての薬物が投与されたことを検出するセンサ217により)決定すると、センサ217は、コントローラ230に信号を送り、次にコントローラ230は電源220をオフにするための信号を送る。よって、ステップ450で、治療は終わり、データリポジトリ260のログが更新される。データリポジトリ260は、患者のために行われた各治療に関する情報を格納する。データリポジトリ260に格納された情報は、読み込み可能及び書き込み可能なメモリを持つパーソナルコンピュータ又は他の適切な装置にダウンロードされる。リポジトリー260に格納された情報は、治療ごとに、とりわけ、エアロゾル生成器120の動作時間の総量、患者による吸入に費やされる時間の総量、及び/又は患者による呼気に費やされる時間の総量を含む。様々な実施態様では、薬送達動作時間(すなわち、エアロゾル生成器装置又はホーンの動作時間)、吸入時間又は呼気時間の一つ以上は、例えば最も近い秒に丸められてもよい。
【0069】
前述されたように、コントローラ230は、、ディスプレイ270を介して患者に提示される、装置200又は患者のための様々な診断を実施するために用いられる。同様に、斯様な診断は、クライアントコンピューティングプラットフォーム292を介して図2に例示されるシステムのユーザに提供されてもよい。例えば、データリポジトリ260及び/又はサーバ272内の治療情報が、メッシュ105が不潔なことを示すとき、ディスプレイ270は、(例えば、コントローラ230及び/又はサーバ272から受け取られる命令を介して)汚れたメッシュ105を変える必要性を視覚的に表す。他の例では、ディスプレイ270は、治療情報が、患者が劣った呼吸パターンを持つことを示すとき、患者が医師に従うか又は他の適切な動作をとるような視覚インジケータを提供させる。更に別の例では、メッシュのあり得る状態の指標又は警告は、クライアントコンピューティングプラットフォーム292を介してユーザに伝達され、患者にメッシュを清掃及び/又は交換するように命じる情報であって、サーバ272を介して患者に伝達される当該情報が、クライアントコンピューティングプラットホーム292へユーザにより入力される。
【0070】
更にまた、データリポジトリ260及び/又はサーバ272内の治療情報は、後続の治療を制御するため様々な解析又は計算を実施するために用いられる。例えば、治療の長さは、現在の治療及び/又は一つ以上の過去の治療のためコントローラ230及び/又はサーバ272により計算され、電力レベルは計算に基づいて後続の治療のために変化する(例えば、最初の電力レベルは一つ以上の過去の治療からの計算に基づいて変化するか、計算が、治療の間、電力レベルを制御するか若しくは変化させるためのスケジュールを導出するために用いられるか、又は他の技術が用いられる)。
【0071】
サーバ272により決定され及び/又はサーバ272でコントローラ230から受け取られる情報は、セラピストが患者の治療の診断を評価する際の援助をするか、又はさもなければ、とりわけ、劣ったメッシュ状況がメッシュの交換を必要とするかどうか、又は適切なメッシュ状況が、メッシュが後で変えられることを示すかどうかを含む治療に関する付加的な理解を提供するためにも用いられる。例えば、データリポジトリ260内の治療情報は、公称のメッシュ出力レート(例えば、分当たりのミリリットル)及び薬物室量又はボリューム(例えば、数ミリリットル)に関する情報を含み、所与の治療のため公称のレートでエアロゾル生成器120に対する動作時間の公称の量を計算するために使用できる。例えば、治療は、1000mL/分の公称のレートで6000mLの薬物を投与するよう予定されてもよい(すなわち、6分の治療時間)。よって、公称の動作時間量は、エアロゾル生成器120(例えば、ホーン)が治療の任意の所与の分の間に何秒動作すべきかに基づく。
【0072】
このように、各治療のためのネビュライザ動作時間(例えば、ホーンオン時間、すなわちHOT)の総量は、公称の動作時間(例えば、公称のホーンオン時間、すなわちnHOT)と比較され、これによって、治療が汚れたメッシュのため、期待されるよりも長かったかどうかの指標を提供する。データは、メッシュ状況の傾向(例えば、傾向は、メッシュが3回使用の後頻繁に汚れることを示し、メッシュがいつ変えられるべきかの推定を提供する)を明らかにするために、後続の治療で更に分析又は相関付けられる。更にまた、治療期間自体は、この期間が患者の呼吸パターン、呼吸していない時間(例えば、呼吸の間)又は他の要因に起因する影響の原因ではないので、汚れたメッシュの適切な測定を提供していない。よって、汚れたメッシュ状況は、HOTが、汚れたメッシュ状況又は装置出力レートに影響を与える他の要因によってだけ影響を受けるので、nHOTのパーセンテージ(例えば、nHOTによりHOTを割ることにより)としてHOT又は他の要因に基づいて決定される。例えば、nHOTにより割られるパーセンテージHOTが既定の値(例えば、200%)を超えるとき、治療終了時点で電力を増大していることが、許容可能な範囲内の治療時間を得るのに失敗したので、汚れたメッシュが推定され、メッシュが掃除又は変えられなければならないことを示す。明らかであるように、指標は、メッシュを掃除するか又はメッシュを交換する必要を視覚的に示すためにディスプレイ270に表示される。
【0073】
前述に基づいて、劣った患者の呼吸パターンのため、汚れたメッシュのため、又は装置出力レートの低減に寄与している他の要因のため、治療が、ターゲット治療時間を越えて伸びることは明らかであろう。このように、図4に説明される方法は、ターゲット治療時間を越えて伸びている治療が装置出力レートの低減に起因しているような呼吸パターンを能動的に監視し、補償し、これは、図4に説明されている方法を使用して補償される。従って、方法300及び400の何れか一方又は両方が、これらの様々な要因を補償するために、所与の治療のためにアクティブとなり、これら方法のどちらがアクティブになるかは、装置の設定に依存する。方法300に従って患者の呼吸パターンに基づいて電力レベルを制御することが、任意のエアロゾル治療装置に対して一般に可能にされるのに対し、方法400に従って汚れたメッシュ状況を補償するため電力レベルを制御することは、メッシュ又は装置出力レートの低減を引き起こすことになる時間の経過と共に劣化する他の部品を使用する薬送達装置で使用されることを主に意図する点に留意されたい。設定が任意の数の要因に基づいているか、ボタン若しくは他の選択機構が電力制御アルゴリズムを有効/無効にするために使用できるか、又は他の技術が用いられてもよいことも、理解されるべきであろう。
【0074】
更に、各種実施例で、治療のため方法300及び400を同時に起動させるとき、方法300は、ターゲット治療期間の既定のパーセンテージ(例えば、75パーセント)で自動的に終わるだろう。斯様な場合、方法400は、その後方法300より優位になるだろう。これは、方法300が治療の初期の部分(例えば、最初の75パーセント)にわたって呼吸パターンに関する変動に対して動的に対処するからである。従って、(例えば、液薬がその時までには完全に投与されなかったので)経過された治療期間がターゲット治療期間の既定のパーセンテージを超えるとき、汚れたメッシュが、より長い治療の理由としてみなすことができる(例えば、並み外れたターゲット治療期間を超えることは、装置出力レートの低減に起因できる)。上述のように、治療終了時に電力を逓増していることは、(例えば、吸入される薬を徐々に増大するために)治療終了の前に開始していなければならず、従って、方法400は、ターゲット治療期間の既定のパーセンテージ(例えば、75パーセント)で始まっているだろう。
【0075】
図5を参照して、棒グラフが、「可変電力アルゴリズムを使用すること」対「可変電力アルゴリズムを無効にすること」の関数として、治療時間の分布の比較を例示する。ここに例示される棒グラフは、ほぼ110の異なる呼吸パターンのデータベースを使用した実験に基づく。6分のターゲット治療時間に基づいて、可変電力アルゴリズムを無効にするとき、治療時間はほぼ4分15秒から8分30秒まで(10分を超えている治療は小さなパーセンテージを持って)変動した。無効にされた可変電力アルゴリズムを持つ平均治療時間は、56秒の標準偏差を持って、ほぼ6.5分であった。一方で、最適化された可変電力アルゴリズムを使用すると、ほとんどの治療は、5分と6分30秒との間で(6分30秒を超えている小さなパーセンテージを持って)完了した。このように、可変電力アルゴリズムは、治療時間の変動性を著しく減らし、患者呼吸パターンの代表的な母集団の平均治療時間を減らすことが期待できる。特に、可変電力アルゴリズムを可能にして、平均治療時間は、ほぼ5.9分(17パーセントの低減)に減少される一方、標準偏差は、ほぼ24秒まで減少した(57パーセントの低減)。
【0076】
他の実施例では、電力は、上述のもの以外の様々な他の測定されたパラメータに基づいて調整されてもよい。例えば、センサ217は、治療完成を単に検出するためよりもむしろ貯蔵所115内の液体レベルを直接決定するように構成される。データリポジトリ260及び/又はサーバ272は、所望の全体の送達時間を達成するため現在所望の液体レベルを決定するために、値のテーブル又は計算機を含む。現在検出された液体レベルと、所与の時間での現在所望の液体レベルとが、このとき比較される。現在検出された液体レベルが現在所望の液体レベルより少ない場合、電力が減少される。現在検出された液体レベルが現在所望の液体レベルより大きい場合、電力が増大される。しかしながら、センサ217は、様々な構成を持ち、本発明は、センサ217が、インピーダンス変化を検出するために構成される超音波トランスデューサ、抵抗及び/又は電流の変化を検出するために構成される抵抗回路、フロートスイッチ、又は従来から知られている任意の他の液体レベル検出器でもよいことが考えられる。代わりに、液体レベルは、患者に送られるエアロゾルの量に基づいて推定されてもよい。当該エアリゾルの量が、薬送達装置100から患者へ出力される。例えば、消費される液体の量は、送達時間にわたって装置から出力されるエアロゾルの濃度を合計することにより決定されてもよい。濃度センサは、光濃度センサ、粒子センサ、又は従来から知られている任意の他の適切な濃度センサでもよい。
【0077】
図8は、一人以上のユーザが遠隔で複数の被験者の治療を監視可能にするための方法800を例示し、ここで、治療はエアロゾル化した薬の送達を含む。以下に提示される方法800のステップは、例示的であることを意図する。幾つかの実施例では、方法800は、説明されていない一つ以上の付加的な動作を持って、及び/又は説明されている動作の一つ以上なしで達成されてもよい。加えて、図8に図示され、後述される方法800のステップの順番は、制限する意図がない。
【0078】
幾つかの実施例では、方法800は、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される一つ以上の処理装置(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、ステートマシン、及び/又は電気的に情報を処理するための他の機構)を含むサーバにより実行される。一つ以上の処理装置は、電気的記憶媒体に電気的に保存される命令に応答して、方法800のステップの一部若しくは全部を実行している一つ以上の装置を含む。一つ以上の処理装置は、方法800のステップの一つ以上の実行のため特別に設計されているハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアで構成される一つ以上の装置を含む。
【0079】
ステップ802で、複数の薬送達装置からの治療情報は、通信ネットワーク上で得られる。複数の薬送達装置は、第1の被験者と関連する第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連する第2の薬送達装置を含む。第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置は、薬送達装置100及び/又は薬送達装置288(図2に示されて上述された)と同じ又は同様でもよい。治療情報は、第1の被験者及び第2の被験者の呼吸パターンに関する情報、及び/又は第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置の一つ以上の部品(例えば、薬をエアロゾル化するために用いられるメッシュ)の効率又はパフォーマンスに関した情報を含む。一つの実施例では、ステップ802は、治療情報取得モジュール280(図2に示されて上述された)と同じ又は同様の治療情報取得モジュールにより実施される。
【0080】
ステップ804で、個々の被験者に対して処方される治療レジメの一つ以上のパラメータが決定される。一つ以上のパラメータは、ステップ802で得られる治療情報に基づいて決定される。一つの実施例では、ステップ804は、治療パラメータモジュール285(図2に示されて上述された)と同じ又は同様の治療パラメータモジュールにより実施される。
【0081】
ステップ806で、ステップ802で得られる治療情報及び/又はステップ804で決定されるパラメータをユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースが定められる。一つの実施例では、ステップ806は、ユーザインタフェースモジュール282(図2に示されて上述された)と同じ又は同様のユーザインタフェースモジュールにより実施される。
【0082】
ステップ808で、ステップ806で定められたユーザインタフェースがユーザに提供される。一つの実施例では、ステップ808は、通信モジュール284(図2に示されて上述された)と同じ又は同様の通信モジュールにより実施される。
【0083】
ステップ810で、一つ以上の被験者及び/又は一つ以上の治療パラメータのための情報は、ステップ808でユーザへ供給されるユーザインタフェースを介してユーザから受け取られる。一つの実施例では、ステップ810は、通信モジュール284(図2に示されて上述された)と同じ又は同様の通信モジュールにより実施される。
【0084】
ステップ812で、ステップ810で受け取られた通信及び/又はパラメータが、適当な被験者に供給される。一つの実施例では、ステップ812は、通信モジュール284(図2に示されて上述された)と同じ又は同様の通信モジュールにより実施される。
【0085】
本発明は最も実際的であり好ましい実施例であると現在考えられているものに基づいて、例示目的のため詳細に説明されてきたが、斯様な詳細は単に例示目的であり、本発明は開示された実施例に限定されず、これに反して、添付の請求の範囲内にある変更及び等価なアレンジメントをカバーする意図があることは、理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施例の一つ以上の特徴が他の任意の実施例の一つ以上の特徴と組み合わせられることも考察することは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を監視するシステムであって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得る治療情報取得モジュールと、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から前記治療情報取得モジュールにより得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成するユーザインタフェースモジュールと、通信ネットワーク上で、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホームに供給する通信モジュールとを有する一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行する一つ以上のプロセッサを有するサーバを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、システム。
【請求項2】
前記治療情報取得モジュールがインターネット上で前記治療情報を得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ユーザインタフェースモジュールにより生成された規定により定められる前記ユーザインタフェースが、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第1の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第2の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記通信モジュールは、更に前記ユーザインタフェースから情報を得て、通信ネットワーク上で第1の被験者及び/又は第2の被験者の適当な一人に得られた情報を供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記通信モジュールが、第1の薬送達装置及び/又は第1の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第1の被験者へ供給し、第2の薬送達装置及び/又は第2の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第2の被験者へ供給する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ユーザにより入力される第1の被験者への情報が、第1の被験者が第1の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作を示している情報、及びユーザにより入力される第2の被験者への情報が、第2の被験者が第2の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作を示している情報の事前に決められたセットから選択される情報を含むように、前記ユーザインタフェースは、前記ユーザインタフェースモジュールにより生成される規定により定められる、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を、一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行させる一つ以上のプロセッサを有するサーバにより、遠隔で監視するコンピュータ実行可能な方法であって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得るため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップと、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から治療情報取得モジュールにより得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成するため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップと、通信ネットワーク上で、クライアントコンピューティングプラットホームが前記ユーザインタフェースをユーザに提示するように、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連した前記クライアントコンピューティングプラットホームへ供給するため前記サーバの前記一つ以上のプロセッサで一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップとを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置の使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、方法。
【請求項7】
前記治療情報が前記ネットワーク上で前記サーバにより得られる前記ネットワークがインターネットである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サーバにより生成された規定により定められる前記ユーザインタフェースが、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第1の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第2の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記ユーザインタフェースから情報を得るために前記サーバの前記一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップと、通信ネットワーク上で第1の被験者及び/又は第2の被験者の適当な一人に得られた情報を供給するために前記サーバの前記一つ以上のプロセッサ上で一つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するステップとを更に有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記サーバが、第1の薬送達装置及び/又は第1の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第1の被験者へ供給し、第2の薬送達装置及び/又は第2の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第2の被験者へ供給する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザにより入力される第1の被験者への情報が、第1の被験者が第1の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作、及びユーザにより入力される第2の被験者への情報が、第2の被験者が第2の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作を示している情報の事前に決められたセットから選択される情報を含むように、前記ユーザインタフェースが定められる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
一人以上のユーザが複数の被験者のエアロゾル化した薬の送達を含む治療を遠隔で監視するシステムであって、通信ネットワーク上で、第1の被験者と関連した第1の薬送達装置及び第2の被験者と関連した第2の薬送達装置を少なくとも有する複数の薬送達装置から治療情報を得る取得手段と、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置から前記取得手段により得られる治療情報をユーザが選択的に閲覧可能にするユーザのためのユーザインタフェースの規定を生成する生成手段と、クライアントコンピューティングプラットホームが前記ユーザインタフェースをユーザに提示するように、通信ネットワーク上で、前記ユーザインタフェースの規定をユーザと関連したクライアントコンピューティングプラットホームに供給する手段とを有し、第1の薬送達装置及び第2の薬送達装置各々が薬のエアロゾル化に使用されるメッシュを含み、得られた前記治療情報は、(i)第1の薬送達装置の使用の間、第1の被験者の呼吸パターンに関係する情報、及び第2の薬送達装置の使用の間、第2の被験者の呼吸パターンに関係する情報、並びに/又は(ii)第1の薬送達装置に含まれるメッシュの状況、及び第2の薬送達装置に含まれるメッシュの状況に関係する情報を有する、システム。
【請求項12】
前記治療情報が前記ネットワーク上で前記取得手段により得られる前記ネットワークがインターネットである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記生成手段により生成された規定により定められる前記ユーザインタフェースが、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第1の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記ユーザインタフェースを介してユーザにより閲覧される第2の薬送達装置に対応する治療情報に基づく第1のユーザに向けられた情報をユーザが入力可能にし、前記システムは、更に前記ユーザインタフェースから情報を得る手段と、通信ネットワーク上で第1の被験者及び/又は第2の被験者の適当な一人に得られた情報を供給する供給手段とを有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記供給手段が、第1の薬送達装置及び/又は第1の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第1の被験者へ供給し、第2の薬送達装置及び/又は第2の被験者と関連したクライアントコンピューティングプラットホームの一方又は両方を介して、ユーザにより入力された情報を第2の被験者へ供給する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ユーザにより入力される第1の被験者への情報が、第1の被験者が第1の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作を示している情報、及びユーザにより入力される第2の被験者への情報が、第2の被験者が第2の薬送達装置のメッシュに関してしなければならない動作を示している情報の事前に決められたセットから選択される情報を含むように、前記ユーザインタフェースが定められる、請求項13に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2−I】
image rotate

【図2−II】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−501565(P2013−501565A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524306(P2012−524306)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053185
【国際公開番号】WO2011/021117
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】