説明

監視カメラ

【課題】 撮影モード切り換え時の発生を確実に防止することができる撮影モード切り換え可能なカメラを提供する。
【解決手段】 撮影モード切り換え可能なカメラにおいて、被写体の照度を算出する照度算出手段と照度変化率を算出する照度変化率算出手段を有し、照度変化率に応じて撮影モードの切り換え条件を設定可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影モード切り換え可能なカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような撮影モード切り換え可能なカメラの従来例としては、特開2003−219254号公報に記載された「撮影モード切換え機能付きカメラ」がある。このカメラは固体撮像素子として、CCDを用いている。CCDは、400nm〜1100nmまで感度特性をもつが、カラーカメラとして使用する場合は、人間の目が感知できる波長が650nm程度までであること、ならびに色再現性を向上させる必要があることのため、前記CCDの前面に赤外カットフィルタを配置する。一方白黒カメラとして使用する場合は、感度を向上させること、ならびに色再現性が影響しないことから前記赤外カットフィルタを取り除くこととしている。ここで、夜間、駐車場などの白黒モードでの撮影時、車のヘッドライトなどの突発的な光が入ってきた時やパンチルト中のハンチングの防止をするため、前記公報の白黒/カラー切換カメラでは、白黒モードからカラーモードに切り換える際の輝度レベルの閾値にスレッシュを設けるものや切り換えに所定の時間経過した後、切り換えるものが考えられている。
【特許文献1】特開2003−219254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の白黒/カラー切換カメラのように閾値にスレッシュを設けたものでは、夜間、白黒モードで駐車場のなどの監視をする際に、車のヘッドライトなどの一時的な光に対して十分に対応できず、ヘッドライトが入ってくるとカラーモードへの切り換えが行われ、車が通り過ぎるとまた白黒に切り替わってしまい、切り換えの間、映像信号が途絶えてしまうといった問題に十分に対処できなかった。また、所定の時間経過した後切り換えるものでは、被写体が十分、カラー撮像可能な照度になっても切り換えに時間を要してしまい、カラーモードでの撮影が行われず、白黒モードで撮影してしまうといった問題があった。本発明は従来の問題を解決するためになされたもので、夜間での白黒モードでの撮影時、上記のような一時的な光が入ってきた時の余計なモード切り換えを確実に防止することができ、かつ迅速な切り換えが可能なカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、被写体の照度を算出する照度算出手段と照度変化率を算出する手段を有し、照度変化率に応じて撮影モードの切り換え条件を設定可能なため、さまざまな被写体の照度変化に対して不適切な撮影モードの切り換えを確実に防止し、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンにおいては撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0005】
請求項2に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度変化率算出手段からの出力が所定値以上であった場合には撮影モードの切り換えを行わないため、車のヘッドライトなどの一時的な光が入ってきた時の不適切な撮影モード切り換えを確実に防止し、被写体の照度が変化した時の撮影モード切り換えを行わなければならないシーンで迅速に撮影モードの切り換えを行うことが可能となる。
【0006】
請求項3に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度変化率算出手段からの出力が所定値以上であった場合の切り換え時間を、所定値以下であった場合の切り換え時間よりも長く設定可能なため、室内監視時において室内灯が付けられ明るさが変化した場合においても、不適切な撮影モードの切り換えを確実に防止し、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでの撮影モードの切り換えを行うことが可能となる。
【0007】
請求項4に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段から算出された所定の被写体照度および照度変化率が特定条件を満たしている場合において、撮影モードの切り換え条件を設定することが可能なため、特定条件下において、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでは撮影モードの切り換えを迅速に行え、不適切な切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0008】
請求項5に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化率であった場合には、撮影モードの切り換えを行わないため、特定条件下において不適切な撮影モード切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0009】
請求項6に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化率であった場合には、撮影モードの切り換えを行うため、特定条件下において撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでは撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0010】
請求項7に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化率であった場合には、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化以外の場合の切り換え時間よりも長く設定することが可能なため、特定条件下において、不適切な撮影モード切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0011】
請求項8に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化率であった場合には、照度算出手段および被写体照度変化率算出手段からの出力が所定の被写体照度および照度変化率以外の場合の切り換え時間よりも短く設定することが可能なため、特定条件下において、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでは撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0012】
請求項9に記載の撮影モード切り換え可能なカメラは、被写体の照度変化率を撮像素子からの出力、画像処理系からの出力、絞り、シャッタースピード、AGC、受光素子の少なくとも一つを用いて算出するため、被写体の照度変化率を撮像素子からの出力、画像処理系からの出力、絞り、シャッタースピード、AGC、受光素子の少なくとも一つを観察することにより知ることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、被写体の照度変化率により、切り換え条件を設定可能なため、カメラの設置場所に応じて考えられる被写体の照度変化に対応可能となり、不適切なモード切り換えを確実に防止し、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンである場合には撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0014】
請求項2の発明によれば、車のヘッドライトやパンチルト中の一時的な被写体の照度変化に対して照度変化の要因を予想できるため、不適切な撮影モード切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0015】
請求項3の発明によれば、室内監視時において、パンチルト中の一時的な被写体の照度変化に対して、不適切な撮影モード切り換えを確実に防止でき、室内灯が付けられ明るさが変化した場合においても撮影モード切り換えを行うことが可能となる。
【0016】
請求項4の発明によれば、被写体の照度および被写体の照度変化率から、被写体照度変化の要因を想定しうるため、被写体の照度変化の要因に応じて、切り換え条件を設定可能なため、不適切な撮影モードの切り換えを確実に防止し、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでは撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0017】
請求項5の発明によれば、被写体の照度および被写体の照度変化率から、被写体照度変化の要因を想定しうるため、車のヘッドライトなどによる一時的な被写体の照度変化に対して、不適切な撮影モードの切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0018】
請求項6の発明によれば、被写体の照度および被写体の照度変化率から、被写体照度変化の要因を想定しうるため、室内灯が点灯された場合などの照度変化に対して、撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【0019】
請求項7の発明によれば、被写体の照度および被写体の照度変化率から、被写体照度変化の要因を想定しうるため、車のヘッドライトなどによる一時的な被写体の照度変化に対して、余計なモード切り換えを確実に防止することが可能となる。
【0020】
請求項8の発明によれば、被写体の照度および被写体の照度変化率から、被写体照度変化の要因を想定しうるため、室内灯が点灯された場合などの撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンでは、撮影モードの切り換えを迅速に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施形態の撮影モード切り換え可能なカメラを図1に示す。
【0022】
図1の1〜5は画像処理の一連の動作を行っている。CCD撮像素子1は、光電変換部と電荷転送部を含み、撮影対象の撮像画像情報をアナログ信号として出力するものである。光電変換部の受光面には画素毎に所定の順序で配列された色フィルタが設けられ、出力されるアナログ信号には色情報が含まれる。アナログ信号処理部2は、CCD撮像素子1から出力される信号に所定のアナログ処理(ノイズ除去、利得調整、プリニー処理等)を施すものであり、A/D変換部3は、アナログ信号処理部2からのアナログ撮像信号をデジタル信号に変換するものである。
【0023】
デジタル信号処理部4は、DSPを含んで構成され、A/D変換部3からのデジタル撮像信号に所定の処理を施し、画素毎の輝度信号と色信号を出力するものである。また、ビデオ出力部5は、デジタル信号処理部4から出力信号を利用して、カラービデオ信号又は白黒ビデオ信号を生成し、出力するものである。カラービデオ信号を生成するか白黒ビデオ信号を生成するかは、モード決定部の機能も有する制御部6からの撮影モード信号による。
【0024】
制御部6は、撮影モードの決定処理を含むカメラ全体の動作を制御するもので、所定のプログラムによって動作するプロセッサを主体に構成される。撮影モードの決定処理については後述する。
【0025】
駆動部7は、制御部6の制御信号によって、光学LPF9及び赤外カットフィルタ10を駆動するものであり、光学LPF9及び赤外カットフィルタ10は、カラーモード時に、CCD撮像素子1の前面に配置される。なお、光学LPF9は、撮影画像の高周波数域をカットして偽色等の除去を行うためのものであり、赤外カットフィルタ10は、CCD撮像素子1への入射光の赤外成分をカットするためのものである。
【0026】
以上のように構成された撮影モード切り換え可能なカメラについて切り換え動作を説明する。CCD撮像素子1で取得された撮像信号が、アナログ信号処理部2、A/D変換部3、デジタル信号処理部4、ビデオ出力部5による処理を経て、ビデオ信号として出力される。撮影モードがカラーモードである時は、光学LPF9及び赤外カットフィルタ10がCCD撮像素子1の前面に配置されるとともに、ビデオ出力部5は、カラービデオ信号を出力する。また、撮影モードが白黒モードである時は、赤外カットフィルタ10がCCD撮像素子1の前面から除かれ、ビデオ出力部5は、白黒ビデオ信号を出力する。
【0027】
撮影モードの判定は、制御部6の中で行われる。図2に示すように、照度算出部6−1では、CCD撮像素子1からの出力、もしくはアナログ信号処理部2からの出力、もしくはデジタル信号処理部4からの出力と、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードからか、もしくは被写体照度を算出可能な受光素子9の出力を基に被写体の照度が算出される。被写体の照度算出の際に、CCD撮像素子1からの出力、アナログ信号処理部2からの出力、デジタル信号処理部4からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つを観察し、時間的な相対値から被写体の照度を算出することも可能である。算出された被写体照度はメモリ6−2、照度変化算出部6−3に入力される。照度変化算出部では画面全体または画面の所定領域の照度変化率を検出する。照度変化率の算出例を図3に示す。この場合、図3に示されるようにある任意の一定時間毎に前回の照度算出値からの変化量として算出されている。変化率算出時間は撮像素子からの読み出し毎、フィールド毎、フレーム毎、所定の時間置きなど任意の時間間隔で設定することができる。また、被写体の照度変化率を算出する際に照度を算出せずにCCD撮像素子1からの出力、もしくはアナログ信号処理部2からの出力、デジタル信号処理部4からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの時間毎の変化から算出することも可能である。撮影モード判定部6−4では、照度算出部6−1からの被写体照度、および照度変化算出部からの照度変化率を基に撮影モードが決定される。
【0028】
モード判定部6−4の動作について詳しく説明する。照明のON/OFFならびに太陽光など影響により被写体の照度Yが変化し、モード変化の閾値Y1、Y2(Y1:白黒モードからカラーモードへ変わる閾値、Y2:カラーモードから白黒モードへ変わる閾値)を超えた場合、モードの切り換えを行うか否かの判断を行う。カラーモードでの撮影時、被写体照度Yがカラーモードから白黒モードへ切り替わる閾値Y2以下となった場合、任意の時間間隔で照度変化率が検出される。本発明によるカメラは、検出された被写体照度の変化率に応じて、撮影モードの切り換え条件を任意に設定可能であり、それぞれの被写体照度の変化率毎に設定された切り換え条件を満たした場合にモードの切り換えが行われる。白黒モードでの撮影時には、被写体照度Yが白黒モードからカラーモードに切り換わる閾値Y1以上となった場合、カラーモードでの撮影時と同様に被写体照度が閾値Y1以上となった時の被写体照度の変化率に応じて、撮影モードの切り換え条件を任意に設定可能であり、それぞれの被写体照度の変化率に応じて設定された切り換え条件を満たした場合に撮影モードの切り換えが行われる。
【0029】
続いて、撮影モードの決定処理について、フローチャートを用いて説明する。
【実施例1】
【0030】
図4を用いて、白黒モードからカラーモードへの切り換えについて説明する。S401において、被写体照度Yが白黒モードからカラーモードへの切り換えの閾値Y1以上か否かを判断し、閾値Y1以下である場合にはそのまま白黒モードを維持する。閾値Y1以上であった場合、S402において、閾値Y1を越えた際の照度の変化率から切り換えのパターン(1)〜(3)を決定する。今回はパターンを3つとしたが3つとは限らず、いくつであっても構わない。S402においてパターンが決定されたならば、S403〜S405において、それぞれの被写体照度の変化率毎に設定された切り換え条件を満たしているかの判断が行われ、切り換え条件を満たしている場合、IRカットフィルタを挿入し、カラーモードでの撮影を行う。
【0031】
カラーモードから白黒モードへの切り換えは、図5のフローチャートに示すように被写体照度Yがカラーモードから白黒モードへの切り換え閾値Y2以下であるかの判断を行い、閾値Y2以下である場合には白黒モードからカラーモードへの切り換えの場合と同様に閾値Y2以下となった際の照度の変化率毎に設定された切り換え条件を満たしている場合、白黒モードへの切り換えを行う。
【0032】
白黒モードからカラーモード、カラーモードから白黒モードのどちらか一方は、切り換え時の被写体の照度変化率は考慮せず、撮影モード切り換え閾値を超えて一定時間後に切り変わるようにすることも可能である。
【0033】
また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定以上の変化があった場合、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの変化率に応じて撮影モードの切り換え条件を設定できるようにしても構わない。
【実施例2】
【0034】
図6を用いて、白黒モードからカラーモードへの切り換えについて説明する。S601において、被写体照度Yが白黒モードからカラーモードへの切り換えの閾値Y1以上か否かを判断し、閾値Y1以下である場合にはそのまま白黒モードを維持する。Y1以上であった場合、S602において、照度の変化率が閾値S1以上であるか否かの判断を行う。照度の変化率が閾値S1以上の場合、ヘッドライトなどの一時な光が入ってきたかパンチルト中であるとの判断を下し、カラーモードへの切り換えを行わない。照度変化率が閾値S1以下であった場合には、被写体の照度が下がったものと判断し、所定の時間T1後にIRカットフィルタを挿入し、カラーモードでの撮影を行う。所定の時間T1の設定時間は短時間もしくは0秒と設定することも可能であり、迅速な切り換えが行うことができる。
【0035】
カラーモードから白黒モードへの切り換えは、図7のフローチャートに示すように被写体照度がカラーモードから白黒モードへの切り換えの閾値Y2以下であるかの判断を行い、被写体照度が閾値Y2以下である場合に、S702において、照度の変化率が閾値S2以上であるか否かの判断を行う。照度の変化率が閾値S2以上であった場合には、一時的な照度変化かパンチルト中であるとの判断を下し、白黒モードへの切り換えを行わない。照度の変化率が閾値S2以下であった場合には、被写体周囲の照度が下がったものと判断し、所定の時間T2後に白黒モードへの切り換えを行う。所定の時間T2の設定時間は短時間もしくは0と設定すれば迅速な迅速な切り換えが可能となる。
【0036】
白黒モードからカラーモード、カラーモードから白黒モードのどちらか一方は、切り換え時の被写体の照度変化率は考慮せず、撮影モードの切り換え閾値を超えて一定時間後に切り変わるようにすることも可能である。
【0037】
また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定以上の変化があった場合、撮影モードの切り換えを行わないとしても構わない。
【実施例3】
【0038】
図8を用いて、白黒モードからカラーモードへの切り換えについて説明する。S801において、被写体照度Yが白黒モードからカラーモードへの切り換えの閾値Y1以上か否かを判断し、閾値Y1以下である場合にはそのまま白黒モードを維持する。閾値Y1以上であった場合、S802において、照度の変化率が閾値S1以上であるか否かの判断を行う。被写体照度の変化率が閾値S1以下であった場合には、被写体の照度が下がったものと判断し、所定の時間T1後にカラーモードへのIRカットフィルタを挿入し、カラーモードでの撮影を行う。所定の時間T1の設定時間は短時間もしくは0と設定すれば迅速な迅速な切り換えが可能となる。照度の変化率が閾値S1以上であった場合には、基本的にはヘッドライトなどの一時的な光が入ってきた場合かパンチルト中であるとの判断を下し、T1よりも長時間のT3の間、安定した場合に限り一時的ではなく被写体の照度が下がったものと判断し、カラーモードへの切り換えを行う。
【0039】
カラーモードから白黒モードへの切り換えは図9のフローチャートに示すようにS901において、被写体照度がカラーモードから白黒モードへの切り換えの閾値Y2以下であるかの判断を行い、S902において、照度の変化率が閾値S2以上であるか否かの判断を行う。被写体照度の変化率が閾値S2以下であった場合には、被写体周囲の輝度が下がったものと判断し、所定の時間T2後に白黒モードへの切り換えを行う。S2以上であった場合には、一時的な輝度変化かパンチルト中であるとの判断を下し、T2よりも長時間のT4の間、安定した場合に限り一時的ではなく被写体の照度が上がったものと判断し、白黒モードへの切り換えを行う。
【0040】
白黒モードからカラーモード、カラーモードから白黒モードのどちらか一方は、切り換え時の被写体の照度変化率は考慮せず、撮影モードの切り換え閾値を超えて一定時間後に切り変わるようにすることも可能である。
【0041】
また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定以上の変化があった場合、撮影モードの切り換え時間を遅らせるとしても構わない。
【実施例4】
【0042】
図10を用いてある条件の照度変化が起こった場合の撮影モードの切り換えについて説明する。例えば室内監視時において室内灯のON/OFFによる被写体の照度が変化した場合や車のヘッドライトなどにより被写体の照度が変化した場合には限られた狭い範囲の照度、ならびに照度変化率となるため、被写体の照度変化の要因は推定することが可能となる。S1001において、被写体が所定の照度範囲内(Y3以上Y4以下)、および所定の照度変化率の範囲内(S3以上S4以下)であるか否かの判断を行う。所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合、S1002において、所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合において設定された撮影モードの切り換え条件を満たしているかの判断を行う。撮影モード切り換え条件を満たしている場合、撮影モードの変更を行う。この特定の処理を行う範囲は一つではなく複数存在することも考えられる。
【実施例5】
【0043】
図11を用いてある条件の照度変化が起こった場合の撮影モードの切り換えについて説明する。例えば白黒モードでの夜間駐車場監視時において車のヘッドライトが入射し、被写体の照度が変化した場合には限られた狭い範囲の照度、ならびに照度の変化率となるため、車のヘッドライトにより生じた照度変化は推定可能となる。S1101において、被写体が所定の照度範囲内(Y3以上Y4以下)、および所定の照度変化率の範囲内(S3以上S4以下)であるか否かの判断を行う。所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合、被写体の照度が十分であるにしても一時的な輝度変化であるものとして撮影モードの切り換えを行わない。この特定の処理を行う範囲は一つではなく複数存在することも考えられる。
【0044】
また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定範囲内の変化があった場合、撮影モードの切り換えを行わないとしても構わない。
【実施例6】
【0045】
図12を用いてある条件の照度変化が起こった場合の撮影モードの切り換えについて説明する。例えば室内監視時において室内灯のON/OFFによる被写体の照度が変化した場合には限られた狭い範囲の照度、ならびに照度の変化率となるため、室内灯のON/OFF時の照度、室内灯ON/OFFにより生じた照度変化は推定可能となる。S1201において、被写体が所定の照度範囲内(Y3以上Y4以下)、および所定の照度変化率の範囲内(S3以上S4以下)であるか否かの判断を行う。所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合、定常的な被写体の照度変化であると判断を行い、撮影モードの切り換えを行う。また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定範囲内の変化があった場合、撮影モードの切り換えを行うとしても構わない。
【実施例7】
【0046】
図13を用いてある条件の照度変化が起こった場合の撮影モードの切り換えについて説明する。例えば白黒モードでの夜間駐車場監視時において車のヘッドライトが入射し、被写体の照度が変化した場合には限られた狭い範囲の照度、ならびに照度の変化率となるため、車のヘッドライトにより生じた照度変化は推定可能となる。S1301において、被写体が所定の照度範囲内(Y3以上Y4以下)、および所定の照度変化率の範囲内(S3以上S4以下)であるか否かの判断を行う。所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合、被写体の照度が十分であるにしても一時的な輝度変化であるものとして通常の撮影モードの切り換え時間よりも長時間のT5の間安定しないと切り換えを行わない。この特定の処理を行う範囲は一つではなく複数存在することも考えられる。
【0047】
また、照度の変化率とは限らず、画像処理系からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定範囲内の変化があった場合、撮影モードの切り換えを遅らせるとしても構わない。
【実施例8】
【0048】
図14を用いてある条件の照度変化が起こった場合の撮影モードの切り換えについて説明する。例えば室内監視時において室内灯のON/OFFによる被写体の照度が変化した場合には限られた狭い範囲の照度、ならびに照度の変化率となるため、室内灯のON/OFF時の照度、室内灯ON/OFFにより生じた照度変化は推定可能となる。S1401において、被写体が所定の照度範囲内(Y3以上Y4以下)、および所定の照度変化率の範囲内(S3以上S4以下)であるか否かの判断を行う。所定の照度範囲、照度変化率の範囲内である場合、考えられうる被写体の照度変化であると判断を行い、通常の撮影モードの切り換え時間よりも短時間のT6の間安定で撮影モードの切り換えを行う。
【0049】
また、照度の変化率とは限らず、CCD撮像素子1からの出力、もしくはアナログ信号処理部2からの出力、デジタル信号処理部4からの出力、デジタル信号処理部4からのAGC、絞り、シャッタースピードの少なくとも一つの値が所定範囲内の変化があった場合、撮影モードの切り換えを早めるとしても構わない。
【0050】
本発明一実施例を図11のタイミングチャートを用いて説明する。
(1)の時間において、カラーモードでの撮影が行われている。(2)の時間において、被写体照度が徐々に下がってきたため、日が暮れてくるなど撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンであると判断して、カラーモードから白黒モードへ閾値以下となると迅速に白黒モードへの切り換えが行われる。(3)の時間において、急激に明るくなるが被写体照度の変化率が閾値S1以上でかつ、長時間安定して白黒モードからカラーモードへの閾値Y1以上ではないため、一時的な光、またはパンチルト中であると判断してカラーモードへの切り換えを行わない。(4)の時間においては、被写体照度が徐々に上がってきたため、日の出などにより、撮影モードの切り換えを行わなければならないシーンであると判断して、カラーモードに迅速に切り換えを行う。(5)の時間において、急激に被写体照度が下がってきてはいるが、一定時間安定しているため、一時的ではなく被写体の照度が減少したものと判断し、白黒モードへの切り換えを行う。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明実施形態のカメラの概略構成図
【図2】本発明実施形態の制御部の概略構成図
【図3】本発明実施形態の照度変化率の検出例
【図4】本発明実施例1の白黒モードからカラーモードへの処理フロー図
【図5】本発明実施例1のカラーモードから白黒モードへの処理フロー図
【図6】本発明実施例2の白黒モードからカラーモードへの処理フロー図
【図7】本発明実施例2のカラーモードから白黒モードへの処理フロー図
【図8】本発明実施例3の白黒モードからカラーモードへの処理フロー図
【図9】本発明実施例3のカラーモードから白黒モードへの処理フロー図
【図10】本発明実施例4の処理フロー図
【図11】本発明実施例5の処理フロー図
【図12】本発明実施例6の処理フロー図
【図13】本発明実施例7の処理フロー図
【図14】本発明実施例8の処理フロー図
【図15】本発明実施例のタイムチャート
【符号の説明】
【0052】
1 CCD撮像装置
2 アナログ信号処理部
3 A/D変換部
4 デジタル信号処理部
5 ビデオ出力部
6 制御部
7 駆動部
8 撮像光学系
9 光学LPF
10 赤外カットフィルタ
6−1 照度算出部
6−2 メモリ
6−3 照度変化算出部
6−4 撮影モード判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部より入射した光線を画像として結像する撮像素子と、撮像光路内に設けられた特定波長除去手段と、前記特定波長除去手段を撮影光路内へ挿入および離脱させる挿脱手段と、被写体の照度を算出する照度算出手段と、被写体の照度変化率を算出する照度変化率算出手段を有し、被写体の照度が十分である場合には前記特定波長除去手段を挿入し、被写体の照度が不十分である場合には前記特定波長除去手段を離脱し撮像する撮影モード切り換え手段を有するカメラにおいて、前記被写体の照度変化率に基づいて撮影モードの切り換え条件を設定可能な設定手段を有し、前記設定された切り換え条件に基づいて撮影モードの切り換えを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、前記照度変化率算出手段からの出力が所定値以上であった場合には、撮影モードの切り換えを行わないことを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1に記載のカメラにおいて、前記照度変化率算出手段からの出力が前記所定値以上であった場合には、切り換え時間を前記所定値以下であった場合の切り換え時間よりも長く設定することを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1に記載のカメラにおいて、前記照度算出手段および前記照度変化率算出手段からの出力が所定範囲内の被写体の照度および照度変化率である場合、前記所定の被写体の照度および照度変化率に応じて設定された撮影モードへの切り換えおよび切り換え条件を設定可能な手段を有し、前記設定された切り換え条件に基づいて撮影モードの切り換えを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のカメラにおいて、前記照度算出手段および前記被写体の照度変化率算出手段からの出力が所定範囲内の被写体の照度および照度変化率であった場合には、撮影モードの切り換えを行わないことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項4に記載のカメラにおいて、前記照度算出手段および前記照度変化率算出手段からの出力が所定範囲内の被写体の照度および照度変化率であった場合には、撮影モードの切り換えを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項7】
請求項4に記載のカメラにおいて、前記照度算出手段および前記照度変化率算出手段からの出力が所定範囲内の被写体の照度および照度変化率であった場合には、前記照度算出手段および前記被写体の照度変化率算出手段からの出力が前記所定の被写体の照度および照度変化率以外の場合の切り換え時間よりも長く設定することを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項4に記載のカメラにおいて、前記照度算出手段および前記照度変化率算出手段からの出力が所定範囲内の被写体の照度および照度変化であった場合には、前記照度算出手段および前記照度変化率算出手段からの出力が前記所定の被写体の照度および照度変化率以外の場合の切り換え時間よりも短く設定することを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項1〜8記載のカメラにおいて、前記被写体の照度変化率算出手段は、前記撮像素子からの出力、画像処理系からの出力、絞り、シャッタースピード、AGC、受光素子の少なくとも一つを用いて算出することを特徴とするカメラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−33577(P2006−33577A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211449(P2004−211449)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】