説明

監視システム及び共連れ侵入監視方法

【課題】認証対象人数を確実に把握することで正規の認証者の利便性を向上させて、非認証者の共連れ侵入を効果的に防止できる監視システムを提供することにある。
【解決手段】共用エリアと管理エリアとをドア1により隔てた施設に適用する監視システムにおいて、カメラ10により共用エリアの指定範囲を撮影された映像を使用し、共用エリアから管理エリアに移動する認証対象者を特定し当該人数を計測する人数計測装置12を有する。コントローラ14は、認証装置13により認証された認証者人数と人数計測装置12により計測された人数との整合性を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物などの出入口を監視する監視システムに監視し、特に非認証者が不正に侵入する共連れ侵入を防止するための共連れ侵入監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビルやマンション、あるいは工場などの建物の出入口におけるセキュリティを確保するための監視システムに対する需要が高まっている。具体的には、セキュリティとは、建物内などに対する不審者の侵入や、認証者のみが入退室できる室内などに非認証者が故意又は誤って進入するような事態を防止することである。
【0003】
従来の監視システムには、個人認証用情報を記憶しているIDカードやICカード、あるいは無線タグなどの記録媒体を使用する認証技術、あるいは生体認証(虹彩、静脈、指紋、網膜、掌形、声紋、顔など)と呼ばれる人体の特徴に基づいた認証技術などの個人認証技術を利用する方法がある。この個人認証技術を利用して、例えば認証者のみが入退室できる部屋のドアを開閉制御し、非認証者の入室を許可しない仕組みを入退室管理システムとして構築できる。
【0004】
ところで、個人認証技術とドア開閉制御を組み合わせた入退室管理システムでは、認証者が通過するためにドアが開かれたときに、非認証者が不正に侵入する、いわゆる共連れ侵入を回避することが困難である。そこで、このような共連れ侵入を防止するために、ドア周辺の床面に体重センサを設けて、通過者の体重を検出することで、認証者以外の非認証者の通過を判定する機能を含む入退出管理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
しかしながら、通過者の体重を検出する方式の入退出管理システムでは、例えば荷台車を押して入室するときなど、認証者と非認証者とを的確に識別できない問題がある。これに対し、ドア周辺の上方に監視カメラを設置し、カメラ映像を画像処理することにより共連れ侵入の発生を検知・防止する仕組みが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開平8−116776号公報
【特許文献2】特開2007−122481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の先行技術文献に示すように、ドア周辺の上方に設置した監視カメラの映像を画像処理することで共連れ侵入を検知かつ防止するシステムは、認証者による認証後のドア開錠直前までは、ドア周辺に存在する人物の人数を計測し、認証者数と実際にドア周辺に存在する人数が一致した時点でドアを開錠する仕組みが構成されている。このようなシステムは、以下のような問題がある。
【0007】
監視カメラによるドア周辺の監視エリアが相対的に狭い場合には、ドアの開錠後に監視エリア外から侵入してくる不正侵入者を検知することは可能であるが、ドアが開錠されているため防止することはできない。一方、監視エリアが相対的に広い場合には、ドア開錠後に監視エリア外から侵入してくる不正侵入者を検知し、ドアを閉じることが可能であるため、共連れ侵入のリスクを低減できる。しかしながら、監視エリアが相対的に広い場合には、本来の監視対象以外の通行人も検知してシステムの外乱として入力されるため、正規な認証者数とドア周辺に存在する人物の人数とが一致しないことが発生する。このため、正規な認証者が認証後であってもドアの開錠がなされず、なかなか入室できない事態が発生する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、認証対象人数を確実に把握することで正規の認証者の利便性を向上させて、非認証者の共連れ侵入を効果的に防止できる監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の監視システムは、計測手段と、認証手段と、判定手段と、制御手段とを備えた構成である。前記計測手段は、共用エリアと管理エリアとを隔てるドアに対し前記共用エリア側に配置されるカメラから出力される映像に基づいて、前記共用エリアにある監視エリアのうち相対的に前記ドアに近い高セキュリティ・ゾーンに存在する人と、前記監視エリアのうち前記ドアから高セキュリティ・ゾーンより遠い低セキュリティ・ゾーンに存在する人のうち前記ドアの方向に移動する人とを認証対象者として特定し、当該特定した者の人数を計測する。前記認証手段は、認証用情報に基づいて前記共用エリアから前記管理エリアに移動しようとする人の認証処理を行う。前記判定手段は、前記認証手段により認証された認証者人数と前記計測手段により計測された人数との整合判定を行う。前記制御手段は、前記判定手段による判定の結果に基づいて、認証者人数と計測人数が不一致の場合には前記ドアの閉状態を維持し、一致する場合には前記ドアを開くように前記ドアの開閉を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に関する監視システムの構成を説明するためのブロック図。
【図2】実施形態に関する人数計測方法を説明するための図。
【図3】実施形態に関する監視システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図4】実施形態に関する人数計測方法を説明するためのフローチャート。
【図5】実施形態に関する真上設置型ステレオ画像処理方法を説明するための図。
【図6】実施形態に関する真上設置型ステレオ画像処理方法を説明するための図。
【図7】実施形態に関する真上設置型ステレオ画像処理方法を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して、実施形態を説明する。
【0012】
(システムの構成)
図1は、本実施形態に関する監視システムの構成を説明するためのブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のシステムは、例えばビルや工場などの共用エリアと管理エリアを隔てる壁2に設けられたドア1の周辺に存在する人を監視し、ドア1の開閉を制御する機能を有する。ここで、共用エリアとは、例えば任意に使用可能な通路やスペースなどを意味する。また、管理エリアとは、例えば認証者のみが使用可能な部屋や区画などを意味する。本実施形態では、ドア1は電気錠による開閉機構を有する。システムのメイン制御装置であるコントローラ14は、後述するように、ドア制御部23を介してドア1の開閉制御を実行する。
【0014】
本実施形態の監視システムは、共用エリア側でドア1近傍の指定エリア100を撮影範囲に含む監視カメラ10を有する。監視カメラ10は、左右カメラを有するステレオカメラである。さらに、監視システムは、認証系のデバイス、人数計測装置12、認証装置13、コントローラ14、記憶装置15、音声出力装置16、及びネットワークインターフェース17を有する。
【0015】
本実施形態では、認証系のデバイスとしては、ICカード及びICカードリーダ11から構成されている。ICカードリーダ11は、管理エリアに入室しようとする人物が携帯しているICカードに記録されている認証用情報を読み取り、認証装置13に伝送する。認証装置13は、予め登録されている認証用登録情報と伝送された認証用情報とを照合し、ICカードを有する人物が認証者又は非認証者であるかを判定し、当該判定結果をコントローラ14に伝送する。なお、認証系のデバイスとしては、無線タグやバイオメトリクスを利用した認証システムを利用してよい。バイオメトリクスを利用した認証システムとは、各種のセンサを使用するバイオメトリクス(虹彩、静脈、指紋、網膜、掌形、声紋、顔などを識別するシステム)の技術を利用したシステムである。
【0016】
人数計測装置12は、監視カメラ10から伝送される映像を受信し、監視カメラ10からの映像を指定の規格で符号化するエンコーダ20及び画像処理部21を含む。エンコーダ20は、映像をネットワーク18経由で外部装置19に配信可能な形式に符号化する。画像処理部21は、監視カメラ10から伝送される映像に対してステレオ画像処理を実行し、指定エリア(即ち、監視エリア)100に存在する人間を検出し、その人数情報を算出してコントローラ14に伝送する。
【0017】
コントローラ14は、判定処理部22とドア制御部23を有し、判定処理部22の判定結果に基づいてドア制御部23によりドア1の開閉(開錠と施錠)を制御する。判定処理部22は、認証装置13から伝送される認証結果及び人数計測装置12から伝送される人数情報に基づいて、ドア1の開閉を判定する。ドア制御部23は判定処理部22の判定結果が許可であればドア1を開き、禁止であればドア1を閉じた状態を維持又は閉じるように制御する。
【0018】
記憶装置15は、人数計測装置12及び認証装置13のそれぞれにより作成された映像や各種情報を保存する。音声出力装置16は、コントローラ14の制御により、監視エリア100に存在する人に対して適切なガイダンスや警告の音声を発生する。ネットワークインターフェース17は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やインターネット等のネットワーク18に接続し、本システムと外部装置19との間で映像などを含む情報の送受信を行なう。外部装置19は、例えばビルの管理者などが操作する管理用端末や中監視装置である。
【0019】
(システムの動作)
以下、図2から図4を参照して、本実施形態のシステムの動作を説明する。
【0020】
本実施形態では、図1に示すように、例えばビルの通路である共用エリアと管理エリアを隔てるドア1の前に指定エリア100として認証エリア(監視エリア)が設定されている。監視カメラ(ステレオカメラ)10は、この認証エリア100を含む撮影範囲での撮影を実行する。
【0021】
ここで、本実施形態は、認証エリア100内には、監視システムに登録されている認証者(指定のICカードの保有者)200と、他2名の共連れ候補者が存在する場合を想定する。本監視システムは、図3に示すように、監視カメラ10及び人数計測装置12を使用した人数計測処理と、認証デバイス11及び認証装置13を使用した認証処理とを並行して実行する(ステップS1)。
【0022】
認証装置13は、認証デバイス11に含まれるカードリーダからICカードに記録された認証用情報を受信すると、監視システムに登録された認証者であるか否かを判定し、その情報をコントローラ14に送信する。このとき、認証装置13は、その認証者に対する共連れの許可がある場合には、認証者200を含む許可人数を送信情報とする。また、人数計測装置12は、後述するように、監視カメラ10から送られた映像に対するステレオ画像処理により、認証エリア100に存在する人数(認証者と共連れの3名)を計測する。
【0023】
コントローラ14は、認証装置13から送られる認証者人数(共連れ2名を含む)と人数計測装置12から送られる認証エリア100に存在する人数との整合性を、判定処理部22により判定する(ステップS3)。コントローラ14は、判定結果により人数が一致した場合には、ドア制御部23を介してドア1の電気錠を開錠する(ステップS4)。一方、コントローラ14は、整合性がないと判定した場合には、ドア1の電気錠を施錠した状態に維持する。このとき、後述するように、コントローラ14は音声出力装置16を制御して、ドア1の近傍に設置したスピーカから認証が未了である旨、あるいは認証の実施を促すアナウンス(通知)をする(ステップS3のNO)。
【0024】
さらに、人数計測装置12は、監視カメラ10から送られた映像に基づいて人の追跡方向を検出することで、開かれたドア1を通過して管理エリアに入室した人数と、当該管理エリアから出て行く逆方向の人数を計測する(ステップS5)。これにより過去に管理エリアに入室した人数との積算により、実際に管理エリアの室内に存在する人数を得ることができる。
【0025】
コントローラ14は、ドア1を通過して管理エリアに入室した人数と管理エリアの室内に存在する人数との整合性を判定し、人数が一致すれば、開かれたドア1を閉じて電気錠を施錠する(ステップS7のYES,S10)。一方、コントローラ14は、人数が一致せずに整合性が取れない場合には、非認証者の共連れ(ここでは2名の共連れは認証者)が発生したと判定し、ネットワーク18を介してビルの管理端末19にその旨を通知する(ステップS7のNO,S8)。さらに、コントローラ14は、監視カメラ10から伝送された映像やステレオ画像処理結果、及び人数計測結果などの情報を記憶装置15に保存すると共に、ネットワーク18経由で管理用端末19に転送する(ステップS9)。
【0026】
ビルの管理者は、コントローラ14から管理用端末19に転送された情報を再生することで、ビルの管理エリア内で認証が未了である状況を把握できる。これに応じて、管理者は、認証者に事後に連絡するなどの処置を実行する。また、管理者は、状況に応じてマニュアル操作でドア1を開錠するなどの操作も行なうことができる。
【0027】
(人数計測方法)
本実施形態の監視システムに含まれる人数計測装置12は、前述したように、ステレオカメラである監視カメラ10を使用して、画像処理部21でのステレオ画像処理を利用した人数計測処理を実行する。以下、この人数計測処理の具体的方法について説明する。
【0028】
まず、図5から図7を参照して、本実施形態の人数計測装置12に適用する直上設置型ステレオ画像処理方法を説明する。
【0029】
本方法は、図5に示すように、認証エリア100に対して真上から撮影できる位置(例えば天井)に監視カメラ10を設置し、左右のステレオカメラ10L,10Rからの撮影画像に基づいて人数計測を行なう。以下、図7のフローチャートを参照して、計測手順を説明する。
【0030】
まず、人数計測装置12は、監視カメラ10から認証エリア100の平面までの距離Laを事前に測定した結果を記憶する(ステップS21)。次に、人数計測装置12は、左右のステレオカメラ10L,10Rからの撮影画像に対するステレオ画像処理により、物体(人の頭部に相当)までの距離Lbを算出する(ステップS22)。この物体までの距離Lbについては、図6に示すように、ステレオカメラ10L,10Rによる視差d(d=vl−vr)の逆比例に基づいて算出する。
【0031】
人数計測装置12は、算出した物体までの距離Lbと、事前に測定された監視カメラ10から認証エリア100までの距離Laとから、物体の高さ(La−Lb)を算出する(ステップS23)。人数計測装置12は、算出した物体の高さに基づいて人であるか否かを判定する(ステップS24)。人数計測装置12は、人であると判定した場合には、各人の頭部の位置から床面上のどの位置にいるか、またその移動方向を算出する(ステップS25)。以上のようにして、人数計測装置12は、認証エリア100に存在する全ての人数(管理エリアへの侵入候補者数)を計測する(ステップS26,S27)。
【0032】
次に、前述の方法により計測した人数情報に基づいて、人数計測装置12が認証対象者人数を特定するための算出方法を、図2及び図4のフローチャートを算出して説明する。
【0033】
本実施形態では、図2に示すように、認証エリア(監視エリア)100を、ドア1に近い方から順に高セキュリティ・ゾーン(高SZ)100Bと低セキュリティ・ゾーン100Aに分ける。
【0034】
人数計測装置12は、計測対象として高セキュリティ・ゾーン(高SZ)100Bを設定し、前述のステレオ画像処理結果に基づいて、当該高SZに存在する人を認証対象者としてカウント(計測)する(ステップS11のYES、S12)。即ち、ドア1に接近して存在している人は、これからドア1が開くのを待って管理エリアに入室する人(認証者とは限らない)であると推定できる。
【0035】
一方、低セキュリティ・ゾーン100Aに存在する人については、人数計測装置12は、人の移動方向に応じて認証対象者であるか否かを判定する(ステップS16)。即ち、共用エリアでは、管理エリアへの入室を意図しない単なる通行者が多数存在する。従って、人数計測装置12は、前述のステレオ画像処理結果に基づいて、ドア1の方向に接近するように移動する人については認証対象者としてカウントする(ステップS16のYES,S17)。また、低セキュリティ・ゾーン100Aでは、人数計測装置12は、ドア1に接近する方向以外の方向に移動する人については認証対象者外の通行人として認識し、認証対象者としてカウントしない(ステップS16のNO,S18)。
【0036】
次に、人数計測装置12は、高セキュリティ・ゾーン100Bと低セキュリティ・ゾーン100Aのそれぞれの認証対象者と特定された人数の合計を算出し、その人数情報をコントローラ14に伝送する。コントローラ14は、前述したように、認証装置13から送られる認証者人数と人数計測装置12から送られる人数との整合性の判定処理を実行する(ステップS13、ステップS3を参照)。コントローラ14は、判定結果により人数が一致した場合には、ドア制御部23を介してドア1の電気錠を開錠する(ステップS14のYES,S15)。一方、コントローラ14は、整合性がないと判定した場合には、ドア1の電気錠を施錠した状態に維持して通知を行なう(ステップS19)。
【0037】
以上のようにして、ドア1の近傍のエリア100Bだけでなく、認証対象者として除外される通行人が存在するエリア100Aも、認証エリア(監視エリア)として拡大させることが可能となる。従って、ドア1の開閉制御を実行する前に、認証対象者を高精度に特定(推定)することが可能となり、共用エリアでの通行人による認識ノイズを抑制することができる。これにより、非認証者の共連れ侵入を効果的に防止できる共に、正規の認証者が管理エリアに入室できる利便性を損なう事態を回避することができる。
【0038】
換言すれば、本実施形態の監視システムにより、ドア1の周辺部の監視エリアを共連れ侵入発生の危険度に応じて拡大することが可能となり、認証対象者と一般の通行者との判別処理を効率的かつ確実に行なうことができる。従って、特にドア1により区画された管理エリアに対する非認証者の共連れ侵入防止の効果を向上させることが可能となる。
【0039】
なお、設置環境に応じて、高セキュリティ・ゾーン100Bと低セキュリティ・ゾーン100Aの広さや形状は事前に設定できる。また、前述の真上設置型ステレオ画像処理方法は、計測処理が容易であり、かつカメラのキャリブレーションを簡易化できる利点がある。また、物体の重なり状態が発生することがないため正確な人数計測を実現できる。
【0040】
(音声ガイダンス方法)
本実施形態の監視システムは、以下のような機能を実現する構成を備えていてもよい。
【0041】
即ち、監視システムは、認証エリア100内に存在する認証対象者がICカードにより認証処理を実行した後に、認証エリア100に複数人の認証対象者がいる場合には、他の認証対象者が認証を実行するまで一定時間だけドア1の開錠を実行しない。この場合、一定時間の経過後に、監視システムは、音声出力装置16を制御して、音声ガイダンスにより認証行為の実施を促すアナウンス、または認証エリア100から離れることを伝えるアナウンスを行なう。
【0042】
監視システムは、認証エリア100内に存在する認証対象者が全員認証を終了すると、ドア1の開錠を実行する。このドアの開錠時において、新たに認証エリア100内で認証対象者としてカウントされる人が存在した場合には、その人が低セキュリティ・ゾーン100A内からドア1に接近するときは、ドア1から離れて次回の認証を実施するよう促すアナウンスを行なう。また、高セキュリティ・ゾーン100B内に入って来た場合には、ドア1から直ぐに離れることを促すアナウンスを行なう。
【0043】
このような音声ガイダンス機能を持たせることにより、ビルの利用者への細やかな情報を提供することが可能となり、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0044】
(センサ間連携)
本実施形態の変形例として、監視カメラ10とセンサを連携させた構成の監視システムでもよい。具体的には、監視カメラ10による撮影範囲では確保できない十分な広さの認証エリア(監視エリア)や、建物の構造、障害物などにより撮影範囲からの死角が発生する場合には、そのエリアを監視エリアとする監視カメラ以外のセンサ(カメラでもよい)を配置する。各センサは、設定された認証エリアに存在する認証対象者を計測し、その計測結果である人数情報をコントローラ14に伝送する。コントローラ14は、各センサからの人数情報と人数計測装置12からの人数情報とを統合し、ドアの開閉制御を行なうための判定処理を実行する。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…ドア、10…監視カメラ、11…認証系デバイス(ICカードリーダ)、
12…人数計測装置、13…認証装置、14…コントローラ、15…記憶装置、
16…音声出力装置、17…ネットワークインターフェース、18…ネットワーク、
19…外部装置(管理端末)、20…エンコーダ、21…画像処理部、
22…判定処理部、23…ドア制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用エリアと管理エリアとを隔てるドアに対し前記共用エリア側に配置されるカメラから出力される映像に基づいて、前記共用エリアにある監視エリアのうち相対的に前記ドアに近い高セキュリティ・ゾーンに存在する人と、前記監視エリアのうち前記ドアから高セキュリティ・ゾーンより遠い低セキュリティ・ゾーンに存在する人のうち前記ドアの方向に移動する人とを認証対象者として特定し、当該特定した者の人数を計測する計測手段と、
認証用情報に基づいて前記共用エリアから前記管理エリアに移動しようとする人の認証処理を行う認証手段と、
前記認証手段により認証された認証者人数と前記計測手段により計測された人数との整合判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定の結果に基づいて、認証者人数と計測人数が不一致の場合には前記ドアの閉状態を維持し、一致する場合には前記ドアを開くように前記ドアの開閉を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記認証手段は、
認識用情報を記憶したIDカード、無線タグまたはバイオメトリクスを利用した認証システムから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記認証手段は、
前記認証用情報により特定される認証者と、事前に登録された当該認証者に伴う人数とを合計した人数を認証された認証者人数として算出することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項4】
前記判定手段の判定結果が不一致の場合には、前記認証手段による認証処理が未了であることを通知する手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記カメラはステレオカメラであり、
前記計測手段は、
前記カメラから伝送された映像のステレオ画像処理を実行する手段と、
前記ステレオ画像処理結果を使用して前記監視範囲に存在する人の位置及び移動方向を算出し、この検出結果に基づいて認証対象者数を計測する手段と
を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記カメラは前記監視範囲内を真上の位置から撮影するように配置されており、
前記計測手段は、前記ステレオ画像処理結果を使用して物体までの距離を算出し、その算出結果に基づいて人の位置と移動方向を算出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
前記判定手段の判定結果が不一致の場合には、前記カメラにより撮影された映像及び前記計測手段により計測された人数情報を記憶する記憶手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項8】
前記判定手段の判定結果が不一致の場合には、前記カメラにより撮影された映像及び前記計測手段により計測された人数情報を、ネットワークを介して外部装置に転送する手段更に有することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項9】
前記制御手段による前記ドアの開錠時に、前記監視範囲での認証対象者数が増加したときは、前記認証手段による認証処理が未了であることを通知する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項10】
前記監視手段は、
前記制御手段による前記ドアの開錠時に、前記管理エリアに前記認証手段により認証された認証者数より多い人数が存在する場合には、非認証者の共連れ侵入が発生したことを判定することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項11】
前記計測手段は、
前記制御手段による前記ドアの開錠時に、前記管理エリアに入室した人数と前記管理エリアから退室した人数に基づいて、前記管理エリアに存在する人数を計測する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項12】
前記カメラの撮影範囲以外の監視範囲に存在する認証対象者の人数を計測する連携手段を有し、
前記判定手段は、前記連携手段から伝送された人数情報と、前記計測手段により計測された人数情報を統合する手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項13】
共用エリアと管理エリアとを隔てるドアに対し前記共用エリア側に配置され、前記共用エリアの監視範囲を撮影した映像を出力するカメラを有する監視システムに適用する共連れ侵入監視方法であって、
前記映像に基づいて、前記共用エリアにある監視エリアのうち相対的に前記ドアに近い高セキュリティ・ゾーンに存在する人と、前記監視エリアのうち前記ドアから高セキュリティ・ゾーンより遠い低セキュリティ・ゾーンに存在する人のうち前記ドアの方向に移動する人とを認証対象者として特定し、当該特定した者の人数を計測する処理と、
認証用情報に基づいて前記共用エリアから前記管理エリアに移動しようとする人の認証処理を実行する処理と、
前記認証された認証者人数と前記計測された人数との整合性を判定し、当該判定結果により人数が不一致の場合には非認証者の共連れが発生したと判定する処理と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、認証者人数と計測人数が不一致の場合には前記ドアの閉状態を維持し、一致する場合には前記ドアを開くように前記ドアの開閉を制御する処理と
を実行することを特徴とする共連れ侵入監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109779(P2013−109779A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−27692(P2013−27692)
【出願日】平成25年2月15日(2013.2.15)
【分割の表示】特願2008−328715(P2008−328715)の分割
【原出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】