監視システム
【課題】対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供する。
【解決手段】装置はインピーダンス測定手順を決定し、該測定手順に対応する命令を決定するための第一処理システムを有する。第二処理システムは命令を受け取り、該命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成するために提供される。第二処理システムは対象に印加される一つ以上の信号を示す第一データと、対象を介して測定される一つ以上の信号を示す第二データを受け取り、第一および第二信号の少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【解決手段】装置はインピーダンス測定手順を決定し、該測定手順に対応する命令を決定するための第一処理システムを有する。第二処理システムは命令を受け取り、該命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成するために提供される。第二処理システムは対象に印加される一つ以上の信号を示す第一データと、対象を介して測定される一つ以上の信号を示す第二データを受け取り、第一および第二信号の少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、生物学的パラメータを監視するための方法および装置に関し、特にインピーダンス測定を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この明細書内での任意の従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)または任意の既知の事柄についての参照は、確認または承認ではなくそう受け取るべきでもなく、従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)または既知の事柄が、この明細書に関する試みの分野内の共通の一般的な知識の一部を構成するという任意の形態の提案でもない。
【0003】
心臓機能などの対象に関する生物学的パラメータを決定するための一つの既存の技術は、生体電気インピーダンスの使用を含む。これは皮膚表面上に配置した一連の電極を用いて、対象の身体の電気的インピーダンスを測定することを含む。身体の表面における電気的インピーダンスの変化は、心臓周期または浮腫に関連する流体レベルの変化などのパラメータを決定するために用いられる。
【0004】
従って、測定を変換可能にするために複雑な信号処理が必要とされる。
典型的に、これを実現するための機器は用途固有のカスタムハードウェア構成を用いる。その結果、機器は典型的に限られた範囲の状況でのみ使用可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)第一処理システムであって、
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択するための第一処理システムと、
b)第二処理システムであって、
i)命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象を介して測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて前記指示の少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定するための第二処理システムを備える。
【0006】
典型的に、手法は第一処理システムから第二処理システムに命令を転送することを含む。
典型的に、手法は構成データを用いて命令を選択することを含む。
【0007】
典型的に、手法は遠隔処理システムから構成データを受け取ることを含む。
典型的に、命令が、
a)ファームウェアと、
b)組み込みシステムのうちの少なくとも一つの形態である。
【0008】
典型的に、第二処理システムはFPGAである。
典型的に、装置は入力機器を含み、第一処理システムが入力機器に接続され、操作者からの入力コマンドに従ってインピーダンス測定手順を決定する。
【0009】
典型的に、第一処理システムが少なくとも一つのプロファイルを格納するための格納部を有し、該少なくとも一つのプロファイルは所定のインピーダンス測定手順を表す。
典型的に、制御信号は所定の電気信号のシーケンスを表し、シーケンスは選択したインピーダンス測定の種類に依存する。
【0010】
典型的に、装置は、
a)電流ADCであって、
i)電流回路から信号を受け取り、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を第二処理システムに提供するための電流ADCと、
b)電圧ADCであって、
i)電圧回路から信号を受け取り、
ii)対象から測定される一つ以上の信号の指示を第二処理システムに提供するための電圧ADCとを含む。
【0011】
典型的に、装置は、
a)電圧電極から電圧信号を受け取り、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)差動増幅器を介して、フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を電圧ADCに転送するための少なくとも一つのバッファ回路を含む。
【0012】
典型的に、装置は、
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電流電極に印加し、
d)印加される電流信号の指示を電流ADCに転送するための電流源回路を含む。
【0013】
典型的に、装置は、
a)第二処理システムから制御信号を受け取り、
b)アナログ制御信号を電流回路に提供し、制御信号に従って一つ以上の電流信号を対象に印加させるための制御信号DACを含む。
【0014】
典型的に、第一および第二処理システム部から第二処理システムが形成され、第一処理システムから対象を電気的に絶縁するために、第一および第二処理システム部は電気的に絶縁されている。
【0015】
典型的に、装置は、
a)少なくとも第一処理システムを含む測定機器と、
b)一つ以上の対象ユニットを含み、各対象ユニットは第二処理システムの少なくとも一部を含む。
【0016】
典型的に、装置は対象に電流信号を印加するための少なくとも二つの電流電極と、電流電極に接続され、誘導される電圧の測定前に対象を放電するためのスイッチとを含む。
典型的に、装置は、
a)表示部と、
b)少なくとも一つの処理システムを搭載するための第一回路基板と、
c)ADCおよびDACのうちの少なくとも一つを搭載するための第二回路基板と、
d)電源を搭載するための第三回路基板を有するハウジングを含む。
【0017】
典型的に、ハウジングはミューメタルと、マグネシウムを添加したアルミニウムのうちの少なくとも一つから形成され、電気的/磁気的シールドを提供する。
典型的に、装置は複数チャネルを有し、各チャネルは各組の電極を用いてインピーダンス測定を実行する。
【0018】
典型的に、装置は、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0019】
典型的に、装置は、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するパラメータを決定し、
b)決定したパラメータを用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0020】
典型的に、装置は、
a)構成データを受け取り、前記構成データが少なくとも一つの機能を指示し、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)命令を用いて、
i)実行される少なくとも一つのインピーダンス測定と、
ii)解析される少なくとも一つのインピーダンス測定のうちの少なくとも一つを行う。
【0021】
典型的に、装置は、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す。
【0022】
第二の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は、
a)第一処理システムを使用して
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択し、
b)第二処理システムを使用して
i)命令を用いて一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象全体に渡って測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて第一および第二データの少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【0023】
第三の包括的形態では、この発明は対象内の状態を診断する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)第一処理システムを使用して
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択し、
b)第二処理システムを使用して
i)命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象を介して測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて第一および第二データの少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【0024】
第四の包括的形態では、この発明は測定装置を電極に接続するための装置を提供し、装置は、
a)電極に結合するためのコネクタを備えたハウジングと、
b)ハウジング内に実装され、コネクタを用いて電極に電気的に結合され、かつリードに結合された回路とを有し、回路は
i)測定装置から受け取った制御信号に従って、所定の電気信号を生成すること、
ii)電極に印加される電気信号の指示を提供すること、
iii)電極において測定される電気信号の指示を提供することのうちの少なくとも一つを行う。
【0025】
典型的に、回路は電気接点を備えた回路基板上に設けられ、使用中、コネクタは電極の少なくとも一部を該電気接点に接合される。
典型的に、コネクタは変位アームを含む。
【0026】
典型的に、回路は、
a)電極において電圧信号を検出し、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を測定装置に転送するためのバッファ回路を含む。
【0027】
典型的に、回路は、
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電極パッドに印加し、
d)印加される信号の指示を測定装置に転送するための電流源回路を含む。
【0028】
典型的に、装置はさらに電極を有し、電極は、
a)電極基板と、
b)電極を基板に電気的に結合するための導電性材料を含む。
【0029】
典型的に、電極基板は導電性であり、使用中、コネクタにより回路が該電極基板に結合される。
典型的に、ハウジングは湾曲した端部を含む。
【0030】
典型的に、ハウジングは、
a)低摩擦係数を有する材料と、
b)弾性材料のうちの少なくとも一つの材料から形成される。
【0031】
第五の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0032】
典型的に、符号化値は校正のために用いられる。
典型的に、符号化値は抵抗値から決定される。
典型的に、符号化値はリードの識別を示す。
【0033】
典型的に、方法は処理システム内で、決定した抵抗を用いて、対象に印加される電流を制御することを含む。
典型的に、符号化値はリード識別子であり、該方法は処理システム内で、
a)リード識別子を用いてインピーダンス測定手順を決定し、
b)決定したインピーダンス測定手順を実行することを含む。
【0034】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)決定した識別子を一つ以上の所定の識別子と比較し、
b)成功した比較に応じて対象のインピーダンスを決定することを含む。
【0035】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するリード識別子を決定し、
b)リード識別子を用いてリードの使用法を決定し、
c)リード使用法と閾値を比較し、
d)比較結果に従って、
i)警告を生成すること、
ii)インピーダンス測定手順を終了すること、
iii)インピーダンス測定手順を実行することのうち少なくとも一つを行う。
【0036】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)対象から測定される電気信号を処理し、一つ以上のインピーダンス値を決定すること、
b)決定したインピーダンス値を処理することのうちの少なくとも一つを含む。
【0037】
典型的に、符号化値は格納部内に格納される。
第六の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)対象に結合された電極を接続し、符号化値を含む少なくとも一つのリードと、
b)少なくとも一つのリードに結合された処理システムであって、
i)符号化値を決定し、
ii)符号化値を用いて、少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムを含む。
【0038】
第七の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象上に設けられる少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0039】
典型的に、インピーダンス測定は少なくとも四つの電極を用いて実行され、各々が個々の識別子を備え、該方法は処理システム内で、
a)各電極用の電極識別子を決定し、
b)各電極識別子を用いて各電極用の電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0040】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極に信号を印加し、
b)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極から信号を測定する。
【0041】
典型的に、方法は処理システム内で、電極上に設けられた一つ以上の接点の間の導電性を選択的に測定することによって、電極用の電極識別子を決定することを含む。
典型的に、処理システムは信号生成器とセンサに結合し、該方法は処理システム内で、
a)信号生成器と少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象に信号を印加し、
b)センサと少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象から信号を測定する。
【0042】
典型的に、方法は処理システム内で多重化器を制御して、信号生成器とセンサのうちの少なくとも一つとリードを選択的に相互接続することを含む。
典型的に、少なくとも一つの電極は、対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す視覚的指示部を含む。
【0043】
第八の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムを含む。
【0044】
第九の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う。
【0045】
典型的に、構成データは命令を含む。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)構成データを用いて少なくとも一つの機能の指示を決定し、
b)少なくとも一つの機能の指示を用いて命令を決定する。
【0046】
典型的に、方法は処理システム内で、受け取った構成データを復号化することを含む。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)機器識別子を用いて鍵を決定し、
c)鍵を用いて受け取った構成データを復号化する。
【0047】
典型的に、処理システムは第一および第二処理システムを有し、方法は、
a)第一処理システム内で構成データを用いて命令を選択し、
b)第二処理システム内で選択した命令を用いて制御信号を生成する。
【0048】
典型的に、方法は第一処理システム内で、
a)命令を第二処理システムに転送すること、
b)第二処理システムに格納部からの命令にアクセスさせることのうちの少なくとも一つを含む。
【0049】
典型的に、方法は処理システム内で、コンピュータシステムと通信ネットワークのうちの少なくとも一つから構成データを受け取る。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)使用者によって選択された機能が利用可能であるかどうかを決定し、
b)機能が利用可能でない場合、使用者が機能を有効にすることを希望するかどうかを決定し、
c)使用者が機能を有効にすることを希望する場合、構成データを受け取る。
【0050】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)使用者に機器提供者への支払いを連絡し、
b)支払いに応じて構成データを受け取る。
【0051】
第十の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置を提供し、装置は、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う処理システムを含む。
【0052】
第十一の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法を提供し、該方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされる、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用する。
【0053】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)構成される測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)機器識別子を用いて、
i)測定機器に構成データを転送すること、
ii)構成データを暗号化することのうちの少なくとも一つを行う。
【0054】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器の使用者によって行われた支払いと、
b)機能の承認のうちの少なくとも一つに応じて構成データを必要とするかどうかを決定することを含む。
【0055】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)少なくとも一つの領域内の少なくとも一つの機能の規制承認を決定し、
b)少なくとも一つの領域内の少なくとも一つの測定機器を決定し、
c)少なくとも一つの測定機器を構成することを含む。
【0056】
第十二の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置を提供し、方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にすることを含む。
【0057】
第十三の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すことを含む。
【0058】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)対象の動物の種類を決定し、
b)動物の種類に従って閾値を選択することを含む。
【0059】
典型的に、閾値は、
a)第二信号の最小強度と、
b)第二信号の最小信号対雑音比のうちの少なくとも一つを示す。
【0060】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの第一信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
b)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
c)比較結果に依存してインピーダンス測定を選択的に終了することを含む。
【0061】
典型的に、閾値は第一信号の最大強度を示す。
第十四の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、該装置は、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すための処理システムを含む。
【0062】
典型的に、装置はさらに強度可変電流源を含む。
別の包括的形態では、この発明はインピーダンス測定手順内で使用するための電極を設ける方法を提供し、方法は、
a)基板上に、
i)複数の導電性接点パッドと、
ii)対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる、導電性トラックとを提供し、
b)基板に複数の開口部を有する絶縁層を形成し、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部と位置合わせされた状態でトラックが重ね合わされるように絶縁層を配置し、
c)開口部内に導電性媒体を設ける。
【0063】
典型的に、導電性媒体は導電性ゲルから形成される。
典型的に、導電性ゲルは銀/塩化銀ゲルである。
典型的に、方法は絶縁層上に被覆層を設け、導電性媒体を被覆することを含む。
【0064】
典型的に、絶縁層は、被覆層から取り外し可能に係合する接着層を含む。
典型的に、基板は細長い基板であり、該方法は基板の長手方向に沿って接点パッドを位置合わせすることを含む。
【0065】
典型的に、方法は、
a)スクリーン印刷と、
b)インクジェット印刷と、
c)蒸着の少なくとも一つを用いてトラックと接点パッドを提供することを含む。
【0066】
典型的に、トラックと接点パッドは銀から形成される。
典型的に、方法は、
a)シールド材料とプラスチック高分子を重ね合わせ、
b)シールド材料を絶縁材料で被覆することによって基板を形成することを含む。
【0067】
第十五の包括的形態では、この発明はインピーダンス測定内で使用するための電極を提供し、電極は、
a)基板であって、
i)基板上に設けられた複数の導電性接点パッドと、
ii)基板上に設けられた対応する数の導電性トラックであって、各トラックが端部から各接点パッドまで延びる導電性トラックとを含む基板と、
b)基板上に設けられ、複数の開口部を有する絶縁層であって、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部と位置合わせされた状態でトラックを重ね合わされるように配置された絶縁層と、
c)開口部内に設けられた導電性媒体とを含む。
【0068】
第十六の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行させることを含む。
【0069】
第十七の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0070】
第十八の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)命令を用いて、
i)インピーダンス測定と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを測定機器に実行させることを含む。
【0071】
第十九の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)測定機器に必要とされる、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にすることを含む。
【0072】
第二十の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すことを含む。
【0073】
当然のことながら、この発明の包括的形態は別個に用いることも組み合わせて用いることもでき、浮腫、肺浮腫、リンパ浮腫、身体組成、心臓機能などを含むが、それらには限定されないさまざまな状態および病気の有無または度合の診断に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】インピーダンス決定装置の一例の概略図である。
【図2】インピーダンス決定を実行するための処理の一例のフローチャートである。
【図3】インピーダンス決定装置の第二例の概略図である。
【図4】電流源回路の一例の概略図である。
【図5】電圧検出で使用するためのバッファ回路の一例の概略図である。
【図6A】インピーダンス決定を実行するための処理の第二例のフローチャートである。
【図6B】インピーダンス決定を実行するための処理の第二例のフローチャートである。
【図7A】電極接続の一例の概略図である。
【図7B】電極接続の一例の概略図である。
【図8】インピーダンス決定装置の第三例の概略図である。
【図9】インピーダンス決定装置の第四例の概略図である。
【図10】インピーダンス決定装置の第五例の概略図である。
【図11】A及びBは電極接続の第二例の概略図であり、C〜Gは電極接続の第三例の概略図である。
【図12】A−Eは帯状電極の構成の一例の概略図である。
【図12F】帯状電極の構成の一例の概略図である。
【図12G】帯状電極のコネクタ配置の一例の概略図である。
【図12H】帯状電極のコネクタ配置の一例の概略図である。
【図12I】帯状電極の使用法の概略図である。
【図13】電流源回路の第二例の概略図である。
【図14】図13の電流源回路を使用する一例のフローチャートである。
【図15】測定機器を更新する処理の一例の概略のフローチャートである。
【図16】測定機器を更新するためのシステムアーキテクチャの一例の概略図である。
【図17】測定機器を更新する処理の第一例のフローチャートである。
【図18】測定機器を更新する処理の第二例のフローチャートである。
【図19】インピーダンス決定装置用のハウジング構成の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
ここで、図1を参照しながら、対象の生体電気インピーダンスの解析を実行するのに適した装置の一例を説明する。
図のように、装置は、信号生成器11とセンサ12に結合した処理システム2を含む測定機器1を有する。使用中、信号生成器11とセンサ12は、図のようにリードLを介して対象S上に設けられた各電極13、14、15、16に結合する。選択的外部インタフェース23は、外部データベースまたはコンピュータシステム、バーコードスキャナ等の一つ以上の周辺機器4に測定機器1を結合するために用いられる。
【0076】
使用中、処理システム2は制御信号を生成するように調整され、信号生成器11に電圧または電流信号などの一つ以上の交流信号を生成させ、前記信号は電極13、14を介して対象Sに印加される。そして、センサ12は電極15、16を用いて、対象S全体に渡る電圧または対象Sを通過する電流を検出し、適切な信号を処理システム2に転送する。
【0077】
従って、当然のことながら、処理システム2は適切な制御信号を生成し、測定される信号の指示を変換し、対象の生体電気インピーダンスを決定し、心臓パラメータ、浮腫の有無または度合などの他の情報を選択的に決定するのに適した任意の形態の処理システムである。
【0078】
従って、処理システム2は、ラップトップ、デスクトップ、PDA、スマートフォンなどの適切にプログラムされるコンピュータシステムであってもよい。代替的に、処理システム2は専用ハードウェアから形成される。同様に、I/O機器は、タッチスクリーン、キーパッドおよび表示装置などの任意の適切な形態から構成できる。
【0079】
当然のことながら、処理システム2、信号生成器11およびセンサ12は共通ハウジング内に統合でき、統合機器を構成できる。代替的に、処理システム2は、有線または無線接続を介して信号生成器11とセンサ12に接続できる。これによって、処理システム2は信号生成器11とセンサ12に対して遠隔的に提供される。従って、信号生成器11とセンサ12を対象Sの近傍、または対象Sが装着したユニット内に設けながら、処理システム2は対象Sに対して遠隔的に配置される。
【0080】
一例では、電極13、14の外側の対は、対象Sの胸部および頸部領域上に配置される。しかし、これは、実行される解析の性質に依存する。従って、例えば、この電極構成は心臓機能解析に適したものであるが、リンパ浮腫では電極は必要に応じて典型的に四肢上に配置される。
【0081】
いったん電極が配置されると、対象Sに交流信号が印加される。これは、複数の周波数において交流信号を同時に印加すること、または異なる周波数において複数の交流信号を順次印加することのいずれか一方によって実行される。印加される信号の周波数範囲は、実行される解析に依存する。
【0082】
一例では、印加される信号はクランプまたは制限された電流源からの周波数リッチな電流であるので、それは対象の最大許容補助電流を超えない。しかし、代替的に電圧信号を印加し、測定される対象内に電流を誘導することもできる。信号は定電流、インパルス関数または定電圧信号のいずれかであってもよく、そこでは電流を測定するので対象の最大許容補助電流を超えない。
電位差および/または電流は、内側の対の電極15、16の間で測定される。獲得される信号および測定される信号は、ECGなどの人体によって生成される電位と、印加された電流によって生成される電位の重ね合わせとなる。
【0083】
選択的に、内側の対の電極の間の距離の測定と記録を行うことができる。同様に、身長、体重、年齢、性別、健康状態、任意の干渉、および行った日時などの対象に関する他のパラメータを記録することもできる。現在の投薬などの他の情報を記録することもできる。
【0084】
インピーダンスの正確な測定を支援するために、電圧検出電極15、16をリードLに接続するために用いられるコネクタ内にバッファ回路を配置できる。これは対象Sの電圧応答の正確な検出を保証し、特にリードLの応答による測定電圧への影響を除去し、信号損失を低減するために役立つ。
【0085】
これはさらに、リードLの移動によって生じるアーチファクトを著しく低減し、それはセッションが通常数時間継続する透析中に対象が動き回り位置を変更する場合に特に重要である。
【0086】
別の選択肢は電圧が別個に測定される場合であり、これは各電極15、16における電位を測定するために用いられるセンサが、シングルエンドシステムに比べて、半分の電位を測定するだけでよいことを意味する。
【0087】
電流測定システムは、電極13、14とリードLの間のコネクタ内に配置したバッファを有することもできる。一例では、電流は対象Sを介して対称的に駆動または供給され、それはさらに共通モード電流を半分にすることによって寄生容量を著しく低減する。対称的なシステムを用いる別の特定の利点は、各電極13、14用のコネクタに内蔵される微小電子回路も、対象S、従ってリードLが移動する際に生じる寄生容量を低減することである。
【0088】
獲得した信号を復調し、印加周波数におけるシステムのインピーダンスを取得する。重なり合った周波数の復調用の適切な一方法は、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いて、時間ドメインのデータを周波数ドメインに変換することである。これは典型的に、印加される電流信号が印加周波数の重ね合わせである場合に用いられる。測定される信号のウィンドウ処理を必要としない別の技術は、スライドウィンドウFFTである。
【0089】
印加される電流信号が異なる周波数の走査から形成されている場合、信号生成器から導いた基準サイン波とコサイン波、または測定されるサインおよびコサイン波と測定される信号とを乗算し、サイクル数全体で積分するなどの処理技術を使用することがより一般的である。この処理は任意の周波数応答を拒絶し、ランダム雑音を著しく低減する。
【0090】
他の適切なデジタルおよびアナログ復調技術も当業者には知られている。
インピーダンスまたはアドミッタンス測定は、記録した電圧および電流信号を比較することによって各周波数における信号から決定される。復調アルゴリズムは、各周波数において振幅および位相信号を生成する。
【0091】
ここで、図2を参照しながら、インピーダンス解析を実行するための装置の動作の一例を説明する。
ステップ100において、処理システム2は制御信号を生成するように動作し、前記制御信号はステップ110において信号生成器11に提供され、信号生成器がステップ120において対象Sに交流電流信号を印加する。典型的に、信号は複数の周波数fiの各々において印加され、マルチ周波数解析を実行可能にする。
【0092】
ステップ130において、センサ12は対象S全体に渡る電圧信号を検出する。ステップ140において、測定機器は対象S全体に渡る電圧および電流信号のデジタル化とサンプリングを行うように動作し、これらを用いてステップ150において、対象Sに対する瞬間的インピーダンス値を決定する。
【0093】
ここで、図3を参照しながら、特定の装置例をさらに詳しく説明する。
この例では、処理システム2は、プロセッサ20、メモリ21、入出力(I/O)機器22を備えた第一処理システム10と、バス24を介して共に結合した外部インタフェース23を有する。処理システム2はさらに、処理モジュールの形態の第二処理システム17を有する。第一および第二処理システム10、17の起動を制御するために、マイクロロジック制御部などの制御部19を設けることもできる。
【0094】
使用中、第一処理システム10は第二処理システム17の動作を制御し、異なるインピーダンス測定手順を実行可能にしながら、第二処理システム17は所定の処理タスクを実行し、第一処理システム10上での処理要件を低減する。
【0095】
従って、制御信号の生成、および瞬間的なインピーダンス値を決定するための処理は第二処理システム17によって実行され、第二処理システム17はカスタムハードウェアなどから構成できる。特定の一例では、第二処理システム17はフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)から構成されるが、磁気ロジックモジュールなどの任意の適切な処理モジュールを使用することもできる。
【0096】
第一および第二処理システム10、17と制御部19の動作は典型的に、一つ以上の組の適切な命令を用いて制御される。これらは任意の適切な形態であってもよく、従って、ソフトウェア、ファームウェア、組み込みシステムなどを含むことができる。
【0097】
制御部19は典型的に、オン/オフスイッチ(図示せず)を使用することによって測定機器の起動を検出するように動作する。いったん制御部が機器の起動を検出すると、制御部19は所定の命令を実行し、さらに第一および第二処理システム10、17を起動させ、必要に応じて処理システムへの電力供給を制御する。
【0098】
第一処理システム10は第二処理システム17によって実装されたファームウェアなどの命令を制御するように動作し、第二処理システム17の動作を変更する。さらに、第一処理システム10は第二処理システム17によって決定されたインピーダンスを解析するように動作し、生物学的パラメータを決定する。従って、第一処理システム10はカスタムハードウェアなどから構成され、適切なアプリケーションソフトウェアを実行し、以降でさらに詳しく説明する処理を実行する。
【0099】
当然のことながら、第一処理システム10と第二処理システム17の間の処理の分割は必須ではないが、以降の説明から明らかになる複数の利点が存在する。
この例では、第二処理システム17は図のように、プログラム可能なモジュール36とバス35に結合したPCIブリッジ31を有する。バス35はさらに処理モジュール32、33、34に結合し、それらはADC(アナログデジタル変換器)37、38、およびDAC(デジタルアナログ変換器)39に各々インタフェースする。
【0100】
プログラム可能なモジュール36はプログラム可能なハードウェアから構成され、その動作は命令を用いて制御され、前記命令は典型的に第一処理システム10からダウンロードされる。ハードウェア36の構成を指定するファームウェアは、メモリ21のフラッシュメモリ(図示せず)内に存在することも、外部インタフェース23を介して外部源からダウンロードすることもできる。
【0101】
代替的に、命令は第二処理システム17上の内蔵メモリ内に格納できる。この例では、第一処理システム10は典型的に、第二処理システム17によって実装される前に実装用のファームウェアを選択する。これは、ファームウェア内に符号化した機能を選択的に起動可能にするために実現され、以降でさらに詳しく説明するように、例えば、構成ファイルなどの構成データ、またはアプリケーションソフトウェアまたはファームウェアを表す命令を用いて実行される。
【0102】
いずれの場合でも、これは第一処理システム10を用いて、第二処理システム17の動作を制御可能にし、対象Sに所定の電流シーケンスを印加可能にする。従って、例えば、異なる周波数において順次印加される電流を使用するのに比べて、複数の重ね合わせた周波数から構成した電流信号を使用することによって、複数の周波数において同時にインピーダンスを解析するために電流信号を用いる場合、異なるファームウェアが利用される。
【0103】
電流源回路の形態の信号生成器11の所定の形態の例は、図4に示されている。
図のように、電流源は、相互接続した三つの固定または可変利得差動増幅器A1、A2、A3および三つの演算増幅器A4、A5、A6、複数の抵抗器R1、…、R17およびコンデンサC1、…、C4を有する。電流源はさらにリード41、42(図1のリードLに対応する)を有し、以降でさらに詳しく説明するように、リード41、42を短絡するために電極13、14とスイッチSWに電流源を接続する。
【0104】
対象Sに印加される電流を決定可能にするために、接続45、46を設けることもできる。典型的に、これは接続46を用いて実現される。しかし、リードと他の回路内の信号損失を考慮可能にするために、破線に示したように接続45を使用することもできる。
【0105】
典型的に、使用されるリードは、ポリスチレン誘電体を備えたマルチ撚り線コアと非編み込みシールドを有する同軸ケーブルである。これは良好な導電性とノイズ特性を提供し、同時に十分に柔軟であり、測定機器1から対象Sへの接続に伴う問題を回避することができる。この例では、抵抗器R12、R13により、ケーブルに関連した静電容量から増幅器A5、A6の出力が分離される。
【0106】
使用中、電流源回路は、DAC39から電流制御信号I+、I−を受け取り、これらの信号のフィルタ処理と増幅を行い、電極13、14を介して対象Sに印加される電流信号を形成する。
【0107】
使用中、増幅器A1、…、A6を最初に起動すると、(安全限界内の)小さな過渡的電流上昇が生じる。電流が対象に印加されると、対象S全体に渡る残留電界が生成される。読み取りに影響するこの電界を回避するために、測定を行う前に典型的にスイッチSWを起動し、電流回路を短絡し、任意の残留電界を放電する。
【0108】
いったん測定が開始されると、対象に印加される電流の指示は破線で示したように、ADC38に接続された接続45、46のいずれか一方を介して得られる。
これによって、対象全体に渡って供給された電流を正確に決定できる。特に、制御信号I+、I−に基づいて印加された電流を評価するのではなく、実際に印加される電流を使用することによって、これは電流源内の部品の理想的ではない挙動を考慮し、印加された電流に対するリード41、42の影響も考慮できる。
【0109】
一例では、増幅器A3と関連の部品は電極12、13に結合したハウジング上に設けられ、対象に印加される電流のより正確な検出を可能にする。特に、これは、リードL内の信号損失などのケーブルの影響の測定を不要にする。
【0110】
以上の内容は非対称電流源の一例であり、当然のことながら対称電流源を代わりに用いることもできる。
図5に、電圧電極に用いられるバッファの一例を示す。この例では、各電極15、16は、バッファ回路50A、50Bに結合されている。
【0111】
この例では、各バッファ50A、50Bは、図のように相互接続した増幅器A10、A11、および複数の抵抗器R21、…、R26を有する。使用中、バッファ50A、50Bは、接続51、52を介して各電極15、16に接続される。バッファ50A、50Bはさらにリード53、54を介して差動増幅器55に接続され、差動増幅器55は信号検出器12として機能し、さらにADC37に結合される。従って、当然のことながら、各バッファ50A、50Bは各電極15、16、それから差動増幅器に接続され、対象を介した電位差を決定できる。
【0112】
一例では、リード53、54は図1に示したリードLに対応し、以降でさらに詳しく説明するように電極15、16に結合したコネクタハウジング内にバッファ回路50A、50Bを提供できる。
【0113】
使用中、増幅器A10は検出した信号を増幅してケーブル53のコアを駆動し、同時にA11は検出した信号を増幅してケーブル51、53のシールドを駆動する。抵抗器R26とR25によりケーブルに関連した静電容量から増幅器の出力が分離されるが、これらの必要性は選択された増幅器に依存する。
【0114】
同様に、これによってマルチコアシールドケーブルを用いて、電圧電極15、16への接続を確立できる。
ここで、図6A〜6Cを参照しながら装置の動作の一例を説明する。
【0115】
ステップ200において、操作者は、第一処理システム10を用いてインピーダンス測定の種類を選択する。これは複数の方法で実現され、典型的に第一処理システム10に複数の異なるプロファイルを格納させることを含み、前記プロファイルは各インピーダンス測定プロトコルに各々対応している。
【0116】
従って、例えば、心臓機能決定を実行する場合は、リンパ浮腫、身体組成、肺浮腫などの測定を実行する場合に比べて、異なる印加電流シーケンスおよび異なるインピーダンス解析を使用することが一般的である。プロファイルは典型的にメモリ21内に格納するか、またはフラッシュメモリ(図示せず)または外部インタフェース23を介してダウンロードされる。
【0117】
いったん適切な測定種類が操作者によって選択されると、これはステップ210において第一処理システム10に対して、第二処理システム17のプログラム可能なモジュール36内に所望のコードモジュールファームウェアをロードさせるか、または組み込みファームウェアを起動させる。使用されるコードモジュールの種類は好ましい実装に依存し、一例では、ウィッシュボーンコードモジュールから構成されるがこれは必須ではない。
【0118】
ステップ220において、第二処理システム17を用いてデジタル制御信号のシーケンスを生成し、そのシーケンスはステップ230においてDAC39に転送される。これは典型的に、処理モジュール34を用いて所定のインピーダンス測定プロファイルに基づいてモジュールに所定のシーケンスの信号を生成させることによって実現される。従って、これは、第二処理システム17に処理モジュール34をプログラムさせ、モジュールに必要な信号を生成させることによって実現される。
【0119】
DAC39はデジタル制御信号をアナログ制御信号I+、I−に変換し、前記アナログ制御信号はステップ240において電流源11に印加される。
上記のように、図4に示した電流源回路はステップ250において電気制御信号I+、I−の増幅とフィルタ処理を行うように動作し、得られた電流信号をステップ260において電極13、14に印加する。
【0120】
この処理中、上記のように対象を介した電流回路は、スイッチSWを用いてステップ270において選択的に短絡され、読み取りを行う前に対象S内の任意の残留電界を放電する。
【0121】
ステップ280において測定手順を開始し、対象全体に渡る電圧を電極15、16から検出する。この点では、ステップ290において図5に示したバッファ回路を用いて、電極を渡る電圧のフィルタ処理と増幅を行い、得られたアナログ電圧信号Vはステップ300においてADC37に供給されデジタル化される。同時に、ステップ310において接続45、46の一方を介して対象Sに印加された電流を検出し、ステップ320においてADC38を用いてアナログ電流信号Iをデジタル化する。
【0122】
デジタル化した電圧および電流信号V、Iはステップ330において処理モジュール32、33で受け取り、これらを用いてステップ340において信号の予備処理を実行する。
【0123】
実行される処理は同様にインピーダンス測定プロファイルと、処理モジュール32、33の結果的な構成に依存する。これは、例えば、電圧信号Vを処理してECG信号を抽出することを含むことができる。この信号も典型的にフィルタ処理され、印加周波数fiにおける信号のみがインピーダンス決定に用いられるようにする。これは、ノイズの影響の低減および必要な処理量の低減に役立つ。
【0124】
ステップ350において、第二処理システム17は処理信号を用いて各印加周波数fiにおける電圧および電流信号を決定し、ステップ360においてこれらを用いて各印加周波数fiにおける瞬間的なインピーダンス値を決定する。
【0125】
ADC37、38と処理モジュール32、33は典型的に電圧および電流信号V、Iのサンプリングと処理を並列に実行し、対応する印加電流において誘導された電圧を同時に解析するように構成されている。これにより、各印加周波数においてどの電圧信号を測定したかを決定する必要性をなくすことによって処理要件が低減される。これは、処理モジュール36によって生成された共通クロック信号を用いて、ADC37、38から受け取ったデジタル信号を処理モジュール32、33にサンプリングさせることによって実現され、信号サンプリングの同期化を保証する。
【0126】
いったん瞬間的なインピーダンス値が導かれると、これらはステップ370において第一処理システム10または第二処理システム17のいずれかの中でさらに処理される。瞬間的なインピーダンス信号の処理は使用される解析の種類に依存して複数の異なる形態で実行され、これはさらにステップ200において操作者によって行われた選択に依存する。
【0127】
従って、当業者には明らかなように、適切な測定種類の選択を行うことによって対象に異なる電流シーケンスの範囲を印加できる。いったんこれが実行されると、FPGAは適切な制御信号I+、I−のシーケンスを生成するように動作し、前記制御信号は図4に示した電流源回路を用いて対象Sに印加される。それから、対象全体に渡って誘導された電圧は図5に示したバッファ回路を用いて検出され、第二処理システム17によってインピーダンス値の決定と解析とが可能となる。
【0128】
第二処理システム17を使用することによって、カスタム構成のハードウェアを用いて処理の大部分を実行できる。これは、複数の利点を有する。
第一に、第二処理システム17を使用することによって、適切なファームウェアを使用することでカスタムハードウェア構成に調整できる。これはさらに、単一の測定機器を用いて異なる種類の解析の範囲を実行できる。
【0129】
第二に、これは第一処理システム10上の処理要件を著しく低減する。これはさらに、比較的直接的なハードウェアを用いて第一処理システム10を実装でき、さらに測定機器は十分な解析を実行してインピーダンスの変換を提供することができる。これは、例えば、「Wessel」プロットを生成すること、インピーダンス値を用いて心臓機能に関するパラメータを決定すること、およびリンパ浮腫の有無を決定することを含むことができる。
【0130】
第三に、これによって測定機器1を更新できる。従って、例えば、所定のインピーダンスの測定種類に対して、改善された解析アルゴリズムが作成されるか、改善された電流シーケンスが決定された場合、フラッシュメモリ(図示せず)または外部インタフェース23を介して、新しいファームウェアをダウンロードすることによって測定機器を更新することができる。
【0131】
当然のことながら、上記の例では、処理は部分的に第二処理システム17によって、部分的に第一処理システム10によって実行される。しかし、FPGAなどの単一の素子またはより汎用的な処理システムによって処理を実行することもできる。
【0132】
FPGAはカスタム処理システムであるので、動作中、汎用的な処理システムより効率的になる傾向がある。その結果、FPGAのみを用いる場合、典型的に全体量を低減した処理を使用することができ、消費電力およびサイズを低減できる。しかし、柔軟度、特に、実行されるインピーダンスの処理および解析の範囲は制限される。
【0133】
逆に、汎用的な処理システムのみを用いる場合、柔軟度は改善されるが、効率の低減およびその結果としてサイズと消費電力が増大する。
従って、上記の例はバランスを取って、FPGAの形態でカスタム処理を提供し部分的な処理を実行する。これは、例えば、インピーダンス値を決定可能にする。それから、典型的により大きな柔軟度を必要とする以降の解析は、汎用処理システムを用いて実行される。
【0134】
FPGAのみを利用する別の欠点は、例えば、改善された処理アルゴリズムが実装された場合に、処理を更新する過程が複雑になることである。
電極接続
図7Aと図7Bに、電極接続装置の一例を示す。
【0135】
特に、この例では、コネクタはPCB(プリント回路基板)61などの基板上に設けられた回路を有し、PCB61はさらに図のようにハウジング60内に搭載する。ハウジング60はアーム62を有し、アーム62は基板61上に設けられた接点63に向かって押し付けられる。基板61は、リード41、42、53、54などの典型的にLで示した適切なリードを介して、ADC37、38、またはDAC39の各々に結合する。
【0136】
使用中、コネクタは銀を被覆したプラスチックなどの導電性電極基板65に結合し、基板65はさらにその上に銀/塩化銀ゲルなどの導電性ゲル64を有する。アーム62は導電性電極基板65を接点63に押し付け、基板61上に設けられた回路に導電性ゲル64を電気的に結合する。
【0137】
これは測定機器1と対象Sの間の良好な電気的接触を保証し、電極13、14と電圧バッファの入力の間のリードの必要性をなくし、コストおよび装置内のノイズ源となる追加のリードを不要にする。
【0138】
この例では、ハウジング60、アーム62、および基板65の端部と隅は湾曲している。これは、コネクタを電極に取り付ける際、対象が負傷する可能性を低減する。
これは、リンパ浮腫の患者上で電極を用いる際、皮膚をわずかにつまむだけでも重度の合併症を引き起こす可能性があるとき特に重要である。
【0139】
さらにハウジングの使用可能性を改善するために、ハウジングは低摩擦係数を有する材料や、多孔質または弾性のある材料から構成できる。同様に、ハウジングを電極に結合する際、これらの特性は対象が負傷する可能性を低減するのに役立つ。
【0140】
電気的絶縁
ここで、図8を参照しながら装置のさらなる開発について説明する。
この例では、第二処理システム17は、二つの各FPGA部17A、17Bから構成される。二つのFPGA部17A、17Bは、破線17Cによって典型的に示された電気的絶縁接続を介して相互接続される。電気的絶縁接続は、例えば、誘導ループ接続、無線リンクなどを用いて実現される。
【0141】
FPGA内のこの分離を用いて、測定機器1が対象Sから電気的に絶縁されるようにする。これは、高精度で読み取りを行う場合に重要である。
この例では、第二処理システム17は典型的に、第二FPGA部17Bの動作が全ての測定種類に対して実質的に同一であるように実装される。その結果、異なる種類のインピーダンス解析を可能にするために、第二FPGA部17B内にファームウェアをアップロードする必要はない。
【0142】
これに対して、第一FPGA部17Aは実質的に上記のように、インピーダンス測定の種類に依存してファームウェアを典型的に実装する。
従って、当然のことながら、これは測定機器1を対象から電気的に絶縁する機構を提供しながら、なお第二処理システム17を使用する利点を実現できる。
【0143】
代替的に、第一処理システム10から電気的に絶縁した単一のFPGAを提供することによって等価な電気的絶縁が得られる。
この例では、第二FPGA部17Bは典型的に2で示された対象ユニット内に提供され、前記ユニットはリード接続を含んでいる。
【0144】
これによって、単一の測定機器1は複数の異なる対象ユニットと通信でき、前記ユニットは各対象Sと各々関連付けられる。これによって、測定機器1は複数の対象ユニット2を介して複数の異なる対象の集中監視を提供できる。これはさらに複数の対象を順に解析でき、解析を実行する毎に各対象Sを再接続する必要はない。
【0145】
リード校正
インピーダンス測定の変換に役立たせるために、接続リードと関連の回路の電気的特性を考慮することが有用である。
【0146】
これを実現するために、リードと対応する接続は校正情報を用いて符号化される。これは、例えば、図4と5内に示した電流源またはバッファ回路内の抵抗器の各々に対して固有の値を使用することを含む。従って、例えば、抵抗器R12、R13、R26の値は、対応するリードの特性に基づいて選択される。
【0147】
この例では、対応するADC37、38を介して測定機器1にリードを接続する際、処理モジュール32、33は適切なポーリング信号を用いて回路に問い合わせを行い、対応する抵抗器の値を決定できる。いったんこの値が決定されると、第二処理システム17はこれを用いて電圧および電流信号を処理するために用いられるアルゴリズムを修正し、正確なインピーダンス値の決定が保証される。
【0148】
これに加えて抵抗値はリード識別子としても機能でき、測定機器がリードを識別し、本物の許可されたリードのみを利用できるようにする。従って、例えば、決定した抵抗値が所定の値に対応しない場合、これは本物ではないリードが用いられていることを示すために利用できる。この例では、リードの品質は得られるインピーダンス解析の精度に影響を与えるので、間違ったリードが使われていることを示すエラーメッセージまたは警告を生成することが望ましい。代替的に、第二処理システム17は測定される電流および電圧信号の処理を停止するように構成することができる。これによって、システムは本物のリードのみが利用できるようになる。
【0149】
これはさらに、各リードの接続回路に関連する固有の識別子の利用によって改善される。この例では、固有の識別子は、電流源または電圧バッファ回路の一部として設けられたIC内に符号化できる。この例では、測定機器1は固有の識別子の問い合わせを行い、ローカルメモリまたは中央データベース内に格納された固有の識別子と比較し、本物のリードを識別できる。
【0150】
この処理を利用して、リードが用いられた回数を監視することもできる。この例では、リードを用いる毎に、リードの使用を反映するデータが記録される。これによってリードは事前に決めた使用割り当て寿命を有することができ、いったんリードを使用する回数が割り当てに到達すると、該リードを用いてさらに測定することが妨げられる。同様に、リードに関連付けした使用期限を提供することによって時間的制限を加えることができる。これは、好ましい実装に依存して、リードを形成した日付、または最初の使用日に基づくことができる。
【0151】
当然のことながら、リードの使用を記録する際、これが局所的に記録される場合は問題が生じる可能性がある。特に、これは異なる測定機器でリードを再使用する可能性がある。これを避けるために、リードは、最初の使用時に測定機器によって設定されるIDを備えるように構成される。これを用いて、単一の測定機器にリードの使用を限定することができる。
【0152】
これを用いることで、事前に決めた寿命に従ってリードを正確に交換することが保証され、測定インピーダンス値の精度を保証するのに役立つ。
複数チャネル
図9に、装置のさらに別の形態が示されている。
【0153】
この例では、装置は複数チャネル機能を提供するように調整され、異なる身体セグメントがインピーダンス解析を実質的に同時に受けることができる。この例では、これは、図のように第一および第二処理モジュール32A、32B、33A、33B、34A、34Bと、第一および第二ADC、第一および第二DAC37A、37B、38A、38B、39A、39Bと、第一および第二電圧回路、第一および第二電流回路11A、11B、12A、12Bを並列に提供することによって実現される。
【0154】
従って、測定機器1は、参照番号A、Bの使用によって示された二つの別個のインピーダンス測定チャネルを有する。この例では、これによって電極は異なる四肢などの身体セグメントに取り付けられ、各セグメントから実質的に同時に測定が行われる。
【0155】
上記の配置の代替形態では、二つの別個の第二処理モジュール17を利用し、各々を各チャネルに関連付けることによって複数チャネルを実装できる。代替的に、ADC37、38およびDAC39と電極の間に配置した多重化器を介して、各チャネルに印加される信号を印加できる。
【0156】
当然のことながら、上記の例では二つのチャネルを示したが、これは簡略化のためだけであり任意の数のチャネルを提供できる。
スイッチング装置
図10は、スイッチング装置を含むインピーダンス測定装置の一例を示している。この例では、測定機器1は多重化器などのスイッチング機器18を有し、信号生成器11とセンサ12をリードLに接続する。これによって、測定機器1はどのリードLを信号生成器11とセンサ12に接続するかを制御できる。
【0157】
この例では、単一の組のリードとの接続が示されている。この配置は、複数の方法で用いられる。例えば、測定機器1を接続する電極13、14、15、16を識別することによって、どのリードLに信号を印加し、どのリードを介して信号を測定可能にするかを制御するためのこれを使用することができる。これは、以降でさらに詳しく説明するように、入力機器22を介して適切な指示を使用者に提供させるか、または測定機器1に電極識別子を自動的に検出させることによって実現される。
【0158】
ただし、代替的に、複数のリードと電極と共にその装置を用いて上記のように複数チャネル機能を提供できる。
電極構成
ここで、図11Aと11Bを参照しながら、代替形態の電極構成の一例を説明する。
【0159】
この例では、電極コネクタは電極基板1105と係合するように構成した二つのアーム1101、1102を備えたハウジング1100から構成され、ハウジング1100を基板1105に結合する。アーム1102に下側に取り付けた接点1103は、電極基板1105の表面上に取り付けた電極接点1104に接触および係合するように押し付けられる。電極はさらに銀/塩化銀ゲルなどの導電性ゲル1106を含み、接点1104に電気的に接続する。これは、銀トラックなどの導電性トラックを使用すること、または銀で被覆したプラスチックなどの導電性基板を使用することによって実現される。
【0160】
これによって、リードLは導電性ゲル1106に電気的に接続でき、それらを取り付けた対象Sに電流を印加したり、対象Sから電圧を測定できる。当然のことながら、この例では、上記のハウジング1100は図7について上で説明したものと同様にバッファ回路50、または図4に示した電流源回路の全てまたは一部も含む。
【0161】
代替的に、より複雑な相互接続を設けて所定の電極または電極の種類を測定機器1に指定させることもできる。
これは、測定手順を制御するために測定機器1によって用いられる。例えば、処理システム2による電極の種類の検出を用いて、異なるインピーダンスのパラメータの測定および計算を制御し、例えば、浮腫の検出、心臓機能の監視などで使用するための指示部を決定できる。
【0162】
同様に、電極を取り付けるべき対象上の位置を示す視覚的目印を電極に設けることができる。例えば、電極パッドを対象の左手に取り付ける場合、左手の絵を示すことができる。この例では、電極の識別を用いて測定機器1によって対象のどこに電極を取り付けるかを決定し、それに応じて信号の印加および測定を制御できる。
【0163】
ここで、図11C〜11Gを参照しながらこの一例を説明する。この例では、接点1103は、典型的に銀などからなる導電性接点パッドから形成された複数のコネクタ部材1121、1122、1123、1124を備えたPCBなどの接点基板1120から形成される。コネクタ部材は典型的に銀から形成され、接点基板1120上に設けられた各導電性トラック1126を介してリードLに接続する。リードLは複数の個々の配線を含み、各々コネクタ部材1121、1122、1123、1124の一つに電気的に結合する。
【0164】
この例では、電極基板1105上の電極接点1104は典型的に、銀接点パッドなどから形成された電極コネクタ部材1131、1132、1133、1134を含む電極接点基板1130を含む。電極コネクタ部材1131、…、1134は、使用中、電極コネクタ1100を電極に取り付ける際、コネクタ部材1121、…、1124が電極コネクタ部材1131、…、1134に接触し、測定機器1による電気信号の転送を可能にするように配置される。
【0165】
図11D〜11Gの例では、コネクタ部材1131は、電極基板1105の下側まで延びる導電性トラック1136(典型的に銀トラック)を介して、導電性ゲル1106に接続される。これは、対象Sに電流を印加するか、または対象Sを介した電圧を測定するために測定機器1によって用いられる。
【0166】
さらに、コネクタ部材1132、1133、1134の所定のものも、各コネクタ1136A、1136B、1136C、1136Dによって四つの異なる配置で相互接続される。これによって、測定機器1はコネクタ1136A、1136B、1136C、1136Dのおかげで、どの電極接点1122、1123、1124が相互接続されているかを検出でき、四つの異なる組み合わせによって四つの異なる電極を識別できる。
【0167】
従って、図11D〜11Gの配置を用いて、例えば、二つの電流源13、14と二つの電圧測定電極15、16として用いられる四つの異なる電極を提供できる。
使用中、測定機器1は、第二処理システム17によって各リードL内の適切な配線に信号を印加させることで動作し、接続部材1122、1123、1124の間の導電性を測定可能にする。それから、この情報は、どのリードLがどの電極13、14、15、16に接続されるかを決定するために、第二処理システム17によって用いられる。これによって、第一処理システム10または第二処理システム17は図10の例の多重化器18を制御し、信号生成器11または信号センサ12に電極13、14、15、16を正確に接続できる。
【0168】
この例では、対象に電極パッドを別個に取り付ける際、その上に設けられた視覚的目印によって示された位置で、対象上に電極13、14、15、16を単に配置できる。それからリードを各電極に接続し、どの電極13、14、15、16を各リードLに接続し、それから電流信号を印加し、電圧信号を適切に測定するかを測定機器1に自動的に決定させることができる。これによって、正しい電極パッドの正しいリードLを介した接続を保証するための複雑さが回避される。
【0169】
当然のことながら、上記の処理は、単に電流を電極コネクタに印加することによって電極識別を可能にする。しかし、光学的符号化を使用することなど、他の適切な識別技術を使用することもできる。これは、例えば、電極コネクタ1104または電極基板1105上に視覚的マーカまたは複数の適切に配置した物理的マーカを提供することによって実現される。当業者には明らかなように、コネクタ1100上に取り付けた光学的センサを用いてこれらを検出できる。
【0170】
代替的に、電極用の識別子は、例えば、抵抗器またはコンデンサなどの電極内の部品の値によって表した符号化値によって識別される。従って、当然のことながら、これはリード校正について上で説明したものと同様に実現される。
【0171】
ここで、図12A〜12Fを参照しながら、代替形態の電極構成の一例を説明する。この特定の例では、電極は帯状電極1200であり、複数の別個の電極を含む。この例では、電極は、シールド材料と重なり合った絶縁材料を被覆したプラスチック高分子などの細長い基板1210から構成される。
【0172】
複数の導電性トラック1220は基板上に設けられ、基板1211の端から各導電性接点パッド1230まで延び、基板の長手方向に沿って順に間隙を介して配置される。これによって、上記のコネクタと同様であるが、対応する接続を備えたコネクタをトラック1220に電気的に結合できる。
【0173】
トラック1220と接点パッド1230は、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、蒸着などを含む複数の方法のいずれか一つで基板1210上に設けられ、典型的に銀または他の同様の材料から形成される。しかし、当然のことながら、トラックと接点パッドは信号ドリフトを防ぐ同様の材料から形成されるべきである。
【0174】
接点パッド1230とトラック1220を形成した後、絶縁層1240を設け、電極接点パッド1230と位置合わせされた複数の開口部1250を形成する。絶縁層は典型的に、シールド材料と付加絶縁材料を被覆したプラスチック高分子から形成される。
【0175】
接点パッド1230と対象Sの間の適切な導通を保証するために、典型的に接点パッド1230に導電性ゲル1260を形成する。当然のことながら、この例ではゲルは図のように各開口部1250内に設けられる。
【0176】
取り外し可能な被覆部1270を電極上に取り付け、電極の滅菌やゲル内の水分レベルを維持する。これはピールオフストリップなどの形態であってもよく、取り外して導電性ゲル1260を露出させ、電極を対象Sに取り付け可能にする。
【0177】
信号品質を保証するために、典型的に各トラック1220は図のように、シールドトラック1221と信号トラック1222を有する。これによって、リード41、42、51などのリードL上のシールドをシールドトラック1221に接続し、リードコアを信号トラック1222に結合できる。これによって基板上にシールドを提供し、印加される信号と測定される信号の間の干渉を低減するのに役立つ。
【0178】
これは、帯状電極を製造する素早く直接的で安価な方法を提供する。当然のことながら、図7Aと7B、および図11A〜11G内に示した電極配置において同様のスクリーン印刷技術を使用することもできる。
【0179】
図12Gと12Hについてここで説明するように、帯状電極は磁気コネクタと共に用いることもできる。この例では、帯状電極1200は、基板1210の端部1211に配置した二つの磁石1201A、1201Bを含む。コネクタは、その内部に磁石1281A、1281Bを設けられたコネクタ基板1280から構成される。接続部材1282も設けられ、これらはさらに適切なリードLに接続される。
【0180】
磁石1201A、1281A、1201B(明確には図示せず)、1281Bは位置合わせし磁気的に結合するように配置され、コネクタ基板1280と帯状電極1200を共に押し付ける。磁石1201A、1281A、1201B、1281Bの磁極の正確な位置合わせは、コネクタ基板1280と帯状電極の正確な位置と向きの両方を保証するためにも用いられ、帯状電極1200上のトラック1220の対応するものと、接続部材1282の正確な位置合わせを保証できる。
【0181】
当然のことながら、これは電極との正確な接続を保証するために用いられ、同様の磁気的位置合わせ技術は既に説明したコネクタ内で用いることもできる。
使用中、帯状電極は、図12Iに示したように対象の胴体に取り付けられる。電極は典型的に接着面を含み、それを対象に付着できる。しかし、電極1200の位置を保持するのに役立つように、ストラップ1280を使用することもできる。これは、対象に容易に取り付け配置できる電極を提供し、必要に応じて長期間さらに装着させることもできる。帯状電極1200は、図のように対象の胴体の側面や、へその上に横向きになど他の位置において対象上に配置することもできる。
【0182】
帯状電極1200は十分な電極を提供し、心臓機能を監視できる。上記の例では帯状電極は六個の電極を含むが、任意の適切な数が用いられる(ただし、典型的に少なくとも四個の電極が必要とされる)。
【0183】
可変電流
上記の測定機器内に実装される別の機能は、可変電流などの可変強度信号を生成可能な信号生成器11を提供することである。これは、測定機器1を異なる動物で利用するか、電気的接続を介して問題を検出するか、またはノイズの問題を克服する可能にするために用いられる。
【0184】
これを実現するために、図4に示した電流源回路は図13に示したように修正される。この例では、図4の電流源回路内の抵抗器R10は、可変抵抗器VR10に置き換えられる。抵抗器VR10の抵抗を変更すると、それに応じて対象Sに印加される電流の大きさの変化を招く。
【0185】
電流源回路と制御部の間のノイズおよび干渉を低減するために(典型的に第二処理モジュール17を用いて実現される)、制御システムから可変抵抗器VR10を電気的に絶縁することが一般的である。従って、一例では、可変抵抗器VR10は光依存抵抗器から構成される。この例では、発光ダイオード(LED)または他の光源がL1で示したように提供される。LED L1は、任意の適切な形態の可変電源Pに結合される。使用中、電源Pは第二処理モジュール17によって制御され、LED L1で生成される光の強度を制御し、さらに抵抗VR10、従って印加される電流を変更可能にする。
【0186】
測定機器1を操作するために、第一処理システム10と第二処理システム17は典型的に図14で説明される処理を実行する。この例では、ステップ1400において、使用者は入出力機器22を用いて測定または動物の種類を選択する。
【0187】
ステップ1410において、第一処理システム10と第二処理システム17は相互作用し、選択した測定または動物の種類に基づいて一つ以上の閾値を決定する。これは、第一処理システム10にメモリ21から閾値を読み込ませ、これらを第二処理システム17に転送させるなど複数の方法のいずれか一つで実現されるが、任意の適切な機構が用いられる。典型的に、対象Sに印加可能な最大電流、インピーダンス測定の決定に必要な最小電圧、最小信号対雑音比などの信号パラメータに対して、異なる動作特性を指定するために複数の閾値が用いられる。
【0188】
ステップ1420において、第二処理システム17は信号生成器11を起動し、対象Sに信号を印加させる。ステップ1430において、センサ12を用いて電極15、16における応答信号を測定し、該信号を示す信号をステップ1430において第二処理システム17に戻す。
【0189】
ステップ1440において、第二処理システム17は測定される信号の少なくとも一つのパラメータを閾値と比較し、測定される信号が許容可能であるかどうかをステップ1450において決定する。これは、例えば、測定される電圧信号内の信号対雑音レベルが最小閾値より大きいかどうかを決定すること、または信号強度が最小値より大きいかどうかを決定することを含んでいる。
【0190】
信号が許容可能であれば、ステップ1460においてインピーダンス測定が実行される。そうでなければステップ1470において、第二処理システム17は印加された信号が許容可能な最大値に到達しているかどうかを決定する。これが発生した場合、処理はステップ1490において終了する。しかし、最大信号にまだ到達していない場合、第二処理システム17はステップ1480において対象Sに印加される電流の大きさを増大させるように動作し、その後、ステップ1430に戻って新しく測定される信号を決定する。
【0191】
従って、これは、インピーダンス値を決定可能にするために適切な信号が測定されるか、または対象に対する最大電流または電圧値に到達するまで、対象Sに印加される電流または電圧を次第に増大させることができる。
【0192】
当然のことながら、選択される閾値、およびステップ1420において対象Sに印加される最初の電流は、典型的に対象の性質に依存して選択される。従って、例えば、対象が人間である場合は、対象がネズミなどの動物である場合より低い強度の電流を使用することが一般的である。
【0193】
機器の更新
ここで、図15を参照しながら、測定機器を更新するための処理の一例を説明する。
一例では、ステップ1500において処理は更新などによって測定機器1を構成するかどうかを決定し、その後、ステップ1510において構成データを生成することを含んでいる。ステップ1520において典型的に機器に構成データをアップロードし、その後、1530において機器を起動する。1540において機器が動作を開始すると、処理システム2は構成データを用いて、例えば、命令の更新を制御することによって、または処理システム2または制御部9内に組み込んだ命令を選択的に起動することによって機能を選択的に起動する。
【0194】
これは、二つの方法の一方の中で実現される。例えば、構成データはソフトウェアまたはファームウェアなどの命令からなり、処理システム2によって実装されると機能が実行される。従って、例えば、この処理は第二処理システム17、処理システム10または制御部19内に設けられたファームウェアの動作を更新するために利用され、改善された測定アルゴリズムなどの追加の機能が実装可能となる。
【0195】
代替的に、構成データは機能の一覧の形態であってもよく、これは測定機器1上に既に格納されている命令にアクセスするために処理システム2によって用いられる。このように構成データを利用することによって、複数のさらに追加の機能であるが機器の販売時には動作していない機能を測定機器にロードできる。この例では、測定機器1上に設けられた構成データを更新することによって、これらの別の機能を実装でき、修正のために測定機器1を戻す必要はない。
【0196】
これは、追加の機能が使用の承認を受け取ったとき、前記機能を実装可能にするので医療産業で特に有用である。従って、例えば、測定される電圧信号などの特定の解析の使用など、所定の方法でリンパ浮腫を測定または検出するために技術が利用できる。この例では、機器を販売したときは、医薬品行政局などの管理機関からはまだ承認は得られていない可能性がある。従って、構成データの適切な使用によって機能は停止される。測定技術が次に承認を得ると、新しく更新された構成データを測定機器にアップロードすることによって構成データを修正でき、機能を実装可能にする。
【0197】
当然のことながら、異なる測定技術、解析アルゴリズム、測定されるインピーダンスのパラメータの結果についての報告など、複数の異なる機能のいずれか一つを実装するためにこれらの技術を使用することができる。
【0198】
ここで、図16を参照しながら、更新を提供するための適切なシステムの一例を説明する。この例では、基地局1600は、インターネットなどの通信ネットワーク1602やローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワーク1604を介して、複数の測定機器1と複数の端末局1603に結合される。さらに、端末局は、図のように測定機器1に結合される。
【0199】
使用中、基地局1600は、データベース1611に結合された処理システム1610を含む。基地局1600は、更新がいつ必要とされるかを決定し、更新を加える機器を選択し、構成データを生成し、機器1を更新するために構成データを提供するように動作する。従って、当然のことながら、処理システム1610はサーバなどであってもよい。
【0200】
これによって、構成データはサーバからデスクトップコンピュータ、ラップトップ、インターネット端末などの使用者の端末局1603にアップロード可能であり、または代替的に、サーバからインターネットなどの通信ネットワーク1602、1604を介して転送することもできる。当然のことながら、無線リンク、ウィフィ接続などの任意の適切な通信システムを使用することもできる。
【0201】
いずれにせよ、ここで図17を参照しながら、測定機器1を更新する処理の一例をさらに詳しく説明する。この例では、ステップ1700において基地局1600は、所定の領域内に実装された機能の規制状態に変化があることを決定する。上記のように、これは、例えば、新しい機能のTGAによる承認に従って発生する可能性がある。
【0202】
基地局1600は、規制状態の変更を用いてステップ1710において利用可能な新しい機能を決定し、その後、ステップ1720において更新される各測定機器1に関連する識別子を決定する。規制承認の変更は領域固有であるので、これは販売された各測定機器が用いられる領域の詳細を含むデータベース1611に基地局1600をアクセスさせることによって典型的に実現される。データベース1611は各測定機器1に対する識別子を含み、更新される各測定機器の識別子を決定できる。
【0203】
ステップ1730において、基地局1600は測定機器1の次のものに対して典型的にデータベース1611から既存の構成データを決定し、その後、構成データを修正し、ステップ1740において新しい機能を実装する。それから、識別子に関連する鍵を利用して、構成データを暗号化する。鍵は、シリアル番号に関連するか、またはシリアル番号から部分的に導かれた固有の主番号から形成され、典型的にデータベース1611内に格納されるか、所定のアルゴリズムを用いて必要な度に生成される。
【0204】
ステップ1760において、暗号化された構成データは上で説明したように測定機器1に転送される。
ステップ1770において、機器を再起動し、第一処理システム10が起動されると、第一処理システム10は暗号鍵を決定し、これを用いて構成データを復号化する。これは、シリアル番号または他の識別子、および所定のアルゴリズムを用いて鍵を生成するなど複数の方法のいずれか一つで実現される。代替的に、これは、メモリ21内に格納された鍵にアクセスすることによって実現される。当然のことながら、任意の形態の暗号化が用いられるが典型的に強力な暗号化が用いられ、そこでは秘密鍵を用いて構成データの暗号化と復号化の両方を行い、以降でさらに詳しく説明するように使用者による構成の不正な変更を防止する。
【0205】
ステップ1780において、第一処理システム10は復号化した構成データを用いて、第二処理システム17内のソフトウェア機能を起動する。
従って、当然のことながら、これは測定機器上で利用可能な機能を自動的に更新するための機構を提供する。これは、第二処理システム17に処理システム10から新しいファームウェアを受け取らせること、または上記のように第二処理システム17上に既にインストールされているファームウェアを起動することのいずれかによって実現される。
【0206】
これを自動的に実行する代替形態として、使用するために追加の機能を承認する際、この処理を用いて代金の支払い時に機能を起動できる。この例では、使用者は実装された機能が制限された測定機器1を購入できる。それから、代金を支払うことによって使用者の必要に応じて追加の機能を起動できる。
【0207】
この例では、図18に示したように、使用者がステップ1800において停止中の機能を選択すると、第一処理システム10はステップ1810において該機能が利用可能ではないことの指示を生成する。これによって使用者はステップ1820において機能起動オプションを選択可能になり、それは典型的にステップ1830において使用者に支払い明細の提供を促す。支払い明細はいくつかの方法で機器の製造業者に提供され、使用者から機器の製造業者に電話をかけさせるか、代替的にインターネットなどによって提供された適切な支払いシステムを介して明細を入力させる。
【0208】
ステップ1840において、いったん支払いが確認されると処理はステップ1720に移動でき、適切な構成データの形態で自動更新を提供できる。しかし、支払い明細が確認されない場合、処理は1850において終了する。
【0209】
当業者には明らかなように、固有の識別子を利用して構成データを暗号化することは、測定機器1で受け取る構成データが該測定機器に固有のものであることを意味する。従って、正しい鍵を利用して暗号化と復号化の両方が行われる場合、第一処理システム10は構成データの中身を変換できるだけである。従って、これは、使用者が構成データを交換したり、異なる機器に転送するために復号化したファイルを再暗号化しようとすることを妨げる。
【0210】
当然のことながら、構成データ内の機能を単に指定することに加えて、またはそれに対する代替形態として、第二処理システム17に追加のファームウェアをアップロードする必要がある場合もある。これは、例えば、測定機器1と共に発送されるファームウェアを用いて、実装可能ではない機能を実装するために用いることもできる。
【0211】
この例では、構成データは任意の必要なファームウェアをアップロードすることを含むことが一般的であり、第一処理システム10を用いて第二処理システム17内にこれをロードできる。それから、このファームウェアは自動的に実装するか、または構成データ内に設けられた利用可能な機能のリストに従って実装される。
【0212】
当然のことながら、これは測定プロトコル、インピーダンス解析アルゴリズム、測定結果を変換する報告などの機能の更新や、選択的起動または停止用の機構を提供する。これは、測定機器が既存のTGAまたはFDA承認などに従うように実行される。
【0213】
ハウジング
対象に対して適切な電気的絶縁を備えたハウジング構成を提供するために、図19に示したものと同様の配置が用いられる。
【0214】
この例では、測定機器1はハウジング70内に設けられ、ハウジング70は三つの各回路基板72、73、74と共にI/O機器22を形成するタッチスクリーン71を含む。この例では、第二処理システム17と第一処理システム10を含むデジタル電子回路は回路基板72上に設けられる。回路基板73はアナログ回路基板であり、ADC37、38、DAC39を含む。74において別個の電源基板が設けられる。電源基板は典型的に一体型バッテリを有し、測定機器1は携帯型機器を形成できる。
【0215】
さらに一般的なハウジングは外部環境から電気的/磁気的にシールドし、それに応じてハウジングは典型的にミューメタルまたはマグネシウムを添加したアルミニウムから形成される。
【0216】
当業者には当然のことながら、様々な変更および修正も明らかである。当業者には明らかなこのような全ての変更および修正は、前の説明に広く見られる発明の技術思想および範囲内にあると考えるべきである。
【0217】
従って、例えば、当然のことながら上記の異なる例による機能は適切であれば交換可能なように用いられる。さらに上記の例は人間などの対象に着目しているが、当然のことながら上記の測定機器および技術は、霊長類、家畜、競走馬などの実演動物などを含むがそれらに限定されない任意の動物と共に用いられる。
【0218】
上記の処理は、浮腫、リンパ浮腫、身体組成などを含むがそれらには限定されない状態および病気の範囲の有無または度合を診断するために用いられる。
さらに当然のことながら、電極の認識、機器の更新などの上記の技術は、別個の第一処理システム10と第二処理システム17を利用するのではなく、むしろ単一の処理システム2またはいくつかの他の内部構成を利用する機器を用いて実装される。
【0219】
さらに、端末局1603は、この明細書全体の例で第一処理システム10によって実行される任意の一つ以上のタスクを効果的に実行できる。従って、機器は第一処理システム10なしで提供され、第一処理システム10によって通常実行される機能は端末局1603によって実行される。この配置では従って、端末局1603は第一処理システム10の一部または全てを効果的に形成する。これによって、外部インタフェース23に直接結合した第二処理システム17のみを含むように測定機器1は提供され、端末局1603によって測定機器1を制御可能にする。これは典型的に、端末局1603上にインストールした適切なアプリケーションソフトウェアの使用によって実現される。
【技術分野】
【0001】
この発明は、生物学的パラメータを監視するための方法および装置に関し、特にインピーダンス測定を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この明細書内での任意の従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)または任意の既知の事柄についての参照は、確認または承認ではなくそう受け取るべきでもなく、従来の刊行物(またはそれから導かれる情報)または既知の事柄が、この明細書に関する試みの分野内の共通の一般的な知識の一部を構成するという任意の形態の提案でもない。
【0003】
心臓機能などの対象に関する生物学的パラメータを決定するための一つの既存の技術は、生体電気インピーダンスの使用を含む。これは皮膚表面上に配置した一連の電極を用いて、対象の身体の電気的インピーダンスを測定することを含む。身体の表面における電気的インピーダンスの変化は、心臓周期または浮腫に関連する流体レベルの変化などのパラメータを決定するために用いられる。
【0004】
従って、測定を変換可能にするために複雑な信号処理が必要とされる。
典型的に、これを実現するための機器は用途固有のカスタムハードウェア構成を用いる。その結果、機器は典型的に限られた範囲の状況でのみ使用可能になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)第一処理システムであって、
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択するための第一処理システムと、
b)第二処理システムであって、
i)命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象を介して測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて前記指示の少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定するための第二処理システムを備える。
【0006】
典型的に、手法は第一処理システムから第二処理システムに命令を転送することを含む。
典型的に、手法は構成データを用いて命令を選択することを含む。
【0007】
典型的に、手法は遠隔処理システムから構成データを受け取ることを含む。
典型的に、命令が、
a)ファームウェアと、
b)組み込みシステムのうちの少なくとも一つの形態である。
【0008】
典型的に、第二処理システムはFPGAである。
典型的に、装置は入力機器を含み、第一処理システムが入力機器に接続され、操作者からの入力コマンドに従ってインピーダンス測定手順を決定する。
【0009】
典型的に、第一処理システムが少なくとも一つのプロファイルを格納するための格納部を有し、該少なくとも一つのプロファイルは所定のインピーダンス測定手順を表す。
典型的に、制御信号は所定の電気信号のシーケンスを表し、シーケンスは選択したインピーダンス測定の種類に依存する。
【0010】
典型的に、装置は、
a)電流ADCであって、
i)電流回路から信号を受け取り、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を第二処理システムに提供するための電流ADCと、
b)電圧ADCであって、
i)電圧回路から信号を受け取り、
ii)対象から測定される一つ以上の信号の指示を第二処理システムに提供するための電圧ADCとを含む。
【0011】
典型的に、装置は、
a)電圧電極から電圧信号を受け取り、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)差動増幅器を介して、フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を電圧ADCに転送するための少なくとも一つのバッファ回路を含む。
【0012】
典型的に、装置は、
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電流電極に印加し、
d)印加される電流信号の指示を電流ADCに転送するための電流源回路を含む。
【0013】
典型的に、装置は、
a)第二処理システムから制御信号を受け取り、
b)アナログ制御信号を電流回路に提供し、制御信号に従って一つ以上の電流信号を対象に印加させるための制御信号DACを含む。
【0014】
典型的に、第一および第二処理システム部から第二処理システムが形成され、第一処理システムから対象を電気的に絶縁するために、第一および第二処理システム部は電気的に絶縁されている。
【0015】
典型的に、装置は、
a)少なくとも第一処理システムを含む測定機器と、
b)一つ以上の対象ユニットを含み、各対象ユニットは第二処理システムの少なくとも一部を含む。
【0016】
典型的に、装置は対象に電流信号を印加するための少なくとも二つの電流電極と、電流電極に接続され、誘導される電圧の測定前に対象を放電するためのスイッチとを含む。
典型的に、装置は、
a)表示部と、
b)少なくとも一つの処理システムを搭載するための第一回路基板と、
c)ADCおよびDACのうちの少なくとも一つを搭載するための第二回路基板と、
d)電源を搭載するための第三回路基板を有するハウジングを含む。
【0017】
典型的に、ハウジングはミューメタルと、マグネシウムを添加したアルミニウムのうちの少なくとも一つから形成され、電気的/磁気的シールドを提供する。
典型的に、装置は複数チャネルを有し、各チャネルは各組の電極を用いてインピーダンス測定を実行する。
【0018】
典型的に、装置は、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0019】
典型的に、装置は、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するパラメータを決定し、
b)決定したパラメータを用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0020】
典型的に、装置は、
a)構成データを受け取り、前記構成データが少なくとも一つの機能を指示し、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)命令を用いて、
i)実行される少なくとも一つのインピーダンス測定と、
ii)解析される少なくとも一つのインピーダンス測定のうちの少なくとも一つを行う。
【0021】
典型的に、装置は、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す。
【0022】
第二の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は、
a)第一処理システムを使用して
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択し、
b)第二処理システムを使用して
i)命令を用いて一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象全体に渡って測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて第一および第二データの少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【0023】
第三の包括的形態では、この発明は対象内の状態を診断する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)第一処理システムを使用して
i)インピーダンス測定手順を決定し、
ii)測定手順に対応する命令を選択し、
b)第二処理システムを使用して
i)命令を用いて対象に一つ以上の信号を印加するために用いられる制御信号を生成し、
ii)対象に印加される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iii)対象を介して測定される一つ以上の信号の指示を受け取り、
iv)命令を用いて第一および第二データの少なくとも予備処理を実行し、インピーダンス値を決定する。
【0024】
第四の包括的形態では、この発明は測定装置を電極に接続するための装置を提供し、装置は、
a)電極に結合するためのコネクタを備えたハウジングと、
b)ハウジング内に実装され、コネクタを用いて電極に電気的に結合され、かつリードに結合された回路とを有し、回路は
i)測定装置から受け取った制御信号に従って、所定の電気信号を生成すること、
ii)電極に印加される電気信号の指示を提供すること、
iii)電極において測定される電気信号の指示を提供することのうちの少なくとも一つを行う。
【0025】
典型的に、回路は電気接点を備えた回路基板上に設けられ、使用中、コネクタは電極の少なくとも一部を該電気接点に接合される。
典型的に、コネクタは変位アームを含む。
【0026】
典型的に、回路は、
a)電極において電圧信号を検出し、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を測定装置に転送するためのバッファ回路を含む。
【0027】
典型的に、回路は、
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電極パッドに印加し、
d)印加される信号の指示を測定装置に転送するための電流源回路を含む。
【0028】
典型的に、装置はさらに電極を有し、電極は、
a)電極基板と、
b)電極を基板に電気的に結合するための導電性材料を含む。
【0029】
典型的に、電極基板は導電性であり、使用中、コネクタにより回路が該電極基板に結合される。
典型的に、ハウジングは湾曲した端部を含む。
【0030】
典型的に、ハウジングは、
a)低摩擦係数を有する材料と、
b)弾性材料のうちの少なくとも一つの材料から形成される。
【0031】
第五の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0032】
典型的に、符号化値は校正のために用いられる。
典型的に、符号化値は抵抗値から決定される。
典型的に、符号化値はリードの識別を示す。
【0033】
典型的に、方法は処理システム内で、決定した抵抗を用いて、対象に印加される電流を制御することを含む。
典型的に、符号化値はリード識別子であり、該方法は処理システム内で、
a)リード識別子を用いてインピーダンス測定手順を決定し、
b)決定したインピーダンス測定手順を実行することを含む。
【0034】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)決定した識別子を一つ以上の所定の識別子と比較し、
b)成功した比較に応じて対象のインピーダンスを決定することを含む。
【0035】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するリード識別子を決定し、
b)リード識別子を用いてリードの使用法を決定し、
c)リード使用法と閾値を比較し、
d)比較結果に従って、
i)警告を生成すること、
ii)インピーダンス測定手順を終了すること、
iii)インピーダンス測定手順を実行することのうち少なくとも一つを行う。
【0036】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)対象から測定される電気信号を処理し、一つ以上のインピーダンス値を決定すること、
b)決定したインピーダンス値を処理することのうちの少なくとも一つを含む。
【0037】
典型的に、符号化値は格納部内に格納される。
第六の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)対象に結合された電極を接続し、符号化値を含む少なくとも一つのリードと、
b)少なくとも一つのリードに結合された処理システムであって、
i)符号化値を決定し、
ii)符号化値を用いて、少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムを含む。
【0038】
第七の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象上に設けられる少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0039】
典型的に、インピーダンス測定は少なくとも四つの電極を用いて実行され、各々が個々の識別子を備え、該方法は処理システム内で、
a)各電極用の電極識別子を決定し、
b)各電極識別子を用いて各電極用の電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する。
【0040】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極に信号を印加し、
b)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極から信号を測定する。
【0041】
典型的に、方法は処理システム内で、電極上に設けられた一つ以上の接点の間の導電性を選択的に測定することによって、電極用の電極識別子を決定することを含む。
典型的に、処理システムは信号生成器とセンサに結合し、該方法は処理システム内で、
a)信号生成器と少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象に信号を印加し、
b)センサと少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象から信号を測定する。
【0042】
典型的に、方法は処理システム内で多重化器を制御して、信号生成器とセンサのうちの少なくとも一つとリードを選択的に相互接続することを含む。
典型的に、少なくとも一つの電極は、対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す視覚的指示部を含む。
【0043】
第八の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、装置は、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムを含む。
【0044】
第九の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う。
【0045】
典型的に、構成データは命令を含む。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)構成データを用いて少なくとも一つの機能の指示を決定し、
b)少なくとも一つの機能の指示を用いて命令を決定する。
【0046】
典型的に、方法は処理システム内で、受け取った構成データを復号化することを含む。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)機器識別子を用いて鍵を決定し、
c)鍵を用いて受け取った構成データを復号化する。
【0047】
典型的に、処理システムは第一および第二処理システムを有し、方法は、
a)第一処理システム内で構成データを用いて命令を選択し、
b)第二処理システム内で選択した命令を用いて制御信号を生成する。
【0048】
典型的に、方法は第一処理システム内で、
a)命令を第二処理システムに転送すること、
b)第二処理システムに格納部からの命令にアクセスさせることのうちの少なくとも一つを含む。
【0049】
典型的に、方法は処理システム内で、コンピュータシステムと通信ネットワークのうちの少なくとも一つから構成データを受け取る。
典型的に、方法は処理システム内で、
a)使用者によって選択された機能が利用可能であるかどうかを決定し、
b)機能が利用可能でない場合、使用者が機能を有効にすることを希望するかどうかを決定し、
c)使用者が機能を有効にすることを希望する場合、構成データを受け取る。
【0050】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)使用者に機器提供者への支払いを連絡し、
b)支払いに応じて構成データを受け取る。
【0051】
第十の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置を提供し、装置は、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う処理システムを含む。
【0052】
第十一の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法を提供し、該方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされる、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用する。
【0053】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)構成される測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)機器識別子を用いて、
i)測定機器に構成データを転送すること、
ii)構成データを暗号化することのうちの少なくとも一つを行う。
【0054】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器の使用者によって行われた支払いと、
b)機能の承認のうちの少なくとも一つに応じて構成データを必要とするかどうかを決定することを含む。
【0055】
典型的に、方法はコンピュータシステム内で、
a)少なくとも一つの領域内の少なくとも一つの機能の規制承認を決定し、
b)少なくとも一つの領域内の少なくとも一つの測定機器を決定し、
c)少なくとも一つの測定機器を構成することを含む。
【0056】
第十二の包括的形態では、この発明は対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置を提供し、方法はコンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にすることを含む。
【0057】
第十三の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行する方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すことを含む。
【0058】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)対象の動物の種類を決定し、
b)動物の種類に従って閾値を選択することを含む。
【0059】
典型的に、閾値は、
a)第二信号の最小強度と、
b)第二信号の最小信号対雑音比のうちの少なくとも一つを示す。
【0060】
典型的に、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの第一信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
b)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
c)比較結果に依存してインピーダンス測定を選択的に終了することを含む。
【0061】
典型的に、閾値は第一信号の最大強度を示す。
第十四の包括的形態では、この発明は対象上でインピーダンス測定を実行するための装置を提供し、該装置は、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すための処理システムを含む。
【0062】
典型的に、装置はさらに強度可変電流源を含む。
別の包括的形態では、この発明はインピーダンス測定手順内で使用するための電極を設ける方法を提供し、方法は、
a)基板上に、
i)複数の導電性接点パッドと、
ii)対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる、導電性トラックとを提供し、
b)基板に複数の開口部を有する絶縁層を形成し、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部と位置合わせされた状態でトラックが重ね合わされるように絶縁層を配置し、
c)開口部内に導電性媒体を設ける。
【0063】
典型的に、導電性媒体は導電性ゲルから形成される。
典型的に、導電性ゲルは銀/塩化銀ゲルである。
典型的に、方法は絶縁層上に被覆層を設け、導電性媒体を被覆することを含む。
【0064】
典型的に、絶縁層は、被覆層から取り外し可能に係合する接着層を含む。
典型的に、基板は細長い基板であり、該方法は基板の長手方向に沿って接点パッドを位置合わせすることを含む。
【0065】
典型的に、方法は、
a)スクリーン印刷と、
b)インクジェット印刷と、
c)蒸着の少なくとも一つを用いてトラックと接点パッドを提供することを含む。
【0066】
典型的に、トラックと接点パッドは銀から形成される。
典型的に、方法は、
a)シールド材料とプラスチック高分子を重ね合わせ、
b)シールド材料を絶縁材料で被覆することによって基板を形成することを含む。
【0067】
第十五の包括的形態では、この発明はインピーダンス測定内で使用するための電極を提供し、電極は、
a)基板であって、
i)基板上に設けられた複数の導電性接点パッドと、
ii)基板上に設けられた対応する数の導電性トラックであって、各トラックが端部から各接点パッドまで延びる導電性トラックとを含む基板と、
b)基板上に設けられ、複数の開口部を有する絶縁層であって、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部と位置合わせされた状態でトラックを重ね合わされるように配置された絶縁層と、
c)開口部内に設けられた導電性媒体とを含む。
【0068】
第十六の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行させることを含む。
【0069】
第十七の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行することを含む。
【0070】
第十八の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)命令を用いて、
i)インピーダンス測定と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを測定機器に実行させることを含む。
【0071】
第十九の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)測定機器に必要とされる、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にすることを含む。
【0072】
第二十の包括的形態では、この発明は対象内の診断状態で使用するための方法を提供し、方法は処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象全体に渡って測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返すことを含む。
【0073】
当然のことながら、この発明の包括的形態は別個に用いることも組み合わせて用いることもでき、浮腫、肺浮腫、リンパ浮腫、身体組成、心臓機能などを含むが、それらには限定されないさまざまな状態および病気の有無または度合の診断に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】インピーダンス決定装置の一例の概略図である。
【図2】インピーダンス決定を実行するための処理の一例のフローチャートである。
【図3】インピーダンス決定装置の第二例の概略図である。
【図4】電流源回路の一例の概略図である。
【図5】電圧検出で使用するためのバッファ回路の一例の概略図である。
【図6A】インピーダンス決定を実行するための処理の第二例のフローチャートである。
【図6B】インピーダンス決定を実行するための処理の第二例のフローチャートである。
【図7A】電極接続の一例の概略図である。
【図7B】電極接続の一例の概略図である。
【図8】インピーダンス決定装置の第三例の概略図である。
【図9】インピーダンス決定装置の第四例の概略図である。
【図10】インピーダンス決定装置の第五例の概略図である。
【図11】A及びBは電極接続の第二例の概略図であり、C〜Gは電極接続の第三例の概略図である。
【図12】A−Eは帯状電極の構成の一例の概略図である。
【図12F】帯状電極の構成の一例の概略図である。
【図12G】帯状電極のコネクタ配置の一例の概略図である。
【図12H】帯状電極のコネクタ配置の一例の概略図である。
【図12I】帯状電極の使用法の概略図である。
【図13】電流源回路の第二例の概略図である。
【図14】図13の電流源回路を使用する一例のフローチャートである。
【図15】測定機器を更新する処理の一例の概略のフローチャートである。
【図16】測定機器を更新するためのシステムアーキテクチャの一例の概略図である。
【図17】測定機器を更新する処理の第一例のフローチャートである。
【図18】測定機器を更新する処理の第二例のフローチャートである。
【図19】インピーダンス決定装置用のハウジング構成の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
ここで、図1を参照しながら、対象の生体電気インピーダンスの解析を実行するのに適した装置の一例を説明する。
図のように、装置は、信号生成器11とセンサ12に結合した処理システム2を含む測定機器1を有する。使用中、信号生成器11とセンサ12は、図のようにリードLを介して対象S上に設けられた各電極13、14、15、16に結合する。選択的外部インタフェース23は、外部データベースまたはコンピュータシステム、バーコードスキャナ等の一つ以上の周辺機器4に測定機器1を結合するために用いられる。
【0076】
使用中、処理システム2は制御信号を生成するように調整され、信号生成器11に電圧または電流信号などの一つ以上の交流信号を生成させ、前記信号は電極13、14を介して対象Sに印加される。そして、センサ12は電極15、16を用いて、対象S全体に渡る電圧または対象Sを通過する電流を検出し、適切な信号を処理システム2に転送する。
【0077】
従って、当然のことながら、処理システム2は適切な制御信号を生成し、測定される信号の指示を変換し、対象の生体電気インピーダンスを決定し、心臓パラメータ、浮腫の有無または度合などの他の情報を選択的に決定するのに適した任意の形態の処理システムである。
【0078】
従って、処理システム2は、ラップトップ、デスクトップ、PDA、スマートフォンなどの適切にプログラムされるコンピュータシステムであってもよい。代替的に、処理システム2は専用ハードウェアから形成される。同様に、I/O機器は、タッチスクリーン、キーパッドおよび表示装置などの任意の適切な形態から構成できる。
【0079】
当然のことながら、処理システム2、信号生成器11およびセンサ12は共通ハウジング内に統合でき、統合機器を構成できる。代替的に、処理システム2は、有線または無線接続を介して信号生成器11とセンサ12に接続できる。これによって、処理システム2は信号生成器11とセンサ12に対して遠隔的に提供される。従って、信号生成器11とセンサ12を対象Sの近傍、または対象Sが装着したユニット内に設けながら、処理システム2は対象Sに対して遠隔的に配置される。
【0080】
一例では、電極13、14の外側の対は、対象Sの胸部および頸部領域上に配置される。しかし、これは、実行される解析の性質に依存する。従って、例えば、この電極構成は心臓機能解析に適したものであるが、リンパ浮腫では電極は必要に応じて典型的に四肢上に配置される。
【0081】
いったん電極が配置されると、対象Sに交流信号が印加される。これは、複数の周波数において交流信号を同時に印加すること、または異なる周波数において複数の交流信号を順次印加することのいずれか一方によって実行される。印加される信号の周波数範囲は、実行される解析に依存する。
【0082】
一例では、印加される信号はクランプまたは制限された電流源からの周波数リッチな電流であるので、それは対象の最大許容補助電流を超えない。しかし、代替的に電圧信号を印加し、測定される対象内に電流を誘導することもできる。信号は定電流、インパルス関数または定電圧信号のいずれかであってもよく、そこでは電流を測定するので対象の最大許容補助電流を超えない。
電位差および/または電流は、内側の対の電極15、16の間で測定される。獲得される信号および測定される信号は、ECGなどの人体によって生成される電位と、印加された電流によって生成される電位の重ね合わせとなる。
【0083】
選択的に、内側の対の電極の間の距離の測定と記録を行うことができる。同様に、身長、体重、年齢、性別、健康状態、任意の干渉、および行った日時などの対象に関する他のパラメータを記録することもできる。現在の投薬などの他の情報を記録することもできる。
【0084】
インピーダンスの正確な測定を支援するために、電圧検出電極15、16をリードLに接続するために用いられるコネクタ内にバッファ回路を配置できる。これは対象Sの電圧応答の正確な検出を保証し、特にリードLの応答による測定電圧への影響を除去し、信号損失を低減するために役立つ。
【0085】
これはさらに、リードLの移動によって生じるアーチファクトを著しく低減し、それはセッションが通常数時間継続する透析中に対象が動き回り位置を変更する場合に特に重要である。
【0086】
別の選択肢は電圧が別個に測定される場合であり、これは各電極15、16における電位を測定するために用いられるセンサが、シングルエンドシステムに比べて、半分の電位を測定するだけでよいことを意味する。
【0087】
電流測定システムは、電極13、14とリードLの間のコネクタ内に配置したバッファを有することもできる。一例では、電流は対象Sを介して対称的に駆動または供給され、それはさらに共通モード電流を半分にすることによって寄生容量を著しく低減する。対称的なシステムを用いる別の特定の利点は、各電極13、14用のコネクタに内蔵される微小電子回路も、対象S、従ってリードLが移動する際に生じる寄生容量を低減することである。
【0088】
獲得した信号を復調し、印加周波数におけるシステムのインピーダンスを取得する。重なり合った周波数の復調用の適切な一方法は、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いて、時間ドメインのデータを周波数ドメインに変換することである。これは典型的に、印加される電流信号が印加周波数の重ね合わせである場合に用いられる。測定される信号のウィンドウ処理を必要としない別の技術は、スライドウィンドウFFTである。
【0089】
印加される電流信号が異なる周波数の走査から形成されている場合、信号生成器から導いた基準サイン波とコサイン波、または測定されるサインおよびコサイン波と測定される信号とを乗算し、サイクル数全体で積分するなどの処理技術を使用することがより一般的である。この処理は任意の周波数応答を拒絶し、ランダム雑音を著しく低減する。
【0090】
他の適切なデジタルおよびアナログ復調技術も当業者には知られている。
インピーダンスまたはアドミッタンス測定は、記録した電圧および電流信号を比較することによって各周波数における信号から決定される。復調アルゴリズムは、各周波数において振幅および位相信号を生成する。
【0091】
ここで、図2を参照しながら、インピーダンス解析を実行するための装置の動作の一例を説明する。
ステップ100において、処理システム2は制御信号を生成するように動作し、前記制御信号はステップ110において信号生成器11に提供され、信号生成器がステップ120において対象Sに交流電流信号を印加する。典型的に、信号は複数の周波数fiの各々において印加され、マルチ周波数解析を実行可能にする。
【0092】
ステップ130において、センサ12は対象S全体に渡る電圧信号を検出する。ステップ140において、測定機器は対象S全体に渡る電圧および電流信号のデジタル化とサンプリングを行うように動作し、これらを用いてステップ150において、対象Sに対する瞬間的インピーダンス値を決定する。
【0093】
ここで、図3を参照しながら、特定の装置例をさらに詳しく説明する。
この例では、処理システム2は、プロセッサ20、メモリ21、入出力(I/O)機器22を備えた第一処理システム10と、バス24を介して共に結合した外部インタフェース23を有する。処理システム2はさらに、処理モジュールの形態の第二処理システム17を有する。第一および第二処理システム10、17の起動を制御するために、マイクロロジック制御部などの制御部19を設けることもできる。
【0094】
使用中、第一処理システム10は第二処理システム17の動作を制御し、異なるインピーダンス測定手順を実行可能にしながら、第二処理システム17は所定の処理タスクを実行し、第一処理システム10上での処理要件を低減する。
【0095】
従って、制御信号の生成、および瞬間的なインピーダンス値を決定するための処理は第二処理システム17によって実行され、第二処理システム17はカスタムハードウェアなどから構成できる。特定の一例では、第二処理システム17はフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)から構成されるが、磁気ロジックモジュールなどの任意の適切な処理モジュールを使用することもできる。
【0096】
第一および第二処理システム10、17と制御部19の動作は典型的に、一つ以上の組の適切な命令を用いて制御される。これらは任意の適切な形態であってもよく、従って、ソフトウェア、ファームウェア、組み込みシステムなどを含むことができる。
【0097】
制御部19は典型的に、オン/オフスイッチ(図示せず)を使用することによって測定機器の起動を検出するように動作する。いったん制御部が機器の起動を検出すると、制御部19は所定の命令を実行し、さらに第一および第二処理システム10、17を起動させ、必要に応じて処理システムへの電力供給を制御する。
【0098】
第一処理システム10は第二処理システム17によって実装されたファームウェアなどの命令を制御するように動作し、第二処理システム17の動作を変更する。さらに、第一処理システム10は第二処理システム17によって決定されたインピーダンスを解析するように動作し、生物学的パラメータを決定する。従って、第一処理システム10はカスタムハードウェアなどから構成され、適切なアプリケーションソフトウェアを実行し、以降でさらに詳しく説明する処理を実行する。
【0099】
当然のことながら、第一処理システム10と第二処理システム17の間の処理の分割は必須ではないが、以降の説明から明らかになる複数の利点が存在する。
この例では、第二処理システム17は図のように、プログラム可能なモジュール36とバス35に結合したPCIブリッジ31を有する。バス35はさらに処理モジュール32、33、34に結合し、それらはADC(アナログデジタル変換器)37、38、およびDAC(デジタルアナログ変換器)39に各々インタフェースする。
【0100】
プログラム可能なモジュール36はプログラム可能なハードウェアから構成され、その動作は命令を用いて制御され、前記命令は典型的に第一処理システム10からダウンロードされる。ハードウェア36の構成を指定するファームウェアは、メモリ21のフラッシュメモリ(図示せず)内に存在することも、外部インタフェース23を介して外部源からダウンロードすることもできる。
【0101】
代替的に、命令は第二処理システム17上の内蔵メモリ内に格納できる。この例では、第一処理システム10は典型的に、第二処理システム17によって実装される前に実装用のファームウェアを選択する。これは、ファームウェア内に符号化した機能を選択的に起動可能にするために実現され、以降でさらに詳しく説明するように、例えば、構成ファイルなどの構成データ、またはアプリケーションソフトウェアまたはファームウェアを表す命令を用いて実行される。
【0102】
いずれの場合でも、これは第一処理システム10を用いて、第二処理システム17の動作を制御可能にし、対象Sに所定の電流シーケンスを印加可能にする。従って、例えば、異なる周波数において順次印加される電流を使用するのに比べて、複数の重ね合わせた周波数から構成した電流信号を使用することによって、複数の周波数において同時にインピーダンスを解析するために電流信号を用いる場合、異なるファームウェアが利用される。
【0103】
電流源回路の形態の信号生成器11の所定の形態の例は、図4に示されている。
図のように、電流源は、相互接続した三つの固定または可変利得差動増幅器A1、A2、A3および三つの演算増幅器A4、A5、A6、複数の抵抗器R1、…、R17およびコンデンサC1、…、C4を有する。電流源はさらにリード41、42(図1のリードLに対応する)を有し、以降でさらに詳しく説明するように、リード41、42を短絡するために電極13、14とスイッチSWに電流源を接続する。
【0104】
対象Sに印加される電流を決定可能にするために、接続45、46を設けることもできる。典型的に、これは接続46を用いて実現される。しかし、リードと他の回路内の信号損失を考慮可能にするために、破線に示したように接続45を使用することもできる。
【0105】
典型的に、使用されるリードは、ポリスチレン誘電体を備えたマルチ撚り線コアと非編み込みシールドを有する同軸ケーブルである。これは良好な導電性とノイズ特性を提供し、同時に十分に柔軟であり、測定機器1から対象Sへの接続に伴う問題を回避することができる。この例では、抵抗器R12、R13により、ケーブルに関連した静電容量から増幅器A5、A6の出力が分離される。
【0106】
使用中、電流源回路は、DAC39から電流制御信号I+、I−を受け取り、これらの信号のフィルタ処理と増幅を行い、電極13、14を介して対象Sに印加される電流信号を形成する。
【0107】
使用中、増幅器A1、…、A6を最初に起動すると、(安全限界内の)小さな過渡的電流上昇が生じる。電流が対象に印加されると、対象S全体に渡る残留電界が生成される。読み取りに影響するこの電界を回避するために、測定を行う前に典型的にスイッチSWを起動し、電流回路を短絡し、任意の残留電界を放電する。
【0108】
いったん測定が開始されると、対象に印加される電流の指示は破線で示したように、ADC38に接続された接続45、46のいずれか一方を介して得られる。
これによって、対象全体に渡って供給された電流を正確に決定できる。特に、制御信号I+、I−に基づいて印加された電流を評価するのではなく、実際に印加される電流を使用することによって、これは電流源内の部品の理想的ではない挙動を考慮し、印加された電流に対するリード41、42の影響も考慮できる。
【0109】
一例では、増幅器A3と関連の部品は電極12、13に結合したハウジング上に設けられ、対象に印加される電流のより正確な検出を可能にする。特に、これは、リードL内の信号損失などのケーブルの影響の測定を不要にする。
【0110】
以上の内容は非対称電流源の一例であり、当然のことながら対称電流源を代わりに用いることもできる。
図5に、電圧電極に用いられるバッファの一例を示す。この例では、各電極15、16は、バッファ回路50A、50Bに結合されている。
【0111】
この例では、各バッファ50A、50Bは、図のように相互接続した増幅器A10、A11、および複数の抵抗器R21、…、R26を有する。使用中、バッファ50A、50Bは、接続51、52を介して各電極15、16に接続される。バッファ50A、50Bはさらにリード53、54を介して差動増幅器55に接続され、差動増幅器55は信号検出器12として機能し、さらにADC37に結合される。従って、当然のことながら、各バッファ50A、50Bは各電極15、16、それから差動増幅器に接続され、対象を介した電位差を決定できる。
【0112】
一例では、リード53、54は図1に示したリードLに対応し、以降でさらに詳しく説明するように電極15、16に結合したコネクタハウジング内にバッファ回路50A、50Bを提供できる。
【0113】
使用中、増幅器A10は検出した信号を増幅してケーブル53のコアを駆動し、同時にA11は検出した信号を増幅してケーブル51、53のシールドを駆動する。抵抗器R26とR25によりケーブルに関連した静電容量から増幅器の出力が分離されるが、これらの必要性は選択された増幅器に依存する。
【0114】
同様に、これによってマルチコアシールドケーブルを用いて、電圧電極15、16への接続を確立できる。
ここで、図6A〜6Cを参照しながら装置の動作の一例を説明する。
【0115】
ステップ200において、操作者は、第一処理システム10を用いてインピーダンス測定の種類を選択する。これは複数の方法で実現され、典型的に第一処理システム10に複数の異なるプロファイルを格納させることを含み、前記プロファイルは各インピーダンス測定プロトコルに各々対応している。
【0116】
従って、例えば、心臓機能決定を実行する場合は、リンパ浮腫、身体組成、肺浮腫などの測定を実行する場合に比べて、異なる印加電流シーケンスおよび異なるインピーダンス解析を使用することが一般的である。プロファイルは典型的にメモリ21内に格納するか、またはフラッシュメモリ(図示せず)または外部インタフェース23を介してダウンロードされる。
【0117】
いったん適切な測定種類が操作者によって選択されると、これはステップ210において第一処理システム10に対して、第二処理システム17のプログラム可能なモジュール36内に所望のコードモジュールファームウェアをロードさせるか、または組み込みファームウェアを起動させる。使用されるコードモジュールの種類は好ましい実装に依存し、一例では、ウィッシュボーンコードモジュールから構成されるがこれは必須ではない。
【0118】
ステップ220において、第二処理システム17を用いてデジタル制御信号のシーケンスを生成し、そのシーケンスはステップ230においてDAC39に転送される。これは典型的に、処理モジュール34を用いて所定のインピーダンス測定プロファイルに基づいてモジュールに所定のシーケンスの信号を生成させることによって実現される。従って、これは、第二処理システム17に処理モジュール34をプログラムさせ、モジュールに必要な信号を生成させることによって実現される。
【0119】
DAC39はデジタル制御信号をアナログ制御信号I+、I−に変換し、前記アナログ制御信号はステップ240において電流源11に印加される。
上記のように、図4に示した電流源回路はステップ250において電気制御信号I+、I−の増幅とフィルタ処理を行うように動作し、得られた電流信号をステップ260において電極13、14に印加する。
【0120】
この処理中、上記のように対象を介した電流回路は、スイッチSWを用いてステップ270において選択的に短絡され、読み取りを行う前に対象S内の任意の残留電界を放電する。
【0121】
ステップ280において測定手順を開始し、対象全体に渡る電圧を電極15、16から検出する。この点では、ステップ290において図5に示したバッファ回路を用いて、電極を渡る電圧のフィルタ処理と増幅を行い、得られたアナログ電圧信号Vはステップ300においてADC37に供給されデジタル化される。同時に、ステップ310において接続45、46の一方を介して対象Sに印加された電流を検出し、ステップ320においてADC38を用いてアナログ電流信号Iをデジタル化する。
【0122】
デジタル化した電圧および電流信号V、Iはステップ330において処理モジュール32、33で受け取り、これらを用いてステップ340において信号の予備処理を実行する。
【0123】
実行される処理は同様にインピーダンス測定プロファイルと、処理モジュール32、33の結果的な構成に依存する。これは、例えば、電圧信号Vを処理してECG信号を抽出することを含むことができる。この信号も典型的にフィルタ処理され、印加周波数fiにおける信号のみがインピーダンス決定に用いられるようにする。これは、ノイズの影響の低減および必要な処理量の低減に役立つ。
【0124】
ステップ350において、第二処理システム17は処理信号を用いて各印加周波数fiにおける電圧および電流信号を決定し、ステップ360においてこれらを用いて各印加周波数fiにおける瞬間的なインピーダンス値を決定する。
【0125】
ADC37、38と処理モジュール32、33は典型的に電圧および電流信号V、Iのサンプリングと処理を並列に実行し、対応する印加電流において誘導された電圧を同時に解析するように構成されている。これにより、各印加周波数においてどの電圧信号を測定したかを決定する必要性をなくすことによって処理要件が低減される。これは、処理モジュール36によって生成された共通クロック信号を用いて、ADC37、38から受け取ったデジタル信号を処理モジュール32、33にサンプリングさせることによって実現され、信号サンプリングの同期化を保証する。
【0126】
いったん瞬間的なインピーダンス値が導かれると、これらはステップ370において第一処理システム10または第二処理システム17のいずれかの中でさらに処理される。瞬間的なインピーダンス信号の処理は使用される解析の種類に依存して複数の異なる形態で実行され、これはさらにステップ200において操作者によって行われた選択に依存する。
【0127】
従って、当業者には明らかなように、適切な測定種類の選択を行うことによって対象に異なる電流シーケンスの範囲を印加できる。いったんこれが実行されると、FPGAは適切な制御信号I+、I−のシーケンスを生成するように動作し、前記制御信号は図4に示した電流源回路を用いて対象Sに印加される。それから、対象全体に渡って誘導された電圧は図5に示したバッファ回路を用いて検出され、第二処理システム17によってインピーダンス値の決定と解析とが可能となる。
【0128】
第二処理システム17を使用することによって、カスタム構成のハードウェアを用いて処理の大部分を実行できる。これは、複数の利点を有する。
第一に、第二処理システム17を使用することによって、適切なファームウェアを使用することでカスタムハードウェア構成に調整できる。これはさらに、単一の測定機器を用いて異なる種類の解析の範囲を実行できる。
【0129】
第二に、これは第一処理システム10上の処理要件を著しく低減する。これはさらに、比較的直接的なハードウェアを用いて第一処理システム10を実装でき、さらに測定機器は十分な解析を実行してインピーダンスの変換を提供することができる。これは、例えば、「Wessel」プロットを生成すること、インピーダンス値を用いて心臓機能に関するパラメータを決定すること、およびリンパ浮腫の有無を決定することを含むことができる。
【0130】
第三に、これによって測定機器1を更新できる。従って、例えば、所定のインピーダンスの測定種類に対して、改善された解析アルゴリズムが作成されるか、改善された電流シーケンスが決定された場合、フラッシュメモリ(図示せず)または外部インタフェース23を介して、新しいファームウェアをダウンロードすることによって測定機器を更新することができる。
【0131】
当然のことながら、上記の例では、処理は部分的に第二処理システム17によって、部分的に第一処理システム10によって実行される。しかし、FPGAなどの単一の素子またはより汎用的な処理システムによって処理を実行することもできる。
【0132】
FPGAはカスタム処理システムであるので、動作中、汎用的な処理システムより効率的になる傾向がある。その結果、FPGAのみを用いる場合、典型的に全体量を低減した処理を使用することができ、消費電力およびサイズを低減できる。しかし、柔軟度、特に、実行されるインピーダンスの処理および解析の範囲は制限される。
【0133】
逆に、汎用的な処理システムのみを用いる場合、柔軟度は改善されるが、効率の低減およびその結果としてサイズと消費電力が増大する。
従って、上記の例はバランスを取って、FPGAの形態でカスタム処理を提供し部分的な処理を実行する。これは、例えば、インピーダンス値を決定可能にする。それから、典型的により大きな柔軟度を必要とする以降の解析は、汎用処理システムを用いて実行される。
【0134】
FPGAのみを利用する別の欠点は、例えば、改善された処理アルゴリズムが実装された場合に、処理を更新する過程が複雑になることである。
電極接続
図7Aと図7Bに、電極接続装置の一例を示す。
【0135】
特に、この例では、コネクタはPCB(プリント回路基板)61などの基板上に設けられた回路を有し、PCB61はさらに図のようにハウジング60内に搭載する。ハウジング60はアーム62を有し、アーム62は基板61上に設けられた接点63に向かって押し付けられる。基板61は、リード41、42、53、54などの典型的にLで示した適切なリードを介して、ADC37、38、またはDAC39の各々に結合する。
【0136】
使用中、コネクタは銀を被覆したプラスチックなどの導電性電極基板65に結合し、基板65はさらにその上に銀/塩化銀ゲルなどの導電性ゲル64を有する。アーム62は導電性電極基板65を接点63に押し付け、基板61上に設けられた回路に導電性ゲル64を電気的に結合する。
【0137】
これは測定機器1と対象Sの間の良好な電気的接触を保証し、電極13、14と電圧バッファの入力の間のリードの必要性をなくし、コストおよび装置内のノイズ源となる追加のリードを不要にする。
【0138】
この例では、ハウジング60、アーム62、および基板65の端部と隅は湾曲している。これは、コネクタを電極に取り付ける際、対象が負傷する可能性を低減する。
これは、リンパ浮腫の患者上で電極を用いる際、皮膚をわずかにつまむだけでも重度の合併症を引き起こす可能性があるとき特に重要である。
【0139】
さらにハウジングの使用可能性を改善するために、ハウジングは低摩擦係数を有する材料や、多孔質または弾性のある材料から構成できる。同様に、ハウジングを電極に結合する際、これらの特性は対象が負傷する可能性を低減するのに役立つ。
【0140】
電気的絶縁
ここで、図8を参照しながら装置のさらなる開発について説明する。
この例では、第二処理システム17は、二つの各FPGA部17A、17Bから構成される。二つのFPGA部17A、17Bは、破線17Cによって典型的に示された電気的絶縁接続を介して相互接続される。電気的絶縁接続は、例えば、誘導ループ接続、無線リンクなどを用いて実現される。
【0141】
FPGA内のこの分離を用いて、測定機器1が対象Sから電気的に絶縁されるようにする。これは、高精度で読み取りを行う場合に重要である。
この例では、第二処理システム17は典型的に、第二FPGA部17Bの動作が全ての測定種類に対して実質的に同一であるように実装される。その結果、異なる種類のインピーダンス解析を可能にするために、第二FPGA部17B内にファームウェアをアップロードする必要はない。
【0142】
これに対して、第一FPGA部17Aは実質的に上記のように、インピーダンス測定の種類に依存してファームウェアを典型的に実装する。
従って、当然のことながら、これは測定機器1を対象から電気的に絶縁する機構を提供しながら、なお第二処理システム17を使用する利点を実現できる。
【0143】
代替的に、第一処理システム10から電気的に絶縁した単一のFPGAを提供することによって等価な電気的絶縁が得られる。
この例では、第二FPGA部17Bは典型的に2で示された対象ユニット内に提供され、前記ユニットはリード接続を含んでいる。
【0144】
これによって、単一の測定機器1は複数の異なる対象ユニットと通信でき、前記ユニットは各対象Sと各々関連付けられる。これによって、測定機器1は複数の対象ユニット2を介して複数の異なる対象の集中監視を提供できる。これはさらに複数の対象を順に解析でき、解析を実行する毎に各対象Sを再接続する必要はない。
【0145】
リード校正
インピーダンス測定の変換に役立たせるために、接続リードと関連の回路の電気的特性を考慮することが有用である。
【0146】
これを実現するために、リードと対応する接続は校正情報を用いて符号化される。これは、例えば、図4と5内に示した電流源またはバッファ回路内の抵抗器の各々に対して固有の値を使用することを含む。従って、例えば、抵抗器R12、R13、R26の値は、対応するリードの特性に基づいて選択される。
【0147】
この例では、対応するADC37、38を介して測定機器1にリードを接続する際、処理モジュール32、33は適切なポーリング信号を用いて回路に問い合わせを行い、対応する抵抗器の値を決定できる。いったんこの値が決定されると、第二処理システム17はこれを用いて電圧および電流信号を処理するために用いられるアルゴリズムを修正し、正確なインピーダンス値の決定が保証される。
【0148】
これに加えて抵抗値はリード識別子としても機能でき、測定機器がリードを識別し、本物の許可されたリードのみを利用できるようにする。従って、例えば、決定した抵抗値が所定の値に対応しない場合、これは本物ではないリードが用いられていることを示すために利用できる。この例では、リードの品質は得られるインピーダンス解析の精度に影響を与えるので、間違ったリードが使われていることを示すエラーメッセージまたは警告を生成することが望ましい。代替的に、第二処理システム17は測定される電流および電圧信号の処理を停止するように構成することができる。これによって、システムは本物のリードのみが利用できるようになる。
【0149】
これはさらに、各リードの接続回路に関連する固有の識別子の利用によって改善される。この例では、固有の識別子は、電流源または電圧バッファ回路の一部として設けられたIC内に符号化できる。この例では、測定機器1は固有の識別子の問い合わせを行い、ローカルメモリまたは中央データベース内に格納された固有の識別子と比較し、本物のリードを識別できる。
【0150】
この処理を利用して、リードが用いられた回数を監視することもできる。この例では、リードを用いる毎に、リードの使用を反映するデータが記録される。これによってリードは事前に決めた使用割り当て寿命を有することができ、いったんリードを使用する回数が割り当てに到達すると、該リードを用いてさらに測定することが妨げられる。同様に、リードに関連付けした使用期限を提供することによって時間的制限を加えることができる。これは、好ましい実装に依存して、リードを形成した日付、または最初の使用日に基づくことができる。
【0151】
当然のことながら、リードの使用を記録する際、これが局所的に記録される場合は問題が生じる可能性がある。特に、これは異なる測定機器でリードを再使用する可能性がある。これを避けるために、リードは、最初の使用時に測定機器によって設定されるIDを備えるように構成される。これを用いて、単一の測定機器にリードの使用を限定することができる。
【0152】
これを用いることで、事前に決めた寿命に従ってリードを正確に交換することが保証され、測定インピーダンス値の精度を保証するのに役立つ。
複数チャネル
図9に、装置のさらに別の形態が示されている。
【0153】
この例では、装置は複数チャネル機能を提供するように調整され、異なる身体セグメントがインピーダンス解析を実質的に同時に受けることができる。この例では、これは、図のように第一および第二処理モジュール32A、32B、33A、33B、34A、34Bと、第一および第二ADC、第一および第二DAC37A、37B、38A、38B、39A、39Bと、第一および第二電圧回路、第一および第二電流回路11A、11B、12A、12Bを並列に提供することによって実現される。
【0154】
従って、測定機器1は、参照番号A、Bの使用によって示された二つの別個のインピーダンス測定チャネルを有する。この例では、これによって電極は異なる四肢などの身体セグメントに取り付けられ、各セグメントから実質的に同時に測定が行われる。
【0155】
上記の配置の代替形態では、二つの別個の第二処理モジュール17を利用し、各々を各チャネルに関連付けることによって複数チャネルを実装できる。代替的に、ADC37、38およびDAC39と電極の間に配置した多重化器を介して、各チャネルに印加される信号を印加できる。
【0156】
当然のことながら、上記の例では二つのチャネルを示したが、これは簡略化のためだけであり任意の数のチャネルを提供できる。
スイッチング装置
図10は、スイッチング装置を含むインピーダンス測定装置の一例を示している。この例では、測定機器1は多重化器などのスイッチング機器18を有し、信号生成器11とセンサ12をリードLに接続する。これによって、測定機器1はどのリードLを信号生成器11とセンサ12に接続するかを制御できる。
【0157】
この例では、単一の組のリードとの接続が示されている。この配置は、複数の方法で用いられる。例えば、測定機器1を接続する電極13、14、15、16を識別することによって、どのリードLに信号を印加し、どのリードを介して信号を測定可能にするかを制御するためのこれを使用することができる。これは、以降でさらに詳しく説明するように、入力機器22を介して適切な指示を使用者に提供させるか、または測定機器1に電極識別子を自動的に検出させることによって実現される。
【0158】
ただし、代替的に、複数のリードと電極と共にその装置を用いて上記のように複数チャネル機能を提供できる。
電極構成
ここで、図11Aと11Bを参照しながら、代替形態の電極構成の一例を説明する。
【0159】
この例では、電極コネクタは電極基板1105と係合するように構成した二つのアーム1101、1102を備えたハウジング1100から構成され、ハウジング1100を基板1105に結合する。アーム1102に下側に取り付けた接点1103は、電極基板1105の表面上に取り付けた電極接点1104に接触および係合するように押し付けられる。電極はさらに銀/塩化銀ゲルなどの導電性ゲル1106を含み、接点1104に電気的に接続する。これは、銀トラックなどの導電性トラックを使用すること、または銀で被覆したプラスチックなどの導電性基板を使用することによって実現される。
【0160】
これによって、リードLは導電性ゲル1106に電気的に接続でき、それらを取り付けた対象Sに電流を印加したり、対象Sから電圧を測定できる。当然のことながら、この例では、上記のハウジング1100は図7について上で説明したものと同様にバッファ回路50、または図4に示した電流源回路の全てまたは一部も含む。
【0161】
代替的に、より複雑な相互接続を設けて所定の電極または電極の種類を測定機器1に指定させることもできる。
これは、測定手順を制御するために測定機器1によって用いられる。例えば、処理システム2による電極の種類の検出を用いて、異なるインピーダンスのパラメータの測定および計算を制御し、例えば、浮腫の検出、心臓機能の監視などで使用するための指示部を決定できる。
【0162】
同様に、電極を取り付けるべき対象上の位置を示す視覚的目印を電極に設けることができる。例えば、電極パッドを対象の左手に取り付ける場合、左手の絵を示すことができる。この例では、電極の識別を用いて測定機器1によって対象のどこに電極を取り付けるかを決定し、それに応じて信号の印加および測定を制御できる。
【0163】
ここで、図11C〜11Gを参照しながらこの一例を説明する。この例では、接点1103は、典型的に銀などからなる導電性接点パッドから形成された複数のコネクタ部材1121、1122、1123、1124を備えたPCBなどの接点基板1120から形成される。コネクタ部材は典型的に銀から形成され、接点基板1120上に設けられた各導電性トラック1126を介してリードLに接続する。リードLは複数の個々の配線を含み、各々コネクタ部材1121、1122、1123、1124の一つに電気的に結合する。
【0164】
この例では、電極基板1105上の電極接点1104は典型的に、銀接点パッドなどから形成された電極コネクタ部材1131、1132、1133、1134を含む電極接点基板1130を含む。電極コネクタ部材1131、…、1134は、使用中、電極コネクタ1100を電極に取り付ける際、コネクタ部材1121、…、1124が電極コネクタ部材1131、…、1134に接触し、測定機器1による電気信号の転送を可能にするように配置される。
【0165】
図11D〜11Gの例では、コネクタ部材1131は、電極基板1105の下側まで延びる導電性トラック1136(典型的に銀トラック)を介して、導電性ゲル1106に接続される。これは、対象Sに電流を印加するか、または対象Sを介した電圧を測定するために測定機器1によって用いられる。
【0166】
さらに、コネクタ部材1132、1133、1134の所定のものも、各コネクタ1136A、1136B、1136C、1136Dによって四つの異なる配置で相互接続される。これによって、測定機器1はコネクタ1136A、1136B、1136C、1136Dのおかげで、どの電極接点1122、1123、1124が相互接続されているかを検出でき、四つの異なる組み合わせによって四つの異なる電極を識別できる。
【0167】
従って、図11D〜11Gの配置を用いて、例えば、二つの電流源13、14と二つの電圧測定電極15、16として用いられる四つの異なる電極を提供できる。
使用中、測定機器1は、第二処理システム17によって各リードL内の適切な配線に信号を印加させることで動作し、接続部材1122、1123、1124の間の導電性を測定可能にする。それから、この情報は、どのリードLがどの電極13、14、15、16に接続されるかを決定するために、第二処理システム17によって用いられる。これによって、第一処理システム10または第二処理システム17は図10の例の多重化器18を制御し、信号生成器11または信号センサ12に電極13、14、15、16を正確に接続できる。
【0168】
この例では、対象に電極パッドを別個に取り付ける際、その上に設けられた視覚的目印によって示された位置で、対象上に電極13、14、15、16を単に配置できる。それからリードを各電極に接続し、どの電極13、14、15、16を各リードLに接続し、それから電流信号を印加し、電圧信号を適切に測定するかを測定機器1に自動的に決定させることができる。これによって、正しい電極パッドの正しいリードLを介した接続を保証するための複雑さが回避される。
【0169】
当然のことながら、上記の処理は、単に電流を電極コネクタに印加することによって電極識別を可能にする。しかし、光学的符号化を使用することなど、他の適切な識別技術を使用することもできる。これは、例えば、電極コネクタ1104または電極基板1105上に視覚的マーカまたは複数の適切に配置した物理的マーカを提供することによって実現される。当業者には明らかなように、コネクタ1100上に取り付けた光学的センサを用いてこれらを検出できる。
【0170】
代替的に、電極用の識別子は、例えば、抵抗器またはコンデンサなどの電極内の部品の値によって表した符号化値によって識別される。従って、当然のことながら、これはリード校正について上で説明したものと同様に実現される。
【0171】
ここで、図12A〜12Fを参照しながら、代替形態の電極構成の一例を説明する。この特定の例では、電極は帯状電極1200であり、複数の別個の電極を含む。この例では、電極は、シールド材料と重なり合った絶縁材料を被覆したプラスチック高分子などの細長い基板1210から構成される。
【0172】
複数の導電性トラック1220は基板上に設けられ、基板1211の端から各導電性接点パッド1230まで延び、基板の長手方向に沿って順に間隙を介して配置される。これによって、上記のコネクタと同様であるが、対応する接続を備えたコネクタをトラック1220に電気的に結合できる。
【0173】
トラック1220と接点パッド1230は、例えば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、蒸着などを含む複数の方法のいずれか一つで基板1210上に設けられ、典型的に銀または他の同様の材料から形成される。しかし、当然のことながら、トラックと接点パッドは信号ドリフトを防ぐ同様の材料から形成されるべきである。
【0174】
接点パッド1230とトラック1220を形成した後、絶縁層1240を設け、電極接点パッド1230と位置合わせされた複数の開口部1250を形成する。絶縁層は典型的に、シールド材料と付加絶縁材料を被覆したプラスチック高分子から形成される。
【0175】
接点パッド1230と対象Sの間の適切な導通を保証するために、典型的に接点パッド1230に導電性ゲル1260を形成する。当然のことながら、この例ではゲルは図のように各開口部1250内に設けられる。
【0176】
取り外し可能な被覆部1270を電極上に取り付け、電極の滅菌やゲル内の水分レベルを維持する。これはピールオフストリップなどの形態であってもよく、取り外して導電性ゲル1260を露出させ、電極を対象Sに取り付け可能にする。
【0177】
信号品質を保証するために、典型的に各トラック1220は図のように、シールドトラック1221と信号トラック1222を有する。これによって、リード41、42、51などのリードL上のシールドをシールドトラック1221に接続し、リードコアを信号トラック1222に結合できる。これによって基板上にシールドを提供し、印加される信号と測定される信号の間の干渉を低減するのに役立つ。
【0178】
これは、帯状電極を製造する素早く直接的で安価な方法を提供する。当然のことながら、図7Aと7B、および図11A〜11G内に示した電極配置において同様のスクリーン印刷技術を使用することもできる。
【0179】
図12Gと12Hについてここで説明するように、帯状電極は磁気コネクタと共に用いることもできる。この例では、帯状電極1200は、基板1210の端部1211に配置した二つの磁石1201A、1201Bを含む。コネクタは、その内部に磁石1281A、1281Bを設けられたコネクタ基板1280から構成される。接続部材1282も設けられ、これらはさらに適切なリードLに接続される。
【0180】
磁石1201A、1281A、1201B(明確には図示せず)、1281Bは位置合わせし磁気的に結合するように配置され、コネクタ基板1280と帯状電極1200を共に押し付ける。磁石1201A、1281A、1201B、1281Bの磁極の正確な位置合わせは、コネクタ基板1280と帯状電極の正確な位置と向きの両方を保証するためにも用いられ、帯状電極1200上のトラック1220の対応するものと、接続部材1282の正確な位置合わせを保証できる。
【0181】
当然のことながら、これは電極との正確な接続を保証するために用いられ、同様の磁気的位置合わせ技術は既に説明したコネクタ内で用いることもできる。
使用中、帯状電極は、図12Iに示したように対象の胴体に取り付けられる。電極は典型的に接着面を含み、それを対象に付着できる。しかし、電極1200の位置を保持するのに役立つように、ストラップ1280を使用することもできる。これは、対象に容易に取り付け配置できる電極を提供し、必要に応じて長期間さらに装着させることもできる。帯状電極1200は、図のように対象の胴体の側面や、へその上に横向きになど他の位置において対象上に配置することもできる。
【0182】
帯状電極1200は十分な電極を提供し、心臓機能を監視できる。上記の例では帯状電極は六個の電極を含むが、任意の適切な数が用いられる(ただし、典型的に少なくとも四個の電極が必要とされる)。
【0183】
可変電流
上記の測定機器内に実装される別の機能は、可変電流などの可変強度信号を生成可能な信号生成器11を提供することである。これは、測定機器1を異なる動物で利用するか、電気的接続を介して問題を検出するか、またはノイズの問題を克服する可能にするために用いられる。
【0184】
これを実現するために、図4に示した電流源回路は図13に示したように修正される。この例では、図4の電流源回路内の抵抗器R10は、可変抵抗器VR10に置き換えられる。抵抗器VR10の抵抗を変更すると、それに応じて対象Sに印加される電流の大きさの変化を招く。
【0185】
電流源回路と制御部の間のノイズおよび干渉を低減するために(典型的に第二処理モジュール17を用いて実現される)、制御システムから可変抵抗器VR10を電気的に絶縁することが一般的である。従って、一例では、可変抵抗器VR10は光依存抵抗器から構成される。この例では、発光ダイオード(LED)または他の光源がL1で示したように提供される。LED L1は、任意の適切な形態の可変電源Pに結合される。使用中、電源Pは第二処理モジュール17によって制御され、LED L1で生成される光の強度を制御し、さらに抵抗VR10、従って印加される電流を変更可能にする。
【0186】
測定機器1を操作するために、第一処理システム10と第二処理システム17は典型的に図14で説明される処理を実行する。この例では、ステップ1400において、使用者は入出力機器22を用いて測定または動物の種類を選択する。
【0187】
ステップ1410において、第一処理システム10と第二処理システム17は相互作用し、選択した測定または動物の種類に基づいて一つ以上の閾値を決定する。これは、第一処理システム10にメモリ21から閾値を読み込ませ、これらを第二処理システム17に転送させるなど複数の方法のいずれか一つで実現されるが、任意の適切な機構が用いられる。典型的に、対象Sに印加可能な最大電流、インピーダンス測定の決定に必要な最小電圧、最小信号対雑音比などの信号パラメータに対して、異なる動作特性を指定するために複数の閾値が用いられる。
【0188】
ステップ1420において、第二処理システム17は信号生成器11を起動し、対象Sに信号を印加させる。ステップ1430において、センサ12を用いて電極15、16における応答信号を測定し、該信号を示す信号をステップ1430において第二処理システム17に戻す。
【0189】
ステップ1440において、第二処理システム17は測定される信号の少なくとも一つのパラメータを閾値と比較し、測定される信号が許容可能であるかどうかをステップ1450において決定する。これは、例えば、測定される電圧信号内の信号対雑音レベルが最小閾値より大きいかどうかを決定すること、または信号強度が最小値より大きいかどうかを決定することを含んでいる。
【0190】
信号が許容可能であれば、ステップ1460においてインピーダンス測定が実行される。そうでなければステップ1470において、第二処理システム17は印加された信号が許容可能な最大値に到達しているかどうかを決定する。これが発生した場合、処理はステップ1490において終了する。しかし、最大信号にまだ到達していない場合、第二処理システム17はステップ1480において対象Sに印加される電流の大きさを増大させるように動作し、その後、ステップ1430に戻って新しく測定される信号を決定する。
【0191】
従って、これは、インピーダンス値を決定可能にするために適切な信号が測定されるか、または対象に対する最大電流または電圧値に到達するまで、対象Sに印加される電流または電圧を次第に増大させることができる。
【0192】
当然のことながら、選択される閾値、およびステップ1420において対象Sに印加される最初の電流は、典型的に対象の性質に依存して選択される。従って、例えば、対象が人間である場合は、対象がネズミなどの動物である場合より低い強度の電流を使用することが一般的である。
【0193】
機器の更新
ここで、図15を参照しながら、測定機器を更新するための処理の一例を説明する。
一例では、ステップ1500において処理は更新などによって測定機器1を構成するかどうかを決定し、その後、ステップ1510において構成データを生成することを含んでいる。ステップ1520において典型的に機器に構成データをアップロードし、その後、1530において機器を起動する。1540において機器が動作を開始すると、処理システム2は構成データを用いて、例えば、命令の更新を制御することによって、または処理システム2または制御部9内に組み込んだ命令を選択的に起動することによって機能を選択的に起動する。
【0194】
これは、二つの方法の一方の中で実現される。例えば、構成データはソフトウェアまたはファームウェアなどの命令からなり、処理システム2によって実装されると機能が実行される。従って、例えば、この処理は第二処理システム17、処理システム10または制御部19内に設けられたファームウェアの動作を更新するために利用され、改善された測定アルゴリズムなどの追加の機能が実装可能となる。
【0195】
代替的に、構成データは機能の一覧の形態であってもよく、これは測定機器1上に既に格納されている命令にアクセスするために処理システム2によって用いられる。このように構成データを利用することによって、複数のさらに追加の機能であるが機器の販売時には動作していない機能を測定機器にロードできる。この例では、測定機器1上に設けられた構成データを更新することによって、これらの別の機能を実装でき、修正のために測定機器1を戻す必要はない。
【0196】
これは、追加の機能が使用の承認を受け取ったとき、前記機能を実装可能にするので医療産業で特に有用である。従って、例えば、測定される電圧信号などの特定の解析の使用など、所定の方法でリンパ浮腫を測定または検出するために技術が利用できる。この例では、機器を販売したときは、医薬品行政局などの管理機関からはまだ承認は得られていない可能性がある。従って、構成データの適切な使用によって機能は停止される。測定技術が次に承認を得ると、新しく更新された構成データを測定機器にアップロードすることによって構成データを修正でき、機能を実装可能にする。
【0197】
当然のことながら、異なる測定技術、解析アルゴリズム、測定されるインピーダンスのパラメータの結果についての報告など、複数の異なる機能のいずれか一つを実装するためにこれらの技術を使用することができる。
【0198】
ここで、図16を参照しながら、更新を提供するための適切なシステムの一例を説明する。この例では、基地局1600は、インターネットなどの通信ネットワーク1602やローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワーク1604を介して、複数の測定機器1と複数の端末局1603に結合される。さらに、端末局は、図のように測定機器1に結合される。
【0199】
使用中、基地局1600は、データベース1611に結合された処理システム1610を含む。基地局1600は、更新がいつ必要とされるかを決定し、更新を加える機器を選択し、構成データを生成し、機器1を更新するために構成データを提供するように動作する。従って、当然のことながら、処理システム1610はサーバなどであってもよい。
【0200】
これによって、構成データはサーバからデスクトップコンピュータ、ラップトップ、インターネット端末などの使用者の端末局1603にアップロード可能であり、または代替的に、サーバからインターネットなどの通信ネットワーク1602、1604を介して転送することもできる。当然のことながら、無線リンク、ウィフィ接続などの任意の適切な通信システムを使用することもできる。
【0201】
いずれにせよ、ここで図17を参照しながら、測定機器1を更新する処理の一例をさらに詳しく説明する。この例では、ステップ1700において基地局1600は、所定の領域内に実装された機能の規制状態に変化があることを決定する。上記のように、これは、例えば、新しい機能のTGAによる承認に従って発生する可能性がある。
【0202】
基地局1600は、規制状態の変更を用いてステップ1710において利用可能な新しい機能を決定し、その後、ステップ1720において更新される各測定機器1に関連する識別子を決定する。規制承認の変更は領域固有であるので、これは販売された各測定機器が用いられる領域の詳細を含むデータベース1611に基地局1600をアクセスさせることによって典型的に実現される。データベース1611は各測定機器1に対する識別子を含み、更新される各測定機器の識別子を決定できる。
【0203】
ステップ1730において、基地局1600は測定機器1の次のものに対して典型的にデータベース1611から既存の構成データを決定し、その後、構成データを修正し、ステップ1740において新しい機能を実装する。それから、識別子に関連する鍵を利用して、構成データを暗号化する。鍵は、シリアル番号に関連するか、またはシリアル番号から部分的に導かれた固有の主番号から形成され、典型的にデータベース1611内に格納されるか、所定のアルゴリズムを用いて必要な度に生成される。
【0204】
ステップ1760において、暗号化された構成データは上で説明したように測定機器1に転送される。
ステップ1770において、機器を再起動し、第一処理システム10が起動されると、第一処理システム10は暗号鍵を決定し、これを用いて構成データを復号化する。これは、シリアル番号または他の識別子、および所定のアルゴリズムを用いて鍵を生成するなど複数の方法のいずれか一つで実現される。代替的に、これは、メモリ21内に格納された鍵にアクセスすることによって実現される。当然のことながら、任意の形態の暗号化が用いられるが典型的に強力な暗号化が用いられ、そこでは秘密鍵を用いて構成データの暗号化と復号化の両方を行い、以降でさらに詳しく説明するように使用者による構成の不正な変更を防止する。
【0205】
ステップ1780において、第一処理システム10は復号化した構成データを用いて、第二処理システム17内のソフトウェア機能を起動する。
従って、当然のことながら、これは測定機器上で利用可能な機能を自動的に更新するための機構を提供する。これは、第二処理システム17に処理システム10から新しいファームウェアを受け取らせること、または上記のように第二処理システム17上に既にインストールされているファームウェアを起動することのいずれかによって実現される。
【0206】
これを自動的に実行する代替形態として、使用するために追加の機能を承認する際、この処理を用いて代金の支払い時に機能を起動できる。この例では、使用者は実装された機能が制限された測定機器1を購入できる。それから、代金を支払うことによって使用者の必要に応じて追加の機能を起動できる。
【0207】
この例では、図18に示したように、使用者がステップ1800において停止中の機能を選択すると、第一処理システム10はステップ1810において該機能が利用可能ではないことの指示を生成する。これによって使用者はステップ1820において機能起動オプションを選択可能になり、それは典型的にステップ1830において使用者に支払い明細の提供を促す。支払い明細はいくつかの方法で機器の製造業者に提供され、使用者から機器の製造業者に電話をかけさせるか、代替的にインターネットなどによって提供された適切な支払いシステムを介して明細を入力させる。
【0208】
ステップ1840において、いったん支払いが確認されると処理はステップ1720に移動でき、適切な構成データの形態で自動更新を提供できる。しかし、支払い明細が確認されない場合、処理は1850において終了する。
【0209】
当業者には明らかなように、固有の識別子を利用して構成データを暗号化することは、測定機器1で受け取る構成データが該測定機器に固有のものであることを意味する。従って、正しい鍵を利用して暗号化と復号化の両方が行われる場合、第一処理システム10は構成データの中身を変換できるだけである。従って、これは、使用者が構成データを交換したり、異なる機器に転送するために復号化したファイルを再暗号化しようとすることを妨げる。
【0210】
当然のことながら、構成データ内の機能を単に指定することに加えて、またはそれに対する代替形態として、第二処理システム17に追加のファームウェアをアップロードする必要がある場合もある。これは、例えば、測定機器1と共に発送されるファームウェアを用いて、実装可能ではない機能を実装するために用いることもできる。
【0211】
この例では、構成データは任意の必要なファームウェアをアップロードすることを含むことが一般的であり、第一処理システム10を用いて第二処理システム17内にこれをロードできる。それから、このファームウェアは自動的に実装するか、または構成データ内に設けられた利用可能な機能のリストに従って実装される。
【0212】
当然のことながら、これは測定プロトコル、インピーダンス解析アルゴリズム、測定結果を変換する報告などの機能の更新や、選択的起動または停止用の機構を提供する。これは、測定機器が既存のTGAまたはFDA承認などに従うように実行される。
【0213】
ハウジング
対象に対して適切な電気的絶縁を備えたハウジング構成を提供するために、図19に示したものと同様の配置が用いられる。
【0214】
この例では、測定機器1はハウジング70内に設けられ、ハウジング70は三つの各回路基板72、73、74と共にI/O機器22を形成するタッチスクリーン71を含む。この例では、第二処理システム17と第一処理システム10を含むデジタル電子回路は回路基板72上に設けられる。回路基板73はアナログ回路基板であり、ADC37、38、DAC39を含む。74において別個の電源基板が設けられる。電源基板は典型的に一体型バッテリを有し、測定機器1は携帯型機器を形成できる。
【0215】
さらに一般的なハウジングは外部環境から電気的/磁気的にシールドし、それに応じてハウジングは典型的にミューメタルまたはマグネシウムを添加したアルミニウムから形成される。
【0216】
当業者には当然のことながら、様々な変更および修正も明らかである。当業者には明らかなこのような全ての変更および修正は、前の説明に広く見られる発明の技術思想および範囲内にあると考えるべきである。
【0217】
従って、例えば、当然のことながら上記の異なる例による機能は適切であれば交換可能なように用いられる。さらに上記の例は人間などの対象に着目しているが、当然のことながら上記の測定機器および技術は、霊長類、家畜、競走馬などの実演動物などを含むがそれらに限定されない任意の動物と共に用いられる。
【0218】
上記の処理は、浮腫、リンパ浮腫、身体組成などを含むがそれらには限定されない状態および病気の範囲の有無または度合を診断するために用いられる。
さらに当然のことながら、電極の認識、機器の更新などの上記の技術は、別個の第一処理システム10と第二処理システム17を利用するのではなく、むしろ単一の処理システム2またはいくつかの他の内部構成を利用する機器を用いて実装される。
【0219】
さらに、端末局1603は、この明細書全体の例で第一処理システム10によって実行される任意の一つ以上のタスクを効果的に実行できる。従って、機器は第一処理システム10なしで提供され、第一処理システム10によって通常実行される機能は端末局1603によって実行される。この配置では従って、端末局1603は第一処理システム10の一部または全てを効果的に形成する。これによって、外部インタフェース23に直接結合した第二処理システム17のみを含むように測定機器1は提供され、端末局1603によって測定機器1を制御可能にする。これは典型的に、端末局1603上にインストールした適切なアプリケーションソフトウェアの使用によって実現される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置を電極に接続するための装置であって、
a)ハウジングを電極に結合するためのコネクタを有するハウジングと、
b)ハウジングに搭載され、コネクタを用いて電極に電気的に結合され、かつリードに結合された回路とを備え、該回路が、
i)測定装置から受け取った制御信号に従って所定の電気信号を生成すること、
ii)電極に印加される電気信号の指示を提供すること、
iii)電極において測定される電気信号の指示を提供することのうちの少なくとも一つを行う装置。
【請求項2】
前記回路が電気的接点を備えた回路基板上に設けられ、使用中、前記コネクタが該電気的接点と隣接するように電極の少なくとも一部に押し付けられる請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタが、変位アームを含む請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記回路が、バッファ回路を含み、該バッファ回路が
a)電極において電圧信号を検出し、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を測定装置に転送する請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記回路が、電流源回路を含み、該電流源回路が
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電極パッドに印加し、
d)印加した信号の指示を測定装置に転送する請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
電極を備え、該電極が、
a)電極基板と、
b)電極を基板に電気的に結合するための導電性材料を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記電極基板が導電性であり、使用中、前記コネクタにより前記回路が該電極基板に結合される、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、湾曲した端部を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングが
a)低摩擦係数を有する材料と、
b)弾性材料のうちの少なくとも一つから形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)前記符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する方法。
【請求項11】
前記符号化値は校正のために用いられる請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記符号化値は抵抗値から決定される請求項10または請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記符号化値が、リードの識別を示す請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
処理システム内で、決定された抵抗を用いて対象に印加される電流を制御する請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記符号化値がリード識別子であり、処理システム内で、
a)前記リード識別子を用いてインピーダンス測定手順を決定し、
b)決定されたインピーダンス測定手順を実行する請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
処理システム内で、
a)決定した識別と一つ以上の所定の識別とを比較し、
b)成功した比較に応じて対象のインピーダンスを決定する請求項15記載の方法。
【請求項17】
処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するリード識別子を決定し、
b)前記リード識別子を用いてリードの使用法を決定し、
c)前記リードの使用法と閾値とを比較し、
d)比較結果に従って、
i)警告を生成すること、
ii)インピーダンス測定手順を終了すること、
iii)インピーダンス測定手順を実行することのうちの少なくとも一つを行う請求項15記載の方法。
【請求項18】
処理システム内で、
a)対象から測定される電気信号を処理し、一つ以上のインピーダンス値を決定すること、
b)決定したインピーダンス値を処理することのうちの少なくとも一つを備える請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記符号化値が、格納部内に格納される請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
対象上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
a)対象に結合した電極に接続し、符号化値を含む少なくとも一つのリードと、
b)前記少なくとも一つのリードに結合された処理システムであって、
i)符号化値を決定し、
ii)前記符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムとを備える装置。
【請求項21】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項20記載の装置。
【請求項22】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)前記電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する方法。
【請求項23】
少なくとも四つの電極であって、各々が個々の識別子を有する少なくとも四つの電極を用いてインピーダンス測定を実行し、処理システム内で、
a)各電極に対する電極識別子を決定し、
b)各電極識別子を用いて各電極に対する電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記処理システム内で、
a)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極に信号を印加し、
b)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極から信号を測定する請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記処理システム内で、電極上に設けられた一つ以上の接点の間の導通を選択的に測定することによって、電極用の電極識別子を決定する請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記処理システムが信号生成器とセンサに結合され、処理システム内で、
a)前記信号生成器と少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象に信号を印加し、
b)前記センサと少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象から信号を測定する請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
処理システム内で多重化器を制御して、前記信号生成器と前記センサのうちの少なくとも一つとリードを選択的に相互接続する請求項26記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの電極が、対象上の前記少なくとも一つの電極の位置を示す視覚的指示部を含む請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
対象上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
処理システムを備え、該処理システムは、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)前記電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する装置。
【請求項30】
請求項22〜28のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項29記載の装置。
【請求項31】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法であって、処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)前記命令を少なくとも部分的に用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う方法。
【請求項32】
前記構成データが、命令を含む請求項31記載の方法。
【請求項33】
処理システム内で、
a)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能の指示を決定し、
b)前記少なくとも一つの機能の指示を用いて命令を決定する請求項31または請求項32記載の方法。
【請求項34】
処理システム内で、受け取った前記構成データを復号化する請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
処理システム内で、
a)測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)前記機器識別子を用いて鍵を決定し、
c)前記鍵を用いて受け取った前記構成データを復号化する請求項34記載の方法。
【請求項36】
処理システムが第一および第二処理システムを含み、
a)前記第一処理システム内で前記構成データを用いて命令を選択し、
b)前記第二処理システム内で選択した命令を用いて制御信号を生成する請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記第一処理システム内で、
a)命令を前記第二処理システムに転送すること、
b)前記第二処理システムが格納部からの命令にアクセスすることのうちの少なくとも一つを備える請求項36記載の方法。
【請求項38】
処理システム内で、コンピュータシステムと通信ネットワークのうちの少なくとも一つから前記構成データを受け取る請求項37記載の方法。
【請求項39】
処理システム内で、
a)使用者によって選択された機能が利用可能であるかどうかを決定し、
b)機能が利用可能でない場合、使用者が該機能を有効することを希望するかどうかを決定し、
c)使用者が機能を有効することを希望する場合、前記構成データを受け取る請求項31〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
処理システム内で、
a)使用者に機器提供者への支払いを連絡し、
b)支払いに応じて前記構成データを受け取る請求項39記載の方法。
【請求項41】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置であって、処理システムを備え、該処理システムが
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)前記命令を少なくとも部分的に用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う装置。
【請求項42】
請求項31〜40のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項41記載の装置。
【請求項43】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法であって、コンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、該構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用する方法。
【請求項44】
コンピュータシステム内で、
a)構成される測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)前記機器識別子を用いて、
i)測定機器に前記構成データを転送すること、
ii)前記構成データを暗号化することのうちの少なくとも一つを行う請求項43記載の方法。
【請求項45】
コンピュータシステム内で、
a)測定機器の使用者によって行われた支払いと、
b)機能の承認とのうちの少なくとも一つに応じて、前記構成データを必要とするかどうかを決定する請求項43または請求項44記載の方法。
【請求項46】
コンピュータシステム内で、
a)少なくとも一つの領域内で少なくとも一つの機能の規制承認を決定し、
b)少なくとも一つの領域内で少なくとも一つの測定機器を決定し、
c)少なくとも一つの測定機器を構成する請求項45記載の方法。
【請求項47】
請求項31〜40のいずれか1項に記載の方法で用いられる請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置であって、コンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが前記構成データを受け取り、前記構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にする装置。
【請求項49】
請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項48記載の装置。
【請求項50】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象を介して測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す方法。
【請求項51】
処理システム内で、
a)対象の動物の種類を決定し、
b)動物の種類に従って閾値を選択する請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記閾値が、
a)前記第二信号の最小強度と、
b)前記第二信号の最小信号対雑音比のうちの少なくとも一つを示す請求項50または請求項51記載の方法。
【請求項53】
処理システム内で、
a)少なくとも一つの第一信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
b)前記少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
c)比較結果に依存して、インピーダンス測定を選択的に終了する請求項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記閾値が、前記第一信号の最大強度を示す請求項53記載の方法。
【請求項55】
対象物上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
処理システムを備え、該処理システムは
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象を介して測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)前記少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いて、ステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す装置。
【請求項56】
強度可変電流源を備える請求項55記載の装置。
【請求項57】
請求項50〜54のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項55または請求項56記載の装置。
【請求項58】
インピーダンス測定手順内で使用するための電極を提供する方法であって、
a)基板上に、
i)複数の導電性接点パッドと、
ii)対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる、導電性トラックとを提供し、
b)前記基板に複数の開口部を含む絶縁層を形成し、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部に位置合わせされた状態でトラックが重ね合わされるように前記絶縁層を配置し、
c)前記開口部内に導電性媒体を設けることを含む方法。
【請求項59】
前記導電性媒体が導電性ゲルから形成される請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記導電性ゲルが、銀/塩化銀ゲルである請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記絶縁層上に被覆層を提供し、前記導電性媒体を被覆する請求項58〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記絶縁層が、前記被覆層と取り外し可能に係合する接着面を有する請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記基板が細長い基板であり、該基板の長手方向に沿って接点パッドを位置合わせする請求項58〜62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
a)スクリーン印刷と、
b)インクジェット印刷と、
c)蒸着の少なくとも一つを用いて、トラックと接点パッドを提供する請求項58〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記トラックと前記接点パッドが銀から形成される請求項58〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
a)プラスチック高分子をシールド材料と重ね合わせ、
b)前記シールド材料を絶縁材料で被覆することによって基板を形成する請求項58〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
インピーダンス測定手順内で使用するための電極であって、
a)基板であって、
i)前記基板上に設けられた複数の導電性接点パッドと、
ii)前記基板上に設けられた対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる導電性トラックとを含む基板と、
b)基板上に設けられ、複数の開口部を含む絶縁層であって、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部に位置合わせされた状態でトラックが重ね合わせられるように配置された絶縁層と、
c)前記開口部内に設けられた導電性媒体とを備える電極。
【請求項68】
請求項58〜66のいずれか1項に記載の方法を用いて形成された請求項67記載の電極。
【請求項1】
測定装置を電極に接続するための装置であって、
a)ハウジングを電極に結合するためのコネクタを有するハウジングと、
b)ハウジングに搭載され、コネクタを用いて電極に電気的に結合され、かつリードに結合された回路とを備え、該回路が、
i)測定装置から受け取った制御信号に従って所定の電気信号を生成すること、
ii)電極に印加される電気信号の指示を提供すること、
iii)電極において測定される電気信号の指示を提供することのうちの少なくとも一つを行う装置。
【請求項2】
前記回路が電気的接点を備えた回路基板上に設けられ、使用中、前記コネクタが該電気的接点と隣接するように電極の少なくとも一部に押し付けられる請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタが、変位アームを含む請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記回路が、バッファ回路を含み、該バッファ回路が
a)電極において電圧信号を検出し、
b)電圧信号のフィルタ処理と増幅を行い、
c)フィルタ処理と増幅を行った電圧信号を測定装置に転送する請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記回路が、電流源回路を含み、該電流源回路が
a)一つ以上の制御信号を受け取り、
b)制御信号のフィルタ処理と増幅を行い、一つ以上の電流信号を生成し、
c)電流信号を電極パッドに印加し、
d)印加した信号の指示を測定装置に転送する請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
電極を備え、該電極が、
a)電極基板と、
b)電極を基板に電気的に結合するための導電性材料を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記電極基板が導電性であり、使用中、前記コネクタにより前記回路が該電極基板に結合される、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、湾曲した端部を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングが
a)低摩擦係数を有する材料と、
b)弾性材料のうちの少なくとも一つから形成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連する符号化値を決定し、
b)前記符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する方法。
【請求項11】
前記符号化値は校正のために用いられる請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記符号化値は抵抗値から決定される請求項10または請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記符号化値が、リードの識別を示す請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
処理システム内で、決定された抵抗を用いて対象に印加される電流を制御する請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記符号化値がリード識別子であり、処理システム内で、
a)前記リード識別子を用いてインピーダンス測定手順を決定し、
b)決定されたインピーダンス測定手順を実行する請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
処理システム内で、
a)決定した識別と一つ以上の所定の識別とを比較し、
b)成功した比較に応じて対象のインピーダンスを決定する請求項15記載の方法。
【請求項17】
処理システム内で、
a)少なくとも一つの電極リードに関連するリード識別子を決定し、
b)前記リード識別子を用いてリードの使用法を決定し、
c)前記リードの使用法と閾値とを比較し、
d)比較結果に従って、
i)警告を生成すること、
ii)インピーダンス測定手順を終了すること、
iii)インピーダンス測定手順を実行することのうちの少なくとも一つを行う請求項15記載の方法。
【請求項18】
処理システム内で、
a)対象から測定される電気信号を処理し、一つ以上のインピーダンス値を決定すること、
b)決定したインピーダンス値を処理することのうちの少なくとも一つを備える請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記符号化値が、格納部内に格納される請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
対象上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
a)対象に結合した電極に接続し、符号化値を含む少なくとも一つのリードと、
b)前記少なくとも一つのリードに結合された処理システムであって、
i)符号化値を決定し、
ii)前記符号化値を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する処理システムとを備える装置。
【請求項21】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項20記載の装置。
【請求項22】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)前記電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する方法。
【請求項23】
少なくとも四つの電極であって、各々が個々の識別子を有する少なくとも四つの電極を用いてインピーダンス測定を実行し、処理システム内で、
a)各電極に対する電極識別子を決定し、
b)各電極識別子を用いて各電極に対する電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記処理システム内で、
a)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極に信号を印加し、
b)決定した電極位置に従って少なくとも二つの電極から信号を測定する請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記処理システム内で、電極上に設けられた一つ以上の接点の間の導通を選択的に測定することによって、電極用の電極識別子を決定する請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記処理システムが信号生成器とセンサに結合され、処理システム内で、
a)前記信号生成器と少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象に信号を印加し、
b)前記センサと少なくとも二つの電極リードを選択的に相互接続し、対象から信号を測定する請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
処理システム内で多重化器を制御して、前記信号生成器と前記センサのうちの少なくとも一つとリードを選択的に相互接続する請求項26記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一つの電極が、対象上の前記少なくとも一つの電極の位置を示す視覚的指示部を含む請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
対象上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
処理システムを備え、該処理システムは、
a)対象上に設けられた少なくとも一つの電極に関連する電極識別子を決定し、
b)前記電極識別子を用いて対象上の少なくとも一つの電極の位置を示す電極位置を決定し、
c)前記電極位置を用いて少なくとも一つのインピーダンス測定を実行する装置。
【請求項30】
請求項22〜28のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項29記載の装置。
【請求項31】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法であって、処理システム内で、
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)前記命令を少なくとも部分的に用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う方法。
【請求項32】
前記構成データが、命令を含む請求項31記載の方法。
【請求項33】
処理システム内で、
a)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能の指示を決定し、
b)前記少なくとも一つの機能の指示を用いて命令を決定する請求項31または請求項32記載の方法。
【請求項34】
処理システム内で、受け取った前記構成データを復号化する請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
処理システム内で、
a)測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)前記機器識別子を用いて鍵を決定し、
c)前記鍵を用いて受け取った前記構成データを復号化する請求項34記載の方法。
【請求項36】
処理システムが第一および第二処理システムを含み、
a)前記第一処理システム内で前記構成データを用いて命令を選択し、
b)前記第二処理システム内で選択した命令を用いて制御信号を生成する請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記第一処理システム内で、
a)命令を前記第二処理システムに転送すること、
b)前記第二処理システムが格納部からの命令にアクセスすることのうちの少なくとも一つを備える請求項36記載の方法。
【請求項38】
処理システム内で、コンピュータシステムと通信ネットワークのうちの少なくとも一つから前記構成データを受け取る請求項37記載の方法。
【請求項39】
処理システム内で、
a)使用者によって選択された機能が利用可能であるかどうかを決定し、
b)機能が利用可能でない場合、使用者が該機能を有効することを希望するかどうかを決定し、
c)使用者が機能を有効することを希望する場合、前記構成データを受け取る請求項31〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
処理システム内で、
a)使用者に機器提供者への支払いを連絡し、
b)支払いに応じて前記構成データを受け取る請求項39記載の方法。
【請求項41】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置であって、処理システムを備え、該処理システムが
a)少なくとも一つの機能を示す構成データを受け取り、
b)前記構成データを用いて少なくとも一つの機能を表す命令を決定し、
c)前記命令を少なくとも部分的に用いて、
i)インピーダンス測定の実行と、
ii)インピーダンス測定の解析のうちの少なくとも一つを行う装置。
【請求項42】
請求項31〜40のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項41記載の装置。
【請求項43】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する方法であって、コンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが構成データを受け取り、該構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用する方法。
【請求項44】
コンピュータシステム内で、
a)構成される測定機器に関連する機器識別子を決定し、
b)前記機器識別子を用いて、
i)測定機器に前記構成データを転送すること、
ii)前記構成データを暗号化することのうちの少なくとも一つを行う請求項43記載の方法。
【請求項45】
コンピュータシステム内で、
a)測定機器の使用者によって行われた支払いと、
b)機能の承認とのうちの少なくとも一つに応じて、前記構成データを必要とするかどうかを決定する請求項43または請求項44記載の方法。
【請求項46】
コンピュータシステム内で、
a)少なくとも一つの領域内で少なくとも一つの機能の規制承認を決定し、
b)少なくとも一つの領域内で少なくとも一つの測定機器を決定し、
c)少なくとも一つの測定機器を構成する請求項45記載の方法。
【請求項47】
請求項31〜40のいずれか1項に記載の方法で用いられる請求項43〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
対象のインピーダンスを測定するための測定機器を構成する装置であって、コンピュータシステム内で、
a)測定機器に必要とされ、少なくとも一つの機能を示す構成データを決定し、
b)測定機器内の処理システムが前記構成データを受け取り、前記構成データに応じて測定機器を構成し、少なくとも一つの機能を使用可能にする装置。
【請求項49】
請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項48記載の装置。
【請求項50】
対象上でインピーダンス測定を実行する方法であって、処理システム内で、
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象を介して測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いてステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す方法。
【請求項51】
処理システム内で、
a)対象の動物の種類を決定し、
b)動物の種類に従って閾値を選択する請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記閾値が、
a)前記第二信号の最小強度と、
b)前記第二信号の最小信号対雑音比のうちの少なくとも一つを示す請求項50または請求項51記載の方法。
【請求項53】
処理システム内で、
a)少なくとも一つの第一信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
b)前記少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
c)比較結果に依存して、インピーダンス測定を選択的に終了する請求項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記閾値が、前記第一信号の最大強度を示す請求項53記載の方法。
【請求項55】
対象物上でインピーダンス測定を実行するための装置であって、
処理システムを備え、該処理システムは
a)対象に第一信号を印加し、
b)対象を介して測定される少なくとも一つの第二信号に関する少なくとも一つのパラメータを決定し、
c)前記少なくとも一つのパラメータを少なくとも一つの閾値と比較し、
d)比較結果に依存して、強度が増大した第一信号を用いて、ステップ(a)〜(d)を選択的に繰り返す装置。
【請求項56】
強度可変電流源を備える請求項55記載の装置。
【請求項57】
請求項50〜54のいずれか1項に記載の方法を実行するための請求項55または請求項56記載の装置。
【請求項58】
インピーダンス測定手順内で使用するための電極を提供する方法であって、
a)基板上に、
i)複数の導電性接点パッドと、
ii)対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる、導電性トラックとを提供し、
b)前記基板に複数の開口部を含む絶縁層を形成し、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部に位置合わせされた状態でトラックが重ね合わされるように前記絶縁層を配置し、
c)前記開口部内に導電性媒体を設けることを含む方法。
【請求項59】
前記導電性媒体が導電性ゲルから形成される請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記導電性ゲルが、銀/塩化銀ゲルである請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記絶縁層上に被覆層を提供し、前記導電性媒体を被覆する請求項58〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記絶縁層が、前記被覆層と取り外し可能に係合する接着面を有する請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記基板が細長い基板であり、該基板の長手方向に沿って接点パッドを位置合わせする請求項58〜62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
a)スクリーン印刷と、
b)インクジェット印刷と、
c)蒸着の少なくとも一つを用いて、トラックと接点パッドを提供する請求項58〜63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記トラックと前記接点パッドが銀から形成される請求項58〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
a)プラスチック高分子をシールド材料と重ね合わせ、
b)前記シールド材料を絶縁材料で被覆することによって基板を形成する請求項58〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
インピーダンス測定手順内で使用するための電極であって、
a)基板であって、
i)前記基板上に設けられた複数の導電性接点パッドと、
ii)前記基板上に設けられた対応する数の導電性トラックであって、各トラックが基板の端部から各接点パッドまで延びる導電性トラックとを含む基板と、
b)基板上に設けられ、複数の開口部を含む絶縁層であって、各接点パッドの少なくとも一部が各開口部に位置合わせされた状態でトラックが重ね合わせられるように配置された絶縁層と、
c)前記開口部内に設けられた導電性媒体とを備える電極。
【請求項68】
請求項58〜66のいずれか1項に記載の方法を用いて形成された請求項67記載の電極。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図12I】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図12I】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−106141(P2012−106141A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58774(P2012−58774)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【分割の表示】特願2008−518566(P2008−518566)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(505186876)インぺディメッド リミテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】IMPEDIMED LIMITED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【分割の表示】特願2008−518566(P2008−518566)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(505186876)インぺディメッド リミテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】IMPEDIMED LIMITED
【Fターム(参考)】
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