説明

監視システム

【課題】対象に対してインピーダンス測定を実行する方法を提供する。
【解決手段】処理システムにおいて、a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定する測定決定工程と、b)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信するデータ受信工程と、c)同1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定する値処理工程と、d)同1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成する表現生成工程と、を含み、値処理工程および表現生成工程のうちの1つ以上は同1つ以上のインピーダンス測定にしたがって実行される方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物学的パラメータを監視するための方法および装置に関する。詳細には、本発明はインピーダンス測定を実行するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心機能など、対象に関する生物学的パラメータを決定するための既存の一技術には、生体電気インピーダンスの使用が含まれる。これには、皮膚表面に配置された一連の電極を用いて、対象の身体の電気インピーダンスを測定することが含まれる。身体表面での電気インピーダンスの変化は、体液レベルの変化など、心周期または浮腫に関連したパラメータを決定するために用いられる。
【0003】
したがって、測定値を確実に解釈することを可能とするには、複雑な信号処理が必要である。通常、これを達成するためのデバイスでは、特有用途向けの独自のハードウェア構成が利用される。その結果、通常、限られた範囲の環境でしか、そのデバイスを用いることができない。
【0004】
リンパ浮腫は、正常なリンパ負荷の存在する場合のリンパ液輸送能の減少、組織タンパク質分解能の減少、またはその両方の結果である、組織における過剰なタンパク質および浮腫を特徴とする状態である。後天性の、すなわち、二次的なリンパ浮腫は、損傷を受けたまたは閉塞したリンパ管によって起きる。最も一般的な発現事象は手術や放射線療法である。しかしながら、リンパ浮腫の発症は予測不能であり、その原因から数日以内に発現する場合もあり、その原因から後の何年も期間のいずれかの時点で発現する場合もある。
【0005】
特許文献1には、単一の低周波交流電流で、同じ対象の2つの異なる解剖学的領域において生体電気インピーダンスを測定することによって、浮腫を検出する方法が記載されている。この2つの測定値を分析し、正規母集団から取得されたデータと比較することによって、組織浮腫の存在の指標が取得される。
【0006】
生体電気インピーダンス測定の分析についての他の既知の方法には、測定した信号の位相および振幅の値を決定することが含まれる。振幅の測定は簡単であるが、位相の測定はより複雑であるため、必要な装置は高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第00/79255号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実行可能な様々な種類のインピーダンス測定を考慮して、インピーダンス監視ユニットのオペレータはその動作に関して豊富な知識を有する必要がある。詳細には、オペレータは電極を取り付ける場所や、電極を監視ユニットに接続する方法を知っている必要がある。また、監視処理の途中に接続を変化させることの必要な場合があり、多くの場合、この処理は困難である。
【0009】
状況によっては、装置が1つの形式のインピーダンス分析しか行わないように適合されており、その結果、続いてオペレータによって解釈される標準出力を与える。しかしながら、異なる動作モードを選択可能である場合、装置のオペレータは選択した測定モードに
関連した任意の複雑な事項を知っている必要があり、また、利用可能な異なる出力を解釈できる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行する方法を提供する。この方法は、処理システムにおいて、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定する工程と、
b)決定したインピーダンス測定に関連した1つ以上の電極配置を決定する工程と、
c)電極配置を表す表現を表示する工程と、
d)表示した表現にしたがって電極が配置されたら、インピーダンス測定を実行させる工程と、を含む。
【0011】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)表示した配置にしたがって電極が配置されていることを示す入力命令を受信する工程と、
b)受信した入力命令にしたがってインピーダンス測定を実行させる工程と、を含む。
【0012】
典型的には、表現は、
a)1組の電極の位置、および、
b)処理システムと複数組の電極との間のリード接続、を表す。
【0013】
典型的には、表現は各リード接続に対するそれぞれの色指標を含み、色指標はそれぞれのリードに対する色を表す。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)一連の測定を決定する工程と、
b)一連の表現を生成する工程と、各表現はそれぞれの測定を実行するためのそれぞれの電極配置を定義することと、を含む。
【0014】
典型的には、各測定は対応する身体区分に対して実行される。
典型的には、この方法は、
a)インピーダンス測定種類を決定する工程と、
b)決定したインピーダンス測定種類を用いて、インピーダンス測定プロファイルを決定する工程と、プロファイルは実行される1つ以上のインピーダンス測定を表すことと、を含む。
【0015】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)利用可能なインピーダンス測定種類の指標を表示する工程と、
b)オペレータからの入力命令にしたがって、利用可能なインピーダンス測定種類のうちのそれぞれを決定する工程と、を含む。
【0016】
典型的には、インピーダンス測定種類は、
a)心機能に関する1つ以上のパラメータ、
b)浮腫の存在、欠如または程度、
c)身体組成に関する1つ以上のパラメータ、
d)対象の体内総水分量、および、
e)対象の除脂肪体重(FFM)、のうちの1つ以上を決定するためのものである。
【0017】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信する工程と、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値の表現を生成する工程と、を含む。
【0018】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき表現種類を選択する工程と、
b)選択した表現種類にしたがって表現を生成する工程と、を含む。
【0019】
典型的には、表現は、
a)ウェッセル・プロット、
b)アルガン図、
c)インピーダンス値の一覧、
d)リアクタンス対周波数プロット、および、
e)抵抗対周波数プロット、のうちの1つ以上の形式である。
【0020】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信する工程と、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定する工程と、
c)1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成する工程と、を含む。
【0021】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき処理動作を決定する工程と、
b)決定した処理動作にしたがって1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程と、を含む。
【0022】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)対象に関する1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、
b) i)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、実行されるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、を含む。
【0023】
典型的には、対象パラメータは、
a)ある状態の存在、欠如または程度の指標、
b)介入の指標、
c)ある状態のリスクを有する身体区分の指標、
d)年齢、
e)身長、
f)体重、および、
g)性別、のうちの1つ以上である。
【0024】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、遠隔データベースから1つ以上の対象パラメータを決定する工程を含む。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)対象の識別情報を表すユニークな識別子を決定する工程と、
b)ユニークな識別子を用いて、1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、を含む。
【0025】
典型的には、処理システムは符号化データを表面から感知するための読取機に接続されており、この方法は、処理システムにおいて、
a)読取機から指標データを受信する工程と、指標データはユニークな識別子を表しており、かつ、対象識別デバイスに対して提供される符号化データを感知することによって
決定されることと、
b)指標データを用いて、ユニークな識別子を決定する工程と、を含む。
【0026】
典型的には、対象識別デバイスは符号化データの配置されたブレスレットである。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上の基準の利用可能性を決定する工程と、
b) i)決定した利用可能性にしたがって、実行させるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した利用可能性にしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、を含む。
【0027】
典型的には、電極の配置は等電位理論にしたがって実行される。
典型的には、電極の配置は、
a)測定されている肢部上に配置された第1の電流供給電極と、
b)対象の測定されている肢部と同じ側の第2の肢部上の第2の電流供給電極と、
c)測定されている肢部上に配置された第1の電圧電極と、
d)測定されている肢部の反対の側の第3の肢部上に配置された第2の電圧電極と、を含む。
【0028】
典型的には、処理システムは監視ユニットに接続されており、この方法は、処理システムにおいて、
a)命令を生成する工程と、
b)監視ユニットに命令を転送する工程と、監視ユニットはインピーダンス測定を実行させる命令に応答することと、を含む。
【0029】
典型的には、監視ユニットは、それぞれの身体区分を通じたインピーダンスを測定するように各々適合されている2つ以上のチャネルを備えており、この方法は、処理システムにおいて、各チャネルを用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させる工程を含む。
【0030】
典型的には、監視ユニットはプロセッサを備え、このプロセッサは、
a)命令を受信するため、および、
b)命令を用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させるため、のものである。
【0031】
典型的には、この方法は、
a)1つ以上の励起信号を対象に適用させる工程と、
b)対象を通じて測定された1つ以上の電圧信号を決定する工程と、によってインピーダンス測定を実行させる工程を含む。
【0032】
典型的には、1つ以上の励起信号は、
a)それぞれの周波数を各々有する複数の電流信号、
b)複数の重ね合わせられた周波数から形成される電流信号、のうちの1つ以上である。
【0033】
第2の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行するための装置を提供する。この装置は、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定することと、
b)決定したインピーダンス測定に関連した1つ以上の電極配置を決定することと、
c)電極配置を表す表現を表示することと、
d)表示した表現にしたがって電極が配置されたら、インピーダンス測定を実行させる
ことと、のための処理システムを備える。
【0034】
第3の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行する方法を提供する。この方法は、処理システムにおいて、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定する測定決定工程と、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信するデータ受信工程と、
c)1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定する値処理工程と、
d)1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成する表現生成工程と、
値処理工程および表現生成工程のうちの1つ以上は1つ以上のインピーダンス測定にしたがって実行されることと、からなる。
【0035】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき表現種類を選択する工程と、
b)選択した表現種類にしたがって1つ以上の測定したインピーダンス値の表現を生成する工程と、を含む。
【0036】
典型的には、表現は、
a)ウェッセル・プロット、
b)アルガン図、
c)インピーダンス値の一覧、
d)リアクタンス対周波数プロット、および、
e)抵抗対周波数プロット、のうちの1つ以上の形式である。
【0037】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき処理動作を決定する工程と、
b)決定した処理動作にしたがって1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程と、を含む。
【0038】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)対象に関する1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、
b) i)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、実行されるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、を含む。
【0039】
典型的には、対象パラメータは、
a)ある状態の存在、欠如または程度の指標、
b)介入の指標、
c)ある状態のリスクを有する身体区分の指標、
d)年齢、
e)身長、
f)体重、および、
g)性別、のうちの1つ以上である。
【0040】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上の基準の利用可能性を決定する工程と、
b) i)決定した利用可能性にしたがって、実行させるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した利用可能性にしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値
を処理する工程、のうちの1つ以上と、を含む。
【0041】
第4の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行するための装置を提供する。この装置は、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定することと、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信することと、
c)1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定することと、
d)1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成することと、
処理することおよび表現を生成することのうちの1つ以上は1つ以上のインピーダンス測定にしたがって実行されることと、のための処理システムを備える。
【0042】
別の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行する方法を提供する。この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上のインピーダンス測定種類を決定する工程と、
b)一連のインピーダンス測定を表すプロファイルを決定する工程と、
c)必要な電極配置を表す表現を表示する工程と、
d)インピーダンス測定を実行させる工程と、からなる。
【0043】
典型的には、処理システムは監視ユニットに接続されており、この方法は、処理システムにおいて、
a)命令を生成する工程と、
b)監視ユニットに命令を転送する工程と、監視ユニットはインピーダンス測定を実行させる命令に応答することと、を含む。
【0044】
典型的には、この方法は、プロセッサを備える監視ユニットを用いる工程を含み、このプロセッサは、
a)命令を受信するため、および、
b)命令を用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させるため、のものである。
【0045】
典型的には、この方法は、
a)1つ以上の励起信号を対象に適用させる工程、および、
b)対象を通じて測定された1つ以上の電圧信号を決定する工程、によってインピーダンス測定を実行させる工程を含む。
【0046】
典型的には、1つ以上の励起信号は、
a)それぞれの周波数を各々有する複数の電流信号、および、
b)複数の重ね合わせられた周波数から形成される電流信号、のうちの1つ以上である。
【0047】
典型的には、この方法は、それぞれの身体区分を通じたインピーダンスを測定するように各々適合されている2つ以上のチャネルを備える監視ユニットを用いる工程と、処理システムにおいて、各チャネルを用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させる工程と、を含む。
【0048】
典型的には、各々のチャネルはそれぞれの身体区分を通じたインピーダンスを測定するように適合されており、この方法は、処理システムにおいて、各チャネルを用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させる工程を含む。
【0049】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)利用可能なインピーダンス測定種類の指標を表示する工程と、
b)オペレータからの入力命令にしたがって、利用可能なインピーダンス測定種類のうちのそれぞれを決定する工程と、を含む。
【0050】
典型的には、インピーダンス測定種類は、
a)心機能に関する1つ以上のパラメータ、
b)浮腫の存在、欠如または程度、
c)身体組成に関する1つ以上のパラメータ、
d)対象の体内総水分量、および、
e)対象の除脂肪体重(FFM)、のうちの1つ以上を決定するためのものである。
【0051】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)対象に関する1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、
b) i)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、実行されるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、 を含む。
【0052】
典型的には、対象パラメータは、
a)ある状態の存在、欠如または程度の指標、
b)介入の指標、
c)ある状態のリスクを有する身体区分の指標、
d)年齢、
e)身長、
f)体重、および、
g)性別、のうちの1つ以上である。
【0053】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、遠隔データベースから1つ以上の対象パラメータを決定する工程を含む。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)対象の識別情報を表すユニークな識別子を決定する工程と、
b)ユニークな識別子を用いて、1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、を含む。
【0054】
典型的には、処理システムは符号化データを表面から感知するための読取機に接続されており、この方法は、処理システムにおいて、
a)読取機から指標データを受信する工程と、指標データはユニークな識別子を表しており、かつ、対象識別デバイスに対して提供される符号化データを感知することによって決定されることと、
b)指標データを用いて、ユニークな識別子を決定する工程と、を含む。
【0055】
典型的には、対象識別デバイスは符号化データの配置されたブレスレットである。
第5の一般形態において、本発明では、対象に対してインピーダンス測定を実行するための装置を提供する。この装置は、
a)1つ以上のインピーダンス測定種類を決定することと、
b)一連のインピーダンス測定を表すプロファイルを決定する工程と、
c)必要な電極配置を表す表現を表示することと、
d)インピーダンス測定を実行させることと、のための処理システムを備える。
【0056】
第6の一般形態において、本発明では、対象のインピーダンス分析において用いられる
処理システムを構成するための方法を提供する。この方法は、処理システムにおいて、
a)1つ以上の機能を表す構成データを受信する工程と、
b)構成データを用いて、1つ以上の機能を表す命令を決定する工程と、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行、および、
ii)インピーダンス測定の分析、のうちの1つ以上を行わせる工程と、からなる。
【0057】

典型的には、構成データは命令を含む。
a)構成データを用いて、1つ以上の機能の指標を決定する工程と、
b)1つ以上の機能の指標を用いて、命令を決定する工程と。
【0058】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、受信した構成データを解読する工程を含む。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)処理システムに関連したデバイス識別子を決定する工程と、
b)デバイス識別子を用いて、鍵を決定する工程と、
c)鍵を用いて、受信した構成データを解読する工程と、を含む。
【0059】
典型的には、処理システムは第1の処理システムおよび第2の処理システムを備え、この方法は、
a)第1の処理システムにおいて、構成データを用いて、命令を選択する工程と、
b)第2の処理システムにおいて、選択した命令を用いて、制御信号を生成する工程と、を含む。
【0060】
典型的には、この方法は、処理第1システムにおいて、
a)第2の処理システムへ命令を転送する工程と、
b)第2の処理システムに格納部からの命令にアクセスさせる工程と、を含む。
【0061】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、コンピュータシステムおよび通信ネットワークのうちの1つ以上から構成データを受信する工程を含む。
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)ユーザによって選択された機能が利用可能であるか否かを判定する工程と、
b)機能が利用可能でない場合、機能を使用可能とすることをユーザが所望するか否かを判定する工程と、
c)機能を使用可能とすることをユーザが所望する場合、構成データを受信させる工程と、を含む。
【0062】
典型的には、この方法は、処理システムにおいて、
a)ユーザにデバイスプロバイダへ決済を行わせる工程と、
b)決済に応じて構成データを受信する工程と、を含む。
【0063】
第7の一般形態において、本発明では、対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための装置を提供する。この装置は、
a)1つ以上の機能を表す構成データを受信することと、
b)構成データを用いて、1つ以上の機能を表す命令を決定することと、
c)少なくとも部分的に命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行、および、
ii)インピーダンス測定の分析、のうちの1つ以上を行わせることと、のための処理システムを備える。
【0064】
典型的には、処理システムは少なくとも部分的に
a)終端局、および、
b)測定デバイス、のうちの1つ以上を形成する。
【0065】
第8の一般形態において、本発明では、対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための方法を提供する。この方法は、コンピュータシステムにおいて、
a)処理システムに必要な構成データを決定する工程と、構成データは1つ以上の機能を表すことと、
b)処理システムによって構成データを受信させる工程と、処理システムは構成データに応答して、i)インピーダンス測定の実行、および、ii)インピーダンス測定の分析のうちの1つ以上を行わせることと、からなる。
【0066】
典型的には、この方法は、コンピュータシステムにおいて、
a)構成される処理システムに関連したデバイス識別子を決定する工程と、
b)デバイス識別子を用いて、i)処理システムへの構成データの転送、および、ii)構成データの暗号化のうちの1つ以上を行う工程と、を含む。
【0067】
典型的には、この方法は、コンピュータシステムにおいて、
a)処理システムのユーザによって行なわれた決済、および、
b)機能の承認のうちの1つ以上に応答して、構成データが必要であることを決定する工程を含む。
【0068】
典型的には、この方法は、コンピュータシステムにおいて、
a)1つ以上の領域における1つ以上の機能の規制承認を決定する工程と、
b)1つ以上の領域における1つ以上の処理システムを決定する工程と、
c)1つ以上の処理システムを構成する工程と、を含む。
【0069】
第9の一般形態において、本発明では、対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための装置を提供する。この方法は、コンピュータシステムにおいて、
a)処理システムに必要な構成データを決定する工程と、構成データは1つ以上の機能を表すことと、
b)処理システムによって構成データを受信させる工程と、処理システムは、i)インピーダンス測定の実行、および、ii)インピーダンス測定の分析のうちの1つ以上を行わせる構成データに応答することと、を含む。
【0070】
本発明の一般形態を個別にまたは組み合わせて用いることができること、また、以下に限定されないが、浮腫、肺浮腫、リンパ浮腫、身体組成、心機能など、一連の状態および病気の存在、欠如または程度の診断に用いることができることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】インピーダンス決定装置の一例の概略図。
【図2】インピーダンス決定を実行する処理の一例のフローチャート。
【図3】インピーダンス決定装置の第2の例の概略図。
【図4A】インピーダンス決定を実行する処理の第2の例のフローチャート。
【図4B】インピーダンス決定を実行する処理の第2の例のフローチャート。
【図5】インピーダンス決定を実行する処理の一例のフローチャート。
【図6A】インピーダンス決定を実行する処理の第2の例のフローチャート。
【図6B】インピーダンス決定を実行する処理の第2の例のフローチャート。
【図7A】浮腫分析の処理の一例のフローチャート。
【図7B】浮腫分析の処理の一例のフローチャート。
【図7C】浮腫分析の処理の一例のフローチャート。
【図8A】対象詳細を提供する際に用いられるGUIの一例の図。
【図8B】対象詳細を提供する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9A】対象上に電極を提供する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9B】通常の電極配置の一例の図。
【図9C】通常の電極配置の一例の図。
【図9D】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9E】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9F】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9G】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9H】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図9I】インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図10A】測定されたインピーダンスパラメータを見る際に用いられるGUIの一例の図。
【図10B】測定されたインピーダンスパラメータを見る際に用いられるGUIの一例の図。
【図10C】測定されたインピーダンスパラメータを見る際に用いられるGUIの一例の図。
【図10D】測定されたインピーダンスパラメータを見る際に用いられるGUIの一例の図。
【図11A】基準を選択する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11B】基準を選択する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11C】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11D】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11E】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11F】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11G】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図11H】インピーダンス分析の結果を提示する際に用いられるGUIの一例の図。
【図12】全身体インピーダンス測定を実行する際に用いられるGUIの一例の図。
【図13】測定デバイスを更新するためのシステムアーキテクチャの一例の概略図。
【図14】図3の装置を構成する際に用いられるGUIの概略図。
【図15】測定デバイスを更新する処理の一例の概要のフローチャート。
【図16】測定デバイスを更新する処理の第1の例のフローチャート。
【図17】測定デバイスを更新する処理の第2の例のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0072】
ここで図1を参照して、対象のインピーダンスの分析を実行するのに適切な装置の一例について記載する。
示すように、装置は測定デバイス1を含む。測定デバイス1は、信号生成器11と、センサ12とに接続された処理システム2を備える。使用時には、示すように、信号生成器11およびセンサ12は、対象S上に提供されたそれぞれの電極13,14,15,16
に、リードLを介して接続される。随意の外部インタフェース23を用いて、外部データベースまたはコンピュータシステム、バーコードスキャナなど1つ以上の周辺デバイス4に測定デバイス1を接続することが可能である。
【0073】
使用時には、処理システム2は、信号生成器11に電圧信号または電流信号など1つ以上の交流信号を生成させる制御信号を生成するように適合されている。電極13,14を介して、この交流信号を対象Sに適用することが可能である。次に、センサ12は、電極15,16を用いて、対象Sを通じた電圧または電流を決定し、処理システム2に適切な信号を転送する。
【0074】
したがって、処理システム2は、適切な制御信号を生成し、測定された信号の指標を解釈することによって対象の生体電気インピーダンスを決定するのに適切な、また随意で、心臓のパラメータ、浮腫の存在、欠如または程度など、他の情報を決定するのに適切な任意の形態の処理システムであってよいことが認識される。
【0075】
したがって、処理システム2は、ラップトップ、デスクトップ、PDA、スマートホンなど、適切にプログラムされたコンピュータシステムであってもよい。これに代えて、処理システム2は特殊化したハードウェアから形成されてもよい。同様に、I/Oデバイスは、タッチスクリーン、キーパッドおよびディスプレイなど、任意の適切な形態であってよい。
【0076】
処理システム2、信号生成器11およびセンサ12は共通のハウジングへ統合され、したがって、統合されたデバイスを形成してもよいことが認識される。これに代えて、処理システム2は、有線接続または無線接続を介して信号生成器11およびセンサ12に接続されてもよい。これによって、信号生成器11およびセンサ12に対して遠隔的に処理システム2を提供することが可能となる。このように、処理システム2が対象Sに対して遠隔的に配置されるとともに、信号生成器11およびセンサ12は対象Sの近くのユニットにより提供されてもよく、対象Sによって装着されてもよい。
【0077】
一例では、外側の対の電極13,14は、対象Sの胸部および頚部の領域に配置される。しかしながら、これは実行されている分析の性質に応じて異なる。したがって、例えば、この電極配置は心機能分析に適切であるが、リンパ浮腫では、必要とされるように、通常、電極は肢部に配置される。
【0078】
電極が配置されると、対象Sに交流信号が適用される。これは、交流信号を複数の周波数にて同時に適用することによって実行されてもよく、複数の交流信号を異なる周波数にて連続的に適用することによって実行されてもよい。また、適用される信号の周波数範囲も実行されている分析に応じて異なってよい。
【0079】
一例では、適用される信号はクランプその他によって制限された電流源からの周波数豊富な電流であるので、許容可能な最大の対象補助電流を超えない。しかしながら、これに代えて、電圧信号を適用し、対象において誘導される電流を測定してもよい。信号は定電流、インパルス関数または定電圧信号であることが可能であり、許容可能な最大の対象補助物電流を超えないように電流が測定される。
【0080】
内側の対の電極15,16の間で電位差、電流、またはその両方が測定される。獲得した信号および測定した信号は、ECGなど人体によって生成される電位と、適用された電流によって生成される電位との重ね合せである。
【0081】
随意で、内側の対の電極間の距離を測定し、記録してもよい。同様に、身長、体重、年
齢、性別、健康状態、任意の介入、およびそれらの生じた日時など、対象に関する他のパラメータを記録してもよい。現在の治療薬など、他の情報を記録してもよい。
【0082】
インピーダンスの正確な測定を補助するため、電圧感知電極15をリードLに接続するために用いられるコネクタにバッファ回路を配置してもよい。これによって、対象Sの電圧応答を正確に感知することが保証され、特に、リードLの応答による測定した電圧に対する寄与を除去することが支援され、信号損失が低減される。
【0083】
これによって、リードLの移動により引き起こされるアーチファクトは大幅に減少される。透析中には、通常、セッションは数時間続き、この間に対象は動き回って位置を変化させるので、これは特に重要である。
【0084】
さらなる選択肢は、電圧を差動的に測定することである。これは、各電極15,16にて電位を測定するために用いられるセンサが、シングルエンド型の系と比較して半分の電位しか測定する必要がないことを意味する。
【0085】
また、電流測定システムには、電極13,14とリードLとの間のコネクタにバッファが配置されていてもよい。また、一例では、対象Sを通じて対称的に電流を駆動または供給することも可能であり、これによって、やはりコモンモードの電流が半分となることにより、寄生容量が大幅に減少される。対称的なシステムを用いることの別の特別な利点は、各電極13,14のコネクタに組み込まれたマイクロエレクトロニクスによって、対象Sが、したがってリードLが動くときに生じる寄生容量が除去されることである。
【0086】
獲得した信号を復調し、適用される周波数にてシステムのインピーダンスを取得する。重ねられた周波数の復調のための適切な一方法は、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いて、時間領域データを周波数領域データへ変換することである。これは通常、適用される電流信号が適用される周波数の重ね合せであるときに用いられる。測定した信号のウィンドウ化を必要としない別の技術は、スライドウィンドウFFTである。
【0087】
適用される電流信号が異なる周波数のスイープから形成される場合、より典型的には、信号生成器に由来する基準正弦波および余弦波または測定した正弦波および余弦波を測定した信号に乗じること、ならびに全サイクル数を通じて積分することなどの処理技術が用いられる。この処理によって任意の調和応答が除外され、ランダムノイズが著しく減少される。
【0088】
当業者には、他の適切なデジタル・アナログの復調技術が知られている。
インピーダンスまたはアドミタンスの測定値は、記録した電圧および電流信号を比較することによって、各周波数における信号から決定される。復調アルゴリズムによって、各周波数における振幅および位相信号が生成される。
【0089】
ここで図2を参照して、生体インピーダンス分析を実行するための装置の動作の一例について記載する。
工程100にて、処理システム2は制御信号を生成するように動作する。工程110にて、この制御信号が信号生成器11へ提供されることによって、工程120にて、信号生成器に対象Sへ交流信号を適用させる。通常、信号は複数の周波数fの各々において適用され、多重周波数分析の実行を可能とする。
【0090】
工程130にて、センサ12は対象Sを通じた電圧信号を感知する。工程140にて、測定デバイスは対象Sを通じた電圧信号および電流信号をデジタル化しサンプリングするように動作し、工程150にて、それらの信号を用いて対象Sの瞬間生体インピーダンス
値を決定することを可能とする。
【0091】
ここで図3を参照し、装置の特定の一例についてより詳細に記載する。
この例では、処理システム2は第1の処理システム10を備える。第1の処理システム10は、バス24を介して接続された、プロセッサ20、メモリ21、入力/出力(I/O)デバイス22、および外部インタフェース23を有する。また、処理システム2は、処理モジュールの形態である、第2の処理システム17を備える。また、第1、第2の処理システム10,17の作動を制御するために、マイクロロジックコントローラなどのコントローラ19も提供されてよい。
【0092】
使用時には、第1の処理システム10は第2の処理システム17の動作を制御して、様々なインピーダンス測定手続の実装を可能とする。一方、第2の処理システム17は特定の処理タスクを実行することによって、第1の処理システム10上での処理の必要を減少させる。
【0093】
このように、制御信号の生成や、瞬間のインピーダンス値を決定する処理は第2の処理システム17によって実行されるため、第2の処理システム17が独自のハードウェアなどから形成され得る。特定の一例では、第2の処理システム17はフィールドのプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)から形成されるが、磁気論理モジュールなど任意の適切な処理モジュールが用いられてもよい。
【0094】
通常、第1、第2の処理システム10,17およびコントローラ19の動作は、適切な命令の1つ以上の組を用いて制御される。それらの命令は任意の適切な形態であることが可能であり、したがって、ソフトウェア、ファームウェア、組込型システムなどを含んでよい。
【0095】
通常、コントローラ19は、オン/オフのスイッチ(図示せず)の使用によって測定デバイスの作動を検出するように動作する。コントローラがデバイスの作動を検出すると、コントローラ19は所定の命令を実行する。これによって、必要に応じて処理システムへの電力の供給を制御することを含め、第1、第2の処理システム10,17の作動が引き起こされる。
【0096】
次に、第1の処理システム10は、ファームウェアなど、第2の処理システム17によって実装される命令を制御するように動作することが可能であり、これによって、第2の処理システム17の動作が変更される。これに加えて、第1の処理システム10は第2の処理システム17によって決定されたインピーダンスを分析し、生物学的パラメータの決定を可能とするように動作することが可能である。したがって、第1の処理システム10は、適切なアプリケーションソフトウェアを実行し、より詳細に以下に記載する処理の実装を可能とする、独自のハードウェアなどから形成されてよい。
【0097】
第1の処理システム10と第2の処理システム17との間でのこの処理の区分は不可欠なものではないが、以降の記載から明らかとなる多くの利点が存在することが認識される。
【0098】
この例では、示すように、第2の処理システム17は、プログラム可能なモジュール36およびバス35に接続された、PCIブリッジ31を備える。バス35は、処理モジュール32,33,34に接続されている。処理モジュール32,33,34は、それぞれADC(アナログ・デジタル変換器)37,38およびDAC(デジタル・アナログ変換器)39とのインタフェースを行う。
【0099】
プログラム可能なモジュール36はプログラム可能なハードウェアから形成されており、その動作は、通常、第1の処理システム10からダウンロードされる命令を用いて制御される。ハードウェア36の構成を指定するファームウェアは、メモリ21の、フラッシュメモリ(図示せず)に存在してもよく、外部インタフェース23を介して外部の供給源からダウンロードされてもよい。
【0100】
これに代えて、命令は第2の処理システム17上の組込式メモリ内に格納されてもよい。この例では、通常、第1の処理システム10が実装用のファームウェアを選択した後、このファームウェアを第2の処理システム17に実装させる。これは、より詳細に以下に記載するように、ファームウェア内に符号化された機能の選択的な作動を可能とするように達成されてもよく、例えば、構成ファイルなどの構成データまたはアプリケーションソフトウェアもしくはファームウェアなどを表す命令を用いて実行可能である。
【0101】
いずれの場合にも、これは、第1の処理システム10を用いて第2の処理システム17の動作を制御することを可能とし、所定の電流シーケンスが対象Sに適用されることを可能とする。したがって、異なる周波数にて連続的に適用される電流信号の使用と比較して、例えば、電流信号を用いて複数の周波数にて同時にインピーダンスを分析する場合、例えば、複数の重ねられた周波数から形成された電流信号を用いることによって、異なるファームウェアが利用される。
【0102】
ここで図6A〜6Cを参照して、装置の動作の一例について記載する。
工程200にて、オペレータは第1の処理システム10を用いて、インピーダンス測定の種類を選択する。これは複数の手法により達成されてよく、通常、それぞれのインピーダンス測定プロトコルに各々対応する複数の異なるプロファイルを第1の処理システム10に格納させることを含む。
【0103】
したがって、例えば、心機能決定を実行するときには、リンパ浮腫、身体組成、肺浮腫などの測定の実行と比較して、通常、異なる適用される電流シーケンスおよび異なるインピーダンス分析が用いられる。通常、プロファイルはメモリ21に格納される。あるいは、これに代えて、フラッシュメモリ(図示せず)から、または外部インタフェース23を介してダウンロードされてもよい。
【0104】
適切な測定種類がオペレータによって選択されると、これによって、工程210にて、第1の処理システム10に第2の処理システム17のプログラム可能なモジュール36の中へ所望の符号モジュールファームウェアを読み込ませるか、または組込型ファームウェアを作動させる。使用される符号モジュールの種類は好適な実装に応じて異なり、一例では、ウィッシュボーン符号モジュールから形成されるが、これは不可欠ではない。
【0105】
工程220にて、第2の処理システム17を用いて一連のデジタル制御信号を生成する。工程230にて、それらの信号はDAC 39へ転送される。これは、通常、処理モジュール34を用いて、選択したインピーダンス測定プロファイルに基づきモジュールに所定の一連の信号を生成させることによって達成される。したがって、これは、必要な信号をモジュールに生成させるよう、第2の処理システム17に処理モジュール34をプログラムさせることによって達成することが可能である。
【0106】
DAC 39はデジタル制御信号をアナログ制御信号I,Iに変換する。次いで、工程240にて、それらのアナログ制御信号は電流源11に適用される。
上述のように、工程250にて、電流源回路は電気的な制御信号I,Iを増幅しフィルタリングするように動作し、工程260にて、得られた電流信号を電極13,14に適用する。
【0107】
この処理中、随意で工程270にて、スイッチSWを用いて対象を通じる電流回路を短絡させることによって、読取を行う前に対象Sにおける任意の残留電場を放電させることが可能である。
【0108】
工程280にて、測定手続が開始し、対象を通じた電圧が電極15,16から感知される。これに関して、工程290にて、図5に示すバッファ回路を用いて、電極を通じた電圧がフィルタリングおよび増幅され、工程300にて、得られたアナログ電圧信号VがADC 37へ供給され、デジタル化される。同時に、工程310にて、対象Sに適用された電流が検出され、工程320にて、ADC 38を用いてアナログ電流信号Iがデジタル化される。
【0109】
デジタル化された電圧および電流信号V,Iは、工程330にて、処理モジュール32,33によって受信され、工程340にて、信号の予備処理の実行に用いられる。
ここでも、実行された処理はインピーダンス測定プロファイルと、処理モジュール32,33の必然的な構成とに応じて異なる。これは、例えば、電圧信号Vを処理してECG信号を抽出することを含む。また、インピーダンス決定において、適用される周波数fの信号しか用いられないことを確実とするように、通常、信号はフィルタリングされる。これは、ノイズの影響の低減や、必要な処理の量の低減を支援する。
【0110】
工程350にて、第2の処理システム17は処理信号を用いて、各々の適用される周波数fにおける電圧信号および電流信号を決定し、工程360にて、これらを用いて、各々の適用される周波数fにおける瞬間のインピーダンス値を決定する。
【0111】
ADC 37,38および処理モジュール32,33は、通常、電圧信号および電流信号V,Iのサンプリングおよび処理を並行して実行するように適合されているので、対応する適用された電流にて誘導される電圧が同時に分析される。これは、いずれの電圧信号をいずれの適用された周波数で測定したかを決定する必要を回避することによって、処理の必要を減少させる。これは、処理モジュール36によって生成された共通のクロック信号を用いてADC 37,38から受信したデジタル化された信号を処理モジュール32,33にサンプリングさせることによって達成され、これによって信号サンプリングの同期が確実となる。
【0112】
瞬間のインピーダンス値が導出されると、工程370にて、それらの値を第1の処理システム10または第2の処理システム17によってさらに処理することが可能である。瞬間のインピーダンス信号の処理は、用いられる分析の種類に応じて異なる複数の異なる手法により実行され、またこれは工程200にてオペレータによって行われた選択に応じて異なる。
【0113】
したがって、適切な測定種類の選択を行うことによって一定の範囲の様々な電流のシーケンスを対象に適用可能であることが、当業者には認識される。これが実行されると、FPGAは一連の適切な制御信号I,Iを生成するように動作し、これらの制御信号は信号生成器11を用いて対象Sへ適用される。次に、対象を通じて誘導される電圧はセンサ12を用いて感知され、第2の処理システム17によってインピーダンス値が決定および分析されることが可能となる。
【0114】
第2の処理システム17を用いることによって、独自に構成されたハードウェアを用いて大多数の処理を実行することが可能となる。これには多くの利点が存在する。
第1に、第2の処理システム17の使用によって、適切なファームウェアの使用を通じて独自のハードウェア構成を適合させることが可能となる。これによって、単一の測定デ
バイスを用いて、一定の範囲の様々な種類の分析を実行することが可能となる。
【0115】
第2に、これによって第1の処理システム10上での処理の必要が大幅に減少する。これによって、比較的簡単なハードウェアを用いて第1の処理システム10を実装することが可能となる一方、測定デバイスが充分な分析を実行し、インピーダンスの解釈を提供することが可能となる。これには、例えば、「ウェッセル(Wessel)」プロットを生成すること、インピーダンス値を用いて心機能に関するパラメータを決定することや、リンパ浮腫の存在または欠如を決定することが含まれる。
【0116】
第3に、これによって、測定デバイス1を更新することが可能となる。したがって、例えば、改良された分析アルゴリズムが生成される場合、または特定のインピーダンス測定種類に対して改良された電流シーケンスが決定される場合、フラッシュメモリ(図示せず)または外部インタフェース23を介して新たなファームウェアをダウンロードすることによって、測定デバイスを更新することが可能である。
【0117】
上述の例において、処理は部分的には第2の処理システム17によって、また部分的には第1の処理システム10によって実行されることが認識される。しかしながら、FPGAまたはより一般化された処理システムなど、単一の要素によって処理を実行することも可能である。
【0118】
FPGAは独自の処理システムであるので、より一般的な処理システムより動作において効率的な傾向がある。その結果、FPGAが単独で用いられる場合、使用する全処理量を減少させて、電力消費および寸法を低減することが一般に可能である。しかしながら、柔軟度、詳細には、実行可能なインピーダンスの分析および処理の範囲は限られる。
【0119】
反対に、一般的な処理システムしか用いられない場合、効率の減少、必然的な寸法および電力消費の増大を高価にして、柔軟性が強化される。
したがって、上述の例では平衡を取ることによって、部分的な処理を実行するFPGAの形態により独自の処理を提供する。これによって、例えば、インピーダンス値の決定が可能となる。一般により高い自由度を必要とする続く分析は、一般的な処理システムによって実装することが可能である。
【0120】
FPGAを単独で利用することのさらなる欠点は、例えば、改良された処理アルゴリズムが実装される場合、処理を更新する処理を複雑にすることである。
ここで図5を参照して、図3に対する装置を利用するインピーダンス測定を実行する処理の一例について記載する。
【0121】
工程500にて、装置のオペレータは、実行されるインピーダンス測定の種類の詳細を提供する。オペレータは、工程510にて対象に電極を配置した後、工程520にて、装置によって提供される接続命令に基づき、リードを電極に接続する。
【0122】
したがって、通常、この処理は、オペレータに対象に対し複数の電極を配置させ、次に、実行されている特定の測定に基づき複数の電極のうちの選択した電極にリードを接続することを含む。
【0123】
工程530にて、測定デバイス1は、適切な電流シーケンスを生成し、これを電極13,14を介して対象に適用することによって、インピーダンス測定を実行するように動作する。
【0124】
工程540にて、測定デバイス1は、さらなるインピーダンス測定が必要であるか否か
を判定し、さらなるインピーダンス測定が必要である場合、処理は工程520へ戻り、必要に応じてオペレータが複数の電極のうちの異なる電極にリードを接続することを可能とする。必要な分析を実行するために充分なインピーダンス測定値が収集されるまで、この処理は繰り返される。
【0125】
この段階にて、処理は工程550に移り、測定デバイス1はインピーダンス測定を処理し、必要な情報の指標をオペレータに提供するように動作する。
したがって、これが複数の手法により達成されてよいこと、また通常、これが所定のインピーダンス測定手続をオペレータに選択させ、次に、測定デバイス1によって提供される命令に従わせ、インピーダンス測定値が正確に収集されるのを可能とすることを含むことが認識される。
【0126】
ここで、この処理について、インピーダンスデータを収集する処理について記載する図6A,6Bを参照し、より詳細に記載する。
図6Aに示す例では、工程600にて、オペレータは測定デバイス1を作動させ、利用可能な測定種類の一覧を第1の処理システム10に決定させる。利用可能な測定種類はメモリ21から決定されるか、あるいは、外部インタフェース23を介してダウンロードされる。また、適切な命令を提供し、測定デバイス1が必要なインピーダンス測定を実行することを可能とする所定のプロファイルに基づく。
【0127】
このように、例えば、実行されるインピーダンス測定の種類などの因子に応じてプロファイルが異なることが、当業者には認識される。したがって、例えば、浮腫検出と比較して、心臓のパラメータ決定についてのプロファイルは異なる。
【0128】
いずれの場合にも、第1の処理システム10は、適切なGUIを利用して、利用可能な測定種類の一覧をオペレータに表示する。
工程605にて、オペレータは複数の測定種類のうちの適切な測定種類を選択する。これは、第1の処理システム10に、対応するプロファイルへアクセスさせ、年齢、体重、性別、分析される肢部など身体区分の指標などを含む、身体パラメータなどの追加情報が必要であるか否かを判定させる。
【0129】
これに加えて、第1の処理システム10はオペレータが正確な測定種類を選択するのを補助するように適合されることが可能である。例えば、行われる特定の測定は、身体パラメータや、何らかの介入が生じたか否かなど、複数の因子に応じて異なってよい。この例では、オペレータは、身体パラメータ、介入などの詳細を提供することが可能である。次に、第1の処理システム10は、それらを用いて、利用可能な測定種類の詳細にアクセスし、所与の状況において好適な測定種類を決定することが可能である。
【0130】
好適な測定種類の選択は多くの手法により実行可能である。例えば、第1の処理システム10は、異なる環境において用いられる測定プロファイルを指定するLUT(ルックアップテーブル)にアクセスしてもよい。LUTにおける関連は医学の資格を有する者によって定義され、これによって、オペレータが医学的な決定を行う必要を除去することが可能である。これに代えて、第1の処理システム10が現在の身体パラメータおよび介入状態において適切なプロファイルにしかアクセスできないように、プロファイルにより規則を提供することが可能である。
【0131】
これに代えて、測定手続中、医学の資格を有するオペレータによって行われた選択に基づき、ヒューリスティックアルゴリズムを用いて規則を導出することが可能である。この例では、デバイスが用いられるとき、第1の処理システム10が対象の身体パラメータおよび介入状態に関する情報ならびに選択された測定プロファイルを照合し、これを用いて
将来のプロファイル選択において用いられる規則を導出することが認識される。そのようなヒューリスティックアルゴリズムは当技術分野において知られているので、さらに詳細には記載しない。
【0132】
いずれの場合にも、これらの技術によって、対象の年齢、身長、体重、人種、性別などや、現在の介入状態などの因子に基づき、様々な測定プロファイルを選択することが可能となる。
【0133】
実装可能なさらなる機能は、第1の処理システム10が対象に関する決定した情報に対し1つ以上の遠隔データベースにアクセスすることを可能とすることである。この遠隔データベースは周辺デバイス4のうちの1つを形成し得る。この情報には、身体パラメータなどの情報や、任意の介入の詳細などが含まれる。
【0134】
この例では、プロファイル選択の前または後に、オペレータに対象の情報の提供が必要なとき、オペレータは検索データベース選択肢を選択し、対象の情報が読み出されることを可能とする。これは、通常、医療機関への承認の際に個人に対し割り当てられるユニークな番号など、対象の識別子に基づき実行されるが、これに代えて、名前などに基づき実行されてもよい。そのようなデータベースは一般にHL7準拠の遠隔データベースの形態であるが、任意の適切なデータベースが用いられてよい。
【0135】
一例では、対象の識別子を表す符号化されたデータを含むリストバンドなどを、対象に提供することが可能である。この場合、対象識別子を決定するために、測定デバイス1を周辺デバイス4に接続することが可能である。したがって、例えば、データはバーコードの形態であり、周辺デバイス4はバーコードスキャナであってよい。しかしながら、RFID(無線周波数ID)タグなど対象識別子を符号化するために任意の適切な機構が用いられることが認識される。この場合、周辺デバイスは対応する読取機である。
【0136】
この例では、バーコード読取機は対象のリストバンドに提供されたバーコードを検出し、検出したバーコードから対象識別子を決定する。バーコード読取機が感知した対象識別子を表すデータを第1の処理システム10に提供することによって、上述のように第1の処理システム10がデータベースから対象記録にアクセスすることが可能となる。
【0137】
いずれの場合にも、工程610にて、第1の処理システム10は、必要な情報の指標または適切なデータベース検索スクリーンを表示し、工程615にて、オペレータが対象情報の提供または読出を行うことを可能とする。
【0138】
必要な情報が提供されると、工程620にて、第1の処理システム10は測定手続を決定するように動作する。測定手続はプロファイルから決定され、通常、行われる必要のある一連の測定の形態である。
【0139】
また、プロファイルは各々の測定における電極配置の指標と共に、必要な測定値が収集されるように各々の電極構成に適用される必要がある、必要な電流シーケンスの詳細も含む。
【0140】
工程625にて、第1の処理システム10は必要な電極位置の指標を表示し、工程630にて、オペレータが対象に電極を配置することを可能とする。工程635にて、第1の処理システム10はリード接続の指標を決定し、表示する。リード接続は測定される次の身体区分を表し、これはより詳細に以下に記載する適切な表現を利用して達成される。
【0141】
通常、例えば、これは、2つの電流リードと2つの電圧リードとに対応する4つのリー
ドを用いて達成され得る。各々のリードはそれぞれの色を有する。ディスプレイは特定の電極位置を適切な色により強調表示することによって、工程640にて、オペレータが各リードを対応する電極に接続することを可能とする。
【0142】
これが実行されると、第1の処理システム10は、対象に適用される電流シーケンスを決定し、処理モジュールを利用して、これを生成させる。この例では、この処理モジュールは第2の処理システム17である。
【0143】
この例では、第1の処理システム10によって提供される命令を用いて、第2の処理システム17の動作を制御することが可能である。命令は複数の形態のうちのいずれかであってよく、ファームウェア、組込型システム、ソフトウェアなどに相当してよい。ファームウェアが用いられる場合、これは第1の処理システム10によって提供されてもよく、第1の処理システム10からの命令に基づき、必要に応じて第2の処理システム17によって内部または外部のメモリから読み出されてもよい。
【0144】
いずれの場合にも、その命令が第2の処理システム17の構成を指定することによって、インピーダンス測定が正確に行われ、続いて分析されることが可能となる。したがって、上述において選択されたインピーダンス測定プロファイルに応じて命令が異なることが認識される。ファームウェアが用いられる場合、これは、メモリ21の、フラッシュメモリ(図示せず)に存在してもよく、外部インタフェース23を介して外部の供給源からダウンロードされてもよい。
【0145】
工程645にて、第2の処理システム17は、適用される電流の周波数fの各々について、電極を通じた電流、電圧またはその両方を測定した後、工程650にて、測定が完了したことを確認する。
【0146】
所与の電極位置に対する特定の測定シーケンスが完了すると、工程655にて、測定デバイス1はさらなる測定が必要であるか否かを判定するように動作する。さらなる測定が必要な場合、処理は工程635に戻り、測定の実行を可能とする。
【0147】
さらなる測定が不要な場合、選択した測定種類に基づきインピーダンス測定の処理が実行される。分析は、好適な実装に応じて、第1の処理システム10もしくは第2の処理システム17により、あるいは第2の処理システム17または第1の処理システム10の組み合わせにより実行されてよい。いずれの場合にも、通常、第1の処理システム10によって実装されたソフトウェアまたは第2の処理システム17によって用いられるファームウェアは、選択したインピーダンス測定種類に基づき選択され、したがって、インピーダンス測定プロファイルにより示される。
【0148】
その結果、オペレータの観点からは、インピーダンス測定を実行し結果を取得するためにオペレータに必要なのは、それぞれのプロファイルを選択することだけである。詳細には、第1の処理システム10は選択したプロファイルを用いて実行の必要な測定のシーケンスを決定するとともに、必要なシーケンスにおいて電極を位置特定し、それらの電極を接続する際にオペレータに指示を行うように動作する。
【0149】
また、第1の処理システム10は、分析を実行するために必要なソフトウェア、ファームウェアまたはその両方をプロファイルから決定し、このソフトウェア、ファームウェアまたはその両方が必要に応じて第1の処理システム10、第2の処理システム17またはその両方へダウンロードされることを可能とする。結果的に、測定デバイス1は、インピーダンス測定に対して実行される必要な処理を自動的に決定し、オペレータへ結果が直接提示されることを可能とすることによって、処理中にオペレータが任意の入力を行う必要
を除去することが可能である。
【0150】
ここで、対象の肢部における浮腫の存在、欠如または程度の決定に用いられる処理の一例について記載する。これに関して、浮腫は特定の肢部における体液の増加である。したがって、この例では、肢部のインピーダンスを測定することによって、体液レベルに関する情報を決定し、したがって、浮腫の存在または欠如を決定することが可能である。
【0151】
これを達成する手法は、いずれの肢部に影響が与えられているか、また、基準値が利用可能であるか否かに極度に依存する。
例えば、通常、浮腫は怪我の発生または手術の実施後に発生する。したがって、手術前に肢部の測定を実行することが可能な場合、手術後のインピーダンスの分析を用いて浮腫の発症を検出することが可能である。しかしながら、そのような測定が行われていない場合、現在の体液レベルが浮腫の存在を表すか否かを判定するために代替の基準を用いることが必要である。
【0152】
一側性の浮腫の場合、これは一方の肢部からのインピーダンス測定値を他方の対応する反対側の肢部から取得されたものと比較することによって達成可能である。したがって、対象がその左腕に浮腫を有することが疑われる場合、左腕において得られたインピーダンス測定値を右腕からのものと比較する。
【0153】
長期的なデータも対応する基準肢部も利用可能でない場合、様々な肢部を比較する測定を実行することが必要であり、これには、様々な肢部における様々な固有の体液レベルの影響を対して打ち消すインデックスの使用が必要である。
【0154】
ここで図7A〜7Cに示すフローチャートおよび図8,9,10,11に示すグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のスクリーンショットを参照して、浮腫測定が行われることを可能とする処理の一例について記載する。
【0155】
最初に、工程700にて、監視デバイス1のオペレータが、測定デバイス1によって表示された利用可能な測定プロファイルを見る。工程705にて、オペレータは周辺の浮腫測定を選択し、工程710にて、第1の処理システム10は、通常、メモリ21から、適切な浮腫測定プロファイルを選択するように動作する。この段階にて、第1の処理システム10が第2の処理システム17へ適切なファームウェアをダウンロードし、正確な電流シーケンスの生成および測定した電位の分析を可能としてもよい。
【0156】
工程715にて、図8Aに示すように、測定デバイス1はGUI 1000を表示する。一般に1001に示すように、GUIは、個人に関するデータの提供を可能とする複数のフィールドを含む。このデータには、名前、住所、性別、身長、体重などの名前情報が含まれる。これに加えて、1002に示すように、浮腫によるリスクを有する肢部の指標を入力することが可能である。
【0157】
これは対象記録を生成するために用いられる。この対象記録は、通常、外部インタフェース23などを介してアクセスされる対象データベースに格納される。対象記録には、対象データや、それぞれの対象に対し実行されたインピーダンス測定の詳細が含まれ、これによって、対象記録から長期的な分析において用いられる対象履歴が形成されることを可能とする。したがって、現在の対象について既に記録が存在する場合、オペレータが検索を実行し、データベースから記録を読み出すことが可能であることが認識される。
【0158】
通常、データベースはHL7準拠の遠隔データベースであり、したがって、工程705に関して上述において記載したように、このデータベースが対象詳細の読み出されるのと
同じデータベースであってもよいことが認識される。
【0159】
この情報が提供されると、工程720にて、図8Bに示すように、処理システムはGUI 1000を更新し、任意の以前に測定したインピーダンス値を表示する。より詳細に以下に記載するように、このインピーダンス値を基準データとして用いてもよい。入力制御を用いる記録の検索、編集および作成を、一般に1004で示す。
【0160】
工程725にて、第1の処理システム10はGUI 1010を生成する。GUI 1010の一例を図9Aに示す。GUI 1010は、オペレータが電極の接続を行うことを可能とする際に用いられる。この例では、GUI 1010は1011に対象詳細の指標を含む。一般の電極接続点1012Aを示す対象の表現1012が提供され、対象電極を提供する場所が示される。
【0161】
一般の配置は、図9Bに示すように手の指関節の基部および手首の骨隆起の間に、また、図9Cに示すように足部の足指の基部および足首の前方に電極を提供することである。
また、GUI 1010は、1017A,1017B,1017C,1017Dにて、その肢部がリスクを有する肢部であるか否かについての指標を含む、各肢部の詳細を表示する。これも表現1012の1017Eに示す。
【0162】
オペレータに対する命令を表示するために、一般に1018で示す命令フィールドを提供する。選択した測定手続の指標を1019に示し、一般的な測定デバイス状態情報を1020に提供する。また、コメントフィールド1021を用いて、行った測定に関するコメントを記録することが可能である。
【0163】
この段階にて、通常、オペレータは対象詳細1011の対象の体重を更新する。対象詳細は、対象の身体内の体液レベルの変化により時間を通じて著しく変化する場合がある。また、オペレータはリスクを有する肢部を再指定してもよい。これは対象がさらなるリンパ浮腫を発現するときに有用である。例えば、対象は左脚の一側性のリンパ浮腫から始まり、時間を通じて右脚にリンパ浮腫を発現させる場合がある。「リスクあり」のチェックボックスの使用によって、この脚を、この時点で影響を受けているものとして記録することが可能である。
【0164】
体重およびコメントが入力されると、「okボタン」1022をクリックすることによって、測定手続を初期化することが可能である。この段階にて、各測定における体重およびコメントの両方は、対象データベースにおける対応する対象記録の一部として記録される。これによって、測定の期間を通じて、従事者が体重および臨床のコメントを追跡記録することを可能とする。
【0165】
okボタンがクリックされると、図9Dに示すように電極リード配置のGUI 1010が更新され、オペレータに測定デバイス1からのリードを電極接続するように指示する。この例では、1013,1014,1015,1016に示すように、表現1012は、いずれの電極を監視装置に接続するかを示すことによって、電流電極13,14および電圧電極15,16を形成する。これは、表現に示すものに対応する色を有するリードを用いることにより、色符号化を用いて達成され、これによって、各電極が測定デバイス1に正確に接続されることが保証される。
【0166】
したがって、この例では、表現1012は、右腕においてインピーダンスを測定するのに必要な電極構成を示す。
この構成では等電位理論が用いられ、電極位置がインピーダンス測定において再現可能な結果を提供することが可能となることが認識される。例えば、図9Dにおいて電極10
13,1016の間に電流が注入されるとき、全ての腕は等電位にあるので、電極1014を左腕に沿った任意の場所に配置することが可能である。これは、オペレータによる不十分な電極の配置によって生じる測定の変動を大幅に減少させるので、有利である。また、分節毎の身体測定を実行するのに必要な電極の数を大幅に減少させ、示す限られた接続が各々の肢部を別個に測定するために用いられることを可能とする。
【0167】
リードが正確に接続されると、オペレータは測定ボタン1023を用いて測定デバイス1にインピーダンス測定を実行させ、1020に一般的な測定デバイス状態情報が提供される。
【0168】
したがって、第1の処理システム10がプロファイルから実行される次の測定を決定し、表現1012および命令フィールド1018に適切な情報を含むGUIを生成することが認識される。
【0169】
工程730にて、オペレータは表現1012上に示される電極接続にしたがって電極を接続し、これが完了すると、測定ボタン1023を選択し、測定を実行させる。
この点で、監視デバイス1は必要な電流信号を生成し、それを対象に適用した後、工程735にて、対象を通じる電流および電圧を測定し、複数の様々な周波数fにて瞬間のインピーダンス値が決定されることを可能とする。
【0170】
工程740にて、さらなる測定が必要であるか否かを判定する。さらなる測定が必要な場合、工程745にて、例えば、図9Eに示すように、測定デバイス1は実行される次の測定に基づきGUI 1010を更新するように動作する。
【0171】
この例では、次の必要な電極接続1013,1014,1015,1016(この場合、右脚の測定の実行に相当する)を示すように表現1012を更新する。これに加えて、第1の処理システム10は完了した測定から予備的な結果も表示する。したがって、この例では、既に右腕が測定されているので、図9Eの1017Aにインピーダンスパラメータ指標が示されている。
【0172】
次に、必要に応じて、工程730〜745を繰り返す。この場合、図9F,9Gに示すように、各肢部に対し1組ずつ、4組以上の測定を実行することが含まれる。
さらなる測定が不要となると、処理は工程750に移り、図9Hに示すように、監視デバイスは、測定処理が完了したこと(1018)と、ボタンを用いて測定を保存可能であること(1024)とを示すように、GUI 1010を更新する。この時点で、工程755にて、図9Iに示すように、第1の処理システム10は保存した測定を反映するようにGUI 1000を更新することが可能である。
【0173】
この時点で、オペレータは測定したインピーダンスを調査することや、インピーダンスを分析して浮腫の発症を決定することが可能である。
この例では、工程760にて、オペレータが未処理インピーダンスデータ表示を選択する。工程765にて、第1の処理システム10は、GUI 1030を利用して未処理のインピーダンスパラメータを表示する。この例では、GUIは1031に対象詳細を含み、1032に測定選択の入力を含む。これは、オペレータが関心の測定(この例では左腕からの測定を含む)を選択することを可能とする。
【0174】
測定が選択されると、第1の処理システム10はインピーダンス測定から決定したパラメータの概要を1033に表示する。
導出したパラメータは実行されている分析に応じて異なり、通常、ゼロ周波数、特徴周波数、無限周波数におけるインピーダンス(R,Z,R)などのパラメータを含む
。これらのパラメータは対象のインピーダンス応答に基づき導出可能であり、第1のレベルでは、コール(Cole)モデルとして知られている式(1)を用いてモデル化することが可能である。
【0175】
【数1】

【0176】
ここで、Rは無限大の適用周波数におけるインピーダンス、Rはゼロの適用周波数におけるインピーダンス、ωは角周波数、τは対象応答をモデル化する容量性回路の時定数である。
【0177】
しかしながら、上述は理想的な状況を表しており、細胞膜が不完全なキャパシタであるという事実を考慮に入れていない。これを考慮に入れることによって、次の修正モデルが導かれる。
【0178】
【数2】

【0179】
ここで、αは0〜1の値であり、理想的なモデルからの現実的な系の乖離の指標と考えられる。
インピーダンスパラメータR,Rの値は、次の手法など複数の手法のうちのいずれかにより決定されてよい。
・様々な周波数で決定したインピーダンス値に基づき連立方程式を解くこと
・反復的な数学手法を用いること
・「ウェッセル・プロット」による外挿
・多項式関数の使用など、関数フィッティング技術を実行すること。
【0180】
また、この段階にて、コールモデルに対する測定値の一致を試験するように第1の処理システム10を適合させることが可能である。詳細には、コールモデルでは、インピーダンス測定値が半円形のインピーダンス軌跡上にあると仮定されている。したがって、第1の処理システム10は、測定値が半円形の軌跡にフィッティングしているか否かを判定することによって、コールモデルを満たすか否かを判定することが可能である。これに代えて、測定したインピーダンスパラメータ値を式(2)を用いて導出される理論値と比較することによって、コールモデルに対する一致度を決定することが可能である。
【0181】
コールモデルを満たさない場合、この指標はオペレータへ提供され、適切な分析技術が利用されることを可能とする。
パラメータが決定され、表示されると、複数のタブ1034を用いて、測定したインピーダンス値の様々な表現がウィンドウ1035に提供されることを可能とすることができる。これには、例えば、図10Aに示すように、一般にはコール−コール・プロットとも呼ばれる「ウェッセル」型のプロットを生成することが含まれる。これに代えて、図10Bに示すようにインピーダンス値を一覧表示すること、または、それぞれ図10C,10
Dに示すように、リアクタンス対周波数もしくは抵抗対周波数としてプロットすることが可能である。
【0182】
しきい値マーカ1037A,1037Bによって示すように、表示される結果からしきい値限界の上または下のインピーダンス測定値を省略することを可能とするように、周波数コントロール1036が提供される。これに加えて、「ウェッセル」プロットに対し提供される理想的な半円形の軌跡からのしきい値偏差の外側にあるデータポイントを破棄するように、除外限界を適用することが可能である。
【0183】
工程770にて、オペレータは用いられる任意の基準を選択する。通常、基準は、それぞれの対象において収集された以前のデータの形態であり、それによって長期的な分析の実行を可能とする。
【0184】
しかしながら、システムはこれに加え、またはこれに代えて、様々な対象から取得された基準値を含む、正規母集団データベーステーブルを用いてもよい。このデータベーステーブルは、本質的には、正規母集団対象(リンパ浮腫のない人々)の測定すべてが加えられた単一の対象データベーステーブルである。
【0185】
GUI 1000を用いて表示されるそのような正規母集団データの例を図11Aに示す。次に、このテーブルは、未処理のインピーダンスデータおよびインピーダンスデータの比の正規化した値を生成することが可能なデータのプールとして作用し、対象の測定値との比較の実行を可能とする。
【0186】
この正規化したデータのこの生成は、被験対象に関連するように選択されている中間(平均化した)値の形態である。この選択は対象情報に基づき実行され、また、年齢、性別、身長、体重、人種、介入など複数の因子のうちの任意の因子に基づき実行されてよい。
【0187】
したがって、被験対象が利腕に一側性のリンパ浮腫を有し、女性である場合、正規母集団データベースから引き出された正規化したデータは、正規母集団データベースに存在する女性の対象の利腕の測定値から計算される。
【0188】
したがって、工程775にて、図11Aに示すものと類似のGUI 1040がオペレータへ提示され、これによって、1041の強調表示された入力によって示すように、オペレータが正規母集団テーブルから適切な記録を選択することが可能となる。
【0189】
対象特有の基準を用いる場合、これは、一般に、リンパ浮腫を発現させるリスクにさらす手術または事象の前に取得された測定値を保証することによって達成される。共通の例は、乳癌に対する外科的介入の前に取得されたベースライン測定値である。このベースライン測定値を用いて、調査測定値とベースラインの生成された中間値との比較によって、手術後の対象の体液変化を追跡記録することが可能である。
【0190】
対象のデータベーステーブル中の測定値から、対象の特定のベースラインを自動的に生成することが可能である。これは、対象の記録の表示されている図11Bに示すGUI 1000を用いて達成可能である。GUI 1000上には、対象のデータベーステーブルから用いられる測定値を規定し、調査測定値に対する比較の中間データ値を生成するために用いられる2つの選択ウィンドウ1042,1043が配置される。
【0191】
この処理を用いて正規母集団テーブルにデータを追加することも可能であることが認識される。これは上述において概説した測定処理を実行し、対象が浮腫に罹患していない場合、例えば、手術がまだ実行されていない場合、正規母集団テーブルへそのデータをイン
ポートすることによって達成される。これは対象記録に測定値を追加することに加えて実行可能であるので、健康な個人から収集された測定値を、続く長期的な分析、正規母集団基準、またはその両方に用いることが可能である。
【0192】
工程775にて、測定デバイス1は基準が利用可能であるか否かを判定し、基準が利用可能である場合、工程795にて、第1の処理システム10は現在決定したパラメータを1つ以上の基準値と比較し、これを利用して工程800にて表示される報告を生成する。
【0193】
基準が利用可能でない場合、工程780にて、浮腫が両側性か否かを判定する。この例では、浮腫が両側性でない場合、工程785にて、第1の処理システム10は反対側の肢部のインピーダンスを分析し、工程800にて、適切な出力を提供することが可能である。これは、例えば、各脚における細胞外対細胞内の体液レベルの比に基づきインデックスを決定し、決定した値を比較して肢部間に差が存在するか否かを、したがって、浮腫の存在する可能性があるか否かを評価することによって達成されてよい。
【0194】
細胞外体液抵抗Rは、次式から決定され、
=R
細胞内体液抵抗Rは次式から決定される。
【0195】
【数3】

【0196】
したがって、細胞外対細胞内の体液の比を表すインデックスは、次式によって与えられる。
【0197】
【数4】

【0198】
両側性の浮腫である可能性が存在する場合、通常、第1の処理システム10は各肢部のインデックスを決定する。次に、工程790にて、異なる対の肢部に対し決定したインデックスの比を比較することによって、両側性の浮腫の可能性が存在するか否かをオペレータが判定することが可能となる。
【0199】
ここで図11C〜11Hを参照して、様々な種類の利用可能な報告の例について記載する。
図11Bに示すように、報告は、一般に1051に示す対象詳細を含むGUI 1050を用いて提示される。GUIは、基準データを用いるか否かを、また、基準データの性質をオペレータが選択することを可能とするコントロール1052を含む。したがって、ユーザが基準データ選択を変更する場合、処理は工程540に戻り、選択された基準の種類に応じて出力の性質を再評価することが認識される。1053Aにて、表示されるパラメータの性質を示すためにドロップダウンリストが提供され、1053Bにて、パラメータの表示される肢部を示すチェックボックスが提供される。これに加えて、示したチェッ
クボックス1054,1055を用いて、関心の肢部および基準の肢部を選択することが可能である。
【0200】
図表化において利用可能なパラメータには、次が含まれる。
・体重
・リンパ管造影図
・インデックス比
・身体区分Rの値の比
・身体区分に対する個々の身体区分Rのインデックス
・身体区分のR
・細胞内体液抵抗R
・対象の固有周波数f
・推定の標準誤差
・各測定の時間遅延Td。
【0201】
ここで各々のパラメータについてより詳細に記載する。
リンパ管造影図
リンパ管造影図またはインピーダンス・ベクトル・プロットは、対象の測定値が基準楕円に対し移動するときのグラフ表現である。基準楕円は、対象特有のベースラインデータまたは正規母集団データに基づき、95%の信頼区間から生成することが可能である。調査身体区分のデータ点が楕円の外側へ動くとき、対象の状態は悪化しており、その身体区分にリンパ浮腫が存在する。基準肢部チェックボックスを用いて選択した各身体区分に対し、楕円を生成し、表示することが可能である。表示したデータ点は、対象の調査身体区分データから生成されたものである。調査身体区分および基準身体区分は、図表の下に位置する身体セグメント選択チェックボックスを用いて選択される。
【0202】
図11Cには、左右の脚部に対するインデックスを比較したリンパ管造影の例を示す。この例では、インデックスは一般に1056で示す楕円内に留まり、リンパ浮腫が存在しないことを強く示している。しかしながら、図11Dに示すように右腕および左腕を比較すると、比を比較した値は基準楕円1056の外にあり、右腕が浮腫に罹患していることを示している。
【0203】
これらの例では、リンパ管造影図は肢部間の比較を含んでおり、したがって、チェックボックス1053Bは用いられない。
身体区分インデックスの比
これは、選択した基準肢部のインデックスIを関心の肢部のインデックスIで除したものを表示する。
【0204】
図11Eは、右腕および右脚のインデックスの比を時間に対してプロットした、肢部比の比の例である。この例では、1057に相当な変動が存在するのが見られ、浮腫の可能性を示している。
【0205】
この例では、やはり2つの肢部を比較するので、チェックボックス1053Bは用いられず、無視される。
身体区分のR値の比
この機能では、対象のデータベーステーブル中の各測定に対し、基準身体区分のRを調査身体区分のRで除した比が表示される。
【0206】
各身体区分のインデックスI
また、図11Fに示すように、時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル
中のすべての測定における各身体区分に対し、インデックスIを表示することが可能である。この図表に表した身体区分は、コントロール1053を用いて選択される。この例では、基準肢部および調査肢部が定義されないので、明瞭さのため、1054,1055を省略する。
【0207】
1つの身体区分におけるゼロkHzでの抵抗(R
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、Rの値を表示することも可能である。
【0208】
1つの身体区分における無限周波数での抵抗(R
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、Rの値を表示することも可能である。
【0209】
1つの身体区分における細胞内体液の抵抗(R
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、Rの値を表示することも可能である。
【0210】
身体区分における固有周波数
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、固有周波数を表示することも可能である。
【0211】
1つの身体区分におけるSEE(標準推定誤差)の値
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、標準推定誤差を表示することも可能である。
【0212】
1つの身体区分におけるTd(時間遅延)の値
時間を通じた図表として、対象のデータベーステーブル中のすべての測定における各身体区分に対し、各測定に関連した時間遅延(Td)を表示することも可能である。
【0213】
基準指標
また、上述において概説した報告の各々において、正規化した集団基準または対象特有の基準に基づき、基準値を表示することも可能である。
【0214】
対象特有の基準値の使用の一例を、図11Fに示す。この例では、基準値は1058で示すRに基づく。したがって、基準と比較した値Rの偏差が浮腫を表すことが分かる。正規母集団データとの比較による報告の生成は、同様にして実行される。
【0215】
また、単に決定した絶対基準値を表示することに加えて、1059で示すように標準偏差を表示することによって、ベースラインからの変動の程度の指標を提供することも可能である。
【0216】
イベントマーカ
処理のさらなる機能は、イベントマーカを測定データベーステーブル中の特定の測定と関連させる性能である。イベントマーカによって、測定および時点に対応するコメントの付けられた時間点を提供することが可能である。ユーザは、長期的な分析の図表に対し文書化される必要のある重要なイベントを示すように、これらをカスタマイズすることが可能である。そのようなイベントには、リンパ浮腫の発症日、マッサージ介入の開始などが含まれてよい。これらのマーカは、時間を通じた機能である、長期的な図表上に自動的に表示される。また、例えば、図11Hに示すように、イベントマーカを図表の上に示すことも可能である。
【0217】
代替分析
したがって、上述の例では、第1の処理システム10は、現在利用可能なデータに基づき浮腫の存在または欠如を決定するのに最も適切な、分析または表現の種類を選択する。したがって、これによって、いずれの報告形態が浮腫の発症の最も正確な指標を提供するかに関し、オペレータが評価を行う必要が除去される。
【0218】
上述の例では、各々の肢部に対してインピーダンス測定値が収集され、測定の実行後に好適な分析の種類の評価が実行される。しかしながら、これに代えて、第1の処理システム10は、最初に好適な分析の種類を決定し、次いでその種類の分析を実行するのに必要な測定だけを実行するように適合されることが可能である。
【0219】
したがって、測定処理に先立って、測定の行われる肢部をオペレータが指定する、限られた肢部分析を実行することが可能である。この例では、関心の肢部についてのみデータが収集される。
【0220】
上述のリンパ浮腫測定の実行に加えて、一定の範囲の様々な測定が実行されることを可能とするようにプロファイルを構成することが可能である。
したがって、例えば、図12に示すように電極を配置することによって、対象の全身を通じたインピーダンス測定が決定されることが可能となる。これによって、対象の体内総水分量(TBW)などの情報を導出することが可能となる。詳細には、TBWは次式によって与えられる:
TBW=ecf+icf (4)
ここで、TBW=体内総水分量、ecf=細胞外体液の体積、icf=細胞内体液の体積である。
【0221】
これに関して、上述のように値R,Rは細胞外・細胞内の抵抗の値に依存しているので、細胞外および細胞内の体液の体積を値R,Rから導出することが可能である。
TBWは次において用いることが可能である。
・身体組成分析
・除脂肪体重(FFM)(左心室の質量のインデックスとして用いることが可能である)の導出
・心臓病患者の身体の体液の増加(右心室不全の指標として用いることが可能である)の監視。
【0222】
さらに、これを用いて、各肢部において取得した測定したインピーダンス値を全身において取得した対応するインピーダンス値から減じることによって、有効な胸腔インピーダンス値を導出することが可能である。これらの値を、肺浮腫の、したがって、左心室の障害や心拍出量の決定の指標として用いることが可能である。
【0223】
したがって、次の測定を可能とするように、測定プロファイルを決定することが可能であることが認識される。
・心臓のパラメータ
・肺浮腫
・リンパ浮腫
・身体組成
・体内総水分量。
【0224】
遠隔コンピュータシステム
上述の例は、測定デバイス1の一部として提供される第1の処理システム10によって
実行される好適なインピーダンス測定および分析の選択に基づき記載したものである。しかしながら、これは不可欠ではなく、ここで図13を参照して記載するように、測定デバイス1に対し離れて位置する処理システムによって、記載の機能のうちの一部または全部を実行することが可能である。
【0225】
この例では、基地局1300は、インターネットなどの通信ネットワーク1302、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワーク1304、またはその両方を介して、複数の測定デバイス1および複数の終端局1303に接続されている。また、示すように、終端局1303も測定デバイス1に接続されてよい。終端局1303は任意の形態の終端局であってよいが、通常、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、PDA、スマートホンなどである。
【0226】
基地局1300は、データベース1311に接続された処理システム1310を備える。これによって、より詳細に以下に記載するように、基地局1300を用いて測定デバイス1を更新することが可能となる。
【0227】
この例では、測定デバイス1を、外部インタフェース23を介して、直接的に終端局1303に、またはネットワーク1302,3104のうちの1つを介して接続することが可能である。これは外部インタフェース23、終端局1303、およびネットワーク1302,1304の性質に応じて、有線または無線の接続を介して達成されてよい。
【0228】
この例では、終端局1303を用いて測定デバイス1を制御し、測定手続を実行することが可能である。したがって、測定デバイス1は、必要な励起信号を生成し、その信号を対象に適用し、その結果対象を通じて生成される電圧を測定するように動作する。インピーダンス測定値は、収集されると、外部インタフェース23を介して終端局1303へ転送される。終端局1303は測定したインピーダンス値を分析し、図8〜11に示す適切なGUIを生成するように動作する。
【0229】
この例では、システムのオペレータが一般に測定デバイス1を所定の動作モードとし、終端局1303が必要な制御信号を生成し、測定処理を作動させることを可能とすることが必要である。
【0230】
したがって、測定デバイス1は、通常、所与の時間に1つの測定を実行するように動作する。この例では、終端局1303は、次に用いられる電極構成をオペレータに表示する。オペレータは電極13,14,15,16を表示された配置で対象に接続し、次いで、これが完了したときに終端局1303に示す。次に、終端局1303は測定デバイス1に制御信号を転送し、次の測定を実行させる。
【0231】
測定デバイス1は測定のシーケンスを実行するモードで動作可能である場合があるので、終端局1303は測定停止チェックを実装することが可能である。この処理中、終端局1303は、5秒など所定の時間間隔内の測定値を検出する場合、測定デバイス1が単一測定モードでないことと、これを調整すべきこととを示す警報を生成する。
【0232】
この例では、明細書の全体の例において第1の処理システム10によって実行されるタスクを、終端局1303が有効に実行可能であることが認識される。したがって、第1の処理システム10なしでデバイスを提供することが可能であり、第1の処理システム10によって通常実行される機能は終端局1303によって実行される。したがって、この構成では、終端局1303は、第1の処理システム10の一部または全部を有効に形成する。これによって、外部インタフェース23に直接接続された第2の処理システム17のみを備え、測定デバイス1が終端局1303によって制御されることを可能とする測定デバ
イス1を提供することが可能である。これは、通常、終端局1303にインストールされた適切なアプリケーションソフトウェアの使用を介して達成される。
【0233】
この例では、通常、終端局1303と測定デバイス1との間の通信は、図14に示すGUI 1060を用いて制御される。
このGUIは、終端局3がTCP/IPその他のネットワークを介して、外部インタフェース23を介して測定デバイス1に接続することを可能とする、IP接続詳細を定義するためのフィールド1061を含む。フィールド1062は基準を取得可能な経路を定義するために用いられ、フィールド1063は基準が取得されるデータベースの詳細を定義する。
【0234】
フィールド1064,1065は、デフォルト周波数、除外および時間遅延限界、ならびに基準範囲などを含む、実行されるインピーダンス分析に関するパラメータを定義するために用いられる。最後に、フィールド1066は得られる分析報告のプロパティを定義するために用いられる。
【0235】
したがって、このことから、GUIを用いてHL7の準拠の対象データベースなど遠隔データベースに対する接続を提供することも可能であることが認識される。さらに、測定デバイス1の用いられる環境に応じて、複数の手法のうちのいずれかによりアーキテクチャを実装することが可能である。
【0236】
したがって、例えば、さらなる代替として、インピーダンス測定の選択、分析またはその両方を、コンピュータ・ネットワークなど適切な通信システムを介して複数の測定デバイスに接続された中央基地局によって実行することが可能である。この例では、実行されるインピーダンス測定の種類を基地局が選択すると、基地局がこの指標をそれぞれの監視に転送することによって、測定デバイス1に必要な電極接続を表示させる。インピーダンス測定が実行されると、決定した測定は分析のため基地局へ戻される。
【0237】
デバイス更新
ここで図15を参照して、測定デバイスを更新する処理の一例について記載する。
一例では、工程1500にて、処理は測定デバイス1がアップグレードなどによって構成される予定であることの判定を含み、この後、工程1510にて構成データが生成される。工程1520にて、通常、構成データがデバイスまたは終端局1303へアップロードされた後、1530にて、デバイスが作動されるか、終端局1303上でアプリケーションソフトウェアが実行される。1540にて、デバイスが動作を開始するとき、例えば、命令のアップロードを制御することによって、または処理システム2もしくはコントローラ19内に組み込まれた命令を選択的に作動させることによって、処理システム2が構成データを用いて選択的に機能を作動させる。同様にして、終端局1303にインストールされたアプリケーションソフトウェア内の機能を作動させることが可能である。
【0238】
残る例はデバイス自体の更新に焦点を置いており、終端局1303におけるソフトウェアアプリケーションの更新のために同様の技術を実装可能であることが認識される。
更新は2つの手法のうちの1つにより達成されてよい。例えば、構成データは、処理システム2によって実装されるとき機能を実装させるソフトウェアまたはファームウェアなどの命令から構成することが可能である。したがって、例えば、この処理を利用して、第2の処理システム17、処理システム10またはコントローラ19に提供されたファームウェアの動作を更新し、追加の機能、改良された測定アルゴリズムなどの実装を可能としてもよい。
【0239】
これに代えて、構成データは機能の一覧の形態であることが可能であり、測定デバイス
1上に既に格納されている命令にアクセスするために処理システム2によって用いられる。構成データをこのように利用することによって、測定デバイスが複数のさらなる追加の、ただしデバイスの販売時には非動作の機能を読み込むことが可能となる。この例では、測定デバイス1に提供された構成データを更新することによって、修正のために測定デバイス1を返却する必要なく、これらのさらなる機能を実装することが可能となる。
【0240】
これは、追加の機能がその機能の使用の承認を受信するときに実装されることを可能とするので、医療産業おいて特に有用である。したがって、例えば、測定した電圧信号の特定の分析の使用によってなど、所定の手法によりリンパ浮腫を測定または検出するために、複数の技術が利用可能であってよい。この例では、デバイスの販売時、TGA(Therapeutic Goods Administration)などの認可局から承認が得られていない場合がある。したがって、機能は構成データの適切な使用によって無効とされている。続いて測定技術が承認を獲得するとき、新たな更新された構成データを測定デバイスにアップロードすることによって構成データを修正し、機能を実装することが可能となる。
【0241】
これらの技術を用いて、様々な測定技術、分析アルゴリズム、測定したインピーダンスパラメータの結果に関する報告など、複数の様々な機能のうちのいずれかを実装してもよいことが認識される。
【0242】
図13のシステムを用いて、これを達成することが可能である。使用時には、基地局1300は、データベース1311に接続された処理システム1310を備える。基地局1300は、更新の必要なときを判定し、更新の適用されるデバイスを選択し、構成データを生成して、それを更新のためにデバイス1に提供するように動作する。したがって、処理システム1310はサーバなどであってもよいことが認識される。
【0243】
これによって、構成データをサーバから、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、インターネット端末などユーザの終端局1303へアップロードすることが可能となり、またはこれに代えて、サーバからインターネットなど通信ネットワーク1302,1304を介して転送することが可能となる。無線リンク、wi−fi接続など、任意の適切な通信システムを用いることが可能であることが認識される。
【0244】
いずれの場合にも、ここで図16を参照して、測定デバイス1を更新する処理の例について、より詳細に記載する。この例では、工程1600にて、基地局1300は、一定の領域内に実装された機能の規制状態に変化があることを判定する。上述のように、これは例えば、TGAによる新たな機能の承認に続いて生じることが可能である。
【0245】
基地局1300は、工程1610にて、この規制状態の変化を用いて、利用可能な新たな機能を決定した後、工程1620にて、各測定デバイス1に関連した識別子が更新されることを決定する。規制承認の変化は領域に特有であるので、これは、通常、販売された各測定デバイスの用いられる領域の詳細を含むデータベース1311に基地局1300をアクセスさせることによって達成される。データベース1311は各測定デバイス1の識別子を含んでおり、これによって、更新される各測定デバイスの識別子の決定が可能となる。
【0246】
工程1630にて、基地局1300は、複数の測定デバイス1のうちの次の1つに対し、通常、データベース1311から既存の構成データを決定した後、工程1640にて、構成データを修正し、新たな機能を実装する。次いで、識別子に関連した鍵を利用して、この構成データを暗号化する。この鍵はシリアル番号に関連したユニークな素数から形成されてもよく、あるいは部分的にシリアル番号から導出されてもよく、通常、データベー
ス1311に格納されるか、または必要な時毎に所定のアルゴリズムを用いて生成される。
【0247】
工程1660にて、上述のように、暗号化された構成データを測定デバイス1へ転送する。
工程1670にて、デバイスが再始動し、第1の処理システム10が作動させられるとき、第1の処理システム10は暗号鍵を決定し、それを用いて構成データを解読する。これは、シリアル番号または他の識別子および所定のアルゴリズムを用いて鍵を生成することなど、複数の手法のうちのいずれかによって達成されてよい。これに代えて、これはメモリ21に格納された鍵へアクセスすることによって達成されてもよい。以下でより詳細に説明するように、任意の形態の暗号化が用いられてよいが、通常、構成データの暗号化および解読の両方に秘密鍵が用いられることによってユーザによる構成の不正変更を防止する、強力な暗号化が用いられることが認識される。
【0248】
工程1680にて、第1の処理システム10は、解読した構成データを用いて、第2の処理システム16内のソフトウェア機能を作動させる。
したがって、これによって測定デバイス上で利用可能な機能を自動的に更新するための機構が提供されることが認識される。これは、上述のように、第2の処理システム16に処理システム10から新たなファームウェアを受信させることによって、あるいは第2の処理システム16に既にインストールされているファームウェアを作動させることによって達成されてよい。
【0249】
追加の機能の使用が承認されたとき、これを自動的に実行することの代替として、この処理を用いて料金の決済時に機能を作動させることが可能である。この例では、ユーザは、限られた機能の実装された測定デバイス1を購入し得る。次いで、料金の決済によって、ユーザの必要に応じてユーザの必要なときに、追加の機能を作動させることが可能である。
【0250】
この例では、図17に示すように、工程1700にて、ユーザが作動していない機能を選択するとき、工程1710にて、第1の処理システム10はその機能が利用不可能であるという指標を生成する。これによって、工程1720にてユーザが作動の機能選択肢を選択することが可能となる。これは、通常、工程1730にて、ユーザに決済の詳細を提供するように促す。決済の詳細は何らかの手法によってデバイス製造者に提供され、これには、ユーザにデバイス製造者に電話で連絡させること、あるいは、インターネットなどを介して提供される適切な決済システムによって詳細を入力することが含まれてよい。
【0251】
工程1740にて、決済が確認されると、処理は工程1620へ移り、自動的な更新が適切な構成データの形態により提供されることを可能とする。しかしながら、決済の詳細が確認されない場合、処理は1750にて終了する。
【0252】
ユニークな識別子手段を利用した構成データの暗号化は、測定デバイス1によって受信された構成データがその測定デバイスに特有であることを意味することが、当業者には認識される。したがって、正しい鍵を利用して構成データの暗号化および解読の両方が行われる場合、第1の処理システム10は構成データの内容を解釈することのみが可能である。したがって、これによって、ユーザが構成データを交換すること、または異なるデバイスへ転送するために解読したファイルの再暗号化を試みることが防止される。
【0253】
単に構成データにおいて機能を指定することに加えて、またはこれに代えて、第2の処理システム16に追加のファームウェアをアップロードすることが必要な場合があることが認識される。これを用いて、例えば、測定デバイス1とともに出荷されたファームウェ
アを用いては実装不可能な機能を実装することが可能である。
【0254】
この例では、通常、構成データはアップロードの必要なファームウェアを含んでおり、第1の処理システム10を用いてそのファームウェアが第2の処理システム16へ読み込まれることが可能となる。次いで、このファームウェアを自動的に実装するか、または構成データにより提供される利用可能な機能の一覧にしたがって実装することが可能である。
【0255】
これによって、測定プロトコル、インピーダンス分析アルゴリズム、測定した結果を解釈する報告などの機能の更新、選択的な作動もしくは非作動、またはその両方のための機構が提供されることが認識される。これは、測定デバイスが既存のTGAまたはFDAの承認などに準拠することを保証するように実行されることが可能である。
【0256】
上述の例全体を通じて、終端局1303を用いて構成データをダウンロードして、あるいは測定デバイス1によって用いられる処理システム2,10,17,19のうちのいずれかに命令を転送して、デバイス動作を更新することが可能である。
【0257】
多くの変形および変更が明らかであることが当業者には認識される。当業者には明らかなそうした変形および変更はすべて、上述において概説した本発明の精神および範囲の内にあると考えられる。
【0258】
したがって、例えば、適切な場合、上述の様々な例からの機能が区別せずに用いられてよいことが認識される。さらに、上述の例においてはヒトなどの対象に焦点を置いたが、上述の測定デバイスおよび技術は、以下に限定されないが、霊長動物、家畜、競走馬などの実用動物などを含む任意の動物に用いられることが可能であることが認識される。
【0259】
上述の処理は、以下に限定されないが、浮腫、リンパ浮腫、身体組成などを含む、一定の範囲の状態および病気の存在、欠如または程度の診断に用いられることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に対してインピーダンス測定を実行する方法であって、
処理システムにおいて、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定する測定決定工程と、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信するデータ受信工程と、
c)同1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定する値処理工程と、
d)同1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成する表現生成工程と、
値処理工程および表現生成工程のうちの1つ以上は同1つ以上のインピーダンス測定にしたがって実行されることと、からなる方法。
【請求項2】
処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき表現種類を選択する工程と、
b)選択した表現種類にしたがって1つ以上の測定したインピーダンス値の表現を生成する工程と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表現は、
a)ウェッセル・プロット、
b)アルガン図、
b)インピーダンス値の一覧、
c)リアクタンス対周波数プロット、および、
d)抵抗対周波数プロット、
のうちの1つ以上の形式である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
処理システムにおいて、
a)選択したインピーダンス測定種類に基づき処理動作を決定する工程と、
b)決定した処理動作にしたがって前記1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程と、を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
処理システムにおいて、
a)対象に関する1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、
b) i)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、実行されるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、前記1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、
を含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
対象パラメータは、
a)ある状態の存在、欠如または程度の指標、
b)介入の指標、
c)ある状態のリスクを有する身体区分の指標、
d)年齢、
e)身長、
f)体重、および、
g)性別
のうちの1つ以上である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
処理システムにおいて、
a)1つ以上の基準の利用可能性を決定する工程と、
b) i)決定した利用可能性にしたがって、実行させるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した利用可能性にしたがって、前記1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、
を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
対象に対してインピーダンス測定を実行するための装置であって、
a)実行される1つ以上のインピーダンス測定を決定することと、
b)1つ以上の測定したインピーダンス値を表すデータを受信することと、
c)同1つ以上の測定したインピーダンス値を処理し、1つ以上のインピーダンスパラメータを決定することと、
d)同1つ以上のインピーダンスパラメータの表現を生成することと、
処理することおよび表現を生成することのうちの1つ以上は同1つ以上のインピーダンス測定にしたがって実行されることと、のための処理システムを備える装置。
【請求項9】
請求項1に記載の方法を実行する際に用いられる請求項8に記載の装置。
【請求項10】
対象に対してインピーダンス測定を実行する方法であって、
処理システムにおいて、
a)1つ以上のインピーダンス測定種類を決定する工程と、
b)一連のインピーダンス測定を表すプロファイルを決定する工程と、
c)必要な電極配置を表す表現を表示する工程と、
d)インピーダンス測定を実行させる工程と、からなる方法。
【請求項11】
処理システムは監視ユニットに接続されていることと、
処理システムにおいて、
a)命令を生成する工程と、
b)監視ユニットに命令を転送する工程と、監視ユニットはインピーダンス測定を実行させる命令に応答することと、を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プロセッサを備える監視ユニットを用いる工程と、
同プロセッサは
a)命令を受信するため、および、
b)命令を用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させるため、のものであることと、を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
a)1つ以上の励起信号を対象に適用させる工程、および、
b)対象を通じて測定された1つ以上の電圧信号を決定する工程、
によってインピーダンス測定を実行させる工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の励起信号は、
a)それぞれの周波数を各々有する複数の電流信号、および、
b)複数の重ね合わせられた周波数から形成される電流信号、
のうちの1つ以上である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
それぞれの身体区分を通じたインピーダンスを測定するように各々適合されている2つ以上のチャネルを備える監視ユニットを用いる工程と、
処理システムにおいて、各チャネルを用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させる工程と、を含む請求項10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
各々のチャネルはそれぞれの身体区分を通じたインピーダンスを測定するように適合されていることと、
処理システムにおいて、各チャネルを用いて、1つ以上のインピーダンス測定を実行させる工程と、を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
処理システムにおいて、
a)利用可能なインピーダンス測定種類の指標を表示する工程と、
b)オペレータからの入力命令にしたがって、利用可能なインピーダンス測定種類のうちのそれぞれを決定する工程と、を含む請求項10乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
インピーダンス測定種類は、
a)心機能に関する1つ以上のパラメータ、
b)浮腫の存在、欠如または程度、
c)身体組成に関する1つ以上のパラメータ、
d)対象の体内総水分量、および、
e)対象の除脂肪体重(FFM)
のうちの1つ以上を決定するためのものである請求項10乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
処理システムにおいて、
a)対象に関する1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、
b) i)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、実行されるインピーダンス測定を決定する工程、および、
ii)決定した1つ以上の対象パラメータにしたがって、1つ以上の測定したインピーダンス値を処理する工程、のうちの1つ以上と、
を含む請求項10乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
対象パラメータは、
a)ある状態の存在、欠如または程度の指標、
b)介入の指標、
c)ある状態のリスクを有する身体区分の指標、
d)年齢、
e)身長、
f)体重、および、
g)性別
のうちの1つ以上である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
処理システムにおいて、遠隔データベースから前記1つ以上の対象パラメータを決定する工程を含む請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
処理システムにおいて、
a)対象の識別情報を表すユニークな識別子を決定する工程と、
b)同ユニークな識別子を用いて、前記1つ以上の対象パラメータを決定する工程と、を含む請求項10乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
処理システムは符号化データを表面から感知するための読取機に接続されていることと、
処理システムにおいて、
a)読取機から指標データを受信する工程と、指標データは前記ユニークな識別子を表
しており、かつ、対象識別デバイスに対して提供される符号化データを感知することによって決定されることと、
b)指標データを用いて、前記ユニークな識別子を決定する工程と、を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
対象識別デバイスは符号化データの配置されたブレスレットである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
方法は請求項1に記載の方法である請求項10乃至24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
対象に対してインピーダンス測定を実行するための装置であって、
a)1つ以上のインピーダンス測定種類を決定することと、
b)一連のインピーダンス測定を表すプロファイルを決定する工程と、
c)必要な電極配置を表す表現を表示することと、
d)インピーダンス測定を実行させることと、のための処理システムを備える装置。
【請求項27】
請求項10に記載の方法を実行するための請求項26に記載の装置。
【請求項28】
対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための方法であって、
処理システムにおいて、
a)1つ以上の機能を表す構成データを受信する工程と、
b)構成データを用いて、同1つ以上の機能を表す命令を決定する工程と、
c)少なくとも部分的に同命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行、および、
ii)インピーダンス測定の分析、のうちの1つ以上を行わせる工程と、からなる方法。
【請求項29】
構成データは命令を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
処理システムにおいて、
a)構成データを用いて、前記1つ以上の機能の指標を決定する工程と、
b)前記1つ以上の機能の指標を用いて、命令を決定する工程と、を含む請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
処理システムにおいて、受信した構成データを解読する工程を含む請求項28乃至30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
処理システムにおいて、
a)処理システムに関連したデバイス識別子を決定する工程と、
b)同デバイス識別子を用いて、鍵を決定する工程と、
c)同鍵を用いて、受信した構成データを解読する工程と、を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
処理システムは第1の処理システムおよび第2の処理システムを備えることと、
a)第1の処理システムにおいて、構成データを用いて、命令を選択する工程と、
b)第2の処理システムにおいて、選択した命令を用いて、制御信号を生成する工程と、を含む請求項28乃至32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
処理第1システムにおいて、
a)第2の処理システムへ命令を転送する工程と、
b)第2の処理システムに格納部からの命令にアクセスさせる工程と、を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
処理システムにおいて、コンピュータシステムおよび通信ネットワークのうちの1つ以上から構成データを受信する工程を含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
処理システムにおいて、
a)ユーザによって選択された機能が利用可能であるか否かを判定する工程と、
b)同機能が利用可能でない場合、同機能を使用可能とすることをユーザが所望するか否かを判定する工程と、
c)同機能を使用可能とすることをユーザが所望する場合、構成データを受信させる工程と、を含む請求項28乃至35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
処理システムにおいて、
a)ユーザにデバイスプロバイダへ決済を行わせる工程と、
b)決済に応じて構成データを受信する工程と、を含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための装置であって、
a)1つ以上の機能を表す構成データを受信することと、
b)構成データを用いて、同1つ以上の機能を表す命令を決定することと、
c)少なくとも部分的に同命令を用いて、
i)インピーダンス測定の実行、および、
ii)インピーダンス測定の分析、のうちの1つ以上を行わせることと、のための処理システムを備える装置。
【請求項39】
処理システムは少なくとも部分的に
a)終端局、および、
b)測定デバイス、のうちの1つ以上を形成する請求項38に記載の装置。
【請求項40】
請求項28乃至37のいずれか一項に記載の方法を実行するための請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための方法であって、
コンピュータシステムにおいて、
a)処理システムに必要な構成データを決定する工程と、構成データは1つ以上の機能を表すことと、
b)処理システムによって構成データを受信させる工程と、処理システムは構成データに応答して、i)インピーダンス測定の実行、および、ii)インピーダンス測定の分析のうちの1つ以上を行わせることと、からなる方法。
【請求項42】
コンピュータシステムにおいて、
a)構成される処理システムに関連したデバイス識別子を決定する工程と、
b)デバイス識別子を用いて、i)処理システムへの構成データの転送、および、ii)構成データの暗号化のうちの1つ以上を行う工程と、を含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
コンピュータシステムにおいて、a)処理システムのユーザによって行なわれた決済、および、b)機能の承認のうちの1つ以上に応答して、構成データが必要であることを決
定する工程を含む請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
コンピュータシステムにおいて、
a)1つ以上の領域における前記1つ以上の機能の規制承認を決定する工程と、
b)同1つ以上の領域における1つ以上の処理システムを決定する工程と、
c)同1つ以上の処理システムを構成する工程と、を含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
請求項28乃至37のいずれか一項に記載の装置において用いられる請求項41乃至44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
対象のインピーダンス分析において用いられる処理システムを構成するための装置であって、
方法は、
コンピュータシステムにおいて、
a)処理システムに必要な構成データを決定する工程と、構成データは1つ以上の機能を表すことと、
b)処理システムによって構成データを受信させる工程と、処理システムは、i)インピーダンス測定の実行、および、ii)インピーダンス測定の分析のうちの1つ以上を行わせる構成データに応答することと、を含む装置。
【請求項47】
請求項41乃至45のいずれか一項に記載の方法を実行するための請求項46に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−106143(P2012−106143A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−59108(P2012−59108)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【分割の表示】特願2008−518567(P2008−518567)の分割
【原出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(505186876)インぺディメッド リミテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】IMPEDIMED LIMITED
【Fターム(参考)】