監視システム
【課題】電気機器毎に消費電力を監視することができ、電気機器毎に消費電力を管理することができる監視システムの提供。
【解決手段】情報送信機2は、接続端子20によって電気機器4と接続する。測定部23は、接続端子20と接続されており、電気機器4の消費電力を測定する。送信部25は、測定された消費電力に係る電力情報を電力監視装置3に送信する。電力監視装置3の受信部33は、電力情報を受信する。撮像部34は電気機器4の画像を撮像する。表示部37は、撮像部34によって撮像された画像と受信部33が受信した電力情報に係る消費電力とを表示する。
【解決手段】情報送信機2は、接続端子20によって電気機器4と接続する。測定部23は、接続端子20と接続されており、電気機器4の消費電力を測定する。送信部25は、測定された消費電力に係る電力情報を電力監視装置3に送信する。電力監視装置3の受信部33は、電力情報を受信する。撮像部34は電気機器4の画像を撮像する。表示部37は、撮像部34によって撮像された画像と受信部33が受信した電力情報に係る消費電力とを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の消費電力を監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅又はオフィス等で用いられる電気機器が消費する電力の大部分は化石燃料を用いて発電されている。化石燃料の使用によって二酸化炭素が排出される。電気機器の使用は地球温暖化の一因となっている。
また、様々な電気機器が住宅又はオフィス等に普及しており、電力消費量が増大し、電気代が増加する傾向にある。
【0003】
地球温暖化の抑制及び電気代の節約のため、電気機器の使用量を低減する必要がある。電気機器の使用量を低減するためには、電気機器の消費電力を監視し、消費電力が比較的大きい電気機器を認識して消費電力を管理する必要がある。特許文献1には、宅内の分岐電路毎の消費電力を監視することができる監視システムが開示されている。
【0004】
宅内では、分電盤内の分岐ブレーカを介して主幹電路が複数の分岐電路に分岐されている。特許文献1に記載の監視システムでは、分岐電路毎に消費電力が計測され、計測された消費電力が宅内ネットワークを介して端末装置に通知され、端末装置に消費電力が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−89433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の電力監視システムでは、分岐路毎にしか消費電力を監視することができない。即ち、各部屋に設置される電気機器又は各コンセントに接続された電気機器の消費電力しか監視することができない。従って、例えば、分岐接続することによって一のコンセントで複数の電気機器を使用した場合、コンセントに接続された電気機器毎に消費電力を監視することができず、電気機器毎に消費電力を管理することができない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気機器毎に消費電力を監視することができ、電気機器毎に消費電力を管理することができる監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る監視システムは、電気機器と着脱可能に接続され、該電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を送信する情報送信機と、該情報送信機が送信した電力情報を受信する受信部を有する電力監視装置とを備える監視システムにおいて、前記電力監視装置は、前記電気機器を撮像する撮像部と、前記受信部が受信した電力情報に係る消費電力及び前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、情報送信機は電気機器と着脱可能に接続し、接続した電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を電力監視装置に送信する。受信部は電気機器の消費電力に係る電力情報を受信する。撮像部は情報送信機に接続している電気機器を撮像する。表示部は、受信部が受信した電力情報に係る消費電力と撮像部が撮像した画像とを表示する。
情報送信機が電気機器に個別に接続され、電気機器の消費電力が当該電気機器の画像と共に表示されるので、表示部に表示されている消費電力を消費している電気機器が明確になり、電気機器毎に消費電力が正確に監視され、電気機器毎の消費電力の管理が可能となる。
【0010】
本発明に係る監視システムは、前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機の位置を検出する位置検出部と、前記撮像部を回動させる回動部と、前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記撮像部の撮像方向が前記電気機器に向くように前記回動部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、位置検出部は情報送信機の位置を検出する。制御部は、回動部に指示することにより、位置検出部が検出した位置に基づいて、撮像方向が電気機器に向くように撮像部を回動させる。これにより、撮像部は情報送信機に接続されている電気機器を確実に撮像する。
【0012】
本発明に係る監視システムは、前記情報送信機を複数備え、前記電力監視装置は、更に、前記受信部が複数の前記情報送信機から電力情報を受信した場合に音を発生する音発生部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、受信部が複数の情報送信機から電力情報を受信した場合に音発生部が音を発生することにより、複数の情報送信機から電力情報が受信されていることをユーザに知らせる。
【0014】
本発明に係る監視システムは、前記位置検出部は、検出した位置に基づいて前記電力監視装置から前記情報送信機までの距離を算出し、前記電力監視装置は、更に、前記受信部が電力情報を受信した場合に、前記位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する音発生部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、位置検出部は、検出した位置に基づいて、電力監視装置から情報送信機までの距離を算出する。音発生部は、受信部が電力情報を受信した際に、位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する。従って、音量によって電力監視装置から電気機器までの距離が直感的にユーザに理解され、ユーザによる電気機器の探索が容易になる。
【0016】
本発明に係る監視システムは、前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機を識別するための識別符号に対応づけて文字データを予め記憶する記憶部を有し、前記情報送信機は、前記識別符号を送信し、前記受信部は、前記情報送信機が送信した識別符号を受信し、前記表示部は、前記受信部が受信した識別符号に対応する文字データを表示するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、記憶部は、情報送信機が送信する識別情報に対応づけて文字データを予め記憶している。情報送信機が電力情報と識別情報とを送信した場合、受信部は電力情報と識別情報とを受信する。表示部は、撮像部が撮像した電気機器の画像及び電力情報に係る消費電力に加えて、識別情報に対応する文字データを表示する。これにより、表示部に表示されている消費電力を消費している電気機器がより明確になり、電気機器の消費電力の管理がより容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、情報送信機が電気機器に個別に接続され、電気機器の消費電力が当該電気機器の画像とともに表示されるので、消費電力を消費している電気機器が明確になり、電気機器毎に消費電力を正確に監視することができ、電気機器毎に消費電力を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る監視システムの構成を示す概念図である。
【図2】情報送信機の斜視図である。
【図3】電力監視装置の斜視図である。
【図4】監視システムの構成を示すブロック図である。
【図5】情報送信機の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【図6】電力監視装置の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【図7】複数の電力情報及び識別符号を受信した場合における電力監視装置の状態図である。
【図8】図7に示す電力監視装置の表示部が表示する画面の例示図である。
【図9】表示部に表示される画面の例示図である。
【図10】実施の形態2に係る電力監視装置の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視システムの構成を示す概念図である。監視システム1は情報送信機2と電力監視装置3とを備えている。情報送信機2は、電気機器4及びコンセント5夫々に着脱可能に接続された状態で使用され、電気機器4の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報と電力監視装置3が情報送信機2を識別するための識別符号とを電力監視装置3に送信する。電力監視装置3は、ユーザによる移動を可能に構成されている。また、電力監視装置3は、情報送信機2から電力情報及び識別符号を受信する。
【0021】
なお、図1には電気機器4としてエアーコンディショナー(以下、エアコンと記載する。)が示されているが、電気機器4はエアコンに限定されない。電気機器4は、冷蔵庫又はテレビジョン(以下、テレビと記載する。)等であってもよい。
【0022】
図2は情報送信機2の斜視図である。情報送信機2は直方体状をなし、一面に電気機器4のプラグと接続する接続端子20が設けられており、当該一面の反対の面にコンセント5と接続する接続端子21が設けられている。
【0023】
図3は電力監視装置3の斜視図である。電力監視装置3は、撮像部本体30、回動部31及び三脚6によって構成される。撮像部本体30は、直方体状をなし、情報送信機2と情報送信機2に接続している電気機器4とを撮像する。回動部31は、撮像部本体30を回動可能に支持しており、撮像部本体30を回動させる。回動部31は、図3における上下方向及び左右方向に撮像部本体30を回動させることができる。三脚6は回動部31を支持している。
【0024】
図4は監視システム1の構成を示すブロック図である。情報送信機2は、接続端子20及び21に加えて、制御部22、測定部23、記憶部24、及び送信部25を有している。接続端子20及び21は電力線で接続され、接続端子20及び21の接続ノードは測定部23に接続されている。コンセント5から出力される電力は、接続端子21及び20を介して、電気機器4に供給される。制御部22は、測定部23、記憶部24、及び送信部25に接続されている。
【0025】
制御部22は、CPUからなり、内蔵ROM(図示せず)に記憶してある制御プログラムを読み出して実行することによって、測定部23、記憶部24、及び送信部25の動作を制御している。
【0026】
測定部23は、接続端子20を介して接続される電気機器4が消費している電力を測定する。
記憶部24は、測定部23が測定した消費電力を記憶し、電力監視装置3が情報送信機2を識別するための識別符号を予め記憶している。
【0027】
送信部25は、制御部22によって記憶部24から読み出された消費電力から電力情報を生成し、生成した電力情報と、記憶部24から読み出された識別符号とを電力監視装置3に送信する。
【0028】
電力監視装置3は撮像部本体30と回動部31とを有している。撮像部本体30は、制御部32、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39を有している。制御部32は、回動部31、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39に接続されている。
【0029】
制御部32は、CPUからなり、内蔵ROM(図示せず)に記憶してある制御プログラムを読み出して実行することによって、回動部31、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39の動作を制御する。
なお、制御部32は、特許請求の範囲における制御部に該当する。
【0030】
受信部33は、送信部25から送信された電力情報及び識別符号を受信する。
撮像部34は、電気機器4と電気機器4に接続されている情報送信機2とを撮像する。
【0031】
位置検出部35は、送信部25及び受信部33を用いて、電力監視装置3を基準とした情報送信機2の位置を検出する。位置検出部35は、三辺測量の原理に基づくアルゴリズムによって位置を検出する。受信部33は少なくとも3つ以上のアンテナを備えており、位置検出部35は送信部25が送信した電力情報及び識別符号が各アンテナに到達する時間差を利用して情報送信機2の位置を検出する。
【0032】
なお、三辺測量の原理を利用した位置を検出する方法は特開2008−288745号公報に開示されている。なお、位置検出部35が情報送信機2の位置を検出するために基づく原理は三辺測量の原理に限定されない。また、位置検出部35が検出する情報送信機2の位置は、相対位置に限定されず、絶対座標であっても良い。
【0033】
記憶部36は、受信部33が受信する識別符号に対応づけて文字データを予め記憶している。実施の形態1では、文字データは電気機器4の名称としている。文字データは予めユーザによって入力される。
なお、文字データは電気機器4の名称に限定されず、例えば電気機器4の機種名であってもよい。また、記憶部36は特許請求の範囲における記憶部に該当する。
【0034】
表示部37は、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び識別符号に対応する文字データを表示する。また、表示部37は、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・夫々から電力情報及び識別符号を受信した場合、受信した複数の識別符号夫々に対応する文字データを位置検出部35が検出した情報送信機2,2,・・・の位置に合わせて表示する。
【0035】
音発生部38は、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信した場合に、ユーザが気づくことができる十分な期間にわたって音を発生する。これにより、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別情報を受信したことをユーザに通知する。
【0036】
選択受付部39は、表示部37が複数の識別符号夫々に対応する文字データを表示した場合に、複数の文字データ中から1つの文字データの選択をユーザから受け付け、選択された文字データに係る情報送信機2の識別符号を制御部32に通知する。
【0037】
監視システム1では、情報送信機2は、電気機器4とコンセント5との間に接続され、コンセント5から電気機器4に供給される消費電力を測定するので、電気機器4が既存の電気機器であっても消費電力を測定することができる。このため、既存の電気機器に情報送信機2を接続して監視システム1を構成することができ、監視システム1を安価に構成することができる。
【0038】
以下、情報送信機2の制御部22が実行する動作手順を説明する。
図5は情報送信機2の制御部22が実行する動作手順を示すフローチャートである。制御部22は、測定部23に指示して、情報送信機2に接続されている電気機器4の消費電力を測定させる(ステップS1)。
【0039】
制御部22は、ステップS1の後、測定した消費電力を記憶部24に記憶させる(ステップS2)。
【0040】
制御部22は、ステップS2の後、記憶部24が記憶している消費電力と識別符号とを読み出し、送信部25に指示して、消費電力に係る電力情報を生成し、生成した電力情報と記憶部24に記憶されている識別符号とを電力監視装置3に送信させる(ステップS3)。制御部22は、ステップS3の後、制御を終了する。
【0041】
次に、電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を説明する。
図6は、電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を示すフローチャートである。まず、制御部32は、受信部33が情報送信機2の送信部25から電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS11に戻り、受信部33が電力情報及び識別符号を受信するまで判定を繰り返す。
【0042】
制御部32は、受信部33が送信部25から電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信しているか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
図7は、複数の電力情報及び識別符号を受信した場合における電力監視装置3の状態図である。ここでは、電力監視装置3の受信部33は3つの情報送信機2,2,2から送信される3つの電力情報及び識別情報を受信している。制御部32は、図7に示すように、受信部33が、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信した場合(ステップS12:YES)、音発生部38に指示して、ユーザが気づくことができる十分な期間にわたって音を発生させる(ステップS13)。
【0044】
制御部32は、ステップS13の後、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報と識別符号とを送信した複数の情報送信機2,2,・・・の位置を検出させる(ステップS14)。
【0045】
制御部32は、ステップS14の後、受信部33が受信した複数の識別符号に対応する文字データを記憶部36から読み出し、読み出した文字データを表示部37に表示する(ステップS15)。表示部37では、識別符号を送信した複数の情報送信機2,2,・・・の位置に応じて、文字データの表示位置が決められている。
【0046】
図8は、図7に示す電力監視装置3の表示部37が表示する画面の例示図である。図3において、撮像部本体30の撮像方向を前とし、その反対側を後とする。前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0047】
複数の文字データを表示する場合、表示部37の上下方向を電力監視装置3の前後方向とし、表示部37の左右方向を電力監視装置3の左右方向として、図8に示すように、3つの情報送信機2,2,2の位置に合わせて3つの文字データが表示部37に表示される。
【0048】
図8では、エアコン、テレビ、冷蔵庫という文字データが表示されている。表示部37では、「エアコン」が左斜め上に、「テレビ」が右に、「冷蔵庫」が右下に表示されている。この場合、エアコンは電力監視装置3の前方斜め左方向にあり、テレビは右方向、冷蔵庫は後方斜め右方向に位置していることを示している。
【0049】
制御部32は、ステップS15の後、選択受付部39に指示して、表示部37が表示した複数の文字データ中から1つの文字データの選択をユーザから受け付けさせ、選択された文字データに係る情報送信機2の識別符号を制御部32に通知させる(ステップS16)。選択受付部39が選択を受け付ける方法として、表示部37をタッチパネルで構成し、表示部37に表示された複数の文字データ中から1つの文字データをユーザがタッチすることによって選択を受け付ける方法がある。
【0050】
制御部32は、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS12:NO)、即ち1つの情報送信機2から電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報及び識別情報を送信した情報送信機2の位置を検出させる(ステップS17)。
【0051】
制御部32は、ステップS16又はステップS17の後、ステップS16で選択された文字データに係る情報送信機2の位置又はステップS17で検出された情報送信機2の位置に基づいて、撮像方向が情報送信機2に向くように撮像部34を回動部31に回動させる(ステップS18)。これにより、撮像部34は情報送信機2に接続されている電気機器4を確実に撮像することができる。
【0052】
制御部32は、ステップS18の後、撮像部34に指示して、情報送信機2及び情報送信機2に接続されている電気機器4を撮像させる(ステップS19)。この場合、制御部32は、位置検出部35が検出した位置に応じて撮像部34にズーム又は明るさ等を調整させる。
【0053】
制御部32は、ステップS19の後、表示部37に指示して、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び文字データを表示させる(ステップS20)。電気機器4の消費電力が電気機器4の画像と共に表示されるので、消費電力を消費している電気機器4が明確になり、電気機器4の消費電力が正確に監視され、電気機器4の消費電力を管理することができる。
【0054】
また、1つの電気機器4に対して1つの情報送信機2が接続されるため、電気機器4が複数ある場合に、複数の電気機器4,4,・・・の消費電力を各別に監視することができ、複数の電気機器4,4,・・・の消費電力を各別に管理することができる。
【0055】
図9は表示部37に表示される画面の例示図である。図9に示すように、表示部37には、電気機器4であるエアコンの画像と、消費電力量である「500W」という数値と、文字データである「エアコン」という名称とが表示されている。これにより、ユーザは画面に表示されているエアコンが500Wの電力を消費していることを理解することができる。
制御部32は、ステップS20の後、制御を終了する。
【0056】
なお、ステップS16において選択受付部39が受け付ける選択に、一定の時間間隔で複数の情報送信機2,2,・・・を表示する表示モードを加えてもよい。この表示モードがユーザに選択された場合、制御部32は、回動部31に指示して、一定の時間間隔で撮像部34を回動させ、撮像部34に指示して、各情報送信機2について順番に、情報送信機2と情報送信機2に接続されている電気機器4とを撮像させる。各情報送信機2について、制御部32は、表示部37に指示して、撮像されている電気機器4の画像と消費電力と文字データとを表示させる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2は、例えば、撮像部34が撮像できる範囲内に情報送信機2が位置していない場合に、ユーザが、電力監視装置3を移動させながら、情報送信機2に接続されている電気機器4を探索する形態である。
【0058】
実施の形態2に係る監視システム1の構成は、実施の形態1に係る監視システム1の構成と同じであるが、位置検出部35、記憶部36、音発生部38、及び制御部32の動作が実施の形態1に係る監視システム1と異なる。
【0059】
以下、位置検出部35、記憶部36、音発生部38、及び制御部32の動作を説明し、他の部分の動作は実施の形態1に係る監視システム1を構成する部分と同じであるため、説明を省略する。
【0060】
位置検出部35は、情報送信機2の位置を検出することに加えて、検出した位置に基づいて電力監視装置3から情報送信機2までの距離を算出する。
記憶部36は、受信部33が受信する識別符号に対応づけて文字データを記憶するのに加えて、位置検出部35が検出した位置を記憶する。
【0061】
音発生部38は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信した場合に位置検出部35が算出した距離に応じた音量で、ユーザが気付くことができる十分な期間にわたって、音を発生する。音発生部38が発生する音の音量は、例えば、距離が短い場合に小さく、長い場合に大きくする。
【0062】
以下、制御部32が実行する動作手順を説明する。
図10は、実施の形態2に係る電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を示すフローチャートである。制御部32は、まず、受信部33が情報送信機2の送信部25から電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する(ステップS31)。制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS31:NO)、ステップS31に戻り、受信部33が電力情報及び識別符号を受信するまで判定を繰り返す。
【0063】
制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合(ステップS31:YES)、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報及び識別符号を送信した情報送信機2の位置を検出させる(ステップS32)。
【0064】
制御部32は、ステップS32の後、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じであるか否かを判定する(ステップS33)。制御部32は、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じである場合(ステップS33:YES)、制御を終了する。位置検出部35が検出した位置が記憶部36に記憶している位置と同じである場合、制御部32は、電力監視装置3の配置がユーザによって決定されたとみなして制御を終了する。
【0065】
制御部32は、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じでない場合(ステップS33:NO)、位置検出部35に指示して、検出した位置に基づいて電力監視装置3から情報送信機2までの距離を算出させ、音発生部38に指示して、算出された距離に応じた音量で音を発生させる(ステップS34)。位置検出部35が検出した位置が、記憶部36に記憶されている位置と同じでない場合、制御部32は、ユーザが電力監視装置3を移動させているとみなす。
なお、制御部32は、記憶部36に位置が記憶されていない場合、ステップS33において、位置検出部35が検出した位置が記憶部36に記憶されている位置と同じでないと判定する。
【0066】
制御部32は、ステップS34の後、記憶部36に位置検出部35が検出した位置を記憶させる(ステップS35)。この場合、制御部32は、記憶部36に位置を記憶させる前に、記憶部36が記憶している位置を記憶部36に消去させる。
【0067】
制御部32は、ステップS35の後、回動部31に指示し、記憶部36が記憶している位置に基づいて、撮像方向が情報送信機2に向くように撮像部34を回動させる(ステップS36)。
【0068】
制御部32は、ステップS36の後、撮像部34に指示して、情報送信機2及び情報送信機2に接続されている電気機器4を撮像させる(ステップS37)。
【0069】
制御部32は、ステップS37の後、表示部37に指示して、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び文字データを表示させる(ステップS38)。
【0070】
制御部32は、ステップS38の後、ステップS31に戻り、再び、受信部33が電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する。ステップS34において、音発生部38が発生する音の音量は位置検出部35が算出した距離に応じている。従って、ユーザは、音発生部38が発生する音によって、電力監視装置3から情報送信機2に接続されている電気機器4までの距離を直感的に理解し、電力監視装置3を移動させることによって、電気機器4を容易に探索することができる。
【0071】
なお、制御部32は、実施の形態1におけるステップS20(図6参照)又は実施の形態2におけるステップS38(図10参照)において、表示部37に、文字データを表示させず、撮像部34が撮像した画像及び電力情報に係る消費電力を表示させてもよい。
【0072】
また、電力監視装置3は回動部31及び三脚6を有せず、ユーザが撮像部本体30を回動させてもよい。この場合、表示部37は、位置検出部35が検出した位置に基づいて、撮像部34の撮像方向を指示する矢印を表示する。ユーザは、表示部37における矢印の表示に従って、撮像部本体30を操作し、撮像部34の撮像方向を電気機器4に向ける。
【符号の説明】
【0073】
1 監視システム
2 情報送信機
3 電力監視装置
31 回動部
32 制御部
33 受信部
34 撮像部
35 位置検出部
36 記憶部
37 表示部
38 音発生部
4 電気機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の消費電力を監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅又はオフィス等で用いられる電気機器が消費する電力の大部分は化石燃料を用いて発電されている。化石燃料の使用によって二酸化炭素が排出される。電気機器の使用は地球温暖化の一因となっている。
また、様々な電気機器が住宅又はオフィス等に普及しており、電力消費量が増大し、電気代が増加する傾向にある。
【0003】
地球温暖化の抑制及び電気代の節約のため、電気機器の使用量を低減する必要がある。電気機器の使用量を低減するためには、電気機器の消費電力を監視し、消費電力が比較的大きい電気機器を認識して消費電力を管理する必要がある。特許文献1には、宅内の分岐電路毎の消費電力を監視することができる監視システムが開示されている。
【0004】
宅内では、分電盤内の分岐ブレーカを介して主幹電路が複数の分岐電路に分岐されている。特許文献1に記載の監視システムでは、分岐電路毎に消費電力が計測され、計測された消費電力が宅内ネットワークを介して端末装置に通知され、端末装置に消費電力が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−89433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の電力監視システムでは、分岐路毎にしか消費電力を監視することができない。即ち、各部屋に設置される電気機器又は各コンセントに接続された電気機器の消費電力しか監視することができない。従って、例えば、分岐接続することによって一のコンセントで複数の電気機器を使用した場合、コンセントに接続された電気機器毎に消費電力を監視することができず、電気機器毎に消費電力を管理することができない。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気機器毎に消費電力を監視することができ、電気機器毎に消費電力を管理することができる監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る監視システムは、電気機器と着脱可能に接続され、該電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を送信する情報送信機と、該情報送信機が送信した電力情報を受信する受信部を有する電力監視装置とを備える監視システムにおいて、前記電力監視装置は、前記電気機器を撮像する撮像部と、前記受信部が受信した電力情報に係る消費電力及び前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、情報送信機は電気機器と着脱可能に接続し、接続した電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を電力監視装置に送信する。受信部は電気機器の消費電力に係る電力情報を受信する。撮像部は情報送信機に接続している電気機器を撮像する。表示部は、受信部が受信した電力情報に係る消費電力と撮像部が撮像した画像とを表示する。
情報送信機が電気機器に個別に接続され、電気機器の消費電力が当該電気機器の画像と共に表示されるので、表示部に表示されている消費電力を消費している電気機器が明確になり、電気機器毎に消費電力が正確に監視され、電気機器毎の消費電力の管理が可能となる。
【0010】
本発明に係る監視システムは、前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機の位置を検出する位置検出部と、前記撮像部を回動させる回動部と、前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記撮像部の撮像方向が前記電気機器に向くように前記回動部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、位置検出部は情報送信機の位置を検出する。制御部は、回動部に指示することにより、位置検出部が検出した位置に基づいて、撮像方向が電気機器に向くように撮像部を回動させる。これにより、撮像部は情報送信機に接続されている電気機器を確実に撮像する。
【0012】
本発明に係る監視システムは、前記情報送信機を複数備え、前記電力監視装置は、更に、前記受信部が複数の前記情報送信機から電力情報を受信した場合に音を発生する音発生部を有することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、受信部が複数の情報送信機から電力情報を受信した場合に音発生部が音を発生することにより、複数の情報送信機から電力情報が受信されていることをユーザに知らせる。
【0014】
本発明に係る監視システムは、前記位置検出部は、検出した位置に基づいて前記電力監視装置から前記情報送信機までの距離を算出し、前記電力監視装置は、更に、前記受信部が電力情報を受信した場合に、前記位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する音発生部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、位置検出部は、検出した位置に基づいて、電力監視装置から情報送信機までの距離を算出する。音発生部は、受信部が電力情報を受信した際に、位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する。従って、音量によって電力監視装置から電気機器までの距離が直感的にユーザに理解され、ユーザによる電気機器の探索が容易になる。
【0016】
本発明に係る監視システムは、前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機を識別するための識別符号に対応づけて文字データを予め記憶する記憶部を有し、前記情報送信機は、前記識別符号を送信し、前記受信部は、前記情報送信機が送信した識別符号を受信し、前記表示部は、前記受信部が受信した識別符号に対応する文字データを表示するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、記憶部は、情報送信機が送信する識別情報に対応づけて文字データを予め記憶している。情報送信機が電力情報と識別情報とを送信した場合、受信部は電力情報と識別情報とを受信する。表示部は、撮像部が撮像した電気機器の画像及び電力情報に係る消費電力に加えて、識別情報に対応する文字データを表示する。これにより、表示部に表示されている消費電力を消費している電気機器がより明確になり、電気機器の消費電力の管理がより容易になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、情報送信機が電気機器に個別に接続され、電気機器の消費電力が当該電気機器の画像とともに表示されるので、消費電力を消費している電気機器が明確になり、電気機器毎に消費電力を正確に監視することができ、電気機器毎に消費電力を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る監視システムの構成を示す概念図である。
【図2】情報送信機の斜視図である。
【図3】電力監視装置の斜視図である。
【図4】監視システムの構成を示すブロック図である。
【図5】情報送信機の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【図6】電力監視装置の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【図7】複数の電力情報及び識別符号を受信した場合における電力監視装置の状態図である。
【図8】図7に示す電力監視装置の表示部が表示する画面の例示図である。
【図9】表示部に表示される画面の例示図である。
【図10】実施の形態2に係る電力監視装置の制御部が実行する動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視システムの構成を示す概念図である。監視システム1は情報送信機2と電力監視装置3とを備えている。情報送信機2は、電気機器4及びコンセント5夫々に着脱可能に接続された状態で使用され、電気機器4の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報と電力監視装置3が情報送信機2を識別するための識別符号とを電力監視装置3に送信する。電力監視装置3は、ユーザによる移動を可能に構成されている。また、電力監視装置3は、情報送信機2から電力情報及び識別符号を受信する。
【0021】
なお、図1には電気機器4としてエアーコンディショナー(以下、エアコンと記載する。)が示されているが、電気機器4はエアコンに限定されない。電気機器4は、冷蔵庫又はテレビジョン(以下、テレビと記載する。)等であってもよい。
【0022】
図2は情報送信機2の斜視図である。情報送信機2は直方体状をなし、一面に電気機器4のプラグと接続する接続端子20が設けられており、当該一面の反対の面にコンセント5と接続する接続端子21が設けられている。
【0023】
図3は電力監視装置3の斜視図である。電力監視装置3は、撮像部本体30、回動部31及び三脚6によって構成される。撮像部本体30は、直方体状をなし、情報送信機2と情報送信機2に接続している電気機器4とを撮像する。回動部31は、撮像部本体30を回動可能に支持しており、撮像部本体30を回動させる。回動部31は、図3における上下方向及び左右方向に撮像部本体30を回動させることができる。三脚6は回動部31を支持している。
【0024】
図4は監視システム1の構成を示すブロック図である。情報送信機2は、接続端子20及び21に加えて、制御部22、測定部23、記憶部24、及び送信部25を有している。接続端子20及び21は電力線で接続され、接続端子20及び21の接続ノードは測定部23に接続されている。コンセント5から出力される電力は、接続端子21及び20を介して、電気機器4に供給される。制御部22は、測定部23、記憶部24、及び送信部25に接続されている。
【0025】
制御部22は、CPUからなり、内蔵ROM(図示せず)に記憶してある制御プログラムを読み出して実行することによって、測定部23、記憶部24、及び送信部25の動作を制御している。
【0026】
測定部23は、接続端子20を介して接続される電気機器4が消費している電力を測定する。
記憶部24は、測定部23が測定した消費電力を記憶し、電力監視装置3が情報送信機2を識別するための識別符号を予め記憶している。
【0027】
送信部25は、制御部22によって記憶部24から読み出された消費電力から電力情報を生成し、生成した電力情報と、記憶部24から読み出された識別符号とを電力監視装置3に送信する。
【0028】
電力監視装置3は撮像部本体30と回動部31とを有している。撮像部本体30は、制御部32、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39を有している。制御部32は、回動部31、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39に接続されている。
【0029】
制御部32は、CPUからなり、内蔵ROM(図示せず)に記憶してある制御プログラムを読み出して実行することによって、回動部31、受信部33、撮像部34、位置検出部35、記憶部36、表示部37、音発生部38、及び選択受付部39の動作を制御する。
なお、制御部32は、特許請求の範囲における制御部に該当する。
【0030】
受信部33は、送信部25から送信された電力情報及び識別符号を受信する。
撮像部34は、電気機器4と電気機器4に接続されている情報送信機2とを撮像する。
【0031】
位置検出部35は、送信部25及び受信部33を用いて、電力監視装置3を基準とした情報送信機2の位置を検出する。位置検出部35は、三辺測量の原理に基づくアルゴリズムによって位置を検出する。受信部33は少なくとも3つ以上のアンテナを備えており、位置検出部35は送信部25が送信した電力情報及び識別符号が各アンテナに到達する時間差を利用して情報送信機2の位置を検出する。
【0032】
なお、三辺測量の原理を利用した位置を検出する方法は特開2008−288745号公報に開示されている。なお、位置検出部35が情報送信機2の位置を検出するために基づく原理は三辺測量の原理に限定されない。また、位置検出部35が検出する情報送信機2の位置は、相対位置に限定されず、絶対座標であっても良い。
【0033】
記憶部36は、受信部33が受信する識別符号に対応づけて文字データを予め記憶している。実施の形態1では、文字データは電気機器4の名称としている。文字データは予めユーザによって入力される。
なお、文字データは電気機器4の名称に限定されず、例えば電気機器4の機種名であってもよい。また、記憶部36は特許請求の範囲における記憶部に該当する。
【0034】
表示部37は、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び識別符号に対応する文字データを表示する。また、表示部37は、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・夫々から電力情報及び識別符号を受信した場合、受信した複数の識別符号夫々に対応する文字データを位置検出部35が検出した情報送信機2,2,・・・の位置に合わせて表示する。
【0035】
音発生部38は、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信した場合に、ユーザが気づくことができる十分な期間にわたって音を発生する。これにより、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別情報を受信したことをユーザに通知する。
【0036】
選択受付部39は、表示部37が複数の識別符号夫々に対応する文字データを表示した場合に、複数の文字データ中から1つの文字データの選択をユーザから受け付け、選択された文字データに係る情報送信機2の識別符号を制御部32に通知する。
【0037】
監視システム1では、情報送信機2は、電気機器4とコンセント5との間に接続され、コンセント5から電気機器4に供給される消費電力を測定するので、電気機器4が既存の電気機器であっても消費電力を測定することができる。このため、既存の電気機器に情報送信機2を接続して監視システム1を構成することができ、監視システム1を安価に構成することができる。
【0038】
以下、情報送信機2の制御部22が実行する動作手順を説明する。
図5は情報送信機2の制御部22が実行する動作手順を示すフローチャートである。制御部22は、測定部23に指示して、情報送信機2に接続されている電気機器4の消費電力を測定させる(ステップS1)。
【0039】
制御部22は、ステップS1の後、測定した消費電力を記憶部24に記憶させる(ステップS2)。
【0040】
制御部22は、ステップS2の後、記憶部24が記憶している消費電力と識別符号とを読み出し、送信部25に指示して、消費電力に係る電力情報を生成し、生成した電力情報と記憶部24に記憶されている識別符号とを電力監視装置3に送信させる(ステップS3)。制御部22は、ステップS3の後、制御を終了する。
【0041】
次に、電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を説明する。
図6は、電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を示すフローチャートである。まず、制御部32は、受信部33が情報送信機2の送信部25から電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する(ステップS11)。制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS11に戻り、受信部33が電力情報及び識別符号を受信するまで判定を繰り返す。
【0042】
制御部32は、受信部33が送信部25から電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、受信部33が複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信しているか否かを判定する(ステップS12)。
【0043】
図7は、複数の電力情報及び識別符号を受信した場合における電力監視装置3の状態図である。ここでは、電力監視装置3の受信部33は3つの情報送信機2,2,2から送信される3つの電力情報及び識別情報を受信している。制御部32は、図7に示すように、受信部33が、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信した場合(ステップS12:YES)、音発生部38に指示して、ユーザが気づくことができる十分な期間にわたって音を発生させる(ステップS13)。
【0044】
制御部32は、ステップS13の後、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報と識別符号とを送信した複数の情報送信機2,2,・・・の位置を検出させる(ステップS14)。
【0045】
制御部32は、ステップS14の後、受信部33が受信した複数の識別符号に対応する文字データを記憶部36から読み出し、読み出した文字データを表示部37に表示する(ステップS15)。表示部37では、識別符号を送信した複数の情報送信機2,2,・・・の位置に応じて、文字データの表示位置が決められている。
【0046】
図8は、図7に示す電力監視装置3の表示部37が表示する画面の例示図である。図3において、撮像部本体30の撮像方向を前とし、その反対側を後とする。前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0047】
複数の文字データを表示する場合、表示部37の上下方向を電力監視装置3の前後方向とし、表示部37の左右方向を電力監視装置3の左右方向として、図8に示すように、3つの情報送信機2,2,2の位置に合わせて3つの文字データが表示部37に表示される。
【0048】
図8では、エアコン、テレビ、冷蔵庫という文字データが表示されている。表示部37では、「エアコン」が左斜め上に、「テレビ」が右に、「冷蔵庫」が右下に表示されている。この場合、エアコンは電力監視装置3の前方斜め左方向にあり、テレビは右方向、冷蔵庫は後方斜め右方向に位置していることを示している。
【0049】
制御部32は、ステップS15の後、選択受付部39に指示して、表示部37が表示した複数の文字データ中から1つの文字データの選択をユーザから受け付けさせ、選択された文字データに係る情報送信機2の識別符号を制御部32に通知させる(ステップS16)。選択受付部39が選択を受け付ける方法として、表示部37をタッチパネルで構成し、表示部37に表示された複数の文字データ中から1つの文字データをユーザがタッチすることによって選択を受け付ける方法がある。
【0050】
制御部32は、複数の情報送信機2,2,・・・から電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS12:NO)、即ち1つの情報送信機2から電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報及び識別情報を送信した情報送信機2の位置を検出させる(ステップS17)。
【0051】
制御部32は、ステップS16又はステップS17の後、ステップS16で選択された文字データに係る情報送信機2の位置又はステップS17で検出された情報送信機2の位置に基づいて、撮像方向が情報送信機2に向くように撮像部34を回動部31に回動させる(ステップS18)。これにより、撮像部34は情報送信機2に接続されている電気機器4を確実に撮像することができる。
【0052】
制御部32は、ステップS18の後、撮像部34に指示して、情報送信機2及び情報送信機2に接続されている電気機器4を撮像させる(ステップS19)。この場合、制御部32は、位置検出部35が検出した位置に応じて撮像部34にズーム又は明るさ等を調整させる。
【0053】
制御部32は、ステップS19の後、表示部37に指示して、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び文字データを表示させる(ステップS20)。電気機器4の消費電力が電気機器4の画像と共に表示されるので、消費電力を消費している電気機器4が明確になり、電気機器4の消費電力が正確に監視され、電気機器4の消費電力を管理することができる。
【0054】
また、1つの電気機器4に対して1つの情報送信機2が接続されるため、電気機器4が複数ある場合に、複数の電気機器4,4,・・・の消費電力を各別に監視することができ、複数の電気機器4,4,・・・の消費電力を各別に管理することができる。
【0055】
図9は表示部37に表示される画面の例示図である。図9に示すように、表示部37には、電気機器4であるエアコンの画像と、消費電力量である「500W」という数値と、文字データである「エアコン」という名称とが表示されている。これにより、ユーザは画面に表示されているエアコンが500Wの電力を消費していることを理解することができる。
制御部32は、ステップS20の後、制御を終了する。
【0056】
なお、ステップS16において選択受付部39が受け付ける選択に、一定の時間間隔で複数の情報送信機2,2,・・・を表示する表示モードを加えてもよい。この表示モードがユーザに選択された場合、制御部32は、回動部31に指示して、一定の時間間隔で撮像部34を回動させ、撮像部34に指示して、各情報送信機2について順番に、情報送信機2と情報送信機2に接続されている電気機器4とを撮像させる。各情報送信機2について、制御部32は、表示部37に指示して、撮像されている電気機器4の画像と消費電力と文字データとを表示させる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2は、例えば、撮像部34が撮像できる範囲内に情報送信機2が位置していない場合に、ユーザが、電力監視装置3を移動させながら、情報送信機2に接続されている電気機器4を探索する形態である。
【0058】
実施の形態2に係る監視システム1の構成は、実施の形態1に係る監視システム1の構成と同じであるが、位置検出部35、記憶部36、音発生部38、及び制御部32の動作が実施の形態1に係る監視システム1と異なる。
【0059】
以下、位置検出部35、記憶部36、音発生部38、及び制御部32の動作を説明し、他の部分の動作は実施の形態1に係る監視システム1を構成する部分と同じであるため、説明を省略する。
【0060】
位置検出部35は、情報送信機2の位置を検出することに加えて、検出した位置に基づいて電力監視装置3から情報送信機2までの距離を算出する。
記憶部36は、受信部33が受信する識別符号に対応づけて文字データを記憶するのに加えて、位置検出部35が検出した位置を記憶する。
【0061】
音発生部38は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信した場合に位置検出部35が算出した距離に応じた音量で、ユーザが気付くことができる十分な期間にわたって、音を発生する。音発生部38が発生する音の音量は、例えば、距離が短い場合に小さく、長い場合に大きくする。
【0062】
以下、制御部32が実行する動作手順を説明する。
図10は、実施の形態2に係る電力監視装置3の制御部32が実行する動作手順を示すフローチャートである。制御部32は、まず、受信部33が情報送信機2の送信部25から電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する(ステップS31)。制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信していないと判定した場合(ステップS31:NO)、ステップS31に戻り、受信部33が電力情報及び識別符号を受信するまで判定を繰り返す。
【0063】
制御部32は、受信部33が電力情報及び識別符号を受信したと判定した場合(ステップS31:YES)、位置検出部35に指示して、受信部33に電力情報及び識別符号を送信した情報送信機2の位置を検出させる(ステップS32)。
【0064】
制御部32は、ステップS32の後、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じであるか否かを判定する(ステップS33)。制御部32は、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じである場合(ステップS33:YES)、制御を終了する。位置検出部35が検出した位置が記憶部36に記憶している位置と同じである場合、制御部32は、電力監視装置3の配置がユーザによって決定されたとみなして制御を終了する。
【0065】
制御部32は、位置検出部35が検出した位置が、記憶部36が記憶している位置と同じでない場合(ステップS33:NO)、位置検出部35に指示して、検出した位置に基づいて電力監視装置3から情報送信機2までの距離を算出させ、音発生部38に指示して、算出された距離に応じた音量で音を発生させる(ステップS34)。位置検出部35が検出した位置が、記憶部36に記憶されている位置と同じでない場合、制御部32は、ユーザが電力監視装置3を移動させているとみなす。
なお、制御部32は、記憶部36に位置が記憶されていない場合、ステップS33において、位置検出部35が検出した位置が記憶部36に記憶されている位置と同じでないと判定する。
【0066】
制御部32は、ステップS34の後、記憶部36に位置検出部35が検出した位置を記憶させる(ステップS35)。この場合、制御部32は、記憶部36に位置を記憶させる前に、記憶部36が記憶している位置を記憶部36に消去させる。
【0067】
制御部32は、ステップS35の後、回動部31に指示し、記憶部36が記憶している位置に基づいて、撮像方向が情報送信機2に向くように撮像部34を回動させる(ステップS36)。
【0068】
制御部32は、ステップS36の後、撮像部34に指示して、情報送信機2及び情報送信機2に接続されている電気機器4を撮像させる(ステップS37)。
【0069】
制御部32は、ステップS37の後、表示部37に指示して、撮像部34が撮像した画像、電力情報に係る消費電力、及び文字データを表示させる(ステップS38)。
【0070】
制御部32は、ステップS38の後、ステップS31に戻り、再び、受信部33が電力情報及び識別符号を受信したか否かを判定する。ステップS34において、音発生部38が発生する音の音量は位置検出部35が算出した距離に応じている。従って、ユーザは、音発生部38が発生する音によって、電力監視装置3から情報送信機2に接続されている電気機器4までの距離を直感的に理解し、電力監視装置3を移動させることによって、電気機器4を容易に探索することができる。
【0071】
なお、制御部32は、実施の形態1におけるステップS20(図6参照)又は実施の形態2におけるステップS38(図10参照)において、表示部37に、文字データを表示させず、撮像部34が撮像した画像及び電力情報に係る消費電力を表示させてもよい。
【0072】
また、電力監視装置3は回動部31及び三脚6を有せず、ユーザが撮像部本体30を回動させてもよい。この場合、表示部37は、位置検出部35が検出した位置に基づいて、撮像部34の撮像方向を指示する矢印を表示する。ユーザは、表示部37における矢印の表示に従って、撮像部本体30を操作し、撮像部34の撮像方向を電気機器4に向ける。
【符号の説明】
【0073】
1 監視システム
2 情報送信機
3 電力監視装置
31 回動部
32 制御部
33 受信部
34 撮像部
35 位置検出部
36 記憶部
37 表示部
38 音発生部
4 電気機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と着脱可能に接続され、該電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を送信する情報送信機と、
該情報送信機が送信した電力情報を受信する受信部を有する電力監視装置と
を備える監視システムにおいて、
前記電力監視装置は、
前記電気機器を撮像する撮像部と、
前記受信部が受信した電力情報に係る消費電力及び前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部と
を有すること
を特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記電力監視装置は、更に、
前記情報送信機の位置を検出する位置検出部と、
前記撮像部を回動させる回動部と、
前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記撮像部の撮像方向が前記電気機器に向くように前記回動部を制御する制御部と
を有すること
を特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記情報送信機を複数備え、
前記電力監視装置は、更に、
前記受信部が複数の前記情報送信機から電力情報を受信した場合に音を発生する音発生部を有すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記位置検出部は、検出した位置に基づいて前記電力監視装置から前記情報送信機までの距離を算出し、
前記電力監視装置は、更に、
前記受信部が電力情報を受信した場合に、前記位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する音発生部を有すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項5】
前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機を識別するための識別符号に対応づけて文字データを予め記憶する記憶部を有し、
前記情報送信機は、前記識別符号を送信し、
前記受信部は、前記情報送信機が送信した識別符号を受信し、
前記表示部は、前記受信部が受信した識別符号に対応する文字データを表示するように構成されていること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の監視システム。
【請求項1】
電気機器と着脱可能に接続され、該電気機器の消費電力を測定し、測定した消費電力に係る電力情報を送信する情報送信機と、
該情報送信機が送信した電力情報を受信する受信部を有する電力監視装置と
を備える監視システムにおいて、
前記電力監視装置は、
前記電気機器を撮像する撮像部と、
前記受信部が受信した電力情報に係る消費電力及び前記撮像部が撮像した画像を表示する表示部と
を有すること
を特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記電力監視装置は、更に、
前記情報送信機の位置を検出する位置検出部と、
前記撮像部を回動させる回動部と、
前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記撮像部の撮像方向が前記電気機器に向くように前記回動部を制御する制御部と
を有すること
を特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記情報送信機を複数備え、
前記電力監視装置は、更に、
前記受信部が複数の前記情報送信機から電力情報を受信した場合に音を発生する音発生部を有すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記位置検出部は、検出した位置に基づいて前記電力監視装置から前記情報送信機までの距離を算出し、
前記電力監視装置は、更に、
前記受信部が電力情報を受信した場合に、前記位置検出部が算出した距離に応じた音量で音を発生する音発生部を有すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項5】
前記電力監視装置は、更に、前記情報送信機を識別するための識別符号に対応づけて文字データを予め記憶する記憶部を有し、
前記情報送信機は、前記識別符号を送信し、
前記受信部は、前記情報送信機が送信した識別符号を受信し、
前記表示部は、前記受信部が受信した識別符号に対応する文字データを表示するように構成されていること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−39185(P2012−39185A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174711(P2010−174711)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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