説明

監視システム

【課題】犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、監視システムが問題となるイベントを自動的に解析して、利用者が携帯端末を介して、問題となるイベントをリアルタイムで監視可能な監視システムを提供すること。
【解決手段】本発明の監視システムにおいて、監視システムサーバの制御部は、通信部で画像データとイベントデータとを受信し、受信した画像データをエンコード部でエンコードし、動画ファイルを生成して、動画ファイル記憶部に格納し、受信したイベントデータまたは画像データをイベント解析部で基準値と比較して、イベントデータまたは画像データを異常値と判断した場合に、携帯端末にトリガー信号を送信し、携帯端末は、トリガー信号に応じて、監視システムサーバの動画ファイル記憶部に格納された動画ファイルを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関する。特に、監視カメラとユーザ端末とを連携させた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防犯や防災の観点から監視カメラが広く普及し、街頭や店舗のみならず一般家庭にも設置されるようになってきた。監視カメラは、人目の届かない死角をなくし、24時間監視することができ、また、記録装置を併用することで映像記録を残して検証することが出来る利点がある。これらの利点から、一般的には犯罪の抑止効果を狙った防犯カメラとして用いられている。
【0003】
監視カメラを用いた遠隔での監視システムは、従来は警備会社等のシステムに限られていたが、光ファイバーを用いた高速なネットワーク回線の普及から、個人向けサービスとしてのネットワークを介した監視システムが提唱されている。例えば、特許文献1には、複数の監視端末と監視センターがネットワークで接続された監視システムにおいて、監視端末は異常事態の発生を検出して検出した結果に基づく異常情報信号を送信し、監視センターは異常情報信号を取得して、異常発生要因およびどの監視端末から送信されたかを判別し、判別結果に応じて、異常情報を通知すべき監視端末を選択して通知することが開示されている。また、安価なWebカメラが利用になったことから、外出先から携帯電話のような携帯端末を用いて、Webカメラで自宅の様子をリアルタイムで見ることもできるようになった。
【0004】
しかし、特許文献1の監視システムは、監視センターを介するシステムであるため、監視センターに監視員が24時間常駐して、監視に当たる必要がある。また、特許文献1の監視システムを一般の利用者が24時間映像を見られるようにしたとしても、一般の利用者が24時間監視を続けることは困難である。一方、Webカメラと携帯端末を接続する個人向けのシステムでは、Webカメラに赤外線センサ等を併設することにより、異常を知らせる信号を携帯端末に送信することも可能であるが、この場合も複数台の監視カメラを用いた広範囲での監視は困難であり、異常を知らせるセンサの種類にも制約がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−192496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視カメラは、上述の防犯以外に、事故や災害を監視して早急に対処して、被害を最小限に留めるような利用も期待できる。しかし、事故や災害のための監視システムは、上述した特許文献1の監視システムのように、監視員が監視センターで24時間監視に当たる必要がある。このような監視システムは、監視するための場所や人、設備を必要とするため、監視システムに多大なコストを必要とする。また、監視センターを介するため、事故や災害等が発生してから、一般の利用者や事故や災害等の対応を決定する責任者等が認知するまでのタイムラグが生じ、迅速な対応ができない場合がある。例えば、河川や貯め池に子どもが転落した場合、迅速に対応できない事象から尊い人命が失われている事も事実である。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決するものであって、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、監視システムが問題となるイベントを自動的に解析して、利用者が携帯端末を介して、問題となるイベントをリアルタイムで監視可能な監視システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によると、監視システムサーバと、監視端末と、利用者の携帯端末とがネットワークを介して接続する監視システムであって、前記監視端末は、監視カメラと、イベントデータ収集部とを備え、前記監視システムサーバは、制御部と、エンコード部と、イベント解析部と、通信部と、動画ファイル記憶部とを備え、前記監視端末は、前記監視カメラで撮影した画像データと、前記イベントデータ収集部が収集するイベントデータとを、前記ネットワークを介して前記監視システムサーバに送信し、前記監視システムサーバの前記制御部は、前記通信部で前記画像データと前記イベントデータとを受信し、受信した前記画像データを前記エンコード部でエンコードし、動画ファイルを生成して、前記動画ファイル記憶部に格納し、受信した前記イベントデータまたは前記画像データを前記イベント解析部で基準値と比較して、前記イベントデータまたは前記画像データを異常値と判断した場合に、前記携帯端末にトリガー信号を送信し、前記携帯端末は、前記トリガー信号に応じて、前記監視システムサーバの前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルを受信することを特徴とする監視システムが提供される。
【0009】
前記監視システムにおいて、前記イベント解析部は、前記イベントデータまたは前記画像データを異常と判断した場合に、前記トリガー信号と、異常値が検出されたイベントデータまたは画像データの異常値が検出された時間と、を関連付けてもよい。
【0010】
前記監視システムにおいて、前記監視システムサーバは、前記イベントデータまたは前記画像データと比較する前記基準値を格納する基準値データベースをさらに備え、前記基準値は、前記利用者または監視システム提供者により予め決められた値であってもよい。
【0011】
前記監視システムにおいて、前記監視システムサーバは、利用者情報データベースをさらに備え、前記利用者または前記携帯端末を特定する情報と、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信するための基準値の種類と値の組合せ、を格納し、前記異常値と判断された基準値の種類と値の組合せと、前記利用者情報データベースに格納された利用者毎の基準値の種類と値の組合せと、を比較して一致した場合に、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信してもよい。
【0012】
前記監視システムにおいて、前記イベントデータ収集部は、ストレインゲージ、ロードセル、半導体圧力センサ、光センサ、光電素子、フォトダイオード、磁気センサ、サーミスタ、抵抗測温体、熱電対、放射温度計、マイクロフォン、イオン濃度センサ、ガス濃度センサ、ポテンショメータ、差動トランス、回転角センサ、リニアエンコーダ、タコジェネレータ、ロータリエンコーダ、光位置センサ、超音波距離計、静電容量変位計、光学式測距儀、電磁波測距儀、レーザドップラー振動速度計、レーザドップラー流速計、ジャイロセンサー、加速度センサ、地震センサ、漏液センサ、液検知センサ、硬度計、電場計、電流計、電圧計、電力計、赤外線センサ、放射線線量計、湿度計、においセンサ、流量計、傾斜計、振動センサの何れか、または2つ以上の組み合わせを備え、前記基準値の種類は、前記イベントデータ収集部により収集されたデータまたは前記画像データの何れか、または2つ以上の組み合わせであって、前記基準値は、前記イベントデータ収集部により収集されたデータまたは前記画像データのそれぞれに対して設定された値であってもよい。
【0013】
前記監視システムにおいて、前記イベント解析部は、前記画像データのうち、連続して受信した第1の画像データの特徴点と、前記第1の画像データの次に受信した第2の画像データの特徴点と比較し、前記第2の画像データの特徴点に変化がある場合は、第2の画像データを異常値と判断して、前記携帯端末にトリガー信号を送信してもよい。
【0014】
前記監視システムにおいて、前記動画ファイルと前記イベントデータとは、前記監視端末が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせと関連付けられ、前記利用者情報データベースは、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信するための位置情報をさらに格納し、前記異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの位置情報と、前記利用者情報データベースに格納された位置情報と、を比較して一致した場合に、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信してもよい。
【0015】
前記監視システムにおいて、前記携帯端末は、携帯端末制御部と、音声出力部と、入力部と、表示部と、携帯端末通信部と、を備え、前記携帯端末通信部が前記トリガー信号を受信すると、音声出力部は着信音を再生し、前記利用者が、前記監視システムサーバの前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルの要求を前記入力部から入力すると、前記携帯端末制御部は、前記携帯端末通信部から前記監視システムサーバに前記動画ファイルを要求し、受信した前記動画ファイルを前記表示部でリアルタイムに再生してもよい。
【0016】
前記監視システムにおいて、前記利用者は、前記トリガー信号と関連付けられた前記異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの時間に基づいて、前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルを検索し、前記携帯端末の前記表示部で再生してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、監視システムが問題となるイベントを自動的に解析して、利用者が携帯端末を介して、問題となるイベントをリアルタイムで監視可能な監視システムを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る監視システム100のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る監視端末110のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯端末170のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るC2DMによるプッシュ通知を利用した動画ファイルの自動再生を説明するブロック図である
【図5】本発明の一実施形態に係る監視システム100における監視システムサーバ150と携帯端末170とのデータ流れを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る監視システム100において、監視システムサーバ150が画像データを取得してから、携帯端末170で動画ファイルが再生されるまでの各ステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る監視システム100において、監視システムサーバ150が画像データを取得してから、携帯端末170で動画ファイルが再生されるまでの各ステップを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像データの特徴点による異常値の検出方法を説明する模式図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像データの特徴点による異常値の検出方法を用いた監視システムの変形例を示し、(a)は建物の出入口を監視する例を示し、農地に害獣が侵入した場合に検知する方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明者らは、上述の問題を解決して、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、利用者が迅速に状況を確認できる監視システムについて、鋭意検討を行った。従来の携帯電話に変わって、高速通信が可能なスマートフォンの普及率が飛躍的に高まった現状を鑑みて、問題となるイベントを監視システムサーバで自動的に解析して、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、利用者の携帯端末に動画をリアルタイムで配信する方法を見出し、発明を完成させた。
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る監視システムについて説明する。但し、本発明の監視システムは多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る監視システム100のブロック図である。監視システム100は、ネットワーク190を介して監視端末110と、監視システムサーバ150と、携帯端末170とが接続されて、構成される。ここで、ネットワーク190は例えば、インターネットであるが、監視端末110と監視システムサーバ150とは、インターネットを介した接続以外に、専用回線、有線または無線による直接的な接続であってもよい。
【0022】
(監視端末)
本実施形態において、監視端末110として、1つ以上の監視端末が設置される。図2は、監視端末110のブロック図である。監視端末110は、監視カメラ101単体、または監視カメラ101及びイベントデータ収集部103を備える。また、監視端末110は、監視システムサーバ150とのデータの送受信を行うために、監視端末通信部105を備える。
【0023】
本実施形態に係る監視端末110の監視カメラ101は、既存の監視カメラやWebカメラを利用可能であって、監視する対象に応じて、モノクロカメラ、フルカラーカメラ、赤外線カメラから選択可能である。監視端末110は、監視カメラ101で撮影された画像データを、監視端末通信部105から監視システムサーバ150にリアルタイムで送信する。なお、後述するイベントデータまたは画像データを異常値として判断するまでは、監視する対象に応じて、監視端末110は、監視カメラ101で所定の時間の間隔毎に監視対象を撮影して、画像データを監視システムサーバ150に送信してもよい。所定の時間の間隔とは、例えば、1分毎、5分毎、10分毎等、監視システム100の利用者または監視システム提供者(管理者)により任意に設定可能である。
【0024】
本実施形態において、イベントデータ収集部103は、イベントデータを収集して、監視端末通信部105から監視システムサーバ150にリアルタイムで送信する。なお、後述するイベントデータまたは画像データを異常値として判断するまでは、監視する対象に応じて、監視端末110はイベント収集部103で所定の時間の間隔毎にイベントデータを収集して、イベントデータを監視システムサーバ150に送信してもよい。所定の時間の間隔とは、例えば、1分毎、5分毎、10分毎等、監視システム100の利用者または監視システム提供者(管理者)により任意に設定可能である。
【0025】
本実施形態に係るイベントデータ収集部103は、ストレインゲージ、ロードセル、半導体圧力センサ、光センサ、光電素子、フォトダイオード、磁気センサ、サーミスタ、抵抗測温体、熱電対、放射温度計、マイクロフォン、イオン濃度センサ、ガス濃度センサ、ポテンショメータ、差動トランス、回転角センサ、リニアエンコーダ、タコジェネレータ、ロータリエンコーダ、光位置センサ、超音波距離計、静電容量変位計、光学式測距儀、電磁波測距儀、レーザドップラー振動速度計、レーザドップラー流速計、ジャイロセンサー、加速度センサ、地震センサ、漏液センサ、液検知センサ、硬度計、電場計、電流計、電圧計、電力計、赤外線センサ、放射線線量計、湿度計、においセンサ、流量計、傾斜計、振動センサの何れか、または2つ以上の組み合わせを備える。イベントデータ収集部103は、これらのセンサ等により検出されるデータをイベントデータとして、監視端末通信部105から監視システムサーバ150に送信する。なお、本実施形態に係るイベントデータ収集部103は、後述するようなイベントデータを異常値と判断可能な基準値が設定可能なデータを取得できれば、利用可能な如何なるセンサ等を利用することもできる。
【0026】
上述したように、監視端末110と監視システムサーバ150とは、インターネットを介した接続や、専用回線、有線または無線による直接的な接続を利用することできる。また、監視端末110は複数設置する場合に、各監視端末が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせにより特定可能である。監視端末110の位置情報は、画像データやイベントデータの位置情報として、監視システムサーバ150により管理される。
【0027】
(監視システムサーバ)
本実施形態に係る監視システムサーバ150は、制御部151、エンコード部153と、イベント解析部155と、通信部159と、動画ファイル記憶部161とを備える。また、監視システムサーバ150は、基準値データベース163、利用者情報データベース165をさらに備える。
【0028】
本実施形態に係る監視システムサーバ150において、制御部151は中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム及び監視システムサーバ150を制御する基本アプリケーションやモジュールである。
【0029】
エンコード部153は、監視端末110から受信した画像データをエンコードし、動画ファイルを生成して、動画ファイル記憶部161に格納するアプリケーションやモジュールである。本実施形態においては、リアルタイムエンコーディングが好ましく、後述する携帯端末170に応じたフォーマットにエンコードする。また、エンコード部153は、動画ファイルの動きの少ない背景部分のノイズ量を抑え、動きのある部分を高画質にエンコードすることが好ましい。エンコード部153が、ノイズや画質のちらつきを抑えた動画ファイルにエンコードすることにより、携帯端末170が動画ファイルを再生したときに、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生した状況を利用者が明確に認識することができる。携帯端末170がスマートフォンの場合には、HTTPで取得可能なフォーマットにエンコードする。
【0030】
また、監視システムサーバ150は、イベントデータまたは画像データを異常値として判断するまでは、監視する対象に応じて、監視端末110は、監視カメラ101で所定の時間の間隔毎に監視対象を撮影したデータを受信するため、エンコード部153は、受信した画像データに応じて、適宜エンコードしてもよい。
【0031】
イベント解析部155は、受信したイベントデータまたは画像データを基準値と比較するアプリケーションやモジュールである。イベント解析部155は、受信したイベントデータまたは画像データを基準値と比較して、受信したイベントデータまたは画像データが基準値に対して逸脱している場合は、異常値と判断する。監視システムサーバ150は、受信したイベントデータまたは画像データが異常値と判断された場合に、携帯端末170にトリガー信号を送信する。
【0032】
また、イベント解析部155は、イベントデータまたは画像データを異常と判断した場合に、トリガー信号と、異常値が検出されたイベントデータまたは画像データの異常値が検出された時間と、を関連付ける。このようなトリガー信号と異常値が検出された時間とを関連付けることにより、利用者は、トリガー信号と関連付けられた異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの時間、すなわち、トリガー信号の履歴に基づいて、動画ファイル記憶部161に格納された動画ファイルを検索し、携帯端末170で再生することができる。
【0033】
(基準値)
本実施形態において、基準値とは、監視端末110のイベントデータ収集部103が収集するイベントデータに対して予め設定された値であって、イベント解析部155が解析するイベントデータが基準値に対して大きいまたは小さい場合に、異常と判断するための値である。本実施形態に係る基準値の種類は、上述したイベントデータ収集部103により収集されたデータまたは画像データの何れか、または2つ以上の組み合わせであってもよい。なお、基準値は、イベントデータ収集部103で収集が可能でデータであって、イベントデータ収集部103から受信したイベントデータを異常値と判断可能な値であれば、如何なる種類の値であってもよい。また、後述するように、受信した画像データにおいて、正常な画像データを基準値として、基準値となる画像データに対する変化を異常と判断するようにすることもできる。本実施形態において、基準値は、監視システム100の利用者または監視システム提供者(管理者)により任意に設定可能である。
【0034】
通信部159は、監視端末110および携帯端末170とのデータの送受信をするための装置であり、付随するアプリケーションやモジュールを含む。上述したように、監視端末110と監視システムサーバ150とは、インターネットを介した接続以外に、専用回線、有線または無線による直接的な接続であってもよい。一方、監視システムサーバ150と携帯端末170とは、インターネット及び携帯電話の通信網を介して接続される。
【0035】
動画ファイル記憶部161は、エンコード部153でエンコードされた動画ファイルを格納する装置であって、例えば、ハードディスクのような主記憶装置で構成される。動画ファイル記憶部161において、エンコードされた動画ファイルは、監視カメラ101で撮影された時間情報及び位置情報を関連付けられたデータベースを形成する。ここで、動画ファイルと関連付ける位置情報は、上述したように、監視端末110が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせである。また、動画ファイル記憶部161において、エンコードされた動画ファイルは、イベントデータ収集部103により収集されたイベントデータと関連付けて格納されてもよい。
【0036】
動画ファイル記憶部161は、格納された動画ファイルを所定の期間保存することが好ましい。動画ファイルを期間保存する期間は、利用者または監視システム提供者(管理者)により、1日、1週間、1ヶ月、1年等、任意に設定可能である。また、動画ファイル記憶部161に格納される動画ファイルには、暗号化、改ざん防止機能の追加等を行なってもよい。
【0037】
基準値データベース163は、上述した基準値を格納したデータベースであって、ハードディスクのような主記憶装置に格納される。基準値データベース163においては、1種類のイベントデータに対して、複数の基準値が定義されてもよい。すなわち、本実施形態においては、1種類のイベントデータに対して、監視する対象や利用者のニーズによって、複数の基準値を設定することができる。例えば、イベントデータ収集部103が水位計で、監視する対象がダムある場合、ダムの堤防の高さや収容可能な水量が異なり、利用者であるダムの管理者が危険と判断する水位は異なる。このため、本実施形態においては、基準値データベース163に複数の基準値を有することが好ましい。
【0038】
利用者情報データベース165は、利用者または携帯端末170を特定する情報と、携帯端末170にトリガー信号を送信するための基準値の種類と値の組合せを格納したデータベースであって、ハードディスクのような主記憶装置に格納される。監視システムサーバ150は、異常値と判断された基準値の種類と値の組合せと、利用者情報データベース165に格納された利用者毎の基準値の種類と値の組合せと、を比較して一致した場合に、携帯端末170にトリガー信号を送信する。本実施形態においては、上述したように、1種類のイベントデータに対して、利用者のニーズによって、複数の基準値を設定することができるため、利用者毎に基準値の種類と値の組合せが異なってもよい。
【0039】
また、上述したように、監視する対象により基準値を設定することができるため、本実施形態においては、監視端末110が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせを、利用者または携帯端末170を特定する情報と関連付けて格納してもよい。すなわち、監視システムサーバ150は、異常値が検出された監視端末110に応じて、トリガー信号を送信すべき携帯端末170を検索して、特定の携帯端末170のみにトリガー信号を送信することができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、動画ファイル記憶部161、基準値データベース163及び利用者情報データベース165は、別個のデータベースとして説明したが、これら2つ以上の組合せてあってもよい。また、動画ファイル記憶部161、基準値データベース163及び利用者情報データベース165は、長期間データを安定して格納可能な大容量の記憶装置であれば、SSD(ソリッドステートディスク)等の利用可能な装置に格納されてもよい。
【0041】
(携帯端末)
監視システム100において、携帯端末170は、ネットワーク190を介して監視システムサーバ150に接続する、利用者が携帯可能な端末である。図3は、本実施形態に係る携帯端末170のブロック図である。携帯端末170は、携帯端末制御部171、音声出力部173、入力部175、表示部177及び携帯端末通信部179を備える。
【0042】
携帯端末170は、例えば、携帯電話、ネットブック、タブレット型端末であってもよく、高速通信が可能な端末が好ましい。本明細書において、「高速通信」とは、例えば、携帯電話であれば第3世代移動通信システムやLTE(Long Term Evolution)(登録商標)、無線通信であればWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(登録商標)等の規格の通信システムをいう。本実施形態においては、携帯端末170は携帯性に優れ、近年広く普及したスマートフォンが好ましい。また、本実施形態においては、携帯端末を用いた例を説明するが、光通信を利用した固定電話を経由しての有線通信に接続したパーソナルコンピュータ(PC)を除外するものではない。
【0043】
携帯端末通信部179が監視システムサーバ150からトリガー信号を受信すると、音声出力部173は着信音を再生する。利用者が、監視システムサーバ150の動画ファイル記憶部161に格納された動画ファイルの要求を入力部175から入力すると、携帯端末制御部171は、携帯端末通信部179から監視システムサーバ150に動画ファイルを要求する。携帯端末170は、受信した動画ファイルを表示部177でリアルタイムに再生する。ここで、携帯端末170は、トリガー信号を受信したときに、自動的に監視システムサーバ150に接続し、動画ファイルを受信して動画ファイルを表示部177で再生するアプリケーションやモジュールを備えてもよい。
【0044】
このようなトリガー信号に基づく動画ファイルの自動再生は、例えば、Android(登録商標)をオペレーティングシステムとするスマートフォンを携帯端末170に利用したときに、C2DM(Cloud to Device Messaging)によるプッシュ通知を行うことで実現することができる。図4は、C2DMによるプッシュ通知を利用した動画ファイルの自動再生を説明するブロック図である。監視システムサーバ150は、監視端末110から受信したイベントデータまたは画像データを異常値として判断すると、利用者情報データベース165を検索してトリガー信号を送信すべき携帯端末170を特定して、GAE(Google(登録商標) Application Engine)181にトリガー信号を送信する。GAE181のデータベースには携帯端末170の登録IDが格納されており、GAE181はトリガー信号に基づき、登録IDの携帯端末170に対してプッシュ通知を行うようC2DMサーバ183に要求する。要求を受けたC2DMサーバ183は、携帯端末170にプッシュ通知を行う。プッシュ通知を受信した携帯端末170は音声出力部173で着信音を再生し、監視システムサーバ150に画像データを要求して動画ファイルを受信するとともに、携帯端末170に格納された動画プレイヤーを起動して、表示部177でリアルタイムに動画を再生する。本実施形態に係る監視システム100は、高速通信が可能なスマートフォンと、一般に利用可能なC2DMによるプッシュ通知を利用することにより、システム構築に必要な資源やコストを低減するとともに、利用者が監視システムを利用することも抑制することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る監視システムは、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、監視システムが問題となるイベントを自動的に解析して、利用者が携帯端末を介して、問題となるイベントをリアルタイムで監視可能な監視システムを提供することできる優れた効果を奏する。また、広く普及したスマートフォンのような高速通信が可能な携帯端末を利用することから、利用者は犯罪や事故、災害等の問題に常時対処可能であり、犯罪や事故、災害等の問題による被害を低減する減災に大きく貢献するものである。
【0046】
(監視システムによる監視方法)
上述した監視システムを利用した犯罪や事故、災害等の問題の監視方法について、さらに説明する。図5は、本実施形態に係る監視システム100における監視システムサーバ150と携帯端末170とのデータ流れを示す図である。また、図6及び図7は、監視システム100において、監視システムサーバ150が画像データを取得してから、携帯端末170で動画ファイルが再生されるまでの各ステップを示すフローチャートである。
【0047】
(動画ファイルの生成)
監視システムサーバ150は、監視端末110の監視カメラ101で撮影された画像を通信部159で受信する(S101)。受信した画像は、エンコード部153でリアルタイムエンコードされる(S103)。ここで、リアルタムエンコーディングは、受信した画像データをHTTPで取得可能で、取得携帯端末170で再生して表示部177に表示可能な動画ファイルに変換する工程である。リアルタムエンコーディングには、公知のエンコード技術を適用可能であるが、本実施形態においては、動画ファイルの動きの少ない背景部分のノイズ量を抑え、動きのある部分を高画質にエンコードすることが好ましい。また、エンコードされた動画ファイルをスマートフォンのような携帯端末170で再生する場合は、表示させる画素数が少ないため、小さなサイズのデータファイルに変換することが好ましい。
【0048】
エンコードした動画ファイルには、タグ情報を付加する(S105)。すなわち、動画ファイルは、撮影時刻、監視端末110が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせや、イベントデータ収集部103により収集されたイベントデータ等と関連付ける。このようなタグ情報は、これらの情報を動画フィルと関連する情報として利用者に提供するとともに、これらの情報を基に動画ファイルを検索する手段として用いることができる。タグ情報を付加された動画ファイルは、動画ファイル記憶部161に格納される(S107)。
【0049】
(トリガー信号の送信)
監視システムサーバ150は、監視端末110のイベントデータ収集部103で収集されたイベントデータを通信部159で受信する(S201)。受信したイベントデータは、イベント解析部155で、基準値データベース163に格納された基準値と比較される(S203)。または、イベント解析部155は、受信した画像データと基準値となる画像データとを比較する。イベント解析部155は、受信したイベントデータまたは画像データが基準値に対して逸脱した異常値であるか否かを判定する(S203)。イベント解析部155は、イベントデータまたは画像データを異常と判断した場合は、異常と判断した時間を記録する(S205)。また、監視システムサーバ150は、イベントデータまたは画像データが異常値と判断された場合には、通信部159から携帯端末170にトリガー信号を送信する(S207)。
【0050】
このとき、監視システムサーバ150は、利用者情報データベース165を参照して、異常値と判断された基準値の種類と値の組合せと、利用者情報データベース165に格納された利用者毎の基準値の種類と値の組合せと、を比較して一致した場合に、携帯端末170にトリガー信号を送信する。また、監視システムサーバ150は、利用者情報データベース165を参照して、トリガー信号を送信すべき携帯端末170を検索して、特定の携帯端末170のみにトリガー信号を送信する。
【0051】
(トリガー信号の受信)
携帯端末170は、ネットワーク190を介して、監視システムサーバ150からトリガー信号を携帯端末通信部179で受信する(S301)。トリガー信号を受信すると、音声出力部173は着信音を再生する(S303)。着信音を再生することにより、利用者は、監視対象で異常が発生していることを認識することができる。
【0052】
(動画ファイルの再生)
利用者は、着信音の再生により監視対象で異常が発生していることを認識すると、携帯端末170を介して監視対象で発生した異常をリアルタイムで確認するために、監視システムサーバ150に動画ファイルを要求する(S401)。利用者は、入力部175を操作することにより、監視システムサーバ150に動画ファイルを要求することができる。監視システムサーバ150は、携帯端末170から動画ファイルの要求を受信すると、動画ファイル記憶部161に格納された異常値が検出された監視カメラ101の動画ファイルを携帯端末170に送信する。携帯端末170は、監視システムサーバ150から動画ファイルを受信し(S403)、携帯端末170に格納された動画プレイヤーを起動して、表示部177でリアルタイムに再生する(S405)。利用者は、再生された動画を介して、犯罪や事故、災害等の発生状況をリアルタイムで確認することができる。これにより、利用者は、犯罪や事故、災害等の問題に迅速に対応することができ、被害を低減することも可能である。
【0053】
なお、本実施形態に係る監視システムによる監視方法においては、上述したように、C2DM(Cloud to Device Messaging)によるプッシュ通知を利用することにより、トリガー信号に基づく動画ファイルの自動再生を行うこともできる。このような自動再生は、利用者が携帯端末170を操作することなく、動画ファイルを取得して再生するため、例えば、利用者が高齢者や子供、聴覚障害者であっても迅速に犯罪や事故、災害等の発生状況をリアルタイムで確認することができる。
【0054】
本実施形態に係る監視システムによる監視方法においては、利用者情報データベース165に、携帯端末170にトリガー信号を送信するための位置情報をさらに格納してもよい。監視システム100は、異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの位置情報と、利用者情報データベース165に格納された位置情報と、を比較して一致した場合に、携帯端末170にトリガー信号を送信することができる。すなわち、犯罪や事故、災害等の問題が発生した位置と、携帯端末170の位置が一致する場合にトリガー信号を送信することにより、利用者に避難や対処を喚起するとともに、犯罪や事故、災害等の問題が発生した位置とは離れた場所にいる利用者にはトリガー信号を送信しないようにすることもできる。
【0055】
上述した本実施形態に係る監視システムによる監視方法においては、携帯端末170がトリガー信号を受信することにより、利用者は携帯端末170で動画を確認するものであるが、本実施形態に係る監視システムによる監視方法はこれに限定されるものではなく、監視端末110の監視カメラ101で撮影され、動画ファイル記憶部161に格納された動画ファイルを利用者が任意のタイミングで見ることもできる。利用者は異常が発生していなくても、好きなときに携帯端末170で動画ファイルを再生し、監視対象を確認することもできる。この場合、監視システムサーバ150は、携帯端末170からの動画ファイルの送信要求に対して、利用者情報データベース165を検索し、利用者または携帯端末170を特定する情報と、監視端末110の位置情報とを照合して、一致した場合のみ動画ファイル記憶部161に格納された動画ファイルを携帯端末170に送信するようにしてもよい。このようにすることにより、動画ファイルを要求した利用者に監視対象としていない監視端末110からの動画ファイルは提供させず、利用者間のプライバシー等を保護することもできる。
【0056】
(画像データの特徴点による異常値の検出)
本実施形態に係る監視システム及び監視方法においては、上述したように、受信した画像データと基準値となる画像データとを比較することにより、異常を検知してもよい。以下に、画像データを用いた異常値の検出方法について説明する。
【0057】
図8は、本実施形態に係る画像データの特徴点による異常値の検出方法を説明する模式図である。図8は、海に設置された防波堤に特徴点10を付している。特徴点10は、平常時は、水面よりも高い位置に設置され、監視端末110の監視カメラ101で撮影された画像には、常時確認される目印である。本実施形態においては、監視システムサーバ150は、特徴点10が観察される画像データを基準値(第1の画像データ)として、基準値データベース163に格納する。
【0058】
監視システムサーバ150において、イベント解析部155は、連続して受信した第1の画像データの特徴点10と、第1の画像データの次に受信した第2の画像データの特徴点10と比較し、第2の画像データの特徴点10が確認される間は、監視対象の防波堤のある海域は正常と判断する。一方、高波や津波等の異常な海水面の上昇が起こると、特徴点10に波が達して、画像データに特徴点10が観察されなくなる。この場合、イベント解析部155は、第2の画像データを異常値と判断する。
【0059】
第2の画像データを異常値と判断した監視システムサーバ150は、携帯端末170にトリガー信号を送信する。この結果、利用者は、監視対象の防波堤のある海域において高波や津波等の異常な海水面の上昇が発生したことを、動画を見ることにより、リアルタイムで確認することができる。これにより、迅速な避難が可能となり、人命の保護にとって非常に有益な情報を利用者は得ることができる。また、画像データの特徴点による異常値の検出方法と、水位計をイベントデータ収集部103に用いたイベントデータの解析とを組合せることにより、より高精度な監視を行うことができる。
【0060】
本明細書において、特徴点とは、第1の画像データと第2の画像データとを比較して、基準値を設定でき、且つ異常を検出可能な目印を示す。したがって、上述したような防波堤に付けられた目印でもよく、塗料で付けられた目印、構造物(点、線、平面図形、立体図形等)でもよい。また、特徴点と、第1の画像データ(正常時)には存在せず、第2の画像データ(異常時)にのみ検出されるものでもよい。例えば、火災時に炎の映った第2の画像データを受信した場合に、監視システムサーバ150は、基準値データベース163に格納された炎の画像パターンデータと比較して、第2の画像データに炎を検出して火災が発生しと判断することもできる。
【0061】
同様に、監視システムサーバ150は、河川や貯め池、海等に人が転落したときに、異常と判断して利用者にトリガー信号を送信することもできる。すなわち、河川や貯め池、海等の近辺、例えば、岸辺や堤防に人が映った第1の画像データ(正常時)の次に、河川や貯め池、海等の方向に人が消えた第2の画像データを受信した場合、イベント解析部155は第2の画像データを異常値と判断する。監視システムサーバ150が利用者、例えば、河川や貯め池等の管理者や警察署、消防署等にトリガー信号を送信することにより、河川や貯め池、海等に転落した人を迅速に救助することもできる。また、岸辺や堤防等が、人が普段立ち入れない区域である場合は、イベント解析部155は、人が岸辺や堤防等に侵入した第2の画像データを異常値と判断し、監視システムサーバ150が利用者にトリガー信号を送信するようにしてもよい。
【0062】
画像データの特徴点による異常値の検出方法は、災害対策以外にも利用することができる。図9に画像データの特徴点による異常値の検出方法を用いた監視システムの変形例を示す。図9(a)は建物の出入口を監視する例を示す。監視システムサーバ150の基準値データベース163には、監視端末110の監視カメラ101で撮影された扉が閉じた状態を基準値(第1の画像データ)として格納される。イベント解析部155は、扉が開いて人が映った画像を第2の画像データとして受信すると、第2の画像データを異常値と判断する。
【0063】
このような扉の開閉はセンサによっても行うことができるが、センサで認識できるのは、扉の開閉と、人の出入りのみである。一方、画像データの特徴点による異常値の検出方法を用いると、扉の出入りを出来る人が制服を着用している場合、制服のパターンを認識して、制服を着用している人が映った画像データを正常と判断し、制服を着用していない人が映った画像データを異常と判断することもできる。これにより、侵入者を識別して対処することが可能である。また、異常が検出された監視端末110の位置情報から、侵入者が侵入した扉に警備員を急行させることも可能である。
【0064】
また、病院や介護施設等で、患者や入所者が着用したパジャマ等の柄を基準値データベース163に格納しておくことにより、患者や入所者が突発的に建物の外へ出た場合に、病院や介護施設等の職員が、患者や入所者が出た扉に急行し、患者や入所者を保護することも可能である。
【0065】
図9(b)は、農地に害獣が侵入した場合に検知する方法を示す模式図である。監視システムサーバ150は、正常時の農地の画像を基準値(第1の画像データ)として基準値データベース163に格納する。監視システムサーバ150は、第2の画像データとして害獣が映った画像を受信すると、イベント解析部155は第2の画像データを異常値と判断する。これにより、利用者は害獣が侵入した農地に急行し、害獣を排除することができる。また、監視カメラ101として赤外線カメラを用いると、害獣が侵入しやすい夜間での監視が可能となる。また、害獣の目は輝度の高い点として画像中で認識することが可能であるため、この輝度の高い目を基準として、異常値を判定することも可能である。
【0066】
以上説明したように、本発明に係る監視システムは、画像データの特徴点による異常値の検出を行うことで、犯罪や事故、災害等の問題となるイベントが発生したときに、監視システムが問題となるイベントを自動的に解析して、利用者が携帯端末を介して、問題となるイベントをリアルタイムで監視可能な監視システムを提供することできる。
【符号の説明】
【0067】
10:特徴点、100:監視システム、101:監視カメラ、103:イベントデータ収集部、105:監視端末通信部、110:監視端末、150:監視システムサーバ、151:制御部、153:エンコード部、155:イベント解析部、159:通信部、161:動画ファイル記憶部、150:監視システムサーバ、163:基準値データベース、165:利用者情報データベース、170:携帯端末、171:携帯端末制御部、173:音声出力部、175:入力部、177:表示部、179:携帯端末通信部、190:ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視システムサーバと、監視端末と、利用者の携帯端末とがネットワークを介して接続する監視システムであって、
前記監視端末は、監視カメラと、イベントデータ収集部とを備え、
前記監視システムサーバは、制御部と、エンコード部と、イベント解析部と、通信部と、動画ファイル記憶部とを備え、
前記監視端末は、前記監視カメラで撮影した画像データと、前記イベントデータ収集部が収集するイベントデータイベントデータとを、前記ネットワークを介して前記監視システムサーバに送信し、
前記監視システムサーバの前記制御部は、前記通信部で前記画像データと前記イベントデータとを受信し、
受信した前記画像データを前記エンコード部でエンコードし、動画ファイルを生成して、前記動画ファイル記憶部に格納し、
受信した前記イベントデータまたは前記画像データを前記イベント解析部で基準値と比較して、前記イベントデータまたは前記画像データを異常値と判断した場合に、前記携帯端末にトリガー信号を送信し、
前記携帯端末は、前記トリガー信号に応じて、前記監視システムサーバの前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルを受信することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記イベント解析部は、前記イベントデータまたは前記画像データを異常と判断した場合に、前記トリガー信号と、異常値が検出されたイベントデータまたは画像データの異常値が検出された時間と、を関連付けることを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視システムサーバは、前記イベントデータまたは前記画像データと比較する前記基準値を格納する基準値データベースをさらに備え、
前記基準値は、前記利用者または監視システム提供者により予め決められた値であることを特徴とする請求項1または2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記監視システムサーバは、利用者情報データベースをさらに備え、
前記利用者または前記携帯端末を特定する情報と、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信するための基準値の種類と値の組合せと、を格納し、
前記異常値と判断された基準値の種類と値の組合せと、前記利用者情報データベースに格納された利用者毎の基準値の種類と値の組合せと、を比較して一致した場合に、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の監視システム。
【請求項5】
前記イベントデータ収集部は、ストレインゲージ、ロードセル、半導体圧力センサ、光センサ、光電素子、フォトダイオード、磁気センサ、サーミスタ、抵抗測温体、熱電対、放射温度計、マイクロフォン、イオン濃度センサ、ガス濃度センサ、ポテンショメータ、差動トランス、回転角センサ、リニアエンコーダ、タコジェネレータ、ロータリエンコーダ、光位置センサ、超音波距離計、静電容量変位計、光学式測距儀、電磁波測距儀、レーザドップラー振動速度計、レーザドップラー流速計、ジャイロセンサー、加速度センサ、地震センサ、漏液センサ、液検知センサ、硬度計、電場計、電流計、電圧計、電力計、赤外線センサ、放射線線量計、湿度計、においセンサ、流量計、傾斜計、振動センサの何れか、または2つ以上の組み合わせを備え、
前記基準値の種類は、前記イベントデータ収集部により収集されたデータまたは前記画像データの何れか、または2つ以上の組み合わせであって、
前記基準値は、前記イベントデータ収集部により収集されたデータまたは前記画像データのそれぞれに対して設定された値であることを特徴とする請求項4に記載の監視システム。
【請求項6】
前記イベント解析部は、前記画像データのうち、連続して受信した第1の画像データの特徴点と、前記第1の画像データの次に受信した第2の画像データの特徴点と比較し、
前記第2の画像データの特徴点に変化がある場合は、第2の画像データを異常値と判断して、前記携帯端末にトリガー信号を送信することを特徴とする請求項5に記載の監視システム。
【請求項7】
前記動画ファイルと前記イベントデータとは、前記監視端末が設置された住所、緯度及び経度、またはIPアドレスの何れか、または2つ以上の位置情報の組み合わせと関連付けられ、
前記利用者情報データベースは、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信するための位置情報をさらに格納し、
前記異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの位置情報と、前記利用者情報データベースに格納された位置情報と、を比較して一致した場合に、前記携帯端末に前記トリガー信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の監視システム。
【請求項8】
前記携帯端末は、携帯端末制御部と、音声出力部と、入力部と、表示部と、携帯端末通信部と、を備え、
前記携帯端末通信部が前記トリガー信号を受信すると、音声出力部は着信音を再生し、
前記利用者が、前記監視システムサーバの前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルの要求を前記入力部から入力すると、
前記携帯端末制御部は、前記携帯端末通信部から前記監視システムサーバに前記動画ファイルを要求し、
受信した前記動画ファイルを前記表示部にリアルタイムに再生することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の監視システム。
【請求項9】
前記利用者は、前記トリガー信号と関連付けられた前記異常値と判断されたイベントデータまたは画像データの時間に基づいて、前記動画ファイル記憶部に格納された前記動画ファイルを検索し、
前記携帯端末の前記表示部で再生することを特徴とする請求項8に記載の監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−101559(P2013−101559A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245783(P2011−245783)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(511272071)A1コミュニケーションズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】