説明

監視制御システム

【課題】監視制御装置及び被監視制御装置が、夫々の自装置の監視出力端子及び監視入力端子と対応する監視入力端子及び監視出力端子を有する相手装置(又は夫々の自装置の制御入力端子及び制御出力端子と対応する制御出力端子及び制御入力端子を有する相手装置)を特定する必要がない監視制御システムを提供する。
【解決手段】信号電送装置3a、3b及び3cの夫々が、監視制御装置及び被監視制御装置としての操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hから受信した監視信号(又は制御信号)を、夫々の制御部31のRAMに累積的に記憶し、更新された監視信号(又は制御信号)を一括して操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hに送信すると共に、隣接する他の信号電送装置にも送信する。これにより、一の操作制御装置における監視信号(又は制御信号)の状態変化は、操作制御装置2a〜2hの全てに送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視制御装置に接続されるべき機器が、被監視制御装置に接続されるべき機器を、通信線を介して監視制御する監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラント、動力システム等の大規模設備において広範囲に散在する機器を、通信線を介して遠隔地より集中的に監視制御する技術が盛んに利用されている。また、通信線を敷設することが困難な設備環境では、各機器に電力を配電する電力線に、搬送波を変調した監視制御信号を重畳させて通信するようなことも行われている。
【0003】
例えば特許文献1では、船内の監視制御室に配された監視制御装置が、被監視制御装置に接続されて船内の各所に配された被監視制御機器を、電力線通信装置及び電力線を介して監視制御する技術が開示されている。但し、電力線を介した通信では、通信可能な距離が比較的短いという制約があり、上述した船内のようなノイズが多い環境では、通信可能な距離が更に制限される虞がある。
【0004】
これに対し、特許文献2では、電力線に夫々接続される親局(即ち監視制御装置)及び子局(即ち被監視制御装置)の間に、前記電力線に接続された中継局を備え、該中継局が、親局及び子局の間で授受される監視信号及び制御信号を中継することにより、親局に接続される主制御端末が、子局に接続される機器を監視制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−349903号公報
【特許文献2】特開2005−45711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に開示された技術では、被監視制御装置が複数ある場合、監視制御装置が1つであったとしても、監視制御装置は、自装置の監視出力端子及び制御入力端子の夫々と対応する監視入力端子及び制御出力端子を有する被監視制御装置を特定して監視信号の受信及び制御信号の送信を行わねばならないという問題があった。
また、監視制御装置が複数ある場合、被監視制御装置は、自装置の監視入力端子及び制御出力端子の夫々と対応する監視出力端子及び制御入力端子を有する監視制御装置を特定して監視信号の送信及び制御信号の受信を行わねばならなかった。
【0006】
更に、特許文献2に開示された技術を用いて監視信号(又は制御信号)(監視信号と制御信号とは対象性を有するため、以下では、監視信号に係る内容をかっこ無しで、制御信号に係る内容をかっこ付きで夫々説明する)を中継させる場合、監視信号(又は制御信号)を送信する被監視制御装置(又は監視制御装置)は、監視信号(又は制御信号)の送信経路を受信先に応じて特定し、中継の要否を判定した上で中継が必要なときは、監視信号(又は制御信号)に受信先の監視制御装置(又は被監視制御装置)のアドレス情報のみならず、前記中継局のアドレス情報をも書き込まねばならないという煩雑さがあった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、監視制御装置及び被監視制御装置において、夫々の自装置の監視出力端子及び監視入力端子と対応する監視入力端子及び監視出力端子を有する相手装置(又は夫々の自装置の制御入力端子及び制御出力端子と対応する制御出力端子及び制御入力端子を有する相手装置)を特定する必要がない監視制御システムを提供することにあり、併せて、例えば、船内等で電力線に信号を重畳して通信する場合、監視制御信号を中継するときにも、監視制御装置及び被監視制御装置と監視制御信号を中継する装置との位置関係によって監視制御信号の送信経路を特定する必要がない監視制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る監視制御システムは、通信線に接続されており、該通信線を介して監視制御信号を送受信する監視制御装置及び1又は複数の被監視制御装置を備え、前記監視制御装置に接続されるべき機器が前記被監視制御装置に接続されるべき機器を監視及び/又は制御する監視制御システムにおいて、前記監視制御信号は、前記監視制御装置及び被監視制御装置が監視出力端子及び監視入力端子から夫々出力及び入力する信号(又は制御入力端子及び制御出力端子から夫々入力及び出力する信号)に対応する監視信号(又は制御信号)を含み、前記通信線に接続されており、前記監視制御装置及び被監視制御装置夫々との間で前記監視信号(又は前記制御信号)を送受信する1又は複数の信号伝送装置を備え、前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)が前記信号伝送装置に送信した監視信号(又は制御信号)を、前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)が前記信号伝送装置から受信した場合、前記監視制御装置の監視出力端子(又は制御入力端子)に接続されるべき機器が、前記被監視制御装置の監視入力端子(又は制御出力端子)に接続されるべき機器を監視(又は制御)するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、監視制御装置及び被監視制御装置が送受信する監視制御信号は、監視制御装置が監視出力端子から出力する信号及び被監視制御装置が監視入力端子から入力する信号に夫々対応する監視信号(又は監視制御装置が制御入力端子から入力する信号及び被監視制御装置が制御出力端子から出力する信号に夫々対応する制御信号)を含み、1又は複数の信号伝送装置が、監視制御装置及び被監視制御装置夫々との間で監視信号(又は制御信号)を送受信する。そして、信号電送装置が被監視制御装置(又は監視制御装置)から受信した監視信号(又は制御信号)を、監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信した場合、被監視制御装置の監視入力端子(又は制御出力端子)に接続されるべき機器が、監視制御装置の監視出力端子(又は制御入力端子)に接続されるべき機器から監視(又は制御)されるようにしてある。
これにより、監視制御装置(又は被監視制御装置)が、信号電送装置を介して被監視制御装置(又は監視制御装置)から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、監視制御機器に接続されるべき機器から被監視制御装置に接続されるべき機器を監視(又は制御)することができる。また、被監視制御装置(又は監視制御装置)が送信した監視信号(又は制御信号)は、信号電送装置によって中継されるかのように監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信される。この場合、監視信号(又は制御信号)と、送信元の被監視制御装置及び受信先の監視制御装置(又は送信元の監視制御装置及び受信元の被監視制御装置)との対応付けは必要とされない。
このため、監視制御装置及び被監視制御装置において、夫々の自装置の監視出力端子及び監視入力端子と対応する監視入力端子及び監視出力端子を有する相手装置(又は夫々の自装置の制御入力端子及び制御出力端子と対応する制御出力端子及び制御入力端子を有する相手装置)を特定する必要がない。また、被監視制御装置(又は監視制御装置)は、監視信号(又は制御信号)の送信経路を受信先の監視制御装置(又は被監視制御装置)に応じて特定する必要がなく、例えば、常に一定の信号伝送装置に向けて送信すればよい。
【0010】
本発明に係る監視制御システムは、前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)は、前記信号伝送装置から受信した監視信号(又は制御信号)のうち、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応されるべき監視信号(又は制御信号)を記憶する出力記憶手段と、該出力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)に監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を対応させる信号出力手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、監視制御装置(又は被監視制御装置)は、信号電送装置から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、自装置が有する監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応されるべき監視信号(又は制御信号)を出力記憶手段に記憶し、その後、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、出力記憶手段に記憶した監視信号に対応させる。
これにより、監視制御装置(又は被監視制御装置)は、監視信号(又は制御信号)の受信と、監視出力端子(又は制御出力端子)からの信号の出力とを非同期に行うことができる。また、監視信号(又は制御信号)と出力記憶手段における記憶位置とを1対1に対応させることとした場合は、出力記憶手段の容量は、自装置が有する監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応する数だけあればよい。
【0012】
本発明に係る監視制御システムは、前記出力記憶手段は、m個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)を記憶するようにしてあり、前記信号出力手段は、前記監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号の夫々を、前記出力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)のうち、任意のn個(nはm以下の自然数)の監視信号(又は制御信号)に対応させるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、監視制御装置(又は被監視制御装置)の信号出力手段は、出力記憶手段が記憶したm個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)のうち、任意のn個(nはm以下の自然数)の監視信号に基づいて導出した信号に、監視出力(又は制御出力)から出力する信号を対応させる。
これにより、nが1の場合、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号と監視信号(又は制御信号)とを1対1に対応させることができるほか、nが2以上である場合に、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、例えばn個の監視信号の論理積又は論理和をとった信号に対応させることができる。
【0014】
本発明に係る監視制御システムは、前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)は、監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成する手段と、該手段が生成した監視信号(又は制御信号)を記憶する入力記憶手段と、前記信号伝送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、前記入力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)を送信する通知送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、被監視制御装置(又は監視制御装置)は、自装置が有する監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成して入力記憶手段に記憶し、信号伝送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合は、入力記憶手段に記憶した監視信号(又は制御信号)を通知送信手段によって送信する。
これにより、被監視制御装置(又は監視制御装置)は、監視信号の生成と、監視信号(又は制御信号)の送信とを非同期に行うことができる。また、監視信号(又は制御信号)と入力記憶手段における記憶位置とを1対1に対応させることとした場合は、出力記憶手段の容量は、自装置が有する監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する数だけあればよい。
【0016】
本発明に係る監視制御システムは、前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)は、通知送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する通知記憶手段と、前記入力記憶手段及び通知記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する通知照合手段とを備え、前記通知送信手段は、前記通知照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、被監視制御装置(又は監視制御装置)は、信号電送装置に送信した監視信号(又は制御信号)を通知記憶手段に記憶する。その後、信号電送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、入力記憶手段及び通知記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、被監視制御装置(又は監視制御装置)は、監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号のうち、前回の送信以降に状態変化があった信号に対応する監視信号(又は制御信号)だけを信号電送装置に送信する。このため、通信線のトラフィックが減少する。
【0018】
本発明に係る監視制御システムは、前記信号伝送装置は、前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)から受信した監視信号(又は制御信号)を記憶する状態記憶手段と、該状態記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)を、前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)へ送信する指示送信手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、信号電送装置は、被監視制御装置(又は監視制御装置)から受信した監視信号(又は制御信号)を状態記憶手段に記憶し、記憶した監視信号(又は制御信号)を、指示送信手段によって監視制御装置(又は被監視制御装置)へ送信する。
これにより、信号電送装置は、受信した監視信号(又は制御信号)を逐次累積的に記憶し、更新された監視信号(または制御信号)を一括して監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信することができる。
【0020】
本発明に係る監視制御システムは、前記信号伝送装置は、前記指示送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する指示記憶手段と、前記状態記憶手段及び指示記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する指示照合手段とを備え、前記指示送信手段は、前記指示照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、信号伝送装置は、指示送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を指示記憶手段に記憶する。その後、監視制御装置(又は被監視制御装置)に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、状態記憶手段及び指示記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、信号電送装置は、被監視制御装置(又は監視制御装置)から受信した監視信号(又は制御信号)のうち、前回の送信以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけを監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信する。このため、通信線のトラフィックが減少する。
【0022】
本発明に係る監視制御システムは、信号電送装置を複数有し、一の信号伝送装置は、他の信号伝送装置から受信した監視信号(又は制御信号)を、前記状態記憶手段に記憶する手段と、前記状態記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)の一部又は全部を他の信号電送装置に送信する中継送信手段と、該中継送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する中継記憶手段と、前記状態記憶手段及び中継記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する中継照合手段とを備え、前記中継送信手段は、前記中継照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、信号伝送装置は、他の信号電送装置から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、受信した監視信号(又は制御信号)を状態記憶手段に記憶し、記憶された監視信号(又は制御信号)の一部又は全部を他の信号伝送装置に送信し、送信した監視信号(又は制御信号)を中継記憶手段に記憶する。その後、他の信号電送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合は、状態記憶手段及び中継記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、信号電送装置は、状態記憶手段に記憶した監視信号(又は制御信号)のうち、前回の送信以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけを他の信号電送装置に送信する。このため、監視信号(又は制御信号)の変化分が他の信号電送装置に送信されて、監視制御システム内の全ての信号電送装置が記憶する監視信号(又は制御信号)が一致するようになり、全ての信号電送装置を一つの信号伝送装置として扱うことができる。
従って、監視信号(又は制御信号)が信号電送装置間を中継されるような場合であっても、被監視制御装置(又は監視制御装置)が送信した監視信号(又は制御信号)は、これを受信すべき監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信される。
【0024】
本発明に係る監視制御システムは、前記信号電送装置は、前記監視信号(又は前記制御信号)が受信されるべき監視制御装置(又は被監視制御装置)を記憶する手段を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、信号電送装置は、監視信号(又は制御信号)の受信先の監視制御装置(又は被監視制御装置)を記憶するようにしてある。
これにより、信号伝送装置は、送信すべき監視信号(又は制御信号)を監視制御装置(又は被監視制御装置)ごとに特定することができる。このため、信号電送装置から監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信する監視信号(又は制御信号)のサイズが小さくなり、通信線のトラフィックが減少する。
【0026】
本発明に係る監視制御システムは、前記通信線には、電力を配電する電力線が含まれることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、監視制御装置、被監視制御装置及び信号電送装置に電力を配電する電力線が、通信線に含まれる。
これにより、電力線を介して監視制御信号を送受信することとした場合は、専用の通信線が不要となる。
この場合、信号伝送装置が、更に、電力線以外の通信線を介して通信する手段を有するときは、例えばLAN等の通信線を介して複数の信号電送装置間の通信距離を延長することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、監視制御装置(又は被監視制御装置)が、信号電送装置を介して被監視制御装置(又は監視制御装置)から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、監視制御機器に接続されるべき機器から被監視制御装置に接続されるべき機器を監視(又は制御)することができる。また、被監視制御装置(又は監視制御装置)が送信した監視信号(又は制御信号)は、信号電送装置によって中継されるかのように監視制御装置(又は被監視制御装置)に送信される。この場合、監視信号(又は制御信号)と、送信元の被監視制御装置及び受信先の監視制御装置(又は送信元の監視制御装置及び受信元の被監視制御装置)との対応付けは必要とされない。
従って、監視制御装置及び被監視制御装置において、夫々の自装置の監視出力端子及び監視入力端子と対応する監視入力端子及び監視出力端子を有する相手装置(又は夫々の自装置の制御入力端子及び制御出力端子と対応する制御出力端子及び制御入力端子を有する相手装置)を特定する必要をなくすことが可能となる。併せて、例えば、船内等で電力線に信号を重畳して通信する場合、監視制御信号を中継するときにも、監視制御装置及び被監視制御装置と監視制御信号を中継する装置との位置関係によって監視制御信号の送信経路を特定する必要をなくすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る監視制御システムを船舶中の機器の監視制御に適用し、監視制御信号を電力線で送受信する実施の形態について詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視制御システムを模式的に示すシステム構成図であり、図2は、監視制御システムの接続形態(トポロジー)を示す説明図である。図中1は後述する各装置に電力を配電するための電力線であり、電力線1は、各装置が相互に通信するための通信線としての役目も果たしている。電力線1には、いわゆる監視制御装置及び/又は被監視制御装置の機能を有する操作制御装置2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hが接続されている。
【0030】
操作制御装置2a〜2hの夫々は、マイクロコンピュータからなる制御部21を備え、制御部21には電力線1を介して通信するためのPLC(Power Line Communication)モデム22と、監視(又は制御)のための信号を外部から入力及び/又は外部へ出力するための入出力I/F(I/O)23とが接続されている。
【0031】
電力線1には、また、信号電送装置43及び操作制御装置42の機能を併せ持つパーソナルコンピュータ(以下、PCという)4が通信するためのPLCモデム40と、操作制御装置2a〜2hとの間で信号を送受信する信号伝送装置3a,3b,3cとが接続されている。PC4の一部である操作制御装置43は、監視出力端子及び制御入力端子に、PC4のディスプレイ4a及びキーボード4bが夫々接続された監視制御装置と等価である。信号伝送装置3a〜3cの夫々は、マイクロコンピュータからなる制御部31を備え、制御部31には電力線1を介して通信するためのPLCモデム32と、LAN5を介して通信するためのLANI/F35とが接続されている。LAN5には、信号伝送装置3a及び3bが接続されている。
【0032】
図2に示すように、操作制御装置2a〜2dは、電力線1を介して安定に通信することが可能な信号電送装置3aと通信するように、予め信号電送装置3aに設定してある。同様に、操作制御装置2e,2f及び2g,2hは、信号電送装置3b及び3cと通信するように予め信号電送装置3b及び3cに夫々設定されている。本実施の形態1にあっては、操作制御装置2gは信号電送装置3bと通信するようにしてもよいが、操作制御装置2hは信号電送装置3bとの通信が安定に行えないため、信号電送装置3cと通信するように設定してある。信号電送装置43及び操作制御装置42は、PC4の内部で接続されているものとみなすことができる。
【0033】
信号電送装置同士も通信を行うが、信号電送装置3a及び3bは、電力線1を介して互いに安定に通信することができないため、LAN5を介して通信するように互いに設定されている。また、信号電送装置43及び信号電送装置3aと、信号電送装置3b及び3cとは、電力線1を介して通信するように夫々互いに設定されている。
尚、信号電送装置相互間の通信が安定に行える場合は、一の信号電送装置が、他の全ての信号電送装置と通信するように設定してもよい。
【0034】
次に、信号電送装置3aと操作制御装置3a〜3dとの通信を中心にして監視制御の動作を説明する。操作制御装置3a〜3dの夫々は、I/O23の入出力端子の一部又は全部を監視入力端子(又は制御入力端子)として外部より信号を取り込み、取り込んだ信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成して、信号電送装置3aから指令された場合に信号伝送装置3aに送信する。また、操作制御装置3a〜3dの夫々は、I/O23の入出力端子の一部又は全部を監視出力端子(又は制御出力端子)とし、出力する信号を信号電送装置3aから受信した監視信号(又は制御信号)に対応させる。
【0035】
信号電送装置3aは、操作制御装置2a〜2dの夫々が送信した監視信号(又は制御信号)を時系列的に受信し、一の操作制御装置から受信した監視信号(又は制御信号)を他の操作制御装置と、信号電送装置3b及び信号伝送装置43(PC4)とに送信する。信号伝送装置3bは、受信した監視信号(又は制御信号)を操作制御装置2e,2f及び信号伝送装置3cに送信する。
尚、電力線1上で送受信する信号は、相手装置のアドレスを指定して送信し、アドレスの一致した装置によって受信されるようにしてある。
【0036】
このように、監視信号(又は制御信号)は、図2の接続形態に示される信号伝送装置43,3a,3b,3c間でリレーされるように送信され、これを受信した信号伝送装置43,3a,3b,3cの夫々は、予め設定された操作制御装置に、受信した監視信号(又は制御信号)を送信する。これにより、一の操作制御装置の監視入力端子(又は制御入力端子)から入力された信号は、前記一の操作制御装置に対応する他の操作制御装置の監視出力端子(又は制御出力端子)から夫々出力される。
【0037】
より具体的には、例えば、操作制御装置2aが制御入力端子及び監視出力端子を有する監視制御装置であり、操作制御装置2bが制御出力端子及び監視入力端子を有して操作制御装置2aに対応する被監視制御装置である場合、操作制御装置2b(又は操作制御装置2a)の監視入力端子(又は制御入力端子)から入力した信号は、操作制御装置2a(又は操作制御装置2b)の監視出力端子(又は制御出力端子)から出力される信号に対応したものとなる(図1参照)。
【0038】
ここで、操作制御装置2aに対応する被監視制御装置が、例えば操作制御装置2fであったとしても、信号伝送装置3aから監視信号(又は制御信号)を受信した信号電送装置3bが、操作制御装置2e,2fに対して、受信した監視信号(又は制御信号)を送信するため、操作制御装置2a(又は操作制御装置2f)の監視出力端子(又は制御出力端子)から出力される信号は、操作制御装置2f(又は操作制御装置2a)の監視入力端子(又は制御入力端子)から入力した信号に対応したものとなる(図1参照)。操作制御装置2aに対応する被監視制御装置が、例えば操作制御装置2g,2hであったとしても同様である。
【0039】
ところで、PC4の一部である信号電送装置43にも、信号電送装置3aから前記監視信号が送信されるため、例えば、操作制御装置2b〜2dの監視入力端子から入力した信号は、操作制御装置42の監視出力端子に接続されたPC4のディスプレイ4aに表示出力される。一方、信号電送装置43が信号電送装置3aから受信する監視信号には、信号電送装置3a,3b及び3cの夫々が、操作制御装置2a〜2d、2e,2f及び2g,2hから受信した監視信号が含まれるため、操作制御装置3a〜3hが有する全ての監視入力端子から入力された信号が、PC4のディスプレイ4aに表示出力されることとなる。
【0040】
次に、操作制御装置3a〜3hの何れかが有する特定の制御出力端子から信号を出力させるために、PC4の使用者がキーボード4bに対する特定の操作を行った場合、操作制御装置42が、前記操作に対応する制御信号を生成して信号伝送装置43に送信する。信号伝送装置43は、受信した制御信号を信号電送装置3a〜3cに送信する。前記制御信号を受信した信号電送装置3a,3b及び3cの夫々は、受信した制御信号を操作制御装置2a〜2d、2e,2f及び2g,2hに送信する。これにより、キーボード4bに対する特定の操作に対応して、操作制御装置3a〜3hの何れかが有する目的の制御出力端子から信号を出力させることができる。
【0041】
図3は、操作制御装置2aの概略構成例を示すブロック図である。他の操作制御装置2b〜2hについても同様である。操作制御装置2aが備えるPLCモデム22の電力線1側の端子は、電力線1にコンデンサ27a,27bを介して一次側巻線が接続されたパルストランス27の二次側巻線に接続されている。PLCモデム22の他方の端子は、制御部21が有するCPU211とバス接続されたモデムI/F215と接続されている。制御部21は、また、プログラム等の情報を記憶するROM212、一時的に発生した情報を記憶するRAM213、及び時間を計時するためのタイマ214を有し、これらはCPU211とバス接続されている。
【0042】
CPU211には、また、操作制御装置2aが監視制御装置又は被監視制御装置として夫々使用される場合に、入出力端子が監視出力端子と制御入力端子と、又は監視入力端子と制御出力端子とになるべき入出力I/F23及びA/D・D/A変換回路24がバス接続されている。
上述した各ブロックには、電力線1に接続された電源部28よりDC電源が供給されている。電力線1は、AC100Vが供給されるものであるが、特に船舶用としてAC440Vが供給される場合は、電力線1と電源部28及びコンデンサ27a,27bとの間に、PLCモデム22の搬送波を通過させることが可能な降圧トランスを挿入する。
【0043】
PLCモデム22は、2MHz〜15MHzの周波数帯域にある複数の搬送波から選択した1つの搬送波を送信データで変調して電力線1に重畳させ、電力線1から受信した搬送波を復調して受信データを分離する。PLCモデム22が送受信するデータは、モデムI/F215を介し、シリアル通信によってCPU211との間で授受される。パルストランス37の一次側巻線と電力線1との間に接続されたコンデンサ27a,27bは、AC100Vの周波数成分をカットするためのものである。
【0044】
図4は、信号電送装置3aの概略構成例を示すブロック図である。他の信号伝送装置3b,3cについても同様である。信号電送装置3aの制御部31、PLCモデム32、入出力I/F33、パルストランス37、コンデンサ37a,37b、及び電源部38の夫々は、操作制御装置2aの制御部21、PLCモデム22、入出力I/F23、パルストランス27、コンデンサ27a,27b、及び電源部28と構成及び接続が同一であるため、その説明を省略する。制御部31はCPU311を有し、CPU311には、プログラム等の情報を記憶するROM312、一時的に発生した情報を記憶するRAM313、及び時間を計時するためのタイマ314がバス接続されている。
【0045】
CPU311には、また、電力線1、LAN5、及び図示しない光回線を介して他の信号伝送装置及び/又は信号電送装置の機能を有するパソコン等と通信するためのモデムI/F315、LANI/F35、及び光I/F36が夫々バス接続されている。
尚、信号電送装置3aが他の装置と通信するためのインタフェースは、モデムI/F315、LANI/F35及び光I/F36に限定されるものではなく、例えば無線通信のインタフェースを備えてもよい。また、上述したインタフェースのうち、同時に2つのインタフェースを用いてもよい。これらの通信インタフェースを介して外部のコンピュータ、ハードディスク、及びイントラネット、インターネット等のネットワークと接続することが可能である。
【0046】
図5は、1つの操作制御装置2aの盤面から、4つの操作制御装置2b〜2eに夫々接続されたランプを監視制御する場合の構成例を模式的に示す説明図であり、図6及び7は、信号電送装置3aのRAM313及び操作制御装置2a,2bのRAM213の記憶内容と、操作制御装置2a,2bから入出力される信号との対応を模式的に示す説明図である。この場合、操作制御装置2aは監視制御装置に、操作制御装置2b〜2eは被監視制御装置に夫々該当する。
尚、図6及び7において、操作制御装置2aのRAM213の記憶内容は、操作制御装置2bと共通する内容だけを記載してあり、操作制御装置2c〜2eと共通する内容は省略してある。また、信号電送装置3aが操作制御装置2a〜2dとの間で送受信する監視信号(又は制御信号)は、特に断りのない限り、RAM313及びRAM213の1000番地〜3FFF番地(番地は16進表示とする。以下同様)までの領域に、夫々のRAMの番地を対応させて記憶するようにしてある。
【0047】
操作制御装置2aの盤面20には、4つの操作部201,202,203,204が配され、各操作部201〜204の一側部には、操作制御装置2b,2c,2d,2eに夫々接続されたランプL1,L2,L3,L4を点灯及び消灯させるためのスイッチ20a及び20bが夫々上下に並設されている。また、各操作部201〜204の中央部には、ランプL1〜L4の点灯及び異常の各状態を表示するためのLED20c及び20dが夫々上下に配設されている。更に、各操作部201〜204の他側部には、ランプL1〜L4の輝度を調整するためのディマーボリューム20eが夫々突設されている。
【0048】
スイッチ20a,20b及びLED20c,20dは、入出力端子が制御入力端子及び監視出力端子に設定された入出力I/F23に夫々接続されている。また、ディマーボリューム20eは、A/D変換回路に設定されたA/D・D/A変換回路24に接続されている。
尚、操作制御装置2aの盤面20に配される操作部の数は、4つに限定されるものではなく、5以上の操作部を配してもよい。また、盤面20に代えて操作制御装置2aとは別に備える操作盤から、ランプL1〜L4を監視制御するようにしてもよい。
【0049】
操作制御装置2b〜2eの構成については、操作制御装置2bを例にして説明する。他の操作制御装置2c〜2eのランプL2〜L4周辺の構成についても同様である。
駆動電流を電流センサI1によって検出されているランプL1の駆動回路D1は、制御出力端子に設定された入出力I/F23と、D/A変換回路に設定されたA/D・D/A変換回路24とに接続されている。また、ランプL1が発する光を検出するCDSセンサS1及び電流センサI1は、入出力端子が監視入力端子に設定された入出力I/F23に接続されている。
【0050】
上述した構成において、操作制御装置2a〜2eの夫々は、入出力端子が監視入力端子(又は制御入力端子)に設定された入出力I/F23及びA/D・D/A変換回路24に与えられた信号を時系列的に取り込み、取り込んだ信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成して、夫々の装置のRAM213に記憶する。
【0051】
一方、信号電送装置3aは、予め下位装置として設定されている操作制御装置2a〜2dの夫々に、RAM213に記憶された監視信号(又は制御信号)を時系列的に送信させると共に、RAM313に記憶した監視信号(又は制御信号)を受信させてRAM213に記憶させる。これを受信した操作制御装置2a〜2dの夫々は、RAM213に記憶した監視信号(又は制御信号)に対応する信号を、入出力端子が監視出力端子(又は制御出力端子)に設定された入出力I/F23、及びA/D・D/A変換回路24から出力する。
【0052】
より具体的には、例えば、操作部201のスイッチ20aが押下されたことを示す信号が操作制御装置2aの入出力I/F23から取り込まれた場合、RAM213の1000番地に「1」が書き込まれる。その後、操作制御装置2aのRAM213の1000,1001,1004,〜100F番地の内容が制御信号として信号電送装置3aに送信されてRAM313に書き込まれる。これにより、RAM313の1000番地の内容は「1」となる。
尚、制御信号とRAM313,213に記憶される番地との対応付けを容易にするために、RAM313,213の夫々連続した番地に各制御信号を記憶するようにしてもよい(以下、監視信号についても同様)。
【0053】
次いで、信号電送装置3aがRAM313の内容を操作制御装置2bに送信した場合、操作制御装置2bのRAM213の1000番地の内容は、RAM313の1000番地の内容と同じ「1」となる。その後、操作制御装置2bのRAM213の1000番地に書き込まれた制御信号に対応する信号が、入出力I/F23から出力されたときに、ランプL1をオンさせる信号が、駆動回路D1を介してランプL1に与えられる。この結果、ランプL1が点灯する。ランプL1を消灯させる場合は、操作部201のスイッチ20bが押下されたことを示す信号が、RAM213の1001番地、及びRAM313の1001番地を介して駆動回路D1に与えられ、駆動回路D1がランプL1を消灯させる。
【0054】
同様に、操作部201のディマーボリューム20eを回転させた場合、回転角度に略比例する大きさのアナログ信号が、操作制御装置2aのA/D・D/A変換回路24から取り込まれてデジタル化され、RAM213の1004〜100F番地に制御信号として書き込まれる。そして、前記制御信号が、信号電送装置3aのRAM313を介して、操作制御装置2bのRAM213の1004〜100F番地に書き込まれ、書き込まれた制御信号に対応するアナログ信号が、A/D・D/A変換回路24から駆動回路D1に出力される。これにより、駆動回路D1が、ディマーボリューム20eの回転角度に応じてランプL1の輝度を増減させる。
【0055】
これに対し、CDSセンサS1及び電流センサI1の検出信号は、操作制御装置2bの入出力I/F23から取り込まれ、RAM213の1002番地及び1003番地に監視信号として書き込まれる。そして、前記監視信号が、信号電送装置3aのRAM313の1002番地及び1003番地を介して操作制御装置2aのRAM213の1002番地及び1003番地に夫々書き込まれ、書き込まれた監視信号に対応する信号が、入出力I/F23から出力される。これにより、LED20c及び20dが夫々点灯する。
【0056】
ランプL2及びL3の監視制御についても、ランプL1と同様に行われるが、この場合の監視信号(又は制御信号)は、RAM213とRAM313との1010〜101F番地及び1020〜102F番地を夫々介して送受信される。一方、ランプL4が接続された操作制御装置2eに対する監視信号(又は制御信号)の送受信は、信号電送装置3aとの間で監視信号(又は制御信号)を送受信する信号電送装置3bが主体的に行う。信号電送装置3a及び信号伝送装置3bは、下位の操作制御装置2a〜2d及び操作制御装置3e,3fから夫々受信した監視信号(又は制御信号)を、隣接する信号伝送装置3b,43及び信号電送装置3a,3cにも夫々送信するようにしてある。
【0057】
例えば、操作部204のスイッチ20aが押下されたことを示す信号が操作制御装置2aの入出力I/F23から取り込まれた場合、RAM213の図示しない1030番地に「1」が書き込まれる。その後、操作制御装置2aのRAM213の1030,1031,1034〜103F番地の内容が制御信号として信号電送装置3aに送信されてRAM313に書き込まれる。これにより、RAM313の1030番地の内容は「1」となる。
【0058】
次いで、信号電送装置3aがRAM313の内容を信号電送装置3bに送信し、更に信号電送装置3bがRAM313の内容を操作制御装置2eに送信した場合、操作制御装置2eのRAM213の1030番地の内容は、操作制御装置2aのRAM213の1030番地の内容と同じ「1」となる。その後、操作制御装置2eのRAM213の1030番地に書き込まれた制御信号に対応する信号が入出力I/F23から出力されたときに、ランプL1をオンさせる信号が、駆動回路D4を介してランプL4に与えられる。この結果、ランプL4が点灯する。
【0059】
尚、信号電送装置3aが、RAM313の1000番地を起点とする領域に記憶した監視信号(又は制御信号)を信号電送装置3bに送信する場合、1000番地及び8000番地を夫々起点とする同一オフセット番地(0番地〜2FFF番地)に記憶した内容が一致しない信号のみを送信する。そして、送信した監視信号(又は制御信号)を、8000番地を起点とする夫々のオフセット番地に記憶するようにしてある。これにより、信号電送装置3aにおいて、前回の送信以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけが信号伝送装置3bに送信される。
【0060】
監視制御されるべき対象はランプL1〜L4に限定されるものではなく、例えば、モータの速度を制御して回転数を監視するようにしてもよい。図8は、モータを監視制御する場合における操作制御装置2a,2bのRAM213の記憶内容と、操作制御装置2a,2bから入出力される信号との対応を模式的に示す説明図である。操作制御装置2aがRAM213に記憶する監視信号(又は制御信号)の容量は、図8に示した容量を1台分として、監視制御するモータの台数の整数倍の容量を確保してある。図示しないモータを監視制御するための盤面は、盤面20と類似のものでよいため、これも図示を省略する。
【0061】
図8の操作制御装置2aでは、モータの回転をスタート及びストップさせるスイッチからの入力信号と、モータの運転及び異常の各状態を表示するLEDへの出力信号とが、制御入力端子と監視出力端子とに夫々設定された入出力I/F23から入出力される。また、モータの回転速度を指示するアナログの入力信号と、モータの回転数を表示するためのアナログの出力信号とが、A/D変換回路とD/A変換回路とに夫々設定されたA/D・D/A変換回路24から入出力される。
【0062】
一方、操作制御装置2bでは、モータに回転のスタート及びストップを指示する出力信号と、モータの運転及び異常の各状態を検出するセンサからの入力信号とが、制御出力端子と監視入力端子とに夫々設定された入出力I/F23から入出力される。また、モータに回転速度を指示するアナログの出力信号と、モータの回転数を検出する回転数センサからのアナログの入力信号とが、D/A変換回路とA/D変換回路とに夫々設定されたA/D・D/A変換回路24から入出力される。
【0063】
上述した構成において、例えば、モータの回転をスタート及びストップさせる信号は、操作制御装置2aから取り込まれてRAM213の3000番地及び3001番地に制御信号として夫々記憶され、信号電送装置3aのRAM313を介して操作制御装置2bのRAM213の3000番地及び3001番地に夫々記憶され、モータに回転のスタート及びストップを指示する信号として出力される。同様に、モータの回転速度を指示するアナログの入力信号は、操作制御装置2a,2bのRAM213と信号電送装置3aのRAM313の3004番地〜300F番地とを介して、モータに回転速度を指示するアナログの信号として出力される。
【0064】
また、モータの運転及び異常の各状態を検出するセンサからの入力信号は、操作制御装置2a,2bのRAM213と信号電送装置3aのRAM313との3010番地及び3011番地を夫々介してモータの運転及び異常の各状態を表示するLEDへの信号として出力される。更に、モータの回転数を検出する回転数センサからのアナログの入力信号は、操作制御装置2a,2bのRAM213と信号電送装置3aのRAM313の3014番地〜301F番地とを介して、モータの回転数を表示するためのアナログの信号として出力される。
【0065】
以下に、上述した構成の監視制御システムの動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。図9は、監視入力端子及び/又は制御入力端子の信号を取り込んで監視信号及び/又は制御信号をRAM213に記憶するCPU211の処理手順を示すフローチャートであり、図10は、RAM213に記憶した監視信号及び/又は制御信号に対応する信号を、監視入力端子及び/又は制御入力端子より出力するCPU211の処理手順を示すフローチャートである。図9及び図10の処理は、ROM212に予め格納されている制御プログラムに従い、所定の周期で起動されて実行される。
尚、図9及び図10の処理は、夫々異なる周期で起動するようにしてもよいし、不定周期で起動するようにしてもよい。
【0066】
図9において、CPU211は、監視入力端子の1つに設定された入出力I/F23又はA/D・D/A変換回路24より信号を取り込み(ステップS11)、取り込んだ信号に対応する監視信号をRAM213に記憶する(ステップS12)。そして、CPU211は、自装置が有する全ての監視入力について処理を完了したか否かを判定する(ステップS13)。完了していないと判定した場合(ステップS13:NO)、CPU211は、処理をステップS11に戻す。
尚、自装置に監視入力端子がない場合は、ステップS11〜S13までの処理を省略すればよい。
【0067】
全ての監視入力について処理を完了したと判定した場合(ステップS13:YES)、CPU211は、制御入力端子の1つに設定された入出力I/F23又はA/D・D/A変換回路24より信号を取り込み(ステップS14)、取り込んだ信号に対応する制御信号をRAM213に記憶する(ステップS15)。そして、CPU211は、自装置が有する全ての制御入力について処理を完了したか否かを判定する(ステップS16)。完了していないと判定した場合(ステップS16:NO)、CPU211は、処理をステップS14に戻す。また、完了したと判定した場合(ステップS16:YES)、CPU211は、処理を終了する。
尚、自装置に制御入力端子がない場合は、ステップS14〜S16までの処理を省略すればよい。
【0068】
次に、図10において、CPU211は、RAM213より監視信号の1つを読み出し(ステップS21)、読み出した監視信号に対応する信号を、監視出力端子の1つに設定された入出力I/F23又はA/D・D/A変換回路24に書き出して出力させる(ステップS22)。そして、CPU211は、自装置が有する全ての監視出力について処理を完了したか否かを判定する(ステップS23)。完了していないと判定した場合(ステップS23:NO)、CPU211は、処理をステップS21に戻す。
尚、自装置に監視出力端子がない場合は、ステップS21〜S23までの処理を省略すればよい。
【0069】
全ての監視出力について処理を完了したと判定した場合(ステップS23:YES)、CPU211は、RAM213より制御信号の1つを読み出し(ステップS24)、読み出した制御信号に対応する信号を、制御出力端子の1つに設定された入出力I/F23又はA/D・D/A変換回路24に書き出して出力させる(ステップS25)。そして、CPU211は、自装置が有する全ての制御出力について処理を完了したか否かを判定する(ステップS26)。完了していないと判定した場合(ステップS26:NO)、CPU211は、処理をステップS24に戻す。また、完了したと判定した場合(ステップS26:YES)、CPU211は、処理を終了する。
尚、自装置に制御出力端子がない場合は、ステップS24〜S26までの処理を省略すればよい。
【0070】
図11は、信号伝送装置3a、3b、及び3cとの間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hのCPU211の処理手順を示すフローチャートである。図11の処理は、ROM212に予め格納されている制御プログラムに従い、監視信号(又は制御信号)が受信可能となった場合に随時実行される。
尚、監視信号(又は制御信号)には記憶されるべき番地を付すものとし、操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hは、自装置の監視入力端子(又は制御入力端子)に入力される信号に対応する監視信号(又は制御信号)のみを送受信するものとする(以下同様)。
【0071】
CPU211は、自装置への指令信号を受信したか否かを判定し(ステップS31)、受信していないと判定した場合(ステップS31:NO)、CPU211は、受信するまで待機する。自装置への指令信号を受信したと判定した場合(ステップS31:YES)、CPU211は、受信した指令が送信指令であるか否かを判定する(ステップS32)。送信指令であると判定した場合(ステップS32:YES)、CPU211は、RAM213に記憶した監視信号(又は制御信号)を読み出して(ステップS33)、送信指令の送信元(ここでは上位の信号電送装置)に送信し(ステップS34)、処理をステップS31に戻す。
【0072】
尚、CPU211は、自装置が監視入力端子及び制御入力端子の両方を有する場合、ステップS33,34において、監視信号及び制御信号を読み出して送信すればよい。また、ステップS31において、所定時間以上待機した場合に処理を終了するようにしてもよい。
【0073】
ステップS32で送信指令ではないと判定した場合(ステップS32:NO)、CPU211は、受信した指令が受信指令であるか否かを判定する(ステップS37)。受信指令であると判定した場合(ステップS37:YES)、CPU211は、監視信号及び制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS38)。受信していないと判定した場合(ステップS38:NO)、CPU211は、受信するまで待機する。受信したと判定した場合(ステップS38:YES)、CPU211は、受信した監視信号及び制御信号をRAM213に記憶し(ステップS39)、処理をステップS31に戻す。
【0074】
このようにして、操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hは、自装置が送信した監視信号(又は制御信号)のみならず、他装置が信号電送装置3a、3b、及び3cに夫々送信した監視信号(又は制御信号)を一括して受信し、受信した監視信号(又は制御信号)を、自装置がRAM213に記憶する監視信号(又は制御信号)に上書きする。
【0075】
ステップS37で、受信した指令が受信指令ではないと判定した場合(ステップS37:NO)、CPU211は、受信した指令が終了指令であるか否かを判定する(ステップS40)。終了指令であると判定した場合(ステップS40:YES)、CPU211は、処理を終了する。終了指令ではないと判定した場合(ステップS40:NO)、CPU211は、処理をステップS31に戻す。
【0076】
図12は、下位装置として登録された操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hとの間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する信号電送装置3a、3b、及び3cのCPU311の処理手順を示すフローチャートである。図12の処理は、ROM312に予め格納されている制御プログラムに従い、所定の周期で起動されて実行される。
尚、図12の処理は、図9及び図10の処理の起動周期とは異なる周期で起動するようにしてもよいし、不定周期で起動するようにしてもよい。また、「接続フラグ」は、RAM313のB000番地以降の所定番地に記憶されるものとする。
【0077】
CPU311は、自装置に設定された下位装置(ここでは操作制御装置)の1つを抽出し(ステップS43)、抽出した下位装置に送信指令を送出する(ステップS44)。その後、CPU311は、監視信号(又は制御信号)を受信したか否かを判定する(ステップS45)。受信していないと判定した場合(ステップS45:NO)、CPU311は、受信するまで待機する。受信したと判定した場合(ステップS45:YES)、CPU311は、記憶されるべき番地が付されて受信した監視信号(又は制御信号)をRAM313に記憶する(ステップS46)。
【0078】
尚、CPU311は、ステップS45,46において、下位装置が監視入力端子及び制御入力端子の両方を有する場合は、監視信号及び制御信号の両方を受信して記憶すればよい。また、ステップS45において、所定時間以上待機した場合に、後述するステップS50へ処理を進めるようにしてもよい。
【0079】
次いで、CPU311は、前記下位装置に受信指令を送出する(ステップS47)。そして、CPU311は、RAM313から監視信号及び制御信号を読み出して(ステップS48)、前記下位装置に送信し(ステップS49)、更に終了指令を送出する(ステップS50)。その後、CPU311は、設定された全ての下位装置についての処理が完了したか否かを判定する(ステップS51)。完了していないと判定した場合(ステップS51:NO)、CPU311は、処理をステップS43に戻す。完了したと判定した場合(ステップS51:YES)、CPU311は、「接続フラグ」に「1」を書き込んで(ステップS52)処理を終了する。
【0080】
このようにして、信号電送装置3a、3b、及び3cの夫々は、下位の操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hに対し、RAM313に記憶した監視信号及び制御信号の内容を一括して送信する。
【0081】
図13は、隣接装置として登録された信号伝送装置より監視信号及び制御信号を受信し、他の信号伝送装置及び下位装置として登録された操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hに監視信号及び制御信号を夫々送信する信号電送装置3a、3b、及び3cのCPU311の処理手順を示すフローチャートである。図13の処理は、ROM312に予め格納されている制御プログラムに従い、初期化処理を終えた後に起動される。
尚、RAM313の8000番地以降には、1000番地以降に書き込まれた監視信号(又は制御信号)の初期値と同一内容が初期値として書き込まれるものとする。また、「送信元装置」は、RAM313のB000番地以降の所定番地に記憶されるものとする。
【0082】
CPU311は、隣接装置(ここでは信号伝送装置)から接続要求を受信したか否かを判定する(ステップS61)。受信したと判定した場合(ステップS61:YES)、CPU311は、該接続要求の送信元を「送信元装置」に記憶し(ステップS62)、送信元に対して接続許可を返送する(ステップS63)。その後、CPU311は、監視信号及び制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS64)。受信していないと判定した場合(ステップS64:NO)、CPU311は、受信するまで待機する。受信したと判定した場合(ステップS64:YES)、CPU311は、受信した監視信号及び制御信号をRAM313に記憶し(ステップS65)、処理をステップS68に進める。
【0083】
このようにして、信号電送装置3a、3b、及び3cの夫々は、他の信号電送装置から受信した監視信号及び制御信号を、RAM313に記憶する監視信号及び制御信号に上書きして更新する。
【0084】
ステップS61で、接続要求を受信していないと判定した場合(ステップS61:NO)、CPU311は、図12の処理で設定した「接続フラグ」が「1」であるか否かを判定する(ステップS66)。「1」でないと判定した場合(ステップS66:NO)、CPU311は、処理をステップS61に戻す。「1」であると判定した場合(ステップS66:YES)、CPU311は、「接続フラグ」に「0」を書き込む(ステップS67)。
【0085】
その後、CPU311は、1000番地を起点とするオフセット番地に記憶された監視信号及び制御信号と、8000番地を起点とする同一のオフセット番地に記憶された送信済みの信号とを順次照合し、一致しない監視信号及び制御信号を検出して、後の送信のためにRAM313のB000番地以降の所定領域に記憶する(ステップS68)。そして、不一致が検出された監視信号及び制御信号を、8000番地を起点とする夫々のオフセット番地に上書きして記憶する(ステップS69)。
【0086】
このようにして、RAM313の8000番地以降には、他の信号電送装置に送信する監視信号及び制御信号と同じ内容が累積的に書き込まれて更新される。
尚、不一致が検出された監視信号及び制御信号を、RAM313の8000番地以降に書き込むステップ(ステップS69)は、全ての隣接装置への送信を終了してから実行するようにしてもよい。
【0087】
次いで、CPU311は、自装置に設定されている隣接装置の1つを抽出し(ステップS70)、抽出した隣接装置が、記憶した「送信元装置」と一致するか否かを判定する(ステップS71)。一致すると判定した場合(ステップS71:YES)、CPU311は、送信元装置へ同じ内容を返送することを回避するために、処理をステップS76に進める。一致しないと判定した場合(ステップS71:NO)、CPU311は、抽出した隣接装置に接続要求を送出し(ステップS72)、接続許可を受信したか否かを判定する(ステップS73)。受信していないと判定した場合(ステップS73:NO)、CPU311は、接続要求を再送するために、処理をステップS72に戻す。
【0088】
接続許可を受信したと判定した場合(ステップS73:YES)、CPU311は、ステップS68で記憶した監視信号及び制御信号を、ステップS70で抽出した隣接装置に送信し(ステップS74)、更に切断要求を送出する(ステップS75)。そして、CPU311は、全ての隣接装置についての処理が完了したか否かを判定する(ステップS76)。完了していないと判定した場合(ステップS76:NO)、CPU311は、処理をステップS70に戻す。完了したと判定した場合(ステップS76:YES)、CPU311は、「送信元装置」を消去して(ステップS77)処理をステップS61に戻す。
【0089】
以上のように、本実施の形態1によれば、監視制御装置及び被監視制御装置としての操作制御装置が送受信する監視制御信号は、操作制御装置が監視出力端子から出力する信号及び他の操作制御装置が監視入力端子から入力する信号に夫々対応する監視信号(又は操作制御装置が制御入力端子から入力する信号及び他の操作制御装置が制御出力端子から出力する信号に夫々対応する制御信号)を含み、4つの信号伝送装置が操作制御装置との間で監視信号(又は制御信号)を送受信する。そして、信号電送装置が操作制御装置から受信した監視信号(又は制御信号)を、他の操作制御装置に送信した場合、操作制御装置の監視入力端子(又は制御出力端子)に接続されるべき機器が、他の操作制御装置の監視出力端子(又は制御入力端子)に接続されるべき機器から監視(又は制御)される。
これにより、操作制御装置が、信号電送装置を介して他の操作制御装置から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、操作制御装置に接続されるべき機器から他の操作制御装置に接続されるべき機器を監視(又は制御)することができる。また、操作制御装置が送信した監視信号(又は制御信号)は、信号電送装置によって中継されるかのように他の操作制御装置に送信される。この場合、監視信号(又は制御信号)と、送信元及び受信先の操作制御装置との対応付けは必要とされない。
従って、監視制御装置及び被監視制御装置において、夫々の自装置の監視出力端子及び監視入力端子と対応する監視入力端子及び監視出力端子を有する相手装置(又は夫々の自装置の制御入力端子及び制御出力端子と対応する制御出力端子及び制御入力端子を有する相手装置)を特定する必要をなくすことが可能となる。併せて、例えば、船内等で電力線に信号を重畳して通信する場合、監視制御信号を中継するときにも、監視制御装置及び被監視制御装置と監視制御信号を中継する装置との位置関係によって監視制御信号の送信経路を特定する必要をなくすことが可能となる。
【0090】
また、操作制御装置は、信号電送装置から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、自装置が有する監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応されるべき監視信号(又は制御信号)をRAMの1000〜3FFF番地に記憶し、その後、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、RAMに記憶した監視信号に対応させる。
従って、操作制御装置は、監視信号(又は制御信号)の受信と、監視出力端子(又は制御出力端子)からの信号の出力とを非同期に行うことが可能となる。また、RAMに記憶されるべき番地を付して監視信号(又は制御信号)を送受信するため、操作制御装置がRAMに記憶すべき容量は、自装置が有する監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応する数だけで足りるようにすることが可能となる。
【0091】
更にまた、操作制御装置は、自装置が有する監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成してRAMの1000〜3FFF番地のうちの指定された番地に記憶し、信号伝送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合は、RAMに記憶した監視信号(又は制御信号)を、CPUがモデムI/Fを介して制御するPLCモデムによって送信する。
従って、操作制御装置は、監視信号の生成と、監視信号(又は制御信号)の送信とを非同期に行うことが可能となる。また、RAMに記憶されるべき番地を付して監視信号(又は制御信号)を送受信するため、操作制御装置がRAMに記憶すべき容量は、自装置が有する監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する数だけあれば足りるようにすることが可能となる。
【0092】
更にまた、信号電送装置は、操作制御装置から受信した監視信号(又は制御信号)をRAMの1000〜3FFF番地のうちの指定された番地に記憶し、記憶した監視信号(又は制御信号)を、CPUがモデムI/Fを介して制御するPLCモデムによって操作制御装置へ送信する。
従って、信号電送装置は、受信した監視信号(又は制御信号)を逐次累積的に記憶し、更新された監視信号(または制御信号)を一括して操作制御装置に送信することが可能となる。
【0093】
更にまた、信号伝送装置は、他の信号電送装置から監視信号(又は制御信号)を受信した場合、受信した監視信号(又は制御信号)を、操作制御装置から受信した監視信号(又は制御信号)が記憶されているRAMの1000〜3FFF番地に記憶し、記憶された監視信号(又は制御信号)の一部又は全部を他の信号伝送装置に送信し、送信した監視信号(又は制御信号)を、RAMの4000番地以降に記憶する。その後、他の信号電送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合は、RAMの1000番地以降及び4000番地以降に夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、信号電送装置は、RAMの1000〜3FFF番地に記憶した監視信号(又は制御信号)のうち、前回の送信以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけを他の信号電送装置に送信する。このため、監視信号(又は制御信号)の変化分が、他の信号電送装置に送信されて、監視制御システム内の全ての信号電送装置が記憶する監視信号(又は制御信号)が一致するようになり、全ての信号電送装置を一つの信号伝送装置として扱うことができる。
従って、監視信号(又は制御信号)が信号電送装置間を中継されるような場合であっても、操作制御装置が送信した監視信号(又は制御信号)は、これを受信すべき操作制御装置に送信することが可能となる。
【0094】
更にまた、操作制御装置及び信号電送装置に電力を配電する電力線を介して監視信号(又は制御信号)を送受信するため、専用の通信線を不要とすることが可能となる。そして、LANを介して複数の信号電送装置間の通信距離を延長することも可能となる。
【0095】
尚、本実施の形態1にあっては、図2において、信号伝送装置3a,3b,3c及び43が分岐のない接続形態で接続されているが、これに限定されるものではなく、木構造を有する接続形態で接続されるようにしてもよい。
【0096】
また、操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hは、夫々信号伝送装置3a、3b、及び3cから監視信号(又は制御信号)の送信を指令されるようにしてあるが、これに限定されるものではなく、例えば、緊急時に操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hの夫々から信号伝送装置3a、3b、及び3cに対し、積極的に監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてもよい。この場合、送信先の信号伝送装置は、予め設定された信号電送装置としてもよいし、前回送信を指令された信号電送装置としてもよい。
【0097】
更にまた、操作制御装置2a及び操作制御装置2b〜2eの夫々が、監視制御装置又は被監視制御装置として動作するが、これに限定されるものではなく、一の操作制御装置が、監視出力端子と制御入力端子とを備える監視制御装置、及び監視入力端子と制御出力端子とを備える被監視制御装置として動作するようにしてもよい。
【0098】
更にまた、図9の処理では、周期的に監視入力端子(又は制御入力端子)から信号を取り込んで監視信号(又は制御信号)を生成し、RAM213に記憶する例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、監視入力端子(又は制御入力端子)に信号が入力された時に割り込みを発生させて、リアルタイムに監視信号(又は制御信号)を生成し、生成の都度RAM213に記憶することなく信号電送装置に送信するようにしてもよい。
【0099】
更にまた、図10の処理では、RAM213に記憶した監視信号(又は制御信号)に対応する信号を、周期的に監視出力端子(又は制御出力端子)から出力させる例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、信号電送装置から監視信号(他は制御信号)を受信した都度RAM213に記憶することなく監視出力端子(又は制御出力端子)から出力させるようにしてもよい。
【0100】
更にまた、図13の処理では、一の信号電送装置が他の信号電送装置から受信した監視信号及び制御信号を、隣接する信号電送装置に順次送信する例を示したが、これに限定するものではなく、例えば、一の信号電送装置が下位の全ての操作制御装置から監視信号及び制御信号を受信した場合に、他の全ての信号電送装置へ監視信号及び制御信号を送信するようにしてもよい。この場合は、図12のステップS52から図13のステップS67へ処理を進めるようにし、図13のステップS65の次にステップS61へ処理を戻すようにすればよい。
【0101】
(実施の形態2)
実施の形態1が、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、監視信号(又は制御信号)と1対1に対応させる形態であるのに対し、実施の形態2は、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、1又は複数の任意の監視信号(又は制御信号)に対応させる形態である。
【0102】
図14は、本発明の実施の形態2に係る操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hの監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号と、最大m個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)とを対応させる方法を説明するための図表である。図14には、複数の監視出力端子(又は制御出力端子)から夫々出力する信号を、RAM213のどの番地に記憶された監視信号(又は制御信号)と、どのような論理で対応させるのかを示してある。
尚、番地が「0」の場合は、対応されるべき監視信号(又は制御信号)の終端を示す。また、対応されるべき監視信号(又は制御信号)の番地が1つの場合は、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、監視信号(又は制御信号)と1対1に対応させることとする。
【0103】
例えば、端子1の信号は、2000,2001,2002番地の監視信号(又は制御信号)と論理積(AND)をとって出力させることを示し、端子3の信号は、2004,2005番地の監視信号(又は制御信号)と論理和(OR)をとって出力させることを示す。また、端子2の信号は、2003番地の監視信号(又は制御信号)と1対1に対応させ、端子4及び端子5は、同じ2006番地の監視信号(又は制御信号)と1対1に対応させて出力することを示す。同様に、端子kの信号は、2100,2102番地の監視信号(又は制御信号)と排他的論理和(XOR)をとって出力することを示す。
尚、否定(NOT)など、他の論理を定義してもよい。
【0104】
図14に基づいて監視信号(又は制御信号)と対応付けられた信号を監視出力端子(又は制御出力端子)から出力するには、図10の処理のステップS22(又はステップS25)において、CPU211が入出力I/F23又はA/D・D/A変換回路24に前記信号を書き出せばよい。
【0105】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0106】
以上のように本実施の形態2によれば、入出力I/F又はA/D・D/A変換回路から出力する信号は、RAM213に記憶したm個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)のうち、任意のn個(nはm以下の自然数)の監視信号に基づいて導出される。
従って、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号と監視信号(又は制御信号)とを1対1に対応させることが可能となるほか、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を、例えばn個の監視信号の論理積、論理和又は排他的論理和をとった信号に対応させることが可能となる。
【0107】
尚、本実施の形態2にあっては、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を1又は複数の任意の監視信号(又は制御信号)に対応させているが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの監視信号(又は制御信号)を、1又は複数の監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応させるようにしてもよいし、上述した2つの対応付けを併用してもよい。
【0108】
(実施の形態3)
実施の形態1は、図11の処理において操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hが、自装置の監視信号(又は制御信号)の全てを信号伝送装置3a、3b、及び3cに夫々送信する形態であるのに対し、実施の形態3は、既に送信した監視信号(又は制御信号)と一致しないものだけを送信する形態である。
【0109】
図15は、本発明の実施の形態3に係る操作制御装置2aのRAM213の記憶内容を模式的に示す説明図である。RAM213が、ランプL1及びランプL2〜L4に係る監視信号(又は制御信号)を記憶する1000番地以降の領域を有するのは、実施の形態1と同様である(実施の形態1の図7では、ランプL2〜L4に係る領域を図示せず)。RAM213は、更に、信号電送装置3aに送信した監視信号(又は制御信号)を記憶するための領域を4000番地以降に有する。例えば、4000〜403F番地に記憶する信号は、1000〜103F番地に記憶された監視信号(又は制御信号)に対応するものである。
【0110】
操作制御装置2aが、RAM213の1000番地を起点とする領域に記憶した監視信号(又は制御信号)を信号電送装置3aに送信する場合、1000番地及び4000番地を夫々起点とする同一オフセット番地(0番地〜2FFF番地)に記憶した内容が一致しない信号のみを送信する。そして、送信した監視信号(又は制御信号)を、4000番地を起点とする夫々のオフセット番地に記憶するようにしてある。これにより、操作制御装置2aにおいて、前回他の信号電送装置へ送信したとき以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけが信号伝送装置3aに送信される。
【0111】
図16は、信号伝送装置3aとの間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する操作制御装置2aのCPU211の処理手順を示すフローチャートである。図16の処理のステップS131〜S133、及びステップS137〜S140までは、図11の処理のステップS31〜S33、及びS37〜S40までと夫々同一内容であるため、その説明を省略する。
尚、RAM213の4000番地以降には、1000番地以降に書き込まれた監視信号(又は制御信号)の初期値と同一内容が初期値として書き込まれるものとする。
【0112】
ステップS134において、CPU211は、ステップS133でRAM213の1000番地を起点とするオフセット番地から読み出した監視信号(又は制御信号)と、4000番地を起点とする同一のオフセット番地に記憶された送信済みの信号とを順次照合し、一致しない監視信号(又は制御信号)を検出して、後の送信のためにRAM213のB000番地以降の所定領域に記憶する(ステップS134)。そして、不一致が検出された監視信号(又は制御信号)を、4000番地を起点とする夫々のオフセット番地に上書きして記憶する(ステップS135)。その後、CPU211は、ステップS134で記憶した監視信号(又は制御信号)を信号電送装置3aに送信し(ステップS136)、処理をステップS131に戻す。
【0113】
このようにして、RAM213の4000番地以降には、信号電送装置3aに送信する監視信号(又は制御信号)と同じ内容が累積的に書き込まれて更新される。
尚、不一致が検出された監視信号(又は制御信号)を、RAM213の4000番地以降に書き込むステップ(ステップS135)は、信号電送装置3aへの送信を行うステップS136の後で実行するようにしてもよい。
【0114】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0115】
以上のように、本実施の形態3によれば、操作制御装置は、信号電送装置に送信した監視信号(又は制御信号)をRAMの4000番地以降に記憶する。その後、信号電送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、RAMの1000番地以降及び4000番地以降に夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、操作制御装置は、監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号のうち、前回の送信以降に状態変化があった信号に対応する監視信号(又は制御信号)だけを信号電送装置に送信する。このため、通信線のトラフィックを減少させることが可能となる。
【0116】
(実施の形態4)
実施の形態1は、図12の処理において信号伝送装置3a、3b、及び3cが、監視信号と制御信号との全てを操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hに夫々送信する形態であるのに対し、実施の形態4は、既に送信した監視信号(又は制御信号)と一致しないものだけを送信する形態である。
【0117】
図17は、本発明の実施の形態4に係る信号電送装置3aのRAM313の記憶内容を模式的に示す説明図である。RAM313が、ランプL1及びランプL2〜L4に係る監視信号(又は制御信号)を記憶する1000番地以降の領域と、他の信号伝送装置に送信した信号を記憶する8000番地以降の領域を有するのは、実施の形態1と同様である(実施の形態1の図6では、ランプL3,L4に係る領域を図示せず)。RAM313は、更に、操作制御装置2a〜2dに送信した監視信号(又は制御信号)を記憶するための領域を4000番地以降に有する。例えば、4000〜403F番地に記憶する信号は、1000〜103F番地に記憶された監視信号(又は制御信号)に対応するものである。
【0118】
信号電送装置3aが、RAM313の1000番地を起点とする領域に記憶した監視信号(又は制御信号)を操作制御装置2a〜2dに送信する場合、1000番地及び4000番地を夫々起点とする同一オフセット番地(0番地〜2FFF番地)に記憶した内容が一致しない信号のみを送信する。そして、送信した監視信号(又は制御信号)を、4000番地を起点とする夫々のオフセット番地に記憶するようにしてある。これにより、信号電送装置3aにおいて、前回下位の操作制御装置へ送信したとき以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけが操作制御装置2a〜2dに送信される。
【0119】
図18は、下位装置として登録された操作制御装置2a〜2dとの間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する信号電送装置3aのCPU311の処理手順を示すフローチャートである。図18の処理のステップS243〜S247、及びステップS250〜S252までは、図12の処理のステップS43〜S47、及びS50〜S52までと同一内容であるため、その説明を省略する。
尚、RAM313の4000番地以降には、1000番地以降に書き込まれた監視信号(又は制御信号)の初期値と同一内容が初期値として書き込まれるものとする。
【0120】
ステップS241において、CPU311は、1000番地を起点とするオフセット番地に記憶された監視信号及び制御信号と、4000番地を起点とする同一のオフセット番地に記憶された送信済みの信号とを順次照合し、一致しない監視信号及び制御信号を検出して、後の送信のためにRAM313のB000番地以降の所定領域に記憶する(ステップS241)。そして、不一致が検出された監視信号及び制御信号を、4000番地を起点とする夫々のオフセット番地に上書きして記憶する(ステップS242)。その後、CPU311は、処理をステップS243に進める。
【0121】
ステップS248において、CPU311は、先に受信指令を受信させた操作制御装置に対し、ステップS241で記憶した監視信号及び制御信号を送信し(ステップS248)、更に、終了指令を送出するために、処理をステップS250に進める。
【0122】
このようにして、RAM313の4000番地以降には、操作制御装置2a〜2dに送信する監視信号及び制御信号と同じ内容が累積的に書き込まれて更新される。
尚、不一致が検出された監視信号及び制御信号を、RAM313の4000番地以降に書き込むステップ(ステップS242)は、全ての下位装置(操作制御装置)への送信を終了してから実行するようにしてもよい。
【0123】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0124】
以上のように、本実施の形態4によれば、信号電送装置は、操作制御装置に送信した監視信号(又は制御信号)をRAMの4000番地以降に記憶する。その後、操作制御装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、RAMの1000番地以降及び4000番地以降に夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合し、照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信する。
これにより、信号電送装置は、状態記憶手段に記憶した監視信号(又は制御信号)のうち、前回の送信以降に状態変化があった監視信号(又は制御信号)だけを操作制御装置に送信する。このため、通信線のトラフィックを減少させることが可能となる。
【0125】
(実施の形態5)
実施の形態1は、図12の処理において信号伝送装置3a、3b、及び3cが、監視信号と制御信号との全てを操作制御装置2a〜2d、2e,2f、及び2g,2hに夫々送信する形態であるのに対し、実施の形態4は、下位の操作制御装置ごとに登録された監視信号(又は制御信号)だけを送信する形態である。
【0126】
図19は、本発明の実施の形態5に係る信号電送装置3aの下位装置として設定されている操作制御装置2a〜2dに受信されるべき監視信号(又は制御信号)の記憶方法を説明するための図表である。図19には、通番1〜4で表された操作制御装置2a〜2dの夫々について、送信すべき(即ち、受信されるべき)監視信号(又は制御信号)が記憶されているRAM313の番地の始点と終点とが示されている。
【0127】
例えば、通番1の操作制御装置2aに対しては、1000〜100F番地の監視信号(又は制御信号)送信すればよいことが示される。他の通番についても同様である。
受信先の監視制御装置2a〜2dに対し、図19の図表に基づいて監視信号及び制御信号を送信するには、図12の処理のステップS48で監視信号及び制御信号をRAM313から読み出すときに、図19の図表を参照して、送信すべき監視信号及び制御信号を読み出せばよい。
【0128】
その他、実施の形態1に対応する箇所には同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0129】
以上のように、本実施の形態5によれば、信号電送装置は、監視信号(又は制御信号)の受信先の操作制御装置を記憶するようにしてあるため、送信すべき監視信号(又は制御信号)を操作制御装置ごとに特定することができる。
従って、信号電送装置から操作制御装置に送信する監視信号(又は制御信号)のサイズを小さくでき、通信線のトラフィックを減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態1に係る監視制御システムを模式的に示すシステム構成図である。
【図2】監視制御システムの接続形態(トポロジー)を示す説明図である。
【図3】操作制御装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図4】信号電送装置の概略構成例を示すブロック図である。
【図5】1つの操作制御装置の盤面から、4つの操作制御装置に夫々接続されたランプを監視制御する場合の構成例を模式的に示す説明図である。
【図6】信号電送装置のRAM及び操作制御装置のRAMの記憶内容と、操作制御装置から入出力される信号との対応を模式的に示す説明図である。
【図7】信号電送装置のRAM及び操作制御装置のRAMの記憶内容と、操作制御装置から入出力される信号との対応を模式的に示す説明図である。
【図8】モータを監視制御する場合における操作制御装置のRAMの記憶内容と、操作制御装置から入出力される信号との対応を模式的に示す説明図である。
【図9】監視入力端子及び/又は制御入力端子の信号を取り込んで監視信号及び/又は制御信号をRAMに記憶するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】RAMに記憶した監視信号及び/又は制御信号に対応する信号を、監視入力端子及び/又は制御入力端子より出力するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】信号伝送装置との間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する操作制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】下位装置として登録された操作制御装置との間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する信号電送装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】隣接装置として登録された信号伝送装置より監視信号及び制御信号を受信し、他の信号伝送装置及び下位装置として登録された操作制御装置に監視信号及び制御信号を夫々送信する信号電送装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態2に係る操作制御装置の監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号と、最大m個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)とを対応させる方法を説明するための図表である。
【図15】本発明の実施の形態3に係る操作制御装置のRAMの記憶内容を模式的に示す説明図である。
【図16】信号伝送装置との間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する操作制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態4に係る信号電送装置のRAMの記憶内容を模式的に示す説明図である。
【図18】下位装置として登録された操作制御装置との間で監視信号及び/又は制御信号を送受信する信号電送装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態5に係る信号電送装置の下位装置として設定されている操作制御装置に受信されるべき監視信号(又は制御信号)の記憶方法を説明するための図表である。
【符号の説明】
【0131】
1 電力線(通信線)
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,42 操作制御装置
211 CPU(信号出力手段、監視信号を生成する手段、通知送信手段、通知照合手段)
213 RAM(出力記憶手段、入力記憶手段、通知記憶手段)
215 モデムI/F(通知送信手段)
22 PLCモデム(通知送信手段)
23 入出力I/F(信号出力手段)
24 A/D・D/A変換回路(信号出力手段)
3a,3b,3c,43 信号電送装置
311 CPU(指示送信手段、指示照合手段、状態記憶手段に記憶する手段、中継送信手段、中継照合手段)
313 RAM(状態記憶手段、指示記憶手段、中継記憶手段、監視制御装置又は被監視制御装置を記憶する手段)
315 モデムI/F(指示送信手段、中継送信手段)
32 PLCモデム(指示送信手段、中継送信手段)
35 LANI/F(中継送信手段)
4 パーソナルコンピュータ
5 LAN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線に接続されており、該通信線を介して監視制御信号を送受信する監視制御装置及び1又は複数の被監視制御装置を備え、前記監視制御装置に接続されるべき機器が前記被監視制御装置に接続されるべき機器を監視及び/又は制御する監視制御システムにおいて、
前記監視制御信号は、前記監視制御装置及び被監視制御装置が監視出力端子及び監視入力端子から夫々出力及び入力する信号(又は制御入力端子及び制御出力端子から夫々入力及び出力する信号)に対応する監視信号(又は制御信号)を含み、
前記通信線に接続されており、前記監視制御装置及び被監視制御装置夫々との間で前記監視信号(又は前記制御信号)を送受信する1又は複数の信号伝送装置を備え、
前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)が前記信号伝送装置に送信した監視信号(又は制御信号)を、前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)が前記信号伝送装置から受信した場合、前記監視制御装置の監視出力端子(又は制御入力端子)に接続されるべき機器が、前記被監視制御装置の監視入力端子(又は制御出力端子)に接続されるべき機器を監視(又は制御)するようにしてあること
を特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)は、前記信号伝送装置から受信した監視信号(又は制御信号)のうち、監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号に対応されるべき監視信号(又は制御信号)を記憶する出力記憶手段と、
該出力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)に監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号を対応させる信号出力手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の監視制御システム。
【請求項3】
前記出力記憶手段は、m個(mは2以上の自然数)の監視信号(又は制御信号)を記憶するようにしてあり、
前記信号出力手段は、前記監視出力端子(又は制御出力端子)から出力する信号の夫々を、前記出力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)のうち、任意のn個(nはm以下の自然数)の監視信号(又は制御信号)に対応させるようにしてあること
を特徴とする請求項2に記載の監視制御システム。
【請求項4】
前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)は、監視入力端子(又は制御入力端子)から入力する信号に対応する監視信号(又は制御信号)を生成する手段と、
該手段が生成した監視信号(又は制御信号)を記憶する入力記憶手段と、
前記信号伝送装置に監視信号(又は制御信号)を送信する場合、前記入力記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)を送信する通知送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の監視制御システム。
【請求項5】
前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)は、通知送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する通知記憶手段と、
前記入力記憶手段及び通知記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する通知照合手段とを備え、
前記通知送信手段は、前記通知照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあること
を特徴とする請求項4に記載の監視制御システム。
【請求項6】
前記信号伝送装置は、前記被監視制御装置(又は前記監視制御装置)から受信した監視信号(又は制御信号)を記憶する状態記憶手段と、
該状態記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)を、前記監視制御装置(又は前記被監視制御装置)へ送信する指示送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の監視制御システム。
【請求項7】
前記信号伝送装置は、前記指示送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する指示記憶手段と、
前記状態記憶手段及び指示記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する指示照合手段とを備え、
前記指示送信手段は、前記指示照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあること
を特徴とする請求項6に記載の監視制御システム。
【請求項8】
信号電送装置を複数有し、
一の信号伝送装置は、他の信号伝送装置から受信した監視信号(又は制御信号)を、前記状態記憶手段に記憶する手段と、
前記状態記憶手段が記憶した監視信号(又は制御信号)の一部又は全部を他の信号電送装置に送信する中継送信手段と、
該中継送信手段が送信した監視信号(又は制御信号)を記憶する中継記憶手段と、
前記状態記憶手段及び中継記憶手段が夫々記憶した監視信号(又は制御信号)を照合する中継照合手段とを備え、
前記中継送信手段は、前記中継照合手段の照合結果が不一致となった監視信号(又は制御信号)を送信するようにしてあること
を特徴とする請求項6又は7に記載の監視制御システム。
【請求項9】
前記信号電送装置は、前記監視信号(又は前記制御信号)が受信されるべき監視制御装置(又は被監視制御装置)を記憶する手段を備えることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の監視制御システム。
【請求項10】
前記通信線には、電力を配電する電力線が含まれることを特徴とする請求項1から9までの何れか1項に記載の監視制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−157874(P2010−157874A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334656(P2008−334656)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(391013092)渦潮電機株式会社 (10)
【Fターム(参考)】