説明

監視用テレビカメラ装置

【課題】ロック装置を設けて基台に対してドームカバーが確実に装着できるようにすると共に、その状態を容易に確認することができるようにした監視用テレビカメラ装置を提供する。
【解決手段】監視用テレビカメラ装置1のドームカバー6の接合端面10には、係合片11に嵌入突条14と凹部15aとを設ける。対する基台2の接合端面20には、係合片11に係合する係合孔21と、嵌入突条14と嵌合凹部15aが嵌合する嵌合溝24を設ける。また、嵌合溝24の所定位置にロック装置30の可動ロック部材31下部に設けたロック片33が係入する係入孔25を設ける。可動ロック部材31は弾性部材32で付勢されている。そして、ドームカバー6を基台2に対して円周方向に沿って回動して装着すると、ロック片33が嵌合凹部15aに嵌合し、ドームカバー6の装着方向とは逆方向への回動が阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドームカバーを有する監視用テレビカメラ装置に関し、より詳しくは、該ドームカバーを前記基台に対して着脱可能とした当該テレビカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視用テレビカメラ装置は、防水防塵のため、或いはカメラレンズの指向方向がわからないようにするために、透明又は半透明のドーム形に形成されたドームカバーでテレビカメラ本体を覆っている。
【0003】
特開2006−074657号公報には、バヨネット方式によってドームカバーを着脱可能に装着した監視用テレビカメラ装置が開示されている。当該装置は、ドームカバーの基台に対する接合端面に設けた係合片に係止凹部を形成し、基台のドームカバーに対する接合端面に設けた係合溝の奥端部に係止突部を形成した。そして、当該係止凹部と当該係止突部とをバヨネット方式により係止して、ドームカバーを基台に着脱可能に装着したものである。
【特許文献1】特開2006−074657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようにバヨネット方式によってドームカバーを装着する場合、確実に係合片と係合溝とが係合しているかどうか解り難い。また、係合状態が不十分な場合には、ドームカバーが装着方向と逆方向に回動して脱落するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ロック装置を設けて基台に対してドームカバーが確実に装着できるようにすると共に、その状態を容易に確認することができるようにした監視用テレビカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置は、設置面に設置される基台に監視用テレビカメラを取付けると共に、当該テレビカメラを覆うドームカバーを前記基台に対して着脱可能とした監視用テレビカメラ装置において、前記基台に設けた可動ロック部材と、当該可動ロック部材を前記ドームカバーとの接合端面の方向へ付勢する弾性部材とからなるロック装置を設け、前記基台と前記ドームカバーとの各接合端面を接合させて、当該ドームカバーを円周方向に回動させて装着させたときに、前記可動ロック部材が、前記弾性部材の付勢力により前記ドームカバーの接合端面に設けた嵌合凹部に嵌合するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置は、請求項1に記載の当該監視用テレビカメラ装置において、前記ロック装置の前記可動ロック部材の側面部に設けたスライドレバーを、前記基台の側面部に現して手動操作可能にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の監視用テレビカメラ装置は、請求項1若しくは請求項2に記載の当該監視用テレビカメラ装置において、前記ドームカバーを前記基台に対してバヨネット方式で着脱可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、ドームカバーの基台に対する接合端面に設けた嵌合凹部にロック装置の可動ロック部材が弾性部材の付勢力により嵌合することで、ドームカバーを基台へ確実に装着することができる。またロック装置により、ドームカバーが基台に対して、装着方向と逆方向に回動することを阻止することができる。
【0010】
請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、基台の側面部にスライドレバーを現して手動操作可能としたので、ロック装置が確実に作動しているか否かを容易に視認できるようにした。
【0011】
請求項3に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、ドームカバーを基台に対してバヨネット方式で着脱可能としたので、当該ドームカバーをワンタッチで基台へ装着させることができる。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例について、添付した図面にしたがって説明する。図1は本実施例に係る監視用テレビカメラ装置1の斜視図である。円筒形の基台2は、天井等の設置面に設置され、その内部には、回動軸を有した基盤(図示せず)が収められており、当該基盤には一対の軸支ブラケット3が設けられている。
【0013】
当該軸支ブラケット3間にはズーム機能を有する監視用テレビカメラ(以下「カメラ」という)4が固定されたチルト軸5が軸支されている。回動軸及びチルト軸5は、それぞれコントローラに制御されるステッピングモーター(いずれも図示せず)により駆動され、カメラ4はパン・チルト方向にそれぞれ回動する。
【0014】
また、カメラ4は、防水防塵のため、カメラレンズの指向方向がわからないようにするため、ドームカバー6をバヨネット方式により基台2に着脱可能に装着している。当該ドームカバー6は、その基部7が円筒形に形成され、先端部8が透明若しくはスモークカラー等のドーム形に形成されている。
【0015】
図2は、基台2とドームカバー6とが分離した状態を示した正面図である。また、図3にドームカバー6の平面図を示し、図4に基台2の底面図を示す。
【0016】
図2及び図3に示すように、基台2の接合端面20と接合するドームカバー6の基部7の接合端面10には、3個の係合片11が120度角間隔で突出形成されている。各係合片11の基部には、接合端面10と平行に係入溝12が形成されている。各係入溝12の切れ込み方向は同一円周方向に沿って揃えられている。係合片11の先端部の側面には係止凹部13が形成されている。また、各係合片11のうち2箇所に係入溝12と逆方向に伸びる円弧形の嵌入突条14が形成されている。当該嵌入溝14と係止片11との間に凹部15a,15bが形成される。
【0017】
図2及び図4に示すように、ドームカバー6の接合端面10と接合する基台2の接合端面20には、3個の係合孔21が120度角間隔で形成されている。当該係合孔21はドームカバー6に形成した3個の各係合片11に対応するように形成されている。各係合孔21には接合端面20の下面で連続する係合溝22が円周方向に沿って形成されている。当該係合溝22の奥端部には係止突部23が形成されている。当該係止突部23はバヨネット方式で基台2にドームカバー6を装着したとき、当該ドームカバー6の係合片11の係止凹部13と係合する。
【0018】
また、各係合孔21のうち2箇所に係合溝22と逆方向に伸びる円弧形の嵌合溝24が連設されている。その一方の嵌合溝24には、後述する可動ロック部材31のロック片33が係入する係入孔25が設けられている。当該嵌合溝24はドームカバー6の嵌入突条14に対応し、それぞれ凹部15a,15bに対応する。
【0019】
一方、基台2の側面部には、操作孔部26が形成されている。当該操作孔部26は嵌合溝24に設けた係入孔25と対応する位置に設けられている。
【0020】
図5は操作孔部26の内部構造を示した部分拡大断面図である。基台2の接合端面20に設けられた係入孔25の基台2の内部に形成されたロック装置ホルダ27には、ロック装置30が収められている。
【0021】
ロック装置30は、可動ロック部材31と弾性部材32とからなり、可動ロック部材31は、その下部に突出形成されたロック片33と、上部に形成されたバネ掛け突部34と、側面部に形成されたスライドレバー35とを有する。弾性部材32は、可動ロック部材31を押圧付勢するコイルバネであって、ロック装置ホルダ27内に装着されている。
【0022】
可動ロック部材のロック片33は、基台2の接合端面20の嵌合溝24に設けられた係入孔25に係入されている。可動ロック部材31のスライドレバー35は、操作孔部26に嵌め込まれて基台2の側面に現れている。
【0023】
本実施例に係る構成は以上に示すとおりであって、以下に動作を説明する。
図6及び図7は、本実施例に係る監視用テレビカメラ装置1のドームカバー6と基台2との接合前後のロック装置30の動きを説明する部分拡大断面図である。ドームカバー6を基台2に装着する場合、ドームカバーの接合端面10と基台2の接合端面20とを対向させ、ドームカバー6の基部7の接合端面10に設けた嵌入突条14と、基台2の接合端面20に設けた嵌合溝24とを嵌合させると共に、係合片11を係合孔21に係合させる。このとき、係入孔25に係入されているロック片33は、ドームカバー6の嵌入突条14によってコイルバネである弾性部材32の付勢力に抗って上方に押し上げられる。
【0024】
そして、図3に示す矢印の方向へ、ドームカバー6を基台2に対して回動すると、係合片11の先端部が係合溝22へ係合する。また、嵌合溝24に沿って嵌入突条14が移動し、嵌入突条14の上面をロック片33が摺動する。係合溝22の奥端部に設けた係止突部23が係合片11の先端部に設けた係止凹部13に係止されると、ドームカバー6は基台2にバヨネット方式で装着される。
【0025】
その装着と同時に、嵌入突条14の終端部まで摺動した可動ロック部材31のロック片33は、嵌合凹部15aに対応すると弾性部材32により付勢され、嵌合凹部15aに嵌合する。このとき、ロック片33がストッパーとなり、ドームカバー6は装着方向と逆方向への回動は阻止される。
【0026】
以上のように、本実施例に係る監視用テレビカメラ装置1は、バヨネット方式でドームカバー6を基台2に装着した際に、ロック装置30によりドームカバーが装着方向と逆方向に回動することを防ぐことができる。また、ドームカバー6が基台2に確実に装着されているか否かを基台2の側面に現れるスライドレバー35の位置を目視することにより容易に確認することができる。したがって、ドームカバー6が突然落下することを防ぐことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0027】
また、基台2に対するドームカバー6の装着は、本実施例に示したバヨネット方式の他に、基台2の接合端面20に係止孔を設け、ドームカバー6の接合端面10に設けた係止爪を当該係止孔に係止する方式等がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施例に係る監視用テレビカメラ装置を示す斜視図である。
【図2】基台とドームカバーとが分離した状態を示す正面図である。
【図3】ドームカバーを示す平面図である。
【図4】基台を示す平面図である。
【図5】基台に設けたロック装置を示す部分拡大斜視断面図である。
【図6】基台へのドームカバーの装着前のロック装置を示す部分拡大断面図である。
【図7】基台へのドームカバーの装着後のロック装置を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1…監視用テレビカメラ装置、2…基台、3…軸支ブラケット、4…カメラ、5…チルト軸、6…ドームカバー、7…ドームカバー基部、8…ドームカバー先端部、
10…ドームカバーの接合端面、11…係止片、12…係入溝、13…係止凹部、14…嵌入突条、15a,15b…嵌合凹部、
20…基台の接合端面、21…係合孔、22…係合溝、23…係止突部、24…嵌合溝、25…係入孔、26…操作孔部、27…ロック装置ホルダ、
30…ロック装置、31…可動ロック部材、32…弾性部材、33…ロック片、34…バネ掛け突部、35…スライドレバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置される基台に監視用テレビカメラを取付けると共に、当該テレビカメラを覆うドームカバーを前記基台に対して着脱可能とした監視用テレビカメラ装置において、
前記基台に設けた可動ロック部材と、当該可動ロック部材を前記ドームカバーとの接合端面の方向へ付勢する弾性部材とからなるロック装置を設け、
前記基台と前記ドームカバーとの各接合端面を接合させて、当該ドームカバーを円周方向に回動させて装着させたときに、
前記可動ロック部材が、前記弾性部材の付勢力により前記ドームカバーの接合端面に設けた嵌合凹部に嵌合するようにしたことを特徴とする監視用テレビカメラ装置。
【請求項2】
前記ロック装置の前記可動ロック部材の側面部に設けたスライドレバーを、前記基台の側面部に現して手動操作可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置。
【請求項3】
前記ドームカバーを前記基台に対してバヨネット方式で着脱可能としたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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