説明

監視装置、及びその方法

【課題】 従来、適切なカウンタ情報を、印刷やコピーといったジョブの処理などにより遅延することなく取得することが困難であった。
【解決手段】 そこで、本発明は、カウンタ情報を画像形成装置から取得する監視装置であって、スナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、前記スナップショット作成ジョブの完了通知を受信する受信手段と、前記完了通知の受信に応じて、前記カウンタ情報を示すスナップショットを前記画像形成装置から取得する取得手段と、を有し、前記スナップショット作成ジョブは、印刷処理に関わるジョブと同じ画像形成装置のキューで管理され、一般ユーザーの権限によるキャンセルが制限されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機等の画像形成装置におけるジョブの実行に応じて積算されるカウンタ情報を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機などの画像形成装置から印刷枚数などを示すカウンタ情報を取得し、定期的に課金したり、保守作業に利用したりするということが一般的に行われている。この課金においては、部門課金やユーザー課金などが広く行われている。
【0003】
ここで、ネットワークなどを介して外部装置から部門/ユーザー毎にカウンタ情報及びトータルのカウンタ情報を順次、取得している間に、画像形成装置において印刷がなされた場合を想定する。この場合には、取得された部門/ユーザー毎のカウンタ情報の総和と、トータルのカウンタ情報が一致しない状態が発生する。このような不整合が生じているカウンタ情報は、ユーザーに対する課金に用いるには不適切なものといえる。
【0004】
そこで、特許文献1では、課金カウンタが印刷中に取得されたものでないことを保証するための技術が開示されている。特許文献1では、まず、トータルのカウンタ情報を取得後に、課金に必要なカウンタを取得し、再度トータルのカウンタ情報を取得する。そして、前後のトータルのカウンタ情報に相違がない場合に限り、課金カウンタを有効なものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−18500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術では、課金に用いるのに適切なカウンタ情報を取得することができるが、ユーザーがカウンタ取得のタイミングに大量印刷を行っていた場合などに、適切なカウンタ情報の取得が遅れる場合がある。そこで、適切なカウンタ情報を、印刷やコピーといったジョブの処理などにより遅延することなく取得するための異なる手法の提供することも望ましいといえる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、カウンタ情報を画像形成装置から取得する監視装置であって、前記カウンタ情報を示すスナップショットを作成するためのスナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、前記スナップショット作成ジョブの完了通知を受信する受信手段と、前記完了通知の受信に応じて、前記カウンタ情報を示すスナップショットを前記画像形成装置から取得する取得手段と、を有し、前記スナップショット作成ジョブは、印刷処理に関わるジョブと同じ画像形成装置のキューで管理され、一般ユーザーの権限によるキャンセルが制限されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切なカウンタ情報を、印刷やコピーといったジョブの処理などにより遅延することなく取得するための手法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例に係るシステムの全体図
【図2】本発明における画像形成装置100のハードウェア構成図
【図3】本発明における画像形成装置100のソフトウェア構成図
【図4】本発明における監視装置101のハードウェア構成図
【図5】本発明における監視装置101のソフトウェア構成図
【図6】実施例1における画像形成装置100の全体処理のフローチャート
【図7】実施例1におけるジョブ管理部301のジョブ処理のフローチャート
【図8】実施例1における監視装置101の全体処理のフローチャート
【図9】実施例1における監視装置101のスナップショット取得処理のフローチャート
【図10】ジョブデータの概要図
【図11】実施例2における画像形成装置100の全体処理のフローチャート
【図12】実施例2における監視装置101の全体処理のフローチャート
【図13】実施例2における監視装置101のスナップショット取得処理のフローチャート
【図14】実施例2における監視装置101のジョブ履歴の分割処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
(実施例1)
図1は、本発明が想定するシステム構成の例を示す図である。図1において、100はプリンタ、複写機等の画像形成装置、101は画像形成装置100のカウンタ情報などの稼働状況を管理する監視装置である。監視装置は、不図示の中央管理装置に障害情報やカウンタ情報を含む稼動情報を送信し、また画像形成装置の監視スケジュールを受信することで、連携して画像形成装置の管理、保守を行っているものとする。
【0012】
本図では複数の画像形成装置100と監視装置101とがLAN102を介して接続している状態を表している。しかし、監視装置101がインターネットを介した外部ネットワーク上にあり、画像形成装置100と監視装置101とがインターネットを介して接続するよう構成することも可能である。
【0013】
図2は、画像形成装置100における、ハードウェア構成の例を示す図である。画像形成装置100は、画像形成部201と制御部202、通信部203、記憶部204からなる。画像形成部201は、プリンタやスキャナ等の一部、または全部が含まれる。制御部202は、画像形成部201の制御を行う画像形成制御や、画像形成部201の稼働情報記憶制御など、画像形成部201全体の制御を行う。通信I/F部203は、監視装置101へ稼働情報を送信するためにLAN102と接続される、ネットワークインターフェースである。記憶部204は、ROMやRAM、HDDなどを備え、画像データや稼働情報、ユーザ管理情報などの記憶領域として用いられる。
【0014】
図3は、画像形成装置100における、特に本実施例に関わるソフトウェア構成の例を示す図である。
【0015】
ジョブ管理部301は、通信部204を介して、外部装置(不図示のクライアント装置や監視装置101)から送られてくる印刷ジョブやスナップショット作成ジョブを受信し、そのジョブをジョブキューに登録する。また、ジョブ管理部301は、ジョブキューに登録されたジョブの実行順の制御や、ジョブキューのジョブを一時停止、再開、削除する制御などを行う。さらにジョブ管理部301は、スナップショット作成ジョブの完了時に、通信部203を介して、完了通知を監視装置101に送信する。
【0016】
ここで、スナップショット作成ジョブは、ジョブ実行のタイミングにおけるカウンタ情報などを含む稼動情報を示すスナップショットを作成するためのジョブであり、印刷などの画像形成を行うためのジョブではない。スナップショット作成ジョブは、確実に特定のタイミングにおけるカウンタ情報などを記録するために、例えば一般ユーザー権限による削除などの操作を制限する、外部アプリケーションから参照ができないといった設定にすることが効果的といえる。また、スナップショットとは、カウンタ情報などを含む稼動情報を含む特定の形式のファイルとして管理されてもよい。
【0017】
カウンタ情報管理部320は、印刷ジョブの実行に応じた印刷枚数/面数、画像形成装置の部品などの消耗品の稼動回数といったカウンタ情報を含む稼働情報を管理する。スナップショット管理部303は、特定のタイミングにおける稼働情報を示すスナップショットを記憶手段204に保存し、管理する。要求管理部304は、通信部204を介して、監視装置101など、ネットワーク上からの各種要求を受信し、管理する。権限取得部305は、スナップショット作成などに際しての要求において、要求元となる監視装置101などの権限を取得する。種類特定部306は、稼動情報などの要求元の権限に従い、取得可能とすべき稼動情報の種類を特定する。時刻取得部307は、現在の日時を取得する。ジョブ履歴管理部308は、印刷ジョブの履歴を管理する。
【0018】
図4は、監視装置101における、ハードウェア構成図である。
【0019】
監視装置101は、通信部401と、記憶装置402、CPU403、メモリ404、出力I/F部405からなる。通信部401は、画像形成装置100に対して、各種要求を送信したり、画像形成装置100の稼働情報を取得したりするために、LAN102と接続される、ネットワークインターフェースである。記憶装置402は、OS(Operating System)や画像形成装置100のカウンタ情報の取得・管理プログラムなどが格納されている。CPU403は、記憶装置402からプログラムをメモリ404にロードし、実行する。出力I/F部405は、ディスプレイなどの出力装置を接続し、プログラムなどの実行結果を出力する。
【0020】
図5は、監視装置101における、特に本実施例に関わるソフトウェア構成の例を示す図である。
【0021】
時間管理部501は、スナップショット生成に要する時間や画像形成装置100からの取得に要する時間、現在時刻を取得して管理する。また、稼動情報の収集の締め日時、或いは中央管理装置への送信日時をもとに、画像形成装置100からスナップショットを取得すべき日時を算出する。後述するジョブ情報取得部504が取得したジョブ情報から各ジョブの処理時間を算出する。ジョブ作成部502は、スナップショット作成ジョブを生成する。ジョブ送信部503は、通信部401を介して、画像形成装置100にスナップショット作成ジョブを送信する。ジョブ情報取得部504は、画像形成装置100からジョブの履歴情報などを取得する。ジョブ順番管理部505は、現在時刻、各ジョブの処理時間、スナップショット生成に要する時間等をもとに、スナップショット取得日時に近い時間でスナップショットを実行できるように、スナップショット作成ジョブの実行順番を決定する。またその順番で、スナップショット作成ジョブのジョブキュー内の順番を、必要に応じて変更するよう画像形成装置に通信部401を介して要求を行う。ジョブ完了検出部506は、画像形成装置から受信する完了通知に応じて、スナップショット作成ジョブが完了を検出する。スナップショット取得部507は、スナップショット作成ジョブの完了を検出した際に、画像形成装置100に対してスナップショットの要求を行い、スナップショットを取得する。
【0022】
図6は、実施例1における画像形成装置における全体処理を説明するためのフローチャートを示す。
【0023】
S601において、画像形成装置100における各種プログラムの動作にあたり、必要な初期化処理を行う。これには、監視装置101との通信のための通信処理の初期化、システム設定の取得、変数の初期化、後述する管理ジョブ完了検出フラグをOFFにするなども含まれる。ここで、ジョブステータスとしては、完了ステータスだけではなく、その他のステータス(エラー等)も検出できるようにしてもよい。
【0024】
S602において、要求管理部304は、ジョブを受信した場合にはS603に処理を進める。S603において、要求管理部304が受信したジョブをジョブキューに格納するように制御する。一方、S602でジョブを受信しておらず、S604においてコマンドを受信した場合にはS605に処理を進め、そうでない場合にはS602に戻り、ジョブまたはコマンドの受信を待機する。
【0025】
S605において、要求管理部304が受信したコマンドがスナップショット取得コマンドであるかを判定する。スナップショット取得コマンドであった場合にはS606に処理を進め、そうでなかった場合にはS607に処理を進める。S606において、スナップショット管理部303は、記憶部204に保持されている該当するスナップショットをコマンドの発行元(本実施例では、監視装置101)に返却する。
【0026】
S607において、要求管理部304が受信したコマンドがジョブ情報取得コマンドであるかを判定する。ジョブ情報取得コマンドであった場合にはS608に処理を進め、そうでなかった場合にはS609に処理を進める。S608において、ジョブ管理部301は、記憶装置204に保持されているジョブ情報を取得し、コマンドの発行元である監視装置101に返却する。
【0027】
S609において、要求管理部304が受信したコマンドが管理ジョブの完了通知コマンドであるかを判定する。完了通知コマンドであった場合にはS610に処理を進め、そうでなかった場合にはS611に処理を進める。S610において、要求管理部304は管理ジョブの完了検出フラグを「ON」にする。
【0028】
S611において、要求管理部304が受信したコマンドがジョブ順番制御コマンドであるかを判定する。ジョブ順番制御コマンドであった場合にはS612に処理を進め、そうでなかった場合にはS613に処理を進める。S612において、ジョブ管理部301は、ジョブキューの中にあるジョブの順番をコマンドに従い変更する。
【0029】
S613において、要求管理部304が受信したコマンドがジョブ制御コマンドであるかを判定する。ジョブ制御コマンドであった場合にはS614に処理を進め、そうでなかった場合にはS615に処理を進める。S614において、ジョブ管理部301は、ジョブキューに登録されているジョブの削除、一時停止、再開などの制御を行う。なお、スナップショット作成ジョブに関しては管理ジョブとして扱われ、外部アプリケーションによる閲覧や編集、或いは画像形成装置のパネル操作等による削除などのジョブ制御を制限される。
【0030】
S615において、要求管理部304は、受信したコマンドの従い上述した以外の該当する処理を適宜行う。ここでの処理は、本実施例と関係のないところであるので、詳細な説明を割愛する。
【0031】
次に、図7で示すフローチャートを用いて、画像形成装置100のジョブ管理部301における、ジョブ処理の例に関して詳細に説明する。
【0032】
S701において、ジョブ管理部301における各種プログラムの動作にあたり、必要な初期化処理を行う。
【0033】
S702において、ジョブ管理部301はジョブキューにジョブがあるかを判別する。ジョブがある場合にはS703に処理を進め、ジョブが無い場合にはS712に処理を進める。
【0034】
S703において、ジョブ管理部301は、ジョブキューの先頭に格納されているジョブが印刷ジョブであるかを判別する。印刷ジョブである場合にはS704に処理を進め、そうでない場合にはS706に処理を進める。S704において、ジョブ管理部301は、その印刷ジョブを実行し、印刷処理を行う。S714において、ジョブ履歴管理部308は、実行したジョブのないようを示す履歴を作成し、記憶部204にジョブ履歴として保持し、管理する。S705において、ジョブ管理部301は、ジョブキューから印刷処理が完了した印刷ジョブを削除する。
【0035】
一方、S706において、ジョブキューの先頭に格納されているジョブがスナップショット作成ジョブであるかを判別する。スナップショット作成ジョブである場合にはS707に処理を進め、そうでない場合にはS711に処理を進める。ここで、S711では、ジョブ管理部301が該当するジョブに対応する処理の実行を制御する。ここでの処理は、本実施例と関係のないところであるので、説明を割愛する。
【0036】
S707において、スナップショット管理部303は、スナップショット作成ジョブを実行し、カウンタ情報などを示すスナップショットを取得し、ジョブの識別情報とともに記憶部204に保持し、管理する。S708において、完了検出フラグがONになっているかを判定する。ONになっている場合にはS709に処理を進め、そうでない場合にはS702に戻る。S709において、ジョブ管理部301は、通信部203を介して、ジョブの発行元となる監視装置101に対して、スナップショット作成ジョブが完了したことを通知する。S710において、ジョブ管理部301は、ジョブキューからスナップショット作成ジョブを削除する。
【0037】
S712において、一定の保持期間、保存サイズ、或いは保存数を超えるスナップショットが記憶されており、削除が必要であるかを判断する。必要な場合にはS713に処理を進め、そうでない場合にはS702に戻る。S713において、スナップショット管理部303は、スナップショット作成日時が古いものから、スナップショットを削除する。
【0038】
次に、図8で示すフローチャートを用いて、監視装置101のスナップショット取得にかかる処理の例に関して詳細に説明する。
【0039】
S801において、監視装置101における各種プログラムの動作にあたり、必要な初期化処理を行う。これには、画像形成装置100との通信のための通信処理の初期化、システム設定の取得、変数の初期化なども含まれる。
【0040】
S802において、時間管理部501は、スナップショット生成に要する時間を取得する。S803において、時間管理部501は、画像形成装置100からの取得に要する時間を取得する。S804において、時間管理部501は、稼動情報収集の締め日時、或いは中央管理装置への送信日時、スナップショット生成時刻、通信時間等をもとに、画像形成装置100からスナップショットを取得する日時を算出する。S805において、スナップショット取得用タイマーをセットする。
【0041】
S806において、スナップショットを取得すべき開始時刻になるまで待機する。開始時刻になった場合には、S807に処理を進める。S807において、スナップショット取得部507はスナップショット取得処理を行う。
【0042】
次に、図9で示すフローチャートを用いて、監視装置101のスナップショット取得処理の例に関して詳細に説明する。
【0043】
S901において、スナップショット取得対象の画像形成装置リストLと画像形成装置の台数Nを取得する。S902において、ジョブ作成部502は、取得するカウンタの種類を指定して、スナップショット作成ジョブを生成する。
【0044】
ここで、図10を用いて、ジョブの記述内容について説明をする。図10(a)は、一般的な印刷ジョブを示す。図10(b)は、スナップショット作成ジョブを示す。いずれのジョブにも、ジョブを識別するためのIDと、発行元を示すデバイス情報が含まれている。スナップショット作成ジョブには、対象となるカウンタ情報の種類などを指定するためのスナップショット作成コマンドが含まれている。
【0045】
S903において、ジョブ送信部503は、通信部401を介して、画像形成装置100に図10で示すスナップショット作成ジョブを送信する。S904において、処理対象となる画像形成装置Ln(n=0)を設定する。S905において、ジョブ情報取得部504は、処理対象の画像形成装置Lnのジョブ情報を取得する。S906において、時間管理部501は、S905のステップで取得した全ジョブ情報の処理時間を算出する。S907において、時刻管理部501は、現在時刻を取得する。S908において、ジョブ順番管理部505は、現在時刻、各ジョブの処理時間、スナップショット生成時間、スナップショット取得日時から、スナップショット取得日時近傍でスナップショット作成ジョブを実行できるように、実行順番を決定する。S909において、画像形成装置でのスナップショット作成ジョブの順番を変更する必要があるかを判定し、その必要がある場合、S910に処理を進める。S910において、ジョブ順番管理部505は、S908のステップで決定された通りに、スナップショット作成ジョブの順番を変更する。S911において、ジョブ完了検出部506は、画像形成装置100にスナップショット作成ジョブの監視イベントを登録する。S912において、nの値を一つ繰り上げ、処理対象を次に移す。S913において、nの値が、Nの値と等しいかを判定を行うことで、スナップショットを取得すべき全ての画像形成装置の処理が終わったかを確認する。全ての画像形成装置の処理が終わっていた場合には、S905に戻らずに、S914に処理を進める。
【0046】
S914において、ジョブ完了検出部506は、スナップショット作成ジョブの完了通知を受信したかを判定する。ここでは、完了通知を受信するまで待機し、受信した場合にはS915に処理を進める。S915において、スナップショット取得部507は、完了通知を受けつけた画像形成装置100に対してスナップショットの取得要求を行い、応答としてスナップショットを取得する。S916において、ジョブ完了検出部506は、全ての画像形成装置100からスナップショット作成ジョブの完了通知を受信したかを判定し、全ての画像形成装置100から完了通知を受信した場合には、処理を終える。一方、全ての画像形成装置100から完了通知を受信していない場合には、S914の処理に戻る。
【0047】
以上、実施例1によれば、監視装置101が適切なタイミングでスナップショット作成ジョブが画像形成装置で実行されるように制御することで、必要なタイミングでカウンタ情報などを取得することができる。
【0048】
(実施例2)
実施例1では、印刷中のジョブを停止させるといった制御を行ってはいない。カウンタの締め日時を最優先する場合には、処理中のジョブを一時停止させても、スナップショットを取得するように構成してもよい。
【0049】
以下、実施例2について図面を用いて説明する。
【0050】
図5の監視装置101におけるソフトウェア構成図において、とくに本実施例に関わる部分について、詳細に説明をする。
【0051】
優先処理判断部508は、カウンタ情報の収集に関し、取得日時優先か、画像形成装置のユーザーの印刷処理を優先するかを判断する。実行ジョブ特定部509は、ジョブ情報取得部504で取得したジョブ情報をもとに、現在実行中のジョブを特定する。ジョブ制御部510は、実行ジョブ特定部509において特定した実行ジョブに対する一時停止を、画像形成装置100に要求する。稼動情報取得部511は、ジョブの一時停止中に、印刷中に変動するカウンタ情報などの一部の稼動情報のみを画像形成装置100から取得するなどの処理を行う。ジョブ再開部510は、画像形成装置100に対して、一時停止中のジョブの再開を要求する。稼動情報決定部512は、稼動情報取得部511で取得した稼動情報の値を項目毎にスナップショットの値と置き換えるといった処理を行う。ジョブ履歴管理部513は、画像形成装置100から印刷ジョブの履歴情報の取得、スナップショット取得日時に実行中であったジョブの履歴を特定する。また、稼動情報取得部511で取得した稼動情報とスナップショットの値から、特定したジョブ履歴をスナップショット取得日時の前と後の二つのジョブ履歴に分割する。
【0052】
図11は、実施例2におけるカウンタ情報の取得手順の一例を説明するためのフローチャートである。図6で示した処理に対して、S616〜S617の処理を追加している。これらの追加処理について、本図を用いて説明する。
【0053】
S616において、要求管理部304が受信したコマンドがジョブ履歴取得コマンドであるかを判定する。ジョブ履歴取得コマンドである場合にはS617に処理を進め、ジョブ履歴管理部308が印刷ジョブのジョブ履歴を、コマンド発行元の装置に返却する。
図12は、実施例2における監視装置101の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。図8で示した処理に対して、S808〜S811の処理を追加している。これらの追加処理について、本図を用いて説明する。
【0054】
S808において、優先処理判断部508は、取得日時優先か印刷処理優先かを判定する。取得日時優先であればS809に処理を進め、そうでない場合にはS807に処理を進める。この優先度に関しては、たとえば、管理者が課金などの運用ポリシーに従い手動により設定する。S809において、取得日時が優先される際のスナップショット取得処理を行う。この処理の詳細に関しては図13を用いて後述する。S810において、ジョブ履歴管理部513は、画像形成装置100からジョブ履歴を取得する。S811において、スナップショット取得のタイミングで実行中であったジョブに対応する履歴を特定して、分割する処理を行う。この処理の詳細に関しては、図14を用いて後述する。
【0055】
図13で示すフローチャートを用いて、本実施例における、取得日時を優先した場合のスナップショット取得処理の一例を詳細に説明する。
【0056】
S1001において、スナップショット取得対象の画像形成装置リストLと画像形成装置台数Nを取得する。S1002において、ジョブ作成部502は、取得するカウンタの種類を指定して、スナップショット作成ジョブを生成する。S1003において、ジョブ送信部503は、通信部401を介して、画像形成装置100にスナップショット作成ジョブを送信する。
【0057】
S1004において、処理対象となる画像形成装置Ln(n=0)を設定する。S1005において、ジョブ情報取得部504は、処理対象となる画像形成装置Lnのジョブ情報を取得する。S1006において、実行ジョブ特定部509は、実行中の印刷ジョブがあるかを判定して、実行中のジョブがある場合は、S1007に処理を進める。S1007において、ジョブ制御部510は、現在実行中のジョブを一時停止する。S1008において、一部稼働情報取得部511は、印刷中変動する一部の稼働情報のみを取得する。S1009において、ジョブ順番管理部505は、スナップショット作成ジョブの順番をジョブキューの先頭に格納することを決定する。S1010において、ジョブ順番管理部505は、スナップショット作成ジョブをジョブキューの先頭に変更する。S1011において、ジョブ制御部510は、一時停止中の印刷ジョブを再開する。S1012において、ジョブ完了検出部506は、画像形成装置100にスナップショット作成ジョブの監視イベントを登録する。S1013において、nの値を一つ繰り上げ、処理対象画像形成装置を次に移す。S1014において、nの値が、Nの値と等しいかを判定を行うことで、全ての取得対象画像形成装置の処理が終わったかを確認し、等しい場合は、S1015に処理を進める。
【0058】
S1015において、ジョブ完了検出部506は、スナップショット作成ジョブの完了通知を受信したかを判定し、受信した場合には、S1016に処理を進める。S1016において、スナップショット取得部507は、完了通知を受けた画像形成装置100から、スナップショットを取得する。S1017において、ジョブ完了検出部506は、全ての画像形成装置100からスナップショット作成ジョブ完了通知を受信したかを判定し、全ての画像形成装置100から完了通知を受信した場合には、S1018に処理を進める。S1018において、稼働情報決定部512は、S1008の処理で取得した一部稼働情報の値を項目毎にスナップショットの値と置き換え、処理を終了する。
【0059】
図14で示すフローチャートを用いて、本実施例における、ジョブ履歴管理部513におけるジョブ履歴の分割処理の一例を詳細に説明する。
【0060】
S1101において、対象画像形成装置の台数N、対象画像形成装置Dn毎のジョブ履歴リストLDnを取得する。S1102において、変数n=0にし、処理対象画像形成装置を1台目に設定する。S1103において、画像形成装置Dnのカウンタ取得日時Tを取得する。S1104において、LDnのジョブ履歴数Mを取得する。S1105において、変数m=0に設定し、ジョブ履歴リストの1番目の情報に設定する。S1106において、LDnのm番目のジョブ履歴のジョブ開始日時S及びジョブ完了日時Eを取得する。S1107において、ジョブ開始日時Sよりもカウンタ取得日時Tの方が遅く、かつカウンタ取得日時Tよりもジョブ完了日時Eの方が遅ければ、S1108に処理を進める。
【0061】
S1108では、稼働情報取得部511で取得された稼働情報とスナップショットの値から、当該m番目のジョブ履歴を、スナップショット取得日時の前と後の二つのジョブ履歴に分割する。
【0062】
S1109において、nの値を一つ繰り上げ、処理対象画像形成装置を次に移す。S1110において、nの値が、Nの値と等しいかを判定を行うことで、全ての取得対象画像形成装置の処理が終わったかを確認し、等しい場合は、処理を終える。
【0063】
一方、S1110において、nとNの値が同じでないならば、S1103の処理に戻る。S1107において、ジョブ開始日時Sよりもカウンタ取得日時Tの方が遅く、かつカウンタ取得日時Tよりもジョブ完了日時Eの方が遅いという条件を満たさなければ、S1111に処理を進める。S1111において、mの値を一つ増やし、ジョブ履歴リスト内の情報を次に設定する。S1112において、mの値が、Mの値と等しいかを判定を行うことで、全てのジョブ履歴リスト内の情報の確認が終わったかを確認し、等しい場合は、S1109に処理を進める。S1112において、mとMの値が同じでないならば、S1106の処理に戻る。
【0064】
以上示したように、カウンタ情報を取得すべき日時のより近傍で、ジョブ履歴とカウンタ情報の整合性のとれた値を取得することができる。
【0065】
(実施例3)
画像形成装置100によっては、上記で示した実施例1、実施例2の手法を用いることができないケースが考えられる。そのため、あらかじめ画像形成装置100で本発明の処理が可能かを判断するためのコマンドを画像形成装置100に送信して、本実施例が適用可能な場合には、本発明の手法を用いるかを判断してもよい。本実施例が適用できない場合には、たとえば従来手法(特開2007−18500号公報)などに切り替えても良い。
【0066】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0067】
さらに、本発明には、上述した実施形態の適宜組み合わせることにより構成されたシステムやその機能も含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で実行されるジョブに関連するカウント値を含むカウンタ情報を、当該画像形成装置から取得する監視装置であって、
前記カウンタ情報を示すスナップショットを作成するためのスナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信する送信手段と、
前記スナップショット作成ジョブの完了通知を受信する受信手段と、
前記完了通知の受信に応じて、前記カウンタ情報を示すスナップショットを前記画像形成装置から取得する取得手段と、を有し、
前記スナップショット作成ジョブは、印刷処理に関わるジョブと同じ画像形成装置のキューで管理され、一般ユーザーの権限によるキャンセルが制限されることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記送信手段は、あらかじめ設定されているカウンタ情報の取得日時に基づく開始時刻になった場合に、スナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記画像形成装置に対して、実行中のジョブを一時停止して、前記送信手段により送信されたスナップショット作成ジョブを実行するよう要求する要求手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の監視装置。
【請求項4】
画像形成装置で実行されるジョブに関連するカウント値を含むカウンタ情報を、当該画像形成装置から取得する監視装置における方法であって、
前記カウンタ情報を示すスナップショットを作成するためのスナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信する送信工程と、
前記スナップショット作成ジョブの完了通知を受信する受信工程と、
前記完了通知の受信に応じて、前記カウンタ情報を示すスナップショットを前記画像形成装置から取得する取得工程と、を有し、
前記スナップショット作成ジョブは、印刷処理に関わるジョブと同じ画像形成装置のキューで管理され、一般ユーザーの権限によるキャンセルが制限されることを特徴とする方法。
【請求項5】
前記送信工程では、あらかじめ設定されているカウンタ情報の取得日時に基づく開始時刻になった場合に、スナップショット作成ジョブを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像形成装置に対して、実行中のジョブを一時停止して、前記送信されたスナップショット作成ジョブを実行するよう要求する要求工程をさらに有することを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−101596(P2013−101596A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197268(P2012−197268)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】