説明

監視装置、監視方法およびプログラム

【課題】画面表示された移動体の経路上の指定した場所から映像を再生する。
【解決手段】監視装置10は、移動体の動きを検出する動き検出部22と、検出した動きの特徴に基づいて検出ポイントを設定するとともに、その検出ポイントにおける移動体の位置と録画時刻とを含む経路情報を生成する経路生成部23とを備え、経路情報を参照して、検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示装置130の画面上に表示する。さらに、監視装置10は、前記経路上の位置を指定する入力を受け付けて、指定された位置と検出ポイントとの位置関係に基づいて録画時刻を算出する時刻算出部25を備え、指定した位置に対応する録画時刻から映像を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラによって撮影された移動体の映像データを検索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、監視カメラがいろいろな場所に設置され、その監視カメラによって撮影された映像データが、大量に蓄積されるようになってきている。そのため、蓄積した映像データを効率良く検索し再生する技術が、特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献1では、監視装置が、移動体を追跡し、その移動体の動いた経路を算出し、検索を容易にするために、算出した経路とともにその経路上に代表的な映像をサムネイルとして表示する。そして、サムネイルをクリックすると、そのサムネイルに対応付けられた映像が再生されることが記載されている。
また、特許文献2では、監視システムは、検索を容易にするために移動体の検出位置をアイコンで画面上に表示し、アイコンをクリックすると、移動体を検出した時点からの蓄積映像を再生することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−267294号公報
【特許文献2】特開2005−218014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の監視装置は、サムネイルに対応付けられた蓄積映像を先頭からしか再生できない。また、特許文献2に記載の監視システムも、特許文献1の場合と同様に、アイコンに対応付けられた蓄積映像を先頭からしか再生できない。つまり、サムネイルまたはアイコンの表示されていない経路上において映像データを検索できないため、検索効率が悪くなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明では、移動体の経路上の指定した位置から映像を再生できるようにする技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、監視装置は、移動体の動きを検出する手段と、動きを検出した検出ポイントと録画時刻とを含む経路情報を生成する手段とを備え、経路情報を参照して、検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示する。さらに、監視装置は、前記経路上の位置を指定する入力を受け付けて、指定された位置と検出ポイントとの位置関係に基づいて録画時刻を算出する手段を備え、指定した位置に対応する録画時刻から映像を再生する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体の経路上の指定した位置から映像を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】監視システムおよび監視装置の構成例を示す図である。
【図2】記憶部に記憶されている情報の例を示す図であり、(a)は映像DBを表し、(b)は経路DBを表す。
【図3】移動体の経路およびサムネイルを表示した画面例を示す図である。
【図4】経路生成処理における処理フロー例を示す図である。
【図5】再生処理における処理フロー例を示す図である。
【図6】再生開始時刻算出処理における処理フロー例を示す図である。
【図7】第2実施形態における移動体の経路およびサムネイルを表示した画面例を示す図である。
【図8】第2実施形態の再生処理における処理フロー例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、発明を実施するための形態(以降、「実施形態」と称す。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態における監視システムおよび監視装置の構成例について、図1を用いて説明する。監視システム1は、撮像装置110(110a,110b,110c)、入力装置120、表示装置130および監視装置10によって構成される。
撮像装置110は、例えば、ビデオカメラのように映像を撮影し、ネットワーク140を介して、撮影した映像データを監視装置10に送信する機能を有する。なお、図1では、撮像装置110は、3台記載しているが、3台に限られなくとも良い。また、撮像装置110は、パンやチルトが可能な回転台に設置され、ズーム等の操作が可能な機能を備えていても構わない。また、映像データは、動画像であるものとする。
【0011】
入力装置120は、例えば、キーボードやマウスであって、監視装置10に操作情報を入力する機能を有する。
表示装置130は、例えば、モニタであって、監視装置10から出力される情報を表示する機能を有する。表示される情報とは、例えば、撮像装置110によって撮影された映像の再生画像、サムネイル、移動体の経路、カーソル等である。
【0012】
監視装置10は、処理部20と、記憶部30と、入出力IF(インタフェース)40とを備える。処理部20は、制御部21、動き検出部22、経路生成部23、画面構成部24、時刻算出部25、およびサムネイル生成部26を機能として有する。処理部20は図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメインメモリによって構成され、処理部20内の各部は記憶部30に記憶されているアプリケーションプログラムをメインメモリに展開して具現化される。
【0013】
制御部21は、動き検出部22、経路生成部23、画面構成部24、時刻算出部25、およびサムネイル生成部26間の動作を統括して制御する機能を有する。具体的には、処理部20は、入出力IF40を介して撮像装置110、入力装置120および表示装置130と間で情報を送受信したり、処理部20内の各部間や処理部20内の各部と記憶部30との間で情報を送受信したりする機能を備える。また、制御部21は、撮像装置110が撮影した映像データを映像DB(データベース)31に記憶する。
【0014】
動き検出部22は、記憶部30の映像DB31に記憶された映像データを用いて、移動体の動きを検出する機能を有する。なお、動きの検出方法は、公知の方法を用いることができる。
経路生成部23は、移動体の動きを検出した位置と時刻(録画時刻)と含む経路情報を生成する機能を有する。経路生成部23は、生成した経路情報を、経路DB32に記憶する。
【0015】
画面構成部24は、経路DB32から取得した経路情報を参照して移動体の経路を表示装置130に表示するための情報を出力するとともに、後記するサムネイル生成部26によって生成されたサムネイルや、映像DB31から読み出した映像データを表示装置130に表示するための情報に出力する機能を有する。また、画面構成部24は、入力装置120によって操作されるカーソルの位置や入力装置120によって指定された位置の入力を制御部21を介して取得する機能を有する。
【0016】
時刻算出部25は、経路DB32から取得した経路情報を参照しつつ、経路上の位置の情報を取得して、当該位置に対応する録画時刻を算出する機能を有する。この算出された録画時刻は、画面構成部24に出力され、再生する映像の頭だしに用いられる。
サムネイル生成部26は、録画時刻を受け付けた場合、その録画時刻に対応する映像データを映像DB31から取得して、その録画時刻に対応するサムネイルを生成する機能を有する。
【0017】
記憶部30は、映像DB31および経路DB32を記憶している。
映像DB31は、撮像装置110によって撮影された映像データを記憶している。具体的には、映像DB31は、図2(a)に示すように、撮像装置名、ファイル名、録画開始時刻、録画時間長を記憶している。撮像装置名は、撮像装置110を識別する撮像装置識別情報である。ファイル名は、記憶部30内で映像データの格納場所を示すパスとファイルの名前を含む識別情報である。録画開始時刻は、録画を開始した時刻である。また、録画時間長は、録画時間の長さである。
【0018】
経路DB32は、経路生成部23によって生成された経路情報を記憶している。具体的には、経路DB32は、図2(b)に示すように、撮像装置名、経路番号、検出ポイントを記憶している。撮像装置名は、図2(a)と同じ、撮像装置110を識別する撮像装置識別情報である。経路番号は、移動体が監視エリアに入ってきてから出て行くまでの経路ごとに付される識別情報である。
【0019】
検出ポイントは、移動体の動きが動き検出部22によって検出されたフレームに対して生成される情報である。なお、検出ポイントは、移動体の動きが連続するフレームで検出される場合には、毎フレームで設定されるのではなく、例えば、動きの方向の変換点または所定のフレーム間隔で、設定されるものとする。つまり、検出した動きの特徴に基づいて検出ポイントが設定される。したがって、1つの経路番号に対して複数の検出ポイントが関連付けられる。検出ポイントは、番号、座標、時刻、サムネイル名を情報として含んでいる。番号は、検出ポイントを識別する識別情報である。座標は、移動体の動きが検出された座標であり、検出ポイントの座標とも言い換えられる。なお、図2(b)では、座標は、表示装置130の表示画面に対応して、横軸をx軸、縦軸をy軸として表している。時刻は、移動体の動きが検出された時の録画時刻である。また、サムネイル名は、当該録画時刻の映像のサムネイルを格納しているファイルの名前であり、当該ファイルを格納している場所を示すパスを含む。
【0020】
第1実施形態では、1つの経路番号で表される経路は、基本的には、1つの撮像装置110によって撮影された場合を想定している。しかし、例えば、同じ監視エリアを2台の撮像装置110a,110bによって撮影している場合、撮像装置110aによって撮影された映像から算出された経路の終わり(終端)と、撮像装置110bによって撮影された映像から算出された経路の始まり(始端)とが、連続している(双方の位置および双方の録画時刻が所定の閾値以下の)場合には、1つの経路としても構わない。
【0021】
ここで、第1実施形態の監視装置10における処理の概要について、図3を用いて説明する(適宜、図1参照)。図3は、監視エリアの平面図と、移動体の経路およびサムネイルとを表示した画面例を表している。
図3に示すように、検出ポイントのサムネイル310が経路DB32(図2(b)参照)に基づいて表示され、サムネイル310間(検出ポイント間)は、線で結ばれ、移動体の経路として表される。なお、図3では、線は、直線で示されているが、滑らかな曲線であっても構わない。また、シャドウが付されている矩形は、監視エリア内の構築物330または監視の死角を表している。
また、画面には、入力装置120によって操作可能なカーソル320が表示されていて、経路を表す線上の位置を指定(例えば、クリック)すると、その指定された位置の座標(xM,yM)が取得される。そして、指定された位置の座標(xM,yM)に対応する録画時刻が算出されて、映像の頭だしが行われ、映像が再生される。
【0022】
次に、監視装置10において実行される、経路を生成する経路生成処理、経路上の位置を指定して映像を再生する再生処理、経路上に指定された位置に対応する録画時刻を算出する再生開始時刻算出処理、の各処理フローについて、図4〜図6を用いて以下に説明する。
【0023】
まず、経路生成処理の処理フローについて、図4を用いて説明する(適宜、図1参照)。
ステップS401では、動き検出部22は、映像DB31に記憶されている映像データから複数のフレーム(検出ポイントを設定するために所定の数のフレーム)を取得する。なお、1つの映像データには、映像DB31に示す1つのファイル名が付けられている。
ステップS402では、動き検出部22は、取得した複数フレームの映像データに対して、動き検出処理を実行する。そして、動き検出部22は、動きが検出されたフレームにおける移動体の座標および録画時刻を算出する。
【0024】
ステップS403では、経路生成部23は、新たな検出ポイントが経路に含まれるか否かを判定する。具体的には、経路生成部23は、動きの検出されたフレームが連続すると判定される間において、動きの方向の変換点となるフレーム、または既に経路の末端として設定された検出ポイントから所定のフレーム数離れたフレームを、新たな検出ポイントとして決定する。そして、経路生成部23は、当該新たな検出ポイントが経路に含まれると判定する。また、経路生成部23は、既に経路の末端として設定された検出ポイントから所定のフレーム数離れたフレームまでの間に動きが連続しないと判定された場合、例えば、動きを追っていた移動体が撮影対象の監視エリアの外に出てしまったと判定された場合、新たな検出ポイントが経路に含まれないと判定する。そして、新たな検出ポイントが経路に含まれると判定した場合(ステップS403でYes)、処理はステップS404へ進む。また、新たな検出ポイントが経路に含まれないと判定した場合(ステップS403でNo)、処理はステップS405へ進む。
【0025】
ステップS404では、経路生成部23は、経路の末端に新たな検出ポイントを追加する。具体的には、図2(b)に示す経路DB32において、例えば、経路番号がP(a1)である場合、経路の末端である検出ポイントの番号a1nの次の行に、新たな検出ポイントに関する情報を1行増加することに相当する。そして、行増加後には、前記新たな検出ポイントが経路の末端となる。
ステップS405では、経路生成部23は、新たな経路を生成し、新たな検出ポイントを当該経路の始端とする。
【0026】
ステップS406では、経路生成部23は、映像データにおいて未処理のフレームがあるか否かを判定する。未処理のフレームがあると判定した場合(ステップS406でYes)、処理はステップS401へ戻る。また、未処理のフレームがないと判定した場合(ステップS406でNo)、処理はステップS407へ進む。
ステップS407では、経路生成部23は、処理済みの経路に対して、経路番号を付して経路DB32(図2(b)参照)に記憶する。
【0027】
次に、映像の再生処理の処理フローについて、図5を用いて説明する(適宜、図1参照)。
ステップS501では、画面構成部24は、入力装置120を介して入力された検索対象の時間範囲を取得する。
ステップS502では、画面構成部24は、時間範囲内の経路(検出ポイントの座標)とサムネイルとを経路DB32から取得し、図3の画面に示すように、表示装置130へ出力する。
【0028】
ステップS503では、画面構成部24は、表示装置130に表示した経路上の位置を指定する入力があるか否かを判定する。例えば、入力装置120がマウスであれば、図3に示すような画面において、カーソル320を経路上に合わせてクリックすることが、経路上の位置を指定する入力に相当する。入力があると判定した場合(ステップS503でYes)、処理はステップS504へ進む。また、入力がないと判定した場合(ステップS503でNo)、処理はステップS503へ戻る。
【0029】
ステップS504では、時刻算出部25は、再生開始時刻を算出する処理を実行する。なお、この処理の詳細は、図6を用いて後記する。
ステップS505では、画像構成部24は、時刻算出部25が算出した再生開示時刻に基づいて、その再生開始時刻から映像の再生を開始する。
【0030】
次に、図5のステップS504の再生開始時刻算出処理における詳細な処理フローについて、図6を用いて説明する(適宜、図1参照)。
ステップS601では、時刻算出部25は、カーソル320(図3参照)の座標(xM,yM)を取得する。
【0031】
ステップS602では、時刻算出部25は、未処理の経路番号があるか否かを判定する。未処理の経路番号があると判定した場合(ステップS602でYes)、処理はステップS603へ進む。また、未処理の経路番号がないと判定した場合(ステップS602でNo)、処理は終了する。
ステップS603では、時刻算出部25は、経路番号を選択する。
ステップS604では、時刻算出部25は、検出ポイント番号Dを初期値に設定する。例えば、図2(b)の経路DB32を用いて説明すると、経路番号がP(a1)の場合には、検出ポイント番号Dの初期値は、a11である。
【0032】
ステップS605では、時刻算出部25は、経路DB32(図2(b)参照)を参照して、ステップS603で選択された経路番号の検出ポイント番号D,D+1の座標(x(D),y(D)),(x(D+1),y(D+1))を取得する。なお、図2(b)の経路DB32を用いて説明すると、Dがa11の場合には、D+1は次の検出ポイントの番号としてa12となる。
ステップS606では、時刻算出部25は、x(D)≦xM≦x(D+1)、かつy(D)≦yM≦y(D+1)が成立するか否かを判定する。つまり、時刻算出部25は、カーソル320の座標(xM,yM)が、矩形の頂点(x(D),y(D)),(x(D),y(D+1)),(x(D+1),y(D+1)),(x(D+1),y(D))の範囲の中に入っているか否かを判定する。成立すると判定した場合(ステップS606でYes)、処理はステップS607へ進む。また、成立しないと判定した場合(ステップS606でNo)、処理はステップS610へ進む。
【0033】
ステップS607では、時刻算出部25は、座標(x(D),y(D))および座標(x(D+1),y(D+1))を通る線とカーソル320の座標(xM,yM)との距離を算出する。この処理は、カーソル320が、正確に座標(x(D),y(D))および座標(x(D+1),y(D+1))を通る線上の点を指定できるとは限らないので、距離が所定の閾値以下の場合には、線上の位置を指定したとみなすために実行されるものである。
【0034】
ステップS608では、時刻算出部25は、前記距離が所定の閾値以下か否かを判定する。距離が閾値以下の場合(ステップS608でYes)、処理はステップS609へ進む。また、距離が閾値より大きい場合(ステップS608でNo)、処理はステップS610へ進む。
ステップS609では、時刻算出部25は、座標(x(D),y(D))と座標(xM,yM)との間の距離と、座標(x(D+1),y(D+1))と座標(xM,yM)との間の距離との比に等しくなるように、検出ポイントの時刻t(D)と時刻t(D+1)との間の時間を分割し、座標(xM,yM)に対応する時刻t(M)を算出する。なお、座標(x(D),y(D))と座標(xM,yM)との間の距離、および座標(x(D+1),y(D+1))と座標(xM,yM)との間の距離とは、経路上の長さを意味するが、便宜的に直線距離を用いても構わない。そして、処理は終了する。
【0035】
ステップS610では、時刻算出部25は、検出ポイント番号Dに1を加算して、その加算値を新たな検出ポイント番号Dとする。この処理の意味は、次の検出ポイント番号Dを設定することである。
ステップS611では、時刻算出部25は、検出ポイント番号Dが所定の上限値以下か否かを判定する。検出ポイント番号Dが所定の上限値より大きいと判定した場合(ステップS611でNo)、処理はステップS602へ戻る。また、検出ポイント番号Dが所定の上限値以下と判定した場合(ステップS611でYes)、処理はステップS605に戻る。
【0036】
以上、第1実施形態における監視装置10は、移動体の動きを検出する動き検出部22と、検出した動きの特徴に基づいて検出ポイントを設定するとともに、その検出ポイントにおける移動体の位置と録画時刻とを含む経路情報を生成(ステップS404)する経路生成部23とを備え、経路情報を参照して、検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示装置130の画面上に表示する(ステップS502)。さらに、監視装置10は、前記経路上の位置を指定する入力を受け付けて(ステップS601)、指定された位置と検出ポイントとの位置関係に基づいて録画時刻を算出(ステップS504)する時刻算出部25を備え、指定した位置に対応する録画時刻から映像を再生する(ステップS505)。したがって、監視装置10は、移動体の経路上の指定した位置から映像を再生することができる。また、監視装置10は、このような構成を備えているので、経路上の任意の位置において、映像の頭だしが可能となり、検索効率を向上させることができる。
【0037】
(第2実施形態)
第2実施形態が第1実施形態と異なることは、表示装置130の画面に表示された移動体の経路上にカーソルをあわせると、新たにサムネイルが表示されて、サムネイルによって映像の再生前にその映像の確認をすることができる点である。具体的には、図7を用いて説明する。図7は、監視エリアの平面図と、移動体の経路およびサムネイルとを表示した画面例を表している。
【0038】
図7は、図3に示した場合と同様に、検出ポイントのサムネイル310(実線)が表示され、サムネイル310間(検出ポイント間)は、線で結ばれ、移動体の経路として表される。なお、図7では、線は、直線で示されているが、滑らかな曲線であっても構わない。また、シャドウが付されている矩形は、監視エリア内の構築物330または監視の死角を表している。
画面には、カーソル320が表示されていて、入力装置120によって経路を示す線上の位置に合わせると、その合わせた位置(xM,yM)が取得される。そして、合わせた位置(xM,yM)に対応する録画時刻が算出されて、サムネイル710(破線)が生成され、表示される。なお、合わせた位置に対応する録画時刻情報711が表示されても構わない。そして、合わせた位置において、その位置を指定する入力(クリック)が受け付けられると映像の頭だしが行われ、映像が再生される。
【0039】
第2実施形態の監視装置10の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
【0040】
次に、第2実施形態の再生処理における処理フローについて、図8を用いて説明する(適宜、図1参照)。なお、図5に示す処理と同じステップには、同じ符号を付して示す。
図8において、ステップS501〜S502の処理によって、画面構成部24は、図7に示すように、経路およびサムネイル310を表示装置130の画面に表示する。
【0041】
ステップS801では、画面構成部24は、表示装置130に表示した経路上にカーソルがあるか否かを判定する。具体的には、画面構成部24は、カーソル320の位置を取得し、その位置と経路との距離を算出し、その距離が所定の閾値以下であれば、カーソル320が経路上にあると判定する。経路上にカーソルがあると判定した場合(ステップS801でYes)、処理はステップS504へ進む。また、経路上にカーソルがないと判定した場合(ステップS801でNo)、処理はステップS801へ戻る。
【0042】
ステップS504では、時刻算出部25は、再生開始時刻を算出する処理を実行する。
ステップS802では、サムネイル生成部26は、映像DB31を参照して、時刻算出部25によって算出された再生開始時刻に対応する映像データを取得する。
ステップS803では、サムネイル生成部26は、取得した映像データを用いて、サムネイルを生成する。
ステップS804では、画面構成部24は、サムネイルを、カーソル320の位置に表示する。具体的には、図7に示すサムネイル710(破線)のように表示される。
【0043】
ステップS805では、画面構成部24は、位置を指定する入力があるか否かを判定する。位置を指定する入力がある場合(ステップS805でYes)、処理はステップS505へ進む。また、位置を指定する入力がない場合(ステップS805でNo)、処理はステップS801へ戻る。
ステップS505では、画像構成部24は、時刻算出部25が算出した再生開示時刻に基づいて、再生開始時刻から再生を開始する。
【0044】
以上、第1実施形態および第2実施形態における監視装置10は、移動体の動きを検出する動き検出部22と、検出した動きの特徴に基づいて検出ポイントを設定するとともに、その検出ポイントにおける移動体の位置と録画時刻とを含む経路情報を生成する経路生成部23とを備え、経路情報を参照して、検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示装置130の画面上に表示する。さらに、監視装置10は、前記経路上の位置を指定する入力を受け付けて、指定された位置と検出ポイントとの位置関係に基づいて録画時刻を算出する時刻算出部25を備え、指定した位置に対応する録画時刻から映像を再生する。したがって、監視装置10は、移動体の経路上の指定した位置から映像を再生することができる。また、監視装置10は、このような構成を備えているので、経路上の任意の位置において、映像の頭だしが可能となり、検索効率を向上させることができる。
【0045】
さらに、第2実施形態における監視装置10は、カーソル320が表示装置130に表示された経路に合わせられた際、その位置におけるサムネイル710を生成する手段を備え、生成したサムネイル710を表示装置130に出力する。したがって、第2実施形態における監視装置10は、映像を再生する前に、移動体の状態を確認することができる。そのため、監視装置10は、検索効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 監視システム
10 監視装置
20 処理部
21 制御部
22 動き検出部
23 経路生成部
24 画面構成部
25 時刻算出部
26 サムネイル生成部
30 記憶部
31 映像DB
32 経路DB
40 入出力IF
110 撮像装置
120 入力装置
130 表示装置
140 ネットワーク
310,710 サムネイル
320 カーソル
330 構築物
711 時刻表示情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された移動体の映像データを検索するために用いられる監視装置であって、
前記映像データが記憶される記憶部と、
前記映像データから前記移動体の動きを検出する動き検出部と、
検出した動きの特徴に基づいて設定した検出ポイントにおける前記移動体の位置と録画時刻とを関連付けた経路情報を生成する経路生成部と、
前記経路情報を参照して、前記検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示装置に表示するとともに、前記表示装置に表示された経路上の位置を指定する入力を受け付ける画面構成部と、
前記指定された位置と前記検出ポイントとの位置関係に基づいて前記指定された位置に対応する録画時刻を算出する時刻算出部と、
を備え、
前記監視装置は、前記指定された位置に対応する録画時刻から前記映像データを再生する
ことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記時刻算出部は、
前記経路上で隣り合う第1の検出ポイントと第2の検出ポイントとを結ぶ線上に前記指定された位置が存在する場合、
前記第1の検出ポイントの位置と前記指定された位置との距離と、前記第2の検出ポイントの位置と前記指定された位置との距離との比に基づいて、前記第1の検出ポイントの録画時刻と前記第2の検出ポイントの録画時刻との間の時間を分割し、前記指定された位置に対応する録画時刻を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記監視装置は、
前記算出した録画時刻の影像データを前記記憶部から取得し、当該算出した録画時刻の映像データのサムネイルを生成するサムネイル生成部を備え、
前記画面構成部は、前記表示装置に表示された経路上に合わされたカーソルの位置を取得し、
前記時刻算出部は、前記カーソルの位置と前記検出ポイントとの位置関係に基づいて前記カーソルの位置に対応する録画時刻を算出し、
前記画面構成部は、前記サムネイル生成部によって生成された前記カーソルの位置に対応する録画時刻の映像データのサムネイルを、前記表示装置の前記カーソルの位置に表示する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
撮影された移動体の映像データを検索するために用いられる監視装置の監視方法であって、
前記監視装置は、
前記映像データが記憶される記憶部を備え、
前記映像データから前記移動体の動きを検出する動き検出ステップと、
検出した動きの特徴に基づいて設定した検出ポイントにおける前記移動体の位置と録画時刻とを関連付けた経路情報を生成する経路生成ステップと、
前記経路情報を参照して、前記検出ポイント間を結ぶ線を移動体の経路として表示装置に表示し、前記表示装置に表示された経路上の位置を指定する入力を受け付ける画面構成ステップと、
前記指定された位置と前記検出ポイントとの位置関係に基づいて前記指定された位置に対応する録画時刻を算出する時刻算出ステップと、
前記指定された位置に対応する録画時刻から前記映像データを再生するステップと
を実行することを特徴とする監視方法。
【請求項5】
前記時刻算出ステップでは、
前記経路上で隣り合う第1の検出ポイントと第2の検出ポイントとを結ぶ線内に前記指定された位置が存在する場合、
前記第1の検出ポイントの位置と前記指定された位置との距離と、前記第2の検出ポイントの位置と前記指定された位置との距離との比に基づいて、前記第1の検出ポイントの時刻と前記第2の検出ポイントの時刻との間の時間を分割し、前記指定された位置に対応する前記指定された位置に対応する録画時刻を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の監視方法。
【請求項6】
前記監視装置は、
前記表示装置に表示された経路上に合わされたカーソルの位置を取得するステップと、
前記カーソルの位置と前記検出ポイントとの位置関係に基づいて前記カーソルの位置に対応する録画時刻を算出するステップと、
前記算出した録画時刻の影像データを前記記憶部から取得し、当該算出した録画時刻の映像データのサムネイルを生成するステップと、
前記取得した録画時刻の映像データのサムネイルを、前記表示装置の前記カーソルの位置に表示するステップと
を実行することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の監視方法。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の監視方法を、コンピュータである前記監視装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−51476(P2013−51476A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187043(P2011−187043)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】