説明

監視装置における監視カメラ駆動方法

【課題】従来技術では、監視カメラを上下、円周状に移動するための駆動機構の微妙なずれ発生し、所定停止位置の再現性が悪く、監視画像データ比較処理において問題となっていた。本発明の目的は、前記問題を解決し、所定停止位置の再現性の良い監視カメラ駆動方法を提供することである。
【解決手段】本発明では、前述の問題を解決するために、監視カメラの上下方向の移動手段として、周囲温度、湿度や経年変化の影響を少なくするため、駆動機構にボールネジ、回転方向の移動手段として駆動機構に組合せギヤを使用し、駆動部の前記ずれの原因を排除し、微妙なずれを無くすことで監視カメラ停止位置の再現性改善を図ろうとするものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視装置で例えば、小動物監視装置における監視カメラ駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
監視装置で例えば、小動物監視装置の場合で以下説明する。図1に小動物監視装置の概要を示す。図1(a)は上から見た平面図で、図1(b)は横から見た側面図である。10は小動物監視装置、1は監視カメラ、9は小動物が収容されているパレット、8は前記パレット9が一列あたり複数段縦に収容できるラックである。小動物監視装置は24時間連続して小動物の習性等を監視するための装置で、該小動物監視装置10の回り360度にわたり図1(a)のように小動物を収容したパレット9を1列当り複数段収容したラックを配置したものである。
【0003】
監視動作は監視カメラ1を例えば、最下段のパレット9から撮像を開始して、所定時間撮像して、円周状に監視カメラ1を回し、次列の最下段のパレット9位置で固定して撮像し、次々に撮像して行き、図示しない画像記録装置に前記撮像画面データを記録する。全ラック8を1周したら、次に1段上のパレット位置に監視カメラ1を移動し、固定して同様に撮像し、撮像画面データを記録するものである。小動物監視装置は、このような動作を24時間連続して繰り返し、小動物の行動を監視し、その動きを画像解析するものである。
【0004】
従来の小動物監視装置10の監視カメラ1の移動手段としては、上下方向はワイヤー、回転方向はベルトによるモータ駆動で行っていた。前記ワイヤーやベルトは周囲温度、湿度や経年変化による伸び縮みが発生して、監視カメラ1の所定停止位置に微妙にずれが発生し、監視カメラ1で撮像した画像データの比較処理の問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術では、監視カメラを上下、円周状に移動するための駆動機構の微妙なずれ発生し、所定停止位置の再現性が悪く、監視画像データ比較処理において問題となっていた。本発明の目的は、前記問題を解決し、所定停止位置の再現性の良い監視カメラ駆動方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、前述の問題を解決するために、監視カメラの上下方向の移動手段として、周囲温度、湿度や経年変化の影響を少なくするため、駆動機構にボールネジ、回転方向の移動手段として駆動機構に組合せギヤを使用し、駆動部の前記ずれの原因を排除し、微妙なずれを無くすことで監視カメラ停止位置の再現性改善を図ろうとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1によって説明する。図1(a)は従来技術で説明した通りである。ここでは、図1(b)の側面図を使って説明する。
1は監視カメラ、2は監視カメラ1を載せてある台で上下方向に移動するための昇降台、3は監視カメラ1を円周方向に回転させるための旋回台、4は昇降台2を上下方向に駆動するための上下駆動用モータ、5は旋回台3を円周方向に回転するための回転駆動用モータ、6は昇降台2を上下方向に移動するために上下駆動用モータにより回転するボールネジ、7は回転駆動用モータ5の動力を旋回台3に伝達して旋回台3を円周方向に駆動するための組合せギヤ、10は小動物監視装置、9は小動物を収容したパレット、8はパレット9を上下方向に複数段収容するためのラックである。
【0008】
次に監視カメラ1を上下方向と円周方向に移動するための駆動方法について説明する。
監視カメラ1を載せた昇降台2は上下駆動用モータ4を回転させることで、該モータの動力をボールネジ6に伝達させる。該ボールネジ6と対抗する図示しないボールネジ受けが昇降台2に取り付けてあり、ボールネジ6の回転によりボールネジ受けが取り付けてある昇降台2を上下方向に移動させることができる。
【0009】
前記昇降台2、上下駆動用モータ4、ボールネジ6とも旋回台3上に取り付けてある。回転駆動用モータ5を回転させることで、該モータの動力を組合せギヤ7を介して旋回台3に伝達させる。これにより旋回台3を円周方向に回転させることができる。以上により、昇降台2に載せた監視カメラ1を上下方向に移動させ、また旋回台3に載せて取り付けてある昇降台2上の監視カメラ1を円周状に回転させることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、前述のワイヤーやベルトによる駆動機構に比べて駆動ずれが少なく、監視カメラの停止位置の再現性を向上させることができる。また、駆動部の経年変化も少なく装置としても信頼性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小動物監視装置の一実施例を示す概要図
【符号の説明】
1:監視カメラ、2:昇降台、3:旋回台、4:上下駆動用モータ、5:回転駆動用モータ、6:ボールネジ、7:組合せギヤ、8:ラック、9:パレット、10:小動物監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラを上下方向に所定の距離移動させる手段と、回転方向に移動させる手段を有する監視装置における監視カメラ駆動方法において、前記監視カメラの上下方向に移動させる駆動手段としてボールネジを、また、回転方向に移動させる駆動手段に組合せギヤを合わせて有することを特徴とする監視装置の監視カメラ駆動方法。

【図1】
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【公開番号】特開2004−108527(P2004−108527A)
【公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−274207(P2002−274207)
【出願日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】